第473回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2025年10月28日(火)10:00~11:40

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、小野委員
    (テレビ会議)大澤委員、柿沼委員、善如委員、中田委員、山本委員
  • 【事務局】
    小林事務局長、吉田審議官、友行参事官

議事次第

  1. 柿沼委員プレゼンテーション
  2. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1. 開会》

○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

定刻になりましたので、ただいまから第473回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、黒木委員長代理、小野委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席しており、大澤委員、柿沼委員、善如委員、中田委員、山本委員がテレビ会議システムにて御出席です。

なお、本日、今村委員、原田委員は、所用のため御欠席と伺っております。

それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。

○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。


《2. 柿沼委員プレゼンテーション》

○鹿野委員長 本日、最初の議題は「柿沼委員からのプレゼンテーション」でございます。

柿沼委員より、消費生活相談員の視点から、相談現場で寄せられる事例を踏まえ、最近の消費者被害や消費者トラブルの実態についてプレゼンテーションをしていただきます。

第9次消費者委員会として調査審議を進めるに当たり、改めて消費者問題の現状を把握し、委員間で問題意識を共有する機会とできればと考えております。

進め方ですが、まず、柿沼委員に20分程度で御発表をいただき、その後、質疑応答、意見交換の時間を40分程度取らせていただく予定です。

それでは、早速ですが、柿沼委員、よろしくお願いします。

○柿沼委員 全国消費生活相談員協会の柿沼と申します。

本日は、最近の消費生活相談の事例、それから、問題、意見等について発表をさせていただきます。

ただいま共有をいたします。

今回の発表内容は、所属先の意見を相談員から収集したものではなく、個人の私見ということで発表をさせていただきたいと思います。

では、次のスライドに進みます。

最近の消費生活相談から見えてくるということで、5点を挙げさせていただきたいと思います。

その5点の内容をお話しする前に、最近の相談で多い事例について御説明をさせていただきます。

1点目は、2時間後に電話が使えなくなるという自動音声による被害になっています。着信です。

もう一つは、分電盤の点検を名目とした訪問販売です。分配器が古いので、すぐに取り替えないと火事になるなどといった不安をあおり、必要のないブレーカーを高額で買わせるという手口です。

金銭的な被害だけではなく、家に上がり込むため、家族構成や住居の間取り、日中の生活パターンといった私的情報が業者に把握されることで、将来的な被害の温床となる可能性があります。

これは、通信障害を装って不安をあおり、消費者の個人情報の搾取や、お金を要求する手口で心理的な揺さぶりを利用した誘導型のトラブルになっています。

これらの事例は、単なるその場限りのトラブルではなく、生活空間への侵入や個人情報の収集を通じて、継続的なリスクを生む構造を持っています。こちらについて、2つ先に最近の多い相談として挙げさせていただきました。

では、今回の内容について、まず詐欺サイトについての事例を御紹介させていただきます。

ネット検索サイトやSNS、動画共有サイト上にブランドロゴや、マルマル電気とマルマル大学の共同開発といった表示を含む広告が出現し、実在する企業や大学生の名称、ロゴが含まれていることから、消費者が公式な情報と信頼してサイトにアクセス、申込みを行うようなケースです。

動画共有サイトの広告にはQRコードが表示されて、これを読み込むことで購入サイトに誘導されます。ですので、あまり内容をよく確認することなくサイトに誘導されて、自分の個人情報を入力して契約に至るというものになっています。

支払い方法は、クレジットカード、代引き、コード決済、銀行振込など多岐にわたっており、消費者の属性や利用の環境に応じて、柔軟に設計されているというのが特徴です。

申込みの流れですけれども、3つパターンとしてお示しをさせていただきました。

まず、パターン1です。

パターン1は、通販サイトのつくりが煩雑であったり、購入承諾メールが届かなかったりということで、不審に思い、通販サイトに解約の申出をします。しかし、サイトの連絡先が不明であったり、連絡はでき、解約の申出に対する返事がなかったりという状況です。

決済方法としては、クレジットカード、銀行振込、コード決済が用いられており、いずれの場合も支払いは完了しているが、商品が届かないという金銭的被害につながります。

それから、パターン2です。

こちらは、注文後、商品は届くのですけれども、届いたものが模倣品であったり、粗雑な商品で、広告で示されていた品質とは著しく異なるものです。通販サイトに解約や返品を求めようとしても、連絡が取れる対応が得られません。代引配達の場合は、宅配伝票の依頼主欄に記載の事業者に電話をかけても、常に話中でつながらず、申出ができません。

依頼主に記載の事業者ですけれども、代行会社となっている場合が多いです。この代行会社とは、海外から国内に荷物を引き受けるような会社でして、税関を通過させた上で、国内の宅配会社に引き渡す、このような役割を持っている事業者のことを代行会社と言っています。

それから、パターン3です。

消費者が商品を申し込んだ後、サイト側から欠品のため発送できないというメールが届きます。

その上で、コード決済で返金するという案内があり、返金方法はメッセージアプリ上で個別に指示されるという流れです。

しかし、実際には返金手続とされる操作は、消費者からサイト側へ送金手続をするという流れになっており、結果として、二重に金銭を失う被害が発生しています。

この手口は、欠品連絡、返金案内、個別チャットでの誘導という一見丁寧な対応を装いながら、決済手段とコミュニケーション手段を巧妙に組み合わせて消費者を欺く構造を持っています。

この3つのパターンは、流れを整理したものですけれども、実際の相談事例では、これらが複合的に現れるケースが少なくありません。

こうした事例において、消費者が被害回復を試みる際には、決済手段会社に申出をすることになりますが、対応には、決済手段によって対応の可否が大きく異なります。

まず、クレジットカード決済の場合ですけれども、消費者はカード会社に申立てを行うことになりますが、対応には、被害の根拠資料の提出が求められます。

実際には、事業者とのやり取り記録や、商品写真、契約内容の証明などをそろえる必要がありますが、これらの資料をそろえるということは、非常に困難な状況が多いです。

また、調査に進んでも対応の長期化が課題となっておりまして、返金までに半年ぐらい、それ以上かかるような場合も見受けられます。

それから、代引配達の場合です。宅配会社が提供するのは、その依頼主欄に記載された代行会社の連絡先のみであり、それ以降の対応は、消費者自身に委ねられています。また、コード決済や銀行振込については、決済事業者や金融機関が取引の性質上対応できないと言って、結局は、被害回復の手段が事実上存在しないという状況になっています。

このような事情を踏まえ、考えられる問題点として4つ挙げさせていただきました。

第1は、消費者被害の深刻化です。

直接的な金銭的損失に加え、個人情報やクレジットカードで決済しているような場合には、不正利用が確認されています。

また、コード決済では、返金を装った二重被害につながるケースもあり、コード決済がクレジットカードや銀行口座に紐づいていると、クレジットカードの上限額、銀行の残高、全て出金されてしまうというケースもあります。

第2に、サイトの巧妙化と見分けの困難さです。

正規のブランドロゴやデザインを模倣した誤認誘導があります。

また、最近では、生成AIなどの技術を活用することで、低コストかつ短期間でサイト構築が可能となっており、模倣の精度と、それから量産性が飛躍的に高まっているという状況です。

誘導経路としては、SNS広告や、画面共有サイト経由での広告が中心であり、特にプラットフォーム事業者の審査が緩い、このような領域が狙われている傾向があります。

それから、購入サイト自体が短時間で閉鎖されるケースも多く、追跡が困難であり、先ほどお伝えしたような被害の申出をするような資料の収集を得ることが難しいということで、被害の立証をすることが著しく難しくなっています。

それから、第3です。決済会社及び代引配達会社の対応課題です。

消費生活センターには、同一の通販サイト、同一商品の相談が同時期に複数件寄せられることがあります。これは、被害の広がりと再現性を示す重要な情報ですが、決済事業者側では、こうした情報を十分に活用されるとは言い難い状況です。本来、カード会社は、決済情報を通じて苦情データベースへの登録や、事業者へのモニタリングが可能なはずですが、審査体制や事業者情報の確認体制が整備されているとは言い難く、実効性のある対応に至っていないようでございます。

また、代引配達においても同様で、依頼主としては、記載されている代行会社は、ほぼ同一の代行会社です。代引の相談が入ると、またこの代行会社かと、相談員が認識できるほどです。そして、消費生活センターから、この代行会社に電話をしても、なかなかつながらないという状況もあります。相談員が、その代行会社に1日に20回、30回とコールしても、やっとそれでつながったりとか、それでもつながらないという状況で、何日もかけて、代行会社に電話をかけて、そして申出をするということも、よくあるような状況でございます。

