関係団体等との意見交換会 議事録(2025年10月14日)
日時
2025年10月14日(火)10:00~13:04
場所
消費者委員会会議室及びテレビ会議
出席者
-
- 【委員】
- (会議室)鹿野委員長、黒木委員長代理、中田委員
- (テレビ会議)今村委員、大澤委員、柿沼委員、善如委員、原田委員、 山本委員
- 【説明者】
- 適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会 川野専務理事
- 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 洞澤委員長
- 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 大高副委員長
- 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 井上副委員長
- 日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会 川戸委員長
- 日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会 浅田委員
- 日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会 森田委員
- 一般社団法人ダークパターン対策協会 小川代表理事
-
- 【事務局】
- 小林事務局長、吉田審議官、友行参事官
議事次第
- 開会
- 第9次消費者委員会への要望について
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:159KB)
- 【資料1】 適格消費者団体 公益社団法人 全国消費生活相談員協会提出資料(PDF形式:1,960KB)
- 【資料2】 日本弁護士連合会提出資料(PDF形式:1,387KB)
- 【資料3】 日本司法書士会連合会提出資料(PDF形式:193KB)
- 【資料4】 一般社団法人ダークパターン対策協会提出資料(PDF形式:1,079KB)
《1. 開会》
○鹿野委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから、消費者委員会と関係団体様との意見交換会を開催いたします。
本日は、黒木委員長代理、中田委員、そして、私、鹿野が会議室にて出席しており、今村委員、大澤委員、柿沼委員、善如委員、原田委員がテレビ会議システムにて御出席です。
なお、一部の委員は少し遅れてオンラインで参加と伺っております。
小野委員、山本委員は本日御欠席と伺っておりますが、山本委員はもしかしたらオンラインで途中から参加されるかもしれません。
それでは、本日の意見交換会の進め方等について、事務局より御説明をお願いします。
○友行参事官 本日はテレビ会議システムを活用して進行いたします。
配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
《2. 第9次消費者委員会への要望について》
○鹿野委員長 消費者委員会では、調査審議の参考とするため、関係団体等の皆様から直接御意見や御要望をお伺いし、意見交換を行っております。第8次委員会で取りまとめられた「次期消費者委員会への移行に当たっての留意事項」においても、様々な団体等との意見交換会開催を通じ、消費者問題の現場との結びつきの強化を継続的に図るとともに、こうした声を行政に届けていくことが重要であるとされております。この趣旨を踏まえて、第9次委員会においても、引き続き関係団体等との意見交換の場を積極的に設けてまいりたいと考えております。
本日は、前回に続きまして、「第9次消費者委員会への要望について」をテーマとし、関係団体の皆様との意見交換を行いたいと思います。消費者問題の現状や関係団体の皆様の問題意識を伺い、第9次委員会の今後の調査審議に活かしていきたいと考えております。皆様より忌憚のない御意見を頂戴できることを期待しております。限られた時間ではございますが、有意義な意見交換となりますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
改めて、本日の出席者について御紹介したいと思います。本日は、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会から洞澤委員長、大高副委員長、井上副委員長にお越しいただいております。
また、一般社団法人ダークパターン対策協会から小川代表理事にお越しいただいております。
この2団体におかれましては、会議室にて御出席いただいております。
また、オンラインにおいて、公益社団法人全国消費生活相談員協会から川野専務理事にお越しいただいております。
また、日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会から川戸委員長、浅田委員、森田委員に御出席いただいております。
皆様、お忙しいところどうもありがとうございます。
本日の進め方ですが、全国消費生活相談員協会、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、ダークパターン対策協会の順に、それぞれ15分程度で御発表をまずいただき、その後、全体としての質疑応答と意見交換を80分程度行いたいと考えております。
それでは、最初に、全国消費生活相談員協会の川野専務理事、よろしくお願いいたします。
○適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会川野専務理事 本日は、このような場を設けていただきまして、誠にありがとうございます。
私は、公益社団法人全国消費生活相談員協会の川野と申します。
まず、私どもの団体を簡単に御紹介したいと思います。
地方自治体、消費生活センターや消費生活相談窓口に日頃勤務をして、相談を受け付け、助言・あっせんを行っております消費生活相談員が主な構成員の消費者団体でございます。全国に東北から九州まで6支部ございます。現在、約1,400名の会員が多方面に活動しております。適格消費者団体として、消費者から寄せられた事業者の不当勧誘、不当表示、不当条項に対して差止請求や改善要望を行っております。それから、消費生活相談員のレベルアップのための各種研修を行っております。また消費者問題出前講座を実施しております。
それでは、次のページに。
それから、私どもは、週末電話相談ということで、全国3か所の事務所で土曜、日曜、週末の電話相談を開設しております。土日の消費者相談窓口として広く利用されておりまして、平日仕事をしていて相談できない方が多く利用されております。年間2,500件の相談があります。
右側のグラフにありますように、購入形態の割合は通信販売が非常に多くなっております。
それから、毎年、電話相談110番というものを実施しておりまして、その年度その年度で消費者問題として話題になったものについてテーマを設定して。
○友行参事官 事務局でございます。お話しの途中ですが失礼いたします。
こちらの会議室の都合だと思うのですが、音声が若干聞き取りにくいようでございますので、今調整いたします。少しお待ちいただけますか。調整した後、マイクテストをさせていただければと思います。少しお時間をいただきます。
○適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会川野専務理事 それでは、3ページのところですね。私ども全国消費生活相談員協会では、週末電話相談というものを実施しております。全国3か所の事務所で土曜、日曜、週末電話相談というものを開設しておりまして、平日仕事で相談ができない方が多く利用しております。年間2,500件ほどの相談が入っております。
右側のグラフにありますように、購入形態では通信販売が非常に多くなっております。
それから、毎年、電話相談110番ということで、その年その年に消費者問題として話題になったものについてテーマを設定して、電話110番というものをしております。昨年は健康食品の紅麹の関係で、「健康食品 うそほんと?~広告どおりでしたか?~」というテーマで電話相談110番をしました。今年は、今実施中なのですけれども、「その契約大丈夫?高齢者・障がい者 消費者トラブル110番」を実施しております。
次のページをお願いいたします。
今、このように「その契約大丈夫?高齢者・障がい者 消費者トラブル110番」というのを実施中です。高齢者・障害者に係る消費生活相談の実態を把握することを目的としておりまして、全国事務所3か所で今、10月に実施しておりますので、皆様、もし関係者の方で御相談がありましたら、ぜひ御紹介していただければと思います。
それでは、次のページをお願いいたします。
これは国民生活センターが9月3日に発表された65歳以上の消費生活相談の状況です。2024年度は30万4,130件ということで、2020年以降、65歳以上の消費生活相談が最も多くなりました。主な商品としては「商品一般」となっておりますけれども、不審なメールや電話等の相談、それから「化粧品」、「健康食品」、「医薬品類」、これは定期購入の関係だということになります。それから、販売購入形態別では「通信販売」がやはり全体の相談に占める割合が非常に高いです。それからあと「訪問販売」、「電話勧誘販売」、「訪問購入」になっておりまして、85歳以上になると「通信販売」を抜いて「訪問販売」の割合が最も多くなっております。
それでは、次のページをお願いいたします。
電話110番に入ってきた事例を今から3事例ほど御説明させていただきます。
まず、訪問販売なのですけれども、点検商法の事例です。工事業者が突然来まして、「屋根が浮いているようなので無料で点検する」と自宅を訪問してきた。家のことは娘に相談すると断ったが、30分ほどして再度事業者が来て、勝手に屋根に上がり作業を始めたと。作業後、業者から「このままでは雨漏りがする」、「早急に修理工事が必要」と長い時間勧誘されて、断っても帰ってもらえず、一人暮らしですから、一人で対応するのも疲れ果て150万円の契約書にサインしてしまった。事業者から見せられた写真が本当に屋根の状態なのかどうか疑わしい。既に足場を組み始めているが解約できるだろうかという相談なのですけれども、次のページをお願いいたします。
こういった点検商法の消費生活センターでの対応なのですけれども、訪問販売ですから、クーリング・オフの期間内であればクーリング・オフ行使を助言します。ただし、高齢者の場合は、クーリング・オフ回避を受けることがないよう、クーリング・オフ行使について、既払い金の返金とかをきちんと受けたかどうか最後まで見届ける必要があります。最終的にはそういった確認をして解決ということになります。
それから、クーリング・オフ期間を過ぎた場合なのですけれども、消費生活センターでは高齢者の方にも経緯書面というものを書いてもらい、あっせんに入りますが、法定書面に不備があればクーリング・オフの通知を出したり、事業者に不実告知があった場合は、特定商取引法や消費者契約法での取消し通知を、また困惑を招くような不当な勧誘があった場合は、消費者契約法による取消しの通知を出してもらい、消費生活センターにおいて電話や面談で話合いを行っております。
しかし、特定商取引法や消費者契約法による申出内容を事業者が理解しない場合、言った言わないで認めない場合、特に現金を支払いしている場合は非常に返金を受けるのが困難な場合があります。クーリング・オフとして法的に行使をしても、事業者が現金払いだとなかなか返金をしないというケースがあります。それから、10万円程度の金額の場合、弁護士さんに受任してもらっても弁護士費用との兼ね合いがありますので、委任を諦めるケースが多いです。
それでは、次のページをお願いいたします。
次は定期購入なのですけれども、高齢者でも非常に多い事例です。持病があり、体の衰えを感じる年齢なので体力をつけたいと思っていた。活力がつくサプリメントが定価78パーセントオフで買えるというインターネット広告を見て、まず1回お試しのつもりで購入した。初回分が届いた数週間後に2回目が届き、妻が受け取ってしまった。定期購入になっていたようだ。私は医師から処方された医薬品を服用しており、妻が薬とサプリメントの飲み合わせを心配しています。最近、機能性表示食品による健康被害のニュースがあり、より不安になった。それで解約したいという事例なのですけれども、高齢者は通院をしている方が多くて、既にお医者さんのほうで薬を服用している方の相談も非常に多いです。さらに改善したいということで、広告にあるサプリメントをお試ししてみようと思って買うのですけれども、それが定期購入になっているというケースですが、消費生活センターではこのような対応をしております。
次のページをお願いいたします。
高齢者は、まず定期購入のトラブルに遭ったことに気づいても、事業者への問合せを自分で行っていないまま消費生活センターに相談するケースがとても多いです。定期購入ですから、なかなか相談をせずに2回目、3回目と届いて非常に被害が高額化しており、それから長期化することもあり、消費生活センターでの助言やあっせんが必要です。しかし、解約方法の助言を行っても高齢者は自分でできません。スマホ操作を支援するような人が必要です。最終確認画面において誤認されるような表示等で誤認して申し込んだ場合は、取消しができることを説明しても、高齢者の場合、最終確認画面がどのようであったか覚えていなかったり、通知を出すことも難しいため、直接事業者へあっせんする必要があります。現在、消費生活センターから申出をすると、こういった定期購入の事業者さんはある程度対応するのですけれども、こういったあっせんができる相談窓口のところは救済される場合もあるのですけれども、非常に相談が多くて、また相談員が不足しているところでは、事業者にあっせんをするということの対応ができない窓口もありますので、なかなか自主交渉では高齢者は解決をしておりません。
それでは、次のページをお願いいたします。
もう一つ、対策としては、スマホ画面での取引内容や解約条件、最終確認画面でよく確認しスクリーンショットなどの記録を残すようにしましょうということを、最終的に私ども、消費生活センターではアドバイスをしているところでございますけれども、高齢者の場合、こういった被害に遭いますと、私はもうインターネットで購入はしませんと決断する高齢者も多いのです。社会のデジタル化から取り残されてしまいます。高齢者のデジタルデバイドの課題もこの定期購入ではあります。
それから、次のページをお願いいたします。
判断力が不十分な高齢者の事例です。訪問販売ですね。一人暮らしの母の家に久しぶりに行ってみると、新しい敷きパッドと羽毛布団に寝ており、どうしたのか聞いてみると、「布団業者が来て、この敷きパッドを勧められたので買った」と言う。押し入れを開けてみると、他の敷きパッドや掛け布団が数点あった。母に尋ねても、いつ何をどの事業者から買ったのか分からない。預金を下ろしたり年金で払っているようだ。母が言うには、明日事業者がお金を取りに来るが、お金がなくて払えないと困っている。そして、通帳を見ると、年金日からまだ日にちがたっていないのに、ほとんど下ろしてしまっていてお金がない。テーブルを見ると、新聞代とか電話代も滞納している請求書があり、払っていないようだ。それから、母は最近物忘れがあるが、認知症の診断は受けていないということで、こういった事例がありまして、消費者センターでの対応なのですけれども、次のページをお願いいたします。
まだ認知症の診断が出ない段階の軽度の認知症、MCIの相談者の場合は、相談の電話や来所対応ができるため、家族に協力してもらい聴き取りを行っています。ただ、聴き取りにおいて契約のきっかけや業者の説明内容、なぜ必要のない商品を購入させられているのか覚えていません。聴き取りが非常に困難で、事業者の販売方法の問題点が出てきません。消費生活センターでは、まず本人の意思確認が必要ですから、このように電話で確認したり、来所してもらって意思確認をするのですけれども、本人が必要のないものを販売されたということや、どのように販売されたか覚えておりませんので、主張がないわけなのですね。それで、家族から判断力がない母親への問題ある販売ということで、認知症の診断書などを取ってもらうようにしますけれども、本人が自分は認知症でないから病院へ行かないとか、それから、実際に診断が出ないこともあって、業者への交渉は非常に難しくなっております。
それでは、次のページをお願いいたします。
消費生活センターの介入で解決しても、解決できなくても相談者の今後の生活を支援するために、地域包括支援センターへの案内、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業や生活困窮者自立支援制度の案内などを行い、連携してこのような判断力がない方の見守りをしていく必要があることを家族に説明して、協力を促しております。また、認知症の程度が重い場合は、家族に成年後見制度を案内しております。
消費生活センターで他部署との連携を取ることが必要な事例ですけれども、実際に相談が多くて、本当に日々電話相談に追われる消費生活センター、消費生活相談窓口では、こういった連携のための情報交換の時間もないのが実情です。また、現在、担い手不足ということで相談員が足りない状況では、こういった高齢者への、他部署と連携して解決したり、見守りをしていくということが非常に困難となっております。
それでは、次のページをお願いします。
判断力が不十分な高齢者の今後の相談対応なのですけれども、成年後見制度改正の動きがあり、現行の成年後見制度において審判を受けている人は多くないのですけれども、成年後見人による保護が可能な方は消費生活センターでは相談がないのですけれども、成年後見の審判を受けていない高齢者が多数います。認知機能の衰えの程度は個々で異なりますが、デジタル社会の進展に伴い、消費者トラブルは複雑化し、さらにいわゆる高齢者の付け込み型勧誘による深刻な消費者被害は後を絶ちません。
消費生活センター、消費生活相談窓口の相談員、行政、福祉関係者との更なる連携が必要ですが、先ほども御説明したように、消費生活相談員は担い手不足問題もあり、日々の窓口の相談を受け、他部署との情報交換や認知症高齢者へのアウトリーチなど、どこまで対応できるかが課題となっております。
それでは、次のページをお願いします。
