第456回 消費者委員会本会議 議事録
日時
2025年3月21日(金)15:30~17:12
場所
消費者委員会会議室及びテレビ会議
出席者
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- 【委員】
- (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、今村委員、小野委員、中田委員
- (テレビ会議)大澤委員、柿沼委員
-
- 【説明者】
- 悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団 事務局長 伊藤弁護士
-
- 【事務局】
- 小林事務局長、後藤審議官、友行参事官
議事次第
- レスキューサービスに関する消費者問題について
- その他
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:74KB)
- 【資料1-1】 悪質レスキュー商法被害の実態と予防救済のための方策について(悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団)(PDF形式:527KB)
- 【資料1-2】 訴訟提起のお知らせ(記者説明資料)(令和3年4月22日)抜粋(悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団)(PDF形式:2968KB)
《1. 開会》
○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
定刻になりましたので、ただいまから、第456回「消費者委員会本会議」を開催いたします。
本日は、黒木委員長代理、今村委員、小野委員、中田委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席しており、大澤委員、柿沼委員、星野委員、山本委員がテレビ会議システムにて御出席予定であります。
原田委員は、本日、所用のため御欠席と伺っております。
なお、少し遅れての参加と伺っている委員もいらっしゃいますけれども、定刻になりましたので、ただいまから開始させていただきたいと思います。
それでは、本日の会議の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。
○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。
配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
以上でございます。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
《2. レスキューサービスに関する消費者問題について》
○鹿野委員長 本日の議題は「レスキューサービスに関する消費者問題について」です。
トイレの故障、水漏れ、鍵の紛失等、日々の生活の中で困った出来事が突然発生し、自分では対処できないというときに、それらを解決するサービス、つまり、いわゆるレスキューサービスに関する消費者トラブルが増加傾向にあります。
本議題に関しましては、本年2月18日の第453回本会議と、2月28日の第454回本会議において、2回にわたり消費者トラブルの現状や、行政、業界団体、事業者による取組等を確認し、意見交換を行ってまいりました。本日も引き続き、この問題について調査審議を行いたいと思います。
本日は、トイレの詰まり、修理に関する消費者トラブルの被害対策弁護団から、消費者トラブルの事例の紹介をはじめ、問題意識や取組、課題等について御発表いただき、意見交換を行いたいと思います。
本日は「悪質!『トイレのつまり』ぼったくり被害対策弁護団」の事務局長であり、弁護士でいらっしゃる伊藤様に、オンラインにて御出席をいただいております。
本日は、お忙しいところ、大変ありがとうございます。
それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 皆さん、こんにちは。
本日は貴重な御報告の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今、御紹介いただきました「悪質!『トイレのつまり』ぼったくり被害対策弁護団」の事務局をしております、弁護士の伊藤陽児と申します。よろしくお願いします。
今日は、弁護団の取組を通じて、どのような相談が多いのかということや、その実態を踏まえて、どのような対策が考えられるのかということについて、提言をさせていただければと思っております。よろしくお願いします。
画面の共有をさせていただきますが、よろしいですかね。
まず、我々の弁護団について御紹介したいと思います。
結成したのが、令和2年8月25日でして、これは、消費生活センターさんの相談員さんから非常に増えているというトイレ、水回り関係の急迫につけ込んでかなり高額な請求をするという被害が増えているということで、弁護団を結成してもらえないかという話がありまして、団長の石川真司弁護士を中心に弁護団が結成されたということになります。
その後、無料で相談の受付をしておりまして、特に消費生活センターさんからの紹介で来られる方が多いのですけれども、この間に210件ほど、相談を受けております。
この210件ほど受けているのですが、約200件ぐらいは、結成から約1年ぐらいに集中しておりまして、結成したことによって、それで一つ一つ取り組んだことによって、被害が減ったという部分もありますが、ただ、金額は小さくなったと、もともと弁護団が結成された当時は、50万、60万、100万を超えるようなものも当たり前のようにあったのですけれども、それが、最近はどうも10万とか20万とか、そのぐらいの金額になってきていると、それでも高いことは高いのですけれども、そういったことが影響しているのかもしれません。
弁護団を結成してから約半年後ですけれども、令和3年4月に、こういった広告サイトを運営している業者、それから実際に現場に来て作業を行う者らに対する損害賠償請求訴訟を名古屋地裁に提訴しました。原告は23名ということになります。
資料として提訴時に記者の方に説明するために配った資料を配付しておりますので、また、御参考いただければと思います。
23名の平均の被害金額は20万から150万円ほどで、平均すると67万6,261円と、こういう金額になります。
この訴訟の被告なのですけれども、統括者といって、こういった商法を全国で、実は展開されていまして、全国の展開されている商法を統括している者ではないかという者を、まず筆頭に被告に挙げて、それから、実際に消費者が検索をしてサイトを見る、そのサイトを運営している者、それから実際に現場に行く実行部隊、プレーヤーと呼んでいますけれども、これらを被告として共同不法行為ということです。個々の契約内容というよりも、もともと不当に高額な費用を受領することを目的とした組織的な不法行為ではないかということで、訴訟を提起しました。
こちらの訴訟なのですけれども、まだ審理中でして、今年の夏ぐらいに証人尋問等を経て、判決ということになりそうですけれども、まだ、結論が出るまでには時間がかかりそうです。
その後、令和6年、昨年の10月なのですけれども「レスキュー商法被害対策愛知弁護団」ということで、当初は、トイレの詰まり、水回り関係に限定して弁護団は相談受付をしていたのですけれども、それは、そういう相談が多かったということもあるのですが、どうも水回り関係でやっていた人たちが、今度は鍵とか、害虫駆除、ゴキブリとか、そういった方向にシフトしてきているのではないかという情報がありまして、広くレスキュー商法全般について、相談受付をするという体制にいたしました。
それで、水回りの被害、手口の共通する流れなのですけれども、まず、水回り、トイレが詰まったとか、そういうトラブルが発生したときに、まずは、大体の方が、スマートフォンで、トイレ、詰まりなどと検索をします。その検索をした結果、上位にヒットする表示「税込み780円から」などと表示されている、サイトに電話して訪問を要請する形になります。
この検索で1位に出てくるところをタップして表示されるサイトが、これなのですけれども、最安値の780円からとあったり、最短訪問10分、即日解決当たり前、年間実績2万3,500件以上、24時間365日対応、出張と相談料無料という形の表示がされています。
それで、まず来てくださいということで呼ぶのですけれども、大体訪問する業者は男性2人で訪れる場合が多いです。
その業者が現場を確認した上で、まず、圧力ポンプで試してみると、いわゆるスッポンというものですけれども、それでぱこぱこやって、詰まったトイレが流れるようにならないかということを一応やってみるという形を取るのですけれども直らないという説明があります。
