第385回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年11月28日(月)14:00~16:34

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、生駒委員、木村委員
    (テレビ会議)飯島委員、受田委員長代理、大石委員、黒木委員、清水委員
  • 【説明者】
    公共料金等専門調査会野村座長
    消費者庁楢橋参事官(公益通報・協働担当)
    消費者庁加藤地方協力課長
    一般社団法人全国消費者団体連絡会三谷事務局次長
    一般社団法人全国消費者団体連絡会大出政策担当
  • 【事務局】
    小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 電力託送料金の妥当性について
  2. 消費者基本計画の検証・評価・監視(地方消費者行政について)

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

消費者庁から説明のあった以下の資料は、当時集計中であったため、暫定版として机上配布しましたが、後日、消費者庁より正式に公表されましたので掲載いたします。
消費者庁ウェブサイト(https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/)の
地方消費者行政強化作戦2020 政策目標ごとの現状(令和4年4月1日時点)[PDF:528KB](https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/assets/local_cooperation_cms201_230124_01.pdf)を御参照ください。

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから第385回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、生駒委員、木村委員、私が会議室にて出席、受田委員長代理、飯島委員、黒木委員、清水委員がテレビ会議システムにて御出席、青木委員と星野委員は御欠席です。大石委員は、御出席の予定ですが、現時点では、まだ入室されておりません。

開催に当たり、会議の進め方等について事務局より御説明をお願いいたします。

○友行参事官 本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりでございます。もし、お手元の資料等に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。

以上でございます。


《2.電力託送料金の妥当性について》

○後藤委員長 本日の最初の議題は「電力託送料金の妥当性について」です。

本件につきましては、資料1-1のとおり、10月5日付けで内閣総理大臣から委員会の意見を求められており、諮問事項の1について公共料金等専門調査会において調査審議を行ってまいりました。

今般、意見の取りまとめが行われましたので専門調査会から御報告いただき、意見交換を行った上で、当委員会としての内閣総理大臣諮問に対する答申を取りまとめたいと思います。

本日は、公共料金等専門調査会の野村座長にオンラインにて御出席いただいております。

また、消費者庁公益通報・協働担当、楢橋参事官にも御出席いただいております。お忙しいところ、ありがとうございます。

それでは、野村座長から概要につきまして、続いて、事務局から詳細につきまして説明していただきます。

野村座長、よろしくお願いいたします。

○公共料金等専門調査会野村座長 公共料金等専門調査会の座長を務めております、野村でございます。よろしくお願いいたします。

この度、内閣総理大臣の諮問事項に関し、電気料金のうち、託送料金の妥当性について、専門調査会において3回審議を行い、資料1-2のとおり、専門調査会としての意見を取りまとめました。

この間、消費者庁と経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局には、審議に御協力いただきました。

また、オブザーバーとして、電力料金の算定の基礎となる各費用の構成に造詣の深い宇田左近氏、再生可能エネルギー導入拡大のためのインフラ整備投資に造詣の深い大林ミカ氏にも御参画いただき、今回の審議や意見内容について、極めて重要な御指摘を頂いたところです。皆様の御協力に感謝申し上げます。

今回の意見では、1つ目に、消費者参画の機会の確保や、統計的手法等を用いた査定など、電力・ガス取引監視等委員会の査定方法について、一定の工夫を評価した上で、全体としてどのような効率化が図られているか、入札において競争性が確保されているか等について確認が必要であること。

2つ目に、将来に向けた投資である次世代投資については、発送電分離の考え方を踏まえ、送配電に関わるものに限定すること等が必要であること。

3つ目に、電力自由化や、発送電分離の趣旨・目的、レベニューキャップ制度の内容や託送料金の中身など、消費者にとって分かりにくい電気料金制度について、消費者が納得できるよう、分かりやすく丁寧な説明が必要であること等の意見を盛り込んでいるところであり、消費者庁及び経済産業省には、その意見に基づいた取組に御尽力いただければと考えております。

それでは、専門調査会意見の詳細説明につきましては、事務局からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○友行参事官 それでは、事務局でございます。

皆様、お手元に資料の1-2を御用意いただけますでしょうか。

電力託送料金の妥当性に関する公共料金等専門調査会意見でございます。

最初の1ページ目でございます。

託送料金は、小売電気事業者が送配電事業者の送配電設備を利用する際の利用料でございます。送配電事業が地域独占であることから、経済産業大臣が認可する仕組みとなっております。

この段落の下から2行目でございますが、令和5年度から新たな託送料金制度(レベニューキャップ制度)が導入されることになっております。

現在、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会では、その制度の導入に向けて、審議、料金の査定が、収入見通しの査定が行われているところでございます。令和5年度から5年間の託送料金水準を決定する前提となるものでございます。

3つ目の段落でございますが、電気料金の上昇により、国民生活の負担感が増しております。電気料金の3割から4割程度を占める託送料金の水準が適正な査定を踏まえて設定されているかどうかは、消費者にとって重大な問題でございます。

こうした事柄を背景に、令和4年の10月5日に内閣総理大臣から消費者委員会に対して諮問がなされました。

それを受けまして、2ページ目にまいりますが、先ほど座長から御発言がございましたように公共料金等専門調査会において審議を行い、意見を取りまとめたものでございます。

2ページ目の(1)でございます。

統計的手法やトップランナー的補正による査定でございます。

電力・ガス取引監視等委員会では、電力会社から上がってきております各費用区分の査定に当たり、統計的な査定や、トップランナー的補正を行うことで効率化を促す手法を採用しております。

このページの下から6行目のところでございますが、もともと地域独占で競争が働いていない、そういった中で、トップランナー的補正が、10社中第3位の値をベースとしていることの妥当性について明らかにされる必要があると指摘しております。

3ページにまいります。

(2)の効率化の確認態勢でございます。

現在、マル1の上から5行目辺りでございますが、平成29年度から令和3年度と、それから、令和5年度と令和9年度のネットワークにかかる費用、コストを比較すると、増加しているような形になっております。

それが効率化で削減する姿が示されているのではなく、費用が増加している点について、明確に説明すべきであると指摘しております。

マル3のところにまいります。送電費や変電費、配電費などについて、投資量と単価に分けて、単価は、特に全体へのインパクトが大きな大規模な工事種別の精査が必要であると、そこに着目して精査することが必要であると指摘をしております。

このページの一番下のところでございますが、投資量が確保されることは、ネットワークの維持・更新に必要であることからも、特に、単価についてコスト削減の努力が図られているか検証することが求められると指摘しております。

(3)でございます。工事発注に係る競争性の実効性の確保でございます。

実際の工事発注に当たっては、競争入札の導入割合を高めるといったことが、目標として掲げられることが多いところでございますが、競争入札の導入割合だけでなく、複数の企業が入札に参加しているかや、毎年同じ企業による受注が繰り返されていないか、そうした入札の実態を細かく精査することが必要であり、固定化等の実態が明らかになった場合は、背景や効率化への寄与などを確認した上で、競争性を確保することが必要であると指摘しております。

(4)でございます。次世代投資の計上費用の検証でございます。

電力会社においては、単純な設備更新ではなく、レジリエンスや脱炭素など、便益を生み出す先進的投資が進められているところです。

マル1でございますが、そうした投資については、送配電に関わる計画に限定されるべきと指摘しております。

それから、マル3のところでございます。各社とも、次世代スマートメーターに係る費用計上が多く見られておりますが、そうしたスマートメーターは10年ごとの更新が必要となっております。

5ページにまいります。

その次世代スマートメーター導入によって削減される多くの費用と総合的に判断するなどして、二重投資などを避けるべきであると指摘しております。

マル4でございます。一般送配電事業者各社は、これまで投資の取組を進めてきたところと、遅れているところが存在しており、取組が進んでいるところにボーナス加点をするなどの仕組みも導入されているが、そうした海外のこういった取組を参考にするというようなことを指摘しております。

マル5でございます。次世代投資についてはというところで、このマル5から6行目辺りでございますが、個別査定により効率化係数の対象外とするか否か、仕訳先のスクリーニングやコストの妥当性の審査が行われる中で、効率化係数の対象外とすることにした案件については、その費用対効果の面を含め、次世代投資案件として認める理由について明確な説明が必要であると指摘しています。

そして、次の段落ですけれども、したがって、今後、将来における調達コストのモニタリングを含め、コスト管理が適切に行われているかどうか、プロセスを公開して、継続してそうしたことが行われるべきであると言っております。

6ページにまいります。

(5)として、コスト削減の実効性の向上でございます。

こうした事柄についての指摘した事柄について、速やかな解消に向けて、早急に対応を行っていただきたい。そして、消費者の理解・納得を得られるよう、分かりやすい形で説明する必要があるとしております。

消費者からの信頼を得るために、例えば、第三者機関がコスト削減の状況を定期的にモニタリングするといった手法を含めて、コスト削減の実効性を高めるための方策を検討していただきたいとしております。

(6)でございます。廃炉円滑化負担金相当金等の話でございます。

原発の廃炉円滑化負担金相当金や賠償負担相当金、電源開発促進税については、本来、託送料金とは関係のないものでございますが、政策的観点から託送料金で徴収するとされております。そうした費用は、送配電ネットワークの整備に関する費用とは区別した形で明示していただきたいとお願いしております。

(7)の固定費の配分でございます。託送にかかる費用について、販売、電力量とは関係なく発生する固定費について、低圧部門・特別高圧部門・高圧部門の3つに配分しております。

その配分方法として、2:1:1法ですとか、2:1法といった算出方法によって配分されております。

この配分方法が、家庭用の低圧部門に過大な固定費を配分することになっている懸念があるということでございまして、こうした配分手法の見直しの検討が必要であると指摘しております。

(8)の発電側課金の検討でございます。

発電側課金とは、託送料金の一部について発電側にも負担を求める事柄でございますが、現在、託送料金においては、発電事業者が託送料金を負担しない構造となっております。

これについて、託送料金の一部について発電事業者に負担を求めることが検討されており、令和4年中に、結論を得る方向性が示されております。

こうした事柄について、(8)の一番下の行のところでございますが、再生可能エネルギーの拡大を阻害することがないよう、制度設計を行うべきであると指摘しております。

(9)の賃金の適正性の確保でございます。

8ページにまいりますが、各一般送配電事業者は、コスト効率化を進めていくとしているところであるが、原材料費等の価格転嫁を適正に進めつつ、下請事業者も含めた賃金を適正化していくことも、政府が進める成長と分配の好循環を実現する上で重要であると記載しております。

(10)消費者の理解・納得でございます。目下、電気料金が高騰し、国民生活への負担感が増大しております。値上がりしている要因について、消費者への分かりやすく丁寧な説明が、これまで以上に必要でございます。

経済産業省及び各一般送配電事業者は、電力の安定的な供給を前提としつつも、地域独占によって選択肢が限られている消費者に対して、効率的に提供されるための工夫など、分かりやすさに努めた説明を行うべきであるとしております。

マル2といたしまして、託送料金制度がレベニューキャップ制度に変更され、消費者にとって何がどう変わるか、どのような制度で、どういったメリット・効果があるかということも十分に理解されているとは言い難い状況でございます。

経済産業省、消費者庁は、こうした事柄の趣旨・目的を含め、消費者が改めて十分に理解し、納得できるように、丁寧な情報発信を積極的に行うことなど、そうした取組を一層進めるべきであるとしております。

(11)でございます。幅広いステークホルダーの参画の機会の確保でございます。一般送配電事業者が、こうした規制期間に達成すべき目標のうち、一部については、地域ごとのニーズを踏まえるために、ステークホルダー協議を行うこととされております。