私どもでは、11月21日に公開シンポジウムを開催することになりまして、テーマとしては「変わる成年後見制度、消費者保護のこれから」ということでシンポジウムを開催することになっております。判断力不足の高齢者の方の対応については、今後、対応できるような法制度、それから消費者安全確保地域協議会というものを設置している自治体も多くありますけれども、もっと充実した見守りネットワークが必要ではないかという課題を 持っております。
私の説明は以上です。御静聴ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
続きまして、日本弁護士連合会の洞澤委員長、大高副委員長、井上副委員長、よろしくお願いします。
○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会洞澤委員長 おはようございます。日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の委員長の洞澤でございます。
本日は、内閣府消費者委員会との意見交換会という貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。本日、お手元に配付した2つのテーマについて御説明差し上げる前に、特に資料等は設けていないのですが、私より御挨拶を兼ねまして、当委員会の活動を踏まえた全体のお話をさせていただければと思います。
当委員会は、現在、取引、安全、行政、教育、横断的分野など18の分野にまたがる部会を擁しておる日弁連でも最大級の委員会となっております。委員.幹事が日々活動をして、意見書などの発出などに尽力をしているという状況でございます。
現在、消費者問題が多岐にわたる課題を抱えているということは言うまでもございませんが、当委員会においても、ここ数年にわたり様々な意見書の発出に尽力してまいりました。貴委員会の第470会会議で配付された「次期消費者委員会への移行に当たっての留意事項」を拝見すると、当委員会として意見書の発出に中心的な役割を担い、日弁連としての意見書を発出してきた第5期消費者基本計画、悪質商法被害防止のための特商法の早急な改正、公益通報者保護法の更なる改正と制度の充実、消費生活相談体制をはじめとする地方消費者行政の維持・強化、キャッシュレス決済に関する制度の整備、金融経済教育の理念に沿った体制整備の展開、インターネット上の詐欺的定期購入被害への対応など貴委員会におかれても共通の課題について活動に取り組んできてくださっていることに敬意を表するとともに、第9次消費者委員会におかれましては、さらに関係諸団体、様々な世代にわたる消費者との意見交換会を実施し、独立した組織としての消費者行政全般への監視機能を果たしていただくことを切望する次第でございます。
貴委員会への要望として、当委員会の関心事を全て挙げることは困難ですが、本日は、安全分野として本年7月に発出しました「サプリメント食品に関する法規制の早急な整備を求める意見書」、取引分野として現在未発出ではありますが、当委員会として早期の検討の実現を切望する消費者法制度パラダイムシフト専門調査会報告書について、当委員会が10年以上前から同報告書の目指す方向性と同様の趣旨で発出してきた意見書を踏まえて要望を具申する次第です。
なお、当連合会では、このほかに本年9月18日に「特定商取引に関する法律等の改正を消費者保護の基軸に立って速やかに行うことを求める意見書」というものを発出させていただきました。2021年以降、トクリュウが絡んでいると言われる悪質訪問販売は増加傾向にありますし、インターネット時代に対応できていない通信販売規制改正の動きはなく、悪質マルチ被害の高止まりの状況の中、特商法改正の動きが全くないという意味でも、目の前の被害救済のために必要とされる早急な法改正の必要性という喫緊の課題について意見を述べたものでございます。こちらについてもぜひ御覧いただければ幸いです。
それでは、本日は2つのテーマについて具申をさせていただく次第でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会井上副委員長 消費者問題対策委員会副委員長の井上と申します。私からは、今年度の7月17日に発出しました「サプリメント食品に関する法規制の早急な整備を求める意見書」の概要について簡潔にお伝えし、意見書そのものは資料として提出させていただいておりますので、その取りまとめた背景や経緯、問題意識など、この意見書に含まれているものを委員の皆様に共有させていただきたいと考えております。
まず、取りまとめた背景ですけれども、何より去年、令和6年3月22日の小林製薬の健康被害事例がございます。日弁連は、健康食品関連の意見書としましては、過去に5本発出しておりまして、1本はいわゆる「健康食品」の表示・広告規制の在り方について、そのほかの4本は機能性表示食品制度についての意見書を発出しております。このたび発出しました意見書は、サプリメント食品そのものに関しては初めてでございます。
去年3月22日に小林製薬が健康被害事例をプレスリリースしてから、サプリメントの危険性として、精製・濃縮過程の安全性リスクですとか、濃縮による過剰摂取のリスク等が明らかになってまいりました。4月から5月にかけまして、消費者庁で機能性表示食品を巡る検討会が行われまして、検討会報告書が取りまとめられたときに、最後に意見として、サプリメント形状の加工食品に関する規制の在り方についても今後の検討課題とすべきとの意見があったと明記されました。その後、5月31日に紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合におきましても、今回の事案を踏まえた更なる検討課題の最後に、このように記載がありました。「今回の事案を受け、食品業界の実態を踏まえつつ、サプリメントに関する規制の在り方などについて、必要に応じて検討を進める。」これを受けまして、貴委員会のほうで令和6年7月16日に諮問に対しての附帯意見とともに、サプリメント食品に係る消費者問題に関する意見を発出されました。これを受けまして、日弁連でも今回の意見書の検討を始めた次第でございます。
この意見書を取りまとめるに当たりまして、ちょうど1年くらいかかっているわけですけれども、それに並行して、消費者庁や厚労省においては、機能性表示食品制度の見直しが行われてまいりました。食品表示基準の改正などによってGMP基準が義務化されたり、食品衛生法施行規則が改正されて健康被害情報収集・提供が義務付けられたり、新規成分の届出に日数が設けられたり、そういった機能性表示食品と特定保健用食品につきましては食品表示基準や食品衛生法規制の改正によって対応がなされました。
ただ、我々として問題意識を持ちましたのは、以下の6点でございます。
まず、サプリメントとしての危険性、先ほど申し上げました精製・濃縮過程での安全性リスクですとか過剰摂取による健康被害リスク等々については、その他のいわゆる「健康食品」と言われるものについても同じだと考えておりますが、この問題が置き去りになっているのではないかという点が1点。この問題に関しましては、諸外国ではサプリメントに着目した規制をしていて、GMPは全て義務付けられているところが多いという点。
2番目ですけれども、表示だけの問題ではない安全性、機能性の問題が食品表示法で取り扱われ続けている、法律の枠組みには限界があるのではないかという問題意識。
3番目ですけれども、届出制である機能性表示食品について、例えば新規成分の120日ルールですとか、届出後の遵守事項など、実質的に許可制化しているのではないかという問題意識。
4番目ですけれども、健康食品、保健機能食品、様々なものがございますが、制度が複雑で分かりにくいままになっているのではないかという問題意識。サプリメントという摂取目的、形状、性質に着目した包括的な法律にしたほうが分かりやすいのではないかという問題意識。
5番目ですけれども、一番難しいと言われているサプリメントの定義ですが、これを法律等で定めることなく食品表示基準別表の文言解釈等々で示そうとしているのは問題ではないかという問題意識。今現在、食品表示基準別表第26の4や26の6において「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」という形で定義がなされていて、それに当たらない合理的な理由があれば外される。この解釈によって、サプリメント食品とは何かといったような分析がなされているようですけれども、法律においてきちんと定めるべきではないかという問題意識でございます。
6番目、最後ですけれども、サプリメントの摂取目的や危険性に鑑みれば、表示や広告についても一般の他の食品よりも、より医薬品に近い形での取り組みが必要なのではないかといった問題意識でございます。
これらの問題意識を持って、その他いわゆる「健康食品」も含めたサプリメント食品の包括的、横串的な法律が必要ではないかと考えて、意見書を発出いたしました。
意見書の概要につきましては、今表示いただいております提出資料の1ページ目に概要を本当に簡単なものですけれども書かせていただいておりまして、営業許可の許可制、GMPをその他いわゆる「健康食品」も含めて義務付け、食品表示も許可制にすべきではないかといったところや、健康被害情報の提供だけではなく公表も義務付けるべきではないかというところと、虚偽誇大広告については、医薬品の規制と同様の「何人も」といったものが必要ではないかというところと、あとは注意喚起や啓蒙活動も明文化してほしいというものです。
補足ですけれども、許可制というように記載はしておりますが、全ての健康食品について臨床試験必須の特定保健用食品のみというように考えているわけではございません。むしろいわゆる「健康食品」を放置せず、いかに規制することができるかというところに問題意識を持って、この意見書を発出させていただいております。
サプリメント食品の定義づけというのは非常に難しい問題であることは認識しておりますが、日弁連として一つの提案として、この意見書の発出をさせていただいた次第です。
以上です。
○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会大高副委員長 最後に私、大高のほうから、パラダイムシフトの報告書に対する日弁連のこれまでの意見につきまして御紹介したいと思います。
2つ目のスライドをお願いします。
先ほど洞澤委員長からもございましたように、パラダイムシフトの報告書につきましては、日弁連としても非常に大きな関心を持っておりまして、現在、意見書を出す方向で会内で議論を進めているところでございます。こちらはまだ公表できる段階ではございませんので、本日はこちらのスライドにありますとおり、このパラダイムシフトの研究会テーマに沿ってこれまで日弁連が出してきた意見書等につきまして、関連するものを御紹介したいと思います。よろしくお願いいたします。時間の関係もありますので、今日は4つにテーマを絞ってお話をしたいと思います。
それでは、次のスライドをお願いいたします。
まず1点目でございますけれども、御承知のとおり、パラダイムシフト報告書の一番大きな特徴の一つは、消費者であれば誰しも多様な脆弱性を有するということを認めた上で、こういった多様な脆弱性を有する消費者が安心してかつ安全に取引に関わることができる環境を整備することが消費者法制度の構築に当たって重要であるとした点ではないかと思います。
この消費者の脆弱性という視点につきましては、私ども日弁連においても従前から再三にわたり指摘したところでありまして、様々な意見書等で触れております。とりわけこのスライドにございますように、2021年10月の日弁連の人権擁護大会における「超高齢社会において全ての消費者が安心して安全に生活できる社会の実現を推進する決議」におきましては、高齢者が健康・経済不安、判断力低下等により多様な脆弱性を持っている。また、それだけではなく、情報化・複雑化によって誰もが一時的に脆弱になり得るという認識を基にしまして、こういった多様な脆弱性を考慮した消費者政策を推進する必要があるということを指摘しております。
このような考え方に基づき私どもがこれまで提言してきた法制度は様々なものがございますけれども、主なものとしては、こちらのスライドの2014年の日弁連の消費者契約法改正試案にありますとおり、つけ込み型不当勧誘に対する一定の民事ルールでありますとか、その他の様々な民事ルールの導入であるとか、先ほどの決議で提言をした消費者本人の意思決定支援に対する取組等でございます。
続きまして、2つ目のスライドにまいります。
2点目は、デジタル取引における消費者を保護する法制度の整備でございます。パラダイムシフト報告書においては、デジタル取引技術の進展が消費者取引に与える影響を指摘するとともに、これに着目した規律の整備が必要であると提言しているというふうに認識しております。この点につきましても、私ども日弁連は同様の視点から様々な意見を述べてきているところでありまして、先ほど御紹介しました2021年の人権擁護大会における決議においても、商品やサービスの内容が複雑化・多様化し、IT化の進展等が見込まれるところからすると、こういった全ての人が遭遇する一時的な脆弱性というものも一層拡大するという問題意識を指摘しております。
これを踏まえ、このスライドにありますとおり、幾つかの法制度提言をしておりまして、例えばインターネット関係のネット取引に対する包括的な取引と適正化の提言などがございます。また、これは2022年の意見書においても指摘をしております。
これに加えまして、プラットフォーム事業者等の責任につきましても、2015年の意見書もしくは2021年の意見書において、ショッピングモール運営業者に対する販売業者の一定の対応義務でありますとか、デジタルプラットフォーム事業者に対する取引の場の安全確保義務を提言するなどしております。
続いて、3つ目のスライドにまいります。
3点目に述べておきたいのは、消費者取引を分野横断的にカバーする包括ルールの整備でございます。パラダイムシフト報告書におきましては、抽象的な規範と具体的な規範のベストミックスが求められるとし、規範設定における抽象的規範の必要性を指摘されているかと認識しております。日弁連におきましても、行政ルールについてではありますけれども、こちらに御紹介しております「公正な消費者取引を確保するために分野横断的に適用される行政ルールの整備を求める意見書」におきまして、業種業態を問わず適用される包括的な抽象的な規範の必要性をかねてから指摘しているところでございます。このような考え方に基づきまして、例えば不公正な取引行為を明確化するでありますとか、包括的な民事ルールの整備といったことを提言しているところでございます。
次のスライドをお願いいたします。
最後に申し上げておきたいのは、ルールを守る意思のない悪質事業者に対する対応強化であります。どれだけよいルールを整備しても、ルールを守る意思のない事業者に対しては、やはり別途の対応を並行して考えていく必要があると考えております。パラダイムシフトの報告書においても、法規範の尊重が期待できない悪質事業者に対しては、官民総力を挙げて市場から排除すべきというふうにしているかと思います。私どももこのような悪質事業者の対応強化につきましては、様々な手法を駆使して対応すべきであるということを主張してきたところでございます。
こちらのスライドにございます「詐欺的商法の一種であるポンジ・スキーム事案についての行政による被害回復制度の導入を求める意見書」、こちらは悪質事業者の典型であるポンジ・スキームに対する意見書でございますが、現行法制では被害回復がほとんど図られていないとの問題認識の下、現行の手法にとらわれない新たなスキームが必要であることを提言しているところでございます。項目だけ読み上げますと、違法収益吐出型の被害回復制度でありますとか、もしくは破産型の被害回復制度、もしくは悪質事業者に利用されやすい取引類型に対する開業規制の導入、決済代行業者の加盟店に対する調査措置義務の明確化等、様々な法制度の提言をしているところでございます。
個人的な意見となりますが、今回のパラダイムシフト報告書は、これまで述べましたとおり、多くの点で私ども日弁連が提言してきた方向性に基本的には合致しているように思っております。消費者庁においては、まだこの報告書を受けた具体的な検討組織の立ち上げには至っていないというふうには認識しておりますけれども、ぜひとも速やかに検討組織を立ち上げていただいて、今後の議論が進展していくことを期待いたしております。消費者委員会におきましても、引き続きこの問題に取り組んでいただきますようお願いをいたしまして、日弁連からのプレゼンテーションを終了したいと存じます。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
続きまして、日本司法書士会連合会の川戸委員長、浅田委員、森田委員、お願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 日本司法書士会連合会の川戸でございます。オンラインでの参加になっておりまして、画面と声のほうは大丈夫でしょうか。
○鹿野委員長 お声もよく聞こえております。よろしくお願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 ありがとうございます。お願いいたします。
本日は、このような意見交換の機会をいただきまして、ありがとうございます。日本司法書士会連合会の消費者問題対策委員会委員長をしております川戸と申します。よろしくお願いいたします。
事務局のほうで、もしよろしければ画面の共有をお願いしたいと思っております。本日、「第9次消費者委員会への要望について」と題しまして、資料のほうを用意させていただいております。
こちらの中身に入る前に、資料は用意しておらないのですけれども、我々日本司法書士会連合会の消費者問題対策委員会の活動等について、最初にまずお話をさせていただきたいと思います。
まず、司法書士は、当然、登記と財産管理等をやりますが、それ以外にも簡易裁判所における訴訟代理権を有している司法書士がおりまして、消費者被害の救済や相談活動をしております。令和7年の消費者白書によりますと、平均の契約購入金額が87.8万円、平均既払い額が48万4,000円となっておりまして、我々が代理権を有する総額140万円以下に該当する事件も少なくないものと思っております。