それで、便器の下などの排水溝に詰まっていないか確認したいということで、便器を取り外すのですけれども、便器の中と排水溝には詰まっていないという説明がありまして、そのときにスマートフォンで撮影した排水溝の写真を見せられるケースが多いのですが、そのような説明を受けますということです。つまり便器の周辺にはどうも詰まっていないようだという説明がされるわけです。
そうすると、その次なのですが、便器のすぐ下には詰まっていないとすれば、その先の配水管まで詰まってしまっている可能性がありますと、このまま放置すると、全ての配水管の取替えが必要になってしまって、その場合は、200万から300万円かかりますなどと、大変なことになりますよということで、消費者の不安を煽ります。
その上で、機械による配水管、その先まで詰まっているかどうか分からないけれども、まずは簡単なやり方で試してみますと、それで解消できれば、200万とか300万はかからずに、例えば50万とか60万とかで済むかもしれないと言って、作業を実施するわけです。
「実際に作業を実施しているかは不明」と書かせていただいたのですけれども、作業はトイレの中なので、実際に本当に作業をしているのかというのは分からないのですね、何か音はしているけれども、本当にやっているかどうかは分からない。大体ほとんど人は見ていないです。音だけは聞こえていたけれども、実際にやっているところを見たという方はほとんどいないのです。
次に、そういったことで作業が終了ということで、その段階になって、請負契約書を作成・提示して、金額も示されて、署名と代金の支払いを求められるということが多いです。
では、想定していたよりも高額になってしまいますので、後で振込みでもいいですかと大体の消費者の方は聞かれます。当然そんな現金を持っていませんので、そうすると、いや、この金額というのは、当日の現金払いの金額なのですと、振込みとかになる場合は、当日現金は20パーセントオフの金額なので、20パーセント増しの金額になってしまいますよと、こういう説明を受けますので、さらに予想よりも高かっただけではなくて、振込みとかになる場合は、もっと高くなってしまうという説明をします。
そうすると、消費者の方は、それだったら何としても現金で払ったほうが良いということになりますので、作業中だったりとか、作業が終わった後にATM、コンビニへ行ったり、銀行の窓口に行ったりして、現金を引き出して、その場で支払ってしまうという、こういう流れが共通する手口となっております。
これらの被害、商法の問題点ですけれども、まず、あたかも安価でトラブルが解決できるかのような表示によって誘引しているということです。
「780円から」とありますけれども、実際に自宅まで訪問して作業するのに780円で作業ができるはずが、本来はないのですけれども、そのような表示をうたうということです。
それから、2つ目ですが、事前に具体的な工事内容と料金を明確に示さないまま、作業を実施してしまうと、詰まりが取れないと言って、次の作業にどんどん進んでいってしまうということです。消費者もせっぱつまっていますので、業者のなすがままになってしまうというところでございます。
3つ目ですが、急迫した状況を、水が詰まって溢れているという状況と、トイレの修理とか、そういったものが、どのぐらいの費用がかかるのかとか、そもそもどういう仕組みで詰まるのかという辺りの知識を持っていないというところにつけ込みまして、必要性に疑問のある作業を、あたかもその作業をしないと大変なことになるなどと説明して不安を増大させて、慎重に考える時間を与えないまま作業を依頼させてしまうということ。
それで、やってもいない工事をあたかもやったかのように装うこともあるということで、これは、なかなか実際にやっていないのに、やったかのように装ったというところまで立証できたケースは、あまり多くないです。ここは、また難しいところなのです。作業をしたか、していないかということが立証できないという難しさがあります。
ただ、相談を受けたケースでは、この業者の作業の後に、地元の業者さんに見てもらったところ、何もやっていないよと言われたということは、何件か相談としてありました。
問題点の4つ目ですけれども、トイレの詰まりで緊急対応を要する急迫した状況や、消費者の専門知識のないことにつけ込んで、一般的な相場に比して著しく高額な料金を請求すると、暴利行為ということです。
あとは、これは特徴なのですが、割引が適用されないなどと説明して、当日現金で支払わせてしまうということ。この現金で支払わせてしまうということは、後で冷静になって振り込む前に考えるとか、そういう余地を与えないわけなのですね。クーリングオフをして返してくださいと言ったとしても、なかなか現金で払ってしまっているので、色々理由をつけて返さないということになってしまうということで、現金で払わされるのも特徴で問題点です。
こういった問題があるわけなのですけれども、我々弁護団として、現在、被害救済の法律構成としては、大体このような①からの6つで対応しているということになります。
まずは、特商法のクーリングオフです。契約してから期間が過ぎていたとしても、書面の不交付あるいは署名不備によって期間不進行ということがあります。
当初業者のほうは、電話してきて家に来てくれと言われた、来訪要請に該当するから訪問販売の適用がないのだという主張をしていたのですけれども、この点に関しては、消費者庁のほうで、訪問販売等の適用除外に関するQ&Aというものを公表して、表示されていた金額や契約内容と、実際に契約した内容が違うような場合は、そもそもその契約を締結するという意思を持って来訪を要請しているわけではないので、当たらないのだということで、周知を図られているところです。
この点、訪問販売に該当しないのだという主張する業者は減ってきたとは聞いております。
それから、特商法の不実告知取消しです。事実と違うことを告げると、また、消費者契約法の不実告知取消し、あとは消費者契約法の困惑取消しということで、作業を先にやってしまってから、契約の締結を勧誘するということです。
それから、不法行為責任ですけれども、こちらは、愛知の弁護団でも不法行為という構成をしていますが、全国各地に弁護団がありまして、京都の弁護団が昨年の1月19日に獲得した京都地裁の判決では、サイトの運営者と実際に現地に赴いた者らについて、当初よりウェブサイトで表示される低廉な価格とは異なる高額の代金を請求することを企図した一連一体で組織的に行われていた悪質商法として共同不法責任を認めています。もう一連一体組織的に行われた悪質商法だとまで認定しています。
実は、つい一昨日なのですけれども、今年の3月の19日に姫路の弁護団が兵庫地裁の姫路支部で判決を獲得していまして、やはり同じように、共同不法行為責任が認められております。
あとは、公序良俗違反無効ということです。
今後の被害予防・救済のための方策ということですけれども、こういった悪質レスキュー商法に関連するプレーヤーというか、関わっている人たちというところで見ますと、実際に実行する者のほかに、この商法を成り立たせるために必要なツールを提供している事業者があるわけです。
1つ目は、デジタルプラットフォーム事業者ということで、検索をしたら上位にヒットするような広告を出稿しているということで、こういうデジタルプラットフォーム事業者のほうで、何らかの対策が取れないかという問題。
それから、②のリスティング広告出稿代行サービス業者ですけれども、我々が訴訟を提起したもので、お金の流れなどが明らかになっているのですが、かなり広告出稿代行する事業者に対してお金が流れていることが分かっています。
ですので、こうやってヒットしやすいものを提供すると、広告をつくって、また、表示内容も考えるということのコンサル、あるいは助言を受けているということが分かってきているのですが、かなりこういった事業者の果たしている役割も大きいのではないかなと思っています。
3つ目は、電話代行業者です。この悪質のレスキュー商法を見ますと、大体電話代行業者が関与していまして、お客様相談窓口などに電話すると、電話対応してくれるのですけれども、実際、電話代行業者なので、後で折り返し電話しますと言いながら、全然本人から電話がかかってこないと、本人とはなかなか話ができないという状況がつくられていますし、また、電話代行業者としては、その電話対応を通じて、色々な苦情を受け付けているはずですから、そのような苦情を踏まえて何らかの対応をすべきではないかという問題意識がございます。
あとは、バーチャルオフィス提供事業者です。この訴訟を提起するに当たって、被告の住所等を調べていったのですけれども、大体バーチャルオフィスが利用されているということが分かっております。実態は、事務所がそこにあるわけではないところを、本社本店所在地として表示しているということが分かっております。
