第487回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2026年4月24日(金)14:30~16:10

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、善如委員、中田委員、原田委員
    (テレビ会議)今村委員、大澤委員、小野委員、山本委員
  • 【説明者】
    公益社団法人消費者関連専門家会議 坂田理事長
    株式会社ダイドーフォワードCX本部CSグループ/
    公益社団法人消費者関連専門家会議理事 木所氏
  • 【事務局】
    小林事務局長、吉田審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について
  2. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、第487回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、黒木委員長代理、善如委員、中田委員、原田委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席、今村委員、大澤委員、小野委員、柿沼委員、山本委員がテレビ会議システムにて御出席です。

なお、若干名は遅れての御参加と伺っております。

それでは、本日の会議の進め方等について事務局より御説明をお願いします。

○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。


《2. 消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について》

○鹿野委員長 本日の議題は「消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの在り方について」です。

本議題に関しては、3月16日の第483回本会議において有識者をお招きし、消費者と事業者の抱える課題や、望ましいコミュニケーションの在り方等について意見交換を行いました。

本日も前回に引き続き、関係団体等からヒアリング及び意見交換を行いたいと思います。

本日は、公益社団法人消費者関連専門家会議、いわゆるACAP様ですが、ACAPの坂田理事長と、公益社団法人消費者関連専門家会議の理事でもある、株式会社ダイドーフォワードの木所様より、消費者とのコミュニケーションの活性化に資する取組について御発表をいただき、意見交換を行いたいと思います。

改めて御紹介させていただきます。

本日は、先ほども申しましたが、公益社団法人消費者関連専門家会議理事長でいらっしゃる坂田様にお越しいただいております。

また、公益社団法人消費者関連専門家会議の理事でいらっしゃり、かつ、株式会社ダイドーフォワードのCX本部CSグループの木所様に会議室にて御出席いただいております。本日は、お忙しいところ、誠にありがとうございます。

本日の進め方ですが、坂田理事長、そして、木所様の順に、それぞれ25分程度、15分程度ということで御発表をいただき、その後、全体としての質疑応答、意見交換の時間を50分程度取らせていただきたいと思います。

それでは、最初に坂田理事長、25分程度で、よろしくお願いします。

○公益社団法人消費者関連専門家会議坂田理事長 ありがとうございます。

ただいま御紹介に預かりました、ACAPの理事長を務めております坂田と申します。

本日は、消費者委員会の事業者と消費者のコミュニケーションの現状と、それから未来についてお話をする大変貴重な機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。御礼を申し上げます。

本日、資料を事前に御用意させていただきましたが、少し資料が多うございますので、実際この場の中では、ポイントを絞ってお話をさせていただければと思います。よろしくお願い申し上げます。

では、2ページ目、次のページに本日の内容と記載ございますが、こちらについては、事前に消費者委員会様からいただいたテーマということの記載でございます。

テーマ1として、消費者とのコミュニケーションの現状と課題。

テーマ2として、事業者側に求められる仕組みや価値創造、そして多様な消費者への配慮について。

最後、3つ目としまして、消費者と事業者が共創の関係を築いていくためには、何が必要かという観点でお話をさせていただきたいと思います。

本題に入る前に、3ページ目でございますが、ACAPの概要を少し前置きとしてお伝えをさせていただければと存じます。

ACAPは、1980年に設立をいたしました。企業の消費者対応部門の担当者が集まって設立した団体でございます。以来45年にわたりまして、消費者志向経営を推進し、消費者市民社会の実現に貢献することを使命として活動してございます。

次のページでございますが、こちらの図にありますように、私どもは、消費者、行政、そして事業者のかけ橋となることを目指して活動してございます。特筆すべきは、左上に記載してございますが、消費者に最も近い事業者団体であるということでございます。

私どもの会員は、日々、お客様と真摯に向き合っている企業の消費者関連部門の専門家でございます。その立場からお客様の声を経営に生かすための知見を、業界の垣根を越えて共有、研鑽をしておるといった取組でございます。

昨今、いろいろな社会問題、消費者問題、トラブルがございます。一部の、いわゆる悪質な事業者によるトラブル等があるやに接しますけれども、その理念も活動も全く対極にあるものと、私は認識をしてございますが、そういう団体として活動しているということで、まず、冒頭で御理解を賜りますと幸いでございます。

では、本題でございます、5ページ目でございます。

テーマ1の現状と課題でございます。お客様の声の多様化ということで見出しをつけさせていただいてございますが、現在、企業の消費者対応部門、お客様対応という中では、お客様の声を聞き届けるといいますか、受け入れるという中では、いろいろなチャネルがございます。それが多様化しているということを図示したものとして、こちらに記載をさせていただいてございます。

多くは左上のほうにございますが、人による対応の電話ですとか、手紙、これが従来からベースとなっているところでございますが、昨今では、下段の中ほどにもございますが、AIチャットボット、こういったようなデジタル化が急速に進んでおりまして、多様化をしているといった企業の消費者対応部門、お客様対応部門の状況でございます。

次のページでございますが、それぞれのチャネルの状況という形で、ACAPの中で調査した結果も一部示しながら、資料化をさせていただいてございます。

まずもって、このデータにつきましては、2024年度にACAPで調査したデータでございますけれども、数値から御覧いただけますとおり、電話や手紙、それからメール、こういったものが依然として主要なお客様からの声の受付手段ということには変わりはございません。

しかしながら、前回調査、3年前になりますけれども、括弧書きでも数字を記載してございますが、特にデジタル系のものについては、進展が著しく見られるというところでございます。

チャットボットについては12ポイント近く、有人のチャットにおいても10ポイント近くが増加しているといったことで、デジタルチャネルの拡大が顕著だというところでございます。

企業から見ますと、お客様御自身の状況ですとか好みに合わせて、最適な手段が選べるよう、複数のチャネルを組み合わせるマルチチャネル化が、対応としては必要になっているといったことが、ここに表れているということでございます。

次のページでございますが、そうした環境変化の中で、消費者対応部門に求められる役割も大きく変わってございます。こちらのグラフは、企業が自社の消費者対応部門に何を期待しているのかというアンケート調査の結果でございます。

顧客満足度、お客様満足度といった従来の役割への期待が高いというのは、当然ではございますけれども、注目いただきたいのは、ファンづくりですとか、経営貢献、それから情報発信といった、言い換えますと、企業から見れば、戦略的な役割、これがお客様対応部門には、非常に期待されている、求められているといったことで、3年前、前回調査からは20ポイント以上も急増しているといったところから見て取れようかと思います。

もはや消費者対応部門は、単なる守りのセクションではなくて、企業価値向上に直接貢献する、いわば攻めの戦略部門という位置づけに役割を進化させているといったのが、現状かなというところかと思います。

では、そういったことを踏まえて、次のページでございますが、いただいたお客様の声をどう生かしていくのかというところが、当然ながら大事なところでございます。その進化をしていく中での鍵を握るのが、経営層の関与でございます。お客様の声を真に経営資産とするためには、やはりトップの強い意志が不可欠です。私どもの調査では、経営層への定期報告の仕組みを持つ企業が9割近くに達しております。

さらに、経営層自らが、お客様の声を直接聞くモニタリングを実施している企業、これも半数を超えてきたといったところでございまして、いかに経営層が、お客様に向き合うかといったことが大切な要因になってきているというところでございます。

先進的な企業においては、お客様の声を経営会議の定例のアジェンダとして、その場で改善策に生かす意思決定を行ったり、経営主体のVOC活動、お客様の声を生かす活動が本格化したりしているといったところでございます。

こうした取組は、とはいえ、企業によってまだ差があるのも実情でございます。全体のレベルをさらに引き上げていくということが、ACAPとしても今後の課題だと認識してございます。

次のページでございますが、これらの消費者対応部門の進化を後押ししているのが、今、この環境下、皆様も実感されると思いますが、AIをはじめとするデジタル技術でございます。

こちらの調査結果では、AIを、いわゆるお客様対応部門の担当者支援として活用しているといった企業が3割、それから、お客様への回答に直接AIを活用しているといった企業も2割を超えています。AIの導入というのは、単なる効率化にとどまりません。AIが定型的な業務を担うことで、逆にその分人は、より人にしかできない対応に注力ができるといったところで、AIが行う業務、人が行う業務、そこの住み分け、共存といいますか、それが非常に大事な取組になってくるというところでございます。

次のページでございますが、こちらのデータが示しますように、企業がAI導入に期待する効果は、業務効率化ではないということでございます。効率化によって生み出されたリソースをAIでは対応できない業務へ人材シフトしていくことですとか、いわゆる人にしかできない付加価値の高い業務に再投資をするといったことに、企業は期待を寄せているということでございます。