我々消費者問題対策委員会としましては、限られた人数ではあるのですけれども、各種の法令やガイドラインへの意見の発出や、消費者問題に関しての研修やシンポジウムの開催などを行っております。シンポジウムに関しましては、ここ3年、「再考 デジタル化時代の消費者取引の課題」と題しまして、デジタル化の進展に伴う消費者問題に関する様々な論点を取り上げてまいりました。1年目は不当な勧誘による意思形成過程という取引の内面部分についてをテーマとし、2年目は取引による人や目的物などの取引の外面部分をテーマとしまして、3年目は事業者と消費者が取引関係を開始する端緒となる広告をテーマとするシンポジウムを開催しております。
消費者委員会様においても、こういった意見交換会をはじめ、デジタル化と消費者問題に関してはワーキンググループを立ち上げるなどの対応をしていただいておりまして、引き続きこういった御対応をお願いしたいと思っております。
それでは、この「第9次消費者委員会への要望について」という用意させていただきました資料を基に、順番に3つのテーマでお話をさせていただきます。
まず1つ目のテーマを森田委員からお話しさせていただきます。よろしくお願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会森田委員 日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会の森田と申します。私の音声のほうは聞こえていますでしょうか。
○鹿野委員長 大丈夫です。よろしくお願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会森田委員 ありがとうございます。
私のほうからは、1つ目の事項としまして、「個人事業者を狙う様々な取引被害に関する調査・審議」という点について御説明をさせていただければと思います。
個人事業者を当事者とする取引被害、少なからず発生しているということで、例えば提携リースですとか不動産のサブリース、あとは求人広告だとかフランチャイズの契約、こういったものに個人事業者が契約に巻き込まれて被害を受ける事例は少なくないと思います。実際に私が実務で経験した事例としましては、開店休業状態の中古車販売店に対して、高齢の経営者に仕事には全く必要のない電話機を高額のリースで売りつける事例ですとか、外国人向けに食材を販売する店舗で、日本語に不慣れな外国人店主に対して電力会社の切替えの契約をさせるというような相談を受けたという経験もあります。
このような個人事業者をターゲットにした取引被害は、やはり隙間事案ということで、特定商取引法ですとか消費者契約法が適用されないというところで、その辺を事業者も分かった上で勧誘しているということがあると思います。実際に受任をしてみても、被害回復が難しいというハードルがあるところで、今回の提言としましては、こういった個人事業者を狙う様々な取引被害に関して調査・審議を進めてみてはいかがかなということを提案させていただきます。
消費者委員会の所管事務である消費者については、これまでは消費者契約法の消費者の定義に準じたものであったという風に理解をしております。なので、消費者委員会の例えば建議ですとか提言、意見、答申において、こういった取引被害が消費者に該当しないという風に整理がされて、恐らく消費者委員会の中で取り上げられることがなかったという風に理解をしております。
ただ、今年7月に発出されました「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会報告書」を一読しますと、脆弱性についても消費者法制度の基礎に置く必要性が指摘されているところであると思うのですけれども、状況的な脆弱性については、消費者だけではなくて個人事業者であっても同様であるかなと考えております。
報告書においては、生活領域における非事業的な活動を行う生身の人間であることから、消費者には様々な脆弱性があるとされておりますけれども、この点について、個人事業者であっても、非事業的な活動と事業活動の2つによって日々の生活が形成されているところです。報告書では、消費者の捉え方として、生活者まで広げることは自然としているということが書かれておりまして、個人事業者であっても非事業的な活動、生活空間の場面では消費者となり得ること、それから、事業活動の場面においては非事業的な活動を前提とした勧誘が行われる可能性もあり得るというところからすると、個人事業者の状況的な脆弱性に付け込む取引被害については、消費者委員会の所管事務の範囲として捉えてもよいのではないかということを考えております。
私のほうからは以上です。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 それでは、次のページに移っていただきまして、2項のほうを浅田委員からお願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会浅田委員 消費者問題対策委員会の委員の浅田と申します。
私のほうからは、レジュメ2枚目の「いわゆる“終活”関連の取引に関する調査・審議」について御説明させていただきたいと思います。
現在、超高齢社会を迎えまして、いわゆる終活関連の取引も多く行われております。そして、それに併せて消費者トラブルも生じております。例えばお墓・葬儀に関する契約のトラブルとしましては、墓じまいを依頼した際に、価格やサービス内容について十分な説明がなく、高額な費用を請求されたとか、家族葬のような質素な葬儀を希望したのに、高額な料金を請求されたなどの相談が寄せられています。葬儀で提供されるサービスの費用の項目というのは複雑なものが多く、短い時間で様々な判断をしなければならないことが多いために、葬儀会社と十分な話合いができないこともあり、トラブルが内在化していると思います。
また、不動産や動産の買取り・引取りに関する契約のトラブルもあります。自宅を売却した後もその家に住み続けられるといううたい文句でリースバックをさせる事例がありますが、このような事例では強引な勧誘があったり、契約期間の満了で突然退去を求められたりする場合もあります。この場合、事業者側の説明が不十分で消費者の理解が不足していたりすると、サービス内容に納得できずにトラブルになることもあります。
生活の拠点である不動産に関する深刻なトラブルでは、契約した高齢者自身が被害者となるだけでなく、相続開始した後に相続人がトラブルに遭う場合もあります。さらに、身元保証など高齢者サポートサービス事業では、契約時のトラブルとしては、賃貸借契約の連帯保証に関するもの、契約内容が複雑であることから内容をよく理解できていないにもかかわらず、高額な契約をしてしまったというトラブルがあります。また、預託金管理の問題やサービスの履行状況の確認が困難であることから来るトラブル、解約時の返金額に納得できないといったトラブルがあります。この3つ目の身元保証等の高齢者サポート事業に関する取引被害に関しては、内閣府消費者委員会のほうで平成29年に「身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議」が発出されておりますし、内閣官房から厚生労働省や消費者庁などの関係省庁と共同で令和6年6月に「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を発出されています。これら高齢者サポート事業以外の取引類型は、先ほど事例を挙げましたお墓や葬儀に関するトラブルを誘引する取引や、不動産などの買取り・引取りに関する契約トラブルに係る取引、その他の取引類型については消費者の脆弱性に付け込んだ被害が生じておりますので、内閣府消費者委員会でも引き続き取り上げていただき、調査・審議をしていただきたいと考えております。
以上です。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 それでは、事務局のほう、もう1ページ、3のところをお願いできますでしょうか。私、川戸のほうから、3項目の「悪質事業者の手口と現行法や運用上の課題に関する調査・審議」のところについてお話しさせていただきます。
現在、デジタル化の進展により、消費者が取引関係に入ることが容易となりました。また、その一方で、契約締結までの過程が早くなって、消費者が熟慮することが難しくなったり、ダークパターンやターゲティング広告などによって消費者の脆弱性が作出されるといった問題があると考えられております。
悪質業者に関しましては、そもそもパラダイムシフトの報告書にもあるとおり、法令を遵守するつもりが最初から全くないような業者もあり、こういったデジタル化によるツールも利用しながら消費者被害を発生・拡大させております。
また、それ以外にも、こういった取引に関しては、販売業者、広告業者、デジタルプラットフォーマー、決済関係の業者など複数の者が複雑に取引に介在することで、適用法令や責任追及の相手方が複雑となったり、匿名性が高いことによって相手方への責任追及や被害金の回復が困難な事例などが発生をしているかと思います。また、取引の端緒になった広告などが再現できない問題などが発生しているという風に考えております。
この点、黒丸の1つ目のところでお話をするところでありますが、消費者取引におけるデジタル化等により、複数の者が役割を分化して取引に介在すること、詐取した金銭(資産)の追跡の困難性、証拠となり得る表示の消去・改変容易性、相手方の特定が困難などの問題が発生していることを御指摘させていただいているところです。
そのうち、特に黒丸の3つ目に関しまして、昨今発出されました消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会報告書にて、デジタル情報の事業者による保存や消費者による証拠保全などが記載されたことについては、こちらも賛同するものであります。
ただ、悪質事業者は、黒丸の2つ目にあるように、短期間に法人をつくって荒稼ぎをした後に解散をすると、いわゆる法人の設立と解散を繰り返すことで責任追及から逃れるといったことも行っておりまして、こういった事業者に対しては、関係した役員等の責任追及も含めて、短期間での効果的な対処を行う必要があるということが考えられるかと思います。こういった形で、黒丸の3つ目にあるようなやり得というものを許容しないことが必要かと思います。
昨今出ましたパラダイムシフトの報告書にもあるとおり、こういった悪質業者に対しては、総力を挙げて市場から排除するという姿勢が示されているところでありますので、「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」にあるような、例えばデジタル通信の悪質なメッセージや広告に対して警告を発するとか、そういったいろいろな対策が掲げられているところですので、そういったところの効果にも留意をしつつ、横断的な対処をして悪質業者を市場から排除していくことが必要ではないかと考えているところであります。
消費者委員会様におかれましては、こういったデジタル化による取引、それから悪質事業者への対応、それ以外にも述べました1、2、3のテーマにつきまして、引き続き御対応をお願いしたいところと考えております。
日本司法書士会連合会のほうからは以上になります。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
続きまして、ダークパターン対策協会の小川代表理事、お願いいたします。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 皆さん、おはようございます。ほとんどの方が初めましてだと思いますので、お初にお目にかかります。ダークパターン対策協会で代表を務めております小川と申します。
今日、皆様のいろいろなお話を伺っていて、消費者被害が発生した後の対策、法規制をどうするかというところはすごく課題があると感じましたが、我々がやろうとしているのは、消費者被害に至らないように入口のところでできるだけ被害を減らしたいというところです。完璧はないのですけれども、今よりも被害を減らすために何かできないかなというところの活動を行っている団体であります。初めてですので、簡単に我々がどんなことをやっているのかを最初に御紹介させていただいた上で、要望を述べさせていただければと考えております。
今映していただいておりますけれども、4ページです。
我々は何をやっているのかというところでありますが、一番大きなところはNDD認定制度の構築・運用というものになります。この制度についてはこの後お話をしたいと思っておりますが、平たく言いますと、誠実なウェブサイトを審査・認定して、改ざんしにくい認定マークを付与するものです。先ほどから生活者、消費者の方々の脆弱性の問題というのがありますけれども、ぱっと見て、ここはちゃんとしていると、ここだったら安心して取引できますよということが分かるようにするというのは、脆弱性を抱えていらっしゃる方々に対しても有効なのではないかなというところで、このNDD認定制度というのを開始しようとしております。実は明日から開始する予定になっております。
あと左側、事業内容の大きなところでいきますと、5番目のダークパターン・ホットラインの運用というのをやっております。これは7月15日から開始しておりまして、今日で丸3か月になりますけれども、消費者の方々からダークパターンを見つけたときに通報していただく窓口を運用しております。3か月単位で集計して、今どういった手口が流行っているのかということに関して、統計情報とともに来月、1か月後ぐらいにレポートを出そうと思っております。消費者の方々に対する注意喚起、今こういう手口がはやっていますよということと、あと事業者の方々に対しては、これをやったら消費者から嫌われますよということの情報を出していこうと考えております。この辺りを大きな取組としてやっているところです。
あと、川野先生が最初に消費生活相談員協会さんのほうでお話しいただいていましたけれども、前の理事長の増田先生にも理事に入っていただいているところですが、我々は企業側と消費者側とバランスを取って、両者がより良い関係を築けるように支援できればなと思っています。消費者の中には何でもかんでもダークパターンだと過度におっしゃられる方が特にSNSとかでありまして、X等でつぶやいて、ノイジーマイノリティー問題だと思いますけれども、何でもかんでもダークパターンだと言い出すと、無料のオンラインサービスなんてできなくなるわけですね。広告モデルが破綻しますので、どこまでは誠実な取組で、どこからは、これはやっちゃいけないでしょうみたいなところというのは、我々も研究しながら示していけるようになるといいなと思っております。
ダークパターンの問題のところに入っていこうと思います。5ページ、6ページのほうですけれども、ここはもう皆様には釈迦に説法ですので、ダークパターンが何かみたいな話はしませんが、今、どれぐらいの被害が生じているのかというところ、ダークパターン対策協会の前身の組織、Webの同意を考えようプロジェクトというところで500名アンケートを取った結果、年間の1人当たりの被害額は約3万3,000円で、これはインターネット人口で逆算、推計しますと、被害が1兆円を超えてくるというようなものになっています。今、年間のECの取引高が日本では25兆円を超えてきたところですので、大体4パーセントぐらいがダークパターンによる被害になってしまっているということで、これはもはや看過できない状況になっていると考えております。
7ページですけれども、ダークパターンはなぜ事業者が使うのかというところでいきますと、やはり短期的な売上げ増というところ。あと、間違った勝ちパターンが横行という風に書いております。これは下の段落にありますけれども、典型的なパターンとして、ウェブサイトで縦スクロールの長いランディングページ、ウェブページがあって、その中で商品・サービスを説明していくわけですけれども、ナンバーワン広告から始まって、本当かどうか分からない口コミ、このページを見ているあなたはラッキーです、今だけ90パーセントオフですとかあり得ないぐらいの値引きがあって、ただ、大人気商品なので在庫があとわずかです、このページを閉じたら二度と買えないかもしれませんみたいな感じで、どんどん消費者の心理を縦スクロールの中で煽っていくのですね。
もの凄く安い金額だから、これだったらお試しで買ってもいいかなと思ったら、実は最終購入画面の規約のところで、画面内にある規約をスクロールして下のほうとかに行かないと、90パーセント割引は定期購入半年が条件ですとか、追加の情報が実は見えないところに隠されている。ただ、表示はしているので、法律上は引っかからないみたいなところがあったりします。
こういったものを使って消費者被害が生じているところで、このランディングページのパターンというのが、皆さん、特に中小企業及びウェブの制作ベンダーさんは、これがダークパターンで悪質に騙してやろうと思ってやっているわけではなくて、こうやると儲かりますよみたいなデザインパターンが出回ってしまっているのですね。そうすると中小企業の方は特に、日々の仕事で売上げを立てるのに苦しんでいらっしゃるので、もうかりますよと言われたら無邪気に採用すると。ウェブ制作会社さんもあまり考えずに、こうやったら儲かるんだというデザインパターンが広まっていますので、それを売っているというようなことが多々起きたりしています。もちろんそうではなくて倫理観があまりよろしくない会社、それから売上げ至上主義みたいな会社がわざとやっているケースも中には当然ありますけれども、ダークパターンのほとんどは中小企業、全国に広がっていますけれども、意図せずやらかしてしまっているのが現状かなと思います。
この中で被害に遭いやすいのが、先ほどからありました脆弱性のある方々です。特に高齢者の方々です。お金も時間もあるのだけれども、最近スマホやタブレットを持ち始めて、あまり慣れていらっしゃらないというところ、これは被害に遭いやすい。75歳以上の方々が被害に遭いやすいというのが我々の中では出ています。さっき国民生活センターさんのものだと65歳以上で、85歳を超えてくると訪問販売となっていましたけれども、やはりそういうところはあるのだと思いますが、その間の方々が結構やられているというところが見えています。それから、アルバイトでお金を持ち始めて、ただ、まだ社会経験が浅い高校生、大学生の方々もよくやられてしまっているというのが現状かなと思います。
