大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年2月8日

(平成19年2月8日(木) 8:59~9:10  於:記者会見室)

1.発言要旨

それでは、ただ今から、今日の成長力底上げ戦略構想チームの御報告を申し上げたいと思います。
 内閣府副大臣の大村でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今日は、8時20分から官邸におきまして、官房長官主催で第2回「成長力底上げ戦略構想チーム」の会合を開催いたしました。
 会合では、官房長官から、お手元にお配りしてございます「主な論点」が示されますとともに、参考となる諸外国の政策の紹介もございました。説明は事務方が行いましたけれども、その後、メンバーによる議論が行われました。
 その冒頭に、大田大臣から、「主な論点」に関しまして、各政策を一体運用することで一層効果のあるものにすることを目指す必要がある、この方向でさらに具体化に取り組んでほしい、という発言がございました。
 そうした中で、メンバーからは、諸外国の事例を引きながら、いわゆる失業給付ではなくて、積極的に職業訓練、就労支援といったことに向ける 方向がいいのかねという御発言ですとか、人材能力開発には企業のニーズや市場との連携、いわゆる産業界なり企業が何を欲しているのかを踏まえてやっていく 必要があるのではないかという御意見などを頂きました。
 なお、今後の戦略構想チームの予定でございますけれども、こうした議論を経まして、次回は2月中旬の経済財政諮問会議の直前に開催いたしまして、その後諮問会議にこの「戦略構想」を報告して、御議論を賜るとことといたしております。
 今日の会合の概要は以上でございます。

2.質疑応答

(問)いわゆるワーキングプアについては、今日は会議の中で何か話題に上りましたか。
(答)今日はありません。限られた時間でもありますし、お手元にありますこの論点と外国の事例でありますから、この論点に沿って、今私が申し上げたような御意見や外国の事例についての御意見が若干ありました。今、御質疑の点は、今日は話題には上っておりませんでした。
(問)関連で確認ですけれども、大田大臣の前回初会合の時の会見で、ワーキングプアという人たちがどういう人たちなのかという定義と、何人そう言わ れる人たちがいるかというのが、今のところまだ、難しくて定まらないということだったのですけれども、今日の段階でそれが何か政府として定められたという ことは。
(答)今日の時点でというのはありません。前に大臣なり事務方から話があったと思いますけれども、い わゆるワーキングプアというのは概念が広いので、まずそこをどうやって括るかということがないと、やはり数字というのは示せないと思います。その点も含め て、ただ、その概念があることは重々認識しておりますから、それを踏まえてまたどういう括り方なのか、どういう層なのか、そしてそれに対してどういう政策 を打ったら一番効果的なのかも、引き続き、関係者と詰めていきたいと思っています。
(問)関連ですけれども、来週の経済財政諮問会議までに、ワーキングプアは一応のものを示されるという方向なのでしょうか。
(答)いや、それはまだもうちょっとかかるといいますか、並行的にということになると思います。今回 のものは、やはり時間も限られておりますし、そういう中で今日お示しした論点、3点がこの2枚紙のペーパーにあると思いますが、それをさらに詰めてまと め、経済財政諮問会議にご説明し、お諮りすることになろうかと思います。
(問)論点整理で、例えば就労支援で「「福祉から雇用へ」という基本的な考え方をどう考えるか」とあるのですが、これまでの説明だと、「考えるか」 というよりも「就労支援に向ける」というイメージだったのですが、改めて論点として出されたのは、どういうことなのでしょうか。そうでない考えも、やはり まだ強いということなのでしょうか。
(答)いや、そうではなくて、この書き方の問題かもしれませんが、就労戦略で「福祉から雇用へ」とい うのは、これは我々の目指していくいろいろな施策の考えの底辺なのですが、これをポイントとしてまとめる上において、最初の基本的な考え方はやはりきちっ と整理しておこうという意味でここに書いてあるということで御理解いただければと思います。
(問)この議論から始めるわけではないと。
(答)違います。だから、それはどのような基本的なスタンスなのかということをまず示して、その個々の具体策という意味でここに書いてあるということで御理解いただければと思います。
(問)最低賃金についてですけれども、今回こういった戦略を考える上で最低賃金も一つの鍵になってくると思うのですが、このところは今日は議論になったかということと、今後、最低賃金のあり方について方向性もかなり出していくことになるのでしょうか。
(答)一つの議論といいますか、論点にはなると思っております。今日は、特にそういう御意見があったわけではありませんが、やはり一つの論点にはなると思います。
(問)今日午後にヒアリングされるというご案内もありますけれども、次回の諮問会議に向けて構想をまとめるプロセスについて、あと1回の会議で決めていくということですが、どういう段取りで決まっていくのか、ちょっと見えないのですが。
(答)今日ヒアリングを行って、また来週も行おうかと思っておりますけれども、専門家、有識者に十分 御意見を頂きながら、あとは並行的に、我々事務方と関係省庁とで詰めて、できるだけよいものを作っていきたいと思っております。もちろん、主導は官房長官 と大田、山本両大臣でありますから、3大臣を中心にして、十分詰めていきたいと思っております。
(問)この論点ペーパーですけれども、「「福祉から雇用へ」という基本的な考え方をどう考えるか」とか「最低賃金制度についてどう考えるか」と書い てあるのですが、最終的なところでは、このような考え方が出てくるのか、それとも、それを進めるためにこういう施策が必要なのだと、さらにそこまで踏み込 んだものが出てくると思ってよいわけですか。
(答)考え方では、ちょっと戦略ということにならないと思います。ただ、今のこの時点でどこまでできるかというのはあるかと思いますが、可能な限り肉付けをしたいと思っております。
(問)取りまとめの中には、時間軸といいますか、いつやるのか、今年の予算なのか、また補正なのかといったことは示されるのでしょうか。
(答)いや、そこまではちょっと難しいと思いますね。これは結局、今の時点である程度の考え方、でき るだけ今の時点で可能な限り踏み込んでと申し上げましたが、さらに肉付けして、やれるものはもちろん今やっていきたいと思いますけれども、具体化していく のは、今後の6月ぐらいの「骨太の方針」に入れ込んでつなげていくことになろうかと思います。言葉が適当か分かりませんが、その前さばきというような感じ で御理解いただければと思います。
(問)今日の主な論点を見ていると、前回配られた資料からそれほど変わっていない感じがするのですけれども、今日は特にこの点が前進したということがあれば教えてください。
(答)前回の資料と今回の資料を見比べて、確かに全く方向が違うなどということは、この短い時間にあ るわけはないので、前回の資料からさらにもう少しブレークダウンしたところまで来た。それから、諸外国の例を詳細に調べて報告させていただき、参考にして いただくということでございまして、これをさらにこの方向で詰めて、今の時点でまとめられるものをまとめていきたいと思っております。  まだまだ中間段階なので、今日はこの程度ということでございますが、また次回仕上がりを御期待いただければと思います。よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。

(以上)