第362回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年1月13日(木)11:00~12:15

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁吉田消費者政策課長
    消費者庁片岡消費者政策課企画官
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 取引DPF消費者保護法について(施行令案等のヒアリング)

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから第362回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて出席です。

青木委員は御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 配付資料は議事次第に記載のとおりです。お手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願い申し上げます。

以上でございます。


《2.取引DPF消費者保護法について(施行令案等のヒアリング)》

○後藤委員長 本日の議題は、取引DPF消費者保護法に関して審議いただきます。

取引DPF消費者保護法については、昨年11月19日の第359回本会議において、「取引デジタルプラットフォーム官民協議会準備会」における内閣府令等の検討状況等、本年度の施行に向けた準備状況について、消費者庁からヒアリングを行いました。

その際、委員から様々な御意見があり、特に取引DPF提供者の努力義務の内容を定める指針につきまして、法の実効性確保のために重要であり、消費者委員会としても非常に関心を寄せているところです。

現在、本法律に係る政令案、内閣府令案、指針案について意見募集をしている中、本日はその内容等について、消費者庁から説明いただいた後、意見交換をいたします。

本日は、御説明者として、消費者庁消費者政策課吉田課長、片岡企画官に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 おはようございます。消費者政策課長の吉田でございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、早速、御説明をさせていただきたいと思います。

ただいま委員長からも御紹介がございましたとおり、取引DPF消費者保護法に関する政令等のパブリックコメントの実施についてという資料1で概要を説明させていただきたいと思います。

なお、資料2から資料4まで、現在、それぞれパブコメに付させていただいております政令等の案を配付させていただいておりますので、適宜御説明の中で言及させていただきたいと思います。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

まず、資料1の表紙をおめくりいただきまして、1ページ目でございます。

現在、政令、府令、法定指針の案につきまして、12月17日からパブリックコメントに付させていただいておりまして、1月17日までをパブコメの期間とさせていただいております。

パブコメで意見が集まりましたら、検討させていただきました上で、できましたら2月中目途にそれぞれ政令等の案を確定、策定したいと考えてございます。

2ページ目を御覧ください。

この法律の概要につきましては、これまでも御説明させていただいているところでございますが、政令、府令、指針の案が法律のどの部分に関わってくるのかをそれぞれ右側の囲みで追記させていただいておりますが、記載させていただいております。

「(1)定義規定」につきましては、今回、ネットオークションのプラットフォームも対象になるということで、その定義を政令で規定しているということでございます。

また、府令案につきましては、(2)から(5)それぞれ関わるところでございますので、追記させていただきました。

また、法定指針につきましては、(2)の取引DPF事業者の努力義務に関わる部分という構造になってございます。

3ページ目を御覧ください。

まず「政令(案)の概要」でございます。

成文は資料2といたしまして、縦書きの短いものでございますが、配付させていただいておりますので、また時間がありますときに見ていただければと思います。

概要で説明させていただきますと、3ページでございます。

法律は第2条におきまして、太字になっておりますが、ネットオークションにつきましては「競りその他の政令で定める方法」という形で規定されております。今回、この部分を政令のところで具体的な方法を規定させていただいております。

競りに加えまして、下のところでございますが、即決方式という方法についても政令で定めさせていただいております。

即決方式のイメージでございます。

本日、最後のところに机上配付資料(委員限り)という資料を配付させていただいております。もしお手元にありましたら御覧いただければと思います。

ネットオークションのイメージでございますが、上がいわゆる通常の競りでございまして、時間の中で皆さんそれぞれ価格をどんどん入れていく、一番高い人が落とす方式でございます。

これに加えまして、今回、政令では即決方式と言いまして、下の部分になります。見えづらくて恐縮でございますが「即決価格1,700円」と書いてあるかと思いますが、いわゆる競りの方式に加えまして、即決価格が定められている場合は、10分という時間内であっても、最初に1,700円と誰かが入れれば、その方に決定する方式でございまして、こういった方法についても、今回政令で定めさせていただいているということでございます。

政令につきましては、以上でございます。

次に、資料1にお戻りいただきまして、4ページを御覧ください。

「内閣府令(案)の概要」でございます。

大きく4点、概要として記載させていただいております。

1点目は、(1)でございますが、DPF提供者の努力義務の関係では、1点目の黒ポツですが、開示事項として、講じた措置の概要、実施の状況等を規定しております。

また、開示については、内容を常時かつ容易に確認できるようにすることも規定させていただいております。

(2)は、出品停止要請(法第4条)の関係となりますが、法律には、商品等の安全性に関する事項だけが明文として規定されておりますが、そのほかのものは内閣府令で定めるとなっておりまして、一つの例でございますが、商標や資格等に関する事項等の表示が著しく事実に相違している場合等を今回規定しております。

これによりまして、5ページになりますが、これまでも御説明させていただいております、右側の「身元不明の偽ブランド品の販売」といった事案につきましても、出品停止要請が可能になると考えてございます。

(3)でございますが、開示請求権(第5条)の関係でございます。

官民協議会準備会、またこちらの委員会でも御指摘頂いておりました開示請求権について、債権を行使する場合の下限額でございますが、拡大損害を含むとした上で、1万円という額として規定させていただいております。

また、開示対象となる情報の内容につきましては、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等を規定させていただいております。

官民協議会準備会でも、口座情報といった話も議論となりました。こちらの委員会でも御指摘があったところかと思いますが、これにつきましては、検討の上、今回は規定していないということでございます。

