大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年7月3日

(平成19年7月3日(火) 9:27~9:37  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議ですが、情報通信白書について、レバノンのパレスチナ難民への緊急無償資金協力について、それから総理から、海洋政策担当大臣として冬柴大臣を任命し、総合海洋政策本部を7月20日をもって内閣に設置する旨の御発言がありました。今日、海洋基本法が施行ですのでそれに合わせてということです。官房長官からは、5日に国会が閉会となりますが、閉会中の閣議は10時から開かれるというお知らせがありました。
 閣僚懇談会では、チャレンジ宣言といいまして、1人1日1キログラムのCO2を減らすため、私は何をやりますというのがあるのですね。「私のチャレンジ宣言」というものをホームページから取れるらしいのですが、自分でやりそうなことをチェックするのですね。例えば「シャワーを1日1分短くする」、これで74グラムです。これを各閣僚がつくってきたと、その話がありました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)昨日の話ですが、日銀短観が発表になりました。3月調査に比べまして幾つか注目すべき点もあったかと思います。業況判断で言えば大企業は横ばいという結果で終わりましたが、まずこの点に関して大臣なりに注目して御覧になった点、それから併せて改めて景気認識についてお尋ねいたします。
(答)日銀の短観は企業部門の堅調さが確認された内容であったと思っています。業況判断は横ばい、企業収益も横ばいですが、設備投資は一時やや弱さを懸念される時期もありましたが、日銀短観では一貫して増加が続いているということです。
 ただ、やはり鉱工業生産指数に表れるような生産の弱さは続いておりますので、依然注意が必要であると思っています。
(問)国会が間もなく終わりますが、この後選挙に入りまして、諮問会議の今後の日程について何かそろそろ目途が立ってきたのかどうか。それから、かねて仰っていらっしゃった夏の集中討議に関しても何か目途が立ってきていればお願いします。
(答)まだ日程については全く未定です。選挙が終わりましてから、今度は概算要求基準の議論に入りますので、諮問会議としては「予算の全体像」を出します。通常、「予算の全体像」はまず民間議員の方から提案がありまして、諮問会議として取りまとめますが、これが概算要求基準への注文といいますか提案になります。それを受けて概算要求基準の議論が諮問会議でなされるということになります。それが選挙直後になります。
 集中審議につきましては、今どういうテーマでどういうスケジュールで行うか少し内部で検討中です。
(問)政治に関してなのですが、久間防衛大臣のアメリカの原爆投下をめぐる発言について、今日長崎の市長が抗議のために上京するということですし、野党はもちろん与党内からも批判の声が上がっているのですが、こうした状況を閣僚の一人としてどのように捉えられているでしょうか。
(答)久間大臣は長崎の方ですから、何故長崎だったのだろうということはずっと考えてこられているのだろうと思います。ただ、あの発言自体はやはり誤解を与えます。「しょうがない」ということはやはり言ってはいけないことです。それは久間大臣もしっかりとお詫びしておられますし、総理も誤解のあるような発言は決してすべきではないということを厳しく言われたようですので、私もそのとおりだと思っています。
(問)先ほどお話に出た1人1日CO21キログラム削減で、大臣はどのようなことをされるということでチェックしていますか。
(答)色々なことをするのですが、細かくありまして、たくさんの項目の中からチェックして、これが1キログラムを超えるようにするのですね。「シャワーを1日1分短くする」、「入浴は間隔を開けずにする」、「古いエアコンを省エネタイプに買い替える」、「冷房の利用時間を1時間減らす」、「テレビを見ない時は消す」、それから「1日1時間パソコン利用を減らす」など、ちょっとこういうのは難しいですね。
 それから、「冷蔵庫を適切な間隔で設置する」、「ガスコンロの火を鍋底からはみ出さないように調節する」というのもあるのですが、そもそもあまり料理をする時間がないですからね。無理のない範囲でやりたいと思います。
(問)昨日、毎月勤労者統計が発表されて給与総額が6カ月連続でマイナスが続いているのですが、賃金が伸び悩んでいる状況を、勤労者統計を見る限りでどう御覧になっているのかということ。あと、伸び悩んでいる状況がなぜなのかを分析されて久しいと思うのですが、現時点でどの程度説明要因が解明されているのか、教えていただけますでしょうか。
(答)本当にこれは色々な角度から分析しています。団塊世代のリタイヤの影響はないかとか、それから教育、学習というところで余り賃金が上がっていませんから、地方公務員で特に教職の方の給与が下がっているのが原因ではないかとか、色々な角度から分析しまして、それなりに影響は抽出されています。しかしながら、それで賃金が上がらないという状況を全部説明できる程の強さがないのですね。幾つかの複合要因であろうということは言えるのですが、決定打となるような分析結果がありません。
 ただ、需給の逼迫がいずれ反映されるというのは考えられますので、最近の労働需給の逼迫がいずれは反映されてくるだろうという見方は変えておりません。
 あとは、前もこの場で少し申し上げましたが、ミクロの状況でやはりサービス価格がなかなか上がらないことが日本の特徴としてある一方で、サービス業の生産性を上げていくという、これは中期的な取組になりますが、そういうことも必要だろうと考えています。
 まだ依然として正規社員も増えていますが、非正規社員も増えているということも恐らく賃金が上がらないことの背景にあるのだろうということで、本当に色々な角度で分析したのですが、決定的にこれだという一つの要因はないということですね。複合的な要因だろうと考えています。
(問)需給要因の逼迫がいずれ賃金に反映されていくと言う場合の、その「いずれ」というのは割と近い将来と御覧になるのですか。
(答)まだ何ともそこは、いつということは申し上げられませんが、少なくとも2005年の時点では一度上がりかけているわけですね。一度上がって来てまたそれが上がらなくなって横ばいが続いているということは、団塊世代のリタイヤであったり、地方公務員の給与が下がっているといったことが、決定打ではなくとも幾つかの複合要因として影響を与えていると見ています。
 したがって、そういう構造要因を抽出した残り、また需給要因として2005年度に一度上がり始めたようなメカニズム自体は切れていないと考えています。
 したがって、まだいつということはなかなか言えませんが、メカニズム自体は切れていないと見ています。
(問)日銀短観ですが、昨日の発表を受けて、日銀の追加利上げを後押しする内容だという受け止め方が市場では強まっています。金融政策の関連で御所感をお聞きしたいのですが。
(答)金融政策は日銀がお決めになることですので、さまざまな経済、物価のデータを点検されてお決めになると見ています。

(以上)