受賞者代表挨拶


第15回みどりの式典 受賞者代表挨拶

武内 和彦 公益財団法人地球環境戦略研究機関理事長、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授

 天皇皇后両陛下、ご臨席の皆様

 新緑の美しいこの季節に、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第十五回みどりの学術賞を授与していただき、また、緑化推進運動功労者として表彰していただきましたこと、一同を代表してお礼のご挨拶を申し上げます。

 私の研究では、自然と人間が共生する社会「自然共生社会」の実現を目指す「地域生態学」の分野を確立し、二次的な自然の保全と利用の重要性を、日本発の国際的な取組であるSATOYAMAイニシアティブ等を通じて世界に発信しました。また、社会―生態システムの再構築を目指す「サステイナビリティ学」の創生と展開を先導し、国連食糧農業機関による世界農業遺産認定の活動を学術面から支援するなど、その社会実装を後押しし、各地の持続可能な地域環境づくりの活動の拡大に寄与しました。

 一方の学術賞受賞者の 田畑 哲之先生は、光合成生物として世界初となるラン藻のすべてのゲノムを解読されました。その後、国際的なゲノム解読事業に参加されるなど、作物の様々な遺伝子機能を理解する基盤の構築や、肥料の使用量が少なく環境に与える負荷が低い作物の開発等、持続的な農業生産の推進に貢献されました。

 また、緑化推進運動功労者の皆さんは、それぞれの地域で、長年にわたり、みどり豊かな自然を守り、また作り出すことに努力して来られました。

 私たち一同は、今回の栄誉を励みとして、自然と人間との上手なつきあい方を模索しながら、みどり豊かな自然を守り、創出していくことに尽力する所存です。

 私たちの研究や活動は、多くの方々に支えて頂いたおかげだと思います。この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。

 本日は誠にありがとうございました。