(4)は、申出制度の関係等について定めを置いているところでございます。

府令案につきましては、成文案は資料3、縦書きのものとなってございまして、御覧いただきますと、おめくりいただきまして、2ページの第2条が先ほどのパワポの資料の(1)、第3条が(2)です。

「商品又は役務の安全性の判断に資する事項」は、法律にも書いてあるところでございますが、2号以下を今回の府令案で定めさせていただいているということでございます。

第4条が、債権の開示請求を行う場合の債権の下限額ということで1万円と規定させていただき、第5条が開示の対象となる情報ですが、1から6号まで定めさせていただいているところでございます。

府令案のポイントとしては、以上でございます。

続きまして、パワーポイントの資料1に再びお戻りいただければと思います。

6ページは、フリーマーケットで起きていた偽物販売の事例を入れさせていただいております。

7ページでございます。

法定指針案の概要でございまして、ポイントを記載させていただいております。

1点目でございます。

今回の法律は、取引DPF提供者の努力義務について定めることになっておりますが、大きく3つの事項について努力義務が規定されております。

各項ごとに「趣旨・目的・基本的な取組」を明らかにしました上で、ベストプラクティス、これはDPF提供者の方々からのヒアリング等を通じて、我々の方で得た情報、取組の内容を「望ましい取組の例」という形でお示ししております。

各号それぞれの関係でございますが、まず、黒ポツの2つ目、第3条第1項1号関係「販売業者と消費者の間の円滑な連絡を可能とする措置」につきまして、「基本的な取組」は、正に連絡先や連絡手段が消費者に容易に認識することができるようにすることとしています。また、ベストプラクティスとしての「望ましい取組の例」といたしまして、連絡先の表示の徹底、専用のメッセージ機能の提供、あるいは連絡手段が機能しない場合に適切に対応いただくといった取組を規定してございます。

2号関係でございますが「消費者から苦情の申出を受けた場合の措置」といたしまして「基本的な取組」としましては、当然、その申出を行いやすい仕組みを設けることを規定しました上で「望ましい取組の例」といたしまして、消費者からの苦情の受付、関係者への照会、不適正な表示を行った販売業者等への対応を記載させていただいております。

3号の関係でございますが「販売業者等の特定に資する情報の提供を求める措置」につきまして「基本的な取組」といたしましては、問題のある事例、問題のおそれのある事例に接した場合に情報の提供を求めることとしました上で「望ましい取組の例」といたしましては、販売業者等の公的書類の提出を受けて確認を行う、あるいは登録情報と異なる情報に接したときは、事実確認を行い、正しい情報の記載を求めるといったことを具体的に記載させていただいているということでございます。

最後のところは、3条第2項の講じた措置の開示について、開示の内容、場所についての考え方を法定指針案でお示ししてございます。

法定指針の成文案につきましては、資料4、横書きのものとなっております。

今御説明させていただきましたポイントは、1ページ目の第2から始まります。

第2の2パラ目でございますが、本指針では、各号ごとに「趣旨・目的・基本的な取組」を記載した上で「望ましい取組の例」を示しています。「望ましい取組の例」は、いわゆるベストプラクティスとして、様々なDPF提供者がいらっしゃいますが、その中で行われている具体的な取組を例示するということで、これを参照していただくことで一定レベルの措置を講ずることができるようになることを記載させていただいております。

時間の関係もございますので、詳細は割愛させていただきますが、先ほど申し上げたポイントについて「基本的な取組」と「望ましい取組の例」を書き分けて記載させていただいております。

資料1は、今回、パブリックコメントに付させていただいております政令、府令、法定指針の案につきましては、以上となります。

最後になりますが、資料5を御覧いただければと思います。

こちらは、今、官民協議会準備会において議論を行っているところでございまして、我々もまだ検討を行っている段階でございますが、いわゆる「販売業者等」に係るガイドラインの考え方についてお示ししてございます。

これは第3回の官民協議会準備会で配付させていただいたものでございます。

まだポイントをお示ししただけでございまして、今後、更に準備会等で議論を重ねていくものと認識しております。

いずれにしましても、このガイドラインにつきましては、おそらく、最初の案を作った段階でも第1版という形になろうかと考えており、ブラッシュアップしていく性質のものになるかと思いますが、可能な限り、実態等を踏まえたものを作ってまいりたいと考えております。

ポイントだけ申し上げますと、まず「基本的な考え方」でございますが「販売業者等」は原則として「マル1営利の意思」と「マル2取引の反復継続性」について、個別具体的事情を総合的に考慮して判断すべきではないかとしてございます。

2つ目でございますが、画一的・定量的なものを定めるのはなかなか難しいのではないかという議論もされております。

サービスの内容、取り扱う商品といったものも千差万別でありまして、売上げや個数に関して画一的・定量的な基準を設けるのは難しいのではないか。

また、かえって潜脱防止の観点からもそういったものを示すのは適切ではないのではないかといった考えもお示しさせていただいております。

考慮要素や具体例をお示しすることで、営利の意思など取引の反復継続性について、予測可能性の一定の向上が見込めるのではないかと、基本的な考え方として3点ございます。

「2 考慮要素及び具体例について」でございますが、1つ飛ばしまして、2つ目で、例えば情報商材の例や新品の商品を相当程度販売している場合、相当数のブランド品、健康食品といった特定商品のカテゴリーを提供している場合は「販売業者等」への該当性を推認させるのではないかということでございます。

他方で、真ん中の部分になりますが、お中元やお歳暮、引き出物を自分で受け取ったといった、贈答品を単発的に出すことはまた違うのではないかといった視点を書かせていただいております。

