受賞者代表挨拶


第19回みどりの式典 受賞者代表挨拶

森本 幸裕 公益財団法人京都市都市緑化協会 理事長 
京都大学 名誉教授 

 天皇皇后両陛下、ご臨席の皆様

 新緑の美しいこの季節に、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第十九回みどりの学術賞の授与を賜り、また、緑化推進運動功労者として表彰していただきましたこと、誠にありがとうございました。一同を代表してお礼のご挨拶を申し上げます。

 今、便利な生活の一方で、生き物の危機が深刻化しています。これに対して生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せるネイチャーポジティブという国際約束達成に向けて、身の回りからも自然環境の保全と再生を推進していくことが重要です。

 さて、学術賞受賞者の経塚先生は、植物が旺盛に成長する仕組みを研究し、重要な植物ホルモンの働きやそれを調節する遺伝子を発見しました。そしてそれらが、植物が陸上で栄え、緑の地球を実現する上で鍵となったことをつきとめました。

 私は、人にも生き物にも優しい都市を目指し、生き物に及ぼす都市景観構造の影響や、生物多様性の維持メカニズムに着目した順応的な緑地管理の意義を明らかにし、自然再生の国際学会連合設立にも取組みました。近年は、温故知新の都市グリーンインフラ、雨庭の研究と社会実装に尽力しております。

 また、緑化推進運動功労者の皆さんは、地域の住民や学校、企業などと連携しながら、森林整備や里山の保全、花壇の整備や環境教育など、多岐にわたる緑化活動に長年にわたり取り組み、豊かなみどりを育むことに努力して来られました。

 私たち一同は、今回の栄誉を励みとして、自然と人間との上手なつきあい方を模索しながら、みどりに満ちた自然を守り、育てていくことに尽力して参りたいと思います。

 私たちの研究や活動は、多くの方々に支えて頂いたおかげであります。
 この場をお借りして、皆様に心より御礼申し上げます。

 本日は誠にありがとうございました。