AIが迅速かつ正確な情報提供を行う。その分、人は人の気持ち、お客様の気持ちに寄り添う共感や傾聴、それから複雑な課題解決、こういった人間ならではの価値を発揮する。それから、コミュニケーションといったものが大事になってきます。人かAIかという二者択一ではなくて、両者が共同し、それぞれの強みを生かしていくといったことが大事なところだと感じてございます。

次のページからは、企業に求めることということで、2つ目のテーマでございます。望ましいコミュニケーションを実現する仕組みということでございます。

前後しますが、企業に求めることとして、私のほうから3つの観点でお話をさせていただきたいと思います。

1つ目が仕組み、それから、2つ目として価値創造、3つ目に多様な消費者への配慮でございます。

まず、このページでは、仕組みということでの御説明、御報告でございます。望ましいコミュニケーションを実現するための仕組みとして、私どもが有効だと考えておりますのが、JIS Q 10002と呼んでおります、いわゆる苦情対応マネジメントシステムでございます。

国際規格のISO 10002を基に作成した日本産業規格でございます。

12ページのところに、もう少し重要ポイントということで上段にまとめさせていただいてございますが、この規格の重要なポイントとしては、先ほどの繰り返しにもなりますが、経営トップの強いコミットメントでございます。そこから始まる規格でございます。トップが顧客重視の方針を掲げる、そして、それに基づいて社内体制を整備する、寄せられた声を分析して改善につなげる、さらにその活動を、全体をトップがレビューして、継続的な改善を図る、こういったPDCAサイクルを組織的に回す仕組みこそが、消費者志向経営の土台になると思っております。

そして、2つ目の観点でございますが、次の13ページでございます。

価値創造です。そのキーワードとしてACAPとしてはCX、すなわち、顧客体験価値というものを掲げてございます。これは、単に商品やサービスに満足いただくCS、いわゆる顧客満足ではなくて、それを超えて、お客様が企業と関わる全ての接点において期待を超える感動、信頼、こういった感情的な価値を提供しようという企業としての取組の考え方でございます。

お客様が商品を認知する前に、そして、実際に購入して、利用して、その後アフターサービスに至る、こういった一連の体験、それから、そういった一連の体験を価値あるものにしていく、これによって、お客様は企業のファンになって、持続的な成長にもつながっていくといったサイクルを生み出す仕組みとして、このCXという考え方でございます。

次の14ページは、御参考として御覧をいただければと思います。

15ページに、そのCXの実践のアプローチ、事例ということで端的に記載をさせていただいてございます。

先進企業においては、このCXを既に具体的に実践しているといったところでございまして、例えば、お客様から直接アイデアを募集して、ヒット商品につなげる、聞くですとか、学ぶといったアプローチ、それから、お客様とともに商品を開発して、そのプロセスを共有することで、お客様に開発パートナーとしての一体感を感じていただく、伝えるですとか、つくる、こういったアプローチがあります。こうした、取組はお客様を単なる受け手ではなくて、価値をともにつくる対話のパートナーとして捉える新しい関係性ということでの取組でございます。

それから、3つ目でございますが、次の16ページ目でございます。

多様な消費者への配慮ということでございます。

特に高齢者、それから、障害のある方への対応というのは、あらゆる事業者にとって喫緊の課題であると認識をしてございます。私どもの調査からは、支援が必要なお客様が企業に期待しているものは、実際には、単なる手続の支援だけではなくということが分かってきております。

それは、具体的には、分かりやすい言葉でゆっくり話すといったコミュニケーションの質、そして、不安な気持ちに寄り添うといった心理的な安心感、それから、手続を簡素化するといったプロセスの柔軟性、こういったものが必要だということでございます。

知識やスキルといったものの以前に、まずは相手を理解して、尊重し、真摯に話を聞くといった姿勢が問われていると思います。

その取組の具体例ということで、次の17ページでございます。

こういった期待に応えるために、多くの企業が創意工夫を凝らしております。少し飛ばしてお話し申し上げますと、左下にも記載をしてございますが、登坂車線、こういった考え方はACAPとして発信をしている表現でございます。全ての車に同じ速度を強いる平等ではなくて、速度の違う車が安全に共存できる公平といった環境を用意していくといったことが、その企業の対応、お客様対応という中でも求められているということでございます。

これと同じように、企業は画一的なサービス提供から一人一人の状況に合わせて、公平なサービス提供へとかじを切っているといった取組がなされております。

具体的には、ゆっくり話すことを徹底したシニア専用ダイヤルを設けたり、それから、スマートフォンの画面をお客様と共有しながら、操作を一緒になって御案内するビデオのサポートを取り入れたり、そして、テクノロジーと人の温かさを融合させた、そういったきめ細やかな取組を行うといったことの対応が広がっているというところでございます。

例えば、高齢者という言葉でございますが、ひとくくりにするのではなくて、一人一人の状況に寄り添う姿勢、それが企業としては信頼の基盤となるということで考えてございます。

以上、3点述べさせていただきましたが、仕組み、それから価値創造、配慮といった取組を、企業は社内に向けて積極的に発信をしていく責務があると認識してございます。

それが18ページに記載をさせていただいてございます。

では、具体的にどういうことか、企業として行うべきこと、求められる体制、どんなことがあるかということでございますが、大きなものとしては、消費者庁が推進されております、消費者志向自主宣言が、その1つでございます。

ただ、調査結果を御覧いただけますとおり、大事な指標、大事な取組だと認識してございますが、実施の企業は2割にとどまっているというのも事実でございます。今後の拡大が期待されるところでございます。お時間があれば、また触れたいと思いますが、なぜこうなっているのかといったところについては、当然ながらACAPとしても認識をしておりますし、企業としても、認識をしておりつつ、企業としての事情といいますか、お考えもあるといったところがありまして、現状は、データ上示せるものとしては、こういう状況になっているということでございます。

経営トップのコミットメント、それから、お客様の声を生かす仕組みが機能しているといったこと、それから、具体的な改善事例とか評価指標、こういったものを企業としては、公表して、社会との対話を進めていくといったことが、やはり大事でございます。

そういうものとして、先ほどのJIS Q 10002であったり、ACAPが取り組んでおりますCXという活動であったり、いろいろな企業が実際には発信されておりますが、統合報告書であったり、各種、発信するレポート関係、そういったもので情報公開をしていくといった取組も非常に大事なものだと思ってございます。

以上を踏まえまして、最後、19ページ目のまとめでございます。

「消費者と事業者の望ましいコミュニケーションの実現に向けて」というところでございます。

つらつらと御説明させていただきましたが、顧客接点の多様化、それから、消費者対応部門への期待の高まり、そして、CXという新たな価値観は、事業者と消費者の関係性を大きく変えようとしているところだと思います。この変化の時代において、両者が真に信頼し合って、ともに価値を創造していくためには、スライドに記載をしてございますけれども、3つの歯車をかみ合わせていくことが不可欠であるというように考えてございます。

1つ目は「経営が主導する『仕組み』」です。お客様の声を経営資産と位置づけて、例えばJIS Q 10002などの取組も参考にしつつ、全社で改善につなげていくと、そのPDCAを回していくといったこと、これが全ての土台になると思います。

そして、2つ目「感動を創り出す『CX(顧客体験価値)』」でございます。単なるといいますと語弊がございますけれども、顧客満足というCSを超えて、全ての顧客接点で期待を超える感動や信頼を提供すること、そういった取組が企業のファンを育み、持続的な成長につながっていくということだと思ってございます。

そして、3つ目は「未来を拓く『共創』の関係」だと思います。事業者は透明性高く情報発信をする。消費者は建設的な対話を行うパートナーとして参画する。この双方向の関係こそが、新たな価値を生み出す原動力になると考えます。

これら、仕組み、CX、共創の3つが有機的に連携をして、好循環を生み出すことで、消費者と事業者は単なる売り手と買い手を超えて、真の信頼関係を築くといったことができるかと思います。

その先に、よりよい商品・サービスが生まれて、誰もが安心して豊かに暮らせる消費者市民社会の実現につながっていくと考えます。

私どもACAPとしては、冒頭のほうにもお示しさせていただきましたとおり、そのかけ橋となるべく、今後もしっかりとやるべきことを認識して、地道な活動を続けてまいりたいと考えてございます。

ACAPからの御説明は以上でございます。ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

続きまして、木所様、15分程度でお願いします。

○株式会社ダイドーフォワードCX本部CSグループ木所氏 ありがとうございます。

ただいま御紹介いただきました、ダイドーフォワードの木所でございます。アパレルメーカーでございまして、2008年からカスタマーサービス、お客様相談の担当、2009年から自社ECサイトの立ち上げからのカスタマーを担当いたしております。

