第364回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年2月2日(水)10:00~11:09

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁小堀地方協力課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 消費者基本計画の検証・評価・監視(地方消費者行政の充実強化)
  2. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、第364回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、黒木議員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて出席です。木村委員は御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。お手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願い申し上げます。

以上でございます。


《2.消費者基本計画の検証・評価・監視(地方消費者行政の充実強化)》

○後藤委員長 本日の議題は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、「地方消費者行政の充実強化」について御議論・御審議いただきます。消費者行政の現場は地域にあり、地方消費者行政の体制強化は消費者政策における最重要政策課題の一つです。消費者委員会におきましても、令和2年8月に「2040年頃の消費者行政が目指すべき姿とその実現に向けた対応策等に関する意見」を発出するなど、地方消費者行政に強い関心を持ってきたところです。

本日は、昨年10月に公表された令和3年度地方消費者行政の現況調査の結果等を踏まえ、「地方消費者行政強化作戦2020」の進捗状況や今後の地方消費者行政に対する支援策について、御報告を頂きたいと思います。

本日は、御説明者として消費者庁地方協力課、小堀課長に御出席いただいております。

本日は、お忙しい中ありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁小堀地方協力課長 おはようございます。消費者庁地方協力課長の小堀でございます。

早速でございますが、資料を使いまして御説明をさせていただければと思います。

資料をおめくりいただきまして3ページと書いてあるところからでございます。まず、支援としましては、やはり強化交付金というところが中心になってございますので、そこから御説明をさせていただければと思います。この交付金、今の制度になりましたのが平成30年度からということでございまして、それ以前からの大きな流れで言いますと、消費者庁ができた頃というのは地方の体制もかなりぜい弱でありましたので、スタートアップということで、体制整備を中心に支援をしてきたところでございますが、現在のこの交付金では徐々にということでありますが、事業の支援にシフトしていくなど、あとは交付金と並んで地方の自主財源による安定的な取組を定着させていくということも念頭に置きながら進めているところでございます。

主な内容としましては、真ん中辺りに地方消費者行政強化事業ということで補助率が2分の1ということでございますので、徐々に自主財源と交付金、両方が並び立つと言いますか、自主財源も活用いただくというほうにシフトするということで補助率2分の1としてございます。

内容としましては、年によって少しずつ変えてはございますけれども、大きくは最近のところでは情報化など、自治体間の連携というところをまず一つ、大きな柱としてメニューに入れてございます。

2つ目としては、消費者行政の充実・強化ということで、配慮を要する消費者、これはかなり見守りの体制というところが中心になろうかと思います。それと、消費者教育・啓発、これは若年の方を中心に大変重要なポイントかと思ってございます。また、新しいところではSDGsへの取組など、あとは法執行の強化のような事業者向けの対応といった地方における対応を支援しているところでございます。

3番目はレベルアップ事業と書いてございますが、やはり研修ということで、職員や相談員向けの研修への参加など、あるいは自治体が研修を実施など、そういったところを支援する。こういったところが柱になってございます。地域の自主性を生かすということで、地域からの申請に応じてこういった交付金でサポートしていくということでございます。

それと、一番下にあります消費者行政推進事業と言いますのは前のスキーム、平成29年度までに推進交付金というところで活用して行ってきた事業、こちらはそれぞれ使用の年限を設けまして、まだ年限が残っている間は使えるという形でこちらも残してございます。

次のページは大きな予算の状況でございますけれども、棒グラフがございまして、ブルーのところが自主財源ということでございます。こちらはここ数年、徐々に地方の皆様の御努力を頂きまして増加をしてございます。一方で、赤の折れ線グラフがございますけれども、こちらは地方交付税の措置でございまして、ひも付きでないほうの措置なのですけれども、そちらは消費者行政の分ということで基準財政需要額の算出に当たっては、およそ256億円分ついているわけですけれども、そこにはまだ、6割弱ということで、まだ届いていないということで、これはまた引き続き自治体の皆様にも自主財源の活用、事業の定着ということをお願いしながら進めているところでございます。

5ページからは、冒頭に委員長からも少しお話がありましたけれども、地方消費者行政の現況ということで、昨年の後半に公表したものを少し御紹介させていただければと思います。

最初に出てきますのは予算の話でございますが、一番右の赤い枠で囲ってある令和3年度につきましては、当初予算が約182億円ということで交付金が約33億円、自主財源が150億円弱ということになってございます。前年度の当初と比較しますと若干減ったところではございますが、実は前年の令和2年度というのはコロナの関係で、実際になかなか事業ができなかったというところもございまして、この表にはないのですけれども、令和2年度の最終予算のベースで見ますと、実は177億円ぐらいだったところでございまして、そういう意味では令和3年度当初予算でまた盛り返してきたというようなところかと思ってございます。

6ページは相談窓口の設置状況が書いてございます。一番上の段、相談窓口の市区町村数が1,721(100パーセント)とございます。全自治体におきまして、何らかの相談窓口は設けていただいているということでございます。

2段目のうちセンター設置ということで、センターにつきましては相談員がいらっしゃるなど、週4日以上開設しているなど、そういった基準を設けてやってございますので、割としっかりというか、ちょっと大きめの窓口というイメージで御覧いただければと思います。こちらは一番右ですが、今1,116自治体ということで、3分の2ぐらいの自治体で設置をいただいてございます。

