大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年3月23日

(平成19年3月23日(金) 8:52~9:01  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。

 閣議ですが、弾道ミサイル防衛、文部科学白書、松岡大臣のインドネシア出張の御報告がありました。その後の閣僚懇談会では、冬柴大臣から地価公示についての御報告がありました。

 閣議の報告は以上です。

 来週火曜日の諮問会議ですが、議題は大きくは2つあります。1つは、公務員制度改革について、渡辺大臣をお呼びして議論いたします。それから、2つ目は根本補佐官、冬柴大臣においでいただいて、アジア・ゲートウェイ構想の報告をしていただき、関連して空港・港湾の24時間化、オープンスカイ構想について議論いたします。

 以上です。

2.質疑応答

(問)閣僚懇の中で冬柴大臣から話があった地価公示ですけれども、昨日発表がありまして、大臣御承知のとおり住宅地、商業地とも16年ぶりに上昇に転じたということです。まず今回の地価公示の結果につきまして、大臣はどのように見ていらっしゃるか伺いたいと思います。
(答)バブル前と地価決定の仕組みは大きく変わって、収益還元的なものになっているわけですね。利用価値をかなり反映するようになってきており、そういう構造変化の上で下落が止まり、一部の地域でしっかり上がってきたのは喜ばしいことだと考えています。
(問)ただ仔細に見ていきますと、都市部では相当な値上がりで、ある種バブルを懸念する声も出るほど上がっている一方で地方へ行きますとまだ下落していると。こうした状況をどのように見ていらっしゃいますか。
(答)地方もマイナス幅は縮小してきています。今回、商業地で見ますとマイナス幅が拡大した地域は一つもないのですね。住宅地で見てもマイナス幅が拡大したのは四国が香川県、高知県、そして島根県、鹿児島県という4県ですね。マイナス幅は確実に縮小してきていると。将来の収益、利用価値に応じて価格が決められるようになっていますので、やはり地域についても本当の意味の経済活力、経済の将来展望が少しずつは見えてきているかなと。それをしっかりと開いていくことだと思います。地方でも中心地域では上がっているところがありますので、やはり全体としての経済活力を高めていくことが大事だと思います。
 一部の都市部地域で、バブルの懸念が言われていますが、背景を見ますと、やはり地域のブランド力が上がってきていたり、住宅地をうまく商業用途に活用したりする取組があるところも多いですから、これが直ちにバブルだという見方はできないと思っています。
(問)土地デフレはもうこれで終息したのではないかという見出しも今朝新聞で踊っていますけれども、その点は大臣いかがですか。
(答)資産デフレは一般のデフレ以上にしっかりと定義が決まっていないので、終息したかどうかはよく分かりませんけれども、やはり下げ止まり感は出てきているのかなと。仰ったように地域毎ではまだ全体的に、依然として下げていることは事実ですから、下げ止まりとは言えませんけれども、やはり将来への明るさが少し出てきているのかなという感じはしますね。
(問)次回の諮問会議ですけれども、公務員制度改革を前回に引き続いて議論されるということですが、今回はどういった点に集中して議論をするのかということと、それともう一つのアジア・ゲートウェイ関連について、民間議員の方で何か提案を予定されているのかどうか教えてください。
(答)まず公務員制度改革ですが、27日の諮問会議までに渡辺大臣の方でしっかりと法案化に向けた設計をやってくれというのが総理指示です。人材バンクの基本的な設計と、移行期間をどれくらいにするかという2つが大きいポイントだろうと考えています。昨日渡辺大臣から人材バンクの基本原則について各省に協議がかけられておりますけれども、それをめぐって議論が行われるだろうと考えています。
 それから、アジア・ゲートウェイ構想関連では、一つは空港・港湾の24時間化を議論します。これはアジア・ゲートウェイ構想の中間取りまとめでも出されている論点です。首都圏の空港の利用度を高めることについて民間議員からもペーパーが出されて議論されます。民間議員からは、主に羽田空港に焦点を当てた形で提案が出されます。
 もう一つのオープンスカイ、この名前は検討しなくてはいけませんが、アジア・ゲートウェイ構想ではアジアに絞った形で出されていますけれども、民間議員からは航空協定について全般的なところまで含めて提案が出されると見ています。これは、前回議論した時に総理からも、私の任期中にしっかりと解決をつけていきたいという積極的な指示がありましたので、今回それに向けて議論が進むと見ています。
(問)人材バンクについては、新しい組織には各省庁から人事担当者は派遣するものの出身省庁の再就職の斡旋はしないということが渡辺さんの案では明確にされそうな様相ですけれども、この案についていかがでしょうか。
(答)基本的には人材バンクに一元化したものの、いわばトンネル機関のように使われて、実質的に前と同じ構造が続くというのでは改革にはなりませんので、やはりそこはしっかりと遮断する設計は不可欠だと思いますね。その点は非常に重要な議論のポイントですね。
(問)地価公示ですけれども、一部の都心部の値上がりの問題、4割以上というようなところがありまして、これについてはどのように考えればいいのでしょうか。少し注意しなければいけないという程度なのか、あるいは何か手を打つ必要が出てきているのか、いかがでしょうか。
(答)過熱感のようなものは一部にあると思います。ただ冒頭に申し上げたように、地価の決定の仕組みが以前とは違っていますので、商業地全般が上がるとか、住宅地全般が上がるなど、土地全体の実需に基づかないような形で期待感のみが高まるという構造とは違って、利用価値を反映した価格になってきていますので、一部の地域で大きい値上がりがあるということがそのままバブルに結びつくという見方はしておりません。もちろん注意は必要だと考えています。ただ、これで何らかの手を打つ必要はまだないと考えています。
(問)一般的な質問ですけれども、地価公示の件で景気全般に与える影響について大臣の認識をお伺いしたいのですが。
(答)今は地価の上昇が景気に影響を与える資産効果よりも景気が良くなって持続していることが地価に影響を与えているというメカニズムの方が強いと考えていますので、今回の公示地価で得られた結果が景気に反映するとは今は見ていません。まだ資産価格が消費を押し上げるほど全般的に住宅地等で上がっているわけではないですよね。

(以上)