第391回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2023年2月10日(金)10:00~12:30

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、大石委員、黒木委員、星野委員
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、木村委員、清水委員
  • 【説明者】
    独立行政法人国民生活センター青木広報部長
    独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長
    消費者庁山地消費者教育推進課長
    法務省大臣官房司法法制部加藤司法法制課長
    金融庁総合政策局高田総合政策課長
    文部科学省総合教育政策局安里男女共同参画共生社会学習・安全課長
    文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課佐々木課長補佐
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 消費者基本計画の検証・評価・監視(10~20歳代の消費者トラブルの現状について)
  2. 消費者基本計画の検証・評価・監視(成年年齢引下げ後の若年者への消費者教育推進について)
  3. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから第391回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、大石委員、黒木委員、星野委員、私が会議室にて出席。青木委員、飯島委員、生駒委員、木村委員、清水委員がテレビ会議システムにて御出席です。

受田委員長代理は御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について事務局より説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もし、不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。

以上です。


《2.消費者基本計画の検証・評価・監視(10~20歳代の消費者トラブルの現状について)》

○後藤委員長 本日は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、成年年齢引下げ後の状況について確認していきたいと思います。

当委員会では、関係省庁の取組のヒアリングや意見の発出、シンポジウムの開催等、成年年齢引下げについて高い関心を持ってきたところです。

昨年4月の成年年齢引下げから間もなく1年を迎えようとしていますので、本日は、国民生活センターから「10~20歳代の消費者トラブルの現状」について伺った後、消費者庁と関係省庁の消費者教育の取組についてヒアリングをしたいと考えております。

それでは、まず、成年年齢引下げ後の若年者の消費者トラブルの現状について、国民生活センターから御説明を頂きます。

本日は、テレビ会議システムにて、国民生活センター広報部の青木部長、相談情報部相談第二課の加藤課長に御出席いただいております。本日は、ありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 よろしくお願いいたします、国民生活センター相談情報部相談第二課の加藤と申します。

お手元に資料があるかと思いますので、そちらを御覧いただきながら、説明をさせていただきます。

今回、10歳代、20歳代の消費者トラブルの現状をまとめました。3ページを御覧いただけますでしょうか。

契約当事者10歳代、20歳代等における相談件数の推移でございます。

10歳代はブルーの色で示しておりますけれども、今年度は2.4パーセント程度ということで、過去、2017年度に比べますと、少し増加しているかなというところでございます。

20歳代が今年度は9.9パーセントということで、ここ数年、2017年度と比べますと増えておりますけれども、その後ほぼ横ばいといったような状況でございます。

では、具体的に見ていきたいと思うのですけれども、4ページを御覧いただけますでしょうか。

契約当事者10歳代、20歳代、30歳代以上における商品・役務等の内容上位20位を前年度と比較した表でございます。ちょっと小さくて恐縮です。

まず、10歳代のところを御覧いただけますでしょうか。ざっと簡単に御説明いたします。

インターネットゲームが1位でございます。これは、オンラインゲームのトラブルが、未成年者に多くて、特に小学生と中学生が、保護者の許可なくゲームで課金してしまったというトラブルが、圧倒的に多いものですから1位というような状況になっております。

2位に脱毛エステ、これが前年同期と比べますと急増しております。

次のページに、18、19歳だけを絞った形でも表を載せているのですけれども、ほぼ、この脱毛エステの件数は、18、19歳が契約当事者の相談ということになります。

増加している背景なのですけれども、脱毛エステのサロンの倒産があったことと、返金の遅延のトラブルを起こしている事業者につきまして、一部のマスコミ等で報道されたということもあり、そうしたことで解約したいという相談が殺到し、相談が急増しているような状況でございます。

これらの特定の事業者の相談で、相談件数の6割を占めています。それら事業者を除いても500件ぐらいはありますので、脱毛エステに関しては、増加しているといえます。

3位の脱毛剤、これは脱毛クリームなのですけれども、それが定期購入になっていたというトラブルでございます。

2位、3位というところで、美容関連のものが上がってきていますし、9位の「化粧品その他」も含め若者に関心の高い美容分野が上位に上がってきています。

さらに、13位の「医療サービス」も、これは、クリニックでの脱毛がここに入ります。最近、男性の脱毛の相談が増えてきていますので、10歳代、特に18、19歳で契約している若者も多いのかなと見て取れます。

20歳代、30歳代以上は、その後で、男女別の表も併せて付けておりますので、そちらのほうでまとめて御紹介させていただければと思います。

5ページ目を御覧ください。

1位は、先ほど申し上げましたとおり、脱毛エステが12月末時点で960件ということになっております。

ただ、960件が全て4月1日以降の契約ではございません。相談を受け付けた時期が4月から12月の件数ですので、このうち契約締結日が4月1日以降であることが明らかなものは、大体これの半分ぐらいというような状況でございます。

ですので、4月1日以前の契約などは、親と一緒にサロンに出向いてとか、親の同意を取って締結した契約も、こちらに含んでおります。

「商品一般」は、架空請求とか、身に覚えのない商品が届いてしまったという相談で、何の商品を買ったか不明なものが、こちらに含まれます。

「出会い系サイト・アプリ」も、出会いを求めるというよりは、異性の悩みを聞くと報酬がもらえるよというアルバイトをしたくてやってみたところ、逆に有料のポイントを購入させられてしまったといったトラブルがあります。

4位の「他の内職・副業」なのですけれども、こちらは、転売ビジネスとか、情報商材とか、本当に副業をやるというよりは、ちょっとアルバイトをしてみたい、稼いでみたいなというような若者が、この契約トラブルに遭って、4位に入ってきています。

先ほども申し上げた7位の医療サービスは、二重とかの整形よりは、クリニックでの脱毛が多く寄せられております。

10位の「脱毛剤」というのも、また、これは美容関連です。

あと、9位の「他の健康食品」があるのですけれども、これは、何かといいますと、特に目立つのは、ダイエットサプリでございます。定期購入のトラブルでサプリとか、化粧品とかが多いのですけれども、年代によって結構特徴がありまして、10歳代、20歳代は、ダイエットサプリもそうですし、マウスウォッシュとか、身だしなみを気を付けている若者像が相談を通じて見えてきます。

高齢者になってくると、育毛剤とか、そういった類いの化粧品だったりとか、あとは、体を良くするためのサプリとか、中身が少し違ってくるという傾向がございます。

12位のコンサートですけれども、最近、コンサートが増えてきましたので、チケットのトラブルも増えてきました。個人間でチケットを譲ってもらえるということでやり取りをしたところ、こちらの身分証明書を送って、向こうからも送ってもらったので安心してお金を払ったところ、チケットが届かないとか、あと、チケット転売仲介サイトのトラブルとかも寄せられております。

13位の「自動車」なのですけれども、少し増えておりますが、これはほとんどが中古車のトラブルでございます。

美容関連が上位に上がっていると申し上げましたけれども、先ほど申し上げた4位の「他の内職・副業」と、8位の「役務その他サービス」、これは、様々なサービスを含むのですけれども、事例を見ておりましたら、副業のコンサルの契約をしてしまったという相談がありますので、お金もうけ系のサービスが、ここに入っております。

あと、20位の「金融コンサルティング」、これもFXの自動売買ソフトの契約ですとか、そうした投資のスクールとか、そういった類いのものが、こちらに入っております。

ですので、まだ、20代ほどではないのですけれども、少しでもお金を稼ぎたいというような若者像が少し見えてくるのかなと、「お金」と「美」というのが、キーワードかなと思います。

6ページを御覧いただけますでしょうか。10歳代の男女別でございます。

こちらは、男性のほうがインターネットゲーム、オンラインのゲームが多く、女性は、脱毛エステということで、美容に関心があるというような特徴がございます。

時間の関係もあるので、次に行きます。7ページを御覧いただけますでしょうか。

20歳代の男女別の商品・役務の内容でございます。

男性は、20歳代になると特徴が見られるのが、男性の3位に「フリーローン・サラ金」が入ってきています。やはり、20歳代以降になってくると、これらが上位に上がってくるなと。

ただ、「フリーローン・サラ金」に関しましては、年々相談件数は減少しております。

それから、男性でも9位に「脱毛エステ」が入っておりますので、先ほど申し上げたとおり、男性の脱毛のブームといいますか、そうした関心も高まっているのかなと感じます。

それから、光ファイバーとか、家の光回線の乗り換えのトラブルですね、そういったものも18、19歳ではなかったかと思いますけれども、そういうのも入ってくるというような状況になっております。

8ページを御覧ください。

30歳以上なので、かなり様々な年代が含まれてしまっているので、なかなか特徴というのが難しいのですけれども、屋根工事とか13位に入ってきていますのと女性でも19位にありますが、自分の住んでいる住宅周りのことが、上がってくるなと感じております。「修理サービス」も、家の修理だったり、水回りの修理だったりが含まれますので、家関係のものが入ってくるという特徴が見て取れます。

続きまして、9ページを御覧いただけますでしょうか。18歳、19歳の男女別の商品・役務の内容でございます。

先ほど10歳代では多かったインターネットゲームが、年齢が上がるにつれ減少しております。

そのほか、大きな変化はなく、エステ関係、出会い系サイトなどのアプリとか、インターネットを使って利用するものが増えてきているというような状況にございます。

10ページを御覧いただけますでしょうか。契約当事者の年代別販売購入形態でございます。

10歳代は、通信販売が73パーセントということで、ほぼ通販というような形になりますけれども、やはりオンラインのゲームのトラブルと、定期購入のトラブルが多いので、通信販売が増加しております。

店舗購入が、前年同期に比べて増えておりますけれども、これは、エステが増えたから割合も増えていると考えていただければと思います。

電話勧誘で、10歳代で何があるのだろうという感じですけれども、先ほど内職・副業とかが上位に上がっておりましたけれども、安いデジタルコンテンツやマニュアルみたいなものを買った後に、電話をかけてきて、何かのコンサルとか、サポート契約を勧誘する手口がありまして、そういった相談が寄せられたために、電話勧誘販売が少し増えているような傾向にあります。

20歳代なのですけれども、特徴としましては、他の年代に比べてマルチ取引の割合が多いという傾向にあります。

ただ、マルチ取引に関しましては、2019年度ぐらいから少し減少傾向にございます。

11ページを御覧いただけますでしょうか。

契約当事者10歳代、20歳代、30歳代以上の男女別販売購入形態の割合の比較でございます。

男性の20歳代のところを見ていただきますと、訪問販売が少し高く、あとは、通信販売が最も多い。

女性ですと、エステなどが多いので、20歳代ですと、店舗購入が48パーセントとなっております。消費行動の違いによって販売購入形態の違いが出てくるかなと思います。

30歳以上になってきますと、高齢者が含まれますので訪問購入のトラブルが1.8という形で、ほかの年代に比べますと、少し多く見られます。

12ページを御覧いただけますでしょうか。

契約当事者が18、19歳における契約購入金額・既支払額の平均金額です。

契約購入金額が、前年度に比べまして、増加をしております。この要因としましては、先ほど来出ております脱毛エステの相談の件数が増えた影響があるかと思っております。

エステだけで絞りますと、ざっくりなのですけれども、約36万円ぐらいが平均契約購入金額ですので、エステの件数が増えてきた影響で、平均金額がちょっと上がってきているのかなと思います。

それから、既支払額につきましては、1円以上支払っているものに絞って平均を出しておりますけれども、そんなに差はない状況でございます。ちなみにエステだけに絞ると、約15万円ぐらいが平均の既支払額というような状況になっております。

14ページを御覧いただけますでしょうか。

こちらは、10歳代と20歳代の典型的な事例を紹介しているものでございます。

注意喚起の資料で使っている事例を改めて再掲したものでございますけれども、事例1は、無期限で全身脱毛が受けられると説明を受けて契約することにして、契約する際に、決まりだから契約書面には回数と契約期間を入れておくけれども、大丈夫だからと言われた。書面には、契約期間は1年間、1回1.5時間で約6万、全6回と記載してあって、支払いが約40万円になってしまったと。一括で支払えないと伝えたところ、クレジットカードを作って分割払いにすれば良いと。月次は大した額ではないと言われたけれども、やはり帰宅後、高額な契約をすることが不安になったのでクーリング・オフしたいというような相談でございます。