特徴としましては、広域連携という内訳の欄があるかと思いますけれども、徐々に広域連携での設置というのが増えてきているというところかと思います。小さな市町村で単独でセンターを設けるというのは、なかなか簡単ではなくなっているところもありますので、むしろ広域で連携を図りながら、というのは、先ほど交付金のメニューなどでも入れましたけれども、そういったことをしながら、少しずつセンターへのアクセスというか、住民の方がアクセスできるセンターを広げていくということで進んできてございます。

7ページにまいりまして、こちらは消費生活相談の方の配置という表がございます。足下令和3年のところでございますが、前年に比べますと11人増加をいたしまして3,335人ということでございました。その前の2年がそれぞれ50人ずつぐらい下がってきたところでございます。一旦下げ止まったようにも見えますし、逆に言いますと、小幅な増加でございますから、やはり引き続き相談員の方の担い手の確保というのは重要な課題であると認識をしてございます。

もう一つ、相談員の方の関係で申し上げますと、処遇の状況というのが8ページにございます。(1)に書いてございますのは、消費生活相談員の方の平均報酬額、これを1時間当たりの報酬単価として示したものでございます。こちらは足下令和3年のところでは1,827円ということで、前年から67円ほど平均として上がったというところでございます。その前の年、令和2から3年の2年間の間に約250円、平均としては上がってございます。

背景としましては、御案内のところかもしれませんけれども、会計年度任用職員という制度が地方自治のところでできまして、ボーナスを支給する自治体が大幅に増えたというところが背景にあろうかと思います。多少地域ごとのばらつきはございますけれども、こういった報酬の上昇の傾向というのを引き続き今大事にしていきたいということで、報酬につきましては、地方の自治体が最後に決めるところでございますので、自治体との対話もしていきながら引き続き取り組んでいきたいと思ってございます。

9ページにまいりますと、相談・あっせんの件数が上の段にございます。こちらは若干年によって上下はございますけれども、基本的には年間約100万件レベルの相談があるというところでございます。およそ1割弱、あっせんもしているということで、大きな傾向の変化はございません。

それと、下の段の(2)というところに、自治体職員や相談員の研修への参加というところがございます。表の一番右、市区町村等と書いてあるところで、実は研修への参加自治体の割合というのはちょっと下がっておりまして、恐らくコロナの影響があるのだろうと思ってございます。ここは国民生活センターと協力をいたしまして、できるだけオンラインの研修を増やす努力を現在しているところでございます。恐らくコロナが終わってもオンラインの研修などのニーズというのは引き続きあるだろうと思ってございますので、ここは後ほど予算でも出てきますけれども、力を入れているところでございます。

次の10ページにつきましては、(3)は地域における出前講座などの開催状況というところでございますけれども、ここもどちらかと言いますと令和2年度はちょっと下がっているというところで、これもコロナの影響があるのだろうなと見てございます。

最後の(4)地域サポーター、消費生活協力団体、協力員の活用状況ということで、こちらは主に見守りネットワークなどで協力をいただく民間の企業など、団体や個人の方をイメージしてございます。こちらは徐々に増えているようなところもございますけれども、ここは引き続きこういった輪が広がっていくというか、地域における連携が広がっていくよう、我々も努力をしていきたいと思ってございます。

11ページ以降は強化作戦2020の進捗状況ということでございまして、12ページになりますけれども、強化作戦2020と申しますのは、この基本計画に合わせまして、地方における目標といったものを我々と地方自治体の間で共有して取り組みましょうというものでございます。大まかに言いますと、政策目標1、2と左側にありますが、そこが相談体制に関わる話でございまして、センターの設置や相談員の配置等が掲げられてございます。

政策目標3というのが教育の推進ということでございまして、若年者にまつわる話など、地域のコーディネーター等の体制の話、右側へ行きますと、SDGsのような取組、そういったものが目標に入ってございます。

政策目標4というところが、いわゆる見守りネットワークの話で、これは協議会の設置など、先ほど少しございましたが、協力員や協力団体などの活用といった民間との連携、こういったことが目標に掲げられてございます。

そのほか、5、6、7としまして、適格団体の活動の充実や法執行体制など、推進のための体制強化といったことが並んでいるというものでございます。

13ページ以降、主立った状況を紹介させていただきます。

まず、14ページでございますけれども、消費生活センターの設置促進ということで、設置している市区町村が人口カバー率で90パーセント以上というのを目標としてございます。今、26の団体で達成済みということでございますが、こちらについては引き続き、やはり広域連携なども使いながら広げていくということを取り組んでいく。そういう状況かと思ってございます。

次の15ページは相談員の方の配置ということで、センターではないのですけれども、例えば週2日なのですけれども、相談員さんが来てちゃんと相談しているとか、そういったところもございますので、相談員さんの配置というベースで言いますと、かなり進んできてございまして、現在39の都道府県で人口カバー率90パーセント以上を達成しているという状況でございます。

