受賞者代表挨拶

第20回みどりの式典 受賞者代表挨拶
井鷺 裕司 京都大学名誉教授
天皇皇后両陛下、ご臨席の皆様
新緑の美しいこの季節に、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第二十回みどりの学術賞の授与を賜り、また、緑化推進運動功労者として表彰していただきましたこと、誠にありがとうございました。一同を代表してお礼のご挨拶を申し上げます。
環境の安定や社会の持続的発展を支える根幹として、生物多様性には大きな意義と価値がある一方で、その劣化と損失が進んでいます。私たちの身の回りの「みどり」は生物多様性の基盤となるものであり、その理解を一層深めることが重要です。
さて、学術賞受賞者の東山哲也先生は、植物が受精によって種子をつくるしくみの解明を目指し、花粉から伸びる花粉管が卵細胞の方向に向かう様子を捉え、その誘引物質であるルアーを発見しました。この発見や世界初の顕微鏡映像は、数多くの科学番組や高校生物の教科書に紹介され、植物科学の振興につながりました。
私は、生物多様性が一般に遺伝子・生物種・生態系の三層から捉えられていることを踏まえ、ゲノムレベルの遺伝情報を用いた解析に基づいて、絶滅危惧種の効果的な保全策を模索・構築することで、生物多様性の保全に尽力し、その成果はさまざまな環境行政にも活用されてきました。
また、緑化推進運動功労者の皆さんは、地域の住民や学校、企業などと連携しながら、森林整備や里山の保全、花壇の整備や環境教育など、多岐にわたる緑化活動に長年にわたり取り組み、豊かなみどりを育むことに努力して来られました。
私たち一同は、今回の栄誉を励みとして、自然と人間との上手なつきあい方を模索しながら、みどりに満ちた自然を守り、育てていくことに尽力して参りたいと思います。
私たちの研究や活動は、多くの方々に支えて頂いたおかげであります。
この場をお借りして、皆様に心より御礼申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。