このような電話がつながらないことや、対応が取れないことについて、宅配会社に苦情を申し出ても、代行会社の連絡先を案内するのみで、それ以上の対応は消費者任せとなっているのが現状です。

こうした対応の限界は、消費者保護の観点から見て、制度的に看過できないものであり、事業者間の情報共有と責任分担の再構築が必要と思います。

それから、第4は、法的・制度的な対応の困難さです。

このような商品を扱う販売サイトは、海外に所在するケースも多くありません。国際的な対応には限界があります。また、被害額が少額であることから、捜査機関の対応が消極的となる傾向も見られて、制度的な空白が顕在しています。

1つの被害額は少額ですけれども、被害の数はかなり多いです。例えば、1万円の被害者が5,000人いたら5,000万円になります。こうした少額被害は、所轄の警察署では当然対応しきれないということは伺われます。しかし少額であっても、多数の被害者が発生する通販サイト型の事案については、従来の枠組みでは対応できないというところは分かるのですけれども、詐欺的な通販サイトを専門的に扱う部門など、新たな対応体制の構築が必要と思います。

本事例については、やや時間をかけて御説明をさせていただきました。構造的な消費者被害の典型例としての意味合いが強いためです。今後、紹介する事例についても同様の視点で捉えていただければと思います。

次の事例になります。こちらは、定期購入の事例です。

こちらの事例ですけれども、ネット検索サイトの広告やSNSの広告で、初回90パーセントオフ、実質0円、送料のみ、回数縛りなし、解約不要など文言が並び、消費者はそれを見てサイトにアクセスします。申込み画面がチャット形式の場合もあります。

パターンとしては、まず、1、2、申し込んだ場合をお示しいたしました。

まず、パターン1ですけれども、初回の商品が安価で届いた後、もうこれで終わりだと思っているわけなのですけれども、翌月に再度商品が届き、そこで初めて定期購入契約だったと気づくパターンです。

消費者は、2回目の到着後に事業者に、何か商品が届いたということで申出をすると、事業者からは、定期購入であるということを伝えられ、利用規約に記載がある、初回で解約する場合は、こちらの場面上ですと、定価1万1,000円との差額9,000円ほどを振り込むようにといった請求がなされます。

それから、パターン2です。

パターン2では、商品の申込み後、さらにお得、美顔器プレゼントなどの画面が表示され、消費者がそれに応じてしまったことに、1回限りの申込みだったものが、定期購入に変わってしまうというパターンがあります。

販売会社に解約の連絡をすると、お得に申込みのボタンを押したので、1年間の契約になっている。解約するなら、プレゼントであったその美顔器代が2万円なので、2万円を払ってくださいなどといった内容の案内を言われてしまいます。

また、解約は電話のみで、電話が混み合っていて通じないというケースもあります。

それから、パターン3です。

こちらは、チャット形式の場合なのですけれども、名前、住所、電話番号を入力して、次へなどというボタン押した後、やはりこの商品の注文するのをやめようということで、途中で申込みをやめます。ですが、商品が届くというものになっています。

事業者に注文はしていない、途中でやめたと伝えたとしても、申込み済みとして一切受けつられないという内容になっています。

こちらの定期購入の問題点としては、まず、第1に、契約内容の不明瞭さと、誤認誘導です。

広告では、初回90パーセントオフなどの価格遡及が強調され、定期購入であることが極めて分かりにくい構成になっています。

第2に、解約手続の妨害・複雑化です。解約は電話のみとされ、電話がつながらない、専用フォームが見つからない、オペレーターが出ずにショートメッセージや、LINEに誘導されるなど、解約を困難にする設計がなされています。

さらに、初回で解約する場合は、定価との差額を支払う、プレゼントだったものが解約するなら代金を請求されるなど、実質的に解約を阻む条件が出されるケースもあります。

第3に、誇大広告や虚偽表示の問題です。効果効能に関する過度な表現、単品購入が可能であるかのような誤認表示、実態不明な通常価格からの大幅値下げ、さらには数量限定、注文殺到、ナンバーワンなどの表示により、消費者に焦りや優位性を印象づけるダークパターンの手法が多様化されています。

第4に、消費者対応の不誠実さです。解約や問合せに対して一切応じない、連絡がつかないという相談が多く、事業者の対応義務が形骸化している実態があります。

意見として、5つ挙げさせていただきました。

まず第1に、スマートフォンの注文では、表示文字が小さく、契約条件や注意事項を全て確認することが困難です。特に、脆弱な消費者が読み取ることが負担となることによって、情報取得のハードルが高い状況になっています。

それから、第2です。安いから試してみようという気持ちで注文した結果、初回のみで解約しようとすると、定価請求が発生するという構造は、購入時点では消費者が想定できるものではなく、契約の透明性に課題があると思います。

それから、第3です。表示や契約条件については、消費者の誤認を防ぐために、ポップアップ表示などを活用し、明確かつ目立つ形での提示が必要かと思います。

こちらは、私が示させていただいたのですけれども、右側の緑の枠を御覧いただきたいのですが、最終確認画面の表示の前に、この契約は定期購入ですと、初回でやめるときには定価が発生しますなどと、文字を大きく表示させるようなポップアップ画面が必要ではないかと思っております。

それから、第5ですけれども、チャット形式の申込み画面において、入力途中で離脱したにもかかわらず、注文完了とみなされ、商品が届いてしまうケースです。入力途中だったことを消費者側で立証することは極めて困難です。しかし、申込み画面がチャット形式の場合、入力途中でも注文完了とみなされるプログラムの仕様が組まれている可能性があります。これは、実際のプログラム構造を見れば明らかであり、消費者庁などにこうした画面設計につき、コードレベルでの確認をぜひお願いしたいところでございます。

次の事例です。SNSを介した副業・投資です。

事例です。まず、事例1、暗号資産をもうけ話による高額入会金トラブルです。

簡単にお伝えいたしますと、暗号資産で簡単に儲かると信じて、入会金33万円を支払ったが、サポートもなく、返金をされないという被害に遭うような事例。

それから、SNS経由の報酬案件による個人情報保証金請求です。

報酬10万円と誘われ、契約後、手続に不備があるので口座を凍結したなどを理由に、免許証などの個人情報を出すように言われ、更に保証金10万円を要求されたり、応じなければ、賠償請求をされるという事例が寄せられています。

それから、事例3です。スマホ副業名目の高額サポート契約です。

スマホ副業で、簡単に稼げる副業と言われ、そのレクチャーをするということで、360万円の契約を結んだが、お金を払った後に業者と連絡が取れなくなり、詐欺と判明した。このような事例が寄せられています。

この内容についての問題点です。

第1に、必ず儲かる、簡単に稼げる、著名人の推薦などの文言によって、消費者に誤認を与える広告、勧誘が行われています。

第2に、メッセージアプリ内のグループで、儲かったというサクラ投稿を見せることで、安心感や仲間意識を醸成し、心理的契約へ誘導する手法が確認されています。

第3に、契約後に出金できない、連絡が途絶えるといった事例が多く、被害回復が極めて困難な状況です。

さらに、遠隔操作によって、個人情報が搾取され、不正出金につながるケースもあります。

意見です。まず、SNS運営会社の責任の明確化です。

詐欺的な投稿や報告が放置されることで、被害が拡大している実態があります。消費者から通報があった場合、SNS運営会社がどのような対応を取るべきか、削除の計画などの措置を含めた対応義務の制度的検討が必要です。現状では、通報しても何も変わらないという声が多く寄せられています。プラットフォームの社会的責任が問われていると思います。

それから、第2に、SNSを介したやり取りが、現行の特定商取引法における通信販売の枠組みでは十分に対応できないという問題があります。

メッセージアプリやダイレクトメッセージ、グループチャットなどを通じて、契約が成立するケースでは、特定商取引法の通信販売と同じ枠組みでは、たとえ相手事業者と交渉が可能な場合でも、消費生活センターで被害回復が難しいことがあります。

こうした実態を踏まえ、SNSを介した取引に特化した新たな特商法の取引類型の創設が必要と思います。

次に、美容医療・エステについてです。

こちらも事例を何点かお示しさせていただきました。

まず、事例1です。

永久脱毛という文言があって契約後、手術をしたら痛みが出て解約を申し出たところ、有償施術は1回10万円なので、解約料を含めた違約金12万円を請求されたというもの。

それから、月々1,000円との広告を見て来店したが、総額60万円のコース契約になってしまったという点。

それから、3つ目として、2年間通い放題契約後に予約が取れず、そして、事業者が倒産する。クレジットカード一括払いで払っているので、返金してほしいという事例が寄せられています。

