第368回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年3月10日(木)10:00~11:12

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁吉田消費者政策課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 消費者基本計画の検証・評価・監視(消費者基本計画工程表の改定素案について)

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、第368回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて出席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりです。お手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.消費者基本計画の検証・評価・監視(消費者基本計画工程表の改定素案について)》

○後藤委員長 本日は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、消費者基本計画工程表改定素案について御審議いただきます。

当委員会では、消費者基本計画の検証・評価・監視として、関係省庁からヒアリングを行うなど、様々な議題について調査審議を行った上で、昨年12月に「消費者基本計画工程表の改定に向けての意見」を発出いたしました。また、本年1月以降も引き続き、消費者基本計画の検証・評価・監視として、食品表示制度や高齢者等の消費者問題等についてヒアリングを重ねてきました。

消費者庁を始めとする関係省庁では、意見等を踏まえつつ、工程表の検証、評価及び見直し作業を行い、工程表の改定素案が取りまとめられたと伺っております。

本日は、工程表の改定素案について消費者庁から御説明いただき、意見交換を行いたいと思います。

本日は、御説明者として消費者庁消費者政策課吉田課長に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 おはようございます。消費者政策課長の吉田でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、お手元の資料3点につきまして御説明をさせていただきたいと思います。

先週御説明させていただきました資料に一部追記させていただいております。そういった点に触れながら御説明させていただきたいと思います。

主にパワーポイントの資料2点につきまして御説明をさせていただきまして、時間の関係もございますので、A3の対応関係の表につきましては、質疑応答の中で適宜触れさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、パワーポイントの「消費者基本計画工程表の改定に向けて」という資料を御覧ください。

表紙をおめくりいただきまして、1ページ目でございます。

御承知のとおり、消費者基本計画につきましては、1点目にございますように、消費者基本法に基づきまして計画を策定するということになってございます。

2点目でございますが、現行の消費者基本計画は第4期のものとなっておりまして、令和2年3月31日に閣議決定されたものでございます。令和2年度から令和6年度の5か年が計画期間となってございます。

3点目でございますが、昨年、コロナ禍における新しい生活様式の実践に伴いまして、その記述を計画にしっかり盛り込んだほうが良いであろうということがございましたので、令和3年6月15日に計画を変更するといった閣議決定をしてございまして、変更されたものが現行の基本計画となります。

下の工程表のところでございます。工程表は基本計画に盛り込まれた政策を検証可能な形で体系的・包括的に推進するために策定するというものでございます。これは毎年度工程表を改定いたしまして、実績、後ほど御説明させていただきますKPIの最新値の追加、取り組んでいく予定の施策の時点の更新ですとか、また、重点施策に関しましては必要な施策の追加、充実強化等を図っていくということとなってございます。

2ページ目を御覧ください。

現行の消費者基本計画の概要でございます。大きく5章立てとなっておりますが、赤字の項目が計画を変更したときに追記した事項となってございます。

3ページ目を御覧ください。

計画の変更に伴いまして、工程表も構成を昨年見直して組み直してございます。具体的には、今の工程表というのはこの5つの柱立て、ⅠからⅤのところになってございますが、真ん中の「Ⅲ『新しい生活様式』の実践その他多様な課題への機動的・集中的な対応」というところで、コロナ禍の中で変わった消費者問題への対応等、あるいはデジタル社会での消費者利益の擁護・増進の両立といった項目を立てまして、具体的な施策を工程表に盛り込んでいるという仕立てになってございます。

4ページ目でございます。

今後の工程表の改定スケジュールでございます。昨日、素案につきましてパブリックコメントを開始させていただきました。昨日3月9日から4月7日までがパブリックコメント期間となってございます。工程表の素案そのものは174の施策を全部見直したかなり分厚いものとなっておりますが、4月7日までパブリックコメントに付させていただいているということでございます。

本日、御説明させていただいているこの場がパブリックコメントの下に記載しております本会議ということになりまして、いただいた御意見、また、パブリックコメントでいただいた御意見を踏まえまして、改定案の作成を今後進めるということになります。

改定案が作成されましたら、5月、6月頃を想定してございますが、再び委員会の場で御説明をさせていただき、御意見をいただく、その後、消費者政策会議での決定を経まして工程表が決まるということでございます。そういう意味では、今年の6月ぐらいをめどに工程表を策定するというスケジュールを想定してございます。

5ページ目でございます。

工程表は当然直近の消費者行政の重要課題を反映して施策の充実等を図っていくということになっておりますが、上の3つの円の1つ目、緊急時対応、コロナ禍における新しい生活様式への対応といったことが代表的なことになりますが、孤独・孤立化する消費者への対応、あるいはコロナ関連等の悪質商法への対策といったものが盛り込まれております。

また、2つ目として、デジタル化の進展に伴いまして、消費生活相談のデジタル化の取組、あるいは取引のデジタルそのものへの対応、こちらは取引DPF法やアフィリエイト等のデジタル広告に関する施策、あるいは食品表示のデジタル活用といった取組も盛り込まれておりますし、国際化への対応ということも入ってくるところでございます。

3つ目といたしまして、SDGs関連、食ロス削減等のエシカル消費や消費者志向経営、あるいは公益通報者保護法の改正に関わる施策といったものが盛り込まれてございます。

こういった3つの円を支える横断的な施策といたしまして、下のところでございますが、地方消費者行政の推進、あるいは成年年齢引下げに向けました取組も含めた消費者教育の実践といったものを併せて盛り込んでいるところでございます。