我々が問題にしているのは実はウェブサイトでして、ウェブだけではないじゃないか、スマホもあるじゃないかというところはあるのですけれども、スマートフォンのほうは一応総務省のSPSI、スマートフォンプライバシーセキュリティイニシアティブ、それからアップル、グーグルの審査もありますので、一定程度歯止めはかかっていると。ただ、スマホ新法でアップル、グーグルの審査を抜けてしまうところもあるので、逆にここは被害が広がるおそれがあってちょっと怖いなと思っていますが、ウェブのほうは誰も見ていないので、無法地帯になっていますよというのが今の一番大きな問題かなと思っています。
8ページが今起きていることなのですけれども、左側に生活者・消費者がいらっしゃいます。右側にウェブサイトがあります。生活者の方々は、当然ながら様々な理解度、脆弱性を持たれている方もいらっしゃいますし、ウェブサイトは、本当に悪質な故意のダークパターンもあれば、過失のダークパターン、別に悪意を持っているわけではないけれどもやらかしてしまっているところ、これが一番多いわけですが、そういったものもあれば、きちんと誠実なウェブサイトをつくられている、特に大企業さんでしっかりつくられているところもあるわけです。
この中で、どうしても脆弱性を持たれている方はダークパターンのウェブサイトに引っかかりやすい。そこで消費者被害が生じているというところと、もう一点問題は、誠実なウェブサイトがダークパターンのウェブサイトに同じ市場環境で負けるということです。そうすると、正直者がバカを見る状況というのが今、発生してしまっているところであります。これがいいわけがないので、これは何とか是正したいというところで考えるわけですけれども、では、今、法律で何かそこがすぐに対応できるのかというと、皆様御承知のとおりでなかなか難しいというところ、これは9ページに書いております。
詳しくは申し上げませんが、もちろん一番右の明らかな法令違反の欺瞞的行為に関しては取り締まることができますし、消費者庁さんを含めて皆様頑張っておられるのは重々承知しているのですけれども、あまりにも日本の場合だとグレーゾーン、真ん中の領域が大きいというところがあります。同意の形骸化を含めて、いろいろ問題があるというところです。
今、即効性のある包括的な法律をつくるのは難しいのではないかという現状においては、ここのグレーゾーンのところは民間で対処しなければいけないのかなということで我々は活動しているところであります。
この解決策として、NDD認定制度を考案いたしました。
11ページですけれども、先ほどの絵のところから右側です。ウェブサイトの中で誠実なウェブサイトを審査・認定して、改ざんしにくい認定マークを付与する。この丸いマークですけれども、これを消費者、生活者の方々が認知していただくことができるのであれば、これがあれば安全ですねという風に思っていただけるというところ。改ざんしにくい仕掛けを入れておりますので、簡単にはだませないといいますか、マーク自体をコピーするのは簡単にできてしまうのですけれども、そこをクリックすると簡単には改ざんできないような情報を我々は出しますので、その辺りも含めて、消費者の方々に対して啓蒙活動は必要になるのですけれども、この辺りの認知が広がってくると、おのずと被害は減ってくるかなということでこの仕組みを考えてみました。
NDDとは何かといいますと、ノンディセプティブデザインというところで、日本ではダークパターンという言葉が一定程度広がっていますけれども、今、ヨーロッパやアメリカでは、ダークパターンというよりは、ディセプティブパターンとかディセプティブデザインという言葉になっています。これは悪意のあるなしに関わらず、ディセプティブ、欺瞞的であるというところを指しているということです。ダークパターンというとどうしても悪意があるものだけが対象になっているように思われがちなので、悪意の有無に関わらず欺瞞的なものを対象にするためにディセプティブデザインという風になっていて、海外でも通じるように、ディセプティブデザインではないノンディセプティブデザインという形でのアクレディテーション、認定制度というもので名前をつけました。
ただ、我々の協会名は、ディセプティブデザイン対策協会とか言っても日本人は誰も分からないので、ダークパターン対策協会という形にさせていただいております。
NDD認定制度をつくるに当たって、制度構築及びガイドラインの作成のところは有識者の先生方、それから企業のウェブの責任者の方々に加えて、政府の皆さんで消費者庁、総務省、個人情報保護委員会事務局、経産省に入っていただいて、一緒につくってきたというところがございます。
12ページですけれども、3段階の審査で厳しくやりますよというところです。1段階目はまず自己審査チェックシートで、事業者さんが自らチェックをしてくださいと。この自己審査チェックシートというのは無料で配布していますので、ぜひ皆さん、チェックしてくださいということを今アナウンスしているところであります。
それから、2番目、3番目は認定のマークを付与するための審査になります。2段階目が認定審査機関による審査で、今これは適格消費者団体さんが3団体もう既に契約が済んでおりまして、今1団体が契約中という形なので、もう間もなく4団体というところになっております。それから、地方銀行が今20行ほど興味を持ってくださっていて、これから審査員研修、試験というような形で審査員を育てていこうと思っています。これはやはり中小企業にダークパターンが蔓延しているというところもありますので、全国の中小企業を扱っておられる地方銀行の皆さんのお力添えが欲しいというところでお声がけをしている次第であります。あと幾つかコンサルティング会社さんが興味を持ってくださっているところで、この辺りの認定審査機関による審査を経て、我々協会側で最終審査を行い、そこで合格すれば認定マークを付与するという形になります。これは明日から申込み開始という形で始めていこうと思っております。
これまでの動きというところで14ページなのですけれども、7月15日にこの辺り、自己審査チェックシートですとかダークパターン・ホットライン、それから認定マークの公開というところをやりました。あと、文部科学省さんに御協力いただいて、小中高の家庭科の授業でダークパターンの啓蒙教育をやるというところ。これは別に学習指導要領にダークパターン対策が載っているわけではないので、全国一律にいきなり始めるわけではなくて、埼玉県のとある高校の先生、消費者教育に力を入れていらっしゃる先生に御協力いただいて、まずはパイロット授業をやるというのを11月に考えています。この模様を動画に撮らせていただいて、全国の家庭科の先生方に広めていくというところをやろうと。詳しくは明日発表する予定なのですけれども、そんなことをやろうとしているところです。
やはり子供が騙されないように、要は脆弱じゃない国民を育てていくというのは小さいうちからやったほうがいいかなというところがありますので、ここはすごく期待していますし、あと、学生、生徒、教職員、それから保護者の方々を合わせると、小中高で大体3,000万人ぐらいリーチしますと、日本人の4人に1人ぐらいにこの制度が広まっていくというのは効果があるかなと思っていまして、普及啓蒙活動の一つとしてやろうというところであります。あと、経済団体ですとか金融庁さんに御協力いただいて、地銀さんとかそういったところにお声がけをしてきたところであります。明日から審査を始めますというところです。
ここからが課題及び要望というところになります。
大きく2つあります。1つは普及啓蒙に関してというところで、この制度の最大の弱点は、この制度が認知されないと、やろうとしても全く意味がないということです。両面の認知の拡大が必要でして、1つは生活者の方々に認知していただくことが大事であると。それから、もう一つは企業側に認知していただくことが大事であると、この2点になります。いろいろな各省庁の皆さんに御協力いただいて、普及啓蒙にお力添えいただいているのですけれども、ここは引き続き御協力いただけるとありがたいなというところであります。
それから、もう一つ、中小企業はやはりダークパターンをやらかしているところが多いのですけれども、日々の稼ぎで苦しんでいらっしゃる中で、審査費用は1年間で大体13万8,000円かかるのですが、その費用を捻出するのが難しいと。売上げに直結するという風にはやはり認知されないわけですね。消費者との長期の信頼関係を得る上では非常に役立つはずなのですけれども、短期的な売上げ増にはつながらないというところがありますので、ここがなかなか難しいところで、地方銀行さんが20行、興味を示していただいていますけれども、何かしらここは補助できないものかというところの御相談をいただいているのですが、我々は別に何かバジェットがあるわけではないので、この辺りはちょっと御検討いただけるとうれしいなというところがございます。
それから、2つ目、消費者委員会・消費者行政への意見・要望ですが、所轄省庁の明確化というところで、今、ダークパターンはどこが所轄なのですかと、決まっていないですというところがありまして、これが非常に大きな問題であろうかと私は思っています。
それから、省庁横断でのダークパターン対策検討組織体の構築というところです。これが今、分かれていらっしゃるので、消費者庁、総務省、個人情報保護委員会、それから公正取引委員会さんも今研究されていますけれども、ここはやはりしっかり連携して、特に執行力が弱いというので外資のプラットフォーマーにいいようにやられているところも多分にありますので、その辺のところはお願いしたいなというところがあります。
それから、法改正への提言、ダークパターン・ホットラインの委託調査事業化というところがありますけれども、最初に普及啓蒙のところを少し掘り下げてお話ししたいのですが、17ページです。明日から消費者庁の消費者教育ポータルサイトで動画を8本出します。これは先ほどの家庭科の授業の中で使っていただける動画ではあるのですけれども、分かりやすい動画、大体3から4分ぐらいでつくっていますので、これはぜひ皆様もいろいろな場面で使っていただけるとうれしいなと思います。明日のお昼頃には公開ということでありますので、これはまた宣伝のところ、何かしら御協力いただけないかというのは御相談させていただければと思っております。
18ページは地銀のところのお話です。先ほどの何かしら補助をいただけるとみたいなところは、なぜかというと、18ページのスキームで地方銀行さんを含めて、この辺り、ダークパターン対策を中小企業にしっかり広めていこうというところを今動かし始めているところなので、ここに対してブースター的なものがあると一気に消費者被害が減っていくのではないかというところがありますので、可能であればお力添えいただけるとありがたいと考えております。それが19ページのところです。
20ページ、最後のところですけれども、所轄省庁の明確化、それからダークパターン・対策検討組織体の構築に関しては、先ほど申し上げたとおりなので、ここでは割愛しまして、具体的な法規制に関する御相談というところです。これは消費者被害の大きい金銭的被害への対策に関するグローバルハーモナイゼーションというところですけれども、我々がダークパターン・ホットラインをやっていて一番通報が多いのは、知らない間に定期購入で、解約しにくい、このパターンなのです。なので、まずここを潰しませんかというところです。ここに関しては、EU側でもガイドラインが出ていますし、アメリカはFTC、トランプ政権になって1回止まってしまいましたけれども、クリック・トゥ・キャンセル・ポリシーというものがあります。ここは割と即効性があるところではないかなと思いますので、ぜひともここに関しては法規制を進めていただきたい。これはグローバルの流れとして、契約するのと同様に簡便に解約できることというのが重要になっています。
それから、日本の場合ですと、ネットで契約するのに解約はコールセンターで、コールセンターに電話すると、「ナビダイヤルでおつなぎします、20秒ごとに11円かかります」みたいなので、10分たっても20分たってもオペレーターにつながらないのですね。その間に、特に富裕層の方々ほど時間がもったいないというところで、これもダークパターン被害の一つだと思いますが、時間を浪費させられることが許されぬというところで、もう諦めてしまうのですね。月300円とか500円のものだったらもう諦めると。そういうのが結構積み上がっています。さっき3万3,000円という被害がありましたけれども、あれは一発の契約で3万3,000円ではなくて、6,000円だとか1万円だとかそういうものが結構積み上がっている方がたくさんいらっしゃるのが現状かなと思います。ここのところに関しては、なるべく早くやると、消費者被害を減らすというところでは効果が出るのだろうと思いますので、日本だけではなくて、これはグローバルな動きですので、ぜひやっていただきたいというところ。
それから、プラットフォーマー、特に外資系のところで日本が蹂躙されており、消費者被害がどんどん出ていますよというところがあります。私は昔、中国でビジネスを立ち上げたことがあるのですけれども、何をするにしても免許が要ります。何か問題があったら免許取消しというのがあるので、変なことはできないわけです。日本でも巨大なプラットフォーマーに関しては免許制度にするだとか、何かしら規制をかけられるようにしないと、これはやられっ放しになると思います。そうでなかったらもの凄い制裁を加えないと、今は注意を受けて、それで是正しますと言ったら制裁すらないような状況になっていたりするので、誰も言うことを聞かないでしょう。企業、特に外資系企業は経済合理性で動きますから、それから考えたら、事業が行えない免許取り上げや法律に基づく厳しい制裁がなければ、やれるだけやって稼げばいいやという風に考えられてしまうので、ちょっとここは、プラットフォーマーに関しては、どちらかというと公正取引委員会さんなのですかね。ずばっと対応してほしいなと思っています。
それから、最後はお願いでして、ダークパターン・ホットラインを我々はやっていますけれども、まだ立ち上げて1年で、いろいろな会員企業さんから手弁当で来ていただいているような小さい組織ですので、もし可能であれば、この辺りの情報提供をさせていただくというところを委託調査事業化できるとありがたいなと思っております。これはどこの省庁になるのか分からないですけれども、可能であればお願いしたいなというところで、お願いとして上がりました。
私からは以上でございます。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
以上で本日お越しの皆様の御発表が終了しました。
これより全体を通しての意見交換といたします。時間は少し押しておりますが、最初に申し上げましたように80分程度を考えております。よろしくお願いします。
なお、委員の中には少し早めに退室する必要がある方もいらっしゃると伺っておりましたので、その委員におかれましては、ぜひ早めに御発言をいただければと思います。
それでは、いかがでしょうか。
今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。それぞれから現状を詳しく教えてもらったこと、心から感謝申し上げます。私から質問を日弁連の方と全国消費生活相談員協会の方にお尋ねしたいと思います。両団体、私はサプリメント関係のことを今までもやってきましたので、そこの関係でお尋ねしたいと思います。
まず、日弁連のほうから、今回、法規制が必要だということでお尋ねいただいているのですけれども、今、紅麹を経てかなり制度化が進んでいるので、法規制という意味では、今の食品衛生法の規格基準を設定すると、ある程度サプリメントに関しての法規制ができるという状況があると思います。ただ、そのときの問題点としては、サプリメントの定義が、今回御説明いただきましたように、今のGMP基準に出てくるものになりますので、錠剤とカプセル状のようなものに限定されて、それを広げると定義の設定が難しいという問題があります。すると、今の狭い範囲で法制化を目指すのか、やはり難しくても定義そのものをつくるのかという選択に迫られると思うのですけれども、そこら辺は今お考えとしてはどうかということが一つ。
もう一つ、広告規制というのは、今の機能性表示食品やサプリメントの規格基準をもしつくったとしても、今のままだと法規制が非常にかけにくいという状況があります。ですので、広告規制をどのような形で法律に載せるとよいとお考えいただいているかということ、お考えを教えていただければと思っています。
全国消費生活相談員協会の方には、今、インターネット広告などで実際にそれこそダークパターンに入っているケースが多いということを発表いただきましたけれども、実際にどのような広告に対して規制が必要かということ、ちょっと具体的な事例を教えていただけるとありがたいので、それを1点教えていただけると。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
日弁連様と全相協様に対する御質問がありました。
まず日弁連様、お願いします。
○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会井上副委員長 日弁連から回答させていただきます。
法規制についての問題と定義の問題をいただいたと思いますけれども、まず定義についてです。広げると難しいということなのですけれども、広げないと、今のその他のいわゆる「健康食品」が法規制から外れてしまうところをどうにもできないと考えているので、何とかして広げる方向で定義を進めていきたいと考えておりますし、そうお願いしたいと思っています。広げ過ぎますと、恐らくお菓子とかそういったものも形状だけだと入ってしまうところがあると思うのですけれども、一旦広げた上で、そこからどういったものを除外するかという方がいいのではないかと考えております。
法規制について、広告規制をどのように考えているかということなのですけれども、確かに規格規制ですとかについては、今、食品表示基準だとか食品衛生法の規則でかなり法規制は確立してきたと思っておりますけれども、広告規制は今までどおり健康増進法とか景表法だけですと、一般の食品と変わらないということなのですが、これは一般の食品よりも医薬品、医療機器等法のほうに近づいた広告規制が必要と考えておりまして、例えば「おいしいサプリ」などと言うことは、一般食品であれば「おいしい」と幾ら言っても全く問題ないのですけれども、サプリメントについて過剰摂取を促すようなおいしさを訴求した広告が許されるかというところもありまして、サプリ独自の広告規制も、こちらの立場としてはサプリ法でということになりますけれども、規制をかけていくべきではないかと考えております。