それから、次のスライドでは、オンラインクリニックによる医薬品の定期購入について挙げさせていただきました。

オンライン診療でやせる薬として、糖尿病治療薬が処方され、初診で1年間の定期購入の契約をしましたが、処方薬が合わないので解約したいと言っても、定期購入なので解約できないという内容が寄せられています。

問題点ですが、処方薬の副作用の説明や、基礎疾患の問診が不十分なまま診療が進められるケースがあり、健康リスクが懸念されています。

特に初診や自由診療において、画面越しのやり取りだけで十分な契約者の状態などの情報収集がなされていない実態があります。

副作用が出た場合は、当クリニックの医師が判断後解約できるという規約があり、そのような場合は解約が大変困難な状況です。

それから、厚生労働省が定めた指針がありますけれども、その指針が遵守されないという事例も確認されています。

問診票の記載内容だけでは、先ほどもお伝えしましたが、相談者の健康面を理解しているとみなすのは不十分なのではないかと思われます。

それから、自由診療を理由に、苦情や返金対応に応じない事業者もありますし、さらに、運営事業者と医師の責任の所在が不明確なような状況もあります。

次のスライドでは、美容医療・エステ、オンラインクリニックについての問題点についてまとめました。

第1に、即日契約による冷静な判断の妨げです。カウンセリング当日に契約を迫られるケースが多く、消費者が十分に検討する時間を持てないまま、高額契約に至る事例があります。

第2に、誤認を招く広告表現の問題です。月々マルマル円、永久保証、通い放題などの文言が強調されている一方で、実際の契約内容とは異なる場合があり、消費者に誤解を与えています。

現在多い相談としては、事業者の倒産です。特に脱毛の事業者が多いのですけれども、こちらの脱毛の施術を行う医療クリニック、それからエステの倒産が多くあります。

通い放題をうたい文句に集客しますが、実際には予約が取れず、施術が受けられないというトラブルは、これは事業継続の見通しが立たないケースと捉えることができるのではないかと思います。破綻が予見できる事業構造と言えます。

また、脱毛は、本来、毛根に作用する医療行為であり、医師が行うべきものです。

一方、エステで行われるのは、皮膚表面の毛を処理する除毛や減毛にとどまり、医学的な脱毛とは異なります。しかし、現状では、エステ業界でも脱毛という言葉が広告やサービス面に広く使われており、消費者が誤認するリスクがあります。これは、表示の実態と法的定義の乖離を生んでいます。用語の使用に一定の規制を設けることで、誤認防止と安全確保につながると考えます。

第3に、契約内容の不明瞭さです。有償、無償施術の区分、精算条件、支払総額などが説明された内容と契約書では違う場合があり、後で消費者が気付くことが多くあります。

それから、医師や施術者による説明不足です。薬剤の作用、副作用、施術リスクなどについて十分な説明がされていないのにもかかわらず、即日、施術を行うというケースがあります。

また、医師の説明が短時間で、医師と話したのは数分だけ、あとは事務員やカウンセラーと名乗る人だったなどといった相談も寄せられています。

第5に、過剰な勧誘と心理的誘導です。SNS広告や有名人の投稿を通じて、みんなで利用している、期間限定などの表現が繰り返され、使用者に焦りや安心感を与え、合理的な意思決定を阻害するような構造があります。

そして、すみません、少し時間が押しているので早く話していきたいと思います。

不動産賃貸・売買における消費者トラブルの構造的課題についてです。

賃貸借契約における消費生活相談件数は、右下のところの消費者白書から抽出したものですけれども、毎年3位、2位などと上位になっています。

物件を借りるまでは、宅建業法の規制もありますが、入居中や退去時の法律の規制は一切ありません。

保証会社の対応に関する不満も多く寄せられています。借主側の立場で動くという事業者が少なく、不動産会社、保証会社、それから、管理会社などは、やはり貸主側の立場で働くため、借主は力関係において弱く、請求内容に疑義があっても拒否しづらい状況に置かれています。

こうした不均衡は、契約の透明性と当事者間の公平性を損なうものではないかと思います。

それから、事業者に電話をかけてもつながらないという消費者トラブルです。こちらは、法律で規制することは難しいことは承知していますが、次のような観点から、ぜひ委員会でも取り上げていただきたいと思いまして、お示しいたしました。

まず、つながらない問題としては、契約解除、返品ができない不利益です。解約は返品を希望しても、電話がつながらず、手続が進まないケースが多く、特定商取引法の通信販売の規定では、翌日に連絡が取れる電話番号の表示がありますが、電話番号の記載はあってもメールでお寄せくださいなどと書いてあったり、全くつながらないという場合があります。

それから、第2に、情報弱者への影響が大きい点です。

デジタル手続に不慣れな脆弱な消費者にとっては、電話が唯一の連絡手段である場合も多く、自動音声やチャットボットで伝えても、なかなか解決ができない、そして、チャットボットなどでは、定型的な対応しか得られずに、個別的な事情に応じた対応がされないという問題があります。

このような問題は、消費者の権利が十分に保障されない状況が生じていると言えると思います。

それから、契約についての教育から始める必要性です。

まず、契約に関する基本的な認識が、消費者は十分に理解されていない、浸透されていないという状況があります。

例えば、契約書をもらっていないから契約はしていない、返品すれば支払わなくてもよい、未使用なら必ず返品できる、気に入らなければいつでもキャンセルできる、説明がなかったからキャンセルできると、契約に対して誤解している消費者は少なくありません。

また、契約書や利用規約を読まない、読めないといった構造的な問題もあります。長文、専門用語、難解な表現が障壁となり、内容を理解しないまま形式的に書面にサイン、利用規約に同意をするなどで契約してしまうケースが多く見られます。

こうした背景には、消費者教育の中で、契約の基本が軽視されがちであるという盲点があります。

金融リテラシーやデジタルリテラシーを、まず前提として、契約とは何かを理解する教育が必要かと思っております。

また、制度面では事業者に対して、契約時の確認事項の標準化を求めるべきです。例えば、返品条件、支払義務、契約期間などの重要事項を契約前に明示する義務の強化が必要と思います。

さらに、契約内容の説明義務についても、専門用語を避け、図解や具体例を示すなど、消費者が理解できる工夫を徹底すべきと思います。

そして何より、契約とは何か、その責任について、基本的な考え方を消費者教育や広報などを通じて、広く、これ以上に周知していく必要があると思います。

そして、脆弱な消費者という言葉は、特定の層だけを示すものではありません。デジタル社会の中で、誰もが一時的に判断力を失い、誤認や不利益を被る、このような場面も多くあります。

消費者保護は、全ての人に共通する基盤であり、未来の安心を支える制度です。今後の制度設計は、誰もが脆弱になり得るという視点から、より包括的で柔軟な仕組みへと進化させる必要があります。

そして、制度の構築や運用に当たっては、視点だけではなく、実際にサービスを利用する消費者の声を十分に拾い上げることが欠かせないと思います。消費者自身が参加できる場を設け、生活実態に根差した制度づくりを進めることが、より実効性のある保護につながると思っております。

ですから、このような場で、消費者の立場から発表機会をいただいたことに心より感謝を申し上げたいと思います。

私の発表は以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

これより、質疑応答、意見交換といたしたいと思います。

少し時間が押しておりますが、40分程度、予定どおり質疑応答を行うことができればと考えております。いかがでしょうか。

小野委員、お願いします。

○小野委員 柿沼委員には、御発表いただきまして誠にありがとうございます。

私からは、お話を受けて思ったことと、質問をさせていただきます。

消費生活センターでの相談や助言などを日頃から行っておられる相談員と関係者の方々に、改めて敬意を表します。

詐欺通販サイトとか、定期購入の問題であるとか、意見を整理いただきました。

それから、新たにといいましょうか、事業者に電話をかけてもつながらないということが消費者の権利を阻害している、具体的に言うと、情報が与えられる権利とか、意見が反映される権利、そういったものが阻まれているということは、私たちも真正面から捉えなければいけないことだと改めて思いました。

また、相談の現場での実態に基づく消費者像として、脆弱な消費者についても触れられていました。

消費者白書によりますと、高齢者全体の相談では、約8割が、御本人が相談を寄せているということでありますが、一方で、認知症などがある高齢者では約2割が、ようやく御本人が相談のところまでつながっているということでございます。