施策といたしましては、自主ルールによるものもあれば、民事ルール、更には行政規制といった形態があるところでございますが、それぞれ必要な施策のところに記載させていただいているということでございます。

1点目の資料につきましては以上でございます。

次に、「KPIの見直しについて」という資料を御覧ください。

今回の工程表の策定に当たりましては、昨年12月にこの工程表の改定に向けての御意見という中で、EBPMの推進、更にはKPIの見直しを行うということでいただきました御意見につきまして、それを反映すべく検討を進めてきたところでございます。

ポイントを御説明させていただきたいと思います。

1ページ目でございます。

昨年12月に委員会からいただきました御意見の中で、2段落目、工程表の改定に当たっては、委員会の意見を踏まえて以下の4つの基準を念頭にKPIの見直しを行うことということで、具体的に4点御指摘をいただいたところでございます。

そのときに、見直しに当たっての視点ということかと思いますが、大きく3点いただいたと思っております。

赤字のところでございますが、まず1点目といたしまして、事前分析、事後検証を適切に行えるよう、施策概要に記載された取組を内容に応じて区分、類型化した上で、それぞれに対応した複数かつ定量的な指標を設定すること。

2点目といたしまして、アウトプット指標だけではなく、認知度や理解度等のアウトカム指標の設定を積極的に行い、かつ、具体的な目標を定めること。

3点目といたしまして、類型化の話と関連してくるかと思いますが、同種の取組については、比較、検証・評価可能となるよう、できる限り同様の指標を定めることといった点につきまして御意見をいただいたと認識してございます。

2ページ目を御覧ください。

当方のKPI設定の考え方でございますが、工程表の前文に、KPIにつきましては施策の進捗状況を測定・把握・評価するためのものということがまず大前提として位置付けられております。

そういった前提の下、それまでにいただいた御意見等も踏まえまして、昨年11月、関係省庁から構成される会議でございます消費者政策担当課長会議においてKPIの見直しを含めた検討を各府省庁に依頼させていただきました。

そのときのポイントでございますが、この囲みのところでございますが、施策の進捗状況を測定・把握・評価するため、指標と目標をセットで可能な限り設定してください、そのときにアウトプットとアウトカム指標の両方を設定してください。更に、それは基本的に定量的なものになるよう、数値で設定していただきたいということをお願いしております。

また、その際に、施策の種類に応じまして指標を検討していただきたいということで、下の4つのグループといいますか分類を示しているところでございます。

3ページ目でございます。

昨日パブコメにさせていただきました工程表素案の施策数は174に上るものとなってございます。そのうち、関係省庁を含めてKPIを見直しました施策数は59に上っているということでございます。このうち、指標を何らかの形で見直した施策が22、目標を見直した施策数が49となってございます。

4ページ目を御覧ください。

こちらは、今回、具体的な施策のグループごとのアウトプット指標、アウトカム指標のグループごとに共通化できる部分について、代表的な指標を可能な限り定めましたので、それを記載させていただいております。

先週の会議で、星野委員から、複数の指標、関連データを含めまして、そういった指標を多層的に捉えていく必要がある。特にポイントポイントでは多層的に捉えていく必要がある。その上で時系列で推移を見ていくということが重要ではないかという御指摘をいただきました。また、それにより、施策の効果の確認や、足りない部分あるいは更に強化しなくてはいけない部分につきましては、更なる施策の展開を検討していく。そういったロジックモデルといいますか、プロセスというものを考えていくべきではないかという御指摘をいただいたと認識しておりまして、この部分につきまして追記をさせていただいているところでございます。

では、下の施策のグループごとの指標でございますが、まず、制度の普及あるいは各種周知啓発・情報発信に係る施策につきまして、アウトプット指標といたしましては、これまでも広報資料の作成部数や説明会の回数、情報発信の回数といったものは多く入れてございましたが、今回、アウトカム指標といたしまして、御指摘を踏まえまして、対象者の認知度・理解度、例えばエシカル消費の認知度や暗号資産に関するルールの認知度といったところを具体的には入れてございます。

また、誘導する取組の実施率ということで、例えば家庭のエコ診断実施世帯数といったものも捉えてまいりたいと考えてございます。

関連する消費生活相談件数につきましては、横断的な指標となっているところでございます。後ほど御説明させていただきます。

2つ目の行政処分、執行、各種対応のグループでございますが、アウトプット指標といたしましては、これまでも行政処分の実施件数、例えば特商法の行政処分件数等を入れていたところでございます。アウトカム指標といたしましては、関連する消費者被害の発生状況、具体的には、例えば架空料金の請求詐欺認知状況といった案件やヤミ金の取締り状況といったところにつきましては、消費者被害の発生状況というものも捉えてまいりたいと考えております。

3つ目のグループの制度の適正運用のところでございますが、説明会の件数や地方消費者行政の職員の方々で相談員の方々向けの研修の実施回数といったものをいろいろアウトプット指標として掲げてございましたが、今回、アウトカム指標といたしまして、制度の認知度・理解度、例えば取引DPF法といったものの認知度、あるいは食品表示制度に関する理解度、これは先般、受田委員から御指摘いただいていたところでもございますが、入れさせていただいております。