本日、御紹介させていただきますのは、CX本部CSグループの消費者とのコミュニケーションの取組の事例でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、2ページ目です。こちらの順にお話をさせていただきたいと思っております。

まず、3ページ目をお願いいたします。

こちらは、弊社の概要について簡単に御紹介させていただきます。

ニューヨーカーは、もともと大同毛織というスーツ服地専用の生地メーカーでございまして、そこから生まれたブランドでございます。

運営会社としては、ダイドーリミテッドグループ内で子会社化や、いろいろな合体を経て、現在の状況になっております。

ダイドーフォワード内には、こちらには細かくは書いておりませんが、パピーという毛糸の会社ですとか、糸関係のものも一緒に展開をいたしております。

グループ内には、やはりトラッドブランドとしてのブルックスブラザーズジャパンもグループ会社として運営しておりますが、こちらも大同毛織時代に、当時の役員がアメリカのブルックスブラザーズ社へ日本での展開を交渉して、合弁会社としてジャパンを立ち上げているというような経緯もございます。

次をお願いいたします。

こちらが大体のイメージでございます。弊社では、今年62周年を迎えるニューヨーカーを基幹ブランドとして、紳士、婦人服の既製服と、あとパーソナルオーダーの展開を主に出しております。

5ページ目をお願いいたします。

こちらが、先ほど御紹介いたしましたが、年次によって会社の変化に伴い、弊社のお客様対応部署の位置づけも変化してまいりました。

当初は、1992年に、現在、親会社であるダイドーリミテッド衣料事業部門に社長の直轄部署として、品質相談室という、どちらかというとお客様ではなくて、品質相談室という部署を開設されました。

こちらは、当時の社長が、毛織物に導入している、当社は、大同毛織、ミリオンテックスという高級服地を扱っておりましたので、そちらでは品質保証制度というのを服地で既に導入しているのに、衣料事業で導入していないのはどういうことだということで、それを導入して、全社としてお客様にお買い求めいただく商品には、品質を保証していこうということで、その姿勢を表していくために、品質相談室という部署をつくったということでございます。

当時はPL法の施行前でしたので、アパレルでは、あまりお客様相談室というようなものがなかったように記憶いたしております。

1994年には、お客様からの苦情品を展示し、事実と改善策を社内、また、お取組先様、アパレルは、いろいろなボタンとか附属、工場さんとか、いろいろな関係先がございますので、そういった方々へ情報を提供する品質情報展を開催いたしました。

これは、現在まで展示内容を変えながらも、小さいのですけれども展開を継続しているところでございます。

2002年に品質相談室からお客様相談室という形で名称を変更し、商品の品質のほかに、店頭でのサービスですとか、様々な幅広い御相談に対応するようになりました。

現在は、社長直轄ではなくて、これもいろいろと紆余曲折あり、CX本部にCSグループという形で設置され、販売部と同じ組織に属しています。CSグループ内には、専門性を高める商品店舗サービス関連をやっているお客様相談と、ECデジタル関連、カスタマーサービスの担当別でチームを組んで対応をいたしております。

次に6ページでございます。

こちらのほうに、その内容の比較がございます。まず、お客様相談担当は、現在2名で対応いたしております。一次対応、お電話とか、おはがきとかの受付から調査報告まで担当制で行っております。

営業時間は、平日の10時から17時、コンタクトツールは、電話、メール、はがき、お約束カードというのを後ほど御紹介いたしますが、それがメインでございます。

そのほか、ショップスタッフ、店舗経由での御相談も対応いたしております。

一方、オンラインストアや、最近は店舗でデジタル系のコンタクトツールを使っていることが多いので、そういったことの担当として店舗スタッフ支援を含めて、カスタマーサービス、CSが行っております。

こちらのほうは、人員が4名体制、平日の11時から17時に、主にお電話とかでの御対応はいたしておりますが、eコマース、自社ECサイトの出荷業務のオペレーションや、ショップでの会員情報、店舗ECというところは、店舗が絡むeコマースとか、いろいろなデジタルが絡むもののフォローもしておりますため、4名で、362日シフトで回しています。

コンタクトツールは、電話、メール、有人チャット、チャットボットのチューニングや、自社サイトに投稿いただいておりますレビューの回答も全て入れるような対応をいたしております。

7ページ目をお願いいたします。

こちらが、先ほどはがきということで御説明いたしました、お約束カードでございます。弊社店舗にて販売時にお渡ししているお約束カードは、全店舗での配付ではないのですけれども、やはりニューヨーカーは、百貨店様のインショップが多うございますので、自社で渡せるお店、渡せないお店、いろいろございます。ただ、アウトレット店舗も含めて、渡せるお店では渡していること、また、自社のECサイトでは初回注文時のみ同梱いたしております。

このカードは、ダイドーリミテッド時代、1994年に品質保証制度のスタート時から継続しておりまして、商品に不備がなかったか、御満足いただけているか、積極的にお客様からのお申し出に耳を傾けることで、お客様満足と、まず、もともとの品質の向上へつなげていくという、そこに努めるべくお約束カードを配付してまいりました。

ただ、現在は、やはり回収率もだんだん、もう30年とかをやっていますと、やはりデジタルのサイトのレビュー投稿のほうへ、店舗でお買い上げいただいたお客様も、レビューで入れられることも多くなってきていますので、2次元コードというのか、それをお入れすることでお渡しをするという形も、やはりお客様の利便性やアクセスのしやすさということを考えても、そういったことも、今、取り組む準備をしているところでございます。

8ページ目です。こちらは、お客様相談の2024年度の受付状況となります。

店舗や社内経由での相談が半数を超えておりますけれども、受付内容の割合はグラフに書かれて、お目通しいただいているとおりでございます。弊社の場合は、御相談、修理、付属依頼などが57パーセント、接客や商品のお褒めは10パーセント、御指摘の18パーセントは圧倒的に店舗スタッフからの御指摘です。やはり店舗に入って販売をする前に、入荷時検品をしていて、何か気になる、これはどうなのだという、その制度を始めてから、非常に店舗スタッフからの御指摘が多くなって、御指摘の比率が上がっている状況です。

9ページ目、お客様相談として社内の連携、発信活動は、こちらになります。週次単位、月次会議などでトピックスを発表し、企画、生産などへ情報共有を図っております。

また、ダイドーリミテッドのダイドーエンゲージメントという品質、お客様とのお約束をする部署が一緒に合同で行っております、総合品質管理活動、Total Quality ManagementとしてTQMという会議を週次単位でやっているのですけれども、ここへ出した御相談品や事例を提議して、ここでも調査、改善活動にも取り組んでいます。ですので、ダイドーフォワード1社だけというよりは、グループとしても情報共有を図っているという状況です。

先ほどお伝えした店舗スタッフから、店舗入荷時の不備や気になる点などもお客様相談で集めることを開始し、確認した内容は生産部署に連携、良品として店舗へ戻して自信を持って販売してもらえるような仕組みも始めております。

現在利用しております店舗と連携、お客様相談システムと、よく各社さんもお使いだと思いますが、そちらを店舗でも入力できるように始めましたので、店舗で課題入力をしてもらって、お客様相談担当が日々確認して、現物の確認が必要なものは本社に送って、生産担当にも見せて解決をして戻していくということです。

これは、一番大きいところは、安価ではない、決して当社の商品は、お安いお値段のものではございませんで、やはり自信を持って、販売スタッフが、お客様にお渡しするのに、これだけのお金を出していただくのに自信を持って接客してもらうということ、お客様にお勧めしてもらうことと、不良品という形で、店舗で安易に物流倉庫に返されてしまうことで、やはり本来であったらば、廃棄されなくてもいい商品が廃棄されてしまうことを防ぎたいという販売機会損失ということも一方ではございます。その二面性で執り行っております。

それで、社内では、お客様、お取組先様への情報発信活動の品質情報展も開催いたしております。

こちらも1994年に第1回目の情報展が開催されて、途中で本当に止まってしまったり、物をうまく管理してお見せできないようなこともあったりしたのですけれども、2016年から復活し、昨年復活後8回目、毎年毎年何とか開催を続けているところです。こちらで紹介される事例は、先ほど御紹介したTQM会議で、きちんと検証をして、何が原因か、どんな検査をして、その結果、何が改善点になるのか、それは次の生産にどう活かせるかということとか、あくまでも個体であったとかという結果まで御紹介しているところでございます。