恐らく脆弱性にもグラデーションのようなものがあって、みんな消費者は脆弱ではあるのだけれども、具体的に問題を解決するときには、更なる分析が必要だと思います。

私からお尋ねをしたいのは、センターへ相談に至った消費者と、そうでない消費者の分岐点というのでしょうか、何がきっかけで相談をしたのかというところが気になりながらお話を聞いていました。

というのは、いろいろなやり口といいますか、そういったものは日々変化します。でも、そういったものを一消費者がフォローし続けるというのは、あまり現実的ではなくて、特に脆弱性があるような消費者の方には難しいです。

それより何より、やはり相談をする力をつけていただくというのが大切かと思いまして、行政としてやるべきことには、もちろん規制行政ということもありますけれども、いかに相談をしやすいというか、環境を整えていくということが大切だと思います。

改めまして、センターの相談につながっている方についての背景というものを教えていただきたいと思いました。

続けて、もう一つだけ、16枚目のスライドに、消費者教育の盲点ということで、契約の基本が軽視されがちということで、金融経済教育だけではなくて、それより前にやることがあるのではないかと思い、強く同感ではございますが、契約については、例えば、学校教育では、家庭科の消費生活の単元で、契約の基本的な知識とか、それがどう生活に関わっているかというのを学習指導要領に基づき取り扱うことで、一定の記載というものは、どの教科書にもあるわけですけれども、それでも足りないということで、具体的にどういったことで契約の基本が軽視されがちかとお考えかということをお聞きしたいと思います。

長くなって申し訳ありません。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 ありがとうございます。

まず、消費者白書にも毎年のように記載があるかと思うのですけれども、まず、消費生活センターに相談するかどうか、センターだけではなく、誰かに相談するかどうかというものについては、大体半数ぐらいが一人で抱え込んでしまう、自分が契約をした不注意であったりとか、泣き寝入りをしてしまう消費者が、まだまだいるということが現実でございます。

実際に相談した中でも、消費生活センターの窓口に実際に相談する数というのは、これも白書に記載のあるとおり、10パーセント前後ということで、これもなかなか周知や相談をする数が多くないというのが現状でございます。

まず、1つ目としては、被害金額がそれほど多くないとなると、しようがないかと諦めてしまう消費者が多いということが1つ挙げられます。

また、今、多い相談としては、すぐに消費生活センターに相談するのではなく、インターネットで検索をして、消費生活センターに相談したら解決できたのだよという形で、それを見て相談される方、それから、ChatGPTなど、生成AIなどを使って、昨日も私の受けた相談者が言いましたけれども、生成AIで自分の起きた消費者トラブルを入力したところ、消費生活センターに相談するようにということで案内があったので相談に来ましたという方も、今、実際に出てきているような状況でございます。

ですので、まずは認知度を上げるということと、どんな少額な相談でも、その相談をこちらの消費生活センターに寄せて、データベース上に上げていかないと、その相談自体の問題解決にはつながらないというところを、ぜひ今後も周知していく必要があるのではないかと思っております。

それから、2つ目ですけれども、学校において消費者教育を行っている、契約などについてもお話をしているということは、私のほうでも認識はしております。

しかしながら、消費者教育自体の時間的な単元で言うと、高校生でも中学生でも大体消費者問題全てで2時間ぐらいというものが平均的なものと言われています。その中で、契約だけの説明をするだけではなく、消費者問題とか、いろいろな消費者の権利が、それから法律などについて、全てオーラルで2時間と聞いていますので、実際に、消費者教育を受けたかどうかというアンケート調査を以前に行ったことがございますが、ほとんどの方が消費者教育を受けたことがないという回答になっているという状況でございます。

学習指導要領も、この間は何度か改訂されており、消費者問題についても扱う時間数は、多くはなっているかとは思うのですけれども、そうは言っても、契約についての実質的な内容について、きちんとまだまだ説明されていないのではないかというところを、私自身は少し思っているところでございますし、あとは、家庭科で実際に説明をしているということですけれども、家庭科の教員自体が、そのような契約についてきちんと説明することについて、少し困難性があるという回答が示されたものもございますので、できれば、その辺りについての時間数を増やしていただいたり、何度も契約について、機会あるごとに、ほかの単元でも触れていただいたりと、そういう必要性があるのではないかなと、私自身は考えております。

以上ですが、よろしいでしょうか。回答になっていますでしょうか。

○鹿野委員長 小野委員、何かございますか。

○小野委員 どうもありがとうございました。同意をするところがたくさんありまして、そのとおりだと思います。

センターは相談するだけではなくて、情報提供をするということを改めて認識してもらう、そんな機会を増やすのも1つかなと思っています。

それから、生成AIでは既にある情報をつなげて、持ってくるということであれば、ネット検索をして、消費生活センターへの相談が必要であることの認知度を上げるために、センターの役割というのを重ねて伝えていくということが本当に大切だと思います。

それから、成年年齢の引下げで、高校2年生までに消費者教育を家庭科などでやるということにはなったのですが、機会は保障されてあるのですけれども、次は内容とか、かける時間、そういったものにシフトをしていくということが、改めて理解ができました。どうもありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

それでは、大澤委員、お願いします。

○大澤委員 まず、最初に柿沼委員におかれましては、大変貴重な情報がたくさん詰まっておりました御発表をいただき、ありがとうございました。

恐らく時間も押していると思いますので、本当にたくさん、10個ぐらい聞きたいことがあるのですが、感想と質問を兼ねて、なるべくコンパクトに3点にまとめようと思っております。

3点とも共通しているのは、まさにパラダイムシフトではないのですけれども、私たちの消費者法あるいは消費者保護、消費者問題自体を大きく変えなくてはいけないというか、その見方を変えなくてはいけない点が、3点ほどあるように思いました。

1点目なのですけれども、これは副業もそうですし、賃貸借もそうなのですが、とりわけ賃貸借については、私、個人的に前から関心を持って、この分野を研究しているということがあるので、こちらで伺いたいのですけれども、賃貸借の場合は、今、御発表の中では保証会社をめぐるトラブルがあるとおっしゃっていたと思いますけれども、これも言うまでもないことなのですが、賃貸借というのは、当然貸主がいて、貸主は、いわゆる業者ではなくて、一般の地主さんだったりすることがあると思うのですが、そこに、例えば、借主の側が保証会社に入るように求められて、それで保証会社と賃料債務の保証契約をしていたりとか、あるいは、そもそも間に仲介業者が入っていたりとか、いろいろな人が登場していると思うのですけれども、単純に貸主が一個人の場合だと、貸主、借主は消費者間契約になってしまうということがあるのですが、ただ、実際のところは、もちろんそうやって業者が絡んでいることで、非常に人間関係というのは複雑になってしまっていると思っています。

トラブルケースが非常に多いというのは、消費生活白書などを見ていても、毎年本当に上位にあるなという認識はしていたのですが、こういった複数の業者が関与しているということがあって、直接の賃貸者契約自体は、いわゆる消費者間契約であっても、このように業者が絡んでいることで、恐らく苦情等が寄せられているのではないかと理解しています。

賃貸借については、なぜなのか分からないですが、過去に消費者法学会でも、6年前に取り上げられたことはあるのですけれども、これだけトラブルが多い中、消費者委員会ももちろんですけれども、あまりまとまった形で取り上げたことがないのではないかと記憶しています。

ですので、もしかすると今後の課題の1つとして、こういった賃貸借をめぐる複雑な人間関係というか、契約関係とか業者が絡んでいるところと、個人の貸主のところとありますので、そこをまず整理した上で、具体的にどういう問題があるかというのを探求する必要があるのではないかと個人的には思っています。

これは、従来だと契約当事者は個人間だからとなりそうなのですが、もうそうではなくなっているということではないかと思います。こちらは、すみません、感想になります。

1点質問すると、消費生活センターにトラブルとして消費者が相談するときには、保証会社が多いとおっしゃっていたと思うのですけれども、恐らく原状回復のトラブルもあると思っておりますが、その場合、要は、貸出しは一個人でも、結局、不動産会社がつくったひな形を使ったりとかしている、あるいは業界団体がつくったひな形を使っているからではないかと思うのですが、これは消費者トラブルとして、個人間契約であっても、恐らく処理をされているのではないかと理解していますが、そのような理解でいいのでしょうかということです。