しかし、9ページにまいりますが、実際にそれに参加しているステークホルダーの範囲が限定されているところがございます。

一般送配電事業者においては、消費者、消費者団体、環境団体、次世代を担う若年世代等、幅広いステークホルダーを巻き込んだ丁寧な協議を日常的に行うよう、地域コミュニティの中での合意形成の取組を強化していくことが求められるとしております。

以上の事柄について、消費者委員会では、引き続き適切なフォローを行うこととしているということでございます。

意見書の説明は、以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございます。

それでは、ただいまの専門調査会意見について、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は15分程度を予定しております。よろしくお願いします。

いかがでしょうか、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

この託送料金が、電力の料金の3、4割を占めると書かれておりまして、どのぐらい一般の消費者が認識しているかというのが知りたいところです。今後これを消費者に分かりやすく伝えていくことを御検討されると、ここでは報告されているのですが、具体的にどのように消費者にお知らせされていくおつもりなのかということをお聞きしたいです。まだ御検討中かもしれないのですけれども、方向性として、目指していらっしゃる方向性を知りたいです。

あと、再生エネルギーについてですね。再生可能エネルギー、太陽光ですとか、風力ですとか、地熱ですとか、一般の消費者の関心は高いと思うのですけれども、そこに障害になるようなことでは困るということで書かれているのですけれども、阻害するようなことがないように制度設計を行うべきであると書かれているのですが、そのことについても具体的に、どのように阻害することになるのかを知りたくて御質問させていただきました。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

消費者庁、よろしくお願いいたします。

○消費者庁楢橋参事官(公益通報・協働担当) 消費者庁参事官の楢橋と申します。ありがとうございます。

まず、1点目の消費者への分かりやすさ、説明をどうやっていくのか、これは、消費者庁のみならず、関係省庁、日々悩んでいるところでございます。

本件については、今回の意見の中でも、経済産業省及び消費者庁はということで御指摘を頂いておりますので、まず、所管省庁の経済産業省とも十分相談しながら、どのように分かりやすく発信をしていくか検討させていただきたいと思っております。

それから、再生可能エネルギーのところでございますが、御指摘のところは、発電側課金のところかと存じます。

こちらについては、先ほど事務局からの御説明もございましたとおり、再生可能エネルギー最優先の原則で取り組むという方針のもと、令和4年中に、導入の要否も含めて結論を得るということで、今、経済産業省において議論が進められていると承知をしております。

また、託送料金については、全て小売事業者が負担しているという構造でございますが、その発電事業者に負担させることによって、よりネットワークコストを意識した事業展開を促すことができるのではないか、そのことによって、ひいては、消費者に対してメリットがあるのではないかということでございます。

一方で、再生可能エネルギーの発電事業者につきましては、仕組み的に難しいのですが、既に発電をされている方あるいは今後発電をされる方にどのように負担させていくのかということも含めて、今、議論がされているところでございまして、その内容によっては、再生可能エネルギーの発電事業者に対して、負担が生じることもあるのではないか、そうすると、それが回り回って消費者の負担になるのではないかという懸念も含めて、今、議論がされているということで承知しているところでございます。

○生駒委員 ありがとうございます。

何もかもが物価高に向かっている昨今であると同時に、トレーサビリティ、値段に対して、消費者は、どういう理由で高いのか安いのかというところにも興味を持ち始めています。これはエシカル消費の1つの動きですけれども、そういう流れもございますので、見える化といいますか、電力料金の仕組みが見える、構造が見える形になるのが、支払う側にとっても納得がいくことかなと思いますので、是非引き続き御検討のほど、よろしくお願いいたします。

○消費者庁楢橋参事官(公益通報・協働担当) ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ほかにございませんでしょうか、いかがでしょうか。

よろしいですか。

それでは、特に御質問、御意見がないようでありますので、専門調査会意見を踏まえた答申案をテレビ会議システムの画面上にて表示いたしますので御覧ください。

(答申書配付)

○後藤委員長 ただいま追加資料として皆様に配付しました答申案は、令和4年10月5日付けで、内閣総理大臣から当委員会に諮問のあった事項のうち、「電気料金のうち、託送料金の妥当性」については、「専門調査会意見の内容を踏まえ、消費者利益を擁護する観点から、経済産業省に対応を求めるなど、消費者庁において必要な取組を進めることが適当である」としております。

御意見ございますでしょうか。

特にございませんでしょうか。

よろしいでしょうか。

先ほど、電気料金の仕組みについての見える化に関する質問がありましたけれども、それ以外、特に御発言がありませんので、答申案については、特に異論はなかったということで理解いたしました。

それでは、消費者委員会の答申として内閣総理大臣宛てに回答したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

それでは、これをもちまして消費者委員会の答申といたします。専門調査会の各委員を始め、宇田オブザーバー、大林オブザーバー、消費者庁、電力・ガス取引監視等委員会事務局の皆様には、短い期間で精力的に御議論いただき、ありがとうございました。

電力・ガス取引監視等委員会におかれましては、引き続き、料金制度専門会合等において、御尽力いただきたいと思います。

また、消費者庁におきましても、料金制度専門会合にオブザーバーとして参加いただいておりますので、消費者側の意見をしっかりと反映できるよう、御尽力いただきたいと思います。

野村座長及び消費者庁におかれましては、お忙しいところ御対応いただきありがとうございました。

○消費者庁楢橋参事官(公益通報・協働担当) 消費者庁でございます。

恐縮でございます。10月5日に諮問して以降、本当に短期間で、非常に重大な提言を賜りました。この答申にもありますように、経済産業省に対応を求めるなど、消費者庁として必要な取組を進めてまいりたいと存じます。誠にありがとうございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

(説明者 退室)


《3.消費者基本計画の検証・評価・監視(地方消費者行政について)》

○後藤委員長 次の議題は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、「地方消費者行政について」です。

地方における消費生活相談体制等の地方消費者行政の充実・強化は、継続的な課題であり、当委員会としましても強い関心を持って注視してまいりました。

本年2月2日の本会議でもヒアリングをしたところですけれども、本日は、更に掘り下げ、特に消費生活相談員の担い手確保の取組に焦点を当てて、調査審議していきたいと思います。

そこで本日は、二部構成とし、前半に一般社団法人全国消費者団体連絡会から「都道府県の消費者行政調査報告書」についてヒアリングを行い、後半は消費者庁から、先月27日に公表されました「令和4年度地方消費者行政の現況調査」の結果等を踏まえつつ、中でも消費生活相談員の担い手確保に向けた取組を中心に御説明いただきます。

まずは、一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局次長、三谷様、政策担当、大出様にオンラインにて御出席いただいております。

本日は、ありがとうございます。

それでは、15分程度で御説明をお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 御紹介いただきありがとうございます。全国消団連の次長の三谷と事務局の政策担当の大出です。よろしくお願いいたします。

この度は、貴重な報告の場を与えていただき、ありがとうございます。

資料の共有なのですけれども、これは、こちらでさせていただきながらでもよろしいですかね。では、こちらで、共有させていただきます。

15分ということなので、手短にと思います。

全国消団連について、簡単に御紹介させていただきたいと思います。

弊会は、1956年から設立されて活動しており、消費者の権利の実現と暮らしの向上、消費者団体活動の活性化と、消費者運動の発展に寄与することということで、広く活動をしております。

現在、全国で49団体が会員団体として集まっており、主な問題としては、消費者問題、それから食品の安全・表示、環境・エネルギーなど、暮らしに関わる様々なテーマについて、国の審議会等へ委員の参加あるいは意見書の提出などで活動してきているというところになります。また、国際消費者機構、こちらCIとの連携も進めています。

大体年間で、国の審議会に参加していたり、あるいは意見を出したり、そのために学習会をしたりということを行っているということで、適宜御覧いただければと思います。

その中で、全国消団連も、この地方消費者行政の問題ということについては、非常に関心を持って特別なチームを組んで取り組んでいるところです。

今回は、そのチームで取り組んでいる調査活動について、大出より報告させていただきます。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 4ページになります。大出から調査報告をさせていただきます。

全国消団連の地方消費者行政プロジェクトは、地方の消費者団体や弁護士、相談員の方が構成メンバーで、2018年度に10年ぶりに復活し、毎年47都道府県の消費者行政調査を実施しております。

2021年の調査は、コロナ禍で生じた問題やデジタル化の業務についての進捗を主なテーマに、2022年、今年の主なテーマは、消費者安全確保地域協議会、見守りネットワークとしました。

5ページです。

調査を基に分析し、昨年度は7項目の意見書を消費者庁に提出しました。本日は、その中から抜粋して、意見の根拠となる調査内容について報告いたします。

6ページです。

消費生活相談に係る施策で実施していることを選択肢から回答いただきました。

相談情報に基づく情報提供や注意喚起、消費者教育は、ほぼ全ての県で実施されています。

水色のところにあります、電話による土日や祝日の相談は30県、18時以降の夜間相談は4県になっております。

黄色の部分で、電話に代わるものとして、メールやWebフォーム、FAX相談は29県ありますが、下のほうにSNSによる受付やAIの活用は1県となっております。

7ページです。次に、実施したいができていないことについて伺いました。上位のところを見ると、SNS相談やメール、Webフォーム、FAX相談、AIの活用についてです。電話や対面の相談からデジタル活用の必要性が分かります。

ピンク色のところですが、相談員のメンタルケアなどのサポートは、近年増加している対応困難者に対して、相談員のケアが考えられ、相談業務の困難さやメンタル維持の難しさを表していると思われます。

ここに書いていないのですけれども、その他を選択した自由記入の中では、在宅での消費生活相談が挙げられており、コロナ禍での対応の難しさから在宅の必要性を考えているようです。

8ページです。実施したいができていないことを実施するために必要なことは何かで、選択された延べ回数の上位では、予算額の増加が32、相談員の増員19、専門人材の採用・活用12、事務職員の増員10となっています。予算と人員があれば、実施したいことができると考えられていることが分かります。

9ページです。多くの自治体で相談員の確保ができず、深刻な問題となっていますが、安定的な確保のために必要なことは何かを、自由記入してもらいました。

テーマで分類すると、31県で処遇改善となっております。2020年度から会計年度任用職員制度になりましたが、専門的業務に見合うものになっていない。給与水準が高くなく、若者が目指したい職業になっていないとの指摘もありました。

資格育成など、国による支援が必要であると25県で回答がありました。

相談員は、資格取得だけではなく、対人スキルなど、様々な資質も求められます。

相談業務に関する認知度は、消費者だけではなく、行政内の認知度の向上も必要です。理解が促進されることで、相談業務に関する予算や相談員の処遇改善にもつながるのではないかと考えられます。

人材バンクの適切な運用について、10県の回答がありました。相談員の欠員が出たときに、人材バンクが活用できる状態になっていないのではないかと考えられます。

相談業務におけるAI活用や、相談員の在宅勤務、PIO-NETの入力業務の軽減といったデジタル活用に関する要望も出されていますが、国が自治体の状況を把握し、消費生活相談をサポートできるように、適切な支援を行う必要があります。

現在、消費者庁と国民生活センターでは、消費生活相談のDX化が計画されておりますが、自治体の、今、検証を行っているところかと思います。

国と自治体が同じ方向を向いて進めていくことができるよう、情報の共有が重要であると考えます。

10ページになります。次に研修についてです。

コロナ禍に生じた問題と工夫で研修を見ると、中止や延期が多くの県で生じました。

一方、工夫としてオンラインの活用が、他の業務と比較しても多い35県で進んでいる様子が分かりました。

11ページです。ICTの活用では、研修は、他の業務と比べて、Web会議システムの活用が多くなっています。

ただ、取組が進んでいる自治体も多くありますが、取組が進められない自治体もあり、何が課題か、国の調査や支援が必要であると考えます。

また、Web研修であっても、勤務時間内で受講することができるような体制の確保も必要です。

12ページです。成年年齢引下げに対応した消費者教育について伺いました。

どの年齢層でも出前講座や講師派遣に取り組んでいる様子が分かりました。18歳成人に備えて学ぶ消費者教育講座や、インターネット被害未然防止講座など、特徴ある講座も実施しています。