また、2ページ目になりますが、メーカーや型番等が全く同じものを複数出品している場合など、資格、登録といったものを前提とした商品・サービス提供をしている場合、あるいは口コミが一定期間継続的に相当数あるといった場合は、該当性を推認させるのではないかといった視点がある一方で、お引っ越し、遺品整理等で一時的に大量に出すこともあるのではないかといったことも視点として記載させていただいております。

また、安全性が求められる商品について、どう考えるのかといった視点も記載させていただいています。

そのほか、3の判断の基準時など「その他の留意点」についても記載させていただいているとおりですが、まだこれから議論をしまして、できるだけDPF提供者また消費者団体の方々から具体例を出していただくことによりまして、精度を上げてまいりたい、成文化を目指してまいりたいと考えております。

資料5につきましては、以上でございます。

説明は以上でございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、質疑応答や意見交換をお願いいたします。

発言のある方は、チャットにてお知らせください。時間は40分程度を予定しております。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。清水です。

御説明をありがとうございました。

取引デジタルプラットフォーム法の審議の際には、様々な規定について努力義務ではなく、義務として規定していただきたいと私は思っていました。

しかしながら、結果的に全て努力義務となったということですので、今回の法律の施行令など指針等に対しては、賛成します。

その理由としては、取引デジタルプラットフォーム提供者が最低限、遵守、守るべき内容だと理解していますので、賛成するということです。

内閣府令第4条の1万円という部分はちょっと引っ掛かっています。拡大損害など慰謝料を含むとするなら、賛成です。

企業の負担等を考えますと、ある程度一定金額はやむを得ないのかなと思います。本来なら、全ての取引を対象にすべきと思っていますが、これは致し方ないと思います。

しかしながら、少額の商品などサービスであったとしても、拡大損害が発生することは、実際に相談の現場でも相談があります。少額だと、消費者側としては法的手段を取ることはなかなか難しいので、きちんと納得のいく解決をするために消費生活センターも努力したいと思っています。そのためには、この指針が実効性のあるものになってほしいと思っています。

書きぶりの部分なのですが、ベストプラクティスということで、取り組むべき姿と提案していただいていますが、できれば、やるべきことと書いていただけたらと思います。ただ、この案がそのまま通るのは非常に厳しいと思いますので、是非消費者庁には頑張っていただきたいと思っています。

指針の案のところなのですが、5ページで、それまでは「などが求められる」と書いてあるのですが、真ん中の黒ポツの「アカウント登録時に」など、次の黒ポツで「日常的な監視活動を通じて」と書いてある次に「などが期待される」とあります。ここも前文の流れから、ずっと「求められる」と書いてあるので、是非「求められる」という書きぶりにして、意見を通していただきたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 いかがでしょうか。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

政令案、府令案、法定指針案の概要につきまして御理解を賜り、誠にありがとうございます。

債権額が1万円の部分につきましては、準備会の場で、取引額に限定すべきだという意見もDPF提供者からはかなり強くあったところでございますが、モバイルバッテリーの例などを考えますと、取引価格に限定するべきではないのではないかということで、今回、拡大損害も含むという形にさせていただいております。

1万円の額の妥当性につきましても、いろいろな御意見があると承知しております。

今回はPIO-NETで得られているデータをベースに考えておりますが、たしか前に清水委員からも、今後、PIO-NETに入力する際に、取引DPFという欄が先般できたという御指摘もございましたので、そういったところで是非また御協力をいただきながら、DPF上でどのような被害が起きているのか、拡大損害としてどのようなものが発生しているのかということを、施行後も我々がしっかりと分析していくことを通じて、注視してまいりたいと考えております。

法定指針の書きぶりといたしましては、今回「基本的な取組」とベストプラクティスを書き分けておりますが、サービスの対象もサービスの対応も、全てのDPFが対象ということで、ベストプラクティスとして、基本的にはDPF提供者に自分たちのビジネスの対応、規模等も含めて最適な方法を選択していただくということかと思っておりまして、そういう意味では「基本的な取組」とベストプラクティスは書き分けている構造になっております。

もちろん、こんな良い取組もしているといった情報を入手できましたら、今後、更にブラッシュアップしていくこともあろうかと思います。

5ページの「期待される」の規定ぶりでございますが、これもそういう意味では、「基本的な取組」については、その前の段落で若干記載しておりまして「期待される」は「求められる」とは少しグラデーションがあるということでございますが、是非やっていただきたいという気持ちは入っているものでございますので、御理解賜ればと思います。

以上でございます。

○清水委員 ありがとうございます。

今回の新法は、全てのプラットフォームが対象ですので、期待しています。

相談の現場では、この5から6年、大手のデジタルプラットフォーマーは、自主努力で24時間パトロールして、すごく改善しました。

ということは、全て大手のプラットフォーム並みにというのは、事業者もなかなか難しいとは思いますが、この指針をきちんと出すことによって、下と言うとあれなのですが、守っていない人たちも良い事業者を参考にしようという動きになることを期待しています。