すみません、2点目も、これもやはり私たちの考え方を今後変えていく必要があるかなと思ったのは、永久脱毛の話なのですけれども、永久脱毛に関しては、柿沼委員も今日スライドの中でも、あるいは口頭でもおっしゃっていましたが、いわゆる対価が無料部分と有料部分というのが分かれていることがあって、私も個人的に東京都の被害救済委員会で、まさに同じような事例を扱ったことがあって、その事案は対価総額50万だったのですけれども、最初の4回だけが有料で、残りが無料ですと。その消費者は、たしか最初の2回だけ施術を受けたら、それが1単価、要は20万円ぐらいになってしまったということで、50万円のうち、たった1回か2回しか受けていないのに、ほとんどお金が返ってこないという、そういうトラブルだったと思います。

そのときに議論したのが、やはり対価の値段の設定の仕方というものに、なかなか法律をやっている者として介入しづらいという話を議論したことがあって、ですので、例えば、最初の4回が有料で、あとは無料サポートですと言われたときに、これをもって直ちに法的に問題があるとはなかなか言いにくいのだけれども、どうしたらいいのだろうかというのを議論した記憶があって、何となく法律をやっていると、対価というのは、当事者が自由に設定できるからということで、なかなか介入しづらいと、私は少なくとも思ってしまうのですが、本当にそれでいいのだろうかというのが、その当時思ったことでございます。

これは、東京都から報告書も出ていますので御覧いただけると思いますが、その値段の設定の仕方についても、今後、どういう形で介入していく必要があるかというのは、契約自由の原則からすると、少し異例かもしれないのですが、考える必要があるかなと思いました。これは感想です。

3点目ですが、これも解約についてということで、最後のほうだったと思うのですけれども、なかなか解約をさせてもらえないというのか、物理的にだと思うのですが、電話がつながらないとか、電気通信事業法では、たしかその辺りを消費者保護ガイドラインで手当てをしていたのではないかと思いますが、ただ、特定分野だけですので、この解約もかつては、それこそ約款等で解約自体を制限している条項がありますという、契約条項の問題だったこともあると思います。あるいは、中途解約で高い違約金を取られるということだったのですが、そもそも今だと電話がつながらない、あるいはチャットだけでしか問合せができないという、そういう解約の方法は、消費者にとって非常に不利になってしまっている、結果的にやはり解約できないという状態になっているということだと思います。

これについて、消費者契約法の3条で解除に関する情報提供の努力義務というのができたわけですけれども、恐らく背景には、こういったことがあったのだと理解をしているのですが、やはりこれについても個別の業法はともかく、消費者契約法あるいは特別法、消費者契約全般で、何か手当てがあればいいのかなと思いつつ、どうすればいいのかなというのが、私の感想です。

すみません、質問としては、最初の賃貸借について、やはり当事者関係をいろいろ整理したりする必要があると思っているのですが、そのセンターに寄せられるトラブルというのは、一個人である大屋さんの場合でもあると思うのですが、その辺り、すみません人間関係を伺いたいと思いました。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、柿沼委員、お願いします。

御質問は1点目だけということでしたけれども、ほかの点でも何かコメントがあれば、お願いします。

○柿沼委員 御質問いただきまして、ありがとうございました。

不動産の賃貸借については、本当に消費者白書でも毎年上位になっているということで、何か対応できないかというところと、あとは消費生活センターが、事業者と消費者の契約ではなく、消費者と消費者の契約になっているところですから、やはり相手方の個人である貸主とお話をすることはできない状況になっております。

また、例えば、原状回復義務についても、実際にどれくらいの程度なのか、解約したときの退去の部屋の中ですね、それが全く分からないものですから、こちらとしてもなかなか、相手方と交渉することは、まず、難しいという状況でございます。

例えば、不動産会社と連絡が取れないとか、保証会社と連絡が取れないとか、そういう場合には、連絡が取れるようにしてほしいということや、消費者の要望などについてお伝えすることはできますけれども、いわゆるあっせんという形で相手方とお話しするようなことはないという状況でございます。

それから、先ほどの脱毛エステ、それから、脱毛医療についてなのですけれども、こちらについての契約書に記載の内容が、通い放題と書いてあるのにもかかわらず、ほとんど消費者は通い放題だからという皮算用で計算をしていくわけなのですけれども、実際は、先ほどの東京の消費者被害委員会のように、有償期間の回数が少なく、さらに高額であると、解約するときには、かなり不利益を被るというところ、その部分の説明がないので、例えば通い放題であれば、ちゃんと通い放題の回数の記載をもっとちゃんとするべきではないかと、有償、無償を分けずに通い放題ということで、契約書の記載が必要なのではないかなと思います。

以上でございます。

○大澤委員 どうもありがとうございました。

まず、1点目なのですが、すみません、私はもう少し補足をすべきだったのですが、御回答は、本当に私は、大変勉強になりましたけれども、個人の賃貸人の場合にも、もちろん反復継続して、要は貸していますとなれば、これは、消費者契約法上、もちろん事業者になり得る可能性はあるのですが、そうではない個人の大家さんというのも、恐らくいるだろうなと推測はしていて、それで、要は、いわゆる今までの消費者概念の捉え方、事業者概念の捉え方ということも踏まえつつ、当事者の法的性質だったりとか、あるいはそもそも契約関係で、今、保証会社と契約することが、結構求められるケースが多いというのは私も聞いていますし、うちの親族でも全く同じ経験があったので分かるのですけれども、やはりその辺りを整理して、不動産トラブルは、何となく消費者問題として直接介入していくというか、法的にみたいなのは、あまりなかったような、宅建業法があるとかもあるのでしょうけれども、しかし、原状回復トラブルについては、やはり依然としてあると思うので、そこはやはり整理が必要ではないかと思いました。

すみません、時間はないと思いますので、以上になります。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

確かに貸主自身は、個人ではあっても、実際の契約では、借りる人のほうから見ると、保証会社をはじめとして、複数の人が絡んでいるということも多く、その中に事業者もいて、結果的に事業者と消費者との間でのトラブルになるようなケースも少なくないと、私自身も認識しているところです。

これについても、これまであまりまとまった検討がされてこなかったということで、重要性についても、改めて確認させていただきました。

中田委員からお手が挙がっていますので、よろしくお願いします。

○中田委員 ありがとうございます。

柿沼委員、全国消費生活相談員協会で把握されている、直近の消費者トラブルの内容を具体的に御提示いただき、ありがとうございました。

御説明を伺いまして、デジタル化により消費者トラブルがより複雑化していて、従来の消費者の常識ではなかなか対応しきれないような被害に、今日、明日にも、誰もが直面し得る深刻な状況であるということがよく理解できました。

その上で、もう少し教えていただきたいことがございます。

1点目は、今回御説明いただいたようなオンライン上のトラブルに対して、消費生活相談員の方々は、相談者に対してどのような対応をしていただいているのかということを伺いたいと思います。

被害者の中には、御自身が直面した被害の内容を相談員に伝えることもままならない方も多くいらっしゃると思うのですが、相談対応で解決に導くことができるケースがどれくらいあるのかということと、相談員の方々に対するデジタルリテラシー等の教育は何かされているのか、また、消費者委員会として何かできることがあるのかということをお聞かせいただきたいと思います。

2点目は、コメントでもあるのですが、先ほど学校での消費者教育は2時間ほどであるという御説明に私も驚いたのですが、誰もが脆弱な消費者であるという前提に立った徹底した消費者教育が、まだ実現できておらず、一人一人の消費者としてのリテラシーを上げていくことは急務であると感じました。

教育が一層充実してトラブルを事前に察知するアンテナが、一人一人の消費者において立つということは重要であると私は考えているのですが、柿沼委員は消費者教育強化において、どのような具体的な改善余地があるとお考えかということを教えていただければと思います。

以上2点です。

○鹿野委員長 2点、柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 御意見いただきまして、ありがとうございました。

まず、消費生活センターに相談される方の消費者側のデジタルリテラシーの問題なのですけれども、インターネットで、例えば、動画共有サイトを見たりとか、通販サイトで注文する、それはどの消費者でもできるのですね。そうなのですが、実際に今度は解約をするとなると、どういう決済をしたのかというのを覚えていなかったりとか、例えば、取引履歴を見たいので、ネット上の閲覧履歴から、以前の取引内容を確認してほしいということをお話ししても、全くその操作が分からないという消費者、それから、そのネットの画面をスクリーンショットして、消費生活センターにメールなどで送っていただいて、内容を確認させてほしいという場合もあるのですけれども、メールで添付する方法とか、スクリーンショットを撮る方法など、そういう内容について分からないという消費者も多くございます。