事例2、これは、先ほどのコンサートのトラブルが増えていると申し上げましたけれども、SNSを検索して「チケット譲りますよ」という相手を見つけたと。信頼できる相手と取引したいと言ったら、半額はコンサートの終了後で良いと。お互いに本人確認書類を提示しましょうと提案されたので、この方は、相手から免許証の画像が届き、自分は学生証の写真を送ったと。その後、相手の指示で1万4,000円の電子マネーギフトカードを購入して、番号を伝えたところ、そこから相手と連絡が取れなくなってしまったというようなことがございます。

事例3です。こちらは、副業の関係の相談です。

インターネットで副業を検索し、上位に表示された事業者のサイトには、無料で情報提供すると書かれていたので、メッセージアプリに登録。その後、電話で勧誘されて、初心者に分かりやすいプラン、サポートするといったプランだと思うのですけれども、それを勧められて8万円を銀行口座に振り込んだと。さらに、マニュアル代金も2万円請求されたと。よく考えると、無料だと思っていたのに代金を請求され不審に思って解約を申し出ると、解約料が発生すると言われた。稼げなかったらいつでも解約できると言われていたのに納得できないというような相談です。

続いて、15ページを御覧ください。こちらは、契約当事者20歳代の相談でございます。

事例4です。これは、男性なのですけれども、最近増えているひげ脱毛の相談です。SNSで月額約1,000円、全身が約3,000円といった広告があったので予約して、その予約をしたエステサロンに行くと、ひげや脱毛したい部分を選べる50万円のコースを勧められたと。高額だったので、広告掲載のひげ脱毛をしたいと申し出たところ、納得いく脱毛をするには、このぐらいの料金が掛かりますよと言われて契約したと。しかし、分割払いが36回払いで、総額約60万円になってしまったと。大学生のため、支払っていくことが難しいのでクーリング・オフしたいという御相談でございました。

事例5です。一日に数分の作業で稼げるという動画を見て、興味を持ってメッセージアプリで連絡するとURLが送られてきた。そのURLで、ウェブ会議に参加したところ、転売ビジネスということが分かった。具体的な作業内容は分からなかったが、業者から3か月で100万円稼ぐ人もいる、全額返金保証もあるので安心などと言われて、よく考えないまま30万円の契約をしてしまった。しかし、会員専用サイトを見ると、返金保証を受けるには様々な条件があることや、業者がサポートしてくれる話だったが、質問前に動画を見ないといけないとか、いろいろ条件があることが分かって、続けていくのは無理と思った。解約して返金してほしいというものです。

事例6です。こちらも若者によくあるマッチングアプリきっかけのトラブルです。

マッチングアプリで知り合った女性と食事をした際に、女性の知人の男性が合流して、その人から投資を勧められたと。私がしている投資運用ソフトを利用すれば、月5万円はもうかると言われて、迷っていると、その女性から一緒にしましょうよと誘われて、断り切れずに90万円の投資運用ソフトを購入することにした。お金は、男性から消費者金融で借入れし、もうけから返済できると言われて、指示されたとおりに借金し、その日に男性に手渡したと。長時間の勧誘で契約してしまったが、後悔している。クーリング・オフしたいというものでございます。

先ほど、20歳代になってくると、フリーローン、サラ金の相談も入ってきますけれども、こういった投資とかに誘われて、お金がないというと、消費者金融から借りれば良いではないか、もうけからすぐ返せるからなどと言われて勧められるケースというのも、20歳以降に見られるケースでございます。

続きまして、国民生活センターの取組を御紹介いたします。

17ページを御覧ください。

成年年齢引下げに伴う若者向けの情報提供でございます。

2022年の4月から若者向け注意喚起シリーズと題しまして、シリーズで、コンパクトにまとめた若者に多い消費者トラブルの注意喚起の実施をしております。これまで12回にわたって実施をしているところでございます。

それから、18ページを御覧ください。

こちらは、広報課で実施しているものでございます。2019年度は、インフルエンサー漫画家による漫画を制作しまして、Twitterによって発信をしています。

2020年度は、10代の女子をターゲットに絞りまして、影響力のある記事メディア「HARUHARU」とタイアップして記事を掲載しています。

2021年度は、啓発動画をTikTokで配信したりとか、学習管理アプリへの記事の掲載などの取組をしております。

さらに19ページですけれども、本年度は、複数の手法による啓発動画を配信しておりまして、第1弾としてアニメーションを作成して、TikTokで広告を配信しております。

20ページには、第2弾としまして、啓発用のショートムービーというのを作りまして、それをシネアド、映画上映前の広告動画で上映するという取組をしております。

若者に人気のある映画、ブラックナイトパレードの上映開始前に、ネット通販に関する啓発動画の配信をしておりまして、約4万人の方々に視聴を頂いたということになっております。

第3弾は、YouTubeによる動画広告を検討しているところでございます。

説明は、以上でございます。

○後藤委員長 どうも細かいところまで説明していただいて、どうもありがとうございます。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度でお願いいたします。

○星野委員 詳細な御説明をありがとうございました。非常に勉強になりました。

5ページを拝見しますと、4月から12月まで8か月間で6,732件ということで、昨年度6,000件ですので、もちろん季節性があるかと思いますけれども、単純に掛け算をしていくと、年では1万件ということで、大体1.7倍ぐらいになっているという理解でよろしいでしょうか。多分、脱毛エステ要因が非常にあると思いますが、それを除外しても増えているような感じがしますが、その御認識をどうお考えなのかという点。

あと、すみません、私は統計をやっているので、細かく見てしまいますけれども、年代別の販売購入形態みたいなことに関しまして、非常にこれもすごく重要な情報だと思いますが、こういった被害の、被害に関しての相談というのと、もともと消費者というか、18歳、19歳とか、ほかの年齢もそうですけれども、どういったチャンネルで購入しているのか、例えば、ほかの調査、私も関わっています総務省の家計統計だとか、家計構造調査とかがあるのですね。もちろん世帯とかになったりしていますけれども、例えば、単身者で見ていっても年代別にどういう若者が、インターネット販売で買っているのかとか、それ以外の通信販売で買っているのか、店舗で買っているのかみたいな形の金額別のものが出ていますので、そういったものとの比較をしていただくというが、もしできたら、単純に、どのチャンネルで問題が多かったかというだけではなくて、もともと10代の方々、18、19ですね、20歳前半でも良いかもしれませんが、そういった方々が、どういったチャンネルで、購買形態で購入されているのか、金額ベースのものは分かりますので、何かそういったものも比較していただけると良いのではないかと。

すみません、2点で申し訳ございませんけれども、前半は、結局、増えているということに対しての認識をどのように考えるのかということと、あと後半は、意見というか、今後、そういった他のデータベースもございますので、国の調査もあります。そういったものと比較して見ていっても良いのではないかとコメントをさせていただきました。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 ありがとうございます。

1年間では何とも言えないのですけれども、エステが増えている特殊要因はありますけれども、やはり少し増加するのではないかなとは思っています。

特に、18、19歳で1人で契約できるようになりましたので、エステは、4月1日以降の契約を見ていると、SNSきっかけの広告を見てお試しのつもりで行って、そこで勧められて、今日だったら割引が効くのですとか言われて、お試しでは帰って来られず、そこで契約してしまったと。今までだったら親の同意を取るということがあったのですけれども、それが1人で契約できるようになったことが、特にエステに関しては影響はあるのかなと。

そうすると、今後は、若者の関心が高いところにおいて行動を制限してもらうことは難しいですから、微増していく可能性はあるのではないかなと思います。

ただ、18、19歳の経験の乏しい若者に何か悪質業者が、すごくアプローチをかけているかというとそうではなく、若者がネットでいろいろな情報を取ってきて、それによって自分からアクセスしてしまって、思わぬトラブルに遭ってしまうというところがあるのかなと思います。

先ほどの2点目の販売購入形態のところなのですけれども、相談が多い販売購入形態と消費行動とを比べてどうかということなのですが、最近、通信販売は、特にインターネット通販の割合が増加しておりまして、コロナ禍で、今までネット通販しなかった層、50歳代、60歳代もインターネット通販で買い物をするという、いわゆるコロナによる行動変容みたいなものもあったかと思います。消費者の消費行動が変わってくるにつれて、それに伴ってトラブルも発生しているというように考えております。

御示唆いただきました、通常の消費行動と比べて、PIO-NETの傾向がどうなのかという比較は、正直申しまして、きちんとはできていないので、今後、もし、資料を作ることがありましたら、それも併せて見てみたいなと思います。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 青木です。御説明ありがとうございます。

今日は、成年年齢引下げ後1年経って、変化があったかというところを中心に確認したいと思っておりまして、今日、御説明いただいた内容は、なかなか詳細な分析なので、大変だったのだろうなと思いつつ、まず、件数がすごく増えたというわけではないように感じました。

それから、内容的にも、前から脱毛エステを含め、美容関係とか、それから、投資とかのもうかり話、こういうのは多かったように思うのですが、内容的には、成年年齢引下げによって変化があったと感じておられるかどうかというのを一点、確認したいと思っています。

もう一点が、実際に被害に遭った若年層の人たちというのが、成年年齢が引き下げられたということを認知しているかどうかということですね。なかなかここは、お一人ずつの相談員の方がどのように聞いておられるかによるのですが、昨年から非常に大キャンペーンを4省庁は図っていただいて、国民生活センターも、先ほどのような非常に啓発活動が盛んになっていて、成年年齢が引き下げられたということは知っていたけれども、やはり被害に遭ってしまったのか、引き下げられたこと自体、全く知らないで被害に遭ったかというところが、これからどの辺に啓発活動の力を入れていっていただくかに関わるかなと思うので、どのように感じ取られるかというのを、今の2点、教えていただけますでしょうか。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 2点目の若者がどう理解しているかなのですけれども、恐らく成年年齢が引き下げられたというのは、成人式の問題とかもありますから、知っている人は多いのだろうと思うのです。ただ、それによって、未成年者契約の取消しができないのだというところまでを理解しているかどうかは、ちょっと疑問かもしれません。ただ、それを知っているかどうかということを、わざわざ聞いたりはしていませんので、はっきりとは分かりません。もう成人になったから、親に同意を取らなくても、自由に契約できるのだという点を意識して様々な契約しているかというと、そういうわけではなく、その点を意識せずに興味のあるところに出向いて、例えばエステに行って、今までだったら、同意書をもらってきてくださいと言われたのが、それがなかったので、そのまますっと契約してしまったと。それで、親が知るところとなり、アルバイトで月々払っていけるのかと言われて、自分も、確かにそうだなと思って、やっぱりやめたいといった相談が見られるので、まだまだ、成人になるということはどういうことなのかというところまでは、認識が足りない部分もあるのかもしれないなと、現場では思います。

最初の御質問、すみません、もう一度お願いします。

○青木委員 実際に成年年齢が引き下げられた後、相談の内容が変わってきたかというところなのですが、今日の御説明の中では、件数は、引き下げられたからといって増えているというわけではないと。

それで、内容的には、前から多い、美とかお金絡みというところが多いようですが、そこは増えたという感触なのでしょうか、内容的な変化というのを、何かお感じになっているかどうか、成年年齢が引下げによって、そこはいかがかなというのを確認したかったのです。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 内容は、そんなに変わっていないような気がしますね。

○青木委員 前から多かったですものね。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 そうですね、ですので、脱毛剤が、昨年度のほうは多かったのが減っているので、脱毛剤でやるよりは、エステに行ったほうが良いみたいな、そういう興味の関心がエステに移行したのはあるかもしれませんけれども、あまり美容関連は以前から多かったので、そんなに変化は感じないです。

○青木委員 分かりました。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

私も、今、関心があるのは、成年年齢が引下げになってからどう変わったのかというところで、今回、統計が4月以降ということで、今の話では、あまり変化を感じられないということでしたが、相談と契約の時期に少しタイムラグがあると思うので、今後も推移を見守っていただければと思います。