あとは、支払手段としてクレジットカード、オンライン決済サービス事業者ですけれども、先ほど申し上げたように現金で払うことが多いので、クレジットカードやオンライン決済サービスが出てくることはあまりありません。
それから、被害予防・救済のための方策として、業界団体によるトラブル相談体制の強化というものが必要ではないかと思っております。特に広報ですね。
名古屋市では、指定水道工事店協同組合というものがありまして、水回りトラブル相談窓口というものを設けられています。
年中無休で24時間対応、フリーダイヤルで相談受付もされていて、修理対応も実施していただいていると、そういう取組をしっかりされているのです。
ただ「名古屋 トイレ つまり」という形で検索しても出てこないということで、広告で、まずは上位に出てくる業者があって、それから、大分後のほうに、ようやく関連する名古屋市上下水道局が出てきて、そのページの中で紹介されているという状況なので、もう少し行政との連携協力をして、広報の工夫が必要ではないかなと思っております。
それから「景品表示法・特定商取引法の表示規制の見直し」ということで、まず、この不当表示による勧誘行為に対する取消権の付与ということです。これは、ハードルが高いということは、承知しておるのですけれども、そもそも不実の表示によって、自宅にまで来てもらってしまうと、来訪要請をさせているというところは非常に悪質で、実際に家に来てしまうと、なかなか断れないという状況、急迫、混乱した状況にありますので、ですので、そういうこと自体の違法性というのを捉えて、何か言えないのだろうかということが、この趣旨でございます。
それから、有利誤認表示に対する不実証広告規制の導入ですけれども、現在、景品表示法では、優良誤認表示について、不実証広告規制というものが導入されていますが、これを有利誤認表示にも拡大ができないかということでございます。
レスキュー商法でいうと、金額の面で幾らからというような表示、あるいは20パーセントオフという表示がありまして、そういったものについて、実効的に取り締まり、規制をかけていこうと思うと、やはり、不実証広告規制があったほうがいいのではないかということでございます。
あとは、広告保存義務ということで、特定商取引法の訪問要請に該当するかどうかというところは、広告でどのような表示がされていて、実際に契約したのがどのような契約なのかというところがポイントになってきたりするわけですけれども、そういったときに、報告が保存されていないと、あるいはどんどん中身を変えていってしまうという特性がありますので、広告を保存する義務を規定できないかということでございます。
あとは、それぞれ新たな規制等ができた場合には、適格消費者団体による差止請求権の対象を、それに合わせて拡大していったらどうかということ。
あとは、適格消費者団体の権限の強化ということで、資料開示要請権と開示努力義務ということで、今、あくまでも資料を開示してくださいよと要請しても、事業者は開示努力義務までしかないという形になっていますので、より実効性のある形にしたらどうかということでございます。
すみません、時間があれですね。
あと、次の意見で、デジタルプラットフォーム事業者に対する規制強化ということで、先ほどと同じ問題意識で、やはり入口が広告になっておりますので、その報告について、問題のある広告については、そもそも掲載しないとか、あるいは苦情が寄せられた、また、たくさん苦情が寄せられて、これは問題だと判断した場合は、その広告を掲載しないという権利を与えるとか、審査する義務を負わせるとか、そういうことができないだろうかということです。
広告の保存は、先ほど申し上げたのと同じ趣旨でございます。
あとは、苦情相談の受付体制を義務付けることによって、この広告の審査等にもつながっていくのかなと思います。
あとは、こういった広告の出稿者についての情報等について、デジタルプラットフォーマーが消費者に対して情報提供したりとか、あるいは、広告出稿契約に関して契約を解除するという場合に、自分自身の判断で合理的に判断した場合は免責されるとか、そのような規定がないと、安心してそのような規制をかけることができないのかなと思いますので、プロバイダー責任制限法を参考にして、何らかの手当ができないかということでございます。
あと、広告代理店に対する規制の導入というところですけれども、先ほど申し上げたとおり、この悪質なレスキュー商法では、広告代理店の果たす役割がかなり大きいということが分かってきております。
それで、実際にその広告をどのようにつくったらヒットするのかとか、そういうノウハウを彼らは持っているわけなので、そういう中で、やはり中身についても、その広告の審査義務とか、保存義務というものも広告代理店にも認めたらどうかということと、あとは、その景表法の不当表示規制はあくまでも、その表示をする事業者に対して負わせるものですけれども、その広告を作成する広告代理店にも直接的に何か規制する必要があるのではないかということでございます。
その他もろもろ書かせていただきましたけれども、何らかの広告代理店に対して直接的な規制が導入できないかということでございます。
それから、電話代行業者とか、バーチャルオフィス提供事業者に対する規制なのですけれども、犯罪収益移転防止法における取引時の確認義務だとか、確認記録の作成、保存義務、取引記録の作成、こういったものを参考にして、何らか被害防止のために果たすべき役割というものを規定できないかということでございます。
クレジットカード会社やオンライン決済サービス事業者に関しては、これまでも日弁連も意見を出してきたところでありますけれども、マンスリークリアに対する支払停止の抗弁権の導入とか、決済代行業者等の加盟店調査措置義務等の整備、これは、この悪質レスキュー商法に限らないところではございます。
最後、法執行強化ということで、情報提供の受付窓口の設置ですね。消費者庁が預託法に関しては「預託法違反被疑情報提供フォーム」というものをつくっていますので、同じように、ある特定のトピックについて情報提供を集中的に受け付ける体制をつくっていってもいいのではないかということでございます。
すみません、少し時間が過ぎてしまいましたけれども、まずは、私からは以上です。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
これより質疑応答と意見交換を行いたいと思います。時間は60分程度を予定しております。いかがでしょうか。
小野委員、お願いします。
○小野委員 御説明ありがとうございました。小野でございます。
私は消費者教育を専門にしているということもありまして、消費者教育の領域でできることを思いながら、先生のお話を聞いておりました。その観点で、お尋ねをしたいのと、あと気がつきましたことをお話しさせていただきます。
まず、問題点を5つのポイントに整理をされた、7ページから8ページのスライドですが、本当にこういった幾つもの事例に基づいた整理というのは、ありがたいなと思いながら聞いておりましたが、不当な表示に注意が必要であるということで、例えば大学生ですと、美容医療の広告を見せながら、どこがポイントかみたいなところを探したり、そんなことをするのですが、これは本当にレスキューサービスについても、こういったやり方ができるな、方法があるなと思いながら、聞いておりました。
それから、現金払いに誘導するといった表示だけではなく、手口ということについても伝える必要があるなと思っております。
それから、10枚目のスライドになりますけれども、悪質レスキュー商法に関連するプレーヤーということで、事業者にも色々いるということですね。こういったことは、被害に遭われた皆さんの大変な御経験を基に、そういったことを少しでも減らすために伝えていくべきことだなと思いました。
次に、事業団体によるトラブル相談体制の強化も、そのとおりなのですけれども、やはり御指摘のありましたように、水道工事店の協同組合の、せっかく優良なサイトがあるのに、そこにたどり着けないといいますか、普通に検索すると、どうしてもそれが頭にこないというところは、社会として、改善すべきだと思いますし、また、そうした消費者教育でも、その辺のポイントは必要だと思っています。
消費者教育を進めていくときには、学校教育だけではなくて、今回、原告23名の方の資料を拝見していますと、50代以上が多いことから、学校教育だけではなくて、地域での、いわゆる社会教育も念頭に置いた配慮が必要です。教えていただきたいのは、年代別に見た場合、情報提供といいますか、もちろん問題は早期に解決する必要がありますが、再発という観点でも、やはり年代別に見て、効果的な情報の伝え方などありましたら教えていただきたく、法律の話ではなくて大変恐縮なのですけれども、消費者教育であるとか、それから啓発に役立てていけるような情報がございましたら御教示いただきたく、質問をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○鹿野委員長 それでは、伊藤先生、お願いします。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 ありがとうございます。