○鹿野委員長 それでは、全相協様、お願いします。
○適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会川野専務理事 御質問ありがとうございます。ダークパターンの消費者がよく問題としている内容なのですけれども、例えば健康食品の業者さんが広告の中で、定期購入と定期購入ではないところを選択させるのですけれども、当然、消費者は1回限りのお試しだけでいいと思いますので、そこをクリックするわけなのですけれども、その後、アップセルといって、ここをクリックすればお得になりますよというところを誘導するのですけれども、それがもともと定期購入になっていて、そこに誘導させて、定期購入ではない契約をしたつもりが、結局定期購入になっている。突然そういう画面が出てくるのですね。アップセルといって、そういう画面が出てきて、そこをクリックせざるを得ないような状況になっていて、結局定期購入になっていると。
それから、定期購入の業者さんは広告画面がスクロールしてもスクロールしても非常に長くて、選択するのに幾らスクロールしても定期購入の購入画面しか出てこないような状況であって、消費者が結局定期購入をクリックしてしまう。選べていない。次々と購入画面しかないというのもあります。
それから、価格が高いお徳用サイズと定期お届けコースの選択肢が事前に既に選択されてしまっているようなダークパターンもあります。選ぶのではなくて、既に選択された状態で買い物かごに入れてしまって契約になっているようなダークパターンがあります。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
今村委員、いかがですか。
○今村委員 両方に追加で質問をお願いしたいのですけれども、まず日弁連のほうから、サプリメントの定義、広義でということだと思うのですが、今、機能性表示食品のGMPや生物由来に関しての限定された状態での法規制でさえあれだけもめているので、サプリメントを狭い定義で法制化するだけでも結構なハードルがあるのですけれども、それにプラスアルファ定義の問題が入ってくると、極めて困難という状況だと思います。それでもやはり広い定義を目指そうと考えるかどうかということは教えていただきたいと思います。
全相協の方のお話、ダークパターンそのものの問題は機能性表示食品とかに特化できないので、機能性表示食品とかが有用だというような広告で、有用性をアピールし過ぎるようなところで引っかかるところがないかという御質問なので、そこの部分に特化したものがあれば教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○鹿野委員長 それでは、追加の御質問ということで、日弁連様から。
○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会井上副委員長 日弁連から回答させていただきます。
おっしゃるとおり、現段階でもかなり定義問題は難儀されているということは承知しておりますけれども、その他のいわゆる「健康食品」が本当に巷にたくさんございますので、広げる努力をしていかないと、健康被害等に関しましては、全く同じものであるのに規制が全部努力義務になっている現状を何とか打破してもらいたいという気持ちでございます。広げることは本当に大変だと思うのですけれども。安心・安全な製品を届ける、一般加工食品とは全く違うもの、それだけ濃縮していたり、最終製品になったときに一般に存在する栄養成分とは違う形で皆さんのお口に入るものということになりますので、一般の食品とは違う。広げた形で規制をしていただきたいと思っております。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
それでは、全相協様、お願いします。
○適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会川野専務理事 サプリメントで機能性食品のような、薬機法に触れるような文言は事業者さんも分かっていますので、病気に効くとか、例えば必ず痩せるとかそういうことは書いていないのですけれども、その広告のイメージ的な画像とかアニメとかが、もうそれを予想させる。例えば必ず痩せるように見せる広告で、言葉では断定的に必ず痩せますとかいうことは書いていないのですけれども、広告イメージ、アニメーションのイメージとかがそれを想定させるような広告になっていて、それがずっと断続的に出てきて、消費者も洗脳させられてしまう。
言葉は本当に薬機法に触れないように書いています。例えば今日御説明したサプリメントでも、体力がつきますとか、活力がつきますとかそういう薬機法には触れないような書き方をしていても、消費者にとっては、何か病気とか自分の体の悪いところが治るようなイメージの広告を次々と出して洗脳させるようなものになっているというのが現実です。
以上です。
○今村委員 ありがとうございます。よく分かりました。またぜひこの問題、力を合わせてやっていければと思っております。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、中田委員が先ほどからお手を挙げていらっしゃったので、中田委員、お願いします。
○中田委員 ありがとうございます。関係団体の皆様には、具体的な課題意識と貴重な御意見を御共有いただきありがとうございます。その上で私から2点、デジタル化に伴う消費者問題に関して質問させてください。
私は、事業会社でウェブサイトを介して商品やサービスを提供する事業に実際に携わってきまして、限られたデジタルの画面上で消費者に不利益を生じさせることなく消費者の自主的な選択を最大限に促すウェブサイトに長年悩み、苦慮してきた経験もあり、先ほどダークパターン対策協会の小川代表理事の御発表にもありましたが、多くの実直に取り組んでいる事業者がいる中で、過失と悪意を含めダークパターンに至り、ウェブサイトやアプリで消費者が意図せずに不利益な購入や申込みを選択するように誘導する欺瞞的なデザインや仕掛けを促す事業者がいることは、一消費者としても、事業者目線からも、また影響範囲の大きさからも懸念を感じております。
この問題の解決の難しさの背景には、ダークパターンが、ユーザーが気付かないようにこっそり忍ばせてある仕掛けで消費者、特に高齢者の消費者がサイトを見て見極めることが極めて困難であると感じておりますが、その上でダークパターン対策協会様においては消費者被害を未然に防ぐためのNDD認定制度を導入、推進いただくことで、生活者は認定マークがあるサイトを誠実なサイトとして見極める一つの基準として利用できるということは安心材料になると思います。多分、マジョリティーの企業が採用するフェーズになると効力を一層発揮されると思われますので、多くの企業でNDD認定の意義にまず共感いただいて、広い普及に期待するところでございます。
その上で、ダークパターン対策協会様に伺いたい1点目としては、サイトが一度誠実なウェブサイトとして認定マークを付与された後の更新頻度やモニタリングは、どのように実施される予定かということを御教示いただきたいと思います。ウェブサイトやアプリは改定が極めて容易にできる特徴があって、極端な話、認定がされた翌日にサイトを変更することも、多分そのような悪徳な方はいらっしゃらないと思うのですけれども、そういったことも可能であるというのがサイトの特徴であると思いますので、更新頻度とモニタリングについてはまず1点目としてお聞かせいただきたいと思います。
2点目としては、ダークパターンや広告と生成AIについてです。先月末にOpen AIが動画生成AI「Sora2」を発表して、SNSで拡散されている生成AI動画を私も見て、そのAI動画のリアルさ、技術の高さに本当に驚きまして、今後の経済活動への活用に期待する一方で、やはりオンライン上でアニメとか著名人画像を活用したコンテンツが自由に生成できてしまって、投資詐欺等の動画コンテンツがより簡単に増産されてしまうリスクがあるのではないかと感じました。
その上で、心地よい生成AIを活用したダークパターンやデジタル広告、例えば生成AIが作成した提供不可能な魅力的な商品デザインのイメージで契約を促されるとか、例えば希少性を演出したり、実現不可能な誘導メッセージの悪意ある活用等はなかなか見極めが容易ではないかと思うのですが、このような生成AIを悪用したダークパターンの検証や対策について、現時点でのお考えを御教示いただければと思います。
以上2点です。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 御質問ありがとうございます。小川です。
まず、更新頻度、モニタリングの件に関してですけれども、現時点に関しまして、制度としては1年更新のチェックになっています。実際に審査員の方、それから我々及び一般の消費者の方々がどれぐらいの頻度でチェックするかというところなのですけれども、有名なサイトであればすぐにばれるといいますか、要はホットラインがありますので、すぐ通報されてくるかなというところがありますが、あまり目立たないといいますか、そんなにアクセス、ページビューのないサイトだと、なかなか気付きにくいかなというのは正直あります。
気付いたときに、我々の今回の制度の一番のポイントは、組織的対策をきちんとやってくださいというところがありまして、ダークパターンになり得ることはやはりあるのですね。悪意を持ってやるというのではなくて、意図せずダークパターンになり得てしまっているというか、消費者から、これはちょっと嫌な感じがするんだけれどもというものがデザイン上出てくることは当然あります。これは認定を取った後もあり得ます。そのときには、我々は今回組織的対策として、企業の中でダークパターン対策の管掌役員もしくはそれに準じるレベルの方をまずアサインしてくださいと。その方が通報を受けた後、30日以内に是正しなければ認定を取り消しますという仕掛けにしています。
それから、30日の是正措置の間は、我々は認定マークのところにアンダーレビューという文字をオーバーレイしてマークにつけるようにしていますので、今ちょっと怪しい状態ですよと、上場企業の監理ポスト行きみたいな感じの形での措置は取ります。
あと、3か月以内に2回以上やって、協会から責任者に連絡をすると、即直すと。30日以内に直すのですけれども、またやらかしたみたいになると、これはもうわざとやっていますので、そういう事業者は即時に認定を取り消します。ですので、お金を払って認定を取って、認定取り消されて、それが暴露されるという形になるので、あまり悪意のあるところがやっても意味がないという形になります。一方、誠実な事業者に関しては、何ら問題はないわけですから、何の後ろめたさもない、きちんとされているところはどんどん取っていただきたいと思いますし、逆に取っていない経営者の方々は、何か後ろめたいんじゃないのというのは思いますので、そこは特に大企業から率先垂範して取っていただきたいなと思っています。今、取りますよという風にお声がけいただいているところも多くが大企業ではありますけれども、そこから少しずつ認知が広まっていくといいなと思っています。時間はかかると思いますけれども、5年ぐらいかかるのではないかなとは思っているのですが、何とかここは普及啓蒙のところで皆様のお力添えもいただけるとありがたいなと考えております。それがまず1つ目です。
それから、モニタリングは、実は我々もAIを使って監視するというのを今開発しています。これは何かといいますと、ダークパターンといいますか、さっき申し上げた縦スクロールのランディングページの中で、心理的に消費者の心理をどれぐらい誘導しているのかというのを、AIを使って点数化しようとしています。これは何かといいますと、外形的に外からウェブサイトを見たときに、例えば在庫あとわずかとか、口コミが良い評判になっているとかというのは、正しい情報かもしれませんし、嘘かもしれないけれども、分からないわけです。だけれども、それを畳みかけてくると、これは過度に消費者心理を誘導していますよねとなって、引っかかりにくい人たちは、何となくそれを見た瞬間に人間としては怪しいと思うわけです。だけれども、その辺の免疫がまだない方々は騙されてしまうというところがあるので、どれぐらい誘導しようとしているのか。要はダークパターンの類型をどれぐらい畳みかけているのか。コンボですね。このコンボとこのコンボ、これとこれの組合せは凶悪だみたいなものがやはりあるわけです。その辺を今、スコア化しようとしています。認定を取ったところに関しては、定期的にクロールをかけて、点数が急に変わったら明らかに何かしらやらかしていますねということになるので、その時点でアラートを上げて、人間がチェックしに行くという風にしようと思っています。そうすると、その検知のところも大分自動化、省力化できるかなと思っていますし、NDD認定制度自体の精度が上がってくるかなと思っていますので、それは今、準備しているところです。
それから、2つ目の広告審査のところに関しましては、我々自身が広告を審査するわけではありませんので、ここに関してはほかの団体さんと協業しながら、やはり広告は入口になるわけで、そこに関しては広告の審査そのものを担っておられる団体さんだとか、もしくはメディアそのものですね。広告枠を提供するメディアさんそのものとどういう風にやっていくのかというのは協議しないといけないなと思っています。
一方で、そのもう一個手前の入口がありまして、これはクッキーのような外部送信技術になります。クッキー等でブラウザでユーザーさんの行動動態を取っていますと。それをプロファイリングしますと。そうすると広告を出したいプロファイルは分かっているわけで、さっき最初のほうにトクリュウのお話が先生からあったと思うのですけれども、怖いのは、例えば高齢者属性、一人暮らし属性、お金持ち属性に対して偽広告を出します。例えば懸賞で高級温泉旅館の旅行が当たりますみたいなものを出します。そこに懸賞だから当たってから個人情報を入れればいいのですけれども、最初から氏名、住所、電話番号、Eメールアドレスとかを入れさせて応募させる。高齢者はこういった罠にもなかなか気付かない。そうしたら、もうこれで強盗のターゲットリストができてしまうわけですねという恐ろしいことが起きます。
なので、特に脆弱性のある方々に関しては、クッキーに関してオプトアウトできる。嫌だったら取らせないというか、そのような機能を簡単に提供してあげないと危ないという風に我々は思っています。そこのところが例えば脆弱性のある方々にとって、今、世の中で何が起きているかといいますと、ウェブブラウザ上の設定でクッキーを削除してくださいみたいなことがクッキーポリシーとかに書いてあるのですけれども、私の父親は80過ぎですけれども、そんなのできないですよ。なので、その辺が消費者に優しくないというか、そういったところがあろうかと思いますので、そこのところは我々、ダークパターン対策協会側のNDD認定の審査対象に実は入れていたりします。なので、偽広告といいますか、広告詐欺に至る手前のプロファイリングのところに関して、簡単にオプトアウトできるような形をやると、そのターゲティング広告のところに関して、多少は被害を減らすことができるのではないかな。ターゲティング広告といいますか、本当の普通のターゲティング広告はいいのですけれども、偽のターゲティング広告というか、二次被害につながるようなものは、そこで防げないかなと思っています。
日本の場合はGDPR、EUと違ってオプトイン規制ではなくてオプトアウトですので、通常は別にクッキーをセットしてもいいわけですね。リクナビ事件のあのケースを除けば。なので、そういう意味ではオプトアウトを簡単にできるようにしてあげるというのが消費者に対して優しいというか、誠実な対応なんだろうと思っています。
そういう風に思っているのが今の我々の考え方なのですけれども、回答になっていますでしょうか。
○中田委員 ありがとうございます。認定後の措置やAIを活用したクローリング等を設計されていると伺って、ぜひ今後の進捗も伺わせていただきたいと思いました。企業でウェブ担当者はどんどん替わっていくので、認定制度とともに、意義についても啓蒙をぜひ広くお願いしたいと感じました。ありがとうございます。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、柿沼委員と善如委員からウェブでお手が挙がっていますので、順にお願いしたいと思います。まず、柿沼委員、お願いします。
○柿沼委員 柿沼です。各団体の皆様、貴重な意見について御発表いただき、ありがとうございました。御説明に対し、更なる理解を深めるために、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
まずは全国消費生活相談員協会さんです。2つございます。1つ目が、判断力が不十分な高齢者や障害者を狙った悪質商法による消費者被害が後を絶たず、深刻な課題となっていると認識しています。こうした脆弱性に起因する被害に対し、消費者団体は国に対してどのような制度的、実務的な対応を求めますでしょうか。必要と思うべきものにもしも順位があれば、それも含めて教えてください。
2つ目です。障害のある方々に対する消費者相談の現場では、支援の在り方や対応方法において特有の配慮が求められると認識しております。支援体制の充実に向けて、現場から国に対してどのような改善要望があるか教えていただければと思います。
2つ目です。日本司法書士連合会さんに御質問がございます。個人事業主の脆弱性に配慮した支援が重要であるということは理解していますが、制度設計において、個人事業者を準消費者として保護するのではなく、主体的に交渉し、情報を見極める力を育むような強靱な個人事業主を育てるという視点も必要なのではないかと感じております。例えばダークパターン対策協会様に加入するなども一つかと思いますが、個人事業主イコール弱者という前提で支援を構築することが、かえって事業者の自律性や交渉力の向上を妨げてしまう可能性はないかと思いましたので、質問をさせていただきたいと思います。
そして3つ目、ダークパターン対策協会様、ちょっと多くあるのですけれども、事業者がダークパターンは結局自分に返ってくると気付くことが、この制度普及の要だと思っています。広報について今後どのような層に、どのような手法で働きかけを行われるのか予定があればお伺いしたいと思います。社会的な定着や実効性を高めるためには、ある程度の事業者数の参加が必要になるのではないかと私自身考えているのですけれども、その数字はどのぐらいなのか、また、協会としてどの程度の規模感での普及を目指されているのかを教えていただきたいと思います。