悪質事業者は、今回、法で申出制度がきちんとできますので、ある意味そちらできちんと取締りをしていくということかなと思っています。

ありがとうございました。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございました。

御指摘のとおりと認識しております。

ありがとうございます。

○後藤委員長 先ほど清水委員の御発言の中で、拡大損害以外に慰謝料も含むという御発言があったのですが、この点については、慰謝料はどういう扱いになるのでしょうか。

○消費者庁吉田消費者政策課長 必ずしも排除されないものと認識しております。

債権を行使する場合に、拡大損害が発生、例えば家が燃えてしまったとなれば明らかな拡大損害ですし、それによって身体に何かけがをしたとかそういうこともあれば、治療費などそういうのも拡大損害なのか、慰謝料なのかは個など別事案によってくると思いますが、更に精神的被害を被ったということになれば、事案によっては慰謝料も入ってくるのではないかと考えております。そういう意味では、準備会の場でも、必ずしも排除されないと。

ただ、一方で、準備会でも議論がありましたのは、何でもかんでも慰謝料で請求されるのは、DPF提供者にとってもなかなか難しいところがあるということでございまして、何らかの証するもの、例えば治療費がこれぐらい掛かっているなど、家が実際にこれぐらい燃えてしまって、修繕するのにこれぐらい掛かるなど、請求のときに必要な書類等を添付していただくことは必要なのではないかということでございます。

その点につきましては、5条の開示請求を中心とするQ&Aのようなものを作っていきたいというお話は、準備会の場等でもさせていただいているところでございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

ここのところ、デジタルプラットフォームの利用が消費者の間で増えておりますので、こうして指針という形で決めて、いろいろと法律で決めていただくことが最初の一歩なのかなと思うところです。

消費者は、特に大手の場合などはそうだと思うのですが、プラットフォームを信用して、ここで売っているのだったらということで、例えば特商法の表示を見ないで買ってしまうなど、いろいろなことがあり得ると思います。

そういう意味でも、プラットフォームが監視して、それぞれがどういうことをしているかというのはすごく重要ですし、ベストプラクティスとは言え、こうしたことを決めて、それを守っていただくことが大きな一歩なのかなと思います。

ただ、一方で、守ってくださる事業者ばかりではなくて、そうではない事業者をどうやっていくのか。

先ほど申出制度があるということでしたが、努力義務を守っているかどうかをどうやって見ていくのかという取組みたいなものは検討されているのかというのが1点質問でございます。

また、こういった取組できちんとベストプラクティスを守っていることを消費者が分かるような形で何かできないのかと思います。

と申しますのは、きちんとしたプラットフォームを利用したいと思うのですが、こちらから見たときに、きちんとしているかどうかはなかなか分かりにくいというか、商品を買いたいという気持ちが先走ってしまいまして、確認してきちんと買うことができない消費者もいるのではないかと思うからです。

もう一点は、先ほどから問題になっておりますが、1万円の話です。

私も、1万円は、根拠は以前説明していただいたのですが、こうしたプラットフォームでの購入金額は、1万円ではなくて、もう少し少ないものが多いと思います。そういった方々が泣き寝入りしてしまうことにならないように、今回、拡大損害という話もありましたが、そこは今後、検討が必要ではないかと思っております。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

申出制度につきましては、御指摘のとおり、施行後、申出制度もスタートしていくことになります。必要な関係する規定等を内閣府令案にも盛り込ませていただいております。

それを受け付ける体制整備につきましても、令和4年度の予算事業で一定額を財務当局にもお認めいただいておりますので、しっかりと消費者の方々からのそういう申出を受け付けられる体制を組んでまいりたいと思っております。

正にそういったルートを通じて、我々もしっかりと実態を把握していく。もちろん、国民生活センターのPIO-NETからの情報もございますが、申出制度を通じて、我々がDPF上の実態をよりしっかりと把握して、取組をブラッシュアップしていくというふうに持っていきたいと考えております。

あと、消費者の方が分かりやすいように、どのようにして示していくのかという御指摘でございますが、これはまだ個人的な一案でしかない部分もございますが、施行後、官民協議会といった場を通じて、法定指針に沿って、どういう形でそれぞれ個者の方々、特にどうしても業界団体に入られている方が中心になろうかと思いますが、どういう取組をされているのかを整理していくことも、それをオープンにすることによって、消費者の方々にも分かりやすくお伝えしていくこともあるかと思います。

あと、おそらく、業界団体でも各社の取組をそのように分かりやすい形でホームページなどに提示していくといった取組もされるのではないかとも思っておりますが、いろいろなルートを通じて消費者の方々の目に触れやすい、あるいは伝わるような形で、自分が買おうとしている事業者、プラットフォームはこういう状況なのだとかそういったことが分かるような形で整えてまいりたいと考えております。

1万円に関する御指摘については、先ほど申し上げたとおりですが、施行後も実情はしっかりと把握しながら、実態に合っていないのではないか、運用の状況がなかなか芳しくないということになりますれば、また必要に応じて見直していくことになろうかと思います。

以上でございます。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

○木村委員 ありがとうございます。

大手のプラットフォームが協議会を作りまして、いろいろとされていることは知っているのですが、そういった取組がなかなか消費者に伝わってこないというジレンマもありますので、是非その辺りを透明化していただくことを消費者庁からもお願いしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

承知いたしました。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 ありがとうございます。

御説明ありがとうございました。

今までの2人の委員の質問と重なっておりますので回答を求めるということではなく、重なりますが、あえて意見として発言させていただきたいと思います。今回の一連の御報告の中で消費者として、消費者団体として一番気になっておりましたのが、内閣府令の第4条の1万円の額のところです。

既に質問しておりますし、丁寧に御説明もいただきました。また、官民協議会設立準備会にも参加しており、どのようなやり取りがされているかは存じておりますので、ここで金額を変更するのはなかなか難しいのかなと思いつつも、消費者の立場としましては、このように下限の金額が定められるというのは、そもそもの消費者の権利にも反するのではないかと思ったりもする次第です。

