大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年12月12日

(平成18年12月12日(火) 9:27~9:35  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議ですが、金融担当大臣から破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告について御発言がありました。その後フィリピン及びシンガポールの出張について、外務大臣、経済産業大臣から御報告がありました。
 閣議は以上です。
 閣僚懇談会で、まず総理から19年度予算における国債発行額について御発言がありました。平成18年度当初予算の国債発行額は、前年度に比べて4兆4,170億円の減額幅でしたけれども、これを上回る過去最大の減額を目指すという御発言がありました。
 これを受けて財務大臣から、相当厳しいものではあるけれども、各省との間で折衝を行い、縮減・見直しを行っていくという御発言がありました。
 次回の諮問会議は木曜日に開きます。中期方針の原案について審議いたします。前回事項案をお示しいたしましたが、これに更に内容を盛り込んだ原案についてご審議いただくことにしております。
 その次の諮問会議の日程は今調整中です。もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず、来年の春闘の関係で、日本経団連の御手洗会長が昨日の会見で、来年の春闘方針について、原則企業別に決めてほしいということで、一律のベアをする考えを否定されています。今の景気の状況は雇用者所得が伸び悩む中で、個人消費が伸び悩んでおり、若干足踏み状態の状況にありますけれども、来年の春闘に望むことと御手洗会長の御発言に対してどう思われるか、御所見をお願いします。
(答)恐らく春闘のやり方がここ数年大きく変わってきたのだろうと思います。最近の雇用の変化を受け、一律交渉方式から変わってきているということだと思います。それぞれの賃金については、経済状況に応じて労使が判断することだと思います。最近、雇用者報酬が足踏みしておりまして、特に1人当たり賃金が少し足踏みしておりますけれども、この背景には構造的な問題も考えられますので、来週のシンポジウムでも議論し、今後も少し検討していきたいと思っています。
(問)もう1つ景気に絡む話ですけれども、来年1月から所得税の定率減税が全廃になりますけれども、これが個人消費に与える影響についてはどうお考えでしょうか。
(答)今の時点でなかなか読めない点があります。ただ、定率減税を廃止する時に景気も判断するという条項がありましたけれども、その状態ではないと見ています。
(問)定率減税の廃止は家計の可処分所得の減少に繋がってくると思いますが、それが家計の消費に影響を及ぼすという理解についてはいかがですか。
(答)その可能性は十分に注意しなければいけないと思いますけれども、ただ今回のボーナスがどうなるかも絡みますし、どの程度の影響を及ぼすのか、もちろん注意して見なくてはいけないと思います。今の時点で明確に申し上げることはできません。
(問)市場化テストの関係ですが、今日の官民競争入札等監理委員会で答申が出されると思いますが、ちょっと時間が早いですが、担当大臣として御感想をお願いします。
(答)監理委員会を通し、可能な限りの折衝をやっていただいたと思っています。その中で、長い間懸案事項になっていたハローワークについては、なるべく早く私の下で私的懇談会を立ち上げて、本格的に詰めていきたいと考えています。市場化テストは官の改革という意味では極めて重要な柱ですので、今回法律ができてから1回目でしたけれども、さらに充実するように来年取り組んでいきたいと思っています。
(問)次回の諮問会議では集中審議は行うのでしょうか。
(答)今回は当初の予定では、総理が御出張から帰られた翌日で1時間取るだけで精一杯でしたので、基本的には中期方針の原案をしっかり議論したいと思っています。それ以外の議題を掲げる余裕がないというところです。
(問)先週末にQEが大幅に下方修正されたことについて自民党の中川幹事長が大幅減速の原因は量的緩和の解除とゼロ金利の解除くらいしか考えつかないと仰って、かつ日銀に対してその関係について説明をお聞きしたい、諮問会議で報告を求めたいと仰っておりますけれども、それは次回議論されるのでしょうか。
(答)いえ、予定はしておりません。
(問)総理から御発言のあった国債の大幅減額に関連して、諮問会議でも財政健全化に向けた議論が進められてきましたが、改めて今回の総理の指示を受けまして、大臣の御所見を伺えますか。
(答)税収増を安易な歳出に振り向けないことはずっと議論してまいりまして、総理から国債発行額を大幅減額せよという指示もありました。今回の御発言はそれに沿ったもので歳出・歳入一体改革の初年度に相応しい予算になっていくベースができたと思っています。

(以上)