みどりの学術賞選考経過報告
第20回みどりの式典 みどりの学術賞選考経過報告
みどりの学術賞選考委員会委員長 加藤 美砂子
選考委員会を代表し、第20回みどりの学術賞受賞者の選考経過をご報告申し上げます。
選考委員会は、みどりに関する学術研究に造詣の深い全国の学識経験者約450名に候補者の推薦を依頼し、大変幅広い研究分野から、63名の推薦が得られました。これらの方々について、その業績を約半年の期間をかけて慎重に調査・審議し、選考を進めてまいりました。
その結果、みどりの学術賞受賞者として、京都大学名誉教授の井鷺 裕司博士と、東京大学大学院理学系研究科教授の 東山 哲也博士の2名を推薦することに決定いたしました。
井鷺博士は、生物多様性保全に関わる希少種の管理・保全のため、マイクロサテライトマーカーを始めとした遺伝マーカーを用いた遺伝解析や比較ゲノム解析により、希少植物の交配様式や空間的遺伝構造などの研究を国内外で展開され、さらに一連の成果を論文や書籍として発信するとともに講演を多数行い普及活動にも尽力されるなど、希少種の保全遺伝学研究の発展に大きく貢献されました。
東山博士は、被子植物の重複受精において重要な花粉管ガイダンスの分子メカニズムを明らかにされ、さらに顕微観察の成果が高校生物の教科書や科学番組等で幅広く活用されるほか、国内の関連分野の研究の興隆にもつながり、百数十年にわたり沈滞していた花粉管ガイダンスの研究の活性化と植物科学の発展に大きく貢献されました。
いずれも、学術的な観点から極めて優れた業績であるのはもちろんのこと、国民に「みどり」の重要性を伝え、みどり豊かな持続的な社会の形成を導く上で重要な役割を果たした研究として、高く評価いたしました。
両博士におかれましては、本賞の受賞を契機としまして、さらに「みどり」に関する探求を深めて頂きますとともに、持続可能な未来社会の基盤となる「みどり」に関する深い知識を、国民の方々に一層広めて頂くことを強く期待いたします。
以上をもちまして、選考経過の報告とさせて頂きます。