この間の同じ事例でも、未成年なので解約が割とスムーズに行く場合と、やはり未成年ではないので、解約は少し大変になってしまうということがあると思います。

それで、いつも国センとか、いろいろな消費者センターのホームページを見ていると、事例が書いてあるのですけれども、でもどうやって解決したかというのが、もちろんその事例によって解決方法は様々なのでなかなか書きにくいとは思うのですけれども、やはり利用するほうからすると、どうやって解決すれば良いのだろうということを求めてしまうと思うところがあります。もちろん事例解決方法を書くのはなかなか難しいかと思います。4月の成年年齢改正以降に契約されたものというのが、統計的にどうなのかというのは関心があるところです。これは、私の単なる感想でございます。

それで、国民生活センターでも、いろいろな情報提供ですとか啓発活動をなさっているのは大変良いことだと思っていますし、これからもやっていただけると思うのですけれども、やはり未成年とか成年にとって、消費者にとって皆そうなのですけれども、やはり一番良いのは未然防止のためということなので、なぜ副業を求めるのかとか、なぜ進むかというのが、ただ注意しましょうではなくて、その契約する若者などの行動心理ですとか、あと具体的な例などを含めて、今後も、是非、引き続き啓発、そして相談に乗っていただければと思います。ありがとうございました。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 木村委員、ありがとうございました。

確かに我々の情報提供は、いつも予防なので、結局そのトラブルをどう解決するかというところが足りないというのは、自覚をしております。今後、FAQ等を充実させ、大抵トラブルのあった方が、検索して国民生活センターのホームページを御覧になったりもしますので、もうちょっと具体的に、トラブルに遭った直後、どういう行動を取れば良いのかというところの情報提供というのは、今後考えていきたいなと思っています。

○木村委員 ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございます。

今、最後におっしゃったことと関係してくるのですが、私が今の統計を拝見していて、美容とお金に関することが多いなと思っています。その心理の背景に何があるかと言いますと、やはり10代、20代、Z世代の人たちに、すごく強く見られる1つの傾向でルッキズムというのがあるのですね、見た目重視ということです。

これは、インスタグラムとかTikTokとかに出てくるセレブリティが、毎日、夢のような生活を披露しているわけですね。そうすると、そのセレブ的生活が身近に感じられるわけですね。自分もそうなれるかなとか、なりたいなとか、こんなふうにきれいになりたいなという気持ちが、ルッキズムという言葉があるのですけれども、それがすごく強まっているように思います。ここ10年ぐらいですね。

ですので、今、おっしゃったその背後に何があるか、そういう統計に出てくるランキングの背景にある心理を分析する必要があります。なぜ、こんなに脱毛エステとか、痩身とかが広まっているのかと思うわけですが、世の中の大きな背景にそういうものがあるということです。

また、お金に対する不安も強い時代に入っていると思います。将来への不安もあるでしょうし、こういう弱みにつけ込んだ、その事業者のやり方というのは、一言で言ってしまうと、詐欺に近いものもありますね。3,000円、5,000円と言っておいて、本人が行ったら50万というのは、誰が考えても、詐欺的です。10代、20代の人に20、30万、50万のお話を持ち掛けるというのは、常識的にはおかしいではないですか、幾らローンだとしても。ただ、それでも手に入れたいという若い人たちの気持ちが、すごくあるのだなと。そういう心理がこういう数字に現れているのだと思うのですけれども、啓発、啓蒙していくことの1つの中の要素に、ノーと言える強い心を、是非、Z世代の人たちに訴えていってほしい。すぐに契約せずに、一瞬、待つということ。今だったら安いとか、今だったらお得なのですと言われても、その言葉自体が非常に疑わしいものだということを、知らせていかなくてはいけないし、そこで、いいです、僕は一瞬考えます、私は、ちょっと考えさせてくださいという、ノーと言える強い心を、是非持てるようになってほしいと思うのです。

事業者のほうがはるかに巧みなので、そんな簡単ではないかもしれないのですけれども、こういう被害の情報を提供すると同時に、我々もそういう背景があるということを理解しつつ、やはり当事者ですね、自身が自分を守る、身を守るしかないこともあるわけですから、ノーと言える強い心を育て得ていくべきだと思います。日本人はノーと言いにくい国民性があると、私は思っているのです。人に強く言われると、つられてしまうみたいな。でも、そこで自分は違う意見で、私はいらない、いいですと言って断われるような、そういう習慣や、気付きも持ってほしいと思いました。

以上です。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 ありがとうございます。

10歳代の男性のところで、「化粧品その他」というのがあるのですけれども、これは、マウスウォッシュだったりするのですね、中学生で買っていたりするので、やはりそういうのも気にするのだなというのもありますし、女子だと、ダイエットサプリ、化粧品だと、二重まぶたにする美容液とか、やはり先ほど先生がおっしゃった、見た目を気にするところがあるのかなと思いますし、お金に対することもおっしゃるとおりだと思います。

特に上の世代の方でも、情報商材のトラブルがありまして、なぜそれで確実にもうかると言えるのだろうかなど、疑問に思う意識も必要かなと思いますし、先ほどおっしゃっていただきました、ノーと言うという点についても、例えば今だと安くなると言われたら、その時点で怪しいなと思ってほしいですし、なぜ明日だったら駄目なのかというところを疑問に思ってほしいと思います。長時間勧誘されて断り切れずに契約してしまうという相談を見るとノーと言えない国民性はあるなと思います。ありがとうございます。

○国民生活センター青木広報部長 1点補足をさせていただきます。広報部長の青木でございます。

今、委員からも御指摘を頂きました、断るということの重要性ですが、これにつきましては、2月の下旬から配信を予定しております、30秒のYouTubeの広告動画でも、その点を強調したものを用意しているところでございます。今日、委員から、そういうアドバイスも頂きまして、今回の取組に自信を持って実施してまいりたいと思っております。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 御説明ありがとうございました。

今、生駒先生が言われたZ世代のルッキズムというのは、本当に現場で若者と相対して話を聞いていると、よく分かります。

先日、中学生に、何で脱毛と、男性が成長期に、そんなことをしてはいけないよという話をしながら、でも、みんなきれいを求めていると言われました。若い男性、10代から20代が非常に見た目を気にしている、外見重視だなというのは思います。

そこを、悪質な事業者が、私たち相談員よりも心理状態を考慮し、契約させるというのが、本当にうまくなってきています。

そこで、私たち相談員は現場では、必ず断る言葉を覚えましょうと、若い人から、高齢者まで、伝えています。若い学生などからは、へぇーと言われますが、私が言いますから真似してくださいと言いながら啓発をしているところです。

そして、やはり成年年齢引下げのことは、相談でも聞いていますが、それは知っていると言われます。未成年者契約の取消しを知っていると。でもネットで見ると、いろいろな情報がヒットして、未成年者契約は取消しできなくても、消費者契約法で取消しできるだとか、そういうのが書いてある、また、口コミなどで消費生活センターに言えば、定期購入は必ず取消しができるみたいなのがあると、だからやってくれというネット情報を信用している相談者も増えてきています。

そこで見えてくるのは、幾ら成年年齢引下げ、未成年者契約の取消しを知っていたとしても、まず基本の基ですね、例えば、先ほど定期購入というものがありました。これは、ほとんどがインターネット通販、いわゆる通信販売ですので、不意打ちのときの場合の取消権、クーリング・オフがありません。しかしながら、ほとんどの相談者が、クーリング・オフできますね、まだ8日以内ですなどということも聞きます。

また、契約が成立しているにもかかわらず、いや、まだ支払いが来月の10日なので、まだ支払っていないから取消しできるのは当然だみたいな主張をされることもあります。

こういうことから、やはり私たち現場では、今一度契約の成立はいつなのだ、リアルの場合も、インターネットの場合もということで周知をしたいと思います。

そして、心理状態から、人の言いなりになるなというようなことも徹底していきたいと思います。消費者委員会委員になって、生駒さんから、本当にZ世代のことをお聞きして、すごく参考になっていますので、相談員もそういう心理状態、若者の動向を勉強していきたいと思っています。

すみません、長くなりました。以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

いかがでしょうか、国民生活センターからは、何かコメントはございますか。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 ありがとうございます。

我々は、なかなか直接出向いて啓発するというのがないものですから、清水委員の御発言のほうが、よりリアルで、有り難く拝聴いたしました。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

○国民生活センター青木広報部長 私からも一言、相談員の皆さんには、いろいろな現場で啓発活動をしていただいておりますが、私どもには教育研修部もございますので、心理学の先生などにも講師として御登場いただいているようなこともございます。現場の相談員さんを支援していくような取組についても、力を入れてまいりたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

私もこの成年年齢の引下げには、大変関心を持ってというか、動向を見ておりましたので、今回御丁寧に説明を頂きまして、本当に先ほどから出ておりますように、美と金ということは変わらないけれども、やはり契約ができるようになったことによって、先ほどの脱毛エステではないですけれども、それまでは脱毛剤だったのが、エステを契約するようになったなど、やはり変化はあるのかなと思ってお話を聞いておりました。

生駒さんがおっしゃったみたいに、特に日本の若者は、美を追求するのはどこも一緒だと思うのですけれども、自己肯定感がないというか、やはりそういう意味で、海外と比べても、大変自己肯定感が低いために、どうしてもそういうものに流れやすいというのは、国民性もあると聞いております。

そういう意味で、断れるということも含めて、長い目での消費者教育というのは、やはり必要なのだろうなと思う一方、逆にそこにつけ込む事業者側、ここにどれだけ私たち大人としては、対策が取れるかということもすごく大事かなと思っております。

それで、質問なのですけれども、今、若者の側の変化というのをお聞きしましたけれども、こういう事業者側の変化というのは、相談の中で何か感じるようなことがあれば、教えていただければと思います。

以上です。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 ありがとうございます。

定期的に貸金業の業界団体とは意見交換をするのですけれども、18、19歳の貸付けというのは、すごく気を付けておられます。貸付け自体していないというところもあったと思います。そういう意味では、やはりお金の部分で、クレジット会社もそうですけれども、過剰な与信をしないとか、そういったところで気を付けていただいていると、多額の契約をしなくて済むのかなと思っておりますので、そこは大変有り難いといいますか、重要な取組だと思っています。

一方で、悪質な事業者は、法律が何だろうが関係ないので、そういう相手とインターネットをきっかけにやり取りができてしまうものですから、そこは、18、19歳だろうが、未成年だろうが、あまり関係ない。本当に相談現場ではお話をするのが難しいような事業者が契約相手だったりしますので、そういった人たちとインターネットを通じてつながりやすい環境にあるのだということを、本当に気を付けていただきたいなと思います。

○大石委員 ありがとうございます。

私も、もう一つ心配するのが、今、表に出ている数字とは別に、もしかしたらSNSの中だけで、被害を受けているけれども、声も出せずにそのままになっている若者も、もしかしたらいるのかなというのも大変気になっています。周りに相談したり、センターに相談できる子はまだ良いと思うのですけれども、そうではない、もしかしたら若者もいるのかなという意味では、やはり私たち大人がより注意深く見ていく必要があるのかなと思っています。

以上です。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 ありがとうございます。

なかなか若者は電話が苦手なので、相談をしにくいと聞きます。相談を見ていますと、親からの相談というのが半分近くなのです。ですので、同居している親ですと、何か契約書面が届いたとかで気付くのですけれども、そうではないと、発覚するまで時間が掛かったりというところもあります。まだ親掛かりと言えるのかなと思っていますので、親の世代の方にも知っていただくために、我々の注意喚起も、ちょっとそこの辺りを意識して作ったりもしていかなくてはいけないかなと思っています。

○後藤委員長 よろしいでしょうか、ほかにございますか。

黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 大変丁寧な御説明をありがとうございました。

問題は、生駒委員もおっしゃっていたところですが、若い人たちに対して、どうやってこの問題を伝えるかという点で、17ページ、18ページ、19ページ以下のところに、いろいろ取組を書かれていて、大変興味深く読ませていただきました。

この中で、現在はインターネット上で、いろいろな形で通信販売等により、ネットで勧誘される、ネットで完結するというところがあります。それに対して、いろいろな啓発動画を配信されているという取組自体はすばらしいと思っていますけれども、これは、一応19ページに、2021年度を上回る370万、インプレッションを達成して1万回を超える完全再生数を得たと書いてあります。しかし、ものすごい量のいろいろなネット上の情報の中では、まだ埋没しているのではないかなという気がします。