年代別に被害防止と予防のためにどのような教育をということなのですけれども、年代別にというところが、今回のこの手口で言いますと、ほとんどがパソコンではなくてスマートフォンで、これは、50代、60代、70代の方も、やはりスマートフォンで連絡してしまっているということがあります。
そういう意味では、スマートフォンで表示されるのはどういう仕組みになっているのかというところですね。あまり詳しくない方の場合は、上のほうにヒットするのだから、良いところなのだろうと、単純に思っていらっしゃる方も、御高齢の方だったりすると多いのかもしれませんので、その辺りは伝えておく必要があるのかなと、重要かなとは思っています。相当な広告料を払っているのですよということです。
年齢別というところは、すみません、なかなかぱっと思いつかなくて申し訳ございませんが。
○小野委員 よく分かりましたのは、年代に関係なく、スマートフォンから、その情報を得ているといったことでした。また、従来から指摘をされているように、検索のシステム自体も改めて伝えていく、つまり上位にあるから、その事業者が良いというわけではないということを、繰り返し伝えていくことも大切だというところが確認できました。
どうもありがとうございました。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 ありがとうございます。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
今村委員、お願いします。
○今村委員 委員の今村です。詳細な説明をありがとうございました。
不当表示規制や広告規制について、少し教えていただきたいのですけれども、私は食品表示や、医療法の広告規制も担当したことがあって、ある程度知っているつもりなのですけれども、実際このような問題に対して、広告規制をかけようと思うと、今、先生のお考えとしては、どういう法律に広告規制の項目を載せればいいとお考えかということと、医療法の規制はなかなか強烈な規制で、基本的には広告するなという規制なのですけれども、どの辺ぐらいまで強くかけていくことをお考えいただいているかを教えていただければと思います。
○鹿野委員長 広告規制について、どういう法律にということと、どこまでの規制内容をお考えなのかについて御質問がありました。よろしくお願いします。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 御質問ありがとうございます。
この悪質レスキュートラブルという観点からしますと、既存の法律で考えれば、やはり景品表示法や特定商取引法の規制の拡大ということになるのかなとは思います。
具体的にどのような類型なのかというところですが、有利誤認とか優良誤認という今の景品表示法の枠組みで捉えられるものも多いかとは思うのですが、それを超えてできる何があるかといったときに、どの程度までというのが、ごめんなさい、先生の趣旨としては、どの程度までの規制というのは、どのような趣旨になりますでしょうか。
○今村委員 例えば、医療法ですと、主観による広告などは一切許されていませんし、論文も少数派の論文の掲載なども許されていないので、なかなか医療法のような厳しい規制ではないのだろうなと思うのですけれども、どういうところまでをカバーするような広告規制なのかなと思った次第で、現在の著しい間違いを広告するのは駄目だということは分かるのですが、どの辺ぐらいまで、主観も基本的には駄目だという、そういうことになるのでしょうか。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 そうですね、今、優良誤認も有利誤認も著しく有利優良となっているのですけれどもう、その著しく有利優良というところで、また、そのハードルがあるわけなのですが、ある特定の表示に関しては、著しくとか、事実と違うと、不実だということだけでも規制できるようなことにならないかなと思います。
というのも、この悪質レスキュー商法の特徴としては、不実の表示をした上で、その上で来訪要請をさせていると、家に来るように要請させるということですね。それで、トイレが詰まってしまって大変な状況になっている中で、不実の表示をして、それに基づいて誘引して家に来させているということは、もうそういう状況のまま家に来れば、ほとんど断る余地がないというか、被害を防ぐことができない状況に陥ってしまうということがありますので、訪問要請させるような表示に限定するような形で規制をするというのも、もしかしたらありかなとは、今、思った次第です。
○今村委員 分かりました。ありがとうございます。
○鹿野委員長 大澤委員、お願いします。
○大澤委員 御説明いただきまして、ありがとうございました。
私からは、1点は感想に近いかもしれません。もう1点が質問ということになります。
1点目なのですけれども、一昨日でしたか、昨日でしたか、姫路支部の判決も、もうニュースでも報道されていましたし、あとは京都弁護団の判決も令和6年付で出ていると思うのですが、姫路の判決とかを見ていても、例えば損益相殺は認めませんということで、要は、確かに消費者は修理を受けているかもしれないけれども、これは、損益相殺は認めないのですということで、要は消費者からすると、単にだまされただけであると、これは、ほぼ詐欺同然だという裁判の話を見ると、かなり裁判所も厳しく判決をしていると、それは、もちろん被害を受けた消費者に対して有利というか、消費者が非常に困った状況で、やむを得ず、その処理屋さんを呼んで、そこで被害を受けたという状況をかなり汲んでくれた判決だと、個人的には思いました。
こういった状況を考えたときに、提訴されているということなのですが、裁判所のこの種の商法に対する印象として、かなり消費者の弱みにつけ込んだ、非常に詐欺的な商法だということに、裁判所も傾いているというか、そういう印象を持っているのではないかと思うのですが、そういう印象で合っているのだろうかというのが、まず1点です。意見と質問みたいに混ざってしまっていますが。
もう1点が、仮に裁判所も、これはほとんど不法行為で、違法な形で消費者から困った状況で、要は、いわゆるつけ込み型のような、そういう状況で消費者につけ込んで、詐欺的に必要のない工事までさせて、多額のお金を取っているということで、裁判所も厳しく臨んでいるということを考えましたときに、今回の被害予防・救済のための方策ということで、色々方策を出してくださっていて、私自身は、これはどれも本当にきちんと取り組んでいくべきだと思っているのですが、1点、特定商取引法のところで、これはスライドですと12ページかなと思うのですが、先ほど今村委員からも御発言があったように、やはり広告ですとか、表示の規制というのは、これは私も必要だろうと思っています。
どういうレベルで、どこのレベルまで例えば禁止をするとか、広告規制をするかというのは、かなり慎重に詰めなくてはいけないと思いますが、やはりこのまま放置しておくわけにはいかないだろうという気もしております。
他方で、今日お話を伺っていて思いましたのは、この種の情報は、色々な特徴があるのだろうと思うのですけれども、例えば、今日お話しいただいた中でも、その書面交付が、要は水回り関係だとすると、どうも配水管自体に問題がありそうだということで、要は追加工事というか、抜本的な工事を消費者が求められて、それをやったほうがいいのではないかと言われて、消費者からすると、そのように言われると、これはやらないと大変だと思ってしまうのは当然の気持ちだと思います。
それで工事を、しかもしているかどうか分からない、消費者が見ても、工事を本当にやっているかなど分からないわけで、私たちは素人ですから、分からない状況で、しかし、最後に書面が出てきて、この書面にサインをしてくださいと言われる、その流れというものが若干気になっていて、例えばその特定商取引法の特定継続的役務に当たると、例えば書面交付をしなくてはいけないとか、契約締結過程に関しても表示以外のルールというのがあると思います。