次ですけれども、継続的な普及には事業者の皆様が有益であると実感されることが不可欠と存じます。制度参加による具体的なメリットや事業者側の反応について、どのように捉えておられるかお考えをお伺いできますでしょうか。
そして最後です。ダークパターンだけではなく、事業者の企業姿勢や消費者の消費者力を高める工夫について教えていただければと思います。先ほど消費者力を高める工夫として、消費者庁の消費者教育ポータルサイトに資料を御掲示いただくというお話がございましたが、そのほかにこのダークパターンについて知っていただく。そして、事業者がダークパターンだけではなく企業姿勢についても今後どのようにあるべきかというのを考えていくことも必要ではないかと考えておりますので、その辺りも含めて教えていただければと思います。
以上でございます。
○鹿野委員長 それでは、まず、全相協様、お願いします。
○適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会川野専務理事 柿沼様、御質問ありがとうございます。
先ほど私が説明したように、判断力が不十分な高齢者、障害者については、やはり多いのは訪問販売とか電話勧誘販売になります。電話勧誘販売は、電話を取らないようにすれば被害は防げるのですけれども、訪問販売での被害というのは、昨今から要望している不招請勧誘などを国に検討してもらうしかないのかなと思っております。またはそういう判断力不十分者の方を登録していただいて、そういう方には勧誘を禁止というような抜本的な対策を取っていただかないと、この被害というのは減らないと思いますので、できれば消費者団体とか弁護士会の方、司法書士会の方、消費者問題を扱う関係者からもう一度、不招請勧誘については検討していただけないかなと思います。
それから、もう一つ、障害者のほうの質問はどういう内容だったでしょうか。
○柿沼委員 もう一度お伝えいたしますと、相談現場では、支援の在り方や対応方法について特有の配慮が必要であるということは認識しているのですけれども、その支援体制の充実に向けて、国に対し、どのような要望があるかお聞かせいただければと思い質問いたしました。
以上です。
○適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会川野専務理事 私どもでは、数年間、消費者庁の委託で外部講師による講座を、特別支援さんなどの講座に行って消費者講座をやっていたわけです。その関係で今、特別支援さんからも非常に依頼があるのですけれども、もう消費者庁での受託が終わっていますので、特別支援さんに講座に行くということも非常に難しい状況になっておりますので、ぜひそういった特別支援さんに対して、就職したり自立した生活をする前の特別支援の生徒さん、それから障害者の方へ消費者講座を実施させていただくような仕組みをつくっていただければと思います。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございました。
それでは、日司連様、お願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 柿沼先生、御質問をありがとうございます。
私どものほうで、個人事業者に対して消費者と同じような規制をというところに関しては、強い個人事業主を育てるといった方法もあるのではないかと。個人事業主を強くするという方向でいかないと、かえって自律性を阻害するのではないかという御質問があったかと思います。まず私のほうからそれに関しての回答をさせていただきまして、補足があれば、森田委員のほうから補足させていただきます。
まず、現状の被害状況というところがあるかなと思います。どうしてもやはり個人事業主だということで、いろいろな消費者法関係の適用を受けられない。大抵の裁判例において、ごく一部で消費者関係の法律の適用があるという風な例もあるかと思いますが、多数の法令が適用されないという現実で、その現実を事業者側は知って、あえて個人事業主であったり新規開業を予定するような事業予定者を狙った被害が多数発生しているというのが現実としてあるかと思います。ですので、今回、パラダイムシフトの報告書にもあったような脆弱性は、個人の消費者のみならず、個人事業者においても同じように生活者という視点でいけば、あるのではないかというところで、中長期的には柿沼先生がおっしゃるような強い消費者、個人事業者を育てていくという視点も必要なのかなと思いますけれども、現状の被害を予防、救済するという観点からいくと、このような消費者、どういう形で消費者概念を広げるのか、どういった形で法制をしていくのかというのはありますけれども、個人事業主に対しての消費者と同じような規制は必要なのかなと考えているところであります。
あとは森田委員のほうで補足があればお願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会森田委員 特に補足等は大丈夫です。ありがとうございます。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 では、連合会のほうからの回答は以上になります。ありがとうございます。
○鹿野委員長 それでは、ダークパターン対策協会様、お願いします。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 柿沼先生、御質問ありがとうございます。4点御質問いただいたかと思います。3点目はちょっと忘れたので、後で教えてください。
1点目、ダークパターンは自分に返ってくるんじゃないかみたいなところの認知をどうやって上げていくのかという御質問をいただいたかと思います。要はダークパターンをやると短期的には儲かるけれども、長期的には消費者の信頼を失うというところになります。ここに対して、我々はもちろんセミナーですとかそういうものを通じて企業側にどんどん認知拡大をしていっているわけですけれども、事務局の方、私の資料の14ページを映していただくことは可能でしょうか。
それを待っている間にしゃべりますが、7月15日にメディア発表会をした後、翌日に実は経団連さんと日本商工会議所さんに、会員企業に対して自己審査を行うよう依頼という形でメッセージを出していただきました。経団連さんは消費者政策委員会の企業さん100社ほど、日本商工会議所さんは全国150万社に対してというところなのですけれども、日商さんは全国に515ほど商工会議所があります。そこが全部アナウンスしていただいたかというと、別にそういうわけではないというところがありました。
それから、翌日、17日に金融庁さん、ダークパターン対策というのは金融犯罪のところでネットショッピング詐欺がありますので、それにもダークパターンは使われているので、金融犯罪対策の一環としてもこれはやるべきだというところで御協力いただいて、全銀協さん、地銀協さん、第二地銀協さんから預金取扱金融機関、銀行さんに対して融資先といいますか、取引先の企業がダークパターンを実装しないように経営指導してくださいという協力要請を文書で出していただいています。
ここの2つをいろいろ動いてみたのですけれども、これは要望のところで所轄の省庁が決まっていないというところに実は行き着くのですね。何が起きたかといいますと、我々からすると一消費者の観点、企業人ではなくて家に帰ったら一消費者ですので、消費者の観点からしたら、ダークパターンの問題はやはり消費者庁さんの所管ではないのという風に普通に思うわけです。ですけれども、個人情報保護委員会さんも総務省さんももちろん絡んでくるわけで、公正取引委員会さんも絡んでくるわけで、そんな簡単ではないわけですけれども、この辺のアナウンスを出していただくのに、消費者庁として公式な文書でダークパターン対策をしっかりやってくださいと。別に我々のNDD認定制度とかそういうことは触れずに、ダークパターン対策をきちんとやりなさいというところを企業に対して公式な文書で通達を出すということができなかったのです。所轄の省庁が決まっていないから。消費者庁が文書を出すというのは、消費者庁が全責任を負っていれば可能なわけですけれども、これはできないというのが、残念ながら今の現状です。
そういう文書が出たら、金融庁としても何かしらの文書を全銀協、地銀協、第二地銀協に出しますよという風になるのですが、これはやはり出なかったというところで、それぞれ当時の総括審議官の方が頑張っていただいて、我々と一緒に各種団体のところに説明に行くというところに御同行いただいて、なので、応援しているという風に捉えてくださいとなって、それでアナウンスは出ることになったのですけれども、だからといって、これは必ずやりなさいという文書ではなくて、こういうのが出ましたというお知らせだけなのです。なので、強制力は全く働いていないということが、この16日、17日、ものすごく一生懸命動いたのですけれども、そういうことが起きました。これはなぜかというと、所轄の省庁が明確に定まっていないからですと。
これは難しいのだろうというところもあって、それで後続の省庁横断での何かしら組織体でダークパターンに対してきちんと取り組むというのを政府の姿勢として示していただき、そこから、別にNDD認定とかダークパターン対策協会と出す必要は全くないのですけれども、企業にちゃんとダークパターン対策をやってねというところを公式に依頼する、要請する文書を出せるような組織体があるとありがたいなと思っている次第です。そこがまず1つ目であります。これが動くと全然話は違ってくるというところであります。
2つ目、社会的な定着に関する数値目標といいますか、その辺はどういう形かというところなのですが、日本においてウェブのドメイン数は620万ドメインあります。そのうちECサイトに関わるものは293万ドメインあります。これはプラットフォーマーのモールは含んでいません。独自ドメインで293万ドメインあるのですが、実はうち270万ドメインは無料で構築できる、アクセサリーを趣味で作っているからちょっと売りたいみたいな、そんなものがめちゃくちゃたくさんある。きちんとした企業でやっているECサイトのドメインは大体23万ドメインなのですね。これに対してどれぐらいの数で消費者に認知されるのかというところでいくと、要はページビューが多いところにどれだけ入るかなので、実際の数は、これが正しいかどうか分からないですけれども、我々としては5年で1万ドメインほど入ると、多くの方々の目に触れるだろうという風になってくるので、そうすると普及に拍車がかかってくるかなと思っています。その中で、特に大企業の皆さんよく見られるサイトから入っていっていただけるとありがたいかなと思っております。
ごめんなさい。3つ目の御質問を私が十分に聞き取れませんで、柿沼先生、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか。
○柿沼委員 事業者の皆様が、協会認定を受けることが有益であるという実感がないと認定を受けないと思いますし、それが不可欠だと思っております。初回に参加したとしても、やはり1年ごとに費用もかかるというところもありますから、このような制度参加によって具体的なメリットとか、それから事業者側の反応について、今時点でどのように意見があるのかなというところをお伺いできればと思います。これで御理解いただけましたでしょうか。
○鹿野委員長 すみません。柿沼委員の御質問の続きがあるのですが、山本委員が参加されて、お時間の関係で12時20分頃に退室しなければならないということですので、先に山本委員から御発言いただいて、その後またお答え等をいただければと思います。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 かしこまりました。
○鹿野委員長 すみません。
それでは、山本委員、お願いします。
○山本委員 大変申し訳ありません。遅れて入室しながら、また早く出ていくということで、柿沼委員、それからダークパターン対策協会の小川さん、大変申し訳ございません。よろしくお願いします。
大きく2点ありまして、1点がダークパターンによる消費者被害というのを協会様のほうでどのように捉えているかという御質問です。資料の6ページを見ますと、ダークパターンによる金銭被害というところで、これはもちろん最も重要なことなのかもしれないのですけれども、消費者委員会のパラダイムシフトの報告書等では、必ずしも消費者被害というのは金銭的なものに限られなくなってきていると。時間とかアテンションとか情報、そういったものを無意識のうちに消費させられるようなことも消費者被害と言えるのではないかという提言がなされています。先ほどクッキー情報の話もあったところで、私も読み取れたのですが、そういう意味で金銭被害以外の情報、時間、アテンション等の被害も消費者被害として捉えているのかどうかということを確認できればと思いました。
2点目ですけれども、私は大変重要な取組だと思って応援したいと思っているのですが、手続的なところで、資料を見ますと3段階の審査で、2段階目で認定審査機関というものが登場してくるところで、この認定審査機関の独立性とか中立性、あるいは専門性ということが重要になるかなと思いましたけれども、この認定審査機関の認定と申しますか、登録の基準ですとか、あるいはその手続があれば教えていただきたいなと思います。もしかしたらホームページ等に記載があるのかもしれませんが、すみません、勉強不足で教えていただければと思いました。
それから、3番目の最終的には対策協会様が最終審査をされるということですけれども、この体制と申しますか、どういう形で行われるのかということも、全体の1、2、3の信頼性に関わってくることかなと思いましたので、御教示いただければと思いました。認定後の認定された企業等とのコミュニケーションについては、先ほど御質問、御回答があったところですので、以上2点、教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 山本先生、ありがとうございます。
まず1つ目の質問です。何をダークパターンとして認識しているのかという被害のところですけれども、おっしゃるとおりで金銭被害だけではなくて、我々が一番最初に思うのは、嫌な思いをするというのがありまして、もやもやするといいますか、そこは被害だと思っています。それから、アテンションエコノミーの話がありますけれども、時間を浪費させられるというところですね。ここも被害だと思っておりますので、おっしゃるとおりの認識で我々は動いております。その中でも一番即効性があり、実効性があるところは、金銭被害をどう減らすかというところを最優先課題として捉えるというのはいいのではないかなと思っている次第であります。
それから、2つ目の認定審査のほうですけれども、認定審査機関に関しましては、この資料には実はありません。2名以上の認定審査員を確保していただいた日本の法人、これが認定審査機関になれるということであります。では、その認定審査員はどうやってなるのかといいますと、我々の研修を受けていただくと。2日間の研修になりますが、これを受けていただいて、その後、試験を受けていただきます。この試験に合格した方が認定審査員になれるというところです。これはそんなに簡単な試験ではないので、結構皆さん落ちていらっしゃいます。合格率が今5割ちょっとぐらいで、そんなに簡単ではないのですが、しっかり研修を受けていただいて、復習をしていただいてというところで認定審査員になれるということです。その認定審査員が2名以上いらっしゃる団体が認定審査機関になれるというところであります。
あと、協会側の最終審査に関しましても、同じく認定審査員を育てているという状況です。明日から募集を開始しますので、今まだどれぐらいの応募があるかというのは見えていない状況ではありますが、これは必要に応じて認定審査員を増やしていくという形でやっていきます。
それから、実際にはこれは企業側でダークパターン対策をやるに当たって、こういう風に実装したほうがいいよという風に指南をされる方は必ず必要になろうかと思っています。地銀の図が18ページにあろうかと思いますが、コンフリクトがないように、要は自分たちで指導したものを自分たちで審査するとなると、これは利害関係者になってしまいますので、これはよろしくないということで、そこだけは経営指導といいますか、実装指南する人と審査をする人は必ず分けてくださいねというところだけはルールとしてやるということです。ここに関しては、最初は紳士協定ベースでやるしかないわけですけれども、我々協会側で最終審査を行うというところで、その品質に関しては担保していこうと考えております。
山本先生、以上で回答になっておりますでしょうか。
○山本委員 小川さん、ありがとうございました。大変よく分かりました。引き続きいろいろと教えていただければと思います。ありがとうございます。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 ありがとうございます。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、先ほど柿沼委員からの御質問に対する回答を待っていただいていたので、そちらに再び戻りたいと思います。なお、少々時間が押しておりまして、この後、善如委員、大澤委員からもお手が挙がっており、黒木委員長代理も質問したいということですので、全体として御質問及び御回答をできるだけコンパクトにお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 柿沼先生の御質問、3つ目、4つ目はほぼ似たような回答になるので併せて回答させていただきます。このNDD認定が有益であるという実感がないといけないというところ、事業者の企業姿勢としてこれをきちんと知ってもらって、広めていくにはどうすればいいのかみたいなところの御質問だったかと思いますけれども、まず、我々は組織的対策のところで、先ほど責任者を設けてくださいというところのお話をさせていただきましたが、これは企業の姿勢として、消費者、生活者の方々をきちんと大事にしていますよということを社内外に示すというところが大事なのだろうと思っています。当然ながら、上場企業を含めて大企業では非財務情報の開示のところ、例えば環境問題にどう取り組んでいるか。サステーナビリティーだとか、女性の活躍だとか、いろいろなところを情報開示されていますけれども、ダークパターン対策というのもその一貫としてぜひ開示していっていただきたい。そこに関しては、特に株主の方々だとかはしっかりと評価していっていただくという風に世の中が変わっていってほしいなと思っていますし、そういうところのアピールはしっかり我々もやっていきたいと思っています。そこに関しても、先ほどの所管の省庁が明確になるというところによって、その辺りの情報発信は金融庁さんも御協力いただけるようになると思いますので、やっていければいいなというのが1つ。