この点は、国民生活センターに聞いても難しいのだろうと思うのですけれども、このような、より若者に対する訴求力の高い方法として、この取組のほかに映画館での広告枠を使うとか、いろいろ取組をしていらっしゃると思いますが、まだ、ほかに何かいろいろ今後やりたいなと思っていらっしゃることとかがあれば、教えてください。お願いいたします。

○国民生活センター青木広報部長 広報部の青木でございます。

正に、その辺につきましては、私どもも試行錯誤しているところでございまして、例えば、過去に「HARUHARU」というところと、2020年度にコラボした取組を実施したところでございますけれども、これは、既に媒体として姿を消しているというようなところもありまして、若い皆さんが、今、何に関心があって、何から情報を得ているのかということを、我々でも、なるべく追いかけていかなくてはならないと考えております。国民生活センターのホームページに情報を見に来てもらうということは、なかなか難しいので、我々のほうで若者が使っている媒体に出ていくというような形で、情報提供を試みているところですけれども、その効果測定も含めて、どういった方法が良いのか、これも、また、その場面場面で常に見直しをかけていかなければいけないのかなと思っております。また、こういったことについては、御専門の皆様の御意見なども参考にしながら、また、現場の皆さんの声も参考にしながら、効果的な啓発に努めてまいりたいと考えております。

○黒木委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかには、よろしいですか。

清水委員、よろしくお願いします。

○清水委員 恐れ入ります。国民生活センターが、精力的に最近ツールを作ってもらって、情報発信しています。それを消費生活センターでは、再度また、市町もしくは県の単位で国センのデータを拡散しています。相談の現場では、相談に来ると必ず大学名だとか、会社名をお聞きしています。非常に個人情報なので聞きづらいのですが、契約書を見たりして、ただ契約書にはアルバイト先が書いてありますので、学生かどうかを見抜く場合には必ず聞き取って、個人が特定されないように、その大学にアプローチして、学生課に、新入生が入ったときの講座をやりたいということをPRしています。

また、先日は私立大学の学生課の担当の方が集まる会合にお邪魔しまして、こんなトラブルがあったということで、美とか、お金のトラブルが多いと、学生に伝えたいと講座のPRもしています。

地道にやるしかないと思っています。先ほど映画館で配信していただけるとか言われましたが、私たちは、テレビコマーシャルをやっていただけると良いなと思っています。

若者は、テレビは見ませんけれども、見守りの効果はあると思います。また、それを使って私たちが配信しますので、よろしくお願いします。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

昨年4月に民法の改正で成年年齢が18歳に引き下げられ、20歳代初めで見られる消費者被害が新成人に広がることが懸念されていました。

このことから、本日は国民生活センターに、10~20歳代の消費者トラブルの現状について御説明を頂きました。

10歳代、20歳代の若年者については、相談内容としては、かねてから指摘されているとおり、美容関連の消費者トラブルとか、あるいはお金に関するもうけ話等のトラブルが多いのが特徴的であります。

これについては、成年年齢引下げ前の従来の傾向と特に大きな違いはないと、こういうふうに考えてよろしいと思います。

18歳、19歳の2022年の4月から12月の相談件数としましては、前年同期と比較して増加しているところであります。

商品・役務の内容を見ますと、脱毛エステに関する相談件数が急増しており、これは、18歳、19歳、また、10~20歳代でも同様の傾向が見られます。

この脱毛エステの相談件数の急増に関しましては、先ほど国民生活センターから御説明がありましたけれども、事業会社の倒産ということがあったこと、それから返金トラブルをめぐってマスコミで報道されたというようなことが原因の1つと考えられますけれども、倒産等以外のもの、倒産とか、マスコミ報道とか、そういうものは全体の6割ぐらいで、それ以外にも500件ぐらいあるというお話でしたので、倒産とか経営不振ということだけではなくて、脱毛エステの契約自体に問題がないかといった点も含めた、更なる検討、引き続き、この点は注視していく必要があるのではないかと思います。

委員の方々から多数意見が出ておりまして、特にこの若者の消費者被害に遭うという状況についての心理状態というようなこと、そういうようなことというのは考えていく必要があるのではないかということで、ルッキズムという言葉を、私は、初めてお聞きしたということで、勉強になりましたけれども、Z世代の見たところを重視するという傾向が強まっているということ。

それから、お金の問題に関しては、社会的な問題があると思いますけれども、お金に対する不安が強い時代になってきていると。こういうようなことの背景が被害に結び付いているのではないかと、そういうところを狙って、未然防止のための予防、啓発をしていくということが大事なのではないかと思います。

それから、若者の心理状態とか行動というようなことに関係することでありますけれども、ノーと言える強い心を持ってもらうというようなことも非常に大事なことなのだという御指摘がありまして、当事者が身を守るということですね、そういう観点に立つということになるかと思いますが、断るということ、そういうことができる啓発、取組ということが大事なのではないかということが指摘されまして、重要な問題だと思います。

それから、本日は、若者に焦点を当てた意見交換が内容的には多かったわけでありますけれども、事業者が、成年年齢引下げへの取組として、どんな変化があるのかという点も重要な御指摘でありまして、これについては、例えば貸金業界などでは、気を付けているというようなことが見て取れるという状況があるということなのですが、やはり問題になってくるのは、悪質事業者への対応ということでありまして、インターネット時代であって、インターネットでやり取りができて、直接インターネットで勧誘等の方向に持っていけるというようなことに関する問題、悪質事業者を特に、どういうふうにインターネット時代において考えていくかというようなこと、これは、重要な問題だと思います。

それから、啓発活動については、若者に対する訴求力が強い情報提供とか、周知徹底、このようなことについても、非常に重要な、これは行政の取組ということになりますけれども、重要な点になってくるかと思います。

このように、国民生活センターにおかれましては、若者向けの様々な注意喚起や周知啓発に積極的に取り組んでいただいているわけでありますけれども、若年層の消費者被害の未然防止や、自立した消費者の育成に向けては、なお課題が多いと認識しております。

2022年度の数値は、4月から12月までのデータではあるものの、18歳、19歳の相談件数及び契約購入金額ともに、前年同期比で増加しているとの結果が出ておりますので、引き続き、内容面の分析、販売購入形態というようなことにも焦点を当てて、そういう内容面の分析ということを考えていくことが必要であると思います。

消費者委員会としましても、年度を通しての結果などについて、引き続き注視していきたいと思います。

デジタル化の進展や、コロナ禍からの社会経済活動の再開で、新たな形での消費者トラブルも想定されるわけですので、一層の取組をよろしくお願いいたします。

以上の御議論につきましては、この後予定しております、消費者庁と関係省庁、成年年齢引下げ後の若年者への消費者教育推進についてのヒアリングにも関わってまいりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

国民生活センターにおかれましては、本日は、お忙しいところを審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

○国民生活センター相談情報部加藤相談第二課長 ありがとうございました。失礼いたします。

○国民生活センター青木広報部長 失礼いたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

(国民生活センター 退室)


(消費者庁、法務省、金融庁、文部科学省 入室)

《3.消費者基本計画の検証・評価・監視(成年年齢引下げ後の若年者への消費者教育推進について)》

○後藤委員長 続きまして、消費者庁と関係省庁、「成年年齢引下げ後の若年者への消費者教育推進」について、ヒアリングを行います。

令和3年12月に発出した当委員会の意見で、若年者の消費者被害の防止・救済、自立した消費者の育成を図るためには、改正民法の施行後においても継続的に適切な周知や消費者教育を実施していくことが不可欠である旨、指摘をいたしました。

本日お越しいただきました、消費者庁、法務省、金融庁、文部科学省におかれましては、昨年3月の関係局長連絡会議において、成年年齢引下げ後の若年者への消費者教育推進方針を決定し、これに基づき、必要な施策を実施されてきたと伺っておりますので、本日はその取組状況について御説明いただきたいと思います。

本日は会議室にて、消費者庁消費者教育推進課、山地課長に御出席いただいております。

また、テレビ会議システムにて、法務省大臣官房司法法制部司法法制課加藤課長。金融庁総合政策局総合政策課高田課長。文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課安里課長に御出席いただいております。本日は、ありがとうございます。

それでは、それぞれ5分ずつ、合計20分程度で御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 おはようございます。それでは、まずは、消費者庁から御説明を申し上げたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

では、資料の2ページ目でございますけれども、成年年齢引下げに関する、これまでの若年者への消費者教育について簡単に御説明申し上げます。

関係4省庁が連携いたしまして、2018年2月に、「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム」。そして、2021年3月に「成年年齢引下げに伴う消費者教育全力」キャンペーンを決定いたしまして、これらに基づきまして、これまで若年者への消費者教育の取組を推進し、一定の成果を上げているところでございます。

例えば、高等学校等における「社会への扉」等を活用いたしました実践的な消費者教育(授業)の実施率につきましては、どんどん上がってまいりまして、2021年度では91パーセントまで上がったというところでございます。

また、消費者教育コーディネーターの配置都道府県数につきましても、上昇してまいりまして、2021年4月には40都道府県という形になっておるところでございます。

2022年1月には、成年年齢引下げに関する関係閣僚会合が開催されまして、施策の取りまとめが行われてございまして、総理からの指示もございまして、「成年年齢引下げ後の若年者への消費者教育推進方針-消費者教育の実践・定着プラン-」を決定し、これに基づきまして、現在、各省庁の取組を進めておるところでございます。

次に、推進方針、定着プランにつきまして簡単に御説明申し上げたいと存じます。

成年年齢引下げ後の若年者に対する消費者教育につきましては、高等学校段階のみならず、社会人も含めた若年者への切れ目のない消費者教育へと進展させ、被害状況等も踏まえつつ、消費者教育の実践・定着に向けて関係4省庁が連携し取り組むということで、3年間の計画とされておるところでございます。

内容につきましては、Ⅰの「実践的な取組の推進・環境整備」ということで、1ポツの学校等における消費者教育の推進で、高等学校と、それから、大学等における推進、また、事業者等における若年者向け消費者教育の推進ということになってございます。

2番が若年者に対する広報・啓発、そして、3番が若年者を支える社会的な環境の整備ということで、188の周知等を行っております。

Ⅱでございますけれども、「コンテンツの充実・活用の促進」ということで、動画、教材等のSNS、ウェブサイト、ポータルサイト等を通じた活用促進を行っております。

また、Ⅲの「進捗状況のフォローアップと推進方針の見直し」ということで、毎年度フォローアップ、必要に応じ見直しをすることとされてございます。

次のページでございますけれども、具体的な取組についてお話し申し上げます。

まず、「社会への扉」等を活用した消費者教育出前講座、講師派遣ということで、「社会への扉」等を活用いたしまして、消費者トラブルの実態に精通された消費生活相談員等を学校に派遣し、実践的な消費者教育講座を実施してございます。

今年度は、中学校も対象に含めまして、私立高校や特別支援学校等の生徒に対する教育を行っておるところでございます。

具体的には、活用例のところでございますけれども、ホームルーム時に全校生徒にオンライン視聴いただいたりだとか、社会科、公民、家庭科等の授業の途中で視聴いただいたりだとか、あとは自習時間等で、オンデマンドで流してくれています。もちろん、リアルな講師派遣も多くございます。

なお、「社会への扉」につきましては、昨年9月に、文科省にも御協力いただきまして、学習指導要領の改訂等を踏まえました改訂も行って、それに基づきまして取組を進めておるところでございます。

続きまして、5ページでございますけれども、事業者等における若年者向け消費者教育の推進でございます。

これは新しい試みでございまして、高校、大学を卒業された後の方々にもアプローチするということで、事業者において、特に今年度は若年の従業員、新人等を対象とする研修に消費者教育の内容を導入いただくことを目指しまして、企業へのヒアリング等により効果的な研修手法を調査した上で、事業者内の若手従業員研修向けプログラムを開発しておるところでございます。

事業者、複数の業種の企業に対しまして、新人研修に消費者教育を導入することの意向やニーズ等のヒアリングを実施いたしました。

検討会を開催して検討を進めまして、試行研修も実施しておるところでございます。

検討会等の御意見を踏まえまして、新入社員向け研修プログラムを開発し、例えば、研修用スライド、動画、講師用指導ガイド、研修説明資料等を開発しておるところでございます。

