第360回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2021年12月2日(木)10:00~12:07

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 赤池内閣府副大臣、宮路内閣府大臣政務官
  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長、受田委員長代理
    (テレビ会議)飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長
    消費者庁小堀地方協力課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 赤池内閣府副大臣、宮路内閣府大臣政務官御挨拶
  3. 通信分野の消費者保護について(消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021に係るヒアリング)
  4. 消費者基本計画の検証・評価・監視(消費生活相談等の消費者行政のデジタル化)
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから第360回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私と受田委員長代理が会議室にて出席、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムで御出席です。

青木委員は御欠席です。


《2.赤池内閣府副大臣、宮路内閣府大臣政務官御挨拶》

○後藤委員長 本日は大変お忙しい中、赤池内閣府副大臣、宮路内閣府大臣政務官に御出席いただいております。

まず初めに、赤池副大臣より御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○赤池内閣府副大臣 おはようございます。

この度、内閣府副大臣として消費者行政を担当することになりました、赤池誠章と申します。

若宮大臣を補佐し、消費者行政が直面する諸課題にしっかり取り組んでまいりたいと存じます。消費生活の安定及び向上を、しっかり消費者委員会の先生方とともに、確保してまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

本日は、通信分野における消費者保護と消費者行政のデジタル化について御議論をいただくと承知しております。

消費者行政においては、コロナ禍やデジタル化の進展に伴う新たな消費者問題。例えば、在宅時間の増加による利用が拡大したインターネット通販におけるトラブルや、SNSなどのデジタルサービスが起点となるトラブルなどへの対応をはじめとして、来年4月には、御承知のとおり、成年年齢引下げがございます。それに向けた普及啓発、消費者教育の更なる推進、そして、消費者庁をはじめ、消費者委員会一体となって消費者志向経営の推進など、消費者と事業者との連携協力の拡大など、多くの課題があると認識しております。

委員の皆様方におかれましては、消費者問題に関する豊富な御見識を基に御議論をいただき、これらの課題解決に向けた忌たんのない御意見を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

続きまして、宮路政務官より御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○宮路内閣府大臣政務官 委員の皆様、おはようございます。

この度、内閣府大臣政務官として消費者行政を担当することになりました。宮路拓馬です。

赤池副大臣とともに若宮大臣をしっかりお支えし、消費者行政を着実に推進してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

委員の皆様におかれましては、様々な消費者問題について活発に御議論をいただき、政府の消費者行政に対して率直な御意見を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

消費者委員会といたしましては、赤池副大臣、宮路政務官のお力添えをいただきながら、今後もより充実した調査審議を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

赤池副大臣、宮路政務官は御公務がございますので、ここで御退席をされます。本日はお忙しいところ、誠にありがとうございました。

(赤池内閣府副大臣、宮路内閣府大臣政務官 退室)

《3.通信分野の消費者保護について(消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021に係るヒアリング)》

○後藤委員長 それでは、開催に当たり、配布資料について事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。お手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 最初の議題は、総務省の消費者保護ルールの在り方に関する検討会における、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」、同報告書を受けた省令案等の改正に向けた取組状況に関してヒアリングを実施いたします。

本報告書は、昨年来の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等の社会全体の環境変化を踏まえ、電気通信サービス分野に係る電話勧誘における課題、ウィズコロナの時代における利用者対応の在り方等の課題について検討し、本年9月に取りまとめられております。

本日は、総務省より同報告書の概要、特に報告書、第2章「1ポツ電話勧誘における課題」を受けた取組について、さらに、省令案等の改正に向けた取組状況等をお伺いし、意見交換をいたします。

さて、ヒアリングの前に、木村委員は総務省の「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」の構成員も務められ、その報告書の取りまとめにも関与されたと承知しております。

このように、他の審議会等において検討されている事項について、消費者委員会にて調査審議を行う場合において、その審議会等の委員を兼務している委員がいらっしゃる場合、当該他の審議会等において検討されている事項について、消費者委員会として別途意見や答申の決定を行う場合においては、案件にもよりますけれども、基本的には当委員会における議決から外れていただくことが適切ではないかと考えます。

他方、消費者委員会として、別途意見や答申の決定を行うことを予定していない場合等においては、当該他の審議会等の委員としての立場も踏まえて、その議論の様子等についてコメントをいただくことは大変貴重と考えられます。

本日につきましては、消費者委員会として意見や答申を決定する予定はございませんので、木村委員には、本日の会議にも御参加いただき、検討会構成員という立場も踏まえて御意見を頂戴したいと思っておりますが、問題ございませんでしょうか。

委員の方々いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○後藤委員長 ありがとうございます。

なお、消費者委員会として別途意見や答申の決定を行う場合は、その都度諮らせていただきます。

本日は、御説明者として総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第一課片桐課長にテレビ会議システムにて御出席をいただいております。本日は、ありがとうございます。

それでは、15分程度で御説明いただくよう、よろしくお願いいたします。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 ただいま御紹介に預かりました、総務省消費者行政第一課長の片桐でございます。

今日は、このような貴重な場を頂きまして、どうもありがとうございます。まずは御礼申し上げたいと思います。

それでは、時間も限られておりますので、早速、御説明を差し上げたいと思います。

資料の右肩3ページを御覧ください。今回の検討会の経緯でございますが、消費者保護ルールの在り方に関する検討会を、昨年の6月から立ち上げまして、右下の検討課題について検討してきたところでございます。

その検討が今年の9月に取りまとまり報告書となったことから、これについて御報告するとともに、この内容を踏まえまして、今、省令等の制度改正案について情報通信行政・郵政行政審議会の電気通信事業部会に諮問しておりまして、制度化に向けた取組を進めているところでございます。

本日は時間もないので、右側の「今般の検討課題」と書いてあるもののうち、この赤枠で囲った部分に絞って御説明をさせていただければと考えてございます。

では、右肩4ページを御覧ください。電話勧誘における課題ということでございます。

左側の円グラフを御覧いただきたいのですけれども、こちらは2020年度のFTTHサービスに係る苦情相談について、その要因となったチャネル等をまとめたものでございます。