少し時間があれですので、ちょっと省略をさせていただければと思いますが、あとは18ページでございます。自治体間の連携というところで、一つは、市町村と市町村の間の連携というのもあるのですけれども、もう一つ、指定消費生活相談員という制度が平成26年の安全法の改正でできまして、これは都道府県に相談員が配置をされて、市区町村のフォローをしていく、指導もありますし、助言もあります、そういった制度を入れてございます。こちらはまだ20とも読めますけれども、徐々に広がってきてございまして、こういった地域での連携というのは、今後の鍵にもなってくるのだろうなと思ってございます。

消費者教育については担当自体、私の課ではないのですが、一応3-1として、例えば消費者教育の教材「社会の扉」などを全国で活用ということで、100パーセントというところは2個と承知しておりますけれども、全体としてこういった活用率も現場では進んでいると聞いてございます。

少し飛びまして24ページは見守りの話でございまして、消費者安全確保地域協議会の設置ということでございます。こちらについては今16の府県で人口カバー率が半分以上という目標を達成していただいております。自治体数で言いますと、まだ400には届かないぐらいでございますけれども、感覚で言いますと大体年間70ぐらいの団体で徐々に増えてきているところでございますので、ここは引き続き我々も事例を示したり、説明をしたりしながら進めていきたいと思ってございます。

25ページが先ほどの協力員・協力団体、民間との連携というところでございます。ここはまだ3つの団体のみということでございますので、こういったところも引き続き我々は力を入れていければと思ってございます。

あと、飛びまして29ページでございますけれども、当面の4年度の当初予算は国会において審議中ということでございますけれども、先日の令和3年度の補正と合わせまして、来年度に向けての予算のイメージをここに書いてございます。その中では、三角形になっておりますが、下から強化交付金ということで31.5億円という数字が書いてございます。今17.5億円、当初予算案で計上してございます。それと、補正予算では14億円ということで、合わせて31.5億円を見込んでございます。こういった中で、水準としてはこのところ30億円強ということで来てございますので、例年並みの水準を見込んでいるところでございます。

右側の箱の中に書いてございますが、デジタル化の対応、自治体の連携の促進といったこと、あるいは相談員の方が活躍できる環境整備ということで、例えば主任消費生活相談員のキャリアアップ支援といったことも含めてメニューに盛り込んでいるところでございます。

それと、中段の緑のところでございますが、地方消費者行政の人材育成ということで、こちらは右側に箱がございますが、相談員の担い手確保事業、これは養成講座のようなこと、試験の対策講座など、そういったことをやっておりますが、ここは引き続きしっかりやっていくということと、先ほどもちょっとありましたオンライン研修などの充実、こういったことに力を入れていきたいと思ってございます。併せて、消費生活相談のデジタル化、先日、この委員会でも御説明させていただきましたが、そこも引き続き取り組んでいきたいというような作りになってございます。

あとは最後の32ページでございます。デジタル化の話につきましては、先日、委員会で御説明させていただきましたので詳しくは省略をさせていただきますが、先ほどの短期的な意味での来年度予算というところもございますし、もう一つは、こういったデジタル化のように少し足の長いプロジェクトですけれども、将来に向けてこういったことも進めていく。デジタル化につきましては、例えば自治体間の連携のようなことをとってみても、こういったデジタルのツールがあると今よりやりやすくなるのではないかとか、そういった視点もございますし、相談員の方の負担軽減と言いますか、働きやすさの向上など、そういったことにもつながると思いますので、こういった取組も加えまして、地域の今のなかなか担い手が不足しているなど、将来的な人口減など、そういうのにも対応できるような姿を考えていきたいなと、今このように思っているところでございます。

ちょっとオーバーしてしまったかもしれませんが、私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 ありがとうございます。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度を予定しています。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。説明ありがとうございました。

数字で見ると非常に厳しいですが、是非消費者庁には頑張ってもらいたいと思います。私たち現場も必死です。前期の消費者委員会で2040年の消費者行政について語り合いました。あれをもう一度読み込んでいるところです、というのは、あのときにまだまだ先の話だと思っていたのですが、コロナ禍で急激に、5から6年どころか10年ぐらい進んでしまったかなというのが現場のイメージでして困惑しているところです。

しかしながら、年間全国の消費生活センターで100万件近い件数をこなしております。その中には、やはり市民から来年も相談員はいますよね、指名して良いですかみたいなことを言われますと、私は会計任用職員なので、1年契約ですが、極力いるようにしますと申し上げている次第です。そういったことから、市民からは非常に期待されていることを日々思っています。コロナ禍で孤立する人たちからも長話になりますが、と言われながら、裏にある話を聞き、消費者トラブルがあることを見抜いて解決しているというのが現場です。

数字で表れると厳しいですが、DX化も真剣に考えていかなくてはいけないと思っています。現場と消費者庁が一体化して頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁小堀地方協力課長 清水委員、ありがとうございます。

正にデジタル化、最後にちょっと申し上げましたが、やはり長期の視点とは言いつつ本当に今考えておかないとすぐ来てしまうというか、逆に2040年、おっしゃるとおり、こちらに近づいてきたような感覚もありますので、そこはしっかり頑張っていきたいと思います。