10ページ目に、こちらは、その品質情報展で展示内容を2例、こちらから御紹介いたしたいと思います。

まず、ブランドとお客様の信頼関係構築のためとして、メンテナンスの受付内容と件数です。いわゆるアフターケア、アフターサービスというところです。ニューヨーカーの主な展開アイテムが、スーツやコートなど、重たいものが多いので、御相談アイテムも、コート、アウターやジャケット、スーツ関係が多いです。メンズで91パーセント、ウィメンズでも62パーセント、全体では82パーセントの比率で御相談です。

ボタン依頼が最も多くて、失くしてしまったのだけれども、もらえないかなとか、売ってくれませんかみたいな御相談もございますし、御着用中の生地破れ、穴開き、袖裏地交換、長くお召しいただいているということなのですが、袖裏地が擦れてしまったので交換の相談なども承っております。

こちらは、サステナファッションの一環として、長く御愛用いただけるよう、有償ではございますけれども、決して多くいただくようなことはなく、御対応しているところでございます。

次の11ページ目は、こちらがお約束カードを直筆で書いていただいている例でございます。お客様からお寄せいただいた内容から個人情報を抜いた形で、品質情報展でも紹介をいたしております。

ECサイトのレビューも、ショップでのお買い上げも書いていただいたり、オンラインストアでのお買い物についても書いていただいたりするのですけれども、やはりこちらの手書きは熱量の高いお声が非常に多くて、とても担当者としてうれしく拝見いたしております。

御住所の記載がある場合は、ちゃんとこちらのほうでお礼状をつくって御郵送いたしております。

ここは、粗品とか優待クーポンとかを一切お入れしておりませんで、あくまでもインセンティブはなしで、気持ちと気持ちとのやり取りをきっちりとつないでいくという形を取らせていただいております。商品の不備だけではなく、感謝やお褒めの言葉も社内や、また、一緒につくっていただいているお取組先様へ御紹介することで、EX向上にもつながるようになっているのではないかなと、その願いも込めて、こちらは御紹介をいたしております。

12ページからは、デジタル系の御案内となります。

こちらは、ECカスタマーサービスの2024年度の年間対応件数の御紹介です。有人チャットが全体の半数を占めているのですけれども、これは一時、LINEのお友達になったトーク画面に、ボタン押して問い合わせができるというのをつくってみたところ、誤ってタップされた方とか、指が滑ってしまったとかという方も多く、ただ、やはりそれをそのまま放置せず、こちらから必ず何かございましたかという、お気軽にお声を問い合わせくださいというお声がけも、対応もしていた、アプローチをこちらからしていた件数が入っておりますので、少し多くなっております。デジタルの接客は待ちではなくて、攻めという体系で実験をしてみたのですけれども、現在はLINEトーク画面のアイコンを1回非表示にして、やはりきちんと誘導を、チャットボットのほうから、有人チャットにつなげるような動線に変えております。

次、13ページです。

あと、ECのカスタマーでは、CXの取組として、VOCデータの活用推進をいたしております。週次と月次でお客様の声をニューヨーカーディビジョン部内へ共有して、特にデジタルマーケティング部、オンライン系ですね、デジタル系の施策を打っているところには、報告と改善要請をしています。進捗具合を見て、改善の催促もしております。お客様相談とここが異なる点は、お客様相談の受付データと、ECサイトに入れていただいているレビューを1か月単位で合体し、テキストマイニングなど分かりやすい形に変えて、社内共有、お客様の声を分かる限り、男女比、年齢、アイテム、お声が多いポイントなど、様々な角度からカスタマーで課題抽出を実行しています。

ここで、2026年からは、実験的ですが、VOEを開始いたしました。これは、ショップスタッフに、なぜ、お客様にお買い求めいただけなかった理由や、ここがもう少しこうだったらお客様は御満足いただけたという、やはり一番接点の高い販売スタッフからの声も聞いていこうと、お客様の声だけではなくて、そういった声も拾って集めていこうということでVOEを始めています。

まだ、まとまりの数字がすごく多くないので、こういった形では、御紹介は難しいのですけれども、そういった取組も開始したところでございます。

最後14ページ目に、弊社が今抱えている現状と課題をまとめております。

顧客年齢層は62歳のブランドでございますので、やはり、50代、60代の方が中心になっております。ブランドの長い顧客であれば、70代から80代の方も、まだ顧客でお買い上げいただいておりまして、そういった方も意外にECを使っていて、そういったお電話でのお問い合わせとかも承っております。

こちらは、地方百貨店の減少もあって、やはり全体的に買いたいのだけれども、買えるところがここしかないのだよというお声もございまして、そこは本当に展開が及んでいないところで、おわびを申し上げながら、一緒にそれこそ寄り添って、御登録から注文の完了画面まで御案内をするようなこともいたしております。

今、実店舗ではLINEでお客様とお友達になるということで、トーク画面でやり取りをしたり、気軽に少し聞きたいこと、今日、洗い方はどうしたらいい、みたいなことも気軽にできるようなことも開始いたしておりますが、やはりそこの部分、やはりデジタルへ流れていることは事実ですので、そこをうまく使えていないお客様に対しては、やはりフォローが必要かなということが一番の課題かなと、対応していて思っております。

チャットボットから有人チャットへはシームレスで流れるように御案内をしておりますので、探さなければ、つながらないということはございませんので、まだ使いやすいほうかなと思いますが、何分、課題解決に対しては、自己解決をもっとしやすくしてくれというお声もありますので、ここはFAQやサイト内の見直しを常にやり続けなければいけないということも課題だなと思っております。

アフターケアをはじめ、消費者との対話に真摯に取り組むことで、顧客体験価値、いわゆるCXですね、買う前の不安から、買った後、使い続けて、後のボタンをなくしてしまった、破れてしまった、また、着続けたいということへのアフターケアまで、一連の流れとして向上させて、お客様とのエンゲージメントを深めることで、長期間で業績に貢献をしていると、お客様相談部署としては、自負はいたしております。

店舗では貢献度の数値化が非常に難しいので、やはりそこのところを、なるべく支援しながら、上層部にも伝えていけるようにする部署であるということを、強く最近は特に思っております。

コミュニケーションは必要でありますし、お客様対応の部署としては、お声をいただくのを待つだけではなくて、いろいろな形で収集する方法を変えてみたり、機会を増やしていくということを模索したりすることが必要だと思います。そこは課題と常に回しながらだと思って対応いたしております。その声をいかに改善につなげて、お客様へ改善された商品をお届けすることで、自分の声が反映されたなといううれしさが、やはり信頼につながっていくと思っておりまして、そこの先に売上に寄与できるということだと思い、日々取り組んでいるところでございます。

本日は、貴重な御紹介のお時間をいただき、ありがとうございました。当社からの御紹介は以上でございます。ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

ただいま、お二方から御発表いただきましたので、これより、質疑応答と意見交換を行いたいと思います。時間は、当初予定しましたとおり、50分程度でお願いします。いかがでしょうか。

中田委員、お願いします。

○中田委員 消費者と事業者のコミュニケーションの現状の動向と、特にニューヨーカーブランドにおかれましては、限られた人員の方々によるベストプラクティスの共有と課題に関しての御説明をありがとうございます。

私自身も想定外の困りごとが発生した際に、問い合わせ窓口のオペレーターの方々の真摯な対応に安堵したことがたびたびありますし、また、事業会社でコールセンターの立ち上げや運営にも関わっていたこともありまして、日々様々な消費者がいる中でお客様対応をされているオペレーターの方々の、あと御担当者の方々の真摯な姿勢には、心から尊敬の念を抱いております。また、本日の御発表からも多くの学びがありました。

その上で、2点質問をさせてください。

1点目は、ACAPの坂田理事長に伺いたいのですが、お客様接点の多様化を背景に、チャットボットやAI等の活用は過渡期であるというご説明もあったかと思いますが、活用による業務効率等の利点がある一方で、相談ごとの解決率や満足度には課題も現状ではあると思われます。

私も新たなデジタル施策の活用を進めるべきであると考える一方で、過渡期フェーズにおいての利用者は必ずしも満足度が高いお客様ばかりではないと思うのですが、新たに導入したチャットボットやAIサポートサービスに関してのサービスの満足度測定を行っている事例はあるのか、教えていただければと思います。

特に満足された方の声は拾いやすいと思うのですが、課題解決に至らずに渋々離脱してしまったサイレントマジョリティーの消費者の声まで拾えているのか、また、どれほどの事業者がサイレントマジョリティーの声も含めて測定し、それに対しての対策が練られているのか、もし、この辺りの情報があれば教えていただければと思います。