この種の商法は、そうすると、もしかすると、リフォーム商法と呼ばれているような、要は消費者の家を突然訪ねていって、リフォームをしませんかと言われたのよりも、もしかすると、かなりたちが悪い可能性があって、法的な対処が難しいのかなという気もしつつ、だからこそきちんとやっていくべきだろうという気もしていて、それは、まず、やはり工事がどうしても先に行われてしまうと、本当に実際に必要な工事をしているかどうかも消費者は検証できないと、最後になって書面で色々説明を受けてしまうと、それに困った状況だと消費者もしぶしぶサインをしなくてはいけないと、書面交付よりも工事が先にされてしまうと、それも緊急事態なので、致し方がないところがあるというところとか、あるいは現金での支払いを要求されると。現金でというときに、私の聞き漏らしかもしれませんが、もちろんその場でもあるのかもしれませんけれども、例えば貯金を下してきてとか、そういうのもあるのだろうと思うのですが、こういう支払方法だったり、あるいは書面交付というのを事前にはやっていないというのが、やはり今までの特定継続的役務に入っているような他のサービス契約だったり、あるいはその建築業法のような、いわゆる業が存在している分野とも違うところだと思うのですが、一体この辺りを特商法の表示規制以外に、どのようにしていけば、少しでも被害が防げる、あるいは被害が仮に起きてしまったとしても、何か救済ができるかどうか、もちろん訪問販売の来訪要請に当たらないということであれば、クーリングオフはできるわけですけれども、ただ、やはり被害が起きないようにするというのも大事なことだと思うので、それに当たって特定商取引法の現状の、訪問販売はもちろんですが、例えば特定継続的役務に追加するとか、何か対処はないだろうかと、私は今、お話を聞きながら色々頭を巡らせていたのですが、何かお考えがあったら、ぜひ教えてください。
以上です。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 ありがとうございます。
御質問としては、初めに裁判所が、今、どのように捉えているのかというお話がありましたが、かなり認識は進んできているのかなとは思います。ただ、名古屋の裁判でも、個々の原告の工事内容は、それは本当に必要なのかとか、高過ぎるのかどうかとか、そういったことを個別に実証、立証が必要なのではないかという話が一度出たこともあって、ただ、そうではなくて、組織的にとにかく高いお金を取るということを目的とした商法なのだというところで、個別性を問題にするべきではないのだというところで、今のところ裁判所は大分理解が得られたのかなと思っています。そういう流れで、神戸とか姫路の判決も力になっているかなと思います。
特商法でどういう規定をということですけれども、確かにどういうやり方がいいのかなと考えたときに、この特徴というのは、やはり緊急事態なのですね、水が詰まったとか、トイレがあふれたとか、鍵をなくしたとか、そういう状況で家に訪問するということなので、ある1つの取引類型と言ってもいいのかもしれないですね。
それと、例えば鍵などでも、幾らからという表示をされているのですが、上限が幾らなのかというのは書かれていないと、また、広告表示を見ても、こういう作業をした場合は幾らということは、どこにも表示されていないのですね。目安としては幾らからとは書いてありますが、だから広告を見たとしても分からないような表示になっているということからすると、この類型に関して、広告では実際にかかる料金の目安だとか、作業の流れとか、そういったものの表示を義務付けるというのは、1つありなのかなとは思いました。
それで、新たな取引類型として位置づけた上で、そのような被害を防止するための事前の説明義務だとか、そういったことも盛り込んでいければ、予防にはつながるのかなと、先生の話を聞いて思いました。
○鹿野委員長 大澤委員、何かございますか。
○大澤委員 どうもありがとうございました。
もちろん、クーリングオフというのも、来訪要請に当たらないとしたらできますし、裁判でも、例えば、不法行為を認めたりとか、救済の余地がないわけではないと思うのですけれども、やはり私がこの話、レスキュー商法のお話も伺って、今までの話も色々含めて、あまりにも業界全体として、業界と言っても、水道とか鍵とか、色々あるのですが、何か無法地帯と言っては、少し言い過ぎかもしれないのですけれども、本当に何かルールがあるわけでもなく、事前に書面交付しなさいとか、あるいは何か前払金の規制があるとか、そういうわけでもなくて、ただ、緊急事態で、消費者は呼ばざるを得ないと、それでやってもらって、もう少し追加で修理しないと直らないですよと言われると、これはお願いしますと言わざるを得ないような、そういう状況でやるというときに、もちろん民事だけではなく、色々な規制の在り方というのは、抜本的に予防するような何か特別な取引類型として位置づけるというのは、あり得るのかなと思って伺いましたが、先生のお話を聞いて、やはりその方向もあり得るかなと思いながら、参考にさせていただきました。どうもありがとうございました。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 ありがとうございます。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
中田委員、お願いいたします。
○中田委員 御説明ありがとうございます。
私自身も、一消費者として緊急時に、このような場面に遭遇したら、今日のお話を伺っていても被害を回避するすべがあるのか、冷静に判断できるのか、不安を感じました。
と同時に、レスキューサービスによる消費者被害の予防は、プレーヤーや管轄省庁及び法律が多岐にわたり、かなり複雑で難しく、民間企業の自主規制に期待するだけでは到底解決できないという問題意識を改めて持ちました。
その上で、この問題解決には、まず1つ目は、業界団体の一層の自助作業や、よりプロアクティブなアクションを求めることと、2つ目、先生もおっしゃっていらっしゃいましたが、デジタルプラットフォーマーの規制の強化、この2つの側面があると思うのですが、2つ目のデジタルプラットフォーマーの観点からは、インターネット広告では必ずしも100パーセント明らかな悪徳事業者ではなくて、良心的あるいは許容範囲の事業者がリスティング広告や、アフィリエイトを展開して、検索ページトップに掲載されていることもあり、テレビのCMや紙媒体、新聞、雑誌等の広告とは異なって、原稿の差替えがより容易で、トラッキングが難しく、明らかな悪徳事業者の見極めが微妙で難しいという特殊事情もあると思います。
その上で、先生にお伺いしたい点は、もちろんデジタルプラットフォーマーが被害のきっかけをつくってしまったり、被害を拡大してしまっている責任は大きく、広告審査強化等の要請は必要であると考えますが、それ以上に、そもそもの原因をつくっている悪徳事業者自体の規制や罰則、業界団体の自主規制の強化を求めることがより重要ではないかと思いますが、この点について、いかがお考えでしょうか。
私がおりました生命保険業界では、監督官庁が金融庁でありましたので、金融庁の厳しい指導のもとに、生命保険協会という業界団体による横並びの自主規制もとても厳しく、全ての広告原稿の履歴を、デジタルを含め、媒体ごと、掲載時期ごとに管理してモニタリングを行うという徹底的な管理が行われていました。
生命保険や金融業界以外でこのような徹底した広告管理や、自主審査強化をできる可能性があるのか、なかなか事業会社にインセンティブが、そこにはないのかもしれませんが、デジタルプラットフォーマーによる広告掲載の手前のそもそもの事業者の広告や営業停止等の罰則を伴う規制強化の可能性や、監督官庁による監督の強化等について、伊藤先生の御意見を伺えればと思います。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 御質問ありがとうございます。
業界団体とか、このレスキュー関係につきましては、いわゆる業界団体的なものがないのかなと、水道、水回りについては、それぞれの水道工事業者組合とか、そういうものがありますけれども、広くレスキュー関係という意味でいうと、鍵についてどうなのかとかいうと、恐らくないのかなと思いますので、まだ業界団体として育っていないというか、そういう部分があるのかなと思います。
また、個別に規制する業法的なものがないので、保険業法のような、ですので、このレスキューという商法というか、こういう取引類型に着目した形での業法というものが、可能性があるのかどうかというのも、もう一つ考えていくべき問題かなと思いました。
その業法として新たにつくるのか、先ほど大澤先生の御意見にもありましたとおり、特定商取引法の中に1つの取引類型として入れるのかという選択肢、色々な選択肢があるのかなと考えている次第です。
○中田委員 御説明ありがとうございます。