これを御覧になっていただくと、半分ぐらいは電話勧誘に関するものでございまして、こういった傾向はずっと続いているところでございます。

どういった苦情相談が寄せられているかにつきましては、この吹き出しにありますように、多くのものは、「勧められて事業者等を乗換え」ということでトラブルになってございます。具体的には、光回線の料金が安くなると電話勧誘を受けて契約をしたのだけれども、実際には料金が高くなっていると。また、大手通信事業者を名乗って、光回線料金が安くなるとの電話勧誘があり承諾したけれども、事実と違う、というものがございます。

また、「3ポツ通信料金の支払(心当たりのない請求等)」の具体例、勝手にオプションを付けられたであるなど、あとは契約するつもりではないのに、なぜか契約書になっていたと、こういった苦情も寄せられているところでございます。

下の表を御覧いただければと思うのですが、こちらは、「PIO-NETに見る2019年度の消費生活相談の概要」から抜粋したものでございます。

やはり電話勧誘販売というのは、非常にトラブルが多い販売方法でございますが、その中でも右にありますように、インターネット接続回線に係る苦情相談というのが33.7パーセント、2位の商品一般に比べて5倍弱ほどの非常に大きな苦情相談のきっかけになっているということが見て取れるかと思います。

このような状況を踏まえまして、右肩5ページを御覧ください。

検討会で議論をしまして、やはり電気通信サービスというのはそもそも目に見えないですし、非常に難しい商材かと思うのですけれども、それを電話、口頭だけで説明するという非常に高度なテクニックを要するという問題に加えまして、業界団体にも属さない、かつ、遵法意識もあまり高くない、我々、「アウトサイダー」と呼称しているのですけれども、そういった方々によるトラブルも少なくないといったことを踏まえ、これまで業界団体にしっかりと向き合って対応していただいたのですけれども、なかなか、こういった苦情相談が大きく減るというところまでには至っておりませんでした。

したがいまして、こういった自主的な取組の実施だけでは、対処に限界があるということで抜本的な改善を図るために、更なる制度的措置を講じて不適切な行為を抑止することが適当としたものでございます。

何が更なる制度措置として考えられるかというと、規制の強度が高いものから、不招請勧誘の禁止、Do Not Call制度の導入、要式契約化、最も軽いものとして、説明書面を交付の上で契約前に提供条件の説明を行うことの義務化というのがあります。

やはり、制約はなるべく少なくしたほうが良いといった原則ございますので、かつ、この(エ)だけでもかなり十分対応できるのではないかと考えております。

したがいまして、まずは、この(エ)を義務化しまして、もしこれで十分な効果が得られないということであれば、更に強い措置を検討するといったことが適当ではないかと考えているところでございます。

この(エ)書面を交付して契約前の提供条件の説明を行うことの義務化ですけれども、「利用者が電話による方法を求めた場合」は当然除かれてしかるべきかと思っているのですけれども、これがどういった場合に認められるのかが重要かと思っています。

これは、あくまでも、下の吹き出しにありますように、電気通信事業者等が「書面交付」「電話による方法」の2つ提示した上で、消費者が「電話による方法」がいいよと言った場合に限られ、かつ、その消費者が「電話による説明」を求める理由が、脱法的なものであってはいけません。

したがいまして、例えば、「今この場で申し込んだら安くしますよ」といった、書面交付を求めないことを条件とした利益提供や電気通信事業者等が誘導したことを理由として、消費者が「電話による方法」を求めたとは認められないとしたところでございます。

以上が電話勧誘の課題に関してございまして、続いて、右肩6ページを御覧ください。

ウィズコロナにおける利用者対応の在り方ということで、このコロナの中で、苦情を見てみますと、一番多いのは、「解約の条件・方法」ということで、どういったものがあるかというと、例えば、携帯電話を解約したいので店舗に出向いたのだけれども、コロナの影響で、5月上旬まで店舗では解約ができないと言われた、というものが苦情の多くを占めていたというところでございます。

では、右肩7ページを御覧ください。

また、発生要因別で見てみますと、「電話応答(繋がりにくい等)」、契約解除がすぐにできないといった苦情、これが非常に多くなったというところでございます。

これを踏まえまして8ページを御覧ください。

今回、検討会としては解約に絞って議論をいたしました。やはり解約は、契約の締結と同様に電気通信サービスの利用に係る消費者の重要な意思決定でございます。したがいまして、利用者の解約手続というのは、これは契約手続と同様に、円滑に実施できるようにしなければなりません。先ほど申しましたように、そういったことが必ずしも確保されていないということを踏まえますと、やはり事業者は特段の合理的な事情がある場合を除いて、利用者が遅滞なく解約できるようにするための適切な措置を講じなければならないといったことを義務化することが適当でないかとされたところでございます。

では、何が適切な措置かということでございますが、例えば、ウェブ上で解約できるようにするということが望ましいのではないかとされております。

9ページを御覧ください。こちらは、期間拘束契約について、でございます。

期間拘束に関しては、やはり利用者が契約から離脱したいと考えても、高額な違約金の存在により契約できなくてトラブルになるといったケースが生じているところでございます。

これを踏まえて10ページ目を御覧ください。

期間拘束について、まず、基本的な考え方としましては、ビジネスモデルの1つとして期間拘束契約自体を否定するというものではないのだけれども、ただ、やはり利用者利益の確保のためには、その拘束期間ないしは違約金の額に一定の制約を設ける必要があるのではないかとされたところでございます。

この拘束期間でございますけれども、今回、必ずしも十分な議論ができなかったこともありまして、拘束期間の制約をルール化する妥当な基準というところまでは導き出すことはできませんでした。

ただ、消費者保護の観点からは、24か月以内にすることが望ましいのではないかという提言を頂いているところでございます。

一方、違約金の額でございます。違約金の額については、特商法等の例などを参考にしますと、その上限は1か月分の利用料相当額が良いのではないかとされたところでございます。