2点目は、ダイドーフォワードの木所様に伺いたいのですが、顧客対応サービスのROI、費用対効果に関する件です。中長期を見据えて消費者への対応力や対話を強化していくことで、お客様のロイヤルティや、LTV、Life Time Valueへの寄与があるというお話でありましたが、事業会社の宿命としては、短期的には収益を上げていかなくてはいけないという大目標がある中で、事業会社によってはデジタル化を促進して問い合わせ窓口の人による対応に関する費用を抑えたり、問い合わせの電話番号をサイト上で探しにくくするという、それによってチャットボットや、ほかのAIサービスに流すというような経営戦略を取ることもあると推測しますが、丁寧な対応をしていけば顧客満足度は向上すると思いますが、それだけ費用が必要となって、過不足ないサービスを継続するためには、投資に対する中長期の効果を数値で検証して、顧客接点や顧客対応の追加のコストと人員を割くことの蓋然性を形成あるいはKPI数値で、社内の経営陣や他部署、あるいは株主の方にも説明することが必要になってくると思うのですが、御社では費用に対する蓋然性は、どのようにとらえていらっしゃるのかということを御教示いただければと思います。

以上、2点です。

○鹿野委員長 それでは、まずは、ACAPの坂田理事長からお願いします。

○公益社団法人消費者関連専門家会議坂田理事長 ありがとうございます。御質問ありがとうございました。

要は、お客様相談室、お客様の声を頂戴した中での、特にデジタル化が進む、多様化しているところで、実際に満足度がどうか、それをどれだけしっかりと拾えて、改善につなげられるような仕組みができているかというところの御質問かなと思います。

当然ながら企業それぞれではございますけれども、私が認識しているところという観点でお話をさせていただければ、やはり企業としては、よりお客様の声をしっかりと受け取るといいますか、取り入れるといいますか、そういうことができるようにということで、そういうデジタルの多様化といいますか、例えば電話は日中しか、担当者がいる時間でしか取れないので、夜間でもとか、土日でもという、お客様の生活を考えれば、いろいろなところでお客様の生活のライフサイクルがございますから、より多くのお声をしっかりと受け止めるために、よりよいものは何かということの中で、いろいろなデジタル化というのを活用しているというのが、まず、前提だと思います。

そういった考え方の中で、それの効果があるかどうかというのは、一定程度といいますか、企業によってまちまちですけれども捉えに行っていると思います。

例としては、実際にチャットボットを終了した後に、しっかり解決しましたか、満足しましたかということでの問い合わせに対する終了確認の仕組みを入れているというのはよくある話だと思います。

チャットボットに際しては、なおのこと、非常にチューニングが大切でございまして、1回入れて終わりとか、1回入れたら、これで全て賄えるということには、実際はなっておりませんで、相当日々日々改善をしていくといったことが企業側として必要です。その改善のサイクルは、企業はまちまちだと思います。毎日やっていらっしゃるような企業もあれば、一定程度の期間で、解決しなかったのは、どこで解決しなかったのか、どこで離脱をされたのかというデータを持って、課題を確認して、それをチャットボットの仕組みの中で、また改善をしていくといったような、そういう取組をしていますので、大きなお答えから申し上げれば、デジタル化、AIチャットボットを取り入れながら、その点は常に意識を持って、企業としては改善につなげていっているといったところが実態だと思います。

また、裏を返せば、それがしっかり進めていけないと、サイレントカスタマーを生んでしまうということになりますので、企業はやはり、声をいかに寄せていただくか、それを受け取るか、それは良い御意見という意味での改善につながるお声もあれば、出来事が何らか不具合があってということもあるかもしれませんが、一方では、ここまでしてくれてありがとうという、いわゆる感謝、お褒めの言葉といったところも、いろいろあると思いますけれども、いずれにしてもお客様の声が、企業の全ての改善につながるということだと思っておりますので、より多くのお客様の声をしっかり受け止められるようにということでの取組を企業としてはしているというところでございます。

○鹿野委員長 続きまして、ダイドーフォワード様、お願いします。

○株式会社ダイドーフォワードCX本部CSグループ木所氏 ありがとうございます。御質問ありがとうございます。

おっしゃるとおりで、明確なROI、いわゆる費用対効果ですね、その数値は、現状としては、今の部署では与えられてはいないのです。ただ、このCX本部というところにCSグループがいるということが、一蓮托生と申しましょうか、ここの、やはり販売の実績、売上が、お客様相談、カスタマーが日々対応していることの結果である、いわゆる、我々はフォローするだけで満足するのではなくて、その結果で販売部の数字も当然一緒についていくという考え方で、今回のCX本部というところに、販売とカスタマーが一緒にいるという形に変わっていっているのですね。ですので、最初は社長直轄だったりとか、紆余曲折があったのは、そういったことだと、私どももしっかりと受け止めて、日々、売上にいかにつなげられるか、お問い合わせの結果で、ちゃんときれいにしてくれたから、お客様をその後、後追いしたら買ってもらっていたよというような、社内でもつながりをつくって、販売をすることに、いかにカスタマー、お客様相談が関与しているかということは、数字としては、販売部の売上をKPIとしては見ています。

ただ一方で、それだけでは我々の存在価値というところが、もっとアピールしなければいけないなという思いから、やはり、何か接点があるお客様の方が、後々お買い上げが続いていくという、LTVにつながるということを、本当かなと、きちんとチェックをしています。定期的に、ある程度のロイヤルカスタマーと言われるお客様、その中でも、黙っていても買っていただく方よりも、やはり、何らかのお困りごとだったりとか、御相談ごとが多かったお客様の、その後の定点調査というか、本当にずっと継続して半年たったときにどうかな、1年後に、ロイヤルで居続けていただいているかどうか、その比率は、前比だったりとか、数値化できますので、そういった形の数字で、きちんと我々がフォローしていることがお客様に届き、それがロイヤルティのある、結びつけられている、弊社ですとプラチナ会員、ゴールド会員というような、ある程度年間で購入金額が高いお客様を落とすことなく、できているというような数値化は、計測をしております。それは出せと言われているよりかは、こちらのほうから出させていただいて、寄与しているということを伝えているような状況でございます。

○中田委員 丁寧な大変勉強になる御回答をお二方から、ありがとうございました。

坂田理事長のお話からは、チャットボットを導入して終わりではないということで、そこからの満足度、チューニング等のPDCAをやはりしていく責任が企業にあるということを学ばせていただきました。

ダイドーフォワード様の事例では、ROIはすごく難しいながら検証されているということで、ぜひその事例を他社様にも御共有いただきたいと感じました。ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

ほかは、いかがでしょうか。

善如委員、お願いします。

○善如委員 私からの質問は、多分どちらかといいますと、坂田理事長のほうになるかとは思いますが、もし適宜、あるいは木所様にもコメントをいただければと思います。

まず、消費者対応に関しまして、理想を言えば、それは全ての企業が徹底してくれるというのが、一番いい状態だと思うのですが、先ほど中田委員からも御指摘があったように、コストの問題があったりだとか、様々な理由で導入といいますか、対策を諦めている、もしくは見送っている企業というのが、たくさんいるというのが事実だと、御発表の中でも、たしか教えていただいたと思います。消費者志向自主宣言もやってもないし、やる気もないというところが半数以上あったりだとか、そういったところは、結構そういった状況を物語っているのかなと思います。

これらの企業というのは、もしかしたらですけれども、消費者対応というのを徹底することの真の価値といいますか、一部の価値というのを見落としてしまっている企業かもしれませんし、もしくは10年ぐらい前にそういう意思決定をしたのですけれども、状況はすごく変わっていて、御発表の中でもファンづくりがすごく重要になっているだとかいう数値もありましたし、そういったことに気づいておらず、もう一回、この時点で意思決定をし直したら、やはり大切だからやろうかなとなってくれる企業というのも中には含まれているのではないかなと、個人的に思いました。

そういった潜在的な優良企業といいますか、そういった企業たちに、ちゃんと真の価値に気づいてもらって、もう一度考え直してくれないかと言うためには、やはり客観的なエビデンスといいますか、そういったものが必要になってくるのかなと、個人的に思います。

もちろん、ダイドーフォワード様のように、長年対応している企業の事例というのは、その1つではあると思うのですが、そう言われましても、やはり、高品質なものを売っているのだから、それは効果があるだろうけれども、うちはそうでもないから、やはりそんな効果は見込めないよという企業も多いと思いますので、できるだけ幅広い分野の企業の導入、もしくはその実績、もっと理想をいいますと、幅広い業界、幅広いサイズの企業で、最近導入したら、こんな結果があったとか、こういういいことがあったとか、もっと理想を言うならば、大規模な実験的な環境で、客観的にさらに科学的なエビデンスとして、その効果測定というのができれば理想、ここまでは無理だろうと思いながらしゃべっておりますが、できるだけそういった客観的、科学的なエビデンスというのを収集して、それを会員企業のみならず、たくさんの企業に周知することというのが、効果的ではないかなと思います。