また、中学生対象のネットトラブルや、闇バイトに関する情報提供や、小中学生向けの副教材の作成・配付を行っているところもありました。

13ページです。ICTの活用で消費者教育・注意喚起を見ると、他の業務と比べて活用が多くなっています。保護者向けの啓発、学校への情報提供などを行っているとの回答がありました。

SNSでの注意喚起、ユーチューブでのオンラインセミナー、若者向けや保護者向けの講座を行っているなどの工夫もありました。

14ページです。次に、見守り活動では、コロナ禍で生じた問題として、会議やボランティア講座が実施できないなどの回答がありました。

人と接触する機会が制限されていたので、見守り活動に支障があったとの報告もありました。

県が、協議会の設置の促進として、市町村を訪問していたができなくなったということもありました。

工夫として、オンラインの活用やホームページ、SNSからの情報提供、資料配付などで対応したところもあります。

消費生活相談が、デジタル化に不慣れな相談者もいらっしゃるため、対応が難しいことと同様、見守り活動も高齢者に対しての対応が難しい状況が伺えました。

15ページです。区市町村に支援している業務では、協議会の設置の意義やメリットの説明などを行っています。

福祉部門との連携のきっかけ作りや、啓発活動のグッズ作成など工夫も見られました。

強化すべき支援としても、協議会設置の促進が挙げられています。

消費生活協力員や協力団体の普及啓発、サポーター活用の推進など、構成員となる人の育成も重要であると考えています。

16ページです。ICTの活用では、ほかの業務と比較して、見守り活動の推進は大変低いです。通信環境や機材整備が足りないこと、個人情報を扱うこともあり、セキュリティ対策の懸念もあるようです。

また、誰もが使用できる方法を共通認識とすることが課題となっているとの意見もありました。

17ページです。次に、地方消費者行政強化交付金メニューの活用についてです。

多く活用されているメニューに黄色のマーカーを付けております。相談員レベルアップ研修、消費者教育の推進、食品ロスの取組、エシカル消費などがあります。

また、上部を見ていただくと、協力員の見守り活動の支援など、ゼロの事業もあり、メニューが自治体の現状に合わないのではないかと思われます。

ただ、メニューを活用せず、自主財源で業務を行っている場合も考えられます。

18ページです。こちらは、2022年の強化交付金のメニューですが、昨年度と同じような活用状況でした。

赤枠のところは、今年度の事業メニューで、指定消費生活相談員及び主任相談員による相談機能の強化として、市町村訪問に係る旅費、指定相談員や主任相談員の報酬の増額分を対象としていましたが、県で4、区市町村で2、メニューの活用は多くありませんでした。

相談員の報酬増額分は継続されるものですが、強化交付金は単年度メニューなので、交付金がなくなったことを考えると、最初から自前での準備が必要であると考えているのではないかと思います。

19ページです。国に対する要望を自由記入で頂き、テーマで分けています。交付金の継続的・長期的な財政支援や、補助率のかさ上げの要望が多くあり、予算確保に苦慮している状況が分かります。

補助率3分の1の引下げに反対する声も毎年数件あります。これは、自主財源化の充実への取組が不十分な地方公共団体に対し、一部3分の1の補助率を導入していて、それに対する反対の声です。

また、新型コロナ感染症対策に多大な財政支出を必要としていることから、推進事業の活用期間が終了した後の一般財源の確保は非常に困難であるとの声もあります。

交付金メニューが自治体のニーズに合っていないのではないかという意見は、2018年度から毎年出しています。活用の状況や意見を見ても、交付金が自治体にとって活用しやすいものになっていないのではないかと考えられます。

自主財源確保に向けて取り組むことが重要ですが、自治体の意見を聞き、より使い勝手の良い制度にすることが必要であると考えます。

20ページです。2022年の調査の中から、協議会と見守り活動の自由記入の特徴的な回答を紹介します。

協議会や見守りネットワークの設置の課題についてです。

協議会を立ち上げる必要があるのか、個人情報の管理徹底が難しいこと。複数の部署での調整が困難であることなど、他部署との調整や、設置の意義を、理解してもらう大変さがあるようです。

21ページです。ほかに、体制に余裕がない、業務を兼務していることから手が回らない、業務が多忙であるなど、他の業務との兼任であることから、体制確保に課題があるとの回答があります。

消費者庁の2022年の現況調査を見ると、全体で専任が減り、兼任が増えています。市町村の専任は10.3パーセントで少しずつ減少しています。事務ウエートも平均で22.8パーセントという状況でもあり、課題としていることが実現できない難しさもあるかと考えます。

高齢者の見守りに関わりが深い福祉部局が、コロナ対応等により、協議会設置に向けた協力依頼を行うことが、通常時より難しくなり、滞っているとのことや、設置のためのノウハウがなく作業が進まないなどの回答もありました。

好事例を共有して、地域の消費者の被害防止に向けた取組について、協力ができたらと思っています。

私からは、以上です。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ということで、主には昨年度の調査の報告を少しまとめて報告しました。今年度の調査は、今、部分的に少し報告させていただいたのですけれども、まだプロジェクト内で分析中ということなので、お出しできるところだけ一部出したということになっております。

ですので、今年度の調査、まだまだ引き続き分析をし、そして、意見、提言、シンポジウム等を開催していきたいと思っているのですけれども、その中でも少しポイントかなと思っているところをかいつまんでおります。

22年度の強化交付金メニュー、こちらのところにも、やはりDX化のメニューというのが大きく掲げられておりますが、先ほど少し御覧いただいたとおり、昨年よりは活用されてきているようにはなっているのですけれども、まだまだちょっと都道府県なり、区市町村なりで、そこまで盛んにこのDX化に関わるメニューというのが使われているようには、ちょっと見えないということがありまして、この国と自治体間で、デジタル化の方向性について、もちろんデジタル化を進めなくてはいけないのですけれども、そのスピード感とか、その整備の段階などにおいて、すれ違いはないのかなというところを確認していただけたらなと思っているところです。

こちらのDX化について、国からお示しいただいているところで、メリット、デメリット、いろいろ声がやはり出ているというところになっていますので、この辺の検証も必要かと思います。

それから、ポイント2としましては、人のところですけれども、見守りを、まず、今年度はメインのトピックとして掲げて調査をしておりますが、この見守り活動のメニューがきちんと使われているかというところと、やはり、実態として、このコロナが、また8波とか言われていますけれども、このコロナの中で見守り推進が滞っていないか、地域協議会だとか、見守りネットワークの推進状況というのをしっかり確認する必要があるかと思います。

それから最後に、人の、今度は処遇でございますけれども、この消費生活相談員の処遇ということで言いますと、今回、新しくメニューに主任相談員というところが入ってきましたが、今のところ分析を見ていると、まだ、この主任相談員をきちんと位置付けているというところ自体が、ちょっと少なかったりするように見受けられておりまして、各自治体で、ある程度柔軟に専任いただけるようなのですけれども、もっと広がり、主任相談員を位置付けて、処遇の上乗せ等をしていただけたらと思うのと、やはり根本的には、消費生活相談員全体の処遇改善の底上げにつながるような施策というのも併せてしていただけたらと思っております。

あと、相談員等のメンタルケアというところも活用があるかと思いますので、こういった施策も引き続き必要かと思います。

というところで、弊会の調査報告は、以上になります。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は30分程度でお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。御説明ありがとうございました。

非常に現場をよく分かっていただいて心強いと思います。消費者行政は、消費生活センターがなければ成り立たないと、日頃思っていまして、そこには消費生活相談員がいないと、細かな聞き取りが、市民の声を反映することができないと思っています。

9ページのところで、消費生活相談員の安定的な確保のために必要だと思うことに、ここに、処遇改善、報酬改善31とありました。まさしく現場の意見を反映していると思います。私も20数年相談員をやっていますが、ほとんど給料が上がっていません。よく昔の企業にいた頃の友人とかに話をすると、何でそんなにモチベーションが高いのかと、1年目の相談員と20年目と給料は同じなのに、やりがいはどこから来るのかと言われまして、どうやって答えようかと思ったら、いや、いつかは良くなる、そして私たちが世の中を良くしていくのだと言い続けて20数年、なかなかですが、もうひと頑張りしていきたいと思います。是非調査をよろしくお願いいたします。

もう一つ質問なのですが、DXのところ、10ページの中で、コロナ禍で急激にいろいろな問題が生じてきたということで、大出さんから、国がDX化を進めている、今後、自治体の検証というお話がありました。そして、最後、次長からも、来年度に向けては、ここのところというお話を頂いたので、私があえて言うことではないのですが、分かっていただいていると思っていますが、ただ、国のDX化の動きと、各自治体もいろいろあります、限界集落もありますし、進んでいるところもありますけれども、このスピード感のあまりの格差に、私たち相談員は非常に心配しております。今のPIO-NETは、2025年で終わりを迎え、2026年にカーシスというシステムが導入されます。ここら辺は、今、私たちがPIO-NETを触っているので、もっとやりやすく、相談員が入力しやすくなるとは思っておりますが、ただ、そこに今、実証している何十か所の自治体がやっていることというのが、私たち、例えば、私は名古屋なのですが、全く見えていないのですね。どんなことをやっているかも知らないのです。

この後、消費者庁にもお聞きしたいと思うのですが、まさしくDX化で相談員はどうなるかとか、そこで担い手確保が何とかなるのかどうなのか、そして、また、今なお難しい問題、例えば霊感商法等の問題もありまして、やはりベテラン相談員の力を借りないと、きめ細やかな聞き取り、傾聴はできないのではないかと心配しております。

すみません、質問というのは、どの程度DX化で改善されるのか、何か消団連さんがまとめた中で、意見で、困ったとかあるのであれば教えていただきたいですし、今後の課題は何か教えていただけたらと思います。長くなりました。よろしくお願いします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 清水先生、ありがとうございます。

正に日々、消費生活相談の現場こそが、消費者行政全体の根幹だと私どもも思っており、処遇の改善については、もう長らくこちらも求めてきているところですが、いまだに改善されたと言っても、多少という程度で、人によっては下がっているということが実態としてあります。ですので、ここは改善を求めていきたいですし、是非、どういうふうにすれば、より処遇が改善されるか、こうした場でも検討いただきたいと思っております。

DX化のところなのですけれども、後ほど大出から補足いただきたいと思いますが、今回の調査では、まず、2040年辺りに消費者行政はどうなっていると思うかという、漠然とした質問を全県に投げたところ、過半数の県は、前向きなり、心配なり、何らか2040年の姿に対してコメントをくださいました。それ自体は評価できるのかなと、半分ぐらいはちゃんと将来についてきちんと考えている、もちろん少子高齢化、人口減少というところが大多数のところで心配の基盤にはなっておりましたが、その上で、DX化についてコメントを自由記入で頂いておりまして、今のところ、これも賛否両論で、どちらの意見も頂いております。やはり、DX化が進むことで、自治体独自だけでは対応し切れないようなデジタル対応、いわゆる相談のサポートの在り方だとか、独自だけで相談業務が完結できないときに、DX化によって助けてもらえるのではないかみたいな期待もありますし、逆にそこに乗り遅れていく、あるいはDX化が余りにも速く進んでいて、自分の自治体は、こういった流れに乗れるのかという不安だとか、やはり、今の現場と余りにも違う、そのギャップみたいなところをすごく懸念する声というのはたくさん来ていまして、もう少しでまとまるところなので、精緻なところは、また、結果が出たときに見ていただきたいのですが、どちらも出ております。