その際には、まず、消費生活センターに来ていただいて、一つ一つ丁寧に御説明をして、どういう操作を行ったのかとか、こういうときにはどの画面を確認すればいいのかなどを、やはり来ていただいて、お話しすることが多いです。

これについては、高齢者だけではなく、どの年代においても、全てのネットのリテラシーがきちんと備わっているという方はいらっしゃらないという状況でございます。

ですので、今、消費生活センターの相談員もなり手不足があり、消費生活センターが広域性になったりというものも実際にございますけれども、そうすると、そういう相談者が、例えば、広域性になってしまうと、行くことすらできないという方がいらっしゃったりとか、あとは足が不自由なのでネットで通販をしたのだけれどもということで、相談があると、その方が消費生活センターに来ることはできないわけですね。それで、周りにもそれを支援する人もいませんし、例えば、ヘルパーさんとか、ケアマネジャーさんに来ていただいたとしても、その方自身もネット上のトラブルの再現みたいなものをすることができないという状況がございますので、その辺りについては、かなり悩ましいかなと思います。

自治体によっては、今、スマートフォンの活用講座みたいなものを自治体で行っている場合が結構多くあるのですけれども、やはりなかなかそこまでお伝えしたりすることというのが難しいことも当然ありますし、被害になっていないと、その辺りを見る必要もないところもあるかと思いますけれども、やはり、その辺りの周知というのは、とても必要なのではないかなと思っております。

消費生活センターでも、来たときに相談者に対しても個別の消費者教育をするという構え方をして案内をし、また、消費者教育の啓発講座みたいなところで、啓発をした際には、あなた自身だけではなく、地域の方にも今回のこの内容についてお伝えしてほしいということの案内をさせていただいているという状況でございます。

それから、学校の消費者教育についてなのですけれども、なかなか難しいところはあると思うのですね。今、何でもかんでも学校に何々教育、何々教育ということで、学校で教育をしなさいということが非常に多くなっていることもありますし、先生の負担もかなり多いと思います。

また、契約などについては、やはり苦手意識を持つ教員などもいるということですので、ぜひとも、やはり消費生活センターに啓発講座などを依頼していただくということも1つの方法なのではないかなと思っております。

私たちは、本当に最新の事例をいつも持っておりますので、その辺りも含めて、消費者教育を行うことができますので、活用していただければなと思っております。

すみません、回答になっておりますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○中田委員 御丁寧に説明をありがとうございました。

相談員の方々が、電話だけでなく個別の対面での対応と、教育もされているといったところ、本当に御苦労をされているということを感じました。

やはり、教育のところでは学校と消費生活センターとの連携といったところで、相乗効果が見込めるといったところにも、1つ明るい希望が見える感じがいたしました。御説明ありがとうございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。

それでは、黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 柿沼委員、本当にありがとうございました。

善如先生が、今、手を挙げられました。まず、善如先生から。

○鹿野委員長 それでは、先に善如委員、お願いします。

○善如委員 すみません、先によろしいでしょうか。それでは失礼します。

柿沼委員、どうもありがとうございました。

私からは、詐欺通販サイトに関するスライド、5ページ目のところで、特にプラットフォーム事業者などに規制の強化を求めたり、責任を明確化することに関して、少し追加といいますか、実態をもう少し教えてほしいということで質問させてください。

例えばですけれども、冒頭にたくさん事例を紹介されながら教えていただいたとおり、詐欺の事件とかトラブルの多くが、SNS広告や動画共有サイトなどの広告というのがきっかけになってしまっていて、そこからトラブルが多発しているというお話があったと思いますが、そういった話を聞いていると、やはりそういった広告を掲載しているプラットフォーム事業者であったりとか、広告仲介を担当しているプラットフォーム事業者などにも、一定程度責任を取ってもらうか分かりませんが、協力をしてもらったりだとか、そういった追加の取組が必要だなというのは、十分に納得できたのですが、それと同時に、ちょうどこのスライドにも表示されているとおりに、購入サイトが見つからなくて、詐欺的な行為をされた方が短時間でサイトを閉鎖してどこか逃げてしまってという問題も顕著だというお話を教えていただいた際に、そうすると、プラットフォーム事業者に責任を丸投げしても、やはり問題の解決にはなかなか至りにくいのではないかと思いました。

問題がすごく多面的で、多種多様であるので、一部の側面から見ると、プラットフォーム事業者の協力を求めることというのは有効そうですが、他方から見ると、そうでもないようにも聞こえてしまったので、質問の1つ目としては、こういった解釈で正しいのかどうかということ。

そうは言いつつも、やはりオンラインのプラットフォーム事業者に、あえて事業者責任を持たせることに有効性があるのかどうかというのが、もしあれば、教えていただきたいなというのが1つ目の質問です。

2つ目の質問は、それとかなり関連はしているのですが、オフラインでも同様なことがあった場合に、すなわち、例えば、道端でブランド物の模倣品を売っている人がいたりとかしたときに、そうすると、やはり警察などの行政の対応というのが、まず、最初に考えられると思うのですが、オフラインではそうなのに、オンラインだと、その場を提供したプラットフォーム事業者に責任を問うということになる。それは、やはりオンラインならではの特性というものが関連していると思うのですが、そちらに関しても、やはりオンラインという特性上、場の提供者であるプラットフォーム事業者に、ある程度の一定の責任を課す、または協力を仰がないといけないということに関して、実際の現場の消費者の声などで、何か御存じのことがありましたら教えていただきたいので、2個目は質問というよりかは、もし情報があれば教えていただきたいということです。

私からは、以上2点です。

○鹿野委員長 柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 御質問いただきまして、ありがとうございました。

まず、パターンなのですけれども、本当に数多くございまして、プラットフォーム事業者が介在する広告によってのトラブルもありますし、あとは介在せずにサイトだけ構築し、そして、結局は、上のほうに表示をさせるわけですね、そのインターネットで検索して、例えば、何々ブランドという形で検索をしたときに、とにかく検索結果が上位でないと、なかなか消費者というのは見ることをしませんので、そういうところで表示だけさせて、あっという間にいなくなってしまうというのがありますので、1つのパターンではなく、本当に複数のパターンが点在していると捉えていただければと思います。

また、先ほど、路上で売っている偽物の物を売っているような人たちと、それから、ネットでの通販サイトの違いということなのですけれども、これは、私はどちらも同じように、本来であれば、捜査をしていただく必要性は当然十分にあるかと思うのですけれども、このスライドに書いてあるとおり、警察に相談に行っても民事不介入というお話があったりということで、ほとんど捜査はしていただけないという現状がございます。

ですので、違いというよりも、捜査上での困難性というか、金額が少ないからというだけで、なかなかお話を聞いていただけないという現状がございますので、違いは、私はないとは思っておりますが、対応が違うということです。

以上です。

○鹿野委員長 善如委員、何かございますか。

○善如委員 ありがとうございます。

非常に難しい問題で、今すぐ答えが出る問題では当然ないのですが、プラットフォームに責任を押しつけ過ぎたときに、例えば、プラットフォームが広告の責任がすごく厳しくなった法律が新しくできたので、広告収入という現在のビジネスモデルをやめて、ユーザーに課金しようということになったりとかしますと、それはそれで、消費者にもまた違う影響がありますし、それに動画共有サイトなどでコンテンツを提供されている方々にも、もちろん多大な影響があると思いますし、そういった副作用みたいなものも考えたときに、オンラインであるからこそ、新しい規制などの対応が必要なのかという面で、本質的には問題は似ているけれども、捜査などの実態における運用のところで、重要な違いがあるということで大変勉強になりました。今後、こういったことを考えていく際に、参考にさせていただきたいと思います。また、いろいろ情報の共有など、意見交換などをさせていただければ幸いです。

私からは以上です。ありがとうございました。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

○柿沼委員 1つよろしいでしょうか。

先ほどのプラットフォーム事業者に対して、責任ということではあるのですけれども、こちらについては、例えば、先ほども少しお話をしましたが、同時期に同じ商品の同じ内容のもので消費者トラブルは起きることが多いのです。

例えば、夏の時期ですと、冷風扇みたいなもので、実際の広告と大分乖離したものが海外から届いて、こんなの使えないということで相談が入るわけなのですけれども、全部同じ商品なのです。ですので、そういうものについてプラットフォーム事業者に、情報を提供する場、こういう広告を見て、こういうトラブルが起きているのだということをお示しする場があれば、プラットフォーム事業者に対しても、この広告については、やはり問題があるということで削除してもらったりすることができるかと思うのですけれども、現状では消費生活センターからプラットフォーム事業者に申し出ることもできませんし、消費者からも申し出ることができないというところで、そこが大きな問題かなと私のほうでは思っております。