一方、固定のインターネットのサービスでございますと、サービス提供に当たって工事費などが発生します。

さすがにこれを全く取れなくするというのは事業者にとって酷でございますので、こういったものについては、違約金とは別個に求償できることとすることに一定の合理性が認められます。ただ、あまり解約時に高額な工事費などを請求することになりますと、スイッチングの円滑化の観点で非常に問題があります。

したがいまして、その観点も踏まえて求償できる合理的な範囲をルール化することが適当ではないかとされたところでございます。

続いて11ページ目でございます。

こちらは、苦情相談の処理の在り方ということで、苦情相談については、件数の増加を受けまして、業界団体で、既に相談窓口を運用して、消費者の苦情相談を受け付けているところでございます。一定の効果はあるものの、これでは不足しているのではないかといった声がございます。

12ページを御覧ください。

消費者団体の方からは、電気通信サービスは非常に難しいサービスなので、これに関して専門性を有して、かつ、苦情相談の受付以上の対応を行う、例えば、ADR機関のようなものを設置することが必要ではないかと、こういったお声を頂きました。

また、今後、5GやIoTなど、こういった先進的なサービスがどんどん消費者に浸透していきますと、電気通信サービスの利用というのが分野をまたいで、更に広がっていくということが見込まれます。そうなりますと、トラブルも更に多様化、複雑化すると考えられますので、こうしたトラブルに適切に対処するためにも、関係する事業者を適切に整理するなど、問題の切り分け行うことが重要になるのではないかということでございます。

これを踏まえて、検討会としましては、苦情相談の処理の在り方について検討するタスクフォースを設置して、来年の夏を目途に一定の結論を得ることが必要とされたところでございます。

このタスクフォースについては、既に設置をされておりまして、今、検討を鋭意進めているところでございます。

では、13ページを御覧ください。販売代理店でございます。

これは、携帯電話の販売代理店をイメージしておりまして、モバイル市場のうち、特にMNO、いわゆる大手携帯電話事業者のサービスの過半数の契約場所は、キャリアショップでございます。

一部において、このキャリアショップというのは、販売代理店が運営しているという形になってございます。

このため、この販売代理店において適切な営業が行われるということが、消費者保護の観点からは極めて重要になるわけでございますけれども、一方で、携帯電話事業者との間の委託契約に起因して、不適切な営業が行われているのではないかという指摘があったところでございます。

これを踏まえて、14ページ目を御覧ください。

総務省で調査を3つほどさせていただきました。1つ目は、キャリアショップ店員へのアンケート調査。

2つ目は、電気通信事業法では、キャリアが今のプランの販売方法を取る限りにおいては、端末を単体で販売しなければいけない形になっているのですけれども、それをしっかり遵守しているかどうかの覆面調査。

3つ目として、裏付けを取るために代理店、オーナーへの覆面的なインタビュー調査をさせていただきました。

この結果、特にマル1のキャリアショップ店員へのアンケート調査で、4割強の店員が、ニーズ等を丁寧に確認しないで、高額な上位プランを勧誘したことがあると回答しまして、その4割強が、各キャリアの営業目標をその理由として挙げたところです。

こういったこともありまして、これに対してはしっかりと向き合わなければいないということで、15ページを御覧ください。

このMNOと販売代理店との間の契約については、それがBtoBの委託契約であったとしても、法令違反を助長し得る場合は、業務改善命令の対象となり得るといったことをガイドラインにおいて明確化することが適当だということとされました。

特に、高額プランの獲得率を評価する指標等については、これは明確な違反類型として特定する必要があるのではないかとされたものでございます。

また、委託手数料は常時変わっていくのでございますし、様々な要素が複合的に作用しておりますので、通報窓口等の設置や実態調査の実施などを通じて、一定期間、継続的にモニタリングすることが適切ではないかといったことも併せて提言されました。さらに、その際は、公正取引委員会や消費者庁と緊密に連携することが適当とされたところでございます。

以上が、駆け足でございますが、報告書の内容でございまして、右肩17のページ目以降が、これを踏まえた制度改正案について、でございます。

ざっと申し上げますと、まず17ページ、これが電話勧誘関係でございまして、ここは基本的には、先ほど申し上げた内容を条文化したものでございます。

18ページ目が、利用者が遅滞なく解約できるようにするための措置でございまして、ポイントを挙げるとすれば、右の「規定の趣旨」の3つ目の一番下の箱でございます。

「遅滞なく解約できるようにするための適切な措置」としては、基本的にはウェブで解約できるようにするということを想定しております。ただ、それ以外にも、例えば、オペレーターを十分に配置して電話により遅滞なく解約できるようにすることや、解約の予約を行うことといったことも考えられます。

19ページ目以降が、期間拘束契約に係る違約金の制限でございまして、この規定では、解約時に請求できるものを、(イ)から(ト)までに限定列挙してございます。

ポイントは2点ございます。1点目は、19ページの一番下の右の箱なのですけれども、「一月当たりの料金」としては、期間限定割引は考慮しませんが、契約期間を通して適用されるようなセット割や学割は考慮するということです。

2点目は、20ページを御覧ください。ここは工事費について請求できる範囲を書いてございます。

先ほど申しましたように、解約時に撤去工事費も含めて工事費を一括請求しますと、これは乗換えに大きな支障になります。

したがいまして、請求できる範囲を、撤去費を含めて、解約期間に応じて低減する形に設定しました。

したがいまして、例えば24か月契約の契約をしている場合、25か月目以降は、工事費は請求できないということになります。

以上が契約期間の関係でございまして、最後、24ページ目だけ簡単に御説明させてください。

施行時期でございます。このような制度については、事業者側でシステム整備等に一定の時間を要するということがございますので、準備期間を考慮しまして、施行は来年の7月1日ということを想定してございます。