その点に関しまして、何か御知見があれば、既に手元にある客観的なエビデンスがあるというのがあれば、教えていただきたいなというのが、まず1つ目の質問です。

2つ目の質問は、そういったエビデンスを手元に、自らつくる必要というのは必ずしもないと私は思っていまして、日本中の誰かとか、世界中の誰かが、そういったデータを収集して研究して論文にまとめているという、研究者は結構意外といろいろなことやっていますので、そういった研究の知見などを活用していくという方向性に関しまして、例えば専門家の、その分野の専門の先生方に意見を聞くとか、そういった論文を自分たちで収集、それは難しいかもしれませんが、そういった試みに関しまして、今後、どういった展開があり得るのかということについて、お知恵を貸していただければなと思いました。

以上、2点です。よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 それでは、坂田理事長、お願いします。

○公益社団法人消費者関連専門家会議坂田理事長 ありがとうございます。

大変重要な御指摘といいますか、御意見、考え方と思います。

まずもって、先ほど資料でもお示しをさせていただきました消費者志向自主宣言のところですが、調査結果、設問とその結果ということで表示をさせていただいてございまして、これは、実際には、本来であればいろいろな要素がもっと包含されてといいますか、含まれているなというのが、実際の感覚です。具体的にはどういうことかというと、自主宣言をやっていないといいますか、そういったところが、全くやりたくなくてやっていないのかという、やらない理由の区分が、そこは、実際にこの調査上はありませんので、全部ひとくくりになっているというところが、きれいに読み取れないなというのがあって恐縮でございます。

それで、やっていないところは、どういう理由かなということで、例えば、私なりに感じているところで申し上げますと、そういう取組をすることに、やはり一定程度、企業経営の中での負荷といいますか、いろいろなステップが必要になりますので、そういうところの負荷に対する否定的と言いますか、受入れが十分整っていないというところで、そこに進まないというところ、そもそもやっていない、やらないというところは民間企業であれば、やはりお客様に受け入れられないと、商品に反映をしたり、商品を販売するという中では、なかなか前に循環として進みませんので、お客様が何を求めているか、それに応えていこうといったことは、基本的にはしっかりと考えて企業経営しているはずですから、ですので全くやらないということが前提ではないと思っています。

それから、もう少し違う話を申し上げると、そういう形をわざわざ設けなくても、自分のところはやっていますと、そういう表現、表示をするのではなくて、例えばISO 10002のところもそうですけれども、そういう制度というものにこだわるわけではなくて、あくまで、既にお客様の声を大切にして、自社の仕組みとして、そういう体制、運営を取っていますよということで、わざわざほかの基準をしっかりとそこに当てはめに行くということまでは必要ないですねといったお考えがあるのも事実だと思います。

とはいえ、消費者庁の推進しているものとしては、そういう取組も含めて全て消費者志向経営、消費者志向自主宣言ですから、ぜひ、登録をしましょうということで、私どもも協力しながら進めておりますけれども、実際にはそういうところの問題があるのかなと思います。

ですので、思うように進んでいないというデータではあるものの、実際のところ、企業はそれぞれのお考えの中では、消費者のほうを向いた取組というのは、様々な形でしているというのが実態ではあると感じてございます。

それから、そういった取組を客観的、それから効果的なエビデンスとして、そういう形でといったところでございます。ここは大変、正直私も十分な知見がないところでお恥ずかしいのですが、例えば、御説明の中で申し上げました、ACAPとしてCXに向けた取組をしております。CXというものをどうやってはかるか、もしくはどういう状態、どういう評価があれば、CXが進んでいると言えるのかといったところで、やはり同じような議論というのがございます。

実際、まだ、実態、実情として、そこまでしっかりとした形がないといいますか、それを確認しているというのが正直なところです。CXに取り組んでいます、CXとして一定程度、こういう売上も含めた企業経済価値に効果が及んでいますといったところが、何が、どういう取組があったから、そこは、それを基準化しようとすると、どういう表現ができるのかといったよい要素といいますか、その部分を、今、いろいろな企業の取組ですとか、ACAPの研究所の中での研究会もございまして、その要因というものを探しているといったところでございますので、ぜひそういったところは、今後、ACAPとしても、こういう取組、こういう基準を設けて進むといいですね、それが、いろいろな指標を見る上で非常に大切になりますといったことを、これからしっかりと突き詰めて発信していければと思っております。

すみません、十分なお答えにならず、恐縮でございます。

○鹿野委員長 善如委員、何かございますか。

○善如委員 現在の状況を大変詳しく教えていただき、ありがとうございます。

おっしゃるとおり、CXのファンのロイヤルティみたいなもののはかり方が難しいというのは、おっしゃるとおりかと思います。

ただ、そこを例えばACAPさんが1人で苦しむ必要は、僕はないと思っていまして、というのも経済学とか経営学とか社会科学系の研究者というのは、常にそういったところと闘っている立場でして、もちろんいろいろなはかり方があるのでしょうが、こういったもののほうがいいなとか、いやいやこれでは駄目だなとかいうのが、たくさんの論文上で、実はそういうのが行われていると思うのです。

私、この分野は、完璧に専門ではないので、本当にこのトピックは、ドンピシャで論文がどのように展開されているかまでは把握していないのですが、そういった専門の先生方というのを何か見つけられれば、そういった知見というのは活用できるかなと。そして自分で実験とか、分析をしなくても、どこかの研究者が頑張って分析してくれた結果が使えれば、それを、例えば国が違ったりとか、地域が違ったりとか、時代が違ったりとか、分野が違ったりするかもしれませんが、そういった知見をたくさん集約的にまとめて、何かこう見いだせるものがあるのかもしれませんし、そういったやり方もあるということだけ、最後に付け加えさせていただいて、今後こういった消費者対策がますますいろいろな企業に進展するように進んでいけばいいなと、個人的には思っております。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

ほかは、いかがでしょうか。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 大変ありがとうございました。

私から2点質問させていただきます。

消費者の声を聞くということを、会社の経営等の関係で非常に重要な資源だという形で受け止めていただいているというのは、大変ありがたいと聞いていて思いました。

その中で、お二人に聞きたいのですが、まずACAP様の資料の16ページで、高齢者、障害者のある方への対応というところです。対応の注意点を社員同士で共有しているというところは、実施を検討中というところまでいくと6割近くなりますが、それ以外はほとんど実施していなくて、5割を超える指標が何もないということになっています。木所様のところも顧客の年代が50代、60代ということになっていくと、間もなくこういう人たちが増えていると思いますが、この高齢者の方々に対する企業内の対応がこういうACAP様の資料のようになっている点について、どういう原因があって、今後どのように考えていらっしゃるのかをお二人にお尋ねしたいというのが第1点です。

それから第2点ですが、お二人の資料の中からは直接出てきていなかったのですが、労働施策総合推進法という法律が2025年6月に成立し、2026年の10月1日から施行される予定で、いわゆるカスタマーハラスメントに関して事業者は対応しなければなりません。労働者がそのカスハラによって労働環境を侵害されることに対しては使用者側の責任があるということになっています。顧客の声が非常に重要な経営資源だということについて私も異論は全くありませんが、ただ中にはいわゆるカスタマーハラスメント的なお客様の声というものがあるのではないかと思われます。そういったところに対してどういう形でご対応されているのかについても、これは推進していくというときには、そのような問題点をちゃんと解決しながら推進していくことが必要ではないかと思います。そこで、いわゆるカスハラと言われるようなものについて、国が施策として事業者の責任にしているところですので、その点についてお話をいただければありがたいと思います。

○鹿野委員長 それでは、まずは、坂田理事長からお願いします。

○公益社団法人消費者関連専門家会議坂田理事長 御質問ありがとうございました。

データ上から見るところですと、確かにそのとおりでございます。

どうでしょう、そこを正直深掘りはしてございませんで大変恐縮なのですが、私の感覚、感想で申し上げる形で恐縮になりますが、高齢者対応という部分の広い意味での課題ですとか対応の必要性というのは、そこは共通に各企業は持っていると思います。

その上で当然ながら、各企業の商品とかサービス、それが、どこが一番中心になるかといいますか、どこに重点を置いて考えなければ、対策を取らなければいけないかといったところは、そこは、またいろいろ企業によってまちまちであろうかなと思います。