前回の本会議だったと思いますが、ペストコントロールセンターさんや、東京都の管工事工業協同組合さんが、かなりの取組をされていらっしゃるけれども、同業の規制に十分対応しきれていないというお話をいただいたのですが、でも、そこには、私はすごくヒントがあると申しますか、それぞれの業界団体さんの活動の支援する方法を何らかの形で考えていくということも、1つアプローチとしてはあるのかなとは、個人的に感じているところではあります。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 なるほど、今、おっしゃられた、そういう取組がされている中で、例えばそういう業界の取組が優先的に検索で出てくるとかというのも1つの在り方でしょうし、その辺の仕組み自体を変えることということでの、なかなか問題のある広告を排除というのは、相当ハードルが高いにしても、検索の在り方というところで調整して、支援していくということは可能なのかもしれないと思います。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
今の点にも関係するのかもしれませんけれども、スライドの11ページのところに、業界団体によるトラブル相談体制の強化ということで、特に広報の問題が取り上げられていて、一番下の矢羽根のところに、行政との連携、協力による広報の工夫が必要ではないかと記載されているのですが、先ほどは、時間の制約がございましたので、詳しくはお聞きできなかったのですけれども、ここで考えられている具体的なことなどがありましたら教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 行政との連携協力ということですかね。
○鹿野委員長 はい、その具体的に考えていらっしゃる中身について、教えていただければと思います。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 一応名古屋などだと、名古屋市の上下水道局には出てきたりするのですけれども、もっと頻繁に、そこだけではなくて、名古屋市消費生活センターだとか、色々な各所にリンクを張るとか、色々な工夫ができるのではないかなということです。まだまだ工夫の余地があるかなと思っているということでございます。
○鹿野委員長 なるほど、リンクで行政のサイトから紐づけたような形で、一定の優良事業者にアクセスできるような仕組みとか、そういうことでしょうか。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 そうですね。
○鹿野委員長 そういうことをお考えなのですね、分かりました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 伊藤先生、非常に詳細な資料を提示いただきまして、ありがとうございます。
12ページ以降の対策については、とても興味深く読ませていただきました。
まず、「被害予防・救済のための方策」の中の景表法と特商法の部分についてお聞きしたいことがあります。「不当表示による勧誘行為の取消権の付与」という御提案について疑問があります。
平成29年1月24日の最高裁判決、いわゆるクロレラ配布差止請求事件(民集71巻1号1頁)では、広告を勧誘行為と認めましたが、取消権が広告主との間で成立するとは判示していませんでした。広告は勧誘行為かもしれませんが、実際のレスキューサービスは、やってくる事業者との間の契約になると思います。そこについては特商法でクーリングオフができるということになるのではないでしょうか。
そこでお伺いしたいのは、ここでおっしゃっている「不当表示による勧誘行為の取消権の付与」について、誰と誰の、どういう契約関係を取り消すことを想定されているのかという点です。教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 ありがとうございます。
広告の掲載している事業者と、実際に現場に来る事業者が別だという前提になるのかどうかなのですけれども、あくまでも取消しをするのは、現場に来た者との間の契約についての取消権ということにはなります。
○黒木委員長代理 そうすると、特商法上のクーリングオフが認められるとしても広告表示が不当であると更に別の取消権が検討できるはずであるという、そういう考え方ですか。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 そうですね、消費者契約法とか、その他で取消しの対象にもなり得るわけですけれども、この不当表示によるその契約締結への影響が非常に大きいというところを、混乱したこういうレスキュー、急迫した状態の中に、来訪、家に来させるきっかけをつくった不当表示があるような場合は、それによってほぼ契約を締結せざるを得ないということを決定づけられてしまっていると思いますので、そういう観点から、その表示だけから取消権を認めるということも考えないといけないのではないかと、そういう趣旨でございます。
○黒木委員長代理 もう一つか、二つお願いします。
○鹿野委員長 今の点に関して、私も続けて、私もその点について伺いたかったところなのですが、今のお答えを聞いておりますと、伊藤先生がお考えなのは、やはり広告によって消費者が誤認して、その契約の意思表示をしたという場合における、その契約の意思表示の取消しということを前提にして、ただ、実際には、それによって誤認をして意思表示をしたのかというところが、消費者契約法でも、そこの立証が、個別訴訟においては難しいということがございますが、ここら辺の立証の困難さを少し緩和するというようなことをお考えなのでしょうか、消費者契約法とは別に景表法の取消権を付与するということについて、新たにどういう意義があるのかということについて、お考えを教えていただきたいと思った次第です。よろしくお願いします。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 このレスキュー商法の場合は、来訪要請をさせる広告の内容というのは、それ自体、その後に契約した内容が、何か誤認があるかどうかという、どうしても契約そのものの取消しとなると、契約した内容に誤認があるかどうかということになってしまうと思うのですけれども、不実の表示によって来訪をさせるきっかけになる広告、それについて不当な表示、不実の表示をしているというところを捉えて、その後の契約というのは、ただの因果の流れだということで、それによって誤認したとか、そういうことは問わない形の取消類型ができないのかということでございます。この類型に近いのかもしれませんが、困惑した状況のもとに、来訪させてしまうという、そういう類型だということを捉えるわけですね。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
おっしゃるとおり、これは誤認と困惑が入り混じった形で、消費者が被害に遭うという特徴を持っているというのはそのとおりだと思います。消費者は、まずは広告を見て誤解して来訪要請をして、現場に一旦来られたら、不実の告知とか、あるいは消費者を困惑させるような事業者の行動によって、契約を締結せざるを得ないような状況に追い込まれるというところが特徴でありますので、そこら辺の全体像を捉えて、何らか民事的な救済手段は考えられないのかということをお考えであると理解しましたが、そういうことでよろしいのでしょうか。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 はい、そういう理解です。ありがとうございます。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
では、黒木委員長代理にお返しします。
○黒木委員長代理 柿沼委員が。
○鹿野委員長 それでは、柿沼委員、お願いします。
○柿沼委員 柿沼です。すみません、何か途中になってしまっているようなのですが、私のほうからも、意見と、それから質問をさせていただきたいと思います。
まず、消費者なのですけれども、ネットでレスキューの業者を急いで見つけていて、その広告を見て電話をかけて、そして業者が来るという流れですけれども、私ども消費生活センターで相談を受けるときに、どういう広告だったのかというのを必ず消費者に確認しますが、なかなかその広告が見つからなかったりという場合が多いです。
ですので、広告主と、それから実際に来訪する業者の関連性を消費者が覚えていない、特に急いで業者を呼んでいるわけですから、探しにくいというところがありまして、裁判で実証するものを消費者に求めるのはとても難しいのではないかなと、実際には思っております。
また、消費者庁の見解から、レスキューサービスについては、ネットの広告表示と、実際の工事の費用に対して大きな開きがあった場合には、クーリングオフが可能という見解は出ていますけれども、消費者が呼んで、工事もしてもらって、不必要な工事もしている可能性もあると思うのですけれども、クーリングオフをして全額返してもらうのをためらうというそのお気持ちは、私はよく分かりますが、本当に必要のない工事費を払うということについて、立証も何もできず、クーリングオフをしても、業者は全く認めないという状況で、1割とか2割といった金額の減額だけ、そのお金だけ返していくという現状がありますので、お話しいただいたような内容で、裁判に持っていく、というのは、私は難しいのではないかと思っています。