大出から、何か補足があればというところですが。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 いいえ、同じように、DXについて期待することは何ですかという設問と、懸念することは何ですかということで、今年は細かく聞いております。ただ、相談員に直接聞いている、伺っているものではないので、また、そこはちょっと回答としては違う部分もあるかと思うのですけれども、質が低下しないこととか、気になるところは、そういう部分もありますので、そういうところを見ながら、DX化についても、私たちのところでも注視していきたいなと思っております。

以上です。

○清水委員 ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いします。

○後藤委員長 それでは、ほかにございませんでしょうか。

木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。説明ありがとうございます。

自由記入とかであるかもしれないので、ちょっとお伺いしたいのですけれども、昨今、件数が多くなってきて、十分な説明の時間が取れないですとか、丁寧な対応ができないと、そういったような自由記入があったかどうかというのを、1つお伺いしたい。

あと、私が時々思うのは、やはり、窓口だけではなくて、ほかの窓口との相談の連携というのが必要かなと思っているところなのですけれども、そういったところについて、何かコメントですとか、記入みたいなのがあれば、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございます。

幾つか頂いておるところではありますが、まず、相談1件ずつ複雑さというのが増しているというのは、やはり出ていまして、そのため、相談1件の解決に掛かる時間や労力というものがかなり膨らんできていると。

そういった中では、基礎自治体における相談員なんかだと、これはプロジェクトでヒアリングとか意見交換をしている中で聞いている声なので、調査は県の職員が答えているので、ちょっとこれは別の声と思ってもらったらと思うのですけれども、やはりPIO-NETに入力できないで、少したまっちゃっているといいますか、そこまで手が回っていない、PIO-NETに入力し切れていないというような現状が1つあります。

それから、2つ目におっしゃっていただいた連携ですね、こちらにもやはり問題がありまして、県からの支援というのがなかなか受けられないというような声もあります。とある県なんかだと、もうFAXで問い合わせてくださいとか、何か手法を限定していて、相談というのは、いち早く解決しなくてはいけないのに、そんなFAXに書いて送って戻してみたいなことをやっている時間がないというようなことも現場ではあるようで、つまり県との連携、国との連携、いろいろなところに連携の在り方はあると思うのですけれども、やはり基礎自治体のところの相談員が困っているという声は聞いております。

その場合、結局、国センに助けてもらったということなので、国センのサポート強化というところも、かなり必要になってくるのだろうなと思っているところです。

私が聞いているところは、この辺ですが、大出さん、どうでしょうか。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 そういうことを考えると、自治体のデジタルという形の進み方と、消費者庁とかが考えているデジタル化というのが、余りにも格差があって、交付金メニューも、上のほうにあるデジタル化を進めたいと国は思っているけれども、そこにエントリーできないという、まだそこまでいっていないということが考えられるのかなと思います。

現場の声を直接聞いていると言っても、回答の中での判断ですので、詳しく消費者庁も自治体の声というのを聞いていただきたいなと思っております。

以上です。

○後藤委員長 よろしいですか。

それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 黒木です。

今日は、本当にありがとうございます。丁寧な調査、すばらしいと思っております。

頂いた資料2の20ページ以下ですけれども、消費者安全確保、見守りネットワークの問題です。

これについてですが、福祉関係部門との連携というのは、非常に重要だという話は、日弁連もずっと検討していまして、去年は、これを中心とした人権大会をやって、決議も出しています。福祉部門との連携について、実は消費者庁と厚生労働省は、令和3年10月1日に、重層的支援体制整備事業と消費者安全確保地域連絡協議会の連携についてという通達を出して、地方自治体に、共生社会の中での重層的支援体制と見守りネットワークと中核になっている消費者安全確保地域協議会、これをうまく連携させることをしてくださいと。20ページに書かれているような、「既存の会議・ネットワーク(福祉関係等)があるのに、改めて当該協議会を立ち上げる必要があるか(しかも、集まる構成員も同じ)、疑問に思っている」という話は、大分解消するはずだと思います。そこで、令和3年10月1日以降の動きを注視しているところです。その辺りの見守りネットワークと安全協議会と福祉部門の連携というところについて、もうちょっと現場からこんな声がありましたとかというのを教えていただけると、大変有り難いと思っています。

特に、今後、高齢社会が進展していくと、高齢者の方々というのは、どうしても自宅にいる機会も増えますので、電話勧誘販売や訪問販売といった商法を含めて、いろいろな形で、事業者からの侵害型というか、攻撃型の商法にさらされる機会が増えてくるわけです。そのため、高齢者の方々の安心安全を確保するというのは国を挙げての施策の1つだと思っていますので、そこの辺りのところについて、どういう御意見が、20ページ、21ページにあるのですけれども、もうちょっとここを詳しく教えていただければ有り難いと思って発言させていただきます。よろしくお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございます。

おっしゃるとおりで、今回の調査では、重層との連携というところを設問に入れておりますが、なかなかちょっと各県でも、イメージがまだしっかり捉えられていないというところだと思います、自由記入を見ているとですね。

実態のところとして、うまく重層と協議会と、あるいは見守りネットワークがちゃんと自治体内にあって、それが回っているというふうに聞いているのは、神奈川県の鎌倉市ぐらいしか、ちょっと今のところ、ぱっと見えてこなくて、やはりどういう形で連携しているのかというのを、各県でも知りたがっているという段階だと思っております。

ですので、そうやって1つでも逆に事例があるようなので、きちんとそこを紹介していくとかということなのかなと思いますが、大出さん、どうでしょうか。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 今年の設問で、重層的支援体制整備事業の説明文を入れた上で、これについて、県で取り組んでいるか、期待することはどんなことかという自由記入を頂きました。

分析をして、まだ最中ですけれども、すごく期待する声というのはあるのですけれども、それが、単純に福祉部門と共生できるから期待しているというような単純な感じの回答が多くなっているのかなと思っています。

ただ、すごく長く書かれた回答の中には、令和3年10月に連名で通知が出されて、大きくは動きがあるのではないかとすごく期待したけれども、重要事項が、いっぱいいろいろなことがあって、また、協議会の設置に向けた好機と捉えることは、ただ難しいなと感じたということで、単純には、消費者被害防止のために、早期解決をすることなので、私たちというか、消費者部門がちゃんと未然に防止できるように、見守りネットワークに参加して、個別事案を解決するように実績を重ねていくと言って、すごく期待したのだけれども、結局は、見守り活動のほうに参加していって、地道にするしかないのかな、みたいな回答もあって、ちょっと歯がゆい感じがしました。

ただ、その動きが始まって3年なので、2年ぐらいなので、これから着々と伸びていくことを期待しております。

以上です。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 関連して、もう一件だけ、よろしいでしょうか。

ということもあって、その見守り活動というのは、もちろん行政の職員の方とかも動いていただかなくてはいけないのですが、やはり地域の見守る方々の連携というところも、ステークホルダーとの連携もすごく大切なのかなと思っていまして、そういうところで言いますと、見守りを実際に担う方々との連携が、このコロナ禍でうまく取れているのかという辺りもちょっと心配していまして、関連すると、消費者団体もその一員に当然なってくると思うのですけれども、消費者庁では2014年かな、平成26年ぐらいに消費者団体の調査というのをしているのですが、そこからもう10年近く消費者団体の実態調査とかもしていない状態があり、また、そのときの結果自体も精緻な部分ではなかったような反省もあるようなので、例えば、消費者委員会で、今のコロナを踏まえて、この見守りとか、あるいは消費者行政、地域の見守りネットワークで動く団体、消費者団体を始めとした調査とか、そういう実態を調べてみるということも一案かなと思っております。

すみません、補足的ですが。

○黒木委員 ありがとうございました。本当に、重層的支援体制整備事業と地域連絡協議会が、うまくコラボしていけばと、特に重層的支援体制整備事業は、予算の使い方というのが、私から見ると自由度が高いと思っています。そういうこともあって、それをうまく利用すれば、市民にとって良いものになるのではないかなとすごく期待しているところがありますので、今、三谷様からおっしゃっていただいたとおり、委員会としても、去年の10月に発出している文書ですからね、もう1年経っているので、どういうふうに各省庁は思っているのというのを聞くというのもありかなと思いました。この辺りは、また、内部で検討させていただきたいと思います。

ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

私からは、感想のようなものになりますけれども、以前、徳島オフィスの活動について、消費者庁から御説明を頂いた折、やはり、ほかの事業は割と順調にいっているのだけれども、見守りネットワークに関する活動については、取組が遅れていると自覚している、というお話を頂きました。

実際、いろいろな取組を始めようとしている、実際、始めてはおられるのだと思いますが、やはり、他の自治体との連携ですとか、お互いの情報共有みたいなものは、なかなか進んでいないというのが現状なのだろうと思っておりまして、その意味で、消団連様が定期的にこのように、下からの意見を吸い上げてくださるというのは、本当に有り難いと思っております。

本来であれば、国なり消費者委員会なり、消費者庁が行うべきところを、こうやって吸い上げていただけることによって、地元の声が届けられているのだなと感謝しております。

その中で質問です。やはり見守りに参加する方のネットワークを作るということも大事ですし、それから、あとは、先ほど相談員のお話も出ましたが、処遇の改善というのが、一番ネックであるというのは、誰もが分かっていると思うのですけれども、それ以外のところで、アンケート調査やヒアリングを行う中で、ここが、今後、見守りネットワークを進めていくのにネックになっているのではないか、と思われているところがありましたら、是非お聞きしてみたいと思いました。よろしくお願いします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 では、私からは、簡単に言いますと、やはり少し大出からも報告のあった中であった、兼任問題というのは、結構大きい問題だと思っていまして、幾ら資金があっても、それを使って動いて、活動して見守っていくというアクションが必要で、これが、なかなか兼任職員が増え、消費者行政のウエートが下がってくる中で、しっかりそういう手厚い見守り体制の推進ができるのかというところは、すごく心配しています。

大出さん、どうでしょう。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 21ページのコメントの最後のところにあったのですけれども、協議会設置の必要性は理解できていても、行政職員の人員不足によって、協議会設置に向けた取組ができないと、その本人はやりたいと思っていてもできない状況があるというのは、大変ちょっとうまくできないかなと思っております。

それから、課題となっている個人情報ですね、個人情報を共有することが、なかなか管理するのが難しいということもあるのですけれども、協議会で、個人情報を活用しないで協議会設置をしたというところもあって、そういうところも多々あると思うのですけれども、そうしながら協議会という形を作りながら、被害防止、見守りネットワークが進められても良いのかなと思っております。

以上です。

○大石委員 ありがとうございます。

本当におっしゃるとおりだと思ってお聞きしておりました。特に地方自治体においては、それでなくても人口が減り、やはり役所の職員の数も減っている中で、しかし、高齢者はどんどん増えているわけです。そんな中で、やはり何かしようとすれば、当然、国、それから、あとは事業者との連携というのは、これはもう必須かなと思っていますので、是非そういう方向が進められればと思っております。ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。

貴重な御報告を頂きまして、ありがとうございます。

資料の8ページで、「実施するのに必要なこと」というアンケートに対する回答の中に、消費生活相談員の増員だけではなく、事務職員の増員、専門人材の採用・活用もありますが、このことをどのように分析されているか、そして、最も多いのが予算額の増加ですが、各都道府県が、特定の人材というだけでなく、むしろ財源を必要としているということは、組織体制の整備のための裁量の余地を求めているといった分析などもあり得るのか、お聞きしたいと思います。