最後のグループが体制の整備強化等のところでございます。アウトプット指標といたしましては、例えば消費者安全確保協議会の設置数などが一つの例となるかと思います。

全てのグループに共通するアウトカム指標の一つといたしまして、消費生活相談件数の推移というものを今回の工程表の中では盛り込んでございますので、5ページ以降、簡単にポイントを御説明させていただきたいと思います。

1点目でございますが、これまでも御指摘をいただいておりますとおり、消費生活相談は継続的なデータベースに収められております非常に貴重なデータであると考えてございます。先週のヒアリングでも、多くの委員からこの部分をいかにしっかり分析していくのか、定量的な分析のみならず事案を個々に見ていく取組も必要ではないかという御指摘をいただいたかと思いますが、いずれにいたしましても非常に重要なデータベースであると認識しております。

2点目でございます。現状、相談件数の推移を注視していくことで、消費者をめぐる環境あるいは状況の変化を確認できる非常に重要な指標であると考えておりまして、今回も工程表の中で重要性が高い施策につきまして可能な限り指標として設定させていただいているというところがございます。

ただ一方で、悩みもいろいろございまして、この増減をどう評価していくのかということにつきましては、今後、施策を進めていく中で、また、それを分析する中で考えていく必要があると思っております。やはり関係する市場、マーケットの成長の規模、スピードといったことも考える必要があろうかと思いますし、そういうことを踏まえますと、一律的に増えたから悪い、減ったから良いということでもないかと思っておりまして、画一的・一律的に取り扱うということにつきましては、慎重に見ていくということも必要ではないかと思っております。

下のところ、具体例ですが、左下の定期購入に係る消費生活相談が急増しているという事実につきましては、今般、特商法改正によりまして、こういった詐欺的な定期購入の商法に対する対策を強化してまいりますので、相談件数を見ることによって施策がワークしているのかどうかということを捉えることは可能なのではないかと思っております。

一方で、インターネット通販や国内のデジタル取引の市場規模というのは、コロナの影響もありまして加速的に右肩上がりで増加しているということがございますので、一律にデジタル関係の消費生活相談が増えているというのは、いろいろな方が188、センターに気軽に相談していただけるという環境整備も併せて目指していることを考えますと、増えているということが必ずしも悪い、あるいは減っている、減ることを目指すべきだということは現実的ではないかと思っております。

今回、工程表にこの消費生活相談件数の関係で入れました例を幾つか御紹介させていただいております。

6ページを御覧ください。

1つ目が多重債務問題改善プログラムの実施の項目でございまして、これまではアウトカム指標、右側でございますが、貸金業者から5件以上の無担保無保証借入れの残高がある人数というもののみが指標となっておりましたが、今回はそれに加えまして、多重債務に関する消費生活相談件数を追記しております。目標といたしましては、当該指標を注視しつつ適切に対応していくということになってございますが、この指標を併せて見ることによりまして、消費者をめぐる状況に大きな変化が生じていないかを確認してまいりたいと考えてございます。

現在のところ、下のグラフにございますように、その人数というのが減って横ばいで続いているということで大きな変化は見られない。また、消費生活相談の件数自体も減少傾向にあるということで、貸金業法の改正やその後の注意喚起等も含めまして、施策はワークしているのではないかと分析できるかと思っております。

7ページを御覧ください。

これは昨今、いろいろと被害が増えているのではないかという暗号資産の関係でございます。これまで指標といたしましては、アウトプット指標の表の真ん中のところです。国民生活センターにおける相談員の方々向けに6回程度研修を行うということだけが指標となっておりましたが、今回はアウトカム指標といたしまして、右側にございますとおり、暗号資産交換業者に関するルールの認知度、登録している事業者でないと使ってはいけないというルールの認知度や、暗号資産に関する消費生活相談の件数というものを指標に入れさせていただいております。

こういった指標を多層的に並べて施策の効果というものを検証しながら、消費者をめぐる今の状況をチェックしていくということになろうかと思います。ただ、そのときに、右下にございますとおり、暗号資産の取引金額は基本的には右肩上がりということでございますので、そういったマーケットの状況も見ていく必要があろうかと思っております。

最後の例、特商法関係でございます。特商法につきましては、これまでもアウトプット指標のところで行政処分件数を掲げておりましたが、先般、法改正をしたということもございますので、送り付け・定期購入に関する消費生活相談件数もアウトカム指標として入れさせていただいています。

この件につきましても、相談件数がどのように推移していくのかという指標等を見ながら法改正の効果、あるいは行政処分、行政執行の効果というものを検証できるのではないかと思っておりますが、ただ、右下にございますように、市場自体は非常に伸びておりますので、あらゆるサービスがどんどんネットワーク上でなされていくということになってございますので、そういったことも念頭に置く必要があろうかと思っております。

最後、9ページでございます。まとめのところでございますが、関連するいろいろな指標、データを総合的、多層的に見ながら、また、その推移を見ながら、施策がしっかりワークしているのかというところを今後定期的にチェックしていくということかと思っております。

併せて、来年全ての成果が出るとかといったものではないということは御理解をいただいた上で、是非しっかり進めてまいりたいと思っております。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度でお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。

御説明ありがとうございました。

今までの消費者委員会での指摘や意見を反映していただいて、工程表が書き直されている点は確認しました。

今後はこれをいかに実行化、スピード感を持ってやっていくのかなと思います。私が一番気になっているのが、今、成年年齢引下げもありますし、高齢者がスマホデビューということで、キャッシュレス決済、特に少額決済について多様な方たちが利用していることです。