また、先ほど、行政との連携というのがあったのですけれども、行政としては、1つの事業者またはその組合などを推奨して御案内することは難しいという現状もありますし、このようなレスキューサービスについて、仮に困ったときに、果たして行政のホームページを探すのかなというところも、現実的ではなく、ネットで見つけた上のほうにある業者で、指定業者などと書いてあると、それを信じて頼んでしまうというところがあるので、やはり、広告の表示について、もう少し何らかの規制が必要なのではないかなと思っております。この辺りについて、まず、もう一度お考えについて教えていただきたいのが1点。
それから、いわゆる極悪層、全く技術的な知識のない人が上に者に行って来いと言われて行くような極悪層と、それから個人事業主で、あまり法律についてきちんと理解していないという事業者が行って工事を行って、消費者からクーリングオフと言われてしまう場合と、やはり2局面あるかと思うのですけれども、この辺りについての先生のお考えとして、何かいいお知恵みたいなものがあれば、教えていただきたいと思いました。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、御意見と御質問がありましたが、特に御質問についてお答えをいただけますか。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 相談現場からのまさに直面している被害回復の難しさをお話しいただいたかなと思います。
私も電話で相談を200件ぐらい直接受けているのですけれども、やはりクーリングオフは、確かに訪問販売に当たると、それでクーリングオフを使えますよとなったとしても、それを争って返さないとか、あるいは契約してから8日間過ぎてしまっているという場合には、書面不備なのかどうかとか、そういうところで争わないといけないものですから、なかなか被害回復というのは、簡単ではないなというのは実感しているところです。
そういう点で、広告の段階での予防の取組が必要だというのは、柿沼先生のおっしゃったとおりかなと私も思います。
あと、極悪層と、そうではない事業者の違いとか、そこなのですけれども、基本的に私がこれまで相談を受けてきたのは、ほぼ極悪層に近いというか、そんな業者ばかりだったので、それ以外の業者さんで、何が問題になり得るかというと、説明が十分ではなかったりとか、そういうことが問題になってくる可能性はありますけれども、現時点では、やはりトラブルが多いのは、もともと高額な代金を取るということを目的とした事業者の行為が非常に問題になっている。それに対してどのように対応できるのかというところを考えていかないといけないかなとは思います。
○鹿野委員長 どうぞ。
○柿沼委員 すみません、ありがとうございます。
極悪層がほとんどということであれば、幾ら法律の縛りを強化したとしても、難しいように思います。事業者の名前などを変えて、この商法をずっと継続してやっていくのではないかという懸念も、私どものほうはあります。広告の規制をどのようにしていけば、そのような極悪層の広告表示がされなくなるのかというところやプラットフォーム事業者が加盟店審査、広告審査などを厳しくするだけで、排除できるのか、極悪層はかなりの広告費用をかけて宣伝をしているというところもありますから、プラットフォーム事業者としても、かなりうまみがあるからこそ、何か排除されていないというところもあるのではないかなと思っているのですけれども、それが法律の規制をするだけで、果たしてなくなるのかなというところが、ちょっと疑問があるのですけれども、その辺りについては、どのようにお考えなのでしょうか。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 そうですね、これは、この悪質レスキューだけに限らず、詐欺的定期購入もそうでしょうし、色々な悪質な事業者で問題となっているところで、根本的に予防というところでは、やはり広告が流れないというのが一番だとは思うのです。ただ、それも抜け道がいっぱいあるというのは、柿沼先生の御指摘のとおりだとは思いますが、でも、そこからスタートするしかないではないかなと思います。
初めに、全件審査をするのが難しいにしても、一定の情報が寄せられたときには、審査なり、排除する義務があるとか、そういった義務付けをつけていけば、事業者の負担というのも減ってくるでしょうし、あとは審査という点で言うと、AIとかの活用が今後進んでいったらいいなと期待しているところではあります。
○鹿野委員長 柿沼委員、よろしいですか。
○柿沼委員 分かりました。ありがとうございます。
最初のファーストステップとして、今、規制されていないものを規制していくというところから始めていくということで理解いたしました。ありがとうございます。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
先ほど、黒木委員長代理の御質問が、ほかにもあるということでした。お願いします。
○黒木委員長代理 いくつか質問があるのですが、今の話に関連して、DPFの事業者に対する規制強化についておたずねします。特に広告審査義務について書かれている部分をもう少し深掘りさせていただきたいと思います。令和7年3月11日に総務省が設定した、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害への対処に関する法律第26条に関するガイドラインについてです。このガイドラインでは、大規模特定電気通信役務提供事業者の義務として、情報流通プラットフォーム対象法26条第1項第2号に定める『他人の権利を不当に侵害する情報の送信を防止する義務』がある場合、その他、送信防止措置を講ずる法令上の義務がある場合として、消費者取引における表示関係として、不当表示(景表法)、それから誇大広告(特商法)を対象としているわけですね。
これから先は、この法律を『改正情報流通プラットフォーム対象法』と読み替えますが、これが施行された場合に、どのような形で、今おっしゃっているような景表法や誇大広告、特商法の関係が変わるのか、DPFの表示行為にどのような影響があるのかについて、御見解があれば教えていただければありがたいです。
以上、よろしくお願いします。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 御質問ありがとうございます。
これについての知見があるというわけではないのですけれども、これは、できる規定ですかね、義務付けられているというよりも、できるという規定にはなって、送信を防止する、景表法と特商法の不当表示が対象になっているので、これが積極的に活用されていくことは、期待はしているところではありますけれども、あくまでも積極的に審査をして、その上で送信を防止というところまでの強い義務付けではない規定なのかなと理解しています。
それで送信を止めたときに、責任を負わないという、そういう規定なのかなと思いますので、やはりかなり意識的にデジタルプラットフォーマーが、これを運用していこうという意識にならないと、実際、実効性がなかなか期待できないのではないかなとは思います。
ですので、通報を受ける体制とかを整備することで、それでこれとセットで活用していくということで効果が期待できないかなと、期待しているところであります。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
それから、広告の景表法とDPFの両方に関して書かれている広告保存義務についてお聞きします。これについては、令和5年1月13日の消費者庁の景品表示法等検討会で、この表示義務は報告書33頁以下で中期的に検討すべき課題の1つであるという形で取り上げられていました。ここでは、「あらゆる表示媒体の中でデジタル表示についてだけ、不当表示がないにもかかわらず、一般的・一律に事業者に保存義務を課すことについては、景品表示法の規制目的や規制体系との関係で、その合理的な必要性や、必要性と手段との適合性についての検討が必要であり、また、あらゆる商品・サービスを供給する事業者が景品表示法の規制対象となり得ることから、現時点では、現実的に事業者の負担が大きく、慎重な検討が必要と考えられる。」として中長期的な検討事項ということで纏められています。
このように中長期的に考えなければならない課題であり、現在はまだデジタル表示について一律的に義務を課すことの合理性や必要性、適合性等の検討が必要だと消費者庁も言っています。現実的に事業者の負担が大きいため、慎重な検討が必要だとまとめているわけです。