○後藤委員長 ほかにいかがでしょうか。

受田委員長代理、よろしくお願いします。

○受田委員長代理 御説明ありがとうございました。私からは2点です。

先ほど政策目標1の消費生活相談体制の強化の中で、現状の消費生活センターの設置促進、あるいは消費生活相談員の配置、レベルアップの促進の中で、KPIとして都道府県内人口カバー率90パーセント以上というのが掲げられています。これに向かって努力していただいているということはよく認識しているところなのですけれども、このKPIの当て方というのは、いつこの話を伺っても釈然としないというところが正直なところです。

私は今高知県におりまして、オンラインで参加をしております。高知県の状況で言うと、1県内で34市町村ございます。その中においては一頃すごく話題になりましたけれども、人口が300人規模の村があります。相当小規模な市町村と言いますか、町村があるという状況から見ると、この市町村を一単位で見たときに、なかなかこの人口カバー率90パーセント以上が実態として反映している消費生活相談体制として、ストレートに住民の皆様に寄り添っているのかどうかというのが釣り合わないのではないかという問題意識を持っています。誰一人取り残さないというSDGsの精神から見ていったときに、この人口カバー率90パーセントが反映している実態というところをどのように担当としては認識をしておられるかというのが1点です。

もう1点は、最後にDX後のサービス全体の俯瞰図、以前もお示しをいただき、これは非常にすっきりして理解しやすいポンチ絵だと僕は高く評価をしているところでございます。一方で、この仕組みの入り口の部分に非常に重要な観点が少し抜けているのではないかなと心配しております。その点というのは、上の流れも、まず、消費者の皆様が不安に感じ、何か問題意識を持つことによって情報収集しようとするのが第一歩になっています。下は、更に電話相談ということで、これはもう課題が既に顕在化しているというのが第一歩になります。

つまり消費者側がまず課題を認識できるかどうか、課題として問題があると認識しているかどうかが出発点になっているということなのですけれども、現在こうやってフィジカルなというか、リアルな世界がコミュニティーの中で失われつつあるという状況に即してみると、冗長性が欠落しているという問題がよく指摘されています。すなわち問題を問題として認識する前段階の情報の収集が非常に欠落している部分があって、それなくしてこの情報収集や電話相談というアクションが動かないのではないか。こういうところをどう捉えていくかというのは、全体を回していく一番大きな課題ではないかと感じるのですけれども、この点についてどう思われているか。

2点、よろしくお願いいたします。

○消費者庁小堀地方協力課長 受田委員、ありがとうございました。

まず1点目でございます。人口カバー率90パーセントということでございます。理想を本当に申し上げれば、恐らく100パーセントというところが、1人の方も取り残さないと言いますか、そういったことになってくるのだと思いますけれども、いろいろ実情を聞きますと、例えば広域連携などが一つ、先ほどおっしゃられたような300人のところとか、そういったことになってくると、恐らく幾つかの町・地域が集まってセンターを作り、そこに相談員がいて、いろいろな住民の方がアクセスできるという姿を作っていくというのがあるのだろうと思います。

ただ、やはりそれをやり切っても、まだ届かない部分は、もしかしたら逆にそういったところは、こういった市町村が対応するだけではなくて、むしろ都道府県がフォローしていく、先ほど指定消費生活相談員という別の指標を御覧いただきましたけれども、そういったところ、最後の10パーセントのところはそういうやり方をもしかしたらやったほうが効率的な場合もあるかもしれないというところもあろうかと思います。ですので、90パーセントをもちろん目標として一つ数字を掲げてございますが、我々の理念というか、考え方としては、市町村の取組、それと、やはり都道府県がフォローなりをして、やはり最後は全体として、どこに住んでいてもきちんとアクセスできるような体制を作っていく。そういう理念でやっていくということだろうと思います。

ですから、この90パーセント以上というところは、比較的ここまでカバーをしていると、残りのところは大体小さな市町村だったりしますので、そこのお話をお聞きしますと、都道府県がフォローしながらやっているなど、そういう実態もありますので、そういったことも加味しながら考えているところでございます。ですので、残りの10パーセントがなくても良いという発想では全くございませんというところでございます。

それと、最後のポンチ絵のところでございますが、正にこれは消費生活相談という意味で一つこういった絵が書かれてございますけれども、もう一つ、地域の大事な体制としましては、やはり見守りネットワーク、これも途中で出てまいりましたけれども、そういったことも大事なのだろう。見守りネットワークも最初のオリジナルの発想は、高齢者など、障害者の方などを中心に、被害に気付かない、なかなか相談が御自身でされにくいなど、そういったことを周りの人が見守って消費生活センターにつなぎましょうというのが一番オリジナルなアイデアだと思っています。

それはそれで大事な機能でありますけれども、もう少し活性化するのであれば、そういったネットワークを使って、今度は未然防止というか、正に今こういう被害が多いなど、あるいは何かあったときは消費生活センターというところがあるのだよなど、そういう未然防止になるような情報をせっかくのネットワークですから、それを使って広げられないか、そういったところが一つまた課題というか、大事なポイントかなと思ってございます。ですから、私もいろいろ見守りネットワークなどの説明であちこちに行くのですけれども、そういうときには、実はいろいろなことができるのだと、被害を見つけることもできるし、そういう情報をみんなで共有していくというか、未然防止につなげるようなこともできるといったお話もしてございます。