その中で、知らない中でトラブルになっていて、少額だからといって何回も使うと当然高額になるわけで、その部分が心配です。特に悪質業者は法律の隙間、規制がないところに鋭く突っ込んできまして、やり得、必ず取るということを確実にやってきているというのが、今の相談を受けていると実感しています。助けられないというところがあります。

工程表の中には、消費者庁は今後消費者に周知するとありますので、是非少額決済の使い方や注意事項、全て借金であるというような周知をしていただきたいと思います。また、経済産業省には、特に前払い式支払い手段に関する規制、規律の徹底ですよね。野放し状態になっていますので、出会い系サイト、情報商材を売ろうと、人の弱みにつけ込んだ悪質業者がばっこしています。こういう支払いがなければ被害はこんなに広がらなかったはずです。ここを徹底いただくようにお願いします。

最後に、消費者契約法です。気になるのが、国会の附帯決議を軽視していると思っていますので、工程表の中には検討会の報告書が出たということなのですが、この報告書は何だったのか。事業者もたくさんいますので、実態は難しいと思います。ただ、良い事業者、きちんとやっているところにはきっとマイナスにならない法律だと思います。

意見として述べさせていただきました。以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 御意見ありがとうございます。

スピーディーに進めていくという御指摘をいただきました。施策の推進につきましてはそのとおりだと思います。他方、効果が現れてくるというところは少し時間のかかる部分もあるかと思います。施策がしっかり浸透して、消費者の方々が幅広い知識を持たれて、注意されるようになっていくというのは、いろいろな相談なども通じまして実現していく部分もあろうかと思いますし、行政執行・処分をしっかりするということによりまして悪質事業者を抑えていき、その効果が全体に波及していくということも考えますと、効果のところは少し時間がかかる部分もあろうかと思いますが、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

今回、キャッシュレス決済につきましては、従前より清水委員から貴重な御指摘をいろいろいただいているところでございまして、既に工程表を見て御確認いただいたのかなと思いますけれども、我々の取組や経産省の取組のほか、KPIにつきましても、キャッシュレス決済を用いた取引においてトラブルになった割合という定量的な数値も入れさせていただいておりますので、そういったところも見ながら取り組んでまいりたいと思います。

消費者契約法のほうはまた担当課からもお話があるかと思います。

○清水委員 ありがとうございました。

まさしく15年ぐらい前、貸金業法が平成22年に改正された。やはり法律が改正されたことこそ、社会を変えた、人を助けたという成功事例だと思います。現場で見てきました。ということは、やはり特定商取引法、消費者契約法といったものを充実していくことが、今の本当の悪質業者を廃絶する一歩だと思います。よろしくお願いします。

○後藤委員長 受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。

吉田課長、御説明ありがとうございました。

私からは内容的には2点申し上げたいと思います。

まず1点は、先ほども触れていただいたとおり、食品表示制度の適正な運用等に関してでございます。例えば参考資料1のⅠ-129というところに、食品表示制度の理解度に対してのKPIが掲げられていて、その達成に向けて御尽力をいただいているという内容がございます。これは先ほども取り上げていただいたとおり、そうであるにもかかわらず、なかなか理解度の達成が進んでいない部分をどういうふうに捉えていくかというのが、我々消費者としても、あるいは事業者としても共に取り組んでいかないといけない課題だと認識をしております。これによって、遅々として進んでいないというだけでなく、それをどう突破するか、国民世論を巻き起こしていくように課題に対する見える化を是非お願いしたいと思います。これが一点です。

それから、2点目については、食品のトレーサビリティについてコメントをさせていただきたいと思います。昨今、アサリの産地偽装であったり、それに引き続いて、ワカメの産地偽装も世間で話題になっているところでございます。アサリとワカメというのは水産物というカテゴリーに入ると思うのですけれども、こういう産地偽装を具体的にどう根絶していくかということについては、言うまでもなく、食品のトレーサビリティをどう確立するかというところにつながっていくものと考えております。

現状、食品のトレーサビリティに関しては、米と肉については法律で定められておりますけれども、その先をどうするかが国民世論の関心かと思います。その点から見たときに、今後の食品のトレーサビリティをどうシステム化するかという踏み込みの部分が力強さに欠けるという思いがしております。

現時点では、飲食料品のトレーサビリティの推進については取り上げていただいておりますけれども、もっと踏み込んで、食品のトレーサビリティを全て完備していくという方向性が見えてこなければならないのではないかと感じております。具体的に、水産物のトレーサビリティに関しては、Ⅱ-27のところに水産のエコラベルの記述がございます。MSCやMELといったものが既に制度化はされておりますけれども、この水産のエコラベルがトレーサビリティの確立であるということが消費者の方には十分伝わっておりません。ですから、産地偽装の問題等をこの水産エコラベルとうまく関連付けていくことによって、現在の社会問題の解決も実現できるのではないかと思う次第です。

そういう意味で、この辺り、先ほど清水委員がおっしゃいましたけれども、工程表の改定が社会をどう変えていくかという視点でナラティブに論じていく必要があるのではないかと思います。物語風にストーリー化していくということです。そういう面で、この辺り、水産エコラベルをリーディングのトピックスとして扱っていくこともできるのではないかと。私自身は、関係者ではいろいろと議論はしているのですけれども、当事者としても取り組んでいかないといけないのではないかと思っております。