また、違約金の上限規制については、既にある契約を更新する契約については、当分の間、適用しないとしております。

これは何故かと言いますと、今回、恐らく違約金の上限規制を入れることで、料金のリバランスが行われて、事業者によっては値上げをする可能性があると思っています。

したがって、事業者がどのような動きをするか分からない段階で、そのまま規制を適用してしまいますと、利用者に思わぬ不利益があるかもしれないと思ったところでございます。このため、まずは施行の状況を見て、その上で、この新しい規制を既存契約の更新契約にも適用する時期について、改めて検討してまいりたいと考えたところでございます。

次のページ以降は、この省令と併せて改正する告示とガイドラインの修正案でございます。

非常に雑ぱくでございますけれども、私からの説明は、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いしたいと思います。時間は35から40分程度でお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。

すでに詰めてある議論なので、本当にこれが徹底されることを望みます。しかしながら、相談の現場では、電話勧誘における課題というのは、もうここ10年来、相談は高止まりということです。商品性の特性から、安い、早い、サクサクという言葉に消費者は弱いですから、電話で一方的に言われると、特に高齢者などは、もう断れないというのは、本当に悩ましいと思っています。

この部分は、幾ら啓発、教育をしても、どんどん進化していく技術に消費者がついていけないという事情もあります。スライド5のところ、更なる制度的措置として考えられる選択肢のところですが、まずは、4からということなのですがけれども、やはりどうしても毎日、高齢者から若い方から高齢者までの相談を聞いている相談員としては、是非とも不招請勧誘の禁止、もうこれしかないと思っています。状況を見てということだと思いますが、もちろんこのエの部分が徹底して、相談が減ってくるということがあれば良いのですけれども、私としては、不招請勧誘の禁止を望んでいます。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

いかがでしょうか、総務省から何かございますか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 そこは、やはり、まずは費用対効果の問題かなと思っていまして、現時点では、この(エ)でかなり改善できると踏んでおります。

と言いますのも、やはり、今、清水様がおっしゃったとおり、電話で一方的にまくし立てられるから分からないということで、視覚的な情報があれば、かなり防げるのではないかと考えます。

また、実際の運用として想定されるのが、最初に「勧誘しても良いですか」と言って、「興味があれば書類を送ります」と。それで、書類が届いたら、また電話が掛かってきて、「書類を御覧になりましたか」「これは、こうこうこうです」ということになろうかと思うので、そうなると、冷静に判断する期間というのもできますし、高齢者の方がよく分からないから家族の方に聞くといったことも可能になると思いますので、そういったところも合わせますと、(エ)でうまくいくのではないかなと思ってございます。

ただ、これがもしうまくいかないとすれば、徐々にレベルを上げるということも必要かと思いますけれども、ただ、不招請勧誘で申しますと、諸外国の例を見ても、電気通信サービスのみでやっている例というのはございません。

したがいまして、これをやるとすれば、やはり政府一丸となってやる必要があるのかなと考えてございます。

以上でございます。

○清水委員 ありがとうございます。

本当にそのとおりだと思います。電気通信だけではなく、私は全ての電話勧誘の不招請勧誘の禁止だと思っています。が、やはり「勧誘します」と、現場の販売の担当者は言わないものですから、そこをどういうふうに言っていくか、そして代理店制度になっていますので、当然、契約元の会社が2次代理店、3次代理店、4次代理店に勧誘方法を聞いても、当然「説明しています」しか上がってこないのです。ここは丁寧に、これからヒアリング等をしていく必要があります。代理店制度を否定するものではないですが、どうしても構造的なビジネスモデルからで起こり得る苦情というのは減らないような気がしています。よろしくお願いします。

ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。御説明いただきましてありがとうございました。

今の点、電話勧誘における課題、5ページの(エ)の義務化につきまして、義務履行確保の在り方はなかなか難しいのではないかと思い、質問がございます。

やはり電話ですので、密室であるということもありますし、また業界団体だけではなく、いわゆるアウトサイダーという問題を御認識されているということですと、立証責任の問題など、そういうことも関わってくるのかと思いました。

あと、これは、後で出てきました苦情相談の処理とリンクさせて制度設計をされるのでしょうか。もしそうだとしますと、苦情相談は、個別の事業者を超えて業界として対応するという観点からのアプローチのようにも思いまして、このアウトサイダーを捉え切ることができるのかということも含めて、今、御検討されていることをお教えいただけますと幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 御質問ありがとうございます。

まず、1点目、立証の関係でございますけれども、こういったことに違反した事業者に対して何ができるかというと、電気通信事業法は業法でございますので、私どもが業務改善命令を行うということで確保するということになります。

その際、5ページの吹き出しの一番下のポツを御覧いただきたいのですけれども、万一、事業者と消費者の間で認識のそごが生じた場合については、これは、あくまでも原則は書面で、例外的な場合が「消費者が積極的に求めた」ということでございますので、立証責任は事業者側にあると思っております。

事業者側で明確に説明ができない限り、我々が業務改善命令等を行う判断材料としては、消費者からそういった求めなかったと見なして対応すると思っています。

ですので、こういうことにならないように、基本的に事業者はしっかり電話録音をしていることが前提かと思っています。電話録音さえしてれば、こちらも客観的に状況を知ることができると思っているところでございます。

2点目の苦情相談とのリンクなのですけれども、ここは、実は今、あまりリンクを考えておりません。と言いますのも、やはりこの苦情相談処理体制というのは、善意の事業者と善意の利用者との間で、何かミスコミュニケーションがあった場合に、どちらがどれだけ危険負担をすべきかといった話だと思ってございます。

そもそも、だます気満々の事業者については、このような場を設定としたとしても出てこないと思われます。このため、遵法意識の低い事業者と消費者との間のトラブルを解決する場としてはうまく機能しないと考えております。