そういった意味で言いますと、例えば行政だけではなくて、もちろん行政というか福祉関係、そういった方々とのネットワークも大事ですし、もう一つは事業者みたいな方、消費者と接点のあるような方々と協力をして、それこそビラを配っていただくなど、そういった御協力もいただきながらやっていくと、トラブルがあってから相談というもう一歩前の段階で何かできるのではないか、そういったことも考えているところでございます。

お答えになってなかったら恐縮なのですが、以上でございます。

○受田委員長代理 小さなところ、最後の部分がやはり正念場だと思いますので、常に御配慮いただければ幸いでございます。ありがとうございました。

○後藤委員長 大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。私からは質問と意見を述べさせていただきます。

1点目は、もう既に先ほど、小堀課長から回答いただきました点です。10ページの見守りサポーターのところ、やはりなかなか地域の人だけでというのは過疎化もあり、今後、更に人員確保の面でも難しくなると思いますので、ここは是非企業との連携で進めていただきたいという点で、以前からお話ししておりました。ですが、既にそのようなお考えがある、ということでしたので、是非そのように進めていただければと思います。

2点目ですけれども、20ページのところです。さきほどのご説明では省かれたところですがイヤヤンバッジの認知度のことです。この4月から成年年齢が引下げになるということで、特に若年者と言いますか、成年年齢引下げの対象になる人たちに、このイヤヤンバッジ188の認知度を高める必要があると思っております。そのための何か活動のようなもの、総合的にこれは進めていかなければいけないのだろうと思いますけれども、考えておられるということでしたら、お聞きしたいと思いますのが2点目です。

それから3点目は、27ページの地方行政職員の研修の件についてです。デジタル化で、かなり研修への参加も進んできたとはいえ、まだまだ研修が足りないということでした。担い手の確保については私たちの団体も御協力させていただいているところですけれども、更に相談員など、地方行政の職員の方がやはり安心して活動できるためにも、研修の充実とともに研修を受けやすくする環境についても、是非このデジタルをうまく活用して進めていただければと思います。

以上3点です。

○消費者庁小堀地方協力課長 大石委員、ありがとうございました。

企業との連携というのは我々も大事なポイントになってくると思っておりますので、引き続き頑張っていきたいと思ってございます。

それと、イヤヤンバッジということで私も付けさせていただいております。若年のところでございますけれども、やはり広報といたしまして、一つは自治体の方々にもいろいろ広報していただくようお願いし、我々も素材を提供して、できるだけ地方の負担にならないような形で広報ができるようなことをお願いしてございます。それと、我々もいろいろかつてはビラ、広報といえばビラというところだったのですけれども、YouTubeやSNSなど、いろいろなことも使いながら、少しでも若い方にアプローチできるように、そういったことをやってございます。

それと、認知度などを見ますと、割と少しずつではあるのですが、上がってきているところもありまして、恐らく消費者教育みたいなことを合わせて一般的な啓発、それを地道にやっていくということなのだろうなと思ってございます。我々もできるだけ工夫をしながら広報を取り組んでいきたいと思っております。

それと、研修の充実につきましては、我々も非常に重要な課題だと思ってございます。コロナ禍というのもございますし、あるいは相談員の数が少ないようなセンターですと、なかなか相模原まで来るというのは難しいというお声も聞いてございますので、オンラインの充実など、あとはいろいろお聞きしますと、オンデマンドの視聴期間が短いなど、そういったお声もちょっと聞きましたので、そういったところも少しずつなのですが、今改善をしてございますので、ここは引き続きまた国民生活センターと協力をしながら取り組んでいきたいと思ってございます。

○大石委員 よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 黒木です。丁寧な御説明、どうもありがとうございました。

ちょっと質問なのですけれども、令和4年度の予算案との関係で、地方消費者行政強化交付金のことなのですが、これが令和3年度予算額からは一応1億円減ということだと思うのですけれども、そのように読んで良いかということと、それから、ほかに細かな予算書を見させていただくと、消費生活相談員担い手確保事業、令和3年度の予算額が7000万円だったのが3500万円になっている。それから、消費者行政専門人材育成事業も令和3年度が800万円だったものが4年度は400万円になっている。それから、消費者ホットライン、消費生活センター、消費生活相談員の広報に必要な経費というものも令和3年度が1500万円だったものが1000万円になっているというような形で、少しマイナスシーリングされているようなのです。

ここの辺りの全体の予算がなかなか厳しいというのは理解しているのですけれども、先ほどとの関係で、特に消費生活相談員担い手確保事業が半減、それから、人材確保のところが半減というのは、非常に大きなカットではないかなと思うのです。もしもこういう予算になった場合に、どういう形で、自治体から出してくれれば良いのでしょうけれども、その辺りのところについてどのようにお考えなのかということを少し教えていただければ有り難いと思います。

以上です。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

まず、交付金のところ、先ほど29ページで31.5億円と申し上げたところでございますが、こちらについては昨年度、令和2年度に実は補正予算が3回ほどありましたのでちょっと多かったというところがございます。そういった意味では、31.5億円というのは当初と補正を合わせてということでありますけれども、ほぼ同じ水準が確保できたかなと思ってございます。