こうした状況を踏まえて、このレスキューサービスの広告について、広告保存義務がどこまで実効性のあるものになるのかということについて、検討会での議論なども踏まえながら、もし何か御見解があれば教えていただきたいと思います。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 広告保存義務で、先ほどお話がありましたけれども、極悪層だったら、広告保存義務が課せられたとしても、そもそも保存しないではないかということで、保存されてなければ、それを活用することができないわけですから、実効性は、直ちには期待できないかもしれませんけれども、このレスキュー商法の関連でいうと、訪問要請に該当するかどうかというところについては、どのような表示を見たのかというところが、すごく重要になってきます。
それで、また現実問題として、表示がもう確認できなかったりとか、変更されてしまっている場合も多いということですから、どこまで保存されるかどうか、事業者自身が保存しなくても、デジタルプラットフォーマーのほうで自動的に保存するような仕組みができるのであれば、実効性は出てくるのではないかなと思います。
かなり負担をかけることになるからということで、長期的な課題だということになっているという御指摘ではございますけれども、現在でもウェイバックマシンというサイトの過去の表示を保存するという民間のサービスがあったりしまして、その当時の表示を立証するために効果的な場合もありますので、今後のデジタル技術の進展によっては、一気に解決できてしまう問題なのかもしれないなとは思って期待しているところです。
○黒木委員長代理 あと、最後に14ページにある「広告代理店に対する規制の導入」について質問させてください。現在は広告代理店に関する業法はなく、景表法も広告主に対する表示の規制であって業務規制ではないという状況です。この点について、業法でやるということをお考えなのでしょうか。
また、広告代理店が手がけている、現在のDPFが行っている運用連動型の広告などとの関係で、どこまで、どういう形で広告代理店に対する規制を考えていらっしゃるのかといった点について、もう少し詳細に説明していただければと思います。できれば具体的にブレイクダウンして、説得力のある説明をしていただけると助かります。
○悪質!「トイレのつまり」ぼったくり被害対策弁護団事務局長伊藤弁護士 その点は、具体的にどこまでの規制でというところまでのイメージなり、検討ができているわけではありませんので、今日ここでお答えするのは非常に難しいなと思っています。
ただ、広告代理店というところに着目した規制というのは、この広告代理店の果たしている役割の大きさ、特にデジタル広告に関しては、非常に大きくなっていると思います。
これは、詐欺的な定期購入商法などでも同じような広告がいっぱい出てきますけれども、ある特定のところが担っていたりするので、そういったところを直接的に、そこがお金をもらいながら拡散しているという実態があることを踏まえますと、やはり直接的に広告代理店に対する規制ができないかということで、御提案させていただいた次第です。まだ具体化ができていないところは、申し訳ございません。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
この御提案を受けて何ができるかということは、こちらも考えていきたいとは思っておりますけれども、前回シェアリングテクノロジーという、同じようなおまとめサイトをしている情報公開企業の例もありましたので、そういう積極的なところ、あれも一種の広告代理店的な機能を持っていると思うのですけれども、そういうところとの対比等々も考えていきたいと思っています。
以上です。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
よろしいのですか。ありがとうございます。
もう予定した時間を経過しているところでございますので、今回の議論は以上とさせていただきたいと思います。
本日は「悪質!『トイレのつまり』ぼったくり被害対策弁護団」の事務局長でいらっしゃる伊藤弁護士さんに御出席いただき、貴重な御発表をいただきまして、ありがとうございます。
本日の御発表においては、対応すべき課題について様々な御指摘をいただきまして、意見交換をさせていただきました。
もちろん、本日だけで、これという明確な答えが私たちも得られたというわけではございませんが、問題状況とか、あるいは問題意識や御提言をキャッチすることができました。委員会としては、本日の議論を踏まえて、引き続き調査審議を行っていきたいと考えております。
御出席いただいた伊藤様におかれましては、お忙しいところ御対応いただき、誠にありがとうございました。
《3. その他》
○鹿野委員長 続きまして、次の議題に移りたいと思います。
消費者委員会に寄せられた意見書等の概要につきまして、事務局から御説明をお願いします。
○友行参事官 それでは、資料でございますけれども、参考資料の1を御覧いただけますでしょうか。
消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧の2月分となっております。
今月は2件いただいております。
最初が、発信者のところを御覧いただきますと、特定非営利活動法人消費者支援機構関西とございます。
こちらの団体について、最初にどのような団体かだけを簡単に御説明いたします。
消費者支援機構関西という団体は、消費者裁判手続特例法に基づきまして、内閣総理大臣から認定を受けた団体となっております。いわゆる特定適格消費者団体でございます。
この特定適格消費者団体というのは、被害回復を図る団体でございます。多数の消費者に共通して生じた財産的被害について、この団体が被害回復を図るために訴訟を通じて、集団的な被害回復を求めることができるという、そういうことを行っている団体でございます。この団体から寄せられた要望書、意見書の中身が、この資料のところの右側にございます。
要望の趣旨でございますけれども、特定適格消費者団体から消費者庁に対して、情報開示請求があった場合のルールを策定してほしいと。そうしたルールの策定に当たっては、特定適格消費者団体が行う、消費者の財産被害の集団的な回復のための裁判手続の利用目的に沿って開示すべき対象となる情報の範囲や、情報の開示時期について、十分な配慮を行ってほしい。
また、上記ルールの策定に当たっては、特定適格消費者団体との間で事前の協議を行って、意見を交換してほしいといった内容となっております。
2つ目が、日弁連からいただいているものでございます。宗教法人の解散命令後の清算に関する立法措置を求める意見書となっております。
右側の要望書・意見書のポイントのところでございますけれども、こうした立法措置を行ってほしいということでございます。
1つ目として、清算人が十分な調査を行えるようにするため、清算人の調査権限を法律上明記すると。その上で、当該宗教法人の代表役員、責任役員、代表者、仮代表者等、並びにこれらの役職にあった者に対しては、刑事罰を背景にした強制力のある調査協力義務、説明義務、重要財産開示義務、帳簿書類その他の物件の保存義務及び職務妨害禁止義務を課す旨の規定がほしいということでございます。
2つ目として、裁判所が清算人を複数選任できるようにする規定、法人清算を選任できるようにする規定、清算人が清算人代理人を選任できるようにする規定がほしいということでございます。
3つ目といたしまして、残余財産の処分を当該宗教法人の規則の定めに委ねる法第50条第1項の適用を除外する旨の規定となっております。
4つ目として、清算手続に移行した後も被害者がより適切な救済を得られるようにするため、被害者が、日本司法支援センター、法テラスによる代理援助等、そうした援助を受けられるようにする旨の規定がほしいといったことでございます。
また、2月分については、個人からの意見等はございませんでした。
以上でございます。
○鹿野委員長 御説明ありがとうございました。
委員から、この点について何か御意見等がございましたら、お願いします。
よろしいでしょうか。それでは、これらの意見書等につきましては、必要に応じて改めて消費者委員会の調査審議において取り上げることといたします。どうもありがとうございます。
《4. 閉会》
○鹿野委員長 本日の本会議の議題は以上になります。
最後に、事務局より今後の予定について、御説明をお願いします。
○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通してお知らせいたします。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございました。
(以上)