消費者行政新未来創造オフィスの取組についての消費者行政の進化等の観点からの提言-消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会報告書を受けて-
2019年5月30日
消費者委員会
1.まち・ひと・しごと創生本部の平成28年9月1日付「政府関係機関の地方移転にかかる今後の取組について」(以下、「創生本部決定」という。)において、「『消費者行政新未来創造オフィス(仮称)』の取組は、徳島における同オフィスの恒常的な設置、規模の拡大に向けた試行としても位置づけ、3年後を目途に検証・見直しを行って、結論を得る。検証・見直しは、今後の徳島県を中心とする交通・通信網、消費者行政を支える人的資源とそのネットワーク及び政府内の各府省庁共通のテレビ会議システムなどの整備状況のほか、同オフィスの設置が消費者行政の進化や地方創生にどの程度貢献したかの実績を踏まえて行う。」とされ(創生本部決定別紙「中央省庁の地方移転について」Ⅱ.2.(2)③)、「消費者委員会については、消費者庁や(独)国民生活センターの徳島県での取組につき、消費者行政の進化等の観点から成果を検証し、提言・助言を行う。その際、徳島県にて専門調査会を開催するなど、地方の現場の視点が反映されるような取組を行う。上記3年後目途の検証・見直しに当たって、消費者行政の進化等の観点から、意見を述べる」こととされている(同別紙「中央省庁の地方移転について」Ⅱ.2.(2)④)。
2・消費者委員会としては、創生本部決定を踏まえ、平成29年11月に消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会を設置し、同専門調査会の多くは徳島県で開催された。そして、今般、同専門調査会から、「消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会報告書」の提出を受けた。
3.同報告書では、消費者庁及び独立行政法人国民生活センター(以下、「国民生活センター」という。)の徳島県での取組について、消費者行政の進化等の観点からの成果の検証、提言・助言、及び、検証・見直しに当たっての意見として、適切な取りまとめが行われたものといえる。
4.消費者庁においては、消費者庁及び国民生活センターの徳島県での取組の検証・見直しを行う際には、上記報告書の内容を踏まえることを求める。
5.なお、当委員会は、今後、引き続き、消費者行政新未来創造オフィスにおける消費者庁及び国民生活センターの取組の状況並びにそれらの取組の成果の国及び全国の地方公共団体の消費者行政への展開・活用の状況を注視すると共に、国及び全国の地方公共団体の消費者行政を発展させるための政策の在り方についての検討も進めていく。
提言の概要
- 消費者庁においては、消費者庁及び国民生活センターの徳島県での取組の検証・見直しを行う際には、「消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会報告書」の内容を踏まえることを求める。
(i)消費者庁について- 全体として見たときには、今後、国及び全国の地方公共団体における消費者行政に展開・活用できる可能性を有する成果を上げているという意味で、消費者行政の進化に寄与しているといえる。
- 展開・活用に向けた具体的な取組が開始される段階にまで至っていないプロジェクトもあるため、今後そのような具体的な取組を実施していくことが重要である。
- 今後の取組・オフィスの在り方を検討することも重要である。
- 上記各事項を実行する上で、中央組織としての東京の消費者庁の体制・機能強化が必要となると考えられ、その場合には対応を検討すべきである。
- 研修事業において徳島県で研修を実施することについて一定のニーズがあること等を明らかにしたことや、商品テストにおいて徳島県を実証フィールドとして活用できるテーマがあることを明らかにしたことなどの点で、消費者行政の進化に寄与しているといえる。
- 研修事業については受講者数、運営の効率性及び研修内容の充実性について課題があり、特に受講者数との関係では成果として不十分といわざるを得えない。また、商品テストについては実証フィールドの活用が必要なテーマが限定的であること、調査結果の地域的特性の影響の補正が必要であること、及び、商品テスト全体の効率的な運用への影響が懸念されることといった課題がある。そのため、それぞれ見直しが必要である。
- 全国各地での研修の充実等を踏まえた見直し及び調査結果への地域的特性の影響の補正などを行うにあたっては、中央組織としての東京・相模原の国民生活センターの体制・機能強化が必要となると考えられ、その場合には対応を検討すべきである。
- 消費者庁、国民生活センターが地域に密着したフィールドで消費者政策を展開し、第三者的立場に立つ消費者委員会が検証するという政策推進の1つのモデルが構築されたことにも意義があった。
- 今後も、オフィスにおける消費者庁、国民生活センターの取組の状況、それらの取組の成果の国及び全国の地方公共団体の消費者行政への展開・活用の状況等を注視することが重要である。
- 消費者委員会は、今後、引き続き、消費者庁及び国民生活センターの徳島県での取組の状況並びにそれらの取組の成果の国及び全国の地方公共団体の消費者行政への展開・活用の状況を注視するとともに、国及び全国の地方公共団体の消費者行政を発展させるための政策の在り方についての検討も進めていく。
主な成果
- 1.
【消費者庁】- 「『消費者庁新未来創造戦略本部』について」(令和元年8月19日)において、消費者委員会の意見等も踏まえた検討結果として、2020年度以降は、消費者行政新未来創造オフィスを恒常的な拠点とし、名称を「消費者庁新未来創造戦略本部」とすること、同本部は、①全国展開を見据えたモデルプロジェクトの拠点、②消費者政策の研究拠点及び③新たな国際業務の拠点とし、また、災害時のバックアップ機能を担わせるとともに、働き方改革の拠点としても位置付けること、徳島県で行われてきた国民生活センターの事業のうち、研修事業については、全国的に地方開催研修を拡充するとともに、内容やコース数を見直し、徳島県にふさわしい研修については、引き続き徳島県内で開催し、商品テストについては、これまでの実施状況を見直し、今後は、必要に応じて徳島県内を実証フィールドとして活用することなどを示した。
- 令和2年7月30日付けで、徳島県に「消費者庁新未来創造戦略本部」を開設し、同本部内に「国際消費者政策研究センター」を設置。
- 2.
【消費者委員会】
地方消費者行政専門調査会において報告書(令和2年8月)を取りまとめ、同報告書に基づき「2040年頃の消費者行政が目指すべき姿とその実現に向けた対応策等に関する意見~地方消費者行政専門調査会報告書を受けて~」を発出。