それから、もう1点は、もっと生々しい話で、今回地方銀行さんに入っていただいているのは、ダークパターン対策をきちんとやってNDD認定を取ると、融資のところで有利になるといいますか、逆に、ちゃんとやっていないと融資で不利になるような形が将来的に取れないかなというところがあります。なので、誠実にやっていなかったら首が絞まるよというところ。お金で首が絞まるというところが、もう一つ、企業にとっては生命線になりますので、ここは大事かなと思っています。いきなりDay1からできるわけではないですけれども、少しずつそういった形で、やはり誠実にやっているところが評価されて市場で勝っていくという風にしないといけないので、そのために民間側でできることはそういったところかなと思っております。
柿沼先生、以上回答ですけれども、よろしいでしょうか。
○柿沼委員 御説明いただきましてありがとうございます。私も、総務省のデジタル広告のワーキンググループにおいて検討いたしました事業者宛てのデジタル広告のガイドラインを策定した際に、担当ベースではなく、トップレベルで考えていかなくてはならないというようなことを盛り込んでおりますけれども、ダークパターンについても同じだと私は考えております。非常に貴重な意見をいろいろお示しいただきまして、ありがとうございました。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、お待たせしました。善如委員、お願いします。
○善如委員 よろしくお願いします。善如です。
手短に質問ということでして、ダークパターン対策協会様へ質問があります。御発表の中で、法改正の提言のところでプラットフォーム問題などを挙げていただいたのですが、こちらに関してもう少し具体的に教えていただきたいというのが質問の趣旨です。プラットフォーム問題といいましても、プラットフォーム自体様々なサービスがございますし、それに応じて問題も多岐にわたっているというのは皆様御存じのとおりだと思うのですが、ダークパターンという切り口から見たときに、プラットフォーム問題というのは、プラットフォーム事業者が先導してダークパターンを推進してしまっているのか、それともプラットフォームではなくてそこに参加して、そこで物を売ったりしている一部の事業者がプラットフォーム上で勝手にダークパターンを行っているのか、もし両方であればその両方ということで、現場での肌感覚といいますか、できれば簡単な具体例もあると助かるのですが、そういった現場のことを教えていただけないかなというのが私からの質問です。よろしくお願いします。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 御質問ありがとうございます。
ダークパターン・ホットラインを開設したという話を申し上げました。まだ60件超しか来ておりませんが、実は半分が特定のプラットフォーム事業者のサービスについてです。残りの半分とは言いませんけれども、それに近いのが別の特定事業者です。この2つに関してはめちゃくちゃ評判が悪いというところです。プラットフォーマーのところでいきますと、特定のサービスに知らない間にというか、必ず誘導されるというか、デフォルト設定がそうなっているというか、デフォルト効果を狙ってきているというのが、みんな嫌がっているというか、いらっとするところです。必ず何かしら、めちゃくちゃ注意して見ないとやられてしまうみたいな、そこはみんな嫌がっていると。
あと、まだ数は少ないのですけれども、こんなものかと思ってみんな相手にしていないというのがあるのですが、海外のプラットフォーム事業者です。この間、とあるプラットフォーム事業者がフランスCNILから日本円で約260億の制裁金を食らっていましたけれども、それはクッキーですが、その辺のところが日本に関してはほぼ野放し状態なのではないかなと思っています。そこは何かしら、私はさっき無邪気に免許と言いましたけれども、例えばEUのデジタル・マーケット・アクトでいえばゲートキーパーという形で定義しているわけですね。そういう大規模事業者をどう定義するかという問題はあろうかと思いますけれども、何かしらその辺に関してはちょっと特別に仕掛けを考えることが必要なのではないかなと思っています。そうしないと日本の消費者が外資のプラットフォーマーに蹂躙されるという状況がいつまでたっても終わらないと思っています。具体的な施策というよりは、今思っているのはその辺のところですので、ここの議論はするべきではないかなと思っています。もうなさっていたらごめんなさい。
○善如委員 ありがとうございます。主にプラットフォームが主導してといいますか、そういったケースが今のところは多いということでしょうか。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 その中に入っている出店者もやらかしているところは恐らくあろうかと思いますけれども、大もとを絶たないと話にならないかなという風には思っています。
○善如委員 なるほど。その場合、認定マークを付与する場合は、プラットフォームに認定マークがぺたっと貼られるのか、それともその中で事業を行っている売り手たちに対して、この人はちゃんとしている、この人はちゃんとしてないという風に売り手ごとに認定マークが貼られるのかというのは、どういったような運営になろうかと思われますでしょうか。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 プラットフォーマーに関しては別の枠組みが必要だと思っています。このNDD認定制度はドメイン単位で認定をするというものになりますので。とあるプラットフォーマーの場合、加盟店の商品・サービス説明ページも全部そのプラットフォーマーのドメインになるわけで、それで一発の認定で全部オーケーかといったら、多分そうではないということになるわけですね。なので、そのプラットフォーマー自身のダークパターンはやらないでくださいねということと、あと出店者に対してのチェックをかけてくださいというところです。だから、これはクレジットカードでいえば加盟店審査だとかそういうのと同じような形で、出店者審査はもちろんされているはずなのですけれども、その中にダークパターン対策のところを盛り込んでいただくというのは、出店者に対してプラットフォーマーがやるべきことだと思います。
もう一つは自分自身、プラットフォーマー自身がやらないといけないこと、両面でやらないといけない。このときにNDD認定そのものを適用できるかというと多分違っていて、プラットフォーマー自身に対するこういう制度、OEM提供するのか何か分からないですけれども、イメージとしては、こういう仕掛けをやってもらえませんかというところが合意できれば、ましにはなるのかなと思いますけれども、それ以前の問題として、彼らが野放しになっているのをどうするかというところのほうを先にやらないといけないのかなという感じはしています。
○善如委員 ありがとうございます。大変よく分かりました。また今後とも引き続き、ダークパターンに関して情報共有などいただけると幸いです。
私からは以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、大澤委員、お願いします。
○大澤委員 4団体様とも本当に貴重な御報告をいただきありがとうございました。恐らく時間がないのではないかと思いますので、本当はいろいろ伺いたいことがあるのですが、2団体様に限定させていただきます。本当は4団体様に伺いたいのですが、申し訳ありません。
まず、日本司法書士会連合会様に御質問なのですが、事業者性というか、いわゆる個人事業主の保護ということに関しては、消費者概念等々の問題があるのではないかと思っていますし、もちろん消費者の脆弱性という観点からも議論が必要なところだと思うのですが、私はこの辺りは結構個人的には研究しているところで、興味があるのですけれども、個人事業主に関して、現状、確かに個人事業主を何か保護する法律が、少なくとも消費者法分野であるということではないというのはそのとおりだと思います。十分ではないのは本当にそのとおりだというのは共感するのですが、過去に特商法の訪問販売の営業該当性というか、営業該当だと適用除外になると思うのですが、26条という条文があって、それを特商法に関しては結構解釈を広げる形で、例えば訪問販売で消火器リースなどの契約をした個人事業主を保護したというか、クーリング・オフを認めた事案があったと思うのです。これは特商法が、私の印象ではそういう拡張解釈したものがあったという印象を持っていたのですが、今は全くそういうことが期待できないと。そうすると、やはり特商法も現状、拡張解釈の是非はともかく、なかなか難しいという理解でよろしいのでしょうかということを確認したいです。
関連して、消費者委員会の所轄事務である消費者というのは、消費者契約法の消費者の定義に準じたものであったと理解ということは、これはもしかすると委員の皆様、あるいは皆さんとで御意見が分かれるかなと思っているのですが、ただ、確かにこれは非常に貴重な問題を提起していただいたと思っております。消費者委員会ということで、消費者の利益擁護ということをもちろん考えて私どもは頑張っているところがあるのですが、ただ、そこで言う消費者って何なんだろうというのはおっしゃるとおりで、考える必要があるのではないかと思いました。
今回の報告では、個人事業者ということで、脆弱性というところで、要は同じではないかということで、スライドに書かれていることに関しては本当に共感するところがあるのですが、逆に、消費者が事業者になってしまうのも、今、先ほど来出ているプラットフォームの取引の発展等で容易になってしまっている中で、確かに何を消費者として捉えるかというときには、個人事業者だけではなくて、逆の消費者が実質、例えばプラットフォームで物を売ってしまう場合に、商売に慣れているわけではないのだけれども、法律の定義上は事業者になってしまう可能性もあるので、そういったことも含めて、やはり今後、消費者というのがどういうものなのかというのを考えていく必要があるという風に理解しました。この理解で正しければ、特にお答えは要りません。
次に、ダークパターン対策協会様に質問なのですが、なさっている活動には非常に共感するところがあり、特にNDD認定制度は非常に興味深い活動で、応援するというのも大変僣越で言いにくいのですが、これは注目させていただきたいと思いますし、個人的には民法、消費者法の研究者として何かできることがあればと思ってはいます。
この取組はぜひ進めていただきたいのですが、他方で、御報告の中で、今日本でこのダークパターンというか、ディセプティブと言ったほうがいいのかもしれませんけれども、そういったものを直接、もちろん消費者契約法とか特商法に該当すればともかく、まさにネット上に特化したような、EUで言うと不公正取引方法のような規定が日本には十分あるわけではないです。なかなかそういう包括的な法律が難しいというのはおっしゃるとおりですし、実際そうかと思いつつ、しかし、EUでそれを例えば国内法化している、私がいつも研究しているところで言うとフランスなんかもそうですが、不公正取引方法ということで、いわゆる詐欺的なダークパターンのようなものを追加するような形の法規制もかけてきています。
こういったNDD認定制度のような自主的な取組を進める上で、やはり法規制というのが要らないわけではないのではないかと私は思っています。特に省庁間を超えるような横断的なということも非常に興味深く、私は非常に共感するところがあるのですが、これは恐らくどういう法律をつくるかにも関わってくるのではないかと思います。日本は消費者庁と公正取引委員会が別の組織になっていますけれども、例えばフランスだと、競争分野、消費者法分野は同じ組織でやっています。中の部署は分かれていますが、役所自体は同じところですので、そういった省庁横断のというのを日本でもし包括的にやるとなると、これは不可避ではないかと思っています。どういうレベルの法律、包括的なものがあると、例えばNDD認定制度を更に発展させるのに資するかという、本当に雑駁な質問で申し訳ないのですが、御感触があれば伺いたいと思います。
ダークパターンに関しては、単純にネット上の操作の問題だけではなくて、これも御報告でおっしゃっていたと思うのですが、例えば消費者が解約の電話をしようとしてもなかなか電話がつながらなくて、どんどん料金だけかさんでいくとか、実はオフラインの消費者の利益を害するような行為は、勧誘過程だけではなくて、まさに解除の場面とかいろいろな場面に潜んでいるのではないかと私も思っています。
これも私が勉強しているところでフランスだと、例えば消費者からの苦情電話にはお金を払わせてはいけないとか、たしかそういうルールがあったと記憶していますので、こういったこともまさに法規制の包括的なという中に入り得るのではないかと。それはオンラインだけではなくて、オフラインも含めてあり得るのではないかと思いますが、そういったことも含めて、今後こういう認定制度を進める上で、具体的にどういう包括的な規制があるとますますこれが発展するかという、すごく一般的で抽象的で申し訳ないのですが、何か御意見がありましたら伺いたいです。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、日司連様、お願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 大澤先生、御質問をありがとうございます。
大澤先生のほうから個人事業者の保護のところで、個人事業者も脆弱性があって一定の保護、規制が対象になり得るというところですけれども、以前、特商法の購入者のところの拡張解釈をして、たしか消火器の販売を受けた株式会社さんにクーリング・オフを認めた裁判例のところかなと思いますけれども、その辺りも今はなかなかそれが適用されることは期待できないところで、どのように考えていくのかというところで御質問いただいたかなと思っております。
連合会のほうで具体的に議論をしているところではなく、私の私見にはなるのですけれども、あくまでも個人事業者に関してクーリング・オフが認められた裁判例、特定商取引法の枠組みで、特別法の中でというところになると思うのですが、今回のパラダイムシフトの報告書にもあったとおり、消費者契約法とかそういう少し一般法に下りたところで脆弱性を有するような個人事業者を何かしらの法令で保護をする必要があるのではないかというところが、今の議論の中身なのかなと私のほうでは思っております。そこは消費者概念を拡張していくのか、脆弱性を有する消費者が事業者にもなり、事業者が消費者のような形にもなるというところで、なかなか難しいところではあるので、どのように法規制をしていくかというのは難しいところではありますけれども、いわゆる特商法だけではなく、もう少し一般的な法律の中で個人事業者の被害を救済する法理ができないかというところなのかなと思います。
では、森田委員のほうから補足があればお願いをいたします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会森田委員 日司連の森田のほうから補足説明させていただきます。
今、消費者概念の拡張ということが発言であったのですけれども、個人的な肌感覚で言うと、適正に消費者概念を法改正によって拡張できれば、それはそれで非常に理想的だと思うのですけれども、法的安定性の観点からいうと、現実的にそこに法改正を落とし込むのはちょっと難しいのかなと考えています。とはいえ、私の説明の冒頭で紹介したような非常に脆弱な消費者に近い事業者が多数存在して、被害事例が減らないというところで、やはり何かしら手を打たなければいけないなと感じております。
では、具体的な制度設計に関してはどうするのかというと、非常に難しいところではあると思うのですけれども、個人事業者の契約について、例えば私が最初の発言で例に出しました食材屋さんの例を取ると、自分のお店で売るために仕入れた商品を買ったという取引に直接関わる取引と、そのほかに付随的な取引というのが出てくると思います。後者に関しては、何らかの規制を加えていくというのも一つの方法かなとは思っております。
あとは、大澤先生もたしか5年ぐらい前に国民生活研究で引用されていたフランスの消費法典ですかね。従業員がすごく少ない零細事業主にはクーリング・オフが適用されるというような諸外国の法律もあるというところが私も印象に残っていまして、どういった制度がほかにあるかというのも検討材料として非常に有効なのかなと思います。
私のほうからは以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、ダークパターン対策協会様。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 大澤先生、ありがとうございます。
すごく簡単な回答をすると、どういった法律があるといいのかというところ、私は法律の専門家ではないので、そこは先生方にぜひ良いものをつくっていただきたいなと思っているのですけれども、私が民間の事業者、一企業人として思うのは、企業はもちろん営利団体なので、経済合理性でもって動いているわけです。そこに対して強烈にドライブをかけるのはペナルティーです。なので、金銭的なペナルティー、もしくは、日本ではないでしょうけれども、諸外国でよくあるのが役員の禁錮みたいなところが出てくると、これは確実に動きますので、企業としてはやらなければいけないという義務になります。そういったものが、日本は本当にペナルティーが緩いといいますか、執行力が弱いなというところもすごく感じているので、だから企業がやらない。誠実な倫理観だけに頼っているというところがあろうかと思います。