具体的なプログラムのメニューといたしましては、消費者トラブルの対応、持続可能な社会の形成、商品安全、生活を支えるお金、インターネット取引といったメニューで開発を進めておるところでございます。

6ページでございますけれども、毎年5月を消費者月間と設定いたしまして、様々な取組を行っておるところでございますけれども、本年度の統一テーマにつきましては「考えよう!大人になるとできること、気を付けること~18歳から大人に~」をテーマとして取り組みました。

例えば、保護者向け消費者被害防止セミナー、後ほど詳しく御説明申し上げますけれども、こうしたセミナーで、保護者向けの内容のセミナーを行い、消費者庁、YouTubeチャンネルにて配信を行ったりだとか、消費者月間シンポジウムで取り上げたりとか、また、今回の月間のポスターにつきまして、成年年齢引下げをテーマにしたポスターを募集して、そういった取組を行ってございます。

次に7ページでございますけれども、先ほどお話し申し上げました、保護者向けセミナー動画の配信でございますけれども、菊間弁護士に御参加いただきまして、10代後半から20代前半のお子様を持つ親世代向けに、成年年齢引下げに関わる若者の消費者トラブルにつきまして、セミナー動画を作成し配信したところでございます。

それから、8ページでございますけれども、SNSを活用した情報発信等ということで、Twitterのアカウント、「18歳から大人」というのを設置いたしまして、情報発信を行ったりでありますとか、LINEで、「消費者庁 若者ナビ!」というアカウントを立ち上げまして、こちらでも情報提供を行ったりしてございます。

それから、9ページでございますけれども、消費者ホットライン188の周知広報ということで、政府広報テレビでございますとか、政府広報ラジオ、委託広報で、主に高齢者・若者を対象に、188の認知度が低い地域で集中広報ということで、具体的には静岡と富山で、地元出身の有名声優によるコンテンツ・イベント等として、テレビCM、ウェブCM、1日センター所長・街頭啓発、また、高校校内放送・出前講座を行いました。

最後、20ページでございますけれども、消費者庁で設置してございます、消費者教育ポータルサイトを今年度改定いたしまして、使い勝手を良くしておるのですけれども、こちらで教材を掲載いただいて、それを皆様に御活用いただけるように検索できるようにしたりだとか、取組事例を見られるようにしたり、あと講師を探すだったり、注意喚起チラシを御活用いただけるようにしたりといったようなことで、こういったところで、教材の横展開を図っておるところでございます。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、引き続きまして、法務省からよろしくお願いいたします。

○法務省大臣官房司法法制部加藤司法法制課長 法務省の司法法制課長の加藤でございます。よろしくお願いします。

○後藤委員長 よろしくお願いいたします。

○法務省大臣官房司法法制部加藤司法法制課長 法務省が、令和4年度中に行いました、若年者への消費者教育推進のための取組について御説明いたします。

お手元の配付資料の表紙をめくりまして、2枚目を御覧ください。

まず、学校等における消費者教育の推進に関する取組についてです。

法務省では、法律の専門家ではない一般の方々に、法的なものの考え方などを身に付けていただく法教育を推進しています。

この法教育を推進する観点から、学校現場に法曹有資格者を派遣しまして、法教育の中で消費者教育も推進していくという取組をしております。

今般の成年年齢引下げに対応しまして、契約や私法の基本的な考え方、また、トラブルに巻き込まれた場合の対応などにつきまして、子供たちに学んでいただくため、令和2年度から、高校生向け法教育リーフレットを作成しまして、全国の高校2年生に配布しており、令和4年度におきましても、約130万部を配布しました。

このリーフレットにつきましては、学校現場や、地方自治体、士業団体等からの個別の求めに応じた配布も別途行っております。

令和5年度以降も引き続き、高校2年生を対象としまして、全国の高等学校等に広く配布する予定です。

このリーフレットの配布に加えまして、専門家の解説動画や、確認テスト、学校現場における実践授業例などを法務省ホームページで公開しておりまして、令和4年度には、新たに学校現場で御使用いただくスライド資料を作成し、これをホームページに公開しております。

次に、若年者に対する広報・啓発、注意喚起、情報発信等についてです。

シンポジウム等を活用した啓発としましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けまして、参集型を採用することはなかなか困難な状況でした。

しかし、令和4年10月1日の「法の日」に合わせまして、法務省ホームページ上に設けられた特設ページにおきまして、法教育に関する各種動画を公開し、周知啓発を行いました。

1枚おめくりいただきまして、資料の3枚目でございます。

引き続き、広報・啓発等についてですが、更に、SNS等を活用した情報発信です。

漫画やクイズを通じて、成年年齢引下げの意義や契約に関する知識などを学べる特設ウェブサイト「大人への道しるべ」と、そのエッセンスを1分にまとめた動画「1分でわかる成年年齢引下げ」を公表しました。

さらに、政府広報室や関係省庁とも連携しまして、人気アニメ「東京リベンジャーズ」とタイアップした啓発動画等を掲載した特設ウェブサイトを公表しました。

また、法教育マスコットキャラクター「ホウリス君」のTwitterアカウントを用いまして、高校生向け法教育リーフレットに関する各種コンテンツ、リーフレットを用いて実施した出前授業の様子などを紹介しました。

続きまして、若年者を支える社会的な環境の整備についてです。

親世代を含めました、若年者周辺の方々へのシンポジウム等を活用した啓発や情報発信として、教職員研修センターや、全国高校PTA連合会などの関係団体からの求めに応じまして、教職員や保護者向けの研修等に法曹有資格者を講師として派遣し、契約や私法の基本的な考え方等に関する周知啓発を行いました。

最後に、コンテンツの充実や活用の促進についてですが、これは、先ほどの学校等における消費者教育の推進に関する取組と内容が重複しますので、説明は割愛させていただきます。

法務省からは、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、金融庁から、よろしくお願いいたします。

○金融庁総合政策局高田総合政策課長 金融庁の総合政策課長の高田と申します。

お手元の資料を御覧ください。

最初の表紙をおめくりいただきまして、1ページ目を御覧ください。

まず、学校等における消費者教育の推進の一環としての金融経済教育の推進でございます。

この4月から新しい学習要領が適用されているわけですけれども、それに対応いたしまして、金融経済教育に関する事業を行うための高校生向けの指導教材を作成いたしました。これを授業等に利用可能な形で提供するとともに、この教材を用いた高校生、教員向けの授業動画なども公表しているところでございます。

ちなみに、この高校の学習指導教材ですけれども、実際に現役の高校の先生方などとも意見交換をする中で作成をいたしました。これを公表した際には、SNS等でも評判になったところでございます。

この中では、家計管理や生活設計といった基本的な知識のほか、実際にお金を使う、貯める、あるいは増やす、借りるといった、それぞれの場面における知識、更には金融トラブルに関する内容なども盛り込んでいるところでございます。

それから、金融庁・財務局によります出張授業、教員向け研修等の実施であります。

金融庁職員あるいは地方の財務局の職員が、実際に高校等に赴きまして、金融経済教育の授業を実施すると。

また、こういった教育を担う家庭科の先生になるわけですけれども、家庭科の先生自身が、なかなか金融といったものにあまり馴染みがないという方もいらっしゃいますので、こうした家庭科の先生向けの研修や研修授業への講師の派遣も行っております。

また、こうした出張授業に当たりましては、金融庁に寄せられた相談事例なども踏まえた、金融トラブル事例とその対応策に関する授業なども実施をしているところであります。

また、金融広報中央委員会や、あるいは業界団体などとも連携をしまして、大学生向けの金融経済教育の連携講座も提供しておりますし、また、大学生や新社会人向けのオンデマンドの授業動画の提供も行っております。

それから、その下、3ポツのところにまいりまして、若年者を支える社会的な環境の整備というところでありますけれども、金融知識普及や成年年齢の引下げを含めた啓発活動の実施ということで、各種イベント・セミナーへの登壇や、また、テレビなどのメディアも活用して、金融知識の普及・成年年齢の引下げに関する講演等の啓発活動を展開しているところであります。

それから、一番下のところにありますけれども、SNSなどを含めた様々なコンテンツを活用した発信にも取り組んでいるところでございます。

1枚おめくりいただきまして、2ページ目でありますけれども、これは若年者向けに限られたことではないのですけれども、現在、政権として非常に力を入れて取り組んでおります、金融経済教育の充実に関する施策について御紹介をさせていただきます。

資産所得倍増プランというものを、昨年の11月に政府として決定しておるわけですけれども、これは、岸田政権の非常に重要な政策の柱の1つであります。

この中では、NISAの抜本的拡充といった投資のための制度の整備も含まれておりますけれども、それと並んで、実際に投資を行う側である国民の金融リテラシーの向上について、金融経済教育の充実も大きな柱として進めることとしております。

このページの左側でありますけれども、これまでの課題としましては、官民で既に金融経済教育については、様々な取組が行われておりますけれども、必ずしも多くの国民に届いていないと。その下の円グラフにありますように、実際に金融教育を受けた経験があるとアンケートに答えた人は7パーセント程度でありまして、大半の人は受ける機会がなかったという状況であります。

また、業界団体が行う教育ですと、どうしても商売目当てだと思われて敬遠されるといった傾向もあります。

そこで右側の欄でありますけれども、中立的な立場から金融経済教育を提供する金融経済教育推進機構という新しい組織を、法律を今国会に提出いたしまして、来年中に設置をすることとしております。

その際に、この組織に、今、日本銀行が担っております金融広報中央委員会の機能を移管・承継するほか、政府・日銀に加えまして、業界の様々な団体からも御協力を頂いて、正に官民一体となって金融経済教育を推進する体制を整備いたします。

そして、こうした施策を関係省庁や地方自治体、民間団体などが連携して、国全体として推進すべく、国家戦略としての基本的な方針を策定すると。こういったことも法律に基づいて進めていきたいと考えております。

私からは、以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、文部科学省から、よろしくお願いいたします。

○文部科学省総合教育政策局安里男女共同参画共生社会学習・安全課長 文部科学省です。

私からは、5分というお時間でしたので、1枚にまとめさせていただきましたが、ページをおめくりいただいて、こちらの1枚に沿って御説明申し上げたいと思います。

文部科学省では、消費者教育を、大きく分けて2つのカテゴリーで推進しております。

一つ目は、左にまとめておりますが、高等学校等における消費者教育の精神ということで、しっかり学校で生徒たちが学んでいける環境を築いていくことに取り組んでおります。

もう一つの柱としては、大学等における消費者教育の推進ということで、もう成人になっておりますけれども、大学生の皆様などにしっかり情報を届けていくということに取り組んでおります。

それぞれ解説いたします。

左は、高等学校等における消費者教育の推進についてでございますが、まず、1点目としては、学習指導要領、こちらは改訂いたしまして、平成29年、それから30年に公示をしておりますが、こちらの趣旨の周知徹底をしっかり図るということでございます。

小中学校や高等学校の社会科や公民科、家庭科を中心に、各教科で消費者教育の内容を充実いたしておりますので、そちらをしっかり伝えて実施していただくということでございます。

指導要領で、どういう内容があったか、特に家庭科で、こういうことが書かれていますということを※印に記載しておりますので、お時間のあるときにお読みいただければと思います。

2点目ですが、実践的な消費者教育等の推進、こちらが非常に重要と考えております。消費者教育、学校の先生だけで教え切るものではないかなと思っておりまして、消費者教育や環境教育も関連が強いと思いますが、そうしたもののみに携わる地方公共団体の担当者の方、それから、NPOとか大学、企業の方々、関係者を集いまして、消費者教育連携・協働推進全国協議会と堅い名称を付けておりますが、実際実施するときには、消費者教育フェスタと言いまして、お祭りのように、皆様で集まって実践事例の発表を頂いて、ノウハウを共有していただくという取組も推進してございます。

3点目でございますけれども、先生方の質の向上が重要でございますので、養成、研修の推進といたしまして、まず、養成の部分については、学校の教職員の養成課程を置く際に、課程の認定申請をする形になりますが、そちらの資料の中にも、消費者教育の関係をしっかり、何が今求められていて、どういう取組が必要なのだというようなことの資料を掲載するということをしております。