特に、先ほど慰謝料について委員長からの質問もありましたが、慰謝料となると、司法の関わりがあって初めて決まるものであり、消費者が単純に考えますと、自分が購入した商品の金額が基礎になるであろうと考えます。

その場合、いろいろな相談現場のお話を私が聞いております範囲では、少ないものでは数百円、物にもよりますが、数千円から2,000から3,000円までのものが多いとのことでした。今後、実態に即して見直しを行っていただくというお話を先ほどいただきましたので安心いたしましたが、消費者に分かりやすく、使える制度になりますよう、随時見直しを行っていただければと思います。

やはりどう考えても1万円は、普段私たちが購入する金額では、拡大損害や慰謝料を含めてということではありましたが、常識的には高過ぎるのではないか、という意見です。質問ではありませんので、回答いただかなくても大丈夫です。

あと、今回の法令を含めて、実効性を持つかどうかは、官民協議会がどのように動くかに掛かっているように思います。

今、木村委員もおっしゃいましたように、消費者にとっては、どのデジタルプラットフォーマーが消費者のことを考えてくれているのか、逆に申しますと、悪質なデジタルプラットフォーマー事業者とはどういうものなのかが、消費者に判断できることが一番重要だと思っております。その機能を果たすためには官民協議会の役割が大変大きいと思っておりますので、今、準備会が立ち上がっておりますが、これが実効性を持つ形になるように是非お願いしたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 よろしいですか。

御意見に当たる御発言ということでよろしいですか。

○大石委員 はい。意見ということで御回答いただかなくて大丈夫です。

○後藤委員長 ありがとうございます。

それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。

すみません。冒頭で回線が不安定で一度退出しましたので、説明を全部拝聴できなかったところで、重複があるかもしれませんが、御容赦いただければと思います。

コメントと質問なのですが、先ほどの内閣府令の例えば法第4条関係で、商品等の出品の停止に関する内容がございます。

これは当然、商品等の安全性に関する事項に基づいて出品が停止されることは合理的であり、何ら問題にはならないと思うのですが、ある商品が安全であるかどうかを決めていく基準は、BtoCのCに対する多様性があるので、時にこの安全性に関するみなし方が非常に不安定になるのではないかと感じるところです。

具体的に言いますと、食品の場合は、食品表示法に基づいてその商品の容器に表示することが御承知のとおり、義務付けられています。

一方で、デジタルプラットフォーマーが取り扱うインターネット販売においては、その表示自体が義務化されていなく、あくまで広報的な扱いとなっています。

したがいまして、安全性に関する事項が、他の法令によって縛られないケースがあることが想定されるのではないか。つまり、現状の他の法律と今回の内閣府令との整合を取るためには、埋め合わせなければいけない更なる考慮があるのではないかと、一つの事例として申し上げました。

こういった点に関しては、どのようにお考えでしょうか。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

すみません。恐らく、そのようなケースは関係省庁としっかりと連携していかなくてはいけないという意識を持っております。

DPF提供者でも、製品の安全性に関する様々な取組を各省とそれぞれの法律の枠内でやられているところもあるとも伺っておりますので、当然、安全性に関する問題が出てきたときに、関係省庁が連携して対処していく、官民協議会は正にそういう場なのではないかと思います。

今の準備会の段階でも関わりが深い省庁には御参加いただいていますし、協議会となった場合も参加いただくことを想定しておりますが、更に個別事案において、何か問題になっている製品がありますといったときに、当庁だけでそれを対処していくことは現実的ではないのではないかと思っております。

正直、それぞれの安全に係る法律を我々が全て所管しているわけでもないですし、精通しているものでもありませんので、委員がおっしゃるところの隙間というのでしょうか、個別事案に直面した場合には、しっかりと関係省庁と連携してやっていかなくてはいけないと考えております。

今時点で申し上げられるのはそこまででございますが、そういう意味では、この法律の運用となったときに、当庁だけでやるというよりは、連携してやっていかなくてはいけない、正にそういう例を今、御示唆いただいたかと思います。

ありがとうございます。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

今の件は、食品として事例を挙げました。

これは御承知のとおり、食表課が所掌しておりますので、消費者庁内でのすり合わせという部分を踏まえていくことも極めて重要ではないかと感じました。

ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 御説明ありがとうございます。

ほかの委員からもお話がありましたが、実効性が非常に大事だということで、以前、委員会打合せでも申し上げたかと思いますが、資料4を見ていて、ないようなので、被害が拡大しないという観点はすごく大事だと思います。

例えば相談があった商品や業者について、同様の被害がないかどうかを、その商品を買った方にプッシュ型で通知するのも、メールとかアプリだとすごく容易なのです。リアルでこれを追うのはすごく難しいわけですが、ネットだったら既に購入した方は分かるわけですから、そういったものを調査いただくのは一番簡単にできることだと思います。

あと、問題があった商品、あるいは問題があった商品を販売した業者かどうかが商品のサイトですぐに分かるようにするみたいなことも簡単だと思います。これらを容易にできる取組といったものは、ベストプラクティスというよりも、マストでやっていただいても良いぐらいかと思いますが、そういった実効的な取組、特に消費者側がわざわざ調べたりしなくても済むようなプッシュ型の取組を是非お願いしたいと思います。