したがって、全社、各企業の中でしっかりと高齢者対応を行っていますと、胸を張って言える回答として出てきているのが、この状態なのかなとは思います。

一方で、そういう観点から申し上げれば、例えば、心のこもった対応ですとか、ちょっとした小さな気遣いですとか、そういうのは、見方を変えれば、いろいろな企業といいますか、大切だというのは当然認識をしていると思いますし、そういう工夫といったものも取り組んでいるのも、実際はあると思います。それを企業として取り組んでいますということで大きな方針を掲げたり、施策として動かしているということでやっている、やっていないということの出方が、この辺で少し表現が分かれているのかなというような気もいたします。

ただ、日本全体が高齢化、少子化でございますから、そういう意味ではいろいろな多くのお客様に、企業の商品・サービスを受け入れていただくという中にあって、当然ながら、高齢者の方々が増えていくわけでございますので、そういった方々にしっかりと配慮を持ってお届けをするという意味では、ほかの企業がどんなことをやっているか、もしくは、こういった取組が大事だねといったことを伝えていくのも、ACAPの中で非常に大事な役割として認識をしておりますので、いろいろな研究会、それから、発表して情報共有する場がありますけれども、そういった機会をより活用しながら、会員企業の中で、そういう意識、取組を高めていくようなことは、さらに進めていきたいと思います。

すみません、十分なお答えになっていないかもしれません。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

木所様のほうもご回答をいただければと思います。

○株式会社ダイドーフォワードCX本部CSグループ木所氏 ありがとうございます。

当社は、こちらの56.3パーセントの中でございまして、おっしゃるとおり、やはり誰かが、7人ぐらいの所帯で、小さい所帯でやっておりますので、誰かが大きい声で対応しているな、ゆっくりしゃべっているな、大体こういう感じだなというのを、職場でOJTのように共有していることは1つございます。

それで、私はアパレルの関係の団体でも、カスタマーサービスの小委員会に所属しておりますので、やはりそこに御相談をされる中では、アパレルの中では、やはり、こういうことがあったのだけれども、どうしようと迷われる小さな、小さなとは失礼ですけれども、でも、生産管理とお客様相談を1人の人がやっているようなアパレルもございますので、そういったところには、ACAPの高齢者対応のオープンしたACAP研究所の資料とかを御紹介して、なるべくみんながACAPの知見を見てもらえるように、御紹介をすると、やはりそこで喜んで、では、ちょっと活かしていきたいと思いますというお声を頂戴することもございますので、実際、対応を会社がする、しないという部分に関しては、どこまでそこに対することに、先ほどの費用対効果ですね、必要性があるのかと思われるか、思われないかというところもあるかと思うのです。

ただ、実際対応しているような部署のメンバー自体は、肌感で分かっていますので、いろいろなところが情報共有をしたりとか、ACAPは公益社団法人ですのでオープンで情報も出ておりますので、そういったところを勝手に活用させてもらって、自分たちで自己研修みたいな形をしたりとか、あと、こちらは高齢者もありますけれども、やはり障害者のお客様のeコマースの御利用が弊社もございまして、そのときは、初めての体験ではございましたけれども、お客様に音声で画面を読み上げると、こんなスピードですよというのを教えていただいて、それを学習して、そのお客様に向けた、この商品とこの商品のこういうところが知りたいというのを、担当者がメールで読み上げたときに分かりやすい文章をつくってお送りするということでも、多分3年超えてのお付き合いですかね、やはりそういったケースもございまして、これは、本当に稀なケースではございますが、そのときは店舗とも連動して御対応するようなこともございました。

ですので、実際ここの数字には上がってこないところで、現場感では、本当に日々そういった工夫をされながら対応されているのではないかなと、マストだと思います。高齢者対応もそうですし、障害者対応もと思っております。お答えになっておりますでしょうか。

○黒木委員長代理 ありがとうございます。

では、あと、もう一つのカスハラ問題についてもご回答をいただければと思います。

○公益社団法人消費者関連専門家会議坂田理事長 ありがとうございます。

カスハラにつきましては、冒頭、ACAPとしての前提ということで、先に申し上げさせていただきますと、対応として3点前提に掲げてございます。

1つは、消費者には消費者の権利がある、事業者には責務があるということ。

2つ目に、多くは善良な消費者で、事業者にはその声を商品やサービスの改善、開発、そういった経営に生かしていくことが求められているということ。

3つ目としては、事業者としては、実際のお客様対応において初期対応が重要であって、安易にカスタマーハラスメントと決めつけないことということを、ACAPの中のカスタマーハラスメント対策としては、常に前提として掲げてございます。

ですので、今のお話から御理解をいただけますとおり、お客様の声、消費者からの声というのは、やはりいろいろな改善ですとか、それから、結果としては働いている従業員にとっても非常に満足につながるといいますか、充実につながることでもございますので、その声を、お客様からの連絡をカスタマーハラスメントにさせない、しっかり何がお申し出の内容なのか、事業者として、企業としては、何がそれを聞き届けるべきところか、そういったところをしっかりと声を傾聴して対応すべきことを判断するといった、そういったことが大事だと考えております。

そういう中にあって、今回、法令改正がございましたので、今、具体的には10月施行で具体的な指針が出ておりますから、今、指針の具体的な中身、事業者としての対応事項、義務、これが何かということをはっきり各企業の中に落とし込みましょうと、対策、準備が必要ですよといったことで、具体的なその辺の手順ですとか、準備対応、それを一生懸命、会員企業には理解いただいたり、準備をしっかり整えていただくような取組を進めているところでございます。

○株式会社ダイドーフォワードCX本部CSグループ木所氏 ありがとうございます。

カスタマーハラスメントと言われるようなお客様は、最近非常に、おかげさまで減っているというお声が多いです。私が2008年からお客様相談にいたころは、これはクレーマーではないよと、僕はクレーマーではないからねと言って、割と手厳しい御意見を頂戴するときもありましたが、多分、昨今テレビとかの報道、国の法律などで、カスタマーハラスメントという言葉が社会に浸透していけばいくほど、やはりお客様は、これはカスハラではないと前置きをしていただけることもあって、これは、非常に、やはり国が動くとこうなるのだなと、社会に浸透しているのだなということは、従業員、お電話を受けている立場からも、実感はしております。

あとは、やはり今回のカスタマーハラスメントが取り上げられた最も最たるところは流通とかが多いと思いますので、弊社は、やはり、お洋服を売るという状況でのカスハラは非常に多分少ない環境であることも事実かなとは思いますが、今回法令化がいろいろと進んでいく中で、お客様は別に、怒りたくて怒っているわけではないということを最初に徹底して、去年の全国店長会には、手前みそではございますが、ACAPから講演をしに来てもらって、カスタマーハラスメントにさせない、いわゆるカスタマーハラスメントということ自体は、行き過ぎてしまったことであるので、だから、行き過ぎさせない、そこに行かせないのは、やはり、販売や御提案をする側のプロフェッショナルの初期対応で、いかにお話を聞いてあげられるかとか、寄り添えるかとかという、どちらかというと、初期対応をやはり今一度徹底して勉強していこうということで去年から動いておりますので、そういったこともあって、ありがたいことに、現状としては少ないかなと思っております。お答えになっておりますでしょうか。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

今のご回答には、議事録にアンダーラインをつけたいぐらい、非常に共感しました。

議事録にどこまで書くかどうかは別として、民事介入暴力などに対応している弁護士の一部には、この労働施策総合推進法によって労働者を徹底的に守るべきだとおっしゃる方々がいますが、それはちょっと違うのではないかと私はずっと思っていました。

本日の坂田理事長と木所様のご回答は、まさにベストプラクティスだと思いました。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

山本委員から御質問が来ているのですが、接続が悪くて自ら御発言は難しそうなので、私のほうで、チャットに書かれた御質問を読み上げます。質問が、もしかしたら重複していたら申し訳ございませんということで、本日のようなお取組をさらに進めるためには、企業側のインセンティブを積極的につくり出す必要があると思っております。どのようなインセンティブがあれば、多くの企業がこうした取組を進めていただけるのか、また、そうしたインセンティブ設計のために消費者委員会等に期待することがあれば、ぜひ教えてくださいと、そういう質問です。よろしくお願いします。