ですので、この内容として、意見として記載させていただきました。

御質問いただきまして、ありがとうございました。

○鹿野委員長 それでは、お待たせしました。

黒木委員長代理、お願いします。

○黒木委員長代理 柿沼委員、被害金額の関係で、なかなか訴訟等で紛争が顕在化することがなりにくい多数の被害の実態について、御説明いただきましてありがとうございました。大変勉強になりました。

その関係で、2点質問があります。10ページの意見のポツの2つ目「SNSを介したやり取りの法規制」というところについてのお考えです。

当委員会では、令和4年9月2日に、「SNSを利用して行われる取引における消費者問題に関する建議」というのを出しておりまして、電話勧誘販売に該当する場合の解釈の明確化及び周知という点で、チャット勧誘の場合と通信販売と、それと違うところを明確にすべきであるとして、最終的にチャットからでも音声でやる場合は、これは電話勧誘販売と同じ取扱いとすべきだということを消費者庁が示したということがありました。

それから、令和5年8月10日に「チャットを利用した勧誘の規制等の在り方に関する消費者委員会意見」というのを発出しておりまして、ここでは、SNS、とりわけチャットについては、通信販売類似のところ、通信販売だけではなく、電話勧誘販売類似の消費者の行動があるので、これについて、ある意味では電話勧誘販売類似のクーリングオフその他の制度を導入してはどうかという意見を述べているのですけれども、この点と、柿沼委員がおっしゃっているSNSを介した法規制というところについて、どのようにお考えなのかという点が第1点です。

第2点は、12ページのところであります。

12ページのオンラインによる医薬品の定期購入のところの問題点として、3つ目のポツですけれども「自由診療を理由に対応しない」ということが書かれております。

これを読みますと、結局、痩身目的でダイエットしているのだけれども、副反応について、あまりちゃんと説明をしていないのではないかという話だと理解しておりますけれども、これについて、今、自由診療との関係で、消費者契約法4条2項の困惑類型等々による規制というか、実体法上の消費者の武器というものが考えられないかということを考えています。

すなわち、片一方では有利なことを言っておきながら、副反応その他についての不利なことについては、故意または過失によって告げていないという契約類型だという形になれば、自由診療に対して司法のメスを入れるという形で自由診療を一定程度ルール化できるのではないかと思っています。消費生活センターで、この自由診療を理由に対応しないということについて、消契法4条2項の適用の可能性ということについて、何か、今、センター内で議論されていることがあるかどうか、この2点についてお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鹿野委員長 柿沼委員、お願いします。

○柿沼委員 御質問いただきまして、ありがとうございました。

まず、SNSに介したトラブルということですけれども、黒木委員長代理がおっしゃったように、例えば、オンライン会議システムを使って、そこでやり取りをして、そこで契約の意思が確認できたということであれば、私どもとしては、電話勧誘販売に該当し、契約書が出ていない場合にはクーリングオフという形でお話を持って行く場合もございますが、なかなかオンライン会議上ではないでしょうと、インターネットの通販サイトに誘導されて、その誘導した画面上で契約をしているので、意思があったのは、オンライン会議上ではないということを言い、電話勧誘販売を認めないという事業者も多く存在しているところでございます。

また、オンライン会議システムで電話勧誘販売ということで、こちらのほうでもお話はしていくわけなのですけれども、そうではなく、SNSだけのやり取りで契約を結んでしまったという場合には、当然、これは電話勧誘販売にはなり得ないということになりますし、オンライン会議でも話だけ聞いていて、そこでやり取りがなかった場合には、電話勧誘販売になり得ないという場合もあります。

そうすると、通信販売になってしまいます。そうすると、通信販売の特商法の表記があるかないかということで、こちらのほうでも表記がない場合には、表記がないですねというお話をしていくわけですけれども、表記があり、一度契約したものについては、解約はできませんという広告の表記があった場合には、なかなかそこから、法律を使ってお話しすることが難しいという状況になりますので、相談者の意向などのことを伝えた上で、法律ではない、それぞれのお互いでの話合いで、返金の金額を決定していくことになっている状況でございます。

ですので、消費生活センターの場合には、今、お話しいただいたような法律だけではなく、事業者に、これこれこういう理由があったので、何とかならないかということでお話をした上で交渉していくという場ですので、全てが法律できちんと解決していくということではないというところを、まず、御認識いただきたいということが一つございます。

もう一つ、自由診療についての消契法についてということですけれども、そこについて、まず、消費生活相談員の中で、何か議論をするということは、まず、私はありません。基本的には、例えば、これを消費者庁のほうで、こういう見解があるということでお示しいただければ、それを用いて、見解があるからということで事業者とお話しすることはできるという状況ではございますけれども、こちらについて自由診療に、オンライン診療については、厚生労働省のほうでも相談の窓口はございますが、これは、自由診療は入らないということで、なかなかお話を聞けるような状況ではないということを、まずはお伝えしておきます。

あとは、消契法についてなのですけれども、なかなか言った、言わないという話になってくると難しいところがございますし、契約書の内容にもきちんと解約はできないという内容が書いてあると、なかなか交渉が難しいという状況が実態としてございます。

以上でございます。

○黒木委員長代理 ありがとうございました。

自由診療であったとしても、少なくとも事業者、医療従事者間の消費者契約法の適用があるという前提で医療契約が締結されていることは間違いないわけでして、そういう観点で、もう少し事実を、こちらのほうでも検討しながらということでやっていかないといけないと思います。オンラインであるか、ないか、オフラインの自由診療だったとしても、その問題はあるなと思っております。

以上です。

○柿沼委員 ありがとうございます。

黒木委員長代理がおっしゃるとおり、オンラインだけにとどまらず、対面での美容医療も同じと私も同感しております。

以上です。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。時間も大分経過しましたので、質疑応答は以上とさせていただきたいと思います。

柿沼委員からは、大変貴重な情報提供及び御指摘をいただきました。かいつまんで申しますと、消費者の私的な情報を聞き出されることが、その後のトラブルにつながっているということの御指摘もありましたし、また、ネット広告、SNSを介した消費者トラブルとして、詐欺的通販サイト、定期購入トラブル、副業、投資勧誘トラブルなどについて問題状況を御紹介いただくとともに、御意見もいただいたところでございます。

特に、詐欺的通販サイトに関するところでは、デジタルプラットフォーム事業者に悪質広告等に関して一定の役割を担ってもらうという制度設計が考えられないのかということで、柿沼委員は規制強化という表現を用いていらっしゃいましたけれども、そのような方向での御意見がありました。この点については、善如委員との間の意見交換もございまして、こういう問題についても、今後、必要に応じて改めて検討する可能性があるのではないかと、私自身も思いました。

それから、いろいろな御指摘をいただいたのですが、特にエステ等についての御意見について、あるいは問題状況については、非常に考えさせられるところがございました。

最後の黒木委員長代理とのやり取りでは、その一部はオンラインに特化するということではなくて、自由診療一般にも妥当するような問題点もあるのではないかということでございました。エステに関する表示広告の問題、特にネット上の表示広告の問題については、今村委員からも、先日別の機会に御指摘をいただいていたところです。今村委員からは、特に医療ではないエステについて、例えば永久脱毛という表示広告をしているものが目立つけれども、実際には医療ではないエステでは実現不可能な内容であり、そのようなことを平気で書いているような問題のある表示がかなり多く見受けられるという点も指摘されていたところでございます。

本日は、それ以外にも、説明不足の問題の御指摘もありましたし、それから、最初だけ有料であとは無償という設定になっているから、解約しても精算金はありませんという形で返金拒否の対応をされる例があるという御紹介もありました。特商法では、特定継続的役務提供に関して、将来に向かっての解約の自由を保障するために精算ルールまで設けられているのですが、確かに対価の設定は自由だと言っても、このような設定の仕方は、その特商法の精算ルールの適用を回避するような形で機能することもありますし、しかも、消費者が十分理解できないような形でそのような料金設定が設けられているということもありそうであり、その辺の問題も、私自身も受け止めさせていただきました。

それから、不動産の賃貸や売買における消費者トラブルについての議論もありました。今までも、消費者トラブルの全体的状況の紹介があったときに、この委員会でも御指摘等があったところですが、本日は、不動産関連トラブルについて、より具体的な形で柿沼委員から情報提供をいただきまして、大澤委員からも、このようにトラブル件数も多く、しかもたとえ個人が貸主の場合であっても、事業者が保証会社等の形で関わっているという場合も多いので、検討をしてみる必要があるのではないかというコメント等も頂戴したところでございます。