それから、実際に教師になった皆様に向けては、独立行政法人教職員支援機構というのがございますが、こちらで「社会への扉」を活用した研修用動画を作っておりますので、そちらの周知にも努めておりまして、各教育委員会に対して、消費者教育に関する現職の教員研修の充実を促しているところでございます。

続いて右、(2)にまいりますけれども、大学に向けてでございますが、大学生の消費者被害の防止に向けた指導といたしまして、大学に対しては、新入生ガイダンスなどにおける周知をお願いしております。学生に対して指導・啓発の徹底について依頼をさせていただいております。

併せて、学内の教職員等の消費者被害の防止に関する意識醸成も図るようにお願いをしております。

その他、文部科学省においては、消費者教育、関係省庁の皆さんと連携してだと思っておりまして、他省庁で作られた動画や教材など、良いものがございますので、そうしたものをしっかり教育の現場に届けるという形で、教育委員会に案内・周知を行っております。

また、文部科学省のホームページにも、関連したものが一覧で分かりやすく伝わるようにという形で、ホームページに展開をしております。

私からの説明は、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度を予定しております。

生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明、各省庁からありがとうございました。いろいろな取組がなされているなということを学ばせていただきました。

先ほど来から、我々も話をしていたのですが、新たに成人になる若い世代の方々に何を発信していくかというところで、いろいろな被害例を見ると、やはり断る力みたいな、ノーと言える強い心みたいなものは、何より第一に啓蒙していただきたいと思っているのです。ノーと言えることが格好良いのだ、ぐらいのアピールが必要です。いろいろな誘惑があるわけですので、そういったことに対して断れる力というのが、まず、必要なのではないかなと思っていますので、いろいろな啓蒙活動をされる中で、伝え方はいろいろだと思いますけれども、是非巻き込まれずに、契約しない、ノーですと言うことが、皆さん、当たり前になるような状況が作れると良いかなと思っています。

それから、金融庁で、いろいろ金融に関する啓蒙教育活動をされているということを、私も存じ上げているのですけれども、1つ、私からのお願いといいますか、とりわけ副業のことであったり、1日で60万もうかるような話ですとか、先ほど所得倍増というお話がありましたが、解釈の仕方一つ間違えると、簡単にすぐにお金を増やせるのだみたいな、そういう安易な考え方が広まっているように思えるのです。真面目に働いて、お金を稼いでいく中で、いろいろな投資であるとか、新しい資産運用をしていく。その両方が必要だと思うのですけれども、所得倍増といきなり言われると、何かちょっと勘違いしてしまうのではないかなと思うのです。

金融に関しては、とりわけ倫理感みたいなもの、私、日本エシカル推進協議会の会長を務めているのですが、消費者の方にはエシカル消費、それから経営者の方にはエシカル経営をお勧めしている立場なのです。是非、エシカル金融とは何なのか、これは私自身も学ばなくてはいけないのですけれども、金融が自分のためだけではなくて、例えばエシカルというのは利他的である、利己的ではなく利他的であるということであったり、やはり社会のためになるみたいな、もちろん自分の生活を支えることも重要なのですけれども、経済というものの在り方について、本来の在り方、健全な在り方についても、併せて啓蒙していっていただくような、そういう機会も設けていただきたいと思うのです。今、お話をお聞きしておりまして、とりわけ若い世代の方が、やはり一気にお金を増やさなくてはみたいな、何か将来への経済的な不安もすごく強いことが背景にあると思うのです。

ですので、是非そういったことの背景も、心理的な若い人たちの気持ちも、分析していただきながら、未来につながる啓蒙活動をしていただけると有り難いかなと思いました。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、先ほど、ノーと言える、断ることができる、そういう啓蒙ということに関しては、消費者庁からお願いいたします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

断れる力、大事だと思っております。今は、昨年秋の当庁の霊感商法等の検討会におきましても、被害防止の力を付けるための消費者教育が大事だというような御提言を頂いたこと等を踏まえまして、新しく実践的な消費者力を身に付けられるような教材を開発しようということで検討しているところでございまして、その中でも、何かおかしいぞという違和感を感じられるような気付く力、それからきっぱりと断れる力、そして、ちょっと違和感を感じたら、相談をすることができる力というのが必要なのではないかというような議論をしておるところでございまして、そういうような力を身に付けられるような教材を、来年度中に開発できるように取組をしっかり進めてまいりたいと存じます。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、金融庁からは、いかがでしょうか。

○金融庁総合政策局高田総合政策課長 御意見ありがとうございます。

まず、第1点目で、若い方々が簡単にお金を増やせるとか、あまりそういう誤解を与えてはいけないのではないかと、全くそのとおりだと思います。

私どもの金融経済教育の中でも非常に重視しているのは、まず、当然ながら投資というのは、常にリスクがあるということと、それは、あくまでも自己責任で行うということです。それが基本です。

あと、どうしても若い方々が、例えばSNSなどの情報をうのみにして、例えば、暗号資産とか、我々ですら、なかなか手を出さないような、危なっかしいものに、つい手を出してしまうとか、何か一攫千金を狙ってしまうということが起きがちであります。

我々として重視をしておるのは、例えば、つみたてNISAという制度を我々は展開しているわけですけれども、基本的なもの、ある程度リスクが分散されたものに少額でも定期的にこつこつと長期間かけて投資をしていくというのが、実は長期的には非常に合理的な投資手法であると、そういったことを、理論的な背景も含めてかなり丁寧に説明をしております。

ですから、投資というのは、もちろん一切手を出すなというものではなくて、一定程度の投資というのは、やはり人生設計の中で重要なパートを占めるわけですが、その際に、よりリスクが少なく、また、合理的なものを選びやすいような環境というのを整えていきたいと考えております。

それから、倫理感、エシカルな要素ということ、これも全く同意するところでありまして、今、金融の世界では、いわゆるESG投資、あるいはサステナブル・ファイナンスというものを、金融庁としても非常に強く推進をしております。

今、若い世代は特に、SDGsなどに非常に関心を持っていると感じておりますので、我々、このESG投資あるいはサステナブル・ファイナンスというものについても、これは、また、政策として強く推進しているところですけれども、これと若年層を含めた金融教育の融合といったものについても、これは、正にこれから取り組んでいきたいと考えております。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

○生駒委員 ありがとうございました。

長期的な視点というのがすごく重要だと、今、お話もお伺いしていて思いました。短期的に、本当にもうかるではないですけれども、そのことが加速していくと、本当にいろいろな被害が出てしまうので、是非その点は強調していただきたいのと、ESG投資やサステナブル・ファイナンス、是非推進していっていただければと思います。

ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ほかに御質問はありますでしょうか。

飯島委員、よろしくお願いします。

○飯島委員 飯島でございます。御説明いただきまして、ありがとうございました。

3点御質問させていただきたいと存じます。

1点目は、4省庁の連携のほかに、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議というものもあり、取組は重なっている部分もあるかと思うのですが、そちらとの関係を御教示いただきたく存じます。

2点目は、関係4省庁の連携の中で、各省庁が力を入れている取組があると思うのですが、いわば目玉となるような施策に、関係4省庁の連携をどのように組み込んでおられるのか。

例えば、金融庁で、これから新たに法律に基づいて金融経済教育推進機構を設立して、金融経済教育を充実させていくということですけれども、こういう中で、どのような連携を予定されているのかといったことを含めて御教示いただきたく存じます。

3点目も金融庁で恐縮ですが、これまでの課題として業界団体は敬遠されていたところを、新たな機構を設立して、官民一体となって更に強力に実施されていく御予定だということだと思います。業界団体の役割は非常に重要だと思うのですが、その役割を今後、どのように位置付けていくのかについて、もう少し具体的にお教えいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、まず、消費者庁から、どちらに。

消費者庁からは、特にございませんか。

それでは、金融庁からお願いいたします。

○金融庁総合政策局高田総合政策課長 ありがとうございます。

まず、金融経済教育の推進についての各省庁の連携ということでございますけれども、先ほど御紹介をいたしました金融経済教育推進機構、これは政府、また、官民一体となって、この金融経済教育を推進していく1つの母体となります。

また、政府の中でも、こうした金融経済教育を進めるための、正に国家戦略としての基本的な方針を、これを関係省庁一体となって進めていくと、そういった新たな体制がこの法律に基づいて整備をされていくということになります。

その中では当然、これまでも関係省庁とは、密接に連携をしてきたところではありますけれども、更により一層、例えば、学校教育ということに関して言えば、やはり文科省との密接な連携が必要でありますし、そこは金融庁として積極的に各省庁の連携、協力を呼び掛けていきたいと考えてございます。

それから、その中での業界団体の位置付けでありますけれども、現在でも様々な業界、例えば、日本証券業協会でありますとか、あるいは全国銀行協会などは、それぞれ自前のプログラムがありまして、様々な金融教育を展開しておりますし、また、それぞれ個別の金融機関もそういった取組をそれぞれされていると承知をしております。

こういったものは、一定の役割分担ということで、もちろんそれぞれがそれぞれでやられている取組というのは、それは尊重したいと考えているわけなのですが、ただ、今後、新しい体制が整った後においては、特にこうした主立った業界団体には、この新しい組織のほうに入っていただくということを考えております。

その中で、例えば、実際に教えるコンテンツについて、ある程度統一的なものを作るとか、あまり業界のバイアスが掛かっていない、ちゃんと金融庁とか、そうした公的な機関も関与したそのプログラム、その枠組みの中で、ただ実際の活動は、そうした業界団体にも行っていただくということによって、これまで以上に中立性や信頼性というものが確保できるのではないかという形を考えております。

ですから、民間の方々の力というのは、どうしても必要なのですけれども、この民間の方々の力を使いつつ、ただ、そこに国も関与したフレームワークをかぶせていくことによって、その中立性、信頼性を確保していきたいと考えております。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、法務省から、よろしくお願いいたします。

○法務省大臣官房司法法制部加藤司法法制課長 法務省でございます。

先ほど委員から御質問がございました中で、法務省の民事局が基本法制として民法を取り扱っている関係で、事務局をやらせてもらっております関係府省庁連絡会議、正式には「成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議」というものがございます。

こちらにつきましては、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関しまして、政府全体として、総合的かつ効果的な取組を推進していくといった目的のために、平成30年4月に会議が設置され、その後、関係府省庁が一体となって、環境整備の施策に取り組んできたところでございます。

現在では、関係府省庁が取り扱う分野につきまして、それぞれに個別に取り組んでいくべき施策、課題などがございますので、そこを中心にやっております。

例えば、消費者問題に関しましては、この消費者委員会の御意見などは非常に貴重でございますので、そういった御意見も踏まえて、消費者庁を中心として、関係府省庁も協力しながら進めているというような位置付けでございます。

法務省からは、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

飯島委員、以上でよろしいですか。

○飯島委員 はい、ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 青木でございます。どうも御説明ありがとうございました。

各省庁とも非常に精力的に消費者教育のところに、いろいろな施策を展開していただいていることを、今日の御報告で理解いたしました。引き続き、それをお願いしたいと思っているのですが、前段で、国民生活センターの、特に若年層の被害の実態を聞いたときに、成年年齢引下げによって特に増えたということではないのですね、やはり若年層の問題というのは、継続的に非常に多い。

その中でも、やはりエステ、脱毛、それから、もうけ話、投資、こういう辺りのところが非常に多いという実態がここ数年続いていると思っています。

今、消費者教育の難しいところというのは、知識的なところとか、契約を理解するとか、そういうところとともに、やはり自立する消費者という意味では、先ほど来出ていました、ノーと言うとか、あるいはクリティカル、一度批判的に考えられるとか、合理的に判断できるとか、こういう基本的な消費者力といいますか、消費者が自立するための力の二面が要ると思うのです。

今回の件について、各省庁、非常に精力的にやっていただいているのですが、ただ、焦点を、今後どこに当てていくかというときに、私は、今、実際に起こっている、先ほど出ました脱毛エステ、美容関係、あと、お金にまつわるところですね。

こういった実際の事例というのを、それぞれの省庁の啓発の中に、特に多い点というのを取り入れていただけているかどうかというのを、ちょっと確認したいと思っています。

やはり、まず、自分事化する中で、実際に起こっている一番多いところですね、ここら辺を1つ取り入れていただいているかというところが1点目。

それから、先ほど、金融庁から言っていただきましたように、私もフレームワークを広げるという、こういう問題については、あらゆる方向から、みんなが力を入れていかないと、なかなか解決ができないところがありますので、特に業界との連動というのは、私は、是非推進していただきたいなと思っています。

