受賞者代表挨拶


第16回みどりの式典 受賞者代表挨拶

岡田 清孝 龍谷大学 Ryukoku Extesion Center 顧問、京都大学名誉教授、基礎生物学研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授

 天皇皇后両陛下、ご臨席の皆様

 新緑の美しいこの季節に、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第十六回みどりの学術賞を授与していただき、また、緑化推進運動功労者として表彰していただきましたこと、一同を代表してお礼のご挨拶を申し上げます。

 みどりは、美しく清らかな自然や生態系を示す言葉であるのみならず、安全、安心から健康さらには平和にも通じる言葉であります。近年の新型コロナウイルスの世界的な蔓延や最近のウクライナへの進行に伴う大規模な戦闘など健康や平和を脅かす状況が続いておりますが、みどりの精神を再度確認し、終息に向けて人類の叡智を結集する必要を痛感いたします。

 さて、学術賞受賞者の 北島 薫 先生は、植物生態学の立場から熱低雨林における樹種間の共存の仕組みを実証されるなど、国際的な気候変動対策と熱帯雨林の保全に大きく貢献されました。

 私は、モデル植物を用いた新たな植物学研究を志向し、研究者コミュニティの形成に向けた努力に対して評価していただきました。

 また、緑化推進運動功労者の皆さんは、持続性や環境保全に配慮した林業経営、子ども達や高校生が中心となり地域住民とともに取り組む緑化活動など、長年にわたり、それぞれの地域の特性を生かして、みどり豊かな自然を作り出すとともに長く維持することに努力して来られました。

 私たち一同は、今回の栄誉を励みとして、自然と人間との上手なつきあい方を模索しながら、みどり豊かな自然を守り、創出していくことに尽力する所存です。

 私たちの研究や活動は、多くの方々に支えて頂いたおかげだと思います。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

 本日は誠にありがとうございました。