だけれども、グローバル化している中で、いろいろな海外の企業も入ってきてという中で、その辺のところで経済合理性を考えたときにやる、やらないというときに、それだけきちんとした倫理観のある人だけでやっていたら世界で戦えないですよね。なので、日本企業も海外で戦おうと思ったら、ある程度あざとさだとか、そういったところが現実にはあるわけです。そうしないと誠実さだけでは勝てないから。では、そこを諸外国はどうしていますかと。私は断片的にしか知りませんけれども、やはりペナルティーが強いですね。スケープゴートをまずは見つけて、大きな規制をやって、おまえたち従わないと同じようになるよという、それを見せて強制的に執行させていくというか、法律を浸透させていく。そういった形で消費者被害を減らす観点でも、そういったところは私としては求めたいなと。NDD認定が広がる、広まらないというよりは、消費者被害を減らすためにどうすればいいのかと。最終的には包括的な法律があって、別にダークパターン対策協会なんかなくなったっていいわけです。ないのが一番いいわけで、そういう風になっていくためには、やはりそこの執行力の強化というか、ペナルティーをどう強くするのかというのが私としては一番求めたいところですね。回答になっていますでしょうか。
○鹿野委員長 大澤委員、よろしいですか。
○大澤委員 ありがとうございました。
順番が前後して申し訳ないですが、まず今の御発言に対しては、ダークパターン対策協会はむしろなくなっては困るというか、私の個人的な感触としては、おっしゃるとおりで強いサンクションと、あと、当然強いサンクションをかけるということは、具体的にどういう行為をすれば、それが消費者にとって詐欺的となり得るのかということをきちんと法律で規定することになると思います。それはサンクションを強くするということでもあり、かつどういう行為をすることがダークパターンあるいはディセプティブになり得るのかということを事業者に示すことでもありますし、あるいはもちろんこういう認定制度をつくる上でもそれは必要だと思っています。
その上で、法規制はありつつ、しかし、やはり多くの事業者は、意図せずにダークパターンになってしまっている場合もあるということをたしか御報告でおっしゃっていたと思うので、わざとやって処罰を受けるというのは事業者にとっては一番避けたいことだと思いますし、ましてや意図せずにやって処罰を受けるというのは、これももっと避けたいことだと思うので、対策協会さんの認定制度のようなものは、むしろ法律はありつつ、しかし、そういう意図していないような事業者向けにあったほうがいいのではないかと私は思っています。
日司連の方の回答に関しては、私も別に消費者概念を拡張すればそれでいいと思っているわけでは全然なく、個人事業主を何らかの形で保護するとなれば、これは消費者概念の拡張には恐らくとどまらないだろうと思います。個人的にいろいろ言いたいことはありますが、時間がないのでやめておきますが、ただ、思ったことというのは、要は、そもそも個人事業主をどこまで保護するかということでもあり、かつ、伺いたかったのは、これはもう御回答いただいたので結構なのですが、いわゆる事業者の主たる部分と付随的な契約という御回答があったのですが、まさに付随的なものというのは、特商法の営業のところに入るかどうかという解釈であり得るかなと思いつつ、しかし、営業だという風に恐らく裁判所の解釈でされてしまうということになると、これは難しいというのは確かにおっしゃるとおりだろうと思います。確かに特商法を拡張解釈した判決は私も最近見かけないような気がしますので、なかなか厳しいのだろうなという風に改めて確認させていただきました。すみません。どうもありがとうございました。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
それでは、黒木委員長代理、お願いします。
○黒木委員長代理 お時間がないところすみません。いくつかの団体に質問させていただきます。
まず1つは、全相協様の高齢者の被害実態を踏まえた発表は大変意味があるものだと思っています。最後のところで成年後見制度について言及をいただいています。御案内のとおりだと思いますけれども、現在、成年後見制度については、法務省の法制審議会において改正の議論がされています。そこではこの行為能力を全面的に制限するのではなくて、本人の意思決定支援を行う制度とするべきだという理解のもと取消権、同意権といったようなものについて各段階に分けて、個別的に本人の状況に応じて使い分けを行うという議論がされています。全相協様においては、高齢者等の消費者被害の防止という観点で、このような法制審議会の議論についてどのようにお考えなのかという点について意見をいただければありがたいと思います。
それから、日司連様については、先ほどの個人事業主のことはもう大澤委員が聞かれたので外させていただいて、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」についてお尋ねいたします。このガイドラインでは3つの大きな事業区分がされていて、身元保証と死後事務と生前中のサービス事業と3つに分けて、様々な観点で各省庁が議論して、ガイドラインという形にまとめていただいています。こういうものについてもっと検討したらどうかということは、確かに御指摘のとおり検討しなければならないと思っています。そこで、日司連様として、このガイドラインを超えて、例えばどこかの省庁がこの問題についての監督官庁をすべきだ、あるいは業法をつくるべきだといったようなお考えがあるのかどうなのか。その辺りまでお考えがあるとすれば、それについて教えていただきたいと思います。
それから、悪徳事業者の問題については、まさに「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」は第8次消費者委員会でも議論しました。日司連の資料でも指摘されていますけれども、体系的に総合対策を議論すべきだという御指摘ですが、詐欺だとすると欺罔行為、錯誤、そして財の交付、最終的に財の取得という4つの段階があるわけです。そこで、日司連においては、それぞれの段階において、まず欺罔行為はどういう形で防止すべきだ、錯誤はどういう形で防止すべきだ、最終的に財の交付、取得といったところについてはどういう方法があるということまでお考えがあれば、ぜひ審議の過程に対して重要なのでお話しいただければと思います。
それから、ダークパターン対策協会様についてですけれども、基本的に非デジタルで違法なものはデジタル社会においても違法だということは明らかで、大変すばらしい取組だと思っています。消費者委員会は、2024年12月に「消費者をエンパワーするデジタル技術に関する専門調査会報告書」という報告書を出していまして、そこではオリジナルプロファイリングというところまでは議論しているのですけれども、ダークパターンについては、まだダークパターン対策協会様とのコネクトがなくて、きちんとしたものができていませんでした。今回そこを書き加えなくてはいけないぐらいの話だと思っています。
その中でお尋ねしたいことなのですけれども、今回のNDD認定というのは、基本的には良い子を伸ばすという形で市場に良い影響を与えようという発想でいただいていると思っています。良い子を伸ばすためには、良い子がここにいるということを伝える方法として、今、デジタルプラットフォーマーのリスティング広告あるいは検索連動型広告というのが非常に大きな意味を持っていると思います。例えばNDD認定をされているというようなところについて、DPFの検索連動型広告とかについて、よりプライオリティーを高くして、検索順位を上げるといったようなことまで今考えていらっしゃるのか。金融機関における利息というのも非常に大きな取組だと思うのですけれども、そういう形で良い子はより目立つ、悪い子は目立たないようにしていけば、悪い子にアクセスする方法はなくなってくるので、そういったようなことについてまで、今は具体的な取組はなされていないのかもしれませんが、将来そういうお考えがあるかということについてお尋ねしたいと思います。
以上です。
○鹿野委員長 それでは、順番に、全相協様、お願いします。
○適格消費者団体公益社団法人全国消費生活相談員協会川野専務理事 黒木先生、御質問ありがとうございます。
成年後見制度の改正については、まだ私どもも詳しく研修等で認識をしているわけではなくて、今後どういう風な方向に行くかはまだまだ勉強段階でございまして、今黒木先生がおっしゃった個別の意思確認、個別の対応になるということがまだしっかり把握できておりませんので、今ここで消費者団体でどのように考えているかということは、私としてはお答えが難しいところなのですけれども、ますます消費生活センターの相談員、私どもの構成員である消費生活センターや消費生活相談窓口での対応、役割が非常に大きくなっていくのではないかと思いますので、判断力の不十分な方の今後の相談対応について、ますます取組をやっていかなければいけないと思っております。
すみません。お答えになっておりませんけれども、申し訳ありません。
○黒木委員長代理 ありがとうございます。
○鹿野委員長 それでは、日司連様、お願いします。
○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会川戸委員長 黒木先生、御質問ありがとうございます。
連合会としてというところの議論は、我々は消費者問題対策委員会という一委員会のものでして、まずは高齢者ガイドラインのところですけれども、3つの大きな柱、日常生活の支援、身元保証、死後事務というところがありますが、この3つを全てどこか一つの省庁でとなると、非常に多岐にわたるものになろうかと思いますし、独立の省庁を設けるかというところまでは、連合会としての議論というところまでは、すみませんが、こちらも把握をできておりません。ただ、実際にこれを一つの省庁でというよりは、横断的な対応が必要なのではないかなと考えているところでございます。
高齢者ガイドラインに関しては今のようなところでして、もう一つの悪質商法の詐欺というところですけれども、ここもちょっと細かく4つの要件に分けて、ここをというところではないのですが、私の個人的な考え方としては、端緒になるような広告であるとか、ダイレクトメッセージであるとか、そういったところを最初にどうやって食い止めていくのかというところ。まずやはり一番スタートのきっかけをつくらないというところが非常に重要なのではないかと思っておりまして、その辺のところについては警告メッセージを流すような取組の推進であるとかというのが詐欺の対策に関しての2.0にも述べられていたかと思いますし、このところをまず食い止めるということが重要なところなのではないかと思っております。
すみません。お答えにはなっておりませんが、私のほうからは以上になります。
○鹿野委員長 それでは、ダークパターン対策協会様、お願いします。
○一般社団法人ダークパターン対策協会小川代表理事 黒木先生、ありがとうございます。
おっしゃるとおりで、やはりリスティング広告のところで重み付けというのをやって、例えばNDD認定を取っているところは上位に出て、悪いところは出てこないようにするというのは一つ大きなやり方だと思っています。一方で、それをやろうと思うと、例えばグーグルですとかそういった大きなところといろいろ交渉をしないといけないと。では、それに際して、NDD認定というのはそこまで普及しているのですかみたいな話になるので、やれるとしてももうちょっと先の話なのだろうなと思っていますし、この仕組み自体がうまくいけば、包括的な法律を持っていないほかの東南アジアの国々にも適用できると思っているのです。なので、ある程度の人口的なパワーを持っていけば、そういうプラットフォーマーとも交渉できる余地はあるのかもしれないと思っています。
一方で、この半年の間にAI検索のほうがどんどん伸びてきまして、リスティングより先にそっちが出るのですね。そうすると、AIオプティマイゼーションの方が今課題になっていまして、AIの各LLMの中で、例えばNDD認定というのは信頼に値するんだという風にどう学習させるのかみたいな、そちらのほうが実は重要になっているという、今、フェーズがちょっと変わってきたなというのは感じていますので、そこはそこで取り組んでいるという状況であります。
○黒木委員長代理 ありがとうございました。
本年7月に公表されたパラダイムシフト専門調査会報告書の第3でソフトローとハードローのベストミックスという議論をされていまして、まさにダークパターン対策協会がやっていらっしゃるNDD認定というのは、ソフトローをいかに社会の中でエンパワメントして実装するのか、そしてその活動によって、よりよい社会を実現するための一つの取組だと思っておりますので、大変関心を持って今後も活動を見守らせていただきたいと思っております。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ほかはよろしいでしょうか。随分予定していた時間をオーバーしてしまいましたが。
○友行参事官 委員長、事務局でございますけれども、もう既に退室されていらっしゃる原田委員からチャットに御質問がありまして、読み上げるだけにいたします。別途回答はいただくようにしたいと思います。
ダークパターン対策協会様に御質問がありますということでございます。認定審査機関の役割は、最終審査とどのようにすみ分けておられるでしょうか。また、認定制度と苦情解決、JAROのような消費者側からの苦情を受けた審理手続を将来的に結びつけることはお考えになっているでしょうか。
以上、御質問いただいておりまして、別途事務局から御相談申し上げて、回答は委員の先生方に共有したいと思っております。
以上です。
○鹿野委員長 ありがとうございます。
本来であれば直接お答えいただくということなのでしょうけれども、御質問者もおられないということなので、また改めて御回答いただければと思います。
それでは、意見交換は以上とさせていただきたいと思います。本日は、各団体の皆様からそれぞれの御活動の御紹介をいただくとともに、その活動を踏まえての非常に重要な御意見、御示唆をいただきまして、誠にありがとうございました。時間もかなり押しておりますので、簡単に感想めいたものを申し上げてまとめにしたいと思います。
まず、全相協様からは、改めて高齢者のトラブルについて御紹介をいただき、問題点の御指摘とともに、改善の一つの方策として不招請勧誘規制の必要があるのではないかということも含め御指摘をいただきました。近年は、我々としてもデジタル化をめぐる消費者問題とか、あるいは消費者の脆弱性ということに注目してきましたし、御存じのとおり昨年公表されたパラダイムシフト専門調査会の報告書でも多様な脆弱性を踏まえることが重要視されています。しかし、それは多様な脆弱性ということで、従来言われてきた脆弱性に対してもう少し視野を広げようということなので、高齢者などのいわゆる類型的な脆弱性をめぐる問題を軽視してよいということではございません。高齢消費者被害の防止及び救済のための方策についても引き続き検討する必要があると思っているところでございます。
それから、日弁連様からは全般的な問題とともに、特に重点的にはサプリメント食品に関する法規制の早急な整備を求める御意見、消費者法制度のパラダイムシフトの専門調査会報告書のテーマに関する御意見等をいただきました。サプリメント食品については、御存じのとおり昨年、私たちとしても意見を出したところでございますが、今後も引き続き政府の対応について注視していき、必要に応じて次の手を打っていかなければいけないと考えているところでございます。また意見交換の場などを設けることができればと思っております。
パラダイムシフトについても、まさに今後の具体化が大切なところでございますし、どういう内容で、どういう方向で具体化がされるのかというところについて、私たちとしても注視し、必要に応じて更に意見等を出していかなければならないという風に自覚しているところでございます。
それから、日司連様からは、個人事業者を狙う取引被害について御紹介の上、問題提起をいただいたところでございます。議論にもありましたように、これは消費者概念にも関わるところがあるかもしれませんけれども、もう少し広い問題であるようにも思いました。また、これは経済法と消費者法の連携の在り方などにも関わる問題のように受け止めたところでございます。改めて考えてみたいと思います。
また、終活関連の取引被害についても問題提起をいただきました。高齢者の脆弱性ということとは若干違う局面もあるかもしれませんけれども、高齢者に関連するトラブルとして、私たちも過去、建議等を出してきたところでありますし、その後の政府の対応もありますので、改めて何らか検証していかなければいけないと思っているところでございます。
さらに、デジタル化等に伴う悪質事業者のやり得を許さないというような制度の必要性についても御指摘をいただきました。これは、本日御参加の皆様が思いを共有するところだろうと思います。悪質事業者を市場から排除して、悪質事業者のやり得を許さず、真っ当なビジネスをする事業者がそれに応じた利益を受けるような市場をつくることが非常に重要であると考えております。
それから、ダークパターン対策協会様からは、活動の内容についていろいろと御教示をいただき、また、その立場からの問題提起等もいただきまして、ありがとうございました。先ほど黒木委員長代理からもありましたように、やはりこれは大きくはソフトローとハードローの適切な組合せ、ベストミックスが非常に重要だということの一環でもございます。それから、協力、連携というお話もございましたけれども、担い手としても官民がどういう形で協力し合って、ベストミックスを、ルールの設定だけではなく運用する局面においても実現していくかを考えることが必要であると改めて認識させていただきました。
また、デジタルに特有の問題についてもいろいろと議論をさせていただきました。ぜひこの問題についても、今後も引き続き意見交換をさせていただき、御教示をいただきたいと考えているところでございます。
本日頂戴した御意見を踏まえて、第9次委員会における調査審議を着実に進めてまいりたいと考えております。本日御出席いただいた皆様には、大変貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。委員会を代表しまして、改めて厚く御礼を申し上げます。
《3. 閉会》
○鹿野委員長 それでは、以上をもちまして、意見交換会は終了といたします。
お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。
(以上)