やはり、業界も悪質業者というのについて、業界の健全な発展にとっては、排除していかなければいけない課題だと思います。

そういう中で、本当にお金関係でも、先ほど来出ています証券業、それぞれ業界の健全の中でも、非常に多用な取組をしていただいておりますので、これをそれぞれにせず、省庁が中心になりながら連動させるとか、先ほどの被害の多いところに関して、逆に言うと、自主的な自主基準などの制定の動きを、やはり進めていただくとか、少し業界との取組方を、先ほどのような方向性というのを、是非関係省庁の連絡会議の中でも御議論を頂きたいなという、以上2点です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

青木委員、どの省庁にお聞きするかというのは、どういうふうに考えたらよろしいですか。まず、消費者庁に、それから、ほかの金融庁等について、御質問するということでよろしいですか。

○青木委員 そうしたら、まず、結構多い中の、投資ですとか、お金もうけの話、この辺の実際の事例、金融庁で、いろいろ出されておりますところに取り入れていただけているかどうかというのを、一つ聞かせていただいて、消費者庁は、いろいろな事例を頂いているというのを聞かせていただいていますので、金融庁を、教えていただければと思います。いかがでしょうか。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、金融庁、いかがでしょうか。

○金融庁総合政策局高田総合政策課長 ありがとうございます。

金融庁におきましては、様々、金融に関する相談、トラブルなども含めて、随時受け付けておりまして、実際、そういった様々なトラブルの事例というものも挙がってまいります。

そうした中で、例えばSNSなどを通じた金融トラブルの多くが、例えばですけれども、無登録の業者との間で起きているケースがあります。当然ながら金融事業者というのは、しっかりと免許登録を受けて、金融庁の監督の下でやっておるわけですけれども、実際に本当に悪質な事例というのは、何にもそういった規制に服していない、無登録の事業者との間で、例えば起きているケースが多いといったことも伺っておりまして、私どもの金融経済教育あるいは情報発信の中でも、そういった金融トラブルに関する注意喚起も行っているところですけれども、例えば、何かそういう話があったら、最低限対象となっている業者が登録されているかどうか、例えば、金融庁の登録で検索をするとか、そういった注意喚起もやっているところであります。

そういったことを含めて、御指摘にありましたように、実際にトラブルの事例などを我々としてもしっかりと把握をして、それに対する有効な対策ということを、更に考えていきたいと思います。

また、業界との連携の在り方、正に御指摘のように、しっかりと連携をして、また、業界においても、そうした被害を起こさない、そうした対策をしっかりと徹底していってほしいと思います。

先ほどの説明の中では、ちょっと割愛しましたけれども、我々が今進めております資産所得倍増プランという、確かに名前は資産所得倍増という、やや威勢の良い名前になっているのですけれども、それは単にもうけようという話では、必ずしもなくて、その柱として、金融教育の充実というのもありますし、もう一つには、顧客本位の業務運営の徹底というのもあります。

実際に、合法的に商売を行っている金融事業者でも、あまり説明もなく、非常にリスクの高い金融商品を販売しているとか、そういった事例が実際に起きております。

そういうものは、もちろん違法なものであれば、取り締まれば良いのですけれども、必ずしも違法と言えないものであっても、それは本当に顧客の属性を考えて、しっかりと良いものを勧めているのかどうかと、そういった金融事業者としての本来守る責任、そこをしっかりと徹底する、法制的にも整備をしますし、また、監督の中でもしっかりと徹底していきたいと、正に御指摘のように、特にそうした被害が多く寄せられているところについては重点的な取組を行っていきたいと考えております。

○青木委員 どうもありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

消費者庁では、いかがですか、特にコメントがありましたら、よろしいですか。

それでは、ほかにございませんでしょうか、大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 各省庁、御説明ありがとうございました。

これは、意見になるのですけれども、2つお伝えしておきたいと思いました。

先ほど国民生活センターからの事例の御紹介のときに、やはり若者の間でSNSでの被害が大変増えているということで、実際には被害を受けているけれども、表に出てこない若者もいるのではないかと大変懸念しているところです。

それで、消費者庁にお願いなのですけれども、188の普及啓発のときに、ただ単に自分が被害を受けて伝えるだけではなくて、それによって、例えば、ほかの人たちの被害を未然に防げたりだとか、社会に役に立つのだということを、是非加えて普及啓発をしていただければ、なかなか声を上げにくい若者でも、最近、エシカル志向の若者も増えていますので、声も上げやすくなるのではないかなと思いますので、是非お願いしたいと思います。

もう一点は、金融庁に対してです。所得倍増というのもすごく重要なのですけれども、私、若い人たちを見ていて、やはりお金に対する不安というのがすごくある。それが、こういう被害につながっているというのもあるので、投資の前に、社会保障の在り方みたいな、実際に年金とかには入らないのに投資してしまうような若い人たちもいるので、是非社会保障のところから投資というところにいくような、是非金融教育を進めていただければと思いました。すみません、意見です。

以上になります。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

お願いいたします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 御意見ありがとうございます。

先ほど申し上げました、新しい教材の開発におきましても、自分の消費者としての力の育成ということに加えて、そういった被害回復の行動をするということが、消費者市民社会の構築にも役立っていくという議論をされておるところでございまして、頂いた御意見につきましては、担当課と連携しながら取り組んでまいりたいと存じます。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、金融庁は、いかがでしょうか。

○金融庁総合政策局高田総合政策課長 ありがとうございます。

正に、今、御指摘を頂きましたように、そもそも公的な社会保障制度というものが、人生設計において大前提にあるということは極めて重要です。

それで、正に我々としても、先ほど御紹介した学習教材も含めて、この金融経済教育の中で、まず、年金等々の社会保障制度がしっかりとあるということを、それは強調するようにしておりますし、また、例えば業者に対しても、例えば、保険会社が保険を勧めるときに、公的な年金のことなどもしっかりと言うようにといったようなことも働き掛けているところであります。

正に御指摘の方向に沿って、これからもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

○大石委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。

○後藤委員長 黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 大変いろいろな各省庁からの御説明ありがとうございました。

複数の省庁に対して、それぞれお尋ねしたいことがあります。まず、今日の本会議のために書いたのではないかと思うぐらいなのですけれども、2月6日に日経新聞が、「契約の知識、20代が最低、クーリング・オフなど国調査、高校で学習、10代の正解率高『会社、大学での教育が必要』」という記事が出ています。

この内容は見出しのとおりなのですけれども、そこで、まず、消費者庁と文部科学省にお尋ねです。今回、2022年に成年年齢が引下げになりますということで、ある種の社会的なキャンペーンみたいな形で取り組まれたと思います。

それで「社会への扉」の利用ということに関しても、弁護士会も大変興味を持っていたし、その関係でやって、高校での指導というのも、この数年間はかなり精力的にされたということは理解しています。

今後、2022年4月1日が終わってしまったからといって、クーリング・オフがなくなるわけでもなければ、18歳から成年になるということは変わるわけでもありません。したがって、学習指導要領その他のところで、この問題について継続的に取り組んで、学校の中での授業時間というのを、継続的に指導要領の中でも割いていただけるのかということについて、文科省と消費者庁に、まず、この第1点についてお尋ねしたいと思います。

○後藤委員長 まず、消費者庁からでよろしいですか。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

2月6日の日経の記事につきましては、当初、当課と参事官室で一緒に行いました調査の結果でございまして、また、御報告したいと思いますけれども、消費者教育の「社会への扉」を主にいたしました問題を設定いたしまして、各世代にその正答率を測るといったようなこと、ほかにもいろいろ盛り込んで実施したところでございますけれども、20代の正答率が7問の合計で、一番低い形になってございまして、こちらについては、非常に課題だと私どもも思ってございます。

逆に「社会への扉」等を使いまして教育した15歳から17歳、18、19歳というのが非常に正答率が高くなっているような、契約の成立時期についての問などもありまして、これは、きっと「社会への扉」の効果だろうと、私たちも思っているところでございまして、10代へのアプローチをしっかりと、引き続き、文科省と連携しながらやっていくとともに、やはり20代へのアプローチというのも非常に課題でございますので、現在やっております新人教育、やはりアプローチするのに、事業所の力をお借りして、そこでの教育ということを、効果的なプログラムを開発してやっていただくということを、まず取り組んでまいりたいと考えてございます。

以上でございます。

○後藤委員長 文部科学省、いかがでしょうか。

○文部科学省総合教育政策局安里男女共同参画共生社会学習・安全課長 ありがとうございます。

学習指導要領でございますけれども、こちらは、当然、平成29年、30年度に公示されて、それで終わりというものではございませんで、当然この学習指導要領に基づいて、現在も各学校で、これからも教育が行われていくというところでございます。

先ほど、説明を時間の関係で飛ばしてしまいましたけれども、高校だけでなく小学校、中学校の家庭科あるいは公民科というような様々な科目で、きちんと学習指導要領に基づいて、今後も継続して教育が行われていくというところでございます。

そういった取組の事例などにつきましても、先ほど御説明しました消費者教育フェスタというようなところで、先進的な取組などを含めて、共有していく、普及していくということを、文科省では取り組んでいくということにしているところでございます。

○後藤委員長 続けてお願いいたします。

○黒木委員 ありがとうございました。

続きまして、今度は、消費者庁が主になるのではないかなと思いますけれども、実践的な消費者教育の推進というのが、4省庁会議の中でも議論になっていて、消費者教育コーディネーター制度というのを配置していきましょうという話があります。そして、先ほども御説明は頂いておりまして、これは進んでいますということだったのですけれども、ただ、私、福岡県に居住していますが、実際これがどこまで機能しているのということに関して、なかなかそれが見えてこないと思っています。

だから、各県におけるもの、コーディネーターは、一体どれくらいの人がいて、どういう形で機能しているのかということについて、もしもお分かりでしたら教えていただきたいなと思っています。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 すみません、今、どのぐらいの数がいるかということについては手元にないのですけれども、その設置している県につきましては40ある、これも引き上げていくということについて取り組んでいるところでございます。

そして、実際にコーディネーターの方々に果たしていただいている役割でございますけれども、実践的な教育ということで、外部講師の派遣についてとか、派遣して教育を行っていただくということについて、学校現場でございますとか、地域でございますとか、そういったところと専門家のいるところをつないで、そういった教育を行っていただくようなことを促進していくということで、具体的には、元先生の方々でありますとか、あと元PTAで御活躍をされた方から、いろいろな人脈を活用して取り組んでいただくとか、あとは行政の方々に就いていただくとか、いろいろな形でやっているところでございます。そういった方々の良い取組について横展開を図るというようなコーディネーター会議というのを開催して、ワークするようにとやっておるところでございますけれども、現場では、いろいろ御苦労があるというような話もあるところでございまして、そういった方々がもっと活躍できるように、しっかり支援していきたいと考えておるところでございます。

○黒木委員 ありがとうございました。

引き続きまして、今度は金融庁なのですけれども、昨年の6月7日に多重債務者の有識者協議会があって、その中で、成年年齢の引下げに伴って、貸金業協会の自主ガイドラインとか、そんなものを制定していくのだという話があったと理解しています。

実際どういうようなガイドラインで、機能しているのかどうなのかということについて、その後、自主ガイドラインの遵守を要請して、そのガイドラインの遵守状況をモニタリングしていくというような話にもなっておりました。今回の国センからの報告の中で、20歳代なので直ちに直結はしませんけれども、事例の中で90万円すぐ借りてしまったとかいう形で被害があったというようなのも出ておりました。その辺りの貸金業協会との自主ガイドライン、特に成年年齢引下げに伴う自主ガイドラインの遵守状況というのを、もしも、モニタリングされているのであれば、その辺りのことについてお知らせいただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。