それと、個別のところで額が下がっているというのがございましたが、これはもう率直に申し上げますと、実際に事業をやって支出した額、執行額に合わせたということでございますので、事業の規模としましては同じ、少なくとも同じレベルのものはできると踏んでございます。その分、ここで言いますと、研修の強化みたいなところに振り分けをいたしまして、効率的に事業をやった分、ほかのところに仕向けるという発想でやってございます。そういった意味で、事業として減ることにはならないと認識をしてございます。

○黒木委員 ありがとうございました。現場での活動を是非支えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 3点ほどございます。

まず12ページの部分の政策目標、いろいろ掲げられておりまして、それぞれ重要だと思うのですが、やはりどうしてもインプット的な指標かなと思いまして、あと、アクティビティというのですか、国民にとっては頑張りましたではなくて、やはり結果として改善しましたというのを国に求めたいというか、周りの自治体に求めたいということがございますので、これは地方行政というところ、もう少し何か一般的な話になって恐縮なのですけれども、アウトプット指標としてどういうことをお考えかというところが結構ございます。

経産省など、例えば経済産業政策のインプットとして政府の補助金みたいなのがあって、補助金を幾ら出したとかというのではなくて、補助金の結果、付加価値が向上したみたいなのが大事だと、厚労省などでも医療費、最近は削減になってしまっていますけれども、それが結果として国民の健康をいかに害さずにということがあると思いますので、アウトカム的な指標というか、インパクト的な指標として、多分いろいろあり得ると思うのです。ADRの和解件数など、なかなか難しいかもしれませんけれども、民事裁判で消費者被害に関連するような分類の裁判がどのように推移している、一番簡単なのは相談件数の推移や、相談すべき内容自体が解決された件数など、何かそういったアウトカム指標は結構あり得ると思うのですが、そういったものに関してどのようにお考えかということがございます。

ちょっと関連して地方ということになりますと、自治体はいっぱいありますので、いろいろな取組をされている中で、特定の自治体など、都道府県のオリジナルな取組があって、それによって何か改善がされたのであれば、それはすごく良いことであって、それを検証していくみたいなことがあり得るわけですので、せっかく自治体がいっぱいあって、そういった取組が少しずつ違うのであれば、そういった違いによって、どういったアウトカム、結果が、相談件数の解決された件数が増えるのかみたいなことが分かると非常に有り難いかなというのが1点目でございます。

これはEBPMに係るような話で難しいと思いますけれども、消費者相談自体がアウトカムでどうなのかというのは難しいと思いますが、そういったものに関しまして、どのようにお考えかということと、それが地方自治、独自性、自主性みたいなものを育むという観点でも、違いを見ていくのが大事かなと感じました。

関連して、29ページに先端的なモデル事業というのがございます。こういうのはすごく非常に重要かなと思いますが、ほかの省庁でもされているような形で、何か検証など、とても良いものを積極的に検証されるみたいな、うちの自治体が検証されたみたいなことがあると、やはり自治体としては、住みよいまちだよということを言うために、いろいろと御自身で宣伝していただけますので、そういう観点で検証制度みたいなものをどのようにお考えになっているのかということです。

関連してというか、また似たような話になりますが、ちょっとこれは別の観点で、広報活動など啓蒙活動は、私が分かっていないだけなので伺いたいのですけれども、消費者庁と地方でどのように分担されているのか存じ上げませんので、是非伺えれば、正直申しまして、国民生活センターと消費生活センターの違いが普通は分からないというか、困ったときに検索して始めて違いが分かるというようなことかと思うのですけれども、何か動線というか、具体的に相談するというところにおいて、各自治体で何かオリジナルな啓蒙活動みたいなのをされているなど、広報活動をどのようにされているのかということに関して教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

政策目標のところは、例えば消費生活相談の件数というところがありますけれども、いつもそこで話題になってしまうのが、センターを例えば増やしたりなど、188が周知されたりすると相談件数が上がったりもするし、やはり消費者被害というか、トラブルが増えても相談件数が上がるのかもしれないというところで、どう評価して良いのかというのは、なかなか私どもも答えが出ないところはございますので、そういう意味で、基本的には、まず体制をしっかり整えるというところが、ちょっと代理変数的なところもございますけれども、今こういうところでやっているところでございます。もちろん相談件数など、内容なども数字としては見ながらやっていますけれども、そういったところは、引き続き研究はしていきたいと思ってございます。

それと、独自性というところも、今ですとやはり事例集などを作って横展開するということぐらいまでは行っているのですけれども、それをどう評価していくかというところは、また今後の課題というか、なかなか今すぐ答えを持ち合わせているわけではないところがございます。大変有り難い御指摘だと思います。

モデル事業につきましても、まだ事業を開始したばかりというところもありますので、まだきちんとした評価というところまでは必ずしも体系立ってはできていないのですけれども、出来上がった成果をできるだけ自治体にも普及して、自治体独自の取組にもつなげていただけるというか、ヒントになるようなものにしていきたいと思ってございます。こちらは引き続き努力をしていきたいと思っております。