また、2018年度にこのプロジェクトを10年ぶりに復活させて、毎年、調査を実施してこられ、様々な働き掛けもなさっている中で、コロナ禍に限らず、「壁」をずっとお感じになっているとしますと、同じようなやり方では恐らく突破できないのではないかとも思うのですが、継続的な調査・分析を通して、何か可能性を見出していらっしゃるところがあれば、是非お教えいただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございます。

まず、先に実施できていないことで、何があればできるかというところ、8ページ目のところですね。実施したいができていないことで、実施するには、予算だとか人だとかというところですが、このできていないこと、したいけれどもできないことが、この上にあります。

この件数順から言っても、やはり、SNSの相談ですとか、DXですね、黄色のところで言いますと、AIの活用ですとか、こういうところは、やはりやっていかなくてはいけないという自治体の気持ちがすごく出ているのですけれども、やはりそこら辺については、SNSの相談の整備だとかにも、予算も必要だし、それから、当然相談員の対応も、電話対応、来所対応をやる中で、メール対応とかSNS対応だというのがもし出てくるならば、当然、そこら辺の体制充実も必要になってくる等々というところで、ちょっと細かくひも付けは今回できていないのですけれども、やはりここに掲げられている、したいけれども、できないことについて、何があったらできるのかというのを聞いているので、こちらのことがやりたいし、人や予算が付けばできるのではないかというところですかね、この来所とか、土日相談とか、夜間相談とか、メンタルサポートだとか、あるいは区市町村への支援だとか、より手厚くできていくのではないかというようなところに見えておりますが、大出さん、ここの補足はありますか。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 ここの部分でも、どの調査をしてもですけれども、先ほどの2番目の質問のところにもなるかと思うのですけれども、人と予算というところの結論にいつもなってしまうというところが壁でもあり、こういう調査をして、結果を分析するとそうなってしまうというところで、職員というのは、なかなか国が何か自治体に向けてできるものでもないかなと思うと、交付金とか、そういうところの措置に期待するというところもあるのかなと思います。

この間は、コロナという状況で、自治体は大変厳しい状況でもあるのかなと思います。自主財源でやり切らなくてはいけないというのも、自治体は分かっているし、消費者庁は自主財源をするための一時的なものとして交付金を支給しているわけですので、そういうことを考えると、本当は自主財源でやるべきことなのだと思うのですけれども、まだ、それには、手放すには早過ぎるのではないかと考えております。

以上です。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 そうですね、壁のところでは、正にそのとおりで、むしろ消費者庁が設立されて、基金というものが最初にできたときから、やはり、この地方消費者行政の財政的支援とか、もちろん人への手当を含めて、措置というところは、もう長年10年来の課題かと思っております。

消費者庁も、いろいろな形でそこへの支援を投じようとしているということは、もちろん見えていますし、今回の交付金メニューでも主任相談員という新たな位置付けをチャレンジで入れてきたということ自体は、評価できるのではないかと思うのですけれども、ただ、それがうまく活用されていないというのが、この調査でも見えてくるわけで、そこのすれ違いなり、このすり合わせは、もっとしていかなければ、どちらも良かれと思って頑張っているということは分かるのですけれども、それがうまく回るように、消費者委員会からも御意見を出していただきたいとは思っています。

○飯島委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。

まず、御説明、本当にありがとうございました。大変貴重な情報であり、今後、消費生活の現場実態をどう改善していくかについて、極めて包括的で示唆に富むお話だったと思っております。

そのお話をお聞きすればするほど、困難さというか、どういうふうにこれを修正し、全体最適化していったら良いのかというのが、見えてこない部分もあって、多分、大石委員の質問もそこにつながっていくのかなと思って拝聴しておりました。

1つ、今後の変化としては、良い方向はDX化だと思うのですけれども、もう一方で、さっき三谷さんのお話のように、自治体の職員の方の兼任というようなことがあったり、ますます自治体自体が小規模化していき、職員のマンパワーというのが、もう本当に限られているという状況から見ると、こっちは悪くなっていく一方ではないかと思うのですね。ここがDX化によって、一定悪くなっていく方向を食い止めていくことができれば、そこで何とか現状は維持できると思うのですけれども、まず1つ質問として伺いたいのは、このDX化というところが、先ほどの三谷さんの懸念である兼任職員や、自治体のマンパワーのぜい弱性というところに担保していけるような効果を生んでいくのかどうかというのが1つです。

それから、もう1つは、消費生活相談の現場自体が包括する領域というか、その範囲が、私はますます広がってきている方向ではないかと思います。そのことが消費者安全確保地域協議会等の話まで展開をしているのだろうと思います。

今回の消費生活相談というのは、ある意味、更にセーフティネットとして社会福祉協議会であったり、ある場合は、いのちの電話とか、そういったところまで連携をしていかなければ、消費者の環境を維持したり、守っていくことは難しいのではないか。

そうなっていくと、これは果たして消費者庁だけでできるのか、府省庁を連携していかないといけないのではないかというところを、更にどういうふうに考えていくかというのが課題であると、今のお話で感じたところです。

同様のことは、例えば、こども庁ができるとかというところで、妊娠から出産、育児を含めた子育てとか教育といったところを、全体シームレスで見ていくような、そういう省庁の新しい立ち上げというところまで発展をしています。

消費者庁がもっと厚労畑、社会福祉協議会を含めた、厚生労働省の畑まで、更に連携というか一体化していく必要があって、こういうところをどうやって担保していったら良いのだろうかというところが、もう大きな課題なのかなと、今のお話を聞いていて感じたところでございます。

子育ては、例えば、フィンランドのネウボラという制度があって、これを日本版として日本版ネウボラという形で、1人の個人を妊娠から子育て、教育まで全部シームレスにつないでいこうというようなことが、自治体の施策では講じられています。ですから、ひょっとすると、消費者という個人に対しても、かなり上流から裾野を広げていって、一体的にケアしていけるような、シームレスなというかフルセットというか、そういう、ある意味所掌というのをもっと考えていかないといけないのかなと、2点目は、個人的に感じたというところでございます。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございます。

逆に御示唆を頂いたと思っております。私どもも、そういう広い視野で、今後どうしていかなくてはいけないか、消費者の暮らし全体を見て、私たちも活動、提言していきたいと思います。

DX化については、やはり逆にいっとき整備がなる、あるいはスムーズにDX化で、今よりも無駄なく行政の方も動けたり、相談員も必要な消費生活相談に注力できるような体制が整うまでは、逆に大変なのではないかなと思っておりまして、今、県では結構たくさんのところがメールフォームでの相談対応というところの整備を、今、やっと増えてきているというのが現状であります。

DX化の2040年なりに出ている姿というのは、それはそれでありたい姿として、あって良いのですが、やはりこの間、今まだメール整備という現状、ここから、きちんとこの積み上げ型あるいは逆算で、きちんとここら辺では全県がメールフォームでの対応ができている。そのためには、メールフォームに対応するために、消費生活相談員は、どういうふうにメール対応と、普段の来所、電話、1つチャンネルが増えるわけですから、本当は、業務は大変になるはずなのです。だから、過渡的には絶対に大変になるはずなので、そこをきちんと、1個ずつのフェーズで、目標を、まずは全県メールをやろうと。そのためには、消費生活相談員は、これぐらいむしろ人が増えなくてはいけないし、処遇としてもこれぐらいは改善していかないと、その体制はきちんと、人が揃わないとか、1個ずつ固めていく必要があるのかなと。

だから、今、2040年の姿と現状までは出てきているはずなので、この過渡的な一過性の大変なところを、どういうふうに各都道府県が納得して進められるか、各自治体が納得して進められるか、消費生活相談員が不安なく、その過程をしっかり見て、ここでは、私はこういうふうに、あっせんに注力できるような状態になっているのねとかと、きちんとそれぞれが、目線が合いながら進めないと、ちょっと不安ということが先行してしまうかと思います。

そのために、例えば、2020年に消費者委員会では、専門調査会で、ある程度未来の姿をお示しされて、恐らく消費者庁もそれを受けてのDX化みたいな流れがあろうかと思うのですけれども、ここで、例えば消費者委員会のところに専門調査会とかを設けて、そのありたい姿に向けて、もう少しきめ細やかに、ここまでに何が必要かというのを調査していくということも必要かもしれません。

大出さん、いかがでしょうか。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 そうですね、今、理想の姿は見えているのですけれども、段階というところが、やはり詳しく分からない。要するに、相談員の方たちにもちゃんと情報共有がされていないのではないかなと思っております。

ですので、やはり現場の声をよく聞いた上で、自治体によって全然、地域によって格差があると思うので、レベル感というか、そういうところに合わせて進めることも必要ですけれども、その進めるに当たって、やはり予算が足りないという問題が出てくるのではないかと思ったときに、その辺の措置も考えていただきたいなと思っております。

以上です。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

今のお答えを伺っていて、よくバックキャスティングしていくとか、マイルストーンを明確にしていく、それで、マイルストーンを明確にすれば、KPIとかという考え方が出て、客観的な目標の部分が見えてくるということになって、どれだけ予算的に現状との差分を考えながら予算投入していくかというところも見えていくということだと思いますので、もう少し、やはりきめの細かいロードマップを描くということですね。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 すみません、お時間のない中で一言だけ、お願いします。お伺いしておりまして、本当に課題が山積だなと思いました。ただ、清水委員を始め、常日頃、専門知識と情熱のもとで取り組んでいらっしゃる相談員の皆様におかれましては、非常に重要なお仕事だと考えております。是非相談員の方々の待遇改善は喫緊の課題として取り組んでいただきたいと思うことが1つ。

あと、やはりDXの導入は、より消費者への支援体制を強化する上では、私はマルヒツだとは思います。ただ、そのときに、自治体の方々ですとか、相談員の方々だけで解決しようとされている動きを感じているのですけれども、私は少し距離のある立場におりますので感じるのですが、外部の人間といいますか、消費者自体も関わっていくべきではないかと思うのです。エシカル消費の運動の一環として消費者も関わっていく、それは、例えば若者の力ですね。例えば、今、Z世代ですとか若い方々、起業するときは必ず課題解決がテーマになっています。その世代の方々は、自ら課題を解決していく力がすごく備わっていると思うので、そういった動きと連動させるのはどうかと思うのです。

あと、高齢者といいましても、60代、70代でお元気な方もいらして、プロボノという考え方があるのですが、仕事のスキルを生かして、ボランティアで貢献したいと思っている方は、結構たくさんいらっしゃると思うのです。ある種の名誉職ではないですけれども、相談員の方のように専門知識はないけれども情熱はある、貢献したいと思っているような方のお力も借りるようなこともあり得るかと。自治体の職員や相談員の方だけで、また、その予算の中だけで解決しようとすると、壁に直面してしまうのを感じるのですけれども、もう少し開かれた形で、外部の方々や消費者も取り込んで、エシカル消費の運動の一環として、この課題を解決していくようなことも考えられるのではないか、そういった視点も持ち込まれてはどうかなと思いましての御提案です。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございます。

御提案ありがとうございます。そのとおりと思いますが、大出さん、どうでしょう。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 私も先生おっしゃるとおりだと、そこだけではなく、やはり相談する立場として、こうだったら相談しやすいのにという消費者の声というのもあるだろうし、これから若い人たちが相談するに当たって、気軽に相談できるのはどうなのかというところを意見として、きちんと出せるような場が必要だと思います。ありがとうございます。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、質疑応答、意見交換は、以上にしたいと思います。

全国消費者団体連絡会さんが、毎年実施されている「都道府県の消費者行政調査報告書」につきましては、自由記入の部分を含め、丁寧に集約いただいております。本日は、私も自治体の声や課題について認識を深めることができました。大変意義のある取組をなさっていると感じました。