○金融庁総合政策局高田総合政策課長 ありがとうございます。

貸金業法上、顧客に対して年収の3分の1を超える貸付けを行うことは禁止されており、貸金業者が、給与明細等、収入を示す書類の提出を受けるということにされております。

ただし、50万円以下の貸金の場合は、そうした書類が不要であって、収入についても自己申告で足りるとなっているところです。

ただ、今回、成年年齢の引下げに際しまして、新たに一人で有効な契約が可能となる18歳、19歳への貸付けに関しましては、日本貸金業協会において自主ガイドラインを策定いただいて、その金額が50万円以下であっても、ちゃんと収入の状況を示す書類の提出を受けて、それを確認するということを定めていただいておりまして、また、その遵守状況については、当局の監督・検査によってモニタリングをしていくということとしております。

すみません、その後の状況についてどうなっているかということについて、ちょっと手元にはございませんので、もし必要がありましたら、また調べて御報告をしたいと思いますけれども、そうした取組を行っているところでございます。

○黒木委員 ありがとうございます。

それから、同じ会議の中で、個人間融資といったようなものとか、いわゆるヤミ金ですから、そういうようなものも若年者等で非常にはやっていると、進んでいるという話も出ております。貸金業登録のない無登録業者についての厳しい監視、更に、先買い後払いとか先払い現金化とか貸金業法を潜脱するような手法が次々出てきています。そして、その利用者は、若年者が中心になっています。この点は、成年年齢引下げとは関係ないかもしれませんけれども、是非金融庁でも、是非、御対応をお願いしたいと思っているところです。

以上です。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、星野委員、よろしくお願いします。

○星野委員 では、EBPM観点で、コメントを1点と御提案が1点でございますけれども、まず、今回、消費者教育のインプット、アクティビティについてお話を頂きましたが、やはりアウトプット、例えば、コンテンツがあって、その閲覧数だとか、研修だとか、参加者数というのがアウトプットかと思いますけれども、そして、アウトカム、これによる18歳、19歳の消費者被害の減少ということに関して、今後、是非少しずつ出していただければと思います。今日は別に、それに対するお答えを頂けなくて結構ですが、そういったものを是非出していただければと、今後思います。

もう一点、御提案ということでございますが、これは連絡会議ということで、先ほど飯島先生からも御指摘のあった連携について、どんな形なのかということのお話がございましたが、やはり今日伺っている感じだと、それぞれ得意な部分を別々にされているというような、それぞれのコンテンツを出し合っておられるだけのような感じも、ちょっと否めないところでございまして、やはり何で4省庁で連携するかという観点、EBPM観点でちょっと申し上げますと、やはり行政記録情報でお互いに共有し合って、本来の目的、特に若年者の消費者保護を、いかにするかということを、なるべく少ない資源の限られている中で、誰に対してどういうアクティビティをどう行うのかという観点で、最適化するという観点でいろいろな情報を共有する、例えば文科省でしたら、学校における教育での個別の実施状況を、細かいところを出していただくとか、アウトプット指標で言ったら、例えば裁判、検察のデータみたいなものが本当はございまして、細かいところまで出たら非常にいろいろな形で施策の評価ができますので、例えば、民事裁判の判例を法務省がデータベース化して提供するみたいなことも、今されているわけですから、そんなことが、本来可能なはずなのですね、ですから、そういった行政記録情報の共有みたいなものを、是非、これは、内閣官房のEBPMの委員会とかでも、かなり議論されていると思いますが、政府自体、いろいろな情報を共有し合って、本来の施策の効果を高めていこうという流れがございますので、いろいろなアクティビティを分担し合うというだけではなくて、是非いろいろな情報共有をしていただければと思っております。これは、法務省、是非そのような方向はいかがかということで、御提案させていただければと思います。

○後藤委員長 これは、どちらにお聞きしたら。

○星野委員 法務省でしたか、連絡会議の事務局。

○後藤委員長 それでは、法務省、よろしくお願いいたします。

○法務省大臣官房司法法制部加藤司法法制課長 法務省でございます。

今、御指摘がございました「成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議」の事務局を務めさせてもらっております。先生の御提案の趣旨については承りましたので、今後、そういった御意見なども踏まえながら、より緊密な連携や情報共有などが図られるように、関係府省庁で取り組んでまいりたいと思います。また、そのやり方、方法については、様々な御意見があろうかと思いますので、十分に協議しながら進めてまいりたいと考えております。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。

「社会への扉」の教材についてです。先ほど大石委員からも、相談は1人のためではなく社会のためだということを強調する、これは本当に重要な視点です。この「社会への扉」では、最後のページにきちんとそれが書かれていて、また、教師用の解説書も付いております。先生方や私たち消費生活相談員は、それを見て、何がすごいかというと、全国同じ内容で、消費者庁がパワーポイントも作っていますので、やっているということです。私も、20数年消費生活相談の現場にいますけれども、こういうことがやられたというのは、長年の思いで、実現できています。ただ、まだまだこれから若い人たちは次々に変わってきますので、やはり継続してやっていくべきだと思っています。

全ての消費者が、やはり社会のために行動するということは、講座の最後に強調していることを、御案内したかったので発言させていただきました。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

時間がないところ、恐縮なのですけれども、様々な取組をされているということを、きちんと丁寧に説明していただいて、皆さんが頑張っていただいているということは大変理解いたしました。

ただ、この取組の結果ですね、まだ、取り組んでいるというものの、もう3年計画なので、そろそろどういったことなのかということが、結果としてかなり出ていると思うのですけれども、効果がどのようなものかということですとか、それが、いつ頃分かるとかということは、どのように各省庁お考えになっているのかというところで、消費者教育のKPIをどのように考えているかをお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 これは、各省庁同様にお考えかということで。

○木村委員 そうですね、簡単で結構ですので。

○後藤委員長 では、消費者庁から、よろしくお願いします。

○消費者庁山地消費者教育推進課長 ありがとうございます。

KPIについてでございますけれども、現在、正に基本計画工程表の改定に向けて議論をしておるところでございますけれども、今、私どもで検討しているものとして御紹介申し上げるのは、アウトカムということで申し上げますと、例えば先ほど申し上げたような若年者の方の基本的な知識についての正答率でございますとか、被害の未然防止のために行動ができているか、相談等の行動ができているか、また、実際に過去1年に消費者被害に遭っているかというようなことも尋ねておりますので、そういった数字が下がっていくようにというようなことが、具体的な目標になってくるかなと考えておるところでございます。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、法務省はいかがでしょうか。

○法務省大臣官房司法法制部加藤司法法制課長 法務省でございます。

KPIの設定の仕方、効果測定などがきちんと測れるようにということの御指摘だと思いますけれども、それは、そのとおりだと考えております。

なかなか性質上難しいものもございますが、例えば、「東京リベンジャーズ」とタイアップした政府広報のキャンペーンを行った際に、事前と事後でインターネット調査を実施して、特に親の認知度が大きく上昇したことを確認しておりますので、こういった手法なども用いながら、数値的に見えるような形でのKPIの設定などについて、引き続き工夫をしてまいりたいと、このように考えております。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、金融庁、いかがでしょうか。

○金融庁総合政策局高田総合政策課長 KPIと呼べるかどうか分かりませんが、いわゆる金融トラブルとか消費者被害に関しては、正に実際に、そうした事例がどのぐらい出ているのか、あるいはそうした相談がどのぐらい寄せられているのかというところを、しっかりとチェック、モニターしていくということだと考えております。

また、それを超えて広い意味での金融リテラシーの向上ということに関しては、今日御紹介した新たなプランが立ち上がっておりますので、その中でどういったKPIを今後定めていくか、実際、数年おきに行っている、例えば金融リテラシー調査があるのですけれども、そういう中での向上を図っていくとか、それは、今、内閣官房などとも協議をしているところでございます。これからしっかりと整備していきたいと考えております。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、文部科学省、いかがでしょうか。

○文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課佐々木課長補佐 文部科学省におきましても、今、消費者庁と一緒に消費者教育の推進に関する基本的な方針の改定の作業を進めているところでございまして、その中にも、KPIの設定ということが言われているところでございますので、先ほど消費者庁が、今の案という話がございましたけれども、御相談をしながら検討してまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

○木村委員 ありがとうございます。

KPIの設定とともに、実際に教育を受けた若者ですとか、保護者からの意見とか感想などを反映させるなどをして、是非施策に生かしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

2021年12月に、消費者委員会は、成年年齢の引下げに関する意見を発出したわけでありますけれども、その中で、むしろ改正法の施行後に更なる取組を実施することこそが重要であるという点を指摘しておりました。

本日の御説明にありましたとおり、4省庁が消費者被害防止に関する取組を精力的に継続していただいているという状況であります。

2022年度の18歳、19歳の消費者相談の総件数は、2021年度の同期と比較して増加しております。10~20歳代の相談件数も同様に増加しているところでありますけれども、特に成年年齢引下げに伴う18歳、19歳については、商品・役務ごとの内容、状況も踏まえながら、引き続き調査していく必要があろうかと考えております。

本日、多様な意見を出していただいておりますが、前半部分で国民生活センターに対するヒアリングを行いまして、それとのつながりという問題意識も、この後半部分のヒアリングでは多く出ております。

そういう意味で、新たに成人になる若者への啓蒙と啓発ということから、ノーと言える、断れると、そういう若者の育成ということを、その若者の心理状態ということも含めて検討する必要があるというようなことに関しては、前半部分での議論と同じ認識がここでも共有されていると思います。

特に金融関係に関してでありますけれども、この金融経済教育の充実を図るということが、国全体としても目指している方向だということであります。その中で、若者がお金に対する不安ということが、これは若者に限らないと思いますけれども、ありまして、そしてややもすると一攫千金を狙うというようなこと、そういうようなこともあって、例えば、暗号資産ということを、ここで出すのは適切かどうかということもあるかもしれませんけれども、暗号資産について、それによるもうけ話みたいなところに行ってしまうと、そういうようなことについての問題点ということが、ここでも意見が出されました。

そういう意味で、何か話が事業者側から来たときに違和感を持つとか、断ることができるとか、それから相談するというのも1つの力でありまして、そういう相談する力というようなことも、養うための消費者教育ということが重要になってくると思います。

そういうような個別的な問題以外に、本日、非常に意見の中で出ておりましたが、4省庁の情報共有とか連携とか、そういうようなものに関してということが、御質問として出ております。

これに関しては、本日時間の設定が全体を合わせて20分でヒアリングをさせていただいたということも、具体的なことに関しては質問の中で答えていただくというような状況になりまして、そこで委員が確認をしたというような状況になっております。

その中で、特に委員の方々の問題意識が強い問題として、EBPMの観点からでありますけれども、KPIの問題でありまして、4省庁がそれぞれ、それから緊密に連携してKPIの設定ということを行っていくというのが非常に重要だと指摘されております。

資料として、本日、多くの取組を記載する資料を出していただきましたけれども、現時点での状況や評価を含めて、今後、取組の効果の検証・評価が可能になるような新たなKPI設定というのは、やはり重要な問題になってくるのではないかと思います。

そういう取組の中で、その取組を行うスケジュールや内容について、具体的に明らかにしていくということが特に重要なのではないかと思います。

こういう本日委員から出ている意見を取り入れていただく形で、今後の課題を特定したり、あるいはそれに対する対応策を考えていくと、そういうようなことを考えていただけたらと思います。

消費者庁を始めとする関係省庁には、消費者被害の最新の状況等も踏まえつつ、若年者の消費者被害防止や、自立した消費者の育成に向けた取組を継続して行っていただきたいと思います。

消費者庁及び関係省庁におかれましては、本日はお忙しいところ、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

(消費者庁、法務省、金融庁、文部科学省 退室)


《4.その他》

○後藤委員長 それでは、次ですけれども、その他事項といたしまして、新開発食品調査部会から報告事項がございます。

木村部会長代理から御報告をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村でございます。

本日、受田部会長が御欠席ですので、私から報告させていただきます。

それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について御報告いたします。

令和4年8月1日に開催した第61回「新開発食品調査部会」の議決について、新開発食品調査部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、令和5年1月30日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

参考資料の1の答申書を御覧ください。

内閣総理大臣より諮問を受け、第48回及び第61回「新開発食品調査部会」において、安全性及び効果について審議を行った結果、指摘事項を確認の上、了承することが部会長に一任され、申請者からの回答書を確認し、特定保健用食品として認めることといたしました。

私からの報告は、以上になります。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。


《5.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

○後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございました。

(以上)