大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年11月28日

(平成18年11月28日(火) 9:25~9:40  於:記者会見室)

1.発言要旨

お待たせしました。おはようございます。
 今日の閣議での発言はありません。
 閣僚懇談会で、総理から18年度補正予算及び19年度予算の編成について御発言がありました。読み上げます。
 平成18年度補正予算及び平成19年度予算編成に当たっては、財政健全化路線を堅持し、改革の徹底を基本的な方針とします。
 まず、平成18年度補正予算においては、国民の安全、安心の観点からの災害対策等の必要な経費に限定をし、それ以外については公債減額を行うなど、財政健全化に向けた改革姿勢を明確にすることとします。
 また、平成19年度予算においても、財政健全化路線を堅持する方針の下で、国債発行額を平成18年度当初予算における公債発行額、これは29兆9,730億円ですけれども、これよりも大幅に減額することとし、歳出の削減、見直しを徹底することとします。これにより、来年度予算においても、本内閣の財政健全化に向けた厳正かつ強固な意志を明確にし、更に改革を進めることとします。
 財務大臣におかれては、こうした方針の下で、平成18年度補正予算及び平成19年度予算の編成に当たっていただき、閣僚各位におかれても、歳出の見直しを行い、改革の徹底に当たられるようお願いいたします。
 なお、道路特定財源については、現行の税率を維持し、一般財源化を前提に見直しを行い、納税者の理解を得ながら、しっかりとした具体案を取りまとめます。関係閣僚におかれては、官房長官を中心に検討を行い、改革の名にふさわしい成案を得るよう、特に御尽力をお願いいたします。
 総理の御発言は以上です。
 次いで財務大臣から総理の発言を受けての御発言がありましたので、ご紹介します。
 ただ今の総理からの御指示を受け、平成18年度予算の編成に当たっては、国民の安全・安心の観点からの災害対策等の必要な経費に限定して対応することとし、できる限り公債減額を行うとともに、平成17年度決算剰余金9,009億円の全額を国債整理基金特別会計に繰り入れることとし、財政健全化路線を堅持したいと考えます。また、平成19年度予算においても、平成18年度当初予算における公債発行額29兆9,730億円よりも大幅に減額を行いたいと考えます。これらの実現に向けて、各閣僚の皆様方におかれましては、更に所管予算の徹底した縮減・見直しを行っていただく必要があり、御理解と御協力をお願い申し上げます。
 ということで、補正予算並びに19年度予算につきましては、先日の諮問会議で出された総理指示と同じ内容を今日御発言になりました。
 閣僚懇談会では、あともう1点、独立行政法人の中間目標期間終了時の見直しについて、総務大臣と佐田大臣から御発言がありました。
 閣僚懇談会での御発言は以上です。
 あとは、諮問会議について補足いたします。明後日30日の17時半から諮問会議を開催いたします。議事としましては、まず一つに「予算編成の基本方針について」、それからもう一つの大きい柱として、集中審議の5回目として、「労働ビッグバン」について議論いたします。この中に、再チャレンジ支援、ハローワークに係る市場化テストの問題も含めて議論したいと考えています。臨時議員としておいでいただくのは、山本再チャレンジ担当大臣、柳澤厚生労働大臣です。その次の諮問会議は、12月7日に開催する方向で現在調整中です。テーマについてはまだ決まっていませんので、決まり次第ご報告いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず最初お話がありました補正予算の件ですけれども、前回の諮問会議終了後に対象範囲について若干あいまいなところが残っておりましたが、今回「災害対策など」というのは、災害復旧対策には限らないということですか。
(答)この表現は、この前の諮問会議での最後の総理の御発言とほとんど一緒です。安全・安心に絞り、それ以外の補正はやらないということですね。「安全・安心の観点からの災害対策等の必要な経費に限定をし」ということで、この間の諮問会議での御発言とほとんど一緒です。
(問)災害対策というのは、災害復旧対策には……。
(答)そこまでは言っておられませんが、災害対策といえば、恐らく復旧かなと思いますが、そこまでは今日の御発言はありません。ただ、まさに災害対策といった、必要最小限のものに絞るという総理の意向が明確に出されたということだと思います。
(問)再チャレンジや成長の面は盛り込まないと。
(答)そうですね、ここには入っておりません。
 それから、成長については前回の諮問会議でも議論になりましたが、成長は来年度予算で重視するというのが総理の御発言でしたので、補正にはならないということだと思います。
(問)諮問会議は12月に何回くらい開いて、そこで「改革と展望」や来年度経済見通しを、いつごろどのような形で議論していくのかというスケジュール感がありましたらお願いします。
(答)まだ日程は確定しておりませんが、なるべく頻繁に開きたいと思っております。ただ、週2回開くのは難しいと思いますので、総理の日程が取れる範囲で、毎週のように開きたいと考えています。
 いつから議論に入れるかわかりませんが、中期方針の議論も早い時点で開始したいと思います。ただ、今回の中期方針は、安倍内閣になって初めて明確に経済財政についての今後の方針が示される、大変重要なものになりますので、総理あるいは官房長官ともディスカッションした上で案を作っていきたいと考えています。
(問)7日には、中期方針の目次ぐらいは出てくるのでしょうか。