以上でございます。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

今、頂いた御意見につきまして、我々もDPF提供者に聞いてみるなど、今の御指摘を踏まえて少し検討させていただきたいと思います。

ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 黒木です。

いつも説明いただきまして、本当に感謝しております。

ということですが、どこまでお答えになられるかもよく分からないのに、少し考えたことを申し上げますと、去年の12月17日付けで消費者庁が消費者安全法38条第1項の規定に基づいて注意喚起をされていて、大変興味深く読ませていただいていたのですが、結局、消費者庁としては販売事業者を把握できないことが書かれている案件でした。

消費者庁でも販売事業者が把握できないということになりますと、これはURLを見るとアマゾンであることは明らかなので、アマゾンなのだろうと思って、その前提で考えていきたいのですが、取引透明化法で規定されているのは日本法人であるアマゾンジャパン合同会社の物販総合オンラインモールに出店している販売事業者であると考えられるわけですが、まず、アマゾンはこのDPFを利用している販売店は、どのような管理を行っているのかについて、この間、いろいろと調査されているのかということについて、お答えできる範囲で。

それから、注意喚起について、アマゾンに対してどこまで調査されたのか。これが日本法人であるアマゾン合同なのか、米国法人なのかということについても、お答えできる範囲で結構ですが、教えていただければと。

結局、消費者庁の気が付く前に、消費者が、このカシミヤは偽物ではないかと思ったときには、DPF取引法に基づく5条の問題になるのだと思うのですが、消費者庁でも分からなかったものについて、消費者が5条で照会したところで、本当にたどり着けるのか。

消費者庁も5条情報でどうなのかということもあると思いますが、どうなのかということと、元旦号で、私の問題意識と同じことを日本経済新聞社が書かれていたので、正にこれはそのまま引用してしまったわけですが、アマゾンでは、登録時には名前、住所、財務情報などいろいろなことを全部登録しているのだと日本経済新聞社の記者に回答しているのを見たと思うのです。このような情報をアマゾンが開示しているのだとすると、消費者庁が結局、相手がどこか分かりませんということが起こってしまったのはどういうことなのだろうと、去年12月の注意喚起と今回の取引DPF消費者保護法との関係でまず疑問に思いました。

お答えできる範囲だけで結構でございますが、ちょうどタイムリーにこういうのが出たので、大変興味を持ってしまったので、御質問です。

まず、以上です。よろしくお願いいたします。

あと、意見もちょっと申しますが、意見はほとんど重なっておりますので、あまり詳しくは言いません。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

事前に先生からメモも頂いておりまして、大変恐縮なのですが、個別事案について、どういう調査をしたなど、その部分につきましては差し控えさせていただきたいと思っております。

ただ、たどり着けるのかと御指摘を頂いておりまして、1条3号関係でございますが、努力義務に基づく法定指針であるという状況の中で、我々といたしましては、本人確認の重要性は法定指針案の中で今、書ける最大限のところを書かせていただいたと考えております。

本法は、共同規制という法律になっていますので、我々も実際にこれがワークするように、DPF提供者にしっかりと取り組んでいただくことを促してまいりたいと思いますし、十分にその認識を持って、DPF提供者でも取り組んでいただけるのではないかと考えているところでございます。

当然、これがワークしないことになれば、また次のことも考えなくてはいけないかもしれませんが、今の状況においては、本人確認にしっかりとたどり着けるだろうというところを規定させていただいたということで御理解いただければと思います。

大変恐縮です。個別の事案については、御容赦いただければと思います。

以上でございます。

○黒木委員 分かりました。ありがとうございます。

大変丁寧にお答えいただきまして、感謝いたしております。

あとは意見です。

この前から同じこと言い続けているので、詳細はあれですが、まず、銀行預金口座は欲しいなというところがあります。

これは弁護士会内での議論とすると、弁護士法の23条の2の照会ができるみたいな話が出てきていることは知っております。

ただ、これはDPF消費者保護法5条とは大分趣旨が違う手続でして、これをやって、まずDPFから弁護士法として開示に向けて、今度はまた銀行にそれを照会しなくてはいけないことになるわけで、これはがっつり弁護士が受任しないと出てこない情報ということですので、本当に先ほどのような消費者庁でもたどり着けなかった販売事業者がいるようなことが去年明らかになっている中で、銀行預金口座は今後も検討していっていただきたいということで、意見です。

ただ、1万円の問題についても意見がありまして、今回の注意喚起でも販売商品の代金は2,399から1,399円なのです。

そうすると、絶対にこれは5条も使えない。カシミヤはうそだったからといって慰謝料といっても、1万円の慰謝料などはなかなか難しいので、こうすると、悪徳事業者は逃げ得ということになってしまうわけです。

だから、このようなことを考えると、この金額も、注意喚起の文言を考えるときには、少しワークしにくいなと去年の事例を分析しても思うところですので、これも検討いただければと思います。

また、次の意見で、指針は、私としては、非常に難しい中で大変まとめていただいているなと思って読んでいますので、基本的には賛成なのですが、プラスアルファの意見を言っておきます。

まず、販売事業者の連絡先の表示の徹底等が機能しているかの確認ですが、このようなことを考えていらっしゃることについては非常に良いと思いますが、このトラブルは、販売を受けてから気が付くまでに一定程度の期間が掛かる可能性があるわけで、せめて3年ぐらいは継続してもらいたいということを指針の中に書き込まれると良いのではないかと思っております。

それから、連絡が機能しない場合の取引デジタルプラットフォーム提供者の対応で、マル1とマル2も非常にすばらしいと思います。

このような場合が起こった場合には、取引DPF提供者の取るべき措置としては、かなり踏み込んで、そもそもそのような当該販売事業者のIDを削除するようなことまで望ましいプラクティスとしては考えていただきたい。多分、これはアマゾンとかはもうしているのではないかと思うのですが、そのようなものをほかのところでもやってもらいたいと思っています。