むしろ私ども総務省が、今以上に積極的に執行を強化していくということに尽きるのかなと思っている次第でございます。

お答えになっていますでしょうか。

○飯島委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

私も中で、いろいろ議論をさせていただいて、改めて見て、いろいろと、まだあるなと思いながら説明を伺っておりました。

やはり電話勧誘の件なのですけれども、先日、主婦連合会から、総務省、それから消費者庁、そして消費者委員会に意見書ということでお出ししたのですけれども、やはり今回4番目ということで、まずはというところから始めるというところなのですけれども、やはり状況を見て、これで、もちろん被害が少なくなれば良いのですけれども、そこは柔軟にこれから対応していただければなと思っております。

先ほど飯島委員からの御質問のお答えでありましたように、やはり私、ここでポイントなのは、立証責任が事業者であるということが、大変今回良かったなと思っているところです。

もう一つは、相談関係のことなのですけれども、ADRの設置、今、タスクフォースが作られて、今、議論されている最中なのですけれども、やはり消費者にどのように情報を還元するかということも含めて、相談体制を強化していただきたいと思っております。

例えば、他の業界、例を申し上げますと、保険業界などでは、そういうADR機関が年に数回、行政や消費者団体などに報告をするということもありますので、そういったいろいろな情報を還流できるような、そういった仕組みになっていただければ良いなと考えております。

最後になりますけれども、今回の報告書で、あまり明確ではないのですけれども、解約というところです。

これは、今後の検討になると思うのですけれども、やはり解約についても消費者が不利益にならないように検討していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上です。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 どうも御質問、御意見ありがとうございました。

基本的に、電気通信事業というのは、非常に変化が激しい分野でございまして、私どもでも、ルールは非常に柔軟に見直してございます。電気通信事業法も、毎年のように改正したりしておりますので、何かありましたら柔軟に、適切に、速やかに改正をしてまいりたいと思いますので、引き続き、御指導をよろしくお願いします。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 大変充実した資料を送っていただきました。150ページもあったので。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 すみません。

○黒木委員 いえいえ、すごい勉強になりました。

それで勉強させていただいて、いろいろと考えたことを、昨日ペーパーを作って送りました。まず、資料4ページのグラフは、電気通信分野に係る消費者保護の取組についての令和3年8月総務省の、「2020年消費者保護ルールの実施状況モニタリング結果」の17ページのうち、FTTHの部分を切り取ったものだと思っています。モニタリング結果を見ると、MNOやMVNOなどに比べて、やはりFTTHについては、電話勧誘に非常に問題があるというのが、3つのグラフを見させていただいた上で、すごく感じたことです。なぜ、FTTHの電話勧誘に問題が多いのかということを、いろいろ勉強させてもらうと、第1にFTTHというのは、工事費が掛かる。そのため、工事費の負担感を消費者に与えないようにするために、いろんなセット販売、例えば、無線LANやプロバイダーサービスなど、他チャンネルサービス、そういったセット販売があって、それを利用して割安感を与えながら、一定期間の解約制限や期間前解約金などを取るということが、そもそもビジネスモデルとしてあるということ。第2に、それに高度に技術的かつ専門的なサービスが提供されており、しかも利用者が通信端末機などを自宅に置かなくてはならないこと。これらの要因があるので、事業者に顧客の囲い込みに対する強いインセンティブが働く取引であろうと思っています。

第3に、FTTHサービスの提供形態についても、自己設置、接続、卸電話通信役務という事業形態が、今、あるということです。このため、光回線では、サービス提供の卸売、代理、取次ぎという異なる形態があって、このため、販売関係の相違が、そもそも利用者には分かりづらいという問題があると思います。

第4に、販売が多段階的で、電気通信事業者の抑えが効かないため、現場の行き過ぎた勧誘が行われていると考えています。

しかも、FTTHでインターネットサービスを利用するためには、ISP事業者との回線と、回線事業者等が必要となって、窓口が複数になっているために、契約全体をどの事業者が管理しているかということが、利用者から分かりづらいというようなこともある。

第5に、電話勧誘では、ISPの変更、もし乗り換えるときに手続が必要になって、メールアドレスの変更が必要になるなど、電話番号、工事費がまた必要になるということ、事業形態の変更では回線の工事が必要な場合と不要な場合があるといったような複雑な場合があるようであると理解しています。

このように、これだけのことが、同時に生じていることについて、まず、私のこの理解が正しいかどうか教えていただきたいのです。そして、仮にそのような非常に複雑な契約を、後で文書を送りますという形で勧誘され、仮に後に送られてきた文書を理解するというのは、なかなか難しいと思うのです。

したがって、最低でも、要式契約化をして、この事業者と契約するとどのようになるのかというのを、総務省で、今のようないろんな論点が、場合、場合の枝分かれが山のようにあるのだと思うのです、これを例えば、乗換えをするとしたら、その枝分かれが一体どうなっているのかということが、消費者に分からないと駄目だということになると思うのです。従って、(エ)だけでは足りず、(ウ)の要式契約化を必要ではないかと、そして、どういうような契約なのかということが、利用者もちゃんと分かるようなひな形などを、総務省でも考えていただきたいということです。今申し上げたように、複数の場合分けがあるわけで、そのような場合分けを理解した上で契約をすべきだと考えています。今回の資料を読んで、私も自分の家に入れているFTTHは何なのかということを、これを勉強させていただきましたけれども、それまでは本当に分からなかったというのが、率直な感想です。だから、(ア)ないし(ウ)までいったほうが良いのではないかと、私は思っています。(エ)説明書面を交付の上で契約前の提供条件の説明の義務化で、果たしてFTTHにおける電話勧誘のトラブル防止として十分か。これについての御意見を頂きたいというのが1つ。

それからもう一つ、ここから先は、趣味的な話になりますけれども、電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドラインの改定案というのを読ませていただきました。16ページのところですけれども、適用範囲の法人と個人の契約についてです。権利能力なき社団は、法人だということなのですけれども、消費者契約法上は、大学の運動部については、消費者契約の該当性が認められています(東京地判H23.11.17判時2150号45頁)。