申し上げたいことは、工程表の改定は、施策がきちんとワークしているかどうかを確認する。課長がおっしゃったとおり、それで結構でございますけれども、小さく個別に入っていけば、全体が見えなくなっていく可能性も懸念としてあるということ。まさにこの産地偽装の問題というのはもう少し大局的に取り扱っていくことが必要ではないかと思う次第です。

大きなコメントをしているところは重々承知しておりますけれども、府省庁が実質的に連携をしていただくことによって、こういう観点が取り上げられていくのではないかと大いに期待をしてコメントを終わらせていただきます。

以上です。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

偽装問題のほうにつきましては、現在、調査が進められているという段階でございます。今後、その調査結果も踏まえまして、必要な施策については検討が進んでいくということになろうかと思いますので、この場ではそれ以上はなかなか申し上げられないというところでございますが、食品表示全般につきましては、消費者にとってそれが分かりやすく表示され、活用されるということの重要性はおっしゃるとおりだと思っておりまして、これまでも個別論点につきまして、消費者委員会のほうから様々な御提言等を個別にいただいているということで理解をしております。

そういった御提言を踏まえまして、例えば一括表示に関する調査ですとか、まさにこれは長い目で見ますとトレーサビリティにつながっていく、委員がおっしゃった見える化という観点からは、今、デジタルツールを活用した食品表示の実証といったものも進めておりまして、こういった施策をしっかりと進めていくということが安全な食環境の確保にもつながっていくのだと理解をしております。そういった意味では、実証の件や水産エコラベルの件も、もう御確認いただいているのと思いますけれども、工程表の中に盛り込ませていただいているという認識でございます。

他方、工程表の現状の姿は果たして国民にとって分かりやすいものになっているのかという問題意識もあろうかと思います。174施策というかなり膨大な施策を盛り込んでいるものとなってございまして、委員がおっしゃる点はもしかしたらメリハリというところにもつながっていくのかもしれないと思っておりますが、今の工程表の枠組みの中ではそれぞれの施策が一施策という形になっておりますので、ストーリー性を持って伝えていくという部分につきましては個々の施策の実践という形にどうしても現状はまだならざるを得ないのかなと。工程表は全ての施策をまとめたものということになっておりますが、ただ、そういった意識、認識を持って、工程表にもしっかり流し込んでいくということが必要であるということは御指摘のとおりかと思います。

こちらも漠然としたコメントになってしまっている部分はございますが、趣旨については重々理解をしてございます。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

SDGsの12番が肝だろうと思っております。そこに流し込んでいただきたいという趣旨でございます。ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

まず、基本工程ですけれども、緊急時対応ということで盛り込んでいただいております。新型コロナ感染が思いがけなく起こって、私たちの生活もいろいろと見直さなくてはいけないというところは本当に大きいのですが、ただ、昨今、災害等もありますし、いつ何が起こるか分からないというところで、今回入れていただいたことを踏まえた上で、日頃からこれを検討するという方向で今後も計画を立てていく必要があるのではないかと思っている次第です。

2点目としまして、成年年齢引下げはもちろん重要で、これはいろいろ対策を行っているところですし、これからもしていかなくてはいけないと思うのですけれども、これに関連して、今般、こども家庭庁が創設されるということで、子供への施策ということを取り上げていく必要があるのではないかと思っているところです。と申しますのは、デジタル化というところで、以前でしたら子供は消費者としてそれほど悩むことはなかったのが、デジタル化の進展に伴いまして、やはりツールを使うことが大きいと思うのですけれども、SNSなどの誹謗中傷だけではなくて、少額決済などいろいろな問題で消費者としてトラブルに巻き込まれる可能性がますます増えていくということがあると思います。被害は恐らく少額であって、泣き寝入りしてしまったり、わざわざ消費生活センターに相談するまでもないと思ってしまうこともあるし、また、子供というのは自分の困りごとを隠してしまうことも多いので、とても懸念している点であります。それに加えて、子供自身だけではなく、その保護者、教師など、周りの大人への消費者教育というのは重要ではないかと思っている次第です。

先ほど清水委員からキャッシュレス決済の話が出ましたけれども、大人だけではなくて子供たちも前払い決済、コンビニなどで買えるカードがありますが、ああいうものをこれからどんどん使っていくことが増えるのではないかと思うので、トラブルの未然防止という観点で是非施策がされないといけないと思っている次第です。

次に、受田委員からトレーサビリティの話がございましたけれども、私も、表示のトレーサビリティというのは食品だけではなくてあらゆる分野にとって大事だと思っています。特に消費者は表示を見て商品を買うことが多いですし、今、通信販売やネット通販などで実物を確認せずに買うことが多いので、やはり表示は信用できるものであるべきだと考えております。エシカル消費のときに、やはり表示がきちんとされていることがエシカルにつながる、SDGsにつながるということがありますので、ここは是非消費者と事業者どちらにも有益であるという観点で、ここが大事だと思うのですけれども、表示がきちんと伝わるもの、分かりやすくなるということが大事だと思います。これは表示内容が簡単だという意味ではないです。消費者にきちんと伝わるということが重要だと思っています。