○公益社団法人消費者関連専門家会議坂田理事長 ありがとうございます。

やはり、最初に浮かぶところで申し上げると、今日の御質問にもございましたけれども、消費者志向の取組といったものが、これは、消費者庁様のほうでも、例年調査で消費者志向の捉え方を、消費者の声を調査されていらっしゃるので、そういったところからも見えるのですけれども、一定程度、消費者志向経営という言葉の理解だとか浸透というのは進んでいるところはございますが、そこが企業側として、なかなか形として十分に移ってきていないというのも事実かなと思っております。それがゆえに、先ほどの自主宣言が実際の数字としてしっかり進んでないといったところにもつながっているのも事実です。企業としては、それぞれ消費者のほうを向いた取組をしていますと、イコール消費者志向であって、自主宣言しますよということにはなっていないというのが、現実的にはそういう状況かと思いますので、やはりその消費者志向経営といったものが、より広く消費者の方々に受け入れられて、御理解をいただいて、そういったところに手を挙げている企業だからこそ安心だ、信頼が持てるのだといったことに直結するような、そういう仕組みづくり、より評価いただけるような仕組み、そういったものがつながると大変ありがたいかなというように思います。

○鹿野委員長 消費者委員会に対して、何かこういうことをやってほしいという期待などがあれば、お願いします。

○山本委員 山本ですが、音声聞こえていますでしょうか。

○鹿野委員長 聞こえています。

○山本委員 すみません、ごめんなさい。

まさに、今、おっしゃっていただいた仕組みというところが重要かなと思っていまして、これは、全く根拠のない、例えばというイメージではありますけれども、ESG投資のような、例えばこういった取組をされている企業というのが、投資を受けやすくなるというか、そのようなESG投資とか、あるいはSDGsのような、そういった活動と連動して消費者が、ここだったら安心して取引できるとか、あるいは投資家が安心して投資できるとか、そういうような形で目立たせていくというか、マーケットにおいて目立たせていくということもあるかもしれませんし、場合によっては、課税というか、ある種、優遇的な税の措置を受けるとか、いろいろインセンティブ設計というのがあると思うのですが、もちろんそれの基準をどうするかとか、そのガバナンスはとても大変になると思うのですけれども、何かやはり経済的なうまみがないと、なかなか事業者としては積極的に取り組むという意欲が湧きづらいかなと思いましたので、その仕組みみたいなところについて、何か具体的なアイデアがあればと思いましたし、今、委員長がおっしゃったように、消費者委員会等に、こういう仕組みがあればもっとこういけるのではないかということがあれば、ぜひという、そういう趣旨でございました。すみません、ありがとうございます。

○鹿野委員長 お願いします。

○公益社団法人消費者関連専門家会議坂田理事長 ありがとうございます。

その仕組みというところでは、なかなかすみません、私も思いつくところが正直なくて恐縮です。

ただ、今、山本先生がおっしゃったとおり、やはり企業としては社会価値というのは非常に認識しています。そこがしっかりないと、消費者から受け入れられない、認められないというところがありますので、社会的価値といったものを非常に意識して取り組みますが、企業がゆえに、経済的価値にしっかりつながらなければ、回るものも回らないということでございますので、そこは、ぜひ、先生方皆さんの、非常に知見のある中での仕組みづくりを、ぜひお力添えいただければありがたいなと思います。

それから、消費者委員会のお願いという、そんな大それたものではございませんが、これも繰り返しになりますが、消費者の方々、先ほど御質問がございましたが、やはり、サイレントカスタマーという言葉が出ますように、いろいろな考え方、いろいろな社会の中の仕組みがあるがゆえに、直接的な声が上がりにくいといいますか、企業に届きにくくなっております。

したがって、例えば、今の時代ですとSNSとかで、企業ダイレクトではなくて、社会に飛び交っているSNSの情報で何か関係することが起こっていないかといったこともウォッチをしているというのも企業の実態です。企業によっての程度はございますけれども、そういったところに目を向けて、先手を打つといいますか、つかみに行くといいますか、そういった取組をしているのも事実です。

ですので、ぜひそういう消費者の方が、安心して声が上げられるといいますか、声を伝えられる、発せられる、そういった社会づくり、仕組みづくりの観点で、ぜひ前進するようなことにつながればうれしいかなと思います。

加えて、その声ということで申し上げますと、お客様の声には、いろいろな声がございますが、これは、私もいろいろなところで申し上げているのですが、ぜひありがとうという感謝の声も、ぜひぜひ企業にとってはいただきたい。当然ながら、御意見、お申出、いわゆる苦情といったものも大変ありがたい御意見です。企業が改善していくために非常に必要な御意見です。それに加えて、これがよかったよと、ちょっとしたありがたい御意見、これも企業としては、やってきたことが間違っていないのだと、もっとお客様のために頑張ろう、そういう前向きな栄養になるといいますか、そういったことでありますので、いろいろなところで声を上げていただくような、そういった取組も、ぜひ視点に入れていただければありがたいかなと思っております。

○鹿野委員長 山本委員、よろしいですか。

○山本委員 山本です。ありがとうございました。

本当に今、その仕組みというのをどのようにつくるのかとか、あるいは、今、消費者委員会としては、消費者のおしかりというか、そういったものを取り上げるということが多いかなと思います。それも非常に重要ですけれども、お褒めというのですかね、ポジティブな言葉を集めていくということは、また、思いやりのネットワークというのですかね、そういったものについては、あまりこれまで考えてこなかったところかなと思いましたので重要なヒントをいただいたかと思います。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ほかは、いかがでしょうか。

よろしいでしょうか、ほぼ予定した時間もまいりましたので、それでは、簡単にまとめたいと思います。

本日は、御説明、御回答をいただきましてありがとうございました。ACAPの坂田理事長と、それからダイドーフォワードの木所様に御出席いただき、消費者とのコミュニケーションの向上に向けた様々な取組等について、貴重な御発表をいただきました。

ACAP様からは、望ましいコミュニケーションを実現する仕組みと、価値創造、また、多様な消費者への配慮などについて、具体的なお話をいただきました。

また、デジタル化、AIの導入とコミュニケーションの質の維持向上との関係についても御発表いただき、意見交換も行わせていただきました。

その中で、チャットボット等についても、日々その改善が行われているということだとか、また、人と人の対応との組み合わせの在り方などについても御検討しておられるということも確認できました。

また、全体として、消費者との良好なコミュニケーションというのは、単に守りではなく、攻めの戦略部門となるのだという御指摘もいただきましたが、その点を、やはり意識も含めて拡大していくことが重要であるということを再確認させていただきました。可能であれば、善如委員がおっしゃったように、何らかの効果に関するエビデンスというのがあればよいのですが、そのエビデンスという明確な数値を取るのがなかなか難しいとしても、それに近いものも含めて、その利点といいましょうか、意義などを積極的に発信していただき、取組をさらに拡大していただきたいと強く思った次第でございます。

また、本日は、最後のほうの山本委員からの御発言にもありましたように、その拡大に向けてのインセンティブ設計に関する意見交換もありました。この点については、本日もヒントをいただきましたが、当委員会としてもさらに検討したいと思っております。

また、ダイドーフォワード様からは、具体的に一企業として、どのような取組を行っていらっしゃるのかというお話をいただきました。特に私どもでも、いわゆる大企業と、そうでない企業とでは違いがあるのではないかということについても、少し気がかりでありましたが、ダイドーフォワード様の本日のお話により、比較的限られた人員体制の中でもやれることが多くあるのだということを確認でき、むしろ、比較的小規模ならではの会社内での意識の共有とか、情報の共有とか、そういうことを図りやすいという利点もあり得るのだということも認識させていただいたところです。

その他、数々の有益な御発表をいただきまして本当にありがとうございました。本日の議論を踏まえて、引き続き、当委員会として調査審議を行っていきたいと思います。

御出席いただいた皆様におかれましては、お忙しいところ御対応いただき、大変ありがとうございました。

○黒木委員長代理 本当にありがとうございました。勉強になりました。

○鹿野委員長 どうぞ御退席ください。

(坂田理事長、木所氏 退出)


《3. その他》

○鹿野委員長 続きまして、公共料金等専門調査会の専門委員についての御報告です。

事務局から説明をお願いします。

○友行参事官 公共料金等専門調査会につきまして、このたび御事情によりまして、若林亜理砂専門委員が辞任される運びとなりました。新たに林秀弥専門委員が指名されておりますので御報告いたします。

その結果、現在の構成員につきましては、参考資料1の委員名簿にて御確認いただければと思います。

以上です。

○鹿野委員長 今の点は御報告ということですが、よろしいですね。


《4. 閉会》

 

○鹿野委員長 本日の本会議の議題は、以上となります。

最後に事務局より、今後の予定について御説明をお願いします。

○友行参事官 次回の本会議の日程、議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございました。

(以上)