広報や啓蒙で言いますと、まず地方自治体の長所というか、強みで言えば、やはり現場に近いということがございますので、それこそ出前講座など、これは各センターも一生懸命やっていただいていますけれども、地域の学校や公民館など、福祉関係のところに直接出向いてお話をしていく。あるいは最近はオンラインなども使いながらやっていらっしゃるようですが、そういった地域に根差した広報・啓発というのは地方の方々の強みなのだろうと思っています。

国と言いますか、これは国民生活センターも含めてですけれども、こちらは全国の情報が集まってくるということで、正にどういうところを注意したら良いのか、どういうところを啓発してったら良いのか、そういう特に知の部分が恐らく求められるというか、期待される部分なのだろうと思ってございますので、そういうところで役割分担をしながら、素材と言いますか、こういったものを国として積極的に提供しながら、自治体はそれを最後、消費者の方など、それを見守る方、そういった方に実際に届けていただくというようなことをイメージしてやっているところでございます。

以上でございます。

○星野委員 最初の件に関して1点だけコメントさせていただければと思います。

おっしゃるように相談件数が減るというのは良いことなのかということがございます。もうそれはおっしゃるとおりだと思うのですが、やはり分類をして、同様の相談件数が減るということがもしあったら、それは効果があったのではないか。これは例えば会計の不正などでもそういったことを言われていますけれども、大体悪いことを考える人など、搾取しようとする人は新しいものを発見して、それをやるということなので、それに対して当然ながら毎回毎回対応しなくてはいけないわけですが、過去既に同様の状況で行われているようなものに関しては、やはり消費者庁の活動等によって、それが減少する。同様の内容で過去にやられている、解決されているような内容のものがあったら、それが減るのは当然望ましいことのわけです。新しいものももちろん、不正とか搾取しようとするような行為は当然、毎回毎回起きますので、それが相談件数を増やすのは当然なのですが、細かく分類していただくということによって、アウトカムとかは理解できるのではないかと思いました。これはコメントでございます。ありがとうございます。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 いろいろと御説明ありがとうございました。

私からは1点、御質問なのですけれども、これからの消費者行政を考えますときに、誰一人取り残さないというSDGsのビジョン。私は一つの大きな柱になるかと思われます。配慮を要する消費者の方々、高齢者や障害者の方、また、デジタル弱者の方々というのも取り残されがちかなと思います。そこで、私としましては、やはり見守りネットワークをもっと進化させる必要があるのではないかと思っていまして、そこをデジタル化と連携させていく必要がすごくあるのではないかと考えました。

32ページの今御説明いただきましたDX後のサービス全体俯瞰図を見ますと、消費者の項目の下にパソコン・スマホが苦手な消費者が電話相談をして、丁寧かつ積極的な支援・見守りが返されると書かれていて、これは旧来型の電話での相談に、この方々はしてもらいましょうとなっているのですが、私はここをもっとこうデジタル化をうまくサポートしてできないかなと、例えば見守りタブレットを配るなど、何らか難しい手続がなくてもデジタルで相談員の方にアクセスできるような見守りネットワーク自体を進化させていくようなことが必要なのではないかと思っているのですが、その辺りの可能性など、あるいは方向性、プランなど、もしお考えのことがありましたら教えていただけますでしょうか。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

まず、この表の意図としては少し旧来型かもしれませんが、デジタルといっても全てをデジタル化するというわけではなくて、アナログの部分も、むしろデジタルで負担が軽くなった分、アナログのところもしっかりやっていきますという趣旨で書いているのでこう見えてしまうのですけれども、今、委員がおっしゃいましたところも非常に大事な視点だと思っておりまして、本当にステレオタイプで高齢者だからデジタルが使えないというわけでもないですし、あるいは御本人でなくても見守る方に対してデジタルで何かアクセスするということもあると思ってございます。先ほどのタブレットの話も自治体であったか分かりませんが、そういう構想を持ってらっしゃるようなこともちらっと聞いたことが前ありましたし、今、交付金などで申請がもしあれば、そういうことも積極的にサポートしていきたいと思いますので、正に委員のおっしゃられた視点は我々も大事だなと思ってございます。大変ありがとうございました。

○生駒委員 是非いろいろ検討して進めていただければと思います。よろしくお願いします。

○後藤委員長 飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。御説明いただきましてありがとうございました。

本日の御説明の中で広域連携が出てきました。地方自治分野一般においても、広域連携、加えて公共私の連携も非常に重要な課題となっているかと思います。広域連携については、市区町村間の水平連携とともに都道府県と市町村の間の垂直補完が求められ、また、消費者行政においては分野間、福祉との連携、教育との連携も必要になってくる。更に見守りなどでは様々な地域住民の協力を得る必要があるといった課題があるかと思います。消費者行政特有の課題に対処するための手法や仕組み、あるいは、消費者行政の特性を活かした手法や仕組みがどれだけ備えられていて、それがどの程度効果を発揮しているのかについて、具体的に教えていただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

○消費者庁小堀地方協力課長 まず、相談ということについて言えば、平成26年の安全法改正の辺りから、市町村間の連携というものの仕組みが制度化をされまして、更に都道府県が市町村をフォローしていくという仕掛けも作り、そういった自治体間の連携の中で、こういった相談やセンターなど、そういうのを運営していくというものが少しずつ出てきてございますし、実際にも例えば割と大きな市のところに相談員がいて、小さな町村のところにはモニターが置いてあって、そこでウェブ会議システムではあるのですけれども、あたかも対面で相談をしているようなことが可能になるというような取組をされているところもございます。そうしますと、相談員が1人ずつぽつんぽつんといらっしゃるよりも、2人でいると相談しながらできたりなど、いろいろな効果が出てくるというところが一つはあろうかと思っています。