3点目なのですけれども、KPIの見直しについては本当によく見直していただいていると思っています。やはり評価がより具体的に分かりやすくなるということで、数値で出せるもの、出せないものがあると思いますけれども、是非いろいろな観点から今後も検証していただいて、適宜修正を行って、より分かりやすく評価がきちんと出るようなものということで、見直しを続けていただきたいと思います。

以上です。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

まず、緊急時対応です。昨年、計画と工程表の見直しをさせていただきまして、引き続きこのコロナ禍という状況が半ば定着している、デジタル取引が増え続けている、そういった状況はまさに緊急時を端緒として今や定着しているという部分もあろうかと思いますので、そういったものへの対応や悪質商法の取締り、先般もウイルスに効きますよといった商品について表示が適切でないものが様々あるということを発表させていただいたところでございますけれども、そういった取組をしっかり根付かせていくということになろうかと思っております。

2点目、子供への施策ということでございます。コロナ禍も一つの影響かと思いますけれども、例えばゲーム課金の問題というのは、まさに相談の現場にいらっしゃる方々のほうが我々よりもよりひしひしと感じていらっしゃるのではないかと思うのですけれども、数値だけ見ましても相談件数は上がっているということがございます。いろいろなゲームの種類も良い意味、進化したサービスが出現しているところです。例えば投げ銭などもその一つで、ライブ関係者間によって関係者間でいろいろなコミュニケーションを取りやすくなっているとか、いろいろなコミュニティが形成されているとか、リアルのライブができなくなった方がオンラインでやることによって、また新しい形で自分を表現されるとか、それがビジネスにつながる。いろいろなメリットも当然あると思っておりますけれども、それに伴うデメリットや被害というのが発生しているということであれば、しっかり対処していく必要があるのだろうと思っております。

ただ、そのときに、子供の利用ということになりますと、今、木村委員からも御指摘があったとおり、保護者の方々に対してしっかり伝えていくということが必要になろうかと思いますので、今回も、オンラインゲームのところだったかと思いますけれども、KPIの中にペアレンタルコントロールの認知度ということも入れておりますが、やはり親御さんにいかに伝えていくのかということが非常に大事だと思っております。成年年齢引下げについてもそうなのですけれども、もちろん大学生協等を通じて対象となる大学生に直接伝えていくというのはありますが、いろいろなメディアを通じて多層的にやっていくという一つの観点として、やはり保護者の方々にも伝えていくということが当然あろうかと思っておりますので、そういったところは引き続きしっかりやってまいるということかと思っております。

あと、トレーサビリティのところにつきましては、先ほど申し上げたような認識は持っているというところでございますので、工程表の各種施策がしっかり進んでいくということをチェックしてまいりたいと思います。また、KPIについての御指摘もありがとうございます。可能な限りより良いKPI、今回は出発点だと思いますけれども、適宜また見直して、策定したKPIが適切であったのかどうか、より適切なKPIがあるのかどうか。これはまた毎年度のチェックの中でしっかり検証していくということになろうかと思います。ありがとうございます。

○木村委員 ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 大変充実した御説明をありがとうございます。

昨日パブリックコメントが始まって、6日までということで、微妙に1か月ないというのが。

○消費者庁吉田消費者政策課長 7日です。30日を取らせていただいています。

○黒木委員 良いのだけれども、この1か月の間にまた全部見直してということで大騒ぎになっておりますということだけは御報告で、何とかちゃんと出しますが、その中で、先ほど清水委員、木村委員からも御指摘があったところについて、これは意見ですけれども、デジタル化の問題というのがキャッシュレスと絡んでいて、資料2の6ページでまさに多重債務の問題が非常に減っている、5社以内の事例が減ってきているということがあって、これは私もまさにこの減っていっている、あるいは増えているときにやっていたのですけれども、クレジットカードというのが一番最初の導入になるのです。キャッシングとショッピングが同じカードでできるというのが多重債務の道を開いていたということがありました。

現在、FinTechが進んでいて、例えばPayPayだったら、後払いのPayPayというものがサービスとしてあって、これはある種資金決済と資金移動と金というのが同じスマホの中で、恐らく利用者はあまり気が付かないままに進んでいっているのだろうと思うのです。こういうふうにFinTechを使って様々なサービスがまた出てくることによって、一つの事業のサービスだと思っているのが実は業法とかでは全然違っているというようなことが今後非常に大きな問題として出てくるだろうと思っています。

そういう意味で、特にデジタル化が進んでいくと、事業者にしてみたら、結局、リアルなお金を後で振り込んでくださいと多分なかなか言わないわけでして、全てキャッシュレスの中になるわけなので、デジタル化における消費者被害の最後の肝はデジタル決済だと思っています。金融審議会でもたしかステーブルコインについて今回法案が出るということにもなっていると思うので、いずれにしろ、そういった観点をもう少し今後深掘りしていったほうが良いなと思っています。これは恐らく工程表についてⅢ-32のところで御指摘いただいておりますけれども、その辺りも今後深掘りしていったほうが良いのではないかなと。つまり、結局、デジタル化の最後の出口はキャッシュレスになると思いますので、その辺りのところと連携させた形でまたこれは考えていったほうが良いなと思っております。

これは意見です。ただ、大変充実しておりますので、1か月でこれを見て意見を述べるというのは、結構ヘビーだなといつも思ったのです。しかも、毎年毎年増えていくので。

どうもありがとうございます。以上です。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。また御意見をいただきましたらしっかり検討させていただきたいと思っております。