同じことですが、第2の(2)のハも全く同じで、やはりIDの削除というようなことを考えていっていただくところまで考えてもらえればどうかと思っています。

それから、銀行預金の口座名義が一致しているかどうかということですが、ただ単に銀行預金だけだったら割と簡単に作れます。本店所在地や支店で作るなど、いろいろとできますので、銀行口座を開通した際の資料の提出もDPF事業者に求めたほうが良いと考えてもらったらどうかと思っています。

あと、本件注意喚起は、結局、中国関係ではないかと思われるところが表記されていたわけですが、外国の販売事業者が入っている場合には、一定程度のこういう被害が生じる可能性があるわけで、想定される販売額に関しては、一定程度の供託金とかも考えることも御検討いただければ有り難いと思っています。

最後の指針に関しては、基本、賛成なのですが、ここまでやったらもっとすばらしいと思っているという意見です。

以上です。

ありがとうございます。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

御意見の部分ですが、コメントは、特にあればということですが、いかがでしょうか。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

先生には大変詳細に法定指針の案も目を通していただき、御示唆いただき、ありがとうございます。

ベストプラクティスのところは、基本的には協議会準備会の構成員である事業者の取組をお伺いする中で、こういう取組が是非いろいろなDPFで広がっていってほしいというものを記載させていただいておりますので、そういった視点で御理解いただければと思います。

もちろん、この法定指針の案も、官民協議会の中でまた様々な意見や実態の共有などをする中でブラッシュアップしていく部分は今後も当然あると思いますので、そういった長い目で見ていただければ大変有り難いと思っております。

銀行口座と1万円の部分につきましては、準備会でもいろいろと御議論がありまして、弁護士会照会といったところも、今回、案では口座情報を規定させていただいておりませんが、弁護士会照会が現状よりは何かもう少し機能するような形を業界全体、消費者団体や日弁連、DPF提供者といった皆さん含めて検討していけないかというのが今後の一つの課題になろうかと思っております。もろもろのコメントをありがとうございます。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

こうした消費者を保護するための取引デジタルプラットフォームの法律ができることは、大変心強いことだと思うのですが、先ほど冒頭で清水委員もおっしゃったのですが、ベストプラクティスとか望ましい取組が、消費者側からするとマストプラクティスと考えていますが、このように置き換えると、より事業者の方の緊張感も走るのかなと思いました。ベストプラクティスとされたのは、あまり強制的にしない方が、事業者の方のモチベーションを下がらず良いかなと配慮かなとも感じております。

これは私の意見なのですが、質問が1つだけありまして、フリマのアプリの場合、製造業者とか出品者の方も個人であったり、素人であったりする場合がかなり多いと思うのです。

6ページ目に「エクエル」というサプリの例が挙げられているのですが、説明文の最後に、注意喚起しようということで「製造業者、フリーマーケットサイト、消費者庁それぞれから注意喚起」と書かれているのですが、これはどなたに対して注意喚起ということなのかをお聞きできればと思いました。出品者に対してでしょうか。

この一文がよく分からなかったのです。御説明いただければと思います。

○後藤委員長 お願いします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

すみません。「エクエル」から先のところは聞こえたのですが、回線の状況で前半部分が聞こえにくかったところがあるのですが、正に「エクエル」の部分についてお答えさせていただきますと、この注意喚起は、消費者の方々に対して注意喚起を行っているものでございます。

例えば製造業者ですと、この場合は大塚製薬の商品だったわけですが、これは結局小麦粉だったのですが、アプリはそういったものが売られているので御注意くださいなど、正規のホームページで買うようにしてくださいなど、我々もそういうフリーマーケットでこういう事例がありましたので、この商品について御注意くださいという形で、消費者の方々に対して注意喚起を行ったものでございます。

○生駒委員 であれば、消費者に注意喚起するということで明示されたほうが良いかと思います。

フリーマーケットに関しては、ものすごく複雑ですね。出品者なり、製造業者なりがアマチュアの方と言うか、素人など、決して企業でなかったりする場合も多いので、追い掛けるのがなかなか難しいところもありますし、消費者の苦情をどのように受け止めていくか難しいところがあると思いますが、この法律に関しては、フリーマーケットも含まれていると解釈して良いのですね。

○消費者庁吉田消費者政策課長 今後、消費者に対して注意喚起を行ったところを記載させていただきたいと思います。ありがとうございます。

2点目の御質問なのですが、今回の法律は、いわゆるフリーマーケットを消費者対消費者(CtoC)の取引は対象になってございません。

○生駒委員 なっていない。

○消費者庁吉田消費者政策課長 はい。

今後、その点については、また議論、検討していくことが、成立した際の国会の附帯決議に付されておりますが、まず、現状として申し上げますと、なっていないことが前提としてございます。

ただ、実態として、では、この案件でどうだったのかと申し上げますと、これはフリーマーケットでやっていましたと。当然、売主は、私は事業者ではないですよと言っているというか、フリマで売っているわけですから、そういう立て付けになっている。

ただ、これを通称隠れBと呼んでおりますが、冒頭の説明で、資料5で「販売業者等」に関するガイドラインの御説明は、まだ議論中ですと御説明させていただいたのですが、たとえフリーマーケットで売っていても、営利の意思があり、反復継続してやっていることが認められれば、それは事業性がある、販売業者として認められる場合は、この法律の対象になってくる。実質上B対C、販売業者だと認定できれば、プラットフォームを介して消費者に売っている場合は対象になる。