委員の方々からは、多数の御意見が出ておりますが、1つは連携ということがキーワードになるのではないかと思います。これは、地方消費者行政と国との連携、市町村ということであると都道府県との連携、それから連携ということに関しては、福祉領域との連携ということが非常に重要な課題であると、委員の方々から御意見が出ております。

福祉領域との連携ということで考えますと、消費者庁だけで対応するということができるのかという問題、つまり消費生活相談が取り扱う領域が拡大してきていて、厚生労働省等、府省庁間の連携、そういうことが必要、あるいは状況によっては一体化した取組ということが必要になってくるのではないか、そういう方向についてどのように進めていくのかということが課題となっているという御指摘です。

2番目は、デジタルの問題ということでありますけれども、デジタル化が、地方消費者行政が良い方向に進むための1つの有力な手段であるということが御意見として出ておりますけれども、現在の地方消費者行政の実態から見て、国の目指している、考えていることと、それから自治体が現に行えること、その見通し、その間に大きな格差があるのではないかという御意見も出ております。

そういうことで、国とか地方公共団体等が行うということだけではなくて、むしろ消費者自身に期待するということ、これは、若者がデジタルの関係については、得意な人が多いということもありまして、そういう人たちの活用、それから年齢のいった人でも、例えば、退職後等の生きがいとか、それまでの御経験からその人が持っている知見を生かして、地方消費者行政について一定のサポートをするということができるのではないか、そういう解決の方向性ということも意見として出ております。

それから何よりも、これは非常に切実な問題ということなのですが、消費生活相談員の方々の処遇の問題でありまして、これについては、当委員会でも、別の機会においても指摘がされて、議論がされたところなのですけれども、やはりなかなか処遇の改善がなされていないという実態ということを今回も、ひしひしと受け止めました。

こういう方向について、消費者委員会として、どのような改善を図ることができるかということに関して、検討していくということについては重要な課題だと受け止めています。

本日は、非常に有益な御報告を頂きまして、それから消費者委員会に対する要望も示していただきまして、大変参考になりました。

消費者委員会としましては、地方消費者行政は重要な課題と認識しております。本日は、次の審議で消費者庁から相談員の担い手確保の取組を中心に御説明いただくということになっております。本日の全国消費者団体連絡会様の御説明、大変参考になりました。お礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

本日は、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

○全国消費者団体連絡会大出政策担当 どうもありがとうございました。

○全国消費者団体連絡会三谷事務局次長 ありがとうございました。失礼いたします。

(全国消費者団体連絡会 退室)

(消費者庁 入室)

○後藤委員長 それでは、引き続きまして、消費者庁から消費生活相談員の現状と担い手確保に向けた取組を中心に御説明を頂きます。

本日は、消費者庁地方協力課、加藤課長に御出席いただいております。本日は、ありがとうございます。それでは、15分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁加藤地方協力課長 消費者庁地方協力課の加藤でございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、お手元の資料に沿いまして、地方消費者行政の充実・強化、消費生活相談員の担い手確保につきまして御説明を差し上げたいと思います。

1ページおめくりいただければと思います。

初めに、相談員を含めました地方消費者行政の現状についてでございます。

2ページ目にまいります。

初めに、環境的な話ですけれども、消費者行政予算の状況でございます。総額を確保することと、それと自主財源へのシフトをしていくということが課題になっておりますけれども、右上の赤枠のところ、その1行目、全自治体の合計で見ますと、令和4年度は186.6億円、前年度から4.4億円の増加となっております。

内訳を見ますと、2行目の交付金は1.2億円減少しておりますけれども、3行目の自主財源が5.6億円増加をしておりまして、交付金から自主財源へのシフトが進んでいるということが見て取れます。

下段は、消費者行政予算のない市区町村数でございます。右側の赤枠、前年よりも4団体減少しております。

次のページをお願いいたします。

3ページ目、消費生活センター等の設置状況でございます。

市区町村で見ますと、広域連携も活用しながらセンターを設置して開所日を確保するということが課題になりますけれども、上段の赤枠の2行目、センターを設置している市区町村数につきましては1,118となりまして、前年よりも2団体増加をしております。

下段の消費生活センターの数も同様でございまして、赤枠の1行目、全体で856か所となりました。

次のページ、4ページ目をお願いいたします。

消費者行政担当職員の配置状況です。上段は相談員の配置でございます。人数の確保と資格保有率の向上が課題になりますけれども、右上の赤枠の1行目、人数は退職などで前年から22人の減少となっております。

ただ、2行目の資格保有者数で見ますと、13人の増加でございまして、割合で言うと8割を超えております。能力のある相談員が対応する体制ということで広がってきているものと思います。

下段が事務職員の数です。右側の赤枠、1行目、全体で2人の増加となっております。内訳を見ますと、専任職員が減少しておりますが、兼務職員が増えているという構図になっております。

5ページ目、次のページをお願いします。

相談員の処遇です。平均報酬額の引上げが課題になりますけれども、時間単価で見ますと、右上の赤枠、1行目の全体では、前年から14円の上昇となり、1,841円となりました。水準の低い市町村が増加に寄与しております。

会計年度任用職員制度が導入された31年から見ますと、約270円高い水準となっております。

下段、雇止め規定のある自治体につきましては、1団体と前年から変化はございません。

次の6ページ目をお願いいたします。

上段は、相談・あっせんの件数でございます。質の高い相談対応が課題になりますけれども、右上の赤枠1行目の全自治体で見ますと、前年から8.8万件の減少となっております。

内訳を見ますと、一番下の行、市区町村で見ますと、あっせんの割合は10.8パーセントとなっておりまして、県や政令市の6パーセント台よりも高くなっております。地元密着の小規模のセンターで相対的によくあっせんを行っている状況が見て取れます。

下段は、研修への参加状況でございます。赤枠の左から順に、都道府県・政令市では100パーセント、市区町村では62パーセントで参加しております。

次の7ページ目をお願いします。

上段は、講習や出前講座の実施状況です。赤枠の下から2行目を左から順に御覧いただきますと、都道府県・政令市では100パーセント、市区町村では43パーセントで実施しております。

下段は、消費生活協力団体・協力員等の活用状況でございます。いずれも増加傾向にございます。

次に8ページ目をお願いします。

ここから、相談員の担い手確保の取組といたしまして、担い手確保事業について御説明をいたします。

次の9ページ目をお願いいたします。

消費生活相談員の担い手確保事業につきましては、令和2年度から実施しておりまして、中段の赤枠、令和2年度につきましては受講者約800名、アンケート450名からの回答によりますと、合格者判明分は延べ128名となっておりました。

次の10ページをお願いします。

10ページ目でございます。令和3年度の事業でございます。上段のオレンジ色の部分、受講者の合計で1,580名でございますけれども、アンケートで1,033名からの回答によりますと、合格者の判明分が延べ374名となっております。

中段の青色の部分、資格を取得して実務研修、就業サポート事業に参加をした116名につきまして、アンケートに回答のあった95名を見ますと、就業決定者は13名となっております。

次の11ページ目をお願いいたします。

令和4年度の事業ですけれども、本事業も継続実施しております。受講者1,600名を対象としまして、夏からe-ラーニング形式で計30時間程度の講義を始めとしまして、論文、面接対策ですとか、就業を見据えた支援まで含めまして、講座の実施をしております。

地方公務員の数が抑制されまして、相談員も高齢化による退職等が減少要因となる中で、本事業は有資格者や担い手の増加に寄与していると考えられます。引き続き、効果を検証しながら、こうした支援を実施していくことが重要と考えております。

関連で、自治体の好事例といたしましては、相談員の養成講座ですとか、資格取得の応援講座を実施して、担い手の確保につなげている事例もあると承知しております。

次の12ページをお願いいたします。

ここから、相談員の雇用維持の取組について御説明いたします。次の13ページ目をお願いいたします。

地方消費者行政強化交付金の概要になります。地方の取組を支援する交付金になりますけれども、相談員に関する取組も対象としております。

例えば中段の事業メニューの1の(1)、相談体制の維持・充実といたしまして、指定消費生活相談員ですとか、主任相談員による相談機能の強化を入れてございます。

下段の2のところですけれども、相談員のレベルアップ事業ということで、支援対象に研修のメニューを盛り込んでおります。

その前提としまして、従来の推進事業による相談体制の整備も支援をしております。

次に14ページをお願いいたします。

地方消費者行政の充実・強化に向けた重層的な対策といたしまして、予算措置を図示しております。

相談員の雇用関係といたしましては、2段目、人材育成のところですけれども、1億円の措置をしておりまして、相談員の担い手の確保、研修強化、見守りの担い手の養成などを実施しております。

先ほどの強化交付金ですとか、各自治体の自主財源による取組と相まって、相談員の雇用、レベルアップを支援しております。

次の15ページ目をお願いいたします。

強化交付金の要綱の抜粋でございます。都道府県では、市町村の支援等を行う指定消費生活相談員の指定が努力義務になっております。

また、地方自治体では、相談員の育成指導を行う主任相談員を配置することがございますけれども、報酬の増額分を含めまして、こうした取組を交付金で支援しております。

好事例という点では、実際にキャリアアップを処遇改善に結び付けている自治体もございます。

次の16ページ目ですけれども、ここから担い手確保のその他の取組ということでございます。

次の17ページ目をお願いします。

国民生活センターで実施をしております研修事業の概要になります。相談員向けですとか、行政職員向けとしまして、集合型、オンライン型を組み合わせて、年間156回の研修を実施しております。

次の18ページ目をお願いします。

相談員のレベルアップ研修の充実です。専門分野の事例も交えた講座などで、能力、知識水準の向上を支援しております。左上の専門・事例講座につきましては、2021年度に2,952名が受講いただき、左下の専門講座、地域コースは、359名が受講をしております。

次の19ページ目、研修実績になります。

上段、集合研修につきましては、2021年度で118回、受講者数で6,537名、下段、遠隔研修は27回、受講者数8,653名となっております。

20ページ目をお願いいたします。

相談員についての広報資料になります。

21ページ目から23ページ目にかけまして広報資料になっておりますけれども、インフォメーションブックとなっております。

相談員の役割ですとか、知識、能力、相談員の声などを盛り込んで、実際の仕事の様子などを伝えるものとなっております。

24ページ目をお願いいたします。

相談員のPR動画ですとか、インタビュー動画も作成いたしておりまして、こうした資料を担い手の確保に向けて活用している状況です。

次に、別冊になりますけれども、消費者基本計画を踏まえて作成しております地方消費者行政強化作戦2020に関してということになります。

こちらで、強化作戦の取組、KPIについて集計中の暫定値ではございますけれども、政策目標ごとの現状を御説明いたします。

1枚おめくりいただきまして、相談体制の強化です。

消費生活センターの設置促進といたしまして、設置市区町村の都道府県内の人口カバー率90パーセント以上を目標としておりますけれども、青色は目標の達成、赤色は未達成となっておりまして、ばらつきはございますけれども、茶色の線の90パーセントの目標を、47のうちの27都道府県で達成をしております。

次の2ページ目をお願いします。

相談の質の向上になります。相談員の配置、レベルアップの促進といたしまして、配置市区町村の都道府県内人口カバー率90パーセント以上を目標としておりまして、茶色の線の90パーセントを41都道府県で達成しております。

次の3ページ目をお願いいたします。

続いて、相談員の資格保有率75パーセント以上を目標としておりまして、ばらつきがございますが、茶色の75パーセントの線を28都道府県で達成しております。

次の4ページ目をお願いします。

相談員の研修参加率100パーセントを目標としておりますけれども、コロナの影響もあったと聞いておりますが、茶色の100パーセントの線は、5つの都道府県で達成しております。