そこと、この解釈を電気通信事業法で取らない、しかも、今度は、17ページでは、「個人を相手方とする契約であって、専ら当該個人の営業として締結される契約については、個人名義で契約行為を行う者は、たとえ営業目的または事業目的で契約する場合であっても、交渉力及び情報量において基本的には一般の消費者と変わらないと考えられ、原則として一般消費者と同様に取り扱うことが適当だ」とされているのですけれども、そう考えると、最初の権利能力なき社団や法人であったとしても、いわゆる一人法人というか、節税のための法人のような場合と、何か違いはどこにあるのだろうというのを思っていまして、この辺り、消費者契約法の考え方と、電気通信事業法の個人と法人の考え方が違うような感じがあるので、そこについて教えていただきたいということ。

3つ目は、今回と関係ないのですけれども、ガイドラインの改正案の中に入っている改正ではないところなのですけれども、第3章第2節10の経済上の提供に関する事項の第2項第4号について、いわゆるキャッシュバックのことについて、囲い込みの中で書いてありますけれども、今、非常に通信と、しかも決済手段など融合してきているので、○○ペイ、例えば、僕はauなのですけれども、auペイなど、そういうのがあって、キャッシュバックがauペイによって、デジタルキャッシュとして使われるのですね。そういうふうになっているということをどのように、今後、総務省として、これは資金決済法だと金融庁という話なのですけれども、この辺りのところを今後考えていく必要があるのではないかと、これは意見です。

以上です。すみません、時間を取りまして、ありがとうございます。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 ありがとうございます。

まず、1点目なのですけれども、ここは、総務省として必ずしも精緻に調べてはいないかと思うのですけれども、私の感触で申しますと、何でFTTHは電話勧誘が多いかというと、その成り立ちによっているのかと思います。

例えば、携帯電話でありますと、ショップでかなり販売されていますので、ショップで契約するというのが、皆さんの頭の中の整理になっているのかなと思います。

一方、FTTHですと、もともと提供エリアがかなり限られておりまして、あるエリアではオーケーだけれども、あるエリアは駄目だということでございました。

そうしますと、それぞれ、例えば、マンションなどに訪問して営業するか、あるいは東京エリアでは東京エリアみたいな形で、電話で勧誘するということが、多分、費用対効果の面で非常に優れていたということで、こういった電話勧誘が多くなったのかなと思ってございます。

電話であれば、電気通信サービス自体が消費者にとって口頭で理解することが非常に難しいサービスでございますので、苦情相談は必然的に増えてしまうということかなと思いますので、恐らく、営業形態として、いろいろな要因、今、私が申し上げたような要因で、たまたまFTTHは、電話での勧誘が多くなり、したがって、電話での勧誘が多くなったので、電話での苦情が非常に伸びたということなのかなと思ってございます。

次に、最低でも要式契約化ということでございますけれども、やはり要式契約にすると、それもまた問題もあって、例えば、非常に簡単な契約で、誤解がないようなもので、すぐに替えたいという場合があったりします。例えば、今月、急にたくさんギガを使うようになって、あと、残り1ギガもないので、今、すぐギガの上限を上げてほしいという変更契約の場合、これを要式契約ということになりますと、場合によっては、数日のタイムラグが生じることになりますので、それはそれで消費者に迷惑が掛かる可能性もあると考えています。

あとは、実際にコールセンターなど、電話対応をしている立場になりますと、やはり早くやってくれなど、もう良いよという人も結構います。

それに対して、絶対に要式契約ですからと言うと、それはそれでまたトラブルを誘発するという可能性もございまして、一長一短だと思ってございます。

したがいまして、今回、(エ)を採用することで、問題のない事例にはほとんど影響せず、悪質なもののみを排除できるのではないかなと、私ども思っていることから、まず、これでいかせていただきたいというところでございます。

ただ、おっしゃっているように、うまくいかない可能性を全く否定することはできないと思ってございます。その場合には、速やかに改善策を改めて検討するという形で進めさせていただければということでございます。

3点目、ガイドラインで権利能力なき社団の話でございますけれども、こちらは、電気通信分野の実際の事例に応じて、何が良くて、何が悪いかというのを考えるべきなのかなというところでございます。

電気通信、特にFTTH契約などでの、権利能力なき社団として想定されるのは、マンション組合としてマンション一戸丸々インターネット契約をするといった場合でございます。

これは、通常の消費者がそれぞれ契約するよりも圧倒的に安い料金で契約できることになりまして、契約形態も変わっていたりするのです。そういったものについて、この消費者保護ルールを適用するのが適当かどうかという話がございます。また、少なくとも、この規定を入れるときには、マンション管理組合の関係のトラブルというのは、聞いていなかったようです。

これが導入されたのが2015年でございまして、それからもう6年経っているのですけれども、現時点においても、マンション管理組合の関係のトラブルというのは、私は聞いてございませんので、そこは、今のままでも支障はないのだろうと思ってございます。

また、繰り返しですけれども、これも何か問題が生じれば、柔軟に他法の例も参考にしながら変えていくということになるのかなと思います。

最後の点、電気通信事業法で、契約書面に書かなければならない事項は、こういった誘因があった場合は、その利益の内容と、その利益の提供の条件等、これを明らかにしなさいということのみ省令で規定しており、その一例をガイドラインで書いたものでございます。

したがいまして、ガイドラインに書いていないような事例の蓄積があれば、随時ガイドラインに書き込んでいって、より誤解のない形にしたいなと思っております。最後の点については、お答えになっていますでしょうか。

○黒木委員 いえいえ、最後は、半分趣味で聞いただけですので、結構でございます。ありがとうございました。

大変詳しい御説明をいただきまして、ありがとうございます。確かに要式契約化については、おっしゃるような問題もあるのだろうと思うのですけれども、本人が電話して替えてくれというのだったら、不招請勧誘とはいえないと思います。そのような場合は要式契約の必要性はないと思うのですけれども、その辺りと、電話勧誘の場合との兼ね合いを、また、考えていきたいと思っております。

本当に丁寧な御説明をありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 ありがとうございます。大石です。