○後藤委員長 それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 工程表の細かい改定に向けての御説明ありがとうございました。

私からは、直近の消費者行政の課題に関連して1つ質問なのですけれども、表の中では緊急時対応というのがデジタルとSDGsとあります。緊急時対応に関しては本当に刻一刻状況が変わってきますので、今も既になさっていますが、LINEなどのSNSなどで、消費者の方にどんどん新しい情報を届けていただくということが重要かなと思っております。

また、デジタルに関しましては委員の皆様からもお話がありましたが、成年年齢引下げに伴う、18歳から20歳の方々はデジタル世代ですので、いろいろな動きがあります。あと、スマホに慣れない高齢者の問題もあると聞いておりますので、そういったことへの対応が必要かなと思いました。

また、SDGsに関しましては、ウォッシュというのがあるのですけれども、言葉でサステナブル、オーガニックとうたってしまうと簡単に信じてしまう。何の根拠もなくそういうものを宣伝文句として使うような状況というのも出てきていまして、消費者のほうとして何を基準に見極めれば良いのかというのが今、揺らいでいるような状況かなと思います。新しく出てくるものはほとんどそういう言葉が使われている印象がありまして、また、そういったものが定期購入などにどんどんこうつながっていくようなことが見られますので、その辺りの見極めというのも必要かなと。

こういう状況の中で1つ質問なのですけれども、被害を未然に防ぐということがやはりすごく重要なのではないかなと思っていまして、成年年齢引下げに伴う若い方々が新しい、魅力的な購入に際して、これは本当に大丈夫なのだろうか、良いのだろうかというように、契約する前あるいは購入する前に相談をするといったことが相談センターにおいて可能なのかどうか。あるいは、手続を取る前に相談する窓口があるのだよみたいなことを一般の方にも周知していただくということがこの相談センターでもできますよみたいなことをうたっていって良いのかどうか。そういう未然に防ぐという意味合いです。すぐボタンを押さずに一歩引いて、問い合わせて聞いてみることもできますよといった、消費者への歯止めになるような窓口が可能なのかどうか。そこをお伺いしたいと思いました。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

委員の御指摘のとおり、まさにそういうことも可能であるということでございまして、一つの例で、今、成年年齢引下げに向けて様々な形でキャンペーンをやっております。政府横断で、『東京リベンジャーズ』というすごく人気のあるアニメのキャラクターとタイアップしてSNSで発信していくですとか、各府省庁がそれぞれでSNSを使って発信していくですとか、そういったときに、必ず困ったとかあるいは気になることというのがあれば、まだ契約していなくても、消費生活相談188に気軽に連絡してくださいという呼び掛けをしております。

ただ一方で、若い方というのは今、電話をしない。そういう行動様式を持っていないということで、これも一部消費者庁でもSNSでの相談受付の実証というのも始めておりますし、また、地方自治体のほうでもメールで相談を受けたり、そういうことを可能にしている窓口もございまして、そういったいろいろな手法を組み合わせていく必要があるかと思っております。とにかく我々としても、委員の御指摘のとおり、早めに相談してください、ちょっとおかしいなと思ったら、その段階でできれば相談していただき被害が発生しないようにしたいというところが一番望ましい形かと思っております。

○生駒委員 分かりました。

そうすると、事前相談も188で受け付けていただけるということの周知というか、とりわけ若い方々ですとか、スマホに慣れていない、SNSに慣れていない高齢者の方はお電話かもしれませんけれども、SNSでのメール相談がすごく有効だと思います。一番デジタル世代には訴えかけると思いますので、是非そこは骨太にアピールし続けていっていただくと良いかなと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。そういったメッセージが伝わりやすいように話してまいりたいと思います。

○生駒委員 何より未然防止というのを我々は考えなくてはいけないかなと。何かが起こってからの対策も大変重要ですが、未然防止していくことをとにかく考えるべきではないかと思っています。ありがとうございます。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 大変分かりやすい御説明をありがとうございます。また、先日の私の意見もお考えいただき、ありがとうございます。

KPIなのですが、本日の御説明で新しい伸びていくような市場などでは消費生活相談が増えていくということに対して、様々な施策をしても利用がトレンドとして増えるので、施策の効果が見えづらいというのも本当におっしゃるとおりだと思いますが、やはりお考えいただきたいのは、電子商取引などは、例えば金額だけではなくて、年代や地域別などの利用者みたいなものの外部の統計などもかなりありまして、そういったものを見ていくと、相談件数がどう伸びていったのか、利用者のトレンドに比べてどう乖離したのかというものまで見えるようになると思いますので、そういったものを利用すれば、例えばアウトプットとして行政処分があったと。それで悪質業者の活動が抑えられて、例えば高齢者における、消費者相談がラグを持ってちょっとずつ減っていたというのが一番良いストーリーですけれども、もし減少しないのだとしたら、それは業者への認知が足りなかったとか、あまり処分の実効性がなかったということが分かるわけだと思います。

こんなふうに、単一の情報元やデータだけではなくて、複数の情報元、政府統計もあるかもしれませんし、場合によっては民間データを利用されることで本当の政策効果を見るということが海外、先進国でかなり行われておりまして、我が国はそれが遅れながらだんだん進んでいるということだと思います。