(答)ちょっとまだ分かりません。ディスカッションの機会がいつ取れるかにもよりますので、できればそのようにしたいと思いますけれども、拙速よりはしっかりとしたものを出していった方がいいと思いますので7日はお約束できるかどうか分かりません。
(問)補正予算の絡みですけれども、災害対策といった必要最小限のものに限定するということで、4兆円という数字も報道されていますけれども、どれぐらいのイメージを持たれているのか。
(答)いえ、ちょっと金額は何とも言えません。
(問)具体的に、1兆、2兆とかいう……。
(答)金額については今情報がありませんので、私がコメントするわけにいかないと。ただ、そうした分野に限定するということですので。
(問)市場化テストについてですが、年末まであと1カ月程度ですけれども、どのように取り組んでいかれますか。
(答)市場化テストは、今精力的に事務方の方で進めておりますし、私も昨日落合委員長と打合せをいたしました。これまでも長い間、規制改革・民間開放推進会議での議論からずっと一番大きい柱、ハードコアになってきているのがハローワークです。これは労働ビッグバンとも深く係わるテーマですので、今回諮問会議で議論したいと考えています。
(問)他の点については、どういう感じですか。
(答)他の点については、今、事務ベースで事務方と相手省庁とで精力的に調整し、行けるところまで進めていくということですね。
(問)ハローワークについて、厚労省の事務方としては、ゼロ回答に近いと思うのですが、諮問会議でどう切り崩していくか、どのように御提案をされていくことになるのですか。
(答)なるべく民間議員から具体的に提案をしていただくようお願いしてあります。ハローワーク全般というより、なるべく具体的に、少しでも市場化テストの対象を広げていくためにどうすればいいかという具体的な提案をお願いしてあります。
(問)補正予算について確認ですけれども、成長は本予算の方で、再チャレンジも補正には入らないと。
(答)入らないと。この間の総理の指示を見ましても、今日の発言にも再チャレンジは含まれておりません。
(問)「等」、「など」というところに、次はもう再チャレンジとか成長は入らないと。
(答)安全・安心の観点からの災害対策等ですから、再チャレンジは読みにくいですね、非常に。
(問)道路特定財源について、総理から官房長官を中心に検討するという指示があったと思うのですが、これについて大田大臣として何か関与していくのか、また諮問会議として関与していくのでしょうか。
(答)諮問会議でも検討をするようにという総理の御指示がありましたので、何らかの議論はできるようにしたいと考えます。
(問)今の道路に関する指示は、本日改めての指示だったのでしょうか。もともと指示があったことですか。
(答)冬柴大臣においでいただき、公共投資について議論した時に、道路特定財源については諮問会議でも検討を進めるようにということでしたので。
(問)ハローワーク市場化テストについて、厚労省側は国際条約を反対の根拠として挙げていますけれども、その点については大臣はどうお考えですか。
(答)ILO88号条約については、国内でも解釈に少し幅がありますし、特にその論点になるのはネットワーク、網状組織というのですが、そういう表現が3条に採られているのですね。そのネットワークというのがどれぐらいのものを指すのかというあたりがポイントだと思います。
 例えば東京23区内に20のハローワークがありますけれども、これがすべてネットワークに必要なものなのかどうかといった論点が大きいと考えています。これについては、専門家の間で少し議論を詰めていただくことも必要かなと考えています。
(問)今日、閣議終わった後で官房長官と話されていたかと思いますが、どのような内容でしたか。
(答)これは、諮問会議のレクで閣僚懇の後すぐ官房長官のところに入らなくては時間が取れないということで。
(問)予算の話は。
(答)していないです。
(問)新しい「改革と展望」で、総理、官房長官と話し合いをするということでしたけれども、民間議員を含めた意見調整は進められるのでしょうか。あったとしたら、どのようなことでしょうか。
(答)いえ、まだなかなか時間が取れないのですが、官房長官ともレクに入った時に少しずつは議論しています。やはりこれは安倍内閣としてのメッセージになりますので、総理ともディスカッションし、民間議員とディスカッションをして、大きな柱、目次を作っていきたいと考えています。
(問)大田大臣としては、この辺を打ち出したいというような御提案をされる考えはありますか。
(答)今までの諮問会議での民間議員の御議論などを打ち出していきたい。7大重点改革分野、あるいは5年間で歳出・歳入一体改革をきちんとフォローしながら計画的にやっていく点など、今までの諮問会議の成果を入れ込んでいくということですね。
(問)国債発行額について何度も「大幅に減額」という言葉を聞いているのですが、具体的にはどれぐらいのイメージですか。
(答)その金額はまだ出ておりません。
(問)閣議でその話は出なかったですか。
(答)出ておりません。大幅にということでした。
(問)市場化テストでもう一点ですけれども、今後新しい対象事業を決めていくに当たって、最終的には閣議決定という形を採るので、もつれていくと、閣僚同士の交渉や最終的には内閣としてのリーダーシップに帰着するのではないかと思うのですけれども、余り今のところ安倍総理の市場化テストに対するリーダーシップが表から見えない感じはありますが、何か期待されるところはございますか。
(答)市場化テストは安倍内閣になってから今回が初めてですね。まずは担当大臣の私の方でできるところまで進めて、総理のサポートを頂きたいと考えています。

(以上)