質問をさせていただきたいと思います。まず、第1に今回の資料で大変意外だったのが、今回は電話勧誘によるトラブルということだったのですが、イメージとして、これまでは、結構店頭での強引な勧誘によるトラブルというのもあったように思っていたのですが、コロナ禍ということもあって、それは割と減っていて、逆に電話勧誘というのがこれだけ増えているのかというところ、素朴に疑問に思いましたので、1つ質問いたします。

それから、もう一点、拘束期間のお話が9ページ、10ページでありました。ビジネスモデルの1つとしては否定するものではないが、ということでした。確かに工事を行うことによって事業者の側にも負担は掛かりますのでこれを認めるということになるのかと思います。ですが、ここに書いてある内容のように、工事費の支払いについてある一定の義務を負うことになれば、その拘束期間を消費者側に設定する意味というのが、少し分かりづらいのではと思いました。例えば、もう少し拘束期間を短くするなど、場合によっては、なくても良いのではないかなと思ったのですが、その辺りについては、事業者の方たちからは、どのようなお話があったのかという点、お聞かせいただければ有り難いなというのが2点目です。

それから、解約についてです。消費者の利便性の観点からウェブで行えるようにするというお話だったと思うのですが、電話で勧誘されて契約して、それを今度はウェブで解約するという、その辺りのつながりというのがちょっと分かりにくかったので、具体的にどのような方法でウェブでの解約というのを考えておられるのか、分かれば教えていただきたいと思います。

以上3点、よろしくお願いいたします。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 御質問ありがとうございます。

まず、1点目でございます。店頭での強引な勧誘、多分、これは携帯電話の話かなと思うのですけれども、携帯電話の関係で言いますと、今回の資料では15ページでございます。携帯電話の代理店が、強引な勧誘をする背景には、携帯電話事業者間の委託契約が結構厳しくて、それによってやらざるを得なかったという話も聞いてございますので、そういった法令違反を助長させるような委託契約については、業務改善命令の対象になり得ますよといったことを明確化することによって、しっかり改善を図っていただきたいと思っているところでございます。

2点目の期間拘束契約でございますが、こちらは、事業者から言われたものとしましては、例えば、サービス開始に当たって一定のインセンティブを与えます。一定期間無料、あとは、少し端末を安くしますなど、そういったものです。これを、通信契約を締結する意思もないにもかかわらず、単にインセンティブほしさ、端末ほしさで契約して、すぐに解約されてしまうとビジネス上困るので、違約金はなくさないでほしいといった御指摘がございました。そういった事業者もいらっしゃるということでございます。

最後、3点目、遅滞なく解約できるようにするためということでございますけれども、こちらは18ページの条文案を御覧いただきたいのですけれども、あくまでも条文で書いているのは、遅滞なく解約できるようにするための適切な措置ということだけでございます。

したがいまして、今おっしゃったように電話勧誘の場合は、恐らく電話で解約を受け付けるというのが自然かなと思うのですけれども、ただ、そのときには、しっかりとオペレーターを十分に配置してくださいということでございます。

18ページの右側の緑の箱の2つ目のポツの最初のチェックにありますように、やはりオペレーターが十分に配置されていなくて、電話がつながらなくて解約できなかったといった苦情がよくありましたので、この十分か否かというのが非常に重要で、その判断基準というのは、利用者が契約手続を行う場合と比較して同等に遅滞なく手続を行うぐらい、十分に配置しているかどうかということですよというのを、これはガイドライン案にしっかり書かせていただきましたので、そういったところで担保できるのかなということでございます。

したがいまして、ウェブでないと解約させないといったことを、ここで書いているわけではないということを御理解いただければと思います。

以上でございます。

○大石委員 ありがとうございました。よく分かりました。

○後藤委員長 それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

私自身も電話勧誘など、いろいろ受けることがあるのですけれども、不信感が強いものですから、全部、電話での勧誘は何も信じないみたいな消費者になっていまして、有利なチャンスを逃しているかなと思うぐらいです。消費者としては本当に複雑な心理があると思うのですけれども、電気通信の情報は、本当に日々刻々進化してまいりますが、そういう大きな流れの中で、消費者保護をどのようにしていくのかが課題だと思います。

逆に言えば、電気通信事業者の方にとっては、大きなビジネスチャンスの時代が到来していると思うのです。そこでお電話で、安い、早い、便利というような文句で、キャッチフレーズで勧誘されるということなのですけれども、消費者の立場から申し上げさせていただきますと、総務省で、こういった消費者からの相談を受けるような電気通信事業に特化した相談を受ける窓口をお作りになるような御予定はあるのでしょうか。通常は、消費者相談というのは消費者庁で受けていることになりますが、これには、かなり専門的な知識が必要ですね。ですので、あるいは総務省と消費者庁で組まれて、電気通信の事業に関する消費者からの相談を受ける窓口があると良いなと思います。実際、消費者側からすると、どこに相談して、誰に聞いて良いか分からないというのが正直なところだと思います。

また、EUでは、AI倫理ガイドライン、AIの倫理規定も欧州では作られ始めておりまして、日本でも消費者志向経営ということで、消費者の立場に立った事業をしましょうということで消費者庁も推進しております。

そうした意味合いで、利益を追求していく以上に、倫理規定のようなものを同時に合わせて設けていくことが、総務省においても重要なのではないかと思います。

最先端の情報と専門的な知識を蓄えているのは総務省だと思いますので、是非、消費者庁などと取り組むような形で相談の窓口、消費者が確認できる、本当にこの情報が確かなものなのか、あるいは自分にとって得なのか、そういったことが確認できる窓口が必要ではないかと思います。アプリのような窓口も良いですね。そうした窓口こそが、今、必要なのではないかと思いましたので、御質問させていただきました。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 御質問ありがとうございます。

まず、総務省では、電気通信消費者相談センターというのを設けてございまして、ここで苦情相談を受け付けてございます。

こちらは、年間大体1万5000件ぐらい寄せられておりまして、実は私も全て目を通しております。このように、現在総務省では、そういったところをしっかり見ているものでございます。