また、生駒委員がおっしゃったこととも関連しますけれども、最近アジャイル施策形成とありますけれども、新しい消費などもそうだと思いますが、企業がリアルタイムにデータを収集していますので、何に人がどれだけお金をかけたか、投資したかみたいなことで結構分かるようになっておりますので、そんな情報を使ってアジリティに政策を変更していく。コロナ禍でいろいろなことがありましたので、政府でもそういったことはかなり真剣に検討されておりますので、消費者保護政策におきましても、今後、どんな消費者被害が生じ得るのか、どこにお金が集まっているからどこの悪徳業者がそこの蜜を吸い出そうとしているのかということを先読みしていくとか、予防的に消費者保護政策を考えていく。少なくとも重点をどこに置くかということを考えていくみたいなことは、またそういったデータを使って考えることができると思いますので、内閣官房やデジタル庁、経産省などはかなり職員への研修をしたり、同時にどんなデータがあるのかというのを集め出したりということを今しておりまして、是非消費者保護政策に関しまして、消費者問題を本当に解決する施策を行うためにはこういうものが必要だという認識の下に、是非現代的なこのEBPMも進めていただければと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

先般、時系列で見るということとポイントポイントで多層的に見るという御指摘をいただきまして、我々の中でもある意味骨格というのでしょうか、まさに見える化したといいますか、非常にクリアになった部分がございまして、今回もペーパーのほうにも反映させていただいたのですが、御指摘のとおり、我々国が持っているデータはもちろんのこと、外部のいろいろな民間におけるデータといったものも使いながら、データを活用していくことによってより深い分析ができるようになる。先般も御指摘いただいたかと思うのですけれども、全部それをしっかりやっていくというのはなかなか限界もありますので、この工程表の中で盛り込まれている施策のせめて幾つかについて、そういったモデルを創っていければと思ってございます。

あと、アジャイルというのは、今、デジタル庁を始め、そういう形で政策を立案していくということが行政においてもトレンドになってきている部分がございまして、これもデータを把握して活用していくというところがベースになろうかと思いますので、当庁においてもそういった方向、施策というのはデジタル化への対応という中で自らにおけるデジタル活用ということも取り組んでいく必要があるかと思っております。

頑張ってまいりますので、また引き続き御指導いただければと思います。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

これまで御発言された委員の皆様と重なる部分もありますけれども、私のほうからは、それ以外のところで2点だけ発言させていただきます。

まず、改定表の直近の消費者行政の課題のところです。皆様、緊急時対応のことをおっしゃっておられまして、この工程表の作成には間に合わなかったのですが、やはり今、一番気になっているのはウクライナ情勢です。この影響で、今後食料やエネルギーなど物価がどんなふうに上がっていくかというようなところが一番気になっております。加えて、寄附金詐欺のようなこともまた起きるのではないかなということもありますので、この工程表の中には入っていませんけれども、パブリックコメントあたりでもその辺りの心配の声が出されると思いますので、是非消費者庁のほうでもしっかり注視していただければ有り難いなと思います。

もう一点、SDGsにつながるところで受田委員や木村委員、皆様おっしゃいましたけれども、表示というのは、真面目に頑張っている事業者がその内容をきちんと表示し、それを見て消費者が正しく選ぶことによって、社会全体が持続可能性のある良い方向に行くための一助になるものだと思っております。アウトカムについても、いろいろと提案いただいておりますが、その実現のためには、その商品の裏側にあるいろいろな物語といいますか、生産から消費・廃棄リサイクルまでの流れが表示に現れる必要があると思っております。生駒委員が心配されておられますウォッシュの問題というのもあるとは思うのですけれども、まずは表示されていないものがあまりにも多い、ということで、是非これもKPIの中で見ていっていただければ有り難いと思いました。

以上です。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

1点目の物価が上がってきているといった点や、寄附金詐欺ですね。現時点で特にそういった寄附をうたった詐欺というのが今のところ増えているという状況ではないですが、当然タイムラグがあって見えてくるという可能性もございますので、そういった相談が増えてきていないかということについて我々も注視してまいる所存でございます。

また、パブリックコメントの中でいただいた御意見にそういったものが盛り込まれましたら、今いただきました御指摘も踏まえまして留意してまいりたいと思います。

あと、SDGsの件につきまして、表示ですね。理解度や認知度はもちろんなのですけれども、そもそも事業者の方にやってもらわないと始まらないという点も御指摘のとおりかと思いますので、そういった施策につきましても推進していくことが重要かと思っております。よろしくお願いいたします。

○大石委員 よろしくお願いします。

○後藤委員長 他にいかがでしょうか。御質問、御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

本日の御説明で、工程表の改定が充実してきていることを確認できました。

しかしながら、本日、委員の方々から多くの意見がなお出されております。成年年齢引下げへの対応の問題、食品のトレーサビリティの問題、表示の問題、キャッシュレス決済の問題、デジタル化への対応の問題、SDGsの問題、緊急時対応の問題など、多数の意見や御質問が出ておりますので、これらも踏まえて、改定について進めていただきたいと思います。

また、KPIにつきましては、アウトカム指標を増やす方向でKPIの見直しを行っていくということは高く評価できますけれども、委員からなお課題も示されております。

以上のような状況でありまして、消費者委員会としては、本日の皆様からの御意見を踏まえ、今後、意見をまとめていきたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ、審議に御協力いただき、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

(消費者庁退室)


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も大変御熱心に御議論いただきましてありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会にいたします。

お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)