次の5ページ目をお願いします。

指定消費生活相談員を全都道府県で配置することを目標としておりますが、赤色は未配置ですけれども、20都道府県で配置をしております。

次の6ページ目からは、消費者教育の推進になります。

若年者の消費者教育の推進としまして、消費者教育教材である社会への扉などを活用しました、全国での実践的な教育の実施を目標としておりますけれども、域内の高校のうちで教材活用校が100パーセントである都道府県は5つとなっております。どの県でも70パーセント以上で活用をされております。

若年者の消費生活センターの認知度は、7ページ目ですけれども、75パーセント以上を目標としておりまして、認知度は72.9パーセントとなっており、目標まであと少しとなっております。

7ページ目の上のほうですけれども、若年者の消費者ホットライン、188の認知度は30パーセント以上を目標としておりまして、名前と内容をどちらも知っていた、名前は知っていた、の両者を合わせると、認知度は42.9パーセントと目標を上回っております。

次の8ページ目にまいります。

消費者教育コーディネーターの配置ですけれども、全都道府県・政令市を目標としておりますけれども、赤色が未配置となっておりまして、全体では38都道府県、16の政令市で配置済みとなっております。

次の9ページ目でございます。

消費者教育推進地域協議会の設置、消費者教育推進計画の策定ですけれども、都道府県内の政令市、中核市の対応済みの割合50パーセント以上を目標としておりまして、協議会は15都道府県、推進計画は17都道府県で達成をしております。

次の10ページ目ですけれども、講習等、出前講座を含むということで、実施市区町村の割合75パーセント以上を目標としておりますけれども、ばらつきもありますが、4都道府県で達成となっております。

次の11ページ目をお願いします。

消費者安全確保地域協議会の設置ですけれども、設置市区町村の都道府県内人口カバー率50パーセント以上を目標としておりまして、こちらもばらつきがございますが、16都道府県で達成となっております。

続きまして、12ページ目、地域の見守り活動に消費生活協力員・協力団体を活用する市区町村の都道府県内人口カバー率50パーセント以上を目標としておりますけれども、茶色の50パーセントの線を3つの都道府県で達成しております。

続きまして、13ページ目です。

地方版の消費者基本計画につきまして、全都道府県・政令市での策定目標としておりますけれども、都道府県で35、政令市で14の策定となっております。

最後の14ページ目ですけれども、消費者行政職員の研修参加率は80パーセント以上を目標としておりますが、コロナの影響もありまして、全ての都道府県で茶色の80パーセントの線には届いていない状況となっております。

説明は、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は20分程度でよろしくお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。説明ありがとうございました。

相談員の担い手確保のところなのですが、自治体によって好事例は、県レベルで養成講座をやっているということなのですが、それは養成講座をやって、そのまま地元の相談員になっていることが好事例ということでしょうか。そこの質問が1つ。

もう1つは、雇用維持のところで、いまだ雇止めの現状があります。例えば、相談員の高齢化という問題がある中で、昔は日額とか、週に2日とかという働き方が多かったのですが、大きいセンターでは、ほぼほぼ月額となっています。例えば、高齢に伴って専門分野が強い相談員もいると思うのですが、そういう方たちを長く雇うと思ったときに、週5勤務とかではなくて、週2勤務にしたら良いのかなと私も思っていて、なかなか私のセンターでも、そういう議論をしていますが、所長、課長とかとも話しているのですが、一律ということで、全員週4日勤務になっています。今後の課題だと思っています。が、消費者庁としては、そこら辺、何か良い事例を把握されていたら、御紹介をお願いします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁加藤地方協力課長 御質問、コメント、どうもありがとうございます。

初めに、県の養成講座ですけれども、それぞれちょっと詳細はございませんけれども、受講者が一定数おられて、実際に採用プロセスなどへの登録もあってということで、それぞれ地元で就職活動につながっていく動きがあると伺っております。

それと相談員の働き方の御指摘につきましては、勤務日数を週2日程度とされているといったポストは、それなりに多くあると伺っておりまして、現在任用されている相談員の方の高齢化ということもございまして、多様な働き方、そうした中で専門性を生かしていくということは、とても大事な視点だと思います。

併せまして、高齢化に対応するという意味でも、若い方の働いていく環境の整備ということも大事だと思いますので、引き続き、働き方の多様化、処遇改善も含めまして努めていきたいと考えております。

○清水委員 ありがとうございます。

若い方は無理だと思います。待遇が低いので、ほぼ全国的に見ますと、このお給料では、1人で生活して自立するのが難しいです。先日も当センターの優秀な40代の相談員は、市の職員に、試験を受けて採用になりました。勉強してなりました。市の職員になれば、1人で自立して生活できます。というのがありまして、すみません、ひとえに待遇の悪さが問題で、若者は入ってこられないという現状があることを十分分かっていただけたらと思います。いただいていると思いますが、引き続きよろしくお願いします。失礼しました。

○後藤委員長 それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。御説明ありがとうございました。

毎回データに基づいて御説明を頂いているので、非常に相対的な比較もしやすいというところで、少し発言をさせていただきます。

まず、誰一人取り残さないという考え方からいったときに、まだ自治体によっては消費者行政に予算もかけていない自治体が159もあるというところが気になるところでございます。

東京23区を入れて、母数は多分1,741だと思うのですけれども、そうなると、7、8パーセントは、まだ予算もない。ここをどういうふうに見るかというのが1つです。

それで、今後、更に自治体間での格差を解消していくために、よりモチベーションを上げていただく必要もあるし、逆に言うと、これが十分に予算も措置されていないことによって、どういうことが起こっているかということを、EBPM的に明らかにしていく必要もあるのではないかと、お話を伺う度に思っております。

こんなデータがあるかどうか分かりませんけれども、毎年消費者白書において、消費者被害の実態というのが金額ベースで出てまいります。5兆円とか、6兆円とか、とんでもない金額が出てくるわけですけれども、行政区分ごとに、この金額をデータ化できないのかなと、いつも思います。そのことと消費者行政に対する実践、要はウエートの低さとの相関というのを、観察研究的に相関を取れれば、今後これが予算化していき、重点化していくことによって、住民に対するメリットがどれぐらいあるかというのを、データ的にも訴求できるのではないかと思います。

薬においては、介入試験が行われます。観察研究ではなくて、一定介入したとして、その効果を見るという統計学的方法です。ここにおいて、介入試験の実施例というのが、徳島県だと位置付けても良いのではないかと思うのですけれども、徳島県が他の介入していないといいますか、46都道府県と比較したときに、どの程度消費者被害が防げているのか。これを介入試験の結果として見ていくことによって、すなわち消費者行政に対するてこ入れといいますか、重点化によって、住民に対するどれだけのメリットがあるかというのをEBPMでしっかり訴求していくということが可能ではないかなと、こういうデータを見ると、常々思うところでございます。そういう可能性はあるのかどうか、御意見を頂ければ幸いです。

○消費者庁加藤地方協力課長 御指摘どうもありがとうございます。

消費者行政の施策について、EBPM的に地方の分野も含めて明らかにすることができないかという御指摘、大変参考になります。どうもありがとうございます。

実際に、確かにいろいろな実験を含めた研究などを徳島でやっているということはあるかと思います。そうした蓄積も含めて、全体として消費者行政の効果というのを、地方の行政の現場でも、いろいろとPRするということは、とても大事なことだと思っておりまして、十分な予算確保という観点からも御指摘のような取組を、それぞれの場で実際に実践をし、PRしていくということが大事だと思いますし、そのための考え方を伝えられるものがあれば伝えていくということが、大事な視点だと思いました。御指摘どうもありがとうございます。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

是非、養成講座等でもグッドプラクティスを挙げていかれましたので、アウトプット、そして、実際のアウトカムとしてグッドプラクティスを、統計学的に有意性を訴求できるというような観点で、是非EBPMに落とし込んでいくというところをお願いできればと思います。ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 黒木です。御説明ありがとうございました。

実は、私は今回、消費生活相談の担い手確保の問題だということだったので、福岡県の消費生活センターの課長とかと、11月24日に2時間ほど時間をもらって、今の現場でどういう問題が起こっているのかということについて教えてもらっています。

福岡県は、神奈川とか、埼玉とか、そういったところと一緒に、消費者庁との中で、重層的な相談体制の構築に関するプロジェクトみたいなものが走っているということでして、それも含めて、いろいろお話を聞いてきました。

その中で、まず、相談員を一体どんな人から確保したいと思っているのかというのが、本当は見えないねという指摘がありました。会計年度任用公務員になってしまうと、これではキャリアプランが作れないので、新卒は絶対無理でしょう。そうすると、リタイアした人なのか、それとも、いわゆるM字カーブと言われる女性の再雇用の人たちなのか、その辺りのところが、まず見えないねと。一体、どういう人たちを、消費生活相談員の人材として考えているのかがまず見えない、現場ではそういうふうに考えているということですね。これを考えなくてはいけないのではないかと。

それから、キャリアアップですが、会計年度任用職員の場合、キャリアアップはできないのではないのと、そうしてくると、キャリアシステムができないような職場に、どんな優秀な人が来るのだろうかと。その中で、シニアアドバイザーという形あるいはスーパーバイザーという形で、相談員の職能について階層的なことを考えていらっしゃるようなのですけれども、ただ、それは、地方自治体における相談員からすると、自分たちが所属する基礎自治体のところ以外の自治体の相談員に対して、そういうアドバイスをするという時間を割くといったようなことは、どういう位置付けになるのかということもよく分からないですね。しかも現場に身近にいるならまだしも、そうでないところで、どうやっていくのだろう、幾らデジタル・トランスフォーメーション、DXが進んでいくとしても、なかなか難しいのではないのだろうかといったようなこととか、結局、多段階の相談体制を構築しながら消費生活相談員が対応していくというのは、なかなか現実問題としては難しいのではないかといったような現場の声を聞いていました。今回の資料には、あまり書いていないところで、恐縮ではございましたけれども、そういったような声を聞いてきたものですから、もしもよろしければ、その辺りのところについて御説明いただけると大変有り難いなと思っています。

以上です。

○消費者庁加藤地方協力課長 御指摘どうもありがとうございます。

今、お話しいただきました点、消費生活相談デジタル・トランスフォーメーションアクションプラン2022の具体化の実務作業のことを御紹介いただいたものと思います。

御案内のとおりですけれども、消費者行政においても、急速にデジタル化が進展するという流れにあって、その技術を活用していくことが、消費者の利便性の向上、社会課題の解決にとって大事だと思っておりまして、実際、今、幾つかの自治体の方々とも、そうしたデジタル化の業務への適用ということで、業務体制の整備などと併せて検討を、具体化作業を進めているということでございます。

実際に、そうした検討の中で、御指摘いただきましたような相談員のそもそものなり手のお話ですとか、職階といいますか、スーパーバイザーと御紹介いただきましたけれども、そういった役割を担っていただくような方というのが、どういうふうに位置付けられるのか、そうした検討などもしておりますけれども、実際、実態といたしましては、現状、相談員の方々、多くの方は、40代以上のゾーンの方々となっております。

それと、スーパーバイザーのような方という意味では、現状の制度の中でも、指定相談員という位置付けの方は、都道府県の中で指定が努力義務ということになっておりましたり、自治体におきましては、主任相談員という方を置かれていたり、また、これは、交付金で御支援もしているメニューだったりもしますけれども、そうした方で、実際に市町村の業務を助言したりというような枠組みもでき始めております。

そうした現状の枠組みと合わせて、消費者行政の体系が一層充実したものになっていけばということで、具体的な御相談をしているところでございます。

○黒木委員 結局、会計年度任用職員ということになってしまうと、キャリアアップというところについてのインセンティブが非常に取りにくいではないかという、センターの課長はおっしゃっていて、やはりその辺りのところとかを考えていかないといけない。

