受賞者代表挨拶


第12回みどりの式典 受賞者代表挨拶

熊谷 洋一 東京大学名誉教授、兵庫県立淡路景観園芸学校名誉学長

 天皇皇后両陛下、ご臨席の皆様

 新緑の美しいこの季節に、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第十二回みどりの学術賞を授与していただき、また、緑化推進運動功労者として表彰していただきましたこと、一同を代表してお礼のご挨拶を申し上げます。

 私の研究は、自然環境に関する環境影響評価において、景観をどのように評価をするか、理論と技術について提案したものです。理論としては、三つの空間レベルに分け、地域レベルでは「景観ポテンシャル」、地区レベルでは「眺望景観」、地点レベルでは「囲繞景観」を対象とする有効性を明らかに致しました。技術的には、コンピュータグラフィックスを活用した景観シミュレーションの開発を行いました。

 また、「生物多様性国家戦略」のとりまとめや、みどりの専門技術者教育に18年間携わるなど、人々と自然との関わりをいかに豊かにしていくかという観点から活動してまいりました。

 一方、学術賞受賞者の篠崎和子先生は、植物が乾燥や低温といった様々な環境ストレスに対応しながら生きている仕組みを遺伝子の分野から研究され、その仕組みを明らかにされました。現在も環境ストレスに強い品種の開発を進めておられ、安定した食料生産に向けた大きな役割を果たされています。

 また、緑化推進運動功労者の皆さんは、それぞれの地域で、長年にわたり、みどり豊かな自然を守り、また作り出すことに努力して来られました。
 私たち一同は、今回の栄誉を励みとして、自然と人間との上手なつきあい方を模索しながら、みどり豊かな自然を守り、創出していくことに尽力する所存です。

 私たちの研究や活動は、多くの方々に支えて頂いたおかげだと思います。この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。
 本日は誠にありがとうございました。