若干複雑な構造になっておりまして、我々は事業者対消費者の間の取引をつなぐプラットフォームですと言うと、間違いなく全部対象なのですが、個人対個人をつなぐフリーマーケットのプラットフォームですといった場合に、基本的には対象にならないのですが、そこで売っている個人と称している方が、実はすごく事業性高くやって、事業としてやっているという実態が認められれば対象になり得るということで、正に「エクエル」の例は、法律が施行された後は該当するのではないかということで、参考資料として入れさせていただきました。

○生駒委員 今後、フリーマーケットに関しても、何らかそういう法制度と言いますか、法的な整備をしていく御予定はあるのでしょうか。

○消費者庁吉田消費者政策課長 それは今後の検討課題となっています。

被害の状況とかそういったことも含めまして、今後の検討事項の一つということでございます。現時点でどうということではありません。

○生駒委員 CtoCはすごく普及しておりますので、全部を個人の責任ですよと言われてしまうのはどうかとも思いますので、何らか法整備に向けて御検討いただけることは有意義かなと思っております。

意見ですが、お願いいたします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 先ほどの黒木委員の意見の関連なのですが、悪質業者は処分、注意喚起していくしかないと思っているのですが、それは既にある、私たち相談員が一番頼りにしている法律ですが、特商法の部分でやっていけるのではないかと思っています。

そこで質問なのですが、この場に適しているかどうか分かりませんが、新プラ法では処分は難しいと思います。令和3年の改正特商法では、法69条の3で、越境の執行協力が追加されています。海外の例えば先ほどのアメリカの大手プラットフォーマーの事案、アメリカの大手プラットフォーマーに対して、アメリカの消費者庁のような執行当局が情報提供を求めることができる、越境の執行協力ができると期待しても良いと考えればよろしいでしょうか。

お願いします。

○消費者庁吉田消費者政策課長 確認させていただけると。

○清水委員 相手が分からなければ処分ができないのですが、例えばそのように外国に求めて情報を得るみたいなことは期待できるのでしょうか。

○消費者庁吉田消費者政策課長 すみません。

ここであやふやにお答えするのも適切でないかと思いますので、大変恐縮ですが、担当課と確認しまして、また回答させていただきたいと思います。

大変申し訳ございません。

○清水委員 いいえ。

取引対策課ですね。失礼しました。

○後藤委員長 飯島委員、よろしくお願いします。

○飯島委員 飯島でございます。

御説明いただきまして、ありがとうございました。

細かいところで恐縮ですが、1点のみ質問がございます。

内閣府令の7条ですが、法7条3項の委任を受けて定められた規定でございますが、その中で法7条3項は、他の構成員から要請があった場合、その他の内閣府令で定める場合とございますが、内閣府令では「その他の」というところは定めずに、まずは構成員からの要請という場合に限って、ここからスタートして、今後の可能性を考えるというお考えなのか、それとも、多分、私の誤解もあるかと思いますので、教授いただけますと幸いでございます。

よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁消費者政策課片岡企画官 御質問ありがとうございます。

今の御指摘は、正に言っていただいたとおりでございまして、府令の第7条でございますが、ひとまず、今回のパブコメに掛けさせていただいたものといたしましては、法に規定しているとおりに御提示させていただいておりまして、正に今、御指摘があったかと思いますが、今後、何らか定める必要とかがあれば、その際にまた再度検討することになるかと思います。

ありがとうございます。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

どうもありがとうございます。

ほかに御意見、御質問はございますか。

それでは、以上にさせていただきます。

熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

デジタルプラットフォームでの取引において、危険な商品や偽造品の流通など、多様な消費者トラブルが発生しています。消費者が安全・安心にデジタルプラットフォームにおいて取引を行うためには、本法及び関係政省令等が適切に運用されることが重要だと考えます。

まず、指針案においては、法第3条第1項各号について「基本的な取組」と「望ましい取組の例」が区別されていますが、取引DPFにおいて講ずるよう努めなければならない措置が明確になるよう、「基本的な取組」の記載をできましたら、「求められる」という表現で統一し、そして充実させていただきたいと思います。

また、法第3条第2項における講じた措置の概要等の開示は、消費者が適切に取引DPFを評価・選択することができるようにする上で重要ですが、現時点ではその具体的な在り方がまだ明らかではないと思われます。消費者にとって分かりやすい方法での開示を求める工夫の検討をお願いしたいと思います。

それに加えまして、法令等の実行性確保の観点からは、指針で示された取組が取引DPFにおいて適切に実施されることが必要でありますので、その取組状況についてモニタリングが必要ではないかと考えます。業界団体の取組を促すとともに、官民協議会も活用して、モニタリング実施の手法及びその結果を消費者に分かりやすく開示する方法を検討していただきたいと思います。

今後、官民協議会準備会において「販売事業者等」に係るガイドラインの内容について議論されるとのことですが、本来のCtoC取引といわゆる隠れBによる取引を区別するためにも重要でありますので、消費者利益に資するガイドラインとなるように、十分に検討を行っていただくことを期待しております。

消費者委員会として引き続き取組状況を注視し、調査審議を行ってまいります。

消費者庁におかれましては、本日は、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

○消費者庁吉田消費者政策課長 ありがとうございます。

御指摘の点をしっかりと受け止めさせていただきます。


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に、事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も大変御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)