だから、結局、どういった形で、各地方自治体、基礎自治体のほうの会計年度任用職員という形でしながら、やる気を持たせるのか、主任とかというような形でもっていったとしても、会計年度任用職員だから、何年か経ったら、また、もう一回採用し直しだねみたいな話になっているということになった場合、人間としてのインセンティブの持ち方は、すごく難しいのではないかと、個人的に思うのですけれども、その辺りは、何か考えていくということは、今後できていかないのでしょうか。

○消費者庁加藤地方協力課長 御指摘ありがとうございます。

全体として、相談員の方々につきまして、能力ですとか、経験、キャリアパスなどに見合った形で処遇ができてくるということは大事なことだと思っております。そうしたことを強化交付金などでも支援はしているところでございますけれども、御指摘のように、会計年度任用職員という枠組みの中で、どこまでできるのかということだと思います。

実際には、地方公共団体における職員の任用につきましては、それぞれ地方公務員法等の中で、そうしたことに基づいて各団体の中で検討されているということだと思いますけれども、引き続き、当方でできます支援につきましては、地方団体への働き掛けなども含めまして、しっかりと改善に向けて取り組んでいきたいと考えております。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

○黒木委員 なかなかこの点は、難しい問題があることは承知しています。しかし、現場で一生懸命やっていらっしゃる相談員の方々ともよく意見交換をしています。その中で感じることは、将来が見えないというところに対する不安、だから結局のところM字カーブで、一回離職した人たちが採用されているという人たちが多いのですけれども、このM字カーブの女性というのは、もう人材市場としてほとんどいなくなっているのではないかなと思っています。優秀なM字カーブの人たちがいなくなってくる中で、どんな人たちが、今後、応募してきているのかということについても、考えていかなくてはならないと思っています。

実際、私自身は、国民生活センターがやっている試験、相談員の試験の面接担当者なのです。その経験からすれば、結構、昔、公民館の館長でしたみたいな人とかが結構受けていらっしゃるのですけれども、なかなかそういう人たちというのは、少し質的に違うかなと思ったりもしていて、今後の確保という問題も、非常に重要な問題だと思っています。人材をどう求めるのかということについても、また今後も一緒に検討させていただければと思っております。

以上です。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ほかにございませんでしょうか。

木村委員、よろしくお願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

私からも、今の相談員の話なのですけれども、先日、地元の東京都の区のところで、暮らし広場のような、消費者展をやったのですけれども、そのときに、東京都なので、地元の大学の学生たちが展示に参加していまして、消費者関係で、成年年齢が、今年引下げになったということで、大変自分事として、すごく取り入れていて、相談業務は、もちろんやっていないのですけれども、でも学生同士で情報交換をしているという、大変望ましい消費者展示をやっておりまして、感じたのですけれども、やはり相談員として、自分もやりたいなと思ったときに、先ほども出ていましたけれども、きちんと生活をしていけるようなものでないと、資格でないと、やはり若者は、相談員として成長していかない、資格を取って相談員としてはなっていかないのであろうと。

例えば、1つの例として考えられるのは、大学の単位として、そういう相談員の資格みたいなのがあればどうなのだろうと思ってみたり、やはり大学の学生を見ていて、若い人たちが、これからどうやって消費者問題を担っていくのかなということをきちんと考えていかないと、この問題は、なかなか解決していかないのではないかと思います。

もちろん、定年後の方ですとか、一回職を離れた方が、様々なことをするということは望ましいことだと思いますけれども、それだけではなくて、やはり、どうやって今後若い人たちを、こういう地方消費者行政に巻き込んでいくのかということをきちんと考えていかないといけないのではないかなと、私は思っております。

それが結局は、高齢者に対する見守りネットワークであったり、いろいろなところに生きていくと思うのです。本当に根本的に、若者の人材活用ということを考えていかないといけないのではないかと思います。

それが、ひいてはデジタル活用にも、若者の柔軟な感性が生きていくと思いますし、今後生きていくと思います。

と申しますのは、やはり現役の相談員から、よく訴えられるのが、自分たちはワーキングプアであると。やはり、この収入で暮らしていけないというのは、大変悲しいと。

と申しますのは、やはり、収入が例えばパートの奥さんの収入であるというのでしたら十分なのかもしれませんけれども、やはり皆様いろいろ事情がございますので、生活していかなくてはいけないときに、十分な収入ではないという訴えは、よく私も聞いております。

あと1点質問なのですけれども、資料3の6ページのところになるのですけれども、下の(2)、自治体職員と消費生活相談の研修参加のところで、都道府県と政令都市は100パーセントなのですけれども、市区町村のほうは62.2パーセントということで、これは、どうしてここだけ少ないのかと、いろいろな原因が考えられると思うのですけれども、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○消費者庁加藤地方協力課長 御質問ありがとうございます。

研修の参加率につきまして、市区町村のところが、県、政令市に比べて低い背景ですけれども、やはりコロナの影響で、オンラインの設備がそれぞれの自治体で、なかなか十分整っていないというようなことも、やや低下に寄与したと伺っております。

○木村委員 ありがとうございます。オンラインで62.2パーセントになったと思われるということですか。

○消費者庁加藤地方協力課長 はい、オンライン設備が十分でないところが、オンライン研修でやっていた部分がありますけれども、そういった研修が受けにくかったという。

○木村委員 ただ、それは平成29年度から見ていましても、やはり74パーセントから60何パーセントになっていく、コロナではないように思うのですけれども、いかがでしょうか。

○消費者庁加藤地方協力課長 はい、今、申し上げましたのは、その10パーセントの低下分という意味で、残りは、恐らく、例えば人のやりくりがつかなかったとか、そういうもう少しベーシックな要因があるのかなと推察をいたします。

○木村委員 ありがとうございます。そこに対しては、特に対策とかは。

○消費者庁加藤地方協力課長 自治体の方には、研修の参加ということで、いろいろな機会を通じて御案内はしておりますけれども、それぞれの御事情もあってということだとは思います。

○木村委員 分かりました。ありがとうございます。

○後藤委員長 生駒委員、よろしくお願いします。

○生駒委員 いろいろと御説明ありがとうございました。

私は一言だけ、この広報資料を拝見しまして、すごく分かりやすくて、素晴らしいと思いました。

まず、たくさん話題に上っています待遇改善は、本当に重要な点だと、いの一番に思っているのですけれども、もう一つ、職業に対するイメージというのもあると思うのです。非常に専門的な知識を必要とする、そして、また思いも、情熱も必要とする重要なお仕事ですけれども、消費生活相談員というネーミングであると、若い方とかだと、ちょっと硬いなみたいな、という印象が否めません。私は雑誌の編集をやってきたものですから、ついネーミングが気になるのですけれども、例えば、消費生活相談コンシェルジュとか、清水さんのような方でしたら、消費生活相談マイスターみたいな、マイスターは職人の制度のネーミングですが、片仮名を使えば良いということではないのですけれども、イメージとして伝わりやすいのではないかと思うのです。このイラストですとか、仕事の内容の解説はすごく分かりやすくて、絵も伴って良いと思うのですね。何か職業として社会の中でのポジショニング、社会に貢献できる名誉職である的な、人の役に立つすばらしいお仕事なのだよということが伝わるような、そういう戦略もあっても良いのかなと思いました。意見までなのですが。

○消費者庁加藤地方協力課長 どうもありがとうございます。

貴重な御指摘だと思います。実際、英語名でコンサルタントと言ったりというようなこともあるようですので、御指摘のようなことが現場でもあるのかなと思っております。

○生駒委員 よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 すみません、時間がないところ一言だけ。もう既に進めていらっしゃることは重々承知しているのですけれども、コロナによって相談員の方が、直接密で集まれない状況というのがあり、やはり相談の現場というのは、いろいろな工夫を迫られたと思います。大変なピンチだったと思うのですけれども、今後、人が足りなくなってくることなど、いろいろな状況が予想される中で、これをチャンスにしてといいますか、相談ですので対面が基本ではあると思うのですけれども、やはり安心してデジタルでも相談を受けられるような状況というのを広げていくということが重要だと思っております。是非、何がデジタルでできて、何ができないのかということを見極めた上で進めていただければと思います。以上です。

○消費者庁加藤地方協力課長 御指摘どうもありがとうございます。

消費生活相談のデジタル・トランスフォーメーションアクションプランということで、デジタル化の取組、順次進めておりまして、御指摘のような密集できないというような問題も現場であるということもございます。そうしたことについても、例えば、強化交付金の中で来所相談の希望がある方に対して別室で、モニターでつないで、非対面型の相談を行うというような端末、そうした設備を支援したりですとか、そうしたこともしております。

また、最近ですと、メールなどによる相談受付手法の多様化といった取組も支援をしていたりということで、御指摘のような点に沿ってデジタル化を順次進めてまいりたいと考えております。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

○大石委員 はい、ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

御説明、御回答をいただき、ありがとうございました。

地方消費者行政において、消費生活相談窓口の維持・質の向上は重要課題の1つであって、本日は消費生活相談員の担い手確保の観点から、御説明及び御議論を頂きました。

委員の方々から幾つか御意見、御指摘等が出ております。消費生活相談員の高齢化ということ、雇止めという状況もある中で、柔軟な勤務体制ということを考えていく必要がある。働き方の多様化を考えていく、そういうことによって、専門的な知識がある人を柔軟に雇っていくということも可能になってくる、そういう御指摘がありました。

それから、予算措置との関係で、予算措置が十分でないというようなことが、具体的にどのような結果に結び付いているのかということについて、EBPMの観点からの分析が重要であるということ。これは、徳島での研究活動とも関係するわけでありますが、そういう知見も含めて考えていく必要があるのではないかという御指摘がありました。

それから、例えば大学の新卒の人が、なかなか将来の展望を描くことができないのではないか。その後のキャリアアップということに関しても、相談員の方がインセンティブを持つような体制にはなっていないのではないか、そういう御指摘もありました。

総じて、きちんとした生活を、単身でもやっていけるような処遇ということが必要である、そういうことが強調されました。

それから、相談員の方の処遇ということも、もちろん一番大事でありますけれども、その職業に対するイメージということ、それもネーミングの問題も含めて大事なのではないか、名誉職というような部分も一定程度あるということも踏まえて、社会の中でのポジショニングという観点からのイメージアップ、そういうこともあり得るのではないかということが御指摘されております。

それから、特にコロナとの関係でありまして、デジタルで相談をしていくという体制ができつつある、コロナの経験ということを、いわば良い契機と捉えて、その体制、デジタルによる相談体制を広げていく、これについては、どのような領域であれば、どのようなやり方であれば、広げることができるのかという問題がありますけれども、そういう観点も重要だという御指摘もなされております。

全体として、やはり共通する課題としまして、処遇の問題というのは、非常に重要な問題であって、なかなか改善されないということを踏まえた上での今後の取組ということに対して期待する、それが不可欠であると、そういう御意見が共通して、委員の方々の問題意識としてあると受け止めました。

消費者庁におかれましては、本日、各委員からの御意見も踏まえた上で、必要な支援策の検討を行っていただき、工程表の改定にも反映していただきたいと思います。

消費者委員会としましても、本日のヒアリング結果を踏まえまして、引き続き取組状況を注視し、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと思います。

消費者庁におかれましては、本日は、お忙しいところ御審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

○消費者庁加藤地方協力課長 ありがとうございました。

○後藤委員長 ありがとうございました。

(消費者庁 退室)


《4.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○友行参事官 次回の本会議の予定でございますが、12月2日金曜日の10時から開催いたします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)