一方で、少し課題としてありますのは、そういった幾つかの市町村の連携でやりますと大きな自治体に頼ってしまうというようなことも少し声として聞いたりしておりますので、一方では、実は相談というのはある程度電話であったり、ウェブ会議で距離を越えられる部分もありますが、一方で、見守りみたいな話になりますと、やはり地域密着という部分も非常に出てまいります。これは特に福祉などで言いますと、市町村単位で連携するというのも結構大事になってきますので、そういったデジタルを使いながら距離を超えていくという部分と地域で根差したネットワークを作っていく。そこの2つをうまく組み合わせられると良いのかなと思ってございます。

地域の連携などで言いますと、例えば消費生活センターと地域の包括支援センターが同じようなフロアにあったりして、お互いに情報を共有しながらやっているという例も聞いたりもしていますので、そういうデジタルを使った地域間のつながりと、地域の中でのネットワークという2つをうまくできれば良いかなと思ってございます。

ちょっと答えになっていないかもしれませんが、以上でございます。

○飯島委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。

御説明、そして、御回答いただきありがとうございました。消費者庁の発足以来、地方消費者行政強化交付金等を活用して地方消費者行政を支援してきたことの効果もありまして、消費生活センター、相談窓口の設置が進み、消費生活相談員の配置や処遇改善が図られるなど、地方消費者行政の体制強化が一定程度進んだことは評価されるべきであると思います。

他方、地方の高齢化、人口減少、最近ではコロナ禍での対応等を背景として、各地方自治体の人員・財源は大変厳しい状況にあるほか、消費生活相談員の高齢化が進み、新たな担い手の確保に苦労するなど、地方消費者行政をめぐる状況は厳しさを増しております。そのような状況は今回御説明いただいた現況調査の結果にも表れていると思います。

現在、消費者庁は、地方消費者行政予算における自主財源比率を高めることなどを目的として、自治体の首長等への働き掛けとして、地方消費者行政強化キャラバンを行っていると承知していますけれども、先ほど申し上げましたような状況を踏まえますと、自主財源の確保と並行して国から地方への財政支援の充実・強化を図ることも重要であると考えます。今回、令和3年度補正予算及び令和4年度予算案について御説明をいただきまして、一定の規模、内容を確保したと理解しておりますけれども、それを地方消費者行政の体制強化につながるよう有効に活用するとともに、地方消費者行政の担い手確保や消費生活相談のデジタル化など、優先度の高い施策を中心に、その充実・強化に努めていただくようお願いいたします。

また、本日、「地方消費者行政強化作戦2020」及びその進捗状況について御説明いただきましたが、都道府県により達成度に大きな格差があることが特徴的でありました。これは各都道府県の人口構成や財政状況等によるところも大きいと思われますけれども、都道府県ごとの取組姿勢等によるところもあるのではないかと思われます。地方消費者行政については、各自治体とも限られた人員と財源の中で種々模索しながら進めているのが実情と思われますけれども、達成率の低い都道府県については、より丁寧に各都道府県、市町村のそれぞれのレベルでの実態、要因等を検証・評価した上で、支援策の在り方を見直していくことも必要ではないかと思います。

消費者庁におかれましては、今回の検証・評価の結果等を踏まえた上で、引き続き地方消費者行政に関する必要な支援策について検討を行い、工程表の改正に反映していただきたいと思います。消費者委員会としましても、本日のヒアリング結果を踏まえまして、引き続き関係行政機関の対応や取組状況を注視し、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと考えています。

消費者庁におかれましては、お忙しいところを審議に御協力いただきありがとうございました。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございました。

○後藤委員長 どうぞ御退席ください。

(消費者庁退室)

《3.その他》

○後藤委員長 続きまして、食品表示部会から報告事項があります。受田委員長代理から御報告をお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。それでは、食品表示基準の一部改正に係る答申について御報告させていただきます。

食品表示部会では、令和3年12月15日に、当委員会が諮問を受けました栄養成分等に関する表示、遺伝子組換え食品に関する表示、しょうゆ及び食用植物油脂に関する表示に係る食品表示基準の一部改正について2回の審議を行いました。本年1月17日に開催をいたしました第66回食品表示部会において、本件に係る答申書案について審議を行い、附帯意見を付した上で諮問を了承する方向で結論が取りまとめられました。附帯意見につきましては部会長に一任とされ、この部会の議決について、食品表示部会設置運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、1月28日に内閣総理大臣へ答申を行いました。

お手元の参考資料1の答申書を御覧いただきたいと存じます。1ページにございますとおり、諮問案のとおりとすることが適当であるとされました。また、2ページにありますとおり、遺伝子組換え食品に関する表示に関して、高オレイン産大豆に関する情報提供に関して部会での議論を踏まえた附帯意見が付されております。

私からの報告は以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。


《4.閉会》

○後藤委員長 それでは、本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も大変御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)