それから、全体として、解約困難トラブル、つまり解約はできますよとされていたとしても、電話がつながらないなど、解約が実質的に困難だという問題があるという御指摘もいただいたところです。

このほか、消費者教育の重要性や消費者の脆弱性を踏まえた制度の設計運用についての御指摘、御意見などもいただきました。この点についても、小野委員、中田委員との間でも、質疑応答、意見交換などが行われたところでございます。

本日御発表いただきました柿沼委員におかれましては、このような大変貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。改めて、委員同士で認識の共有ができたものと思います。今後、これら全て取り上げるということはなかなか難しいかもしれませんけれども、また、委員間で意見交換をして、必要に応じて調査審議の実施を検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。


《3. その他》

○鹿野委員長 続いての議題は、公共料金等専門調査会についてでございます。

事務局から詳細について御説明をお願いします。

○友行参事官 第471回本会議におきまして、公共料金等専門調査会を第8次消費者委員会に引き続き、第9次消費者委員会においても設置することを御確認いただいたところでございます。

先般、消費者庁及び消費者委員会設置法第10条に基づきまして、内閣総理大臣より、専門委員が任命されております。

消費者委員会令第4条、公共料金等専門調査会設置・運営規程第2条第2項及び第3項に基づきまして、専門調査会に属すべき構成員や座長につきまして、このたび、参考資料1-1のとおり、委員長から御指名をいただきましたので、御報告申し上げます。

座長につきましては、第8次消費者委員会に引き続きまして、野村宗訓専門委員に務めていただく旨、委員長から御指名がございました。

また、加えて当委員会からは、小野委員、柿沼委員にオブザーバーとして御参加いただくことになりました。

以上、御報告いたします。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

御報告ということですので、よろしいですね。

御担当の委員におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、消費者委員会に寄せられた意見書等の概要につきまして、事務局から御説明をお願いします。

○友行参事官 それでは、参考資料の2-1を御覧いただけますでしょうか。

9月に、消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧でございます。

取引契約関係では4件となっております。

1つ御紹介いたします。四角の上から4つ目でございますけれども、不動産押し買いの被害の防止・解決に向けて宅地建物取引業法の改正を求める意見書となっております。

右側のポイントを見ていただきますと、高齢者を始めとする消費者の所有する不動産を不動産業者が不当に廉価で強引に買い取る押し買い被害が多発している現状に対し、以下のような宅建業法の改正を求めるとなっております。

1つ目として、宅地建物取引業者に不動産を売却する者も、宅地建物取引業法における保護の対象となることを明確にすることなどとなっております。

一般的に不動産売買の場合は、買い手側を保護するという観点からルールが定められておりますけれども、売主保護の視点も加えよという趣旨だと考えられます。

また、特商法の中には、訪問購入という類型がございます。ただ、特商法の訪問購入につきましては、物品の購入という立てつけになっているのですけれども、その物品の購入は動産の購入を指すとされ、不動産が除外されているという御指摘も意見書の中にはございました。

以上でございます。

それから、料金・物価関係につきまして、要望書ということで来ております。

こちらにつきましても、本日御紹介いたします。右側のところを見ていただきますと、ゆうちょ銀行については預金の預入れや払戻しを行う際に硬貨を伴う場合に、郵便局の窓口では手数料無料、ただ、ATMでは、1枚から手数料が徴収されていることとなっていると、それをもう少し消費者に分かりやすく表示すべきではないかという内容でございます。

昨今、ATMで硬貨が使えるところは少なくなってきているような実感はあるかと思いますけれども、少し確認いたしましたところ、主要な金融機関につきましては、窓口では一定の枚数までは無料となっております。そこは、ゆうちょも同じでございます。

ただ、ATMになったときに、主要な金融機関では一定の枚数までは無料、他方でゆうちょにつきましては、この要望書にあるとおり、1枚目から手数料が取られるということでございます。これは、一定のビジネスモデルでございますので、それをということではないのですけれども、それにつきまして、要望書のほうは、きちんと表示するようにという内容となっております。

ATMのほうで費用がかかるということは、必ずしも経済合理性がないということではなく、窓口だと、窓口が幾つもあって柔軟に対応できるけれども、1個しかない窓口で、そこに硬貨をいろいろと入れたりすると、時間がかかってしまうでありますとか、機械においては故障の懸念があるとか、いろいろ合理性はあるということではございました。

次を御紹介いたします。

その他といたしまして、3件いただいております。

最後の本人の自律、意思及び選好を尊重する支援付き意思決定の仕組みを実装した「権利擁護支援事業」を社会福祉法に新設することを求める意見書となっております。

右側のポイントのところを見ていただきますと、国は、新たな権利擁護支援事業を社会福祉法第2条第3項に掲げる第二種社会福祉事業として新設すべきである。

そして、その同事業については、本人の自律、意思及び選好を尊重する支援付き意思決定を確保するため、常に本人の側に立ち、本人の意思・意向、選好及び価値に根差した意思決定を支持する意思決定支持者等々について、法文上明記すべきであるということの内容となっております。

現在におきましても、こうした制度が全くないわけではございません。日常生活自立支援事業というのがございまして、ただ、これは社会福祉法の別の条文で定められているところでございます。

この意見書におきましては、それを社会福祉法の第2種のところに、きちんと制度化して、その制度がきちんと動いていくようにということを求める内容となっております。

団体などからいただいた意見書は、以上のとおりでございます。

また、団体からいただきました意見書のほかに、個人の方から8件の意見書が寄せられております。内訳は、取引契約関係3件、それから表示関係1件、その他4件となっております。

また、続きまして今月は、国民生活センターから公表された案件についても御紹介いたします。

7月から9月分となっております。2つ御紹介いたします。

7月の一番下の欄のところの、上から数えると6個目ぐらいですが、無料体験と思ったら、セルフホワイトニングの契約トラブルということでございます。

本日、柿沼委員から御発表のあった中にも、エステ関係のものがございました。SNS広告で通い放題、セルフホワイトニングは無料体験だということで、歯なのですけれども、説明のとおりに無料だということでやってみようと行ってみたら、無料体験は、今日契約する人の特典で、体験だけやってしまった人は料金が発生しますということになっております。

ただ、無料にならないのだったら契約しますということで、一旦契約をします。美容エステなので、特商法の特益に当たると勘違いされたのか、クーリングオフができたりとか、中途解約ができると思っていたかもしれないのですけれども、セルフホワイトニングの場合は、一般的には、クーリングオフは対象外であるという注意喚起がなされているといったものでございます。

もう一つは、下から3番目のカーリースに関する消費者トラブルに関する注意でございます。

カーリースというのは、もともとは法人契約が多かったということでございますけれども、昨今では個人向けカーリースが出てきており、それについての相談が、件数としては、年間500件程度ですけれども上がってきているということでございます。

カーリースというのは、車の購入ではなくて、リース会社が所有する車を一定の期間借りて利用できるサービスということでございます。毎月定額料金で利用できるということでございます。

トラブルの内容としては、走行距離の制限が、実は、契約してみたらあったでありますとか、契約期間内にカーリース契約の解約を申し出たら、突然という言い方になっていますが、解約料を請求されたなどというトラブルが上がってきております。

比較的新しい契約形態と言われておりまして、注意喚起が出ておりますので紹介いたしました。

以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございました。

この点について、委員から何か御意見等ございますか。

小野委員、お願いします。

○小野委員 寄せられた要望書等に関わりまして、日弁連から参考送付をいただいた、しかも、今、説明をいただきました権利擁護支援事業を社会福祉法に新設すること求める意見ということで、私もその論点といいますか、内容につきまして、個人的にも大切であると認識しております。

利用者である消費者だけではなくて、サービスを提供する社会福祉法人の職員にとっても、財産などを取り扱う場合の一定のルールをつくるということは健全であり、また、ある意味、安心して仕事ができるということでも、やはり必要な段階にあるのではないかと思います。

引き続き、情報の御提供をいただけますとありがたいと思います。

以上でございます。

○鹿野委員長 ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。ありがとうございました。これらの意見書、要望書等を寄せてくださった皆様には、心より御礼を申し上げます。

これらの意見書等につきましては必要に応じて、消費者委員会の調査審議において取り上げることといたしたいと思います。


《4. 閉会》

○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。

最後に、事務局より、今後の予定について御説明をお願いします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。

以上です。

○鹿野委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)