これに加えまして情報提供という意味で申し上げますと、総務省のポータルサイトのバナーを貼っているのですが、携帯電話ポータルサイトというものを作りまして、自分にぴったり合ったプランを選べる情報というのをまとめて載せております。今、中身を大幅に拡充しようとしておりまして、是非、御覧いただければと思います。

このほか、スマホ乗換え相談所の実証事業というものも進めておりまして、スマホの乗換えに迷ったときに、中立的な立場でアドバイスできるような、そういった仕組みができないかといったところの検討も進めております。

AIのところとは若干違うかもしれませんけれども、ネットの使い方みたいなものについて、「上手にネットと付き合おう!~安心・安全なインターネット利用ガイド~」といった特設サイトも、総務省のページには用意してございます。

ここにも、最初に赤池副大臣からからありました、SNSの誹謗中傷対策として、どうしたら良いかといったことの情報も含めて載せているところでございまして、実は、SNSの誹謗中傷関係で言いますと、今、私どもで、分かりやすい動画を作ろうとしていまして、年内には、皆さんに発表できると思いますので、是非そちらも御覧いただければと思います。

以上のように、私どもは、気付いたものは、今やっていると思っているのですけれども、更に足りないものがあれば、是非、御指摘頂けますと、そこは、私どもも積極的に、是非取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 消費者の方への、いろいろな窓口を既にお作りになっていると、私も今、知りまして、すばらしいというか、心強く思いつつ、何か思い付きましたら、是非また御相談をさせていただきたいと思うのと同時に、事業者に対しても、消費者の立場に立った事業を組み立てていただきたいということは、総務省からも、繰り返しになるかもしれないですけれども、働き掛けを是非していっていただけたらと思います。

ありがとうございます。

○後藤委員長 ほかにございませんでしょうか。

受田委員長代理、お願いします。

○受田委員長代理 受田です。今日は会場から参加をさせていただいております。

私からは1つだけ、短めの質問なのですけれども、先ほどから委員の皆様の御指摘や御質問がある(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)の(エ)から、まず始めましょうという点に関して、です。

この(エ)から始める方法論に関しては、合理的で妥当であると考えます。

一方で、義務化した後の十分な効果が見られない場合に、更に速やかに改善策を講じていくともおっしゃいましたけれども、ここの具体性ですね、すなわち、どれぐらいの期間を経過観察期間として位置付け、その十分な効果というのは、どういう方法による客観的なメルクマールを設定していくのか、ここに関してのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

以上です。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 ありがとうございます。

まず、私どもPDCAサイクルというのは非常にうまく回せていると思います。今回のように検討会報告書を出しますと、それに基づきまして制度を作り、その後も検討会が引き続き続いて、フォローアップというフェーズで議論をしております。

こういった中で、1年、2年の中で見るというのもございますし、また、苦情相談につきましては、モニタリング定期会合というのを年2回開催しておりまして、これで苦情の状況というのを定点観測しているとこでございます。こういったものも使いながら、しっかりフォローしていきたいと思ってございます。

どれくらいの期間かというと、ここはなかなか一概には申し上げにくいところがあると思うのですけれども、電気通信事業法の世界では、非常に電気通信分野の変化というのが激しいということで、大体法律を作っても3年後見直しというのをよくやっているところでございますので、大体、そういったものも1つのメルクマールになるのではないかなと考えてございます。

あとは、どれぐらいの量が減ったらということでございますが、現時点において、例えば50パーセント減ったら、などという目標値を付けているわけではございません。これは、苦情相談は、厳密に量的に把握しようとすると結構難しいところがあるからです。今は全体の苦情が、例えば1年間、私どもが把握しているのは、総務省に寄せられた苦情、あとはPIO-NETに寄せられた苦情は合わせて8万件ぐらいあるのですけれども、ただ、それが、全て本当の苦情かというとそうではなかったり、単に相談もあったりなど、消費者側の誤解もあったり、あとは同じ人が何度も言っているというのもあったりして、なかなか量的に厳密なメルクマールを設けるのは難しいかなと思っています。

このため、あくまでもちょっと肌感覚になるところもあるかと思うのですけれども、改善が見られるかどうかというのは、現場で相談を受けている方が一番よく分かっているかと思いますので、そういった方々の意見も踏まえながら考えていくというのが良いのかなと、現時点では考えてございます。

ただ、ここも、もし必要があれば、より良い方法についても模索していければなと考えている次第でございます。

以上でございます。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

大変難しい指標だと思いますけれども、声なき声も含めて、しっかりとモニタリングしていただきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

○後藤委員長 星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 大変詳細な御説明をありがとうございました。

結局、要式契約化して、サービスが変わるのは難しいみたいな場合ですと、結局、インセンティブ行動というか、これは、今、調べましたけれども、FTTH市場で、かなりのシェアは、NTT東日本、西日本が占めていて、あとは、KDDI、オプテージとかなり寡占化されているわけですね。ということは、そういう業者が契約、実際に勧誘させる業者に委託しているわけですね。その委託している業者は、すごく細かいから、そこに対しては、かなり指導等は難しいわけですが、実際に回線を、契約する利用者自体は、例えば、NTTであったり、KDDIだったりと、かなり寡占化されているわけなので、彼らを変えるということができれば良いわけですね。

それは、どんな状況であっても、例えば、サービスが今後変わるとしても、もともと最終的なFTTHなど、そういった業者というのは、かなり寡占化されているので、その利用者が悪いことをしないようにさせると。

例えば、勧誘させる業者が、事態に関して細かいことをさせるより、最終的に、例えば、NTT東日本に契約するような消費者がどれだけ問題を抱えて、実際に相談したかみたいな件数を、各FTTHの業者ごとに出させるなど、例えば、そのようにしますと、東日本は、うちはそういった悪い業者と契約させていると、例えば、ほかの企業や消費者に思われるということは、非常にまずいわけですね。特に、今、ESG投資などがありますので、そういった観点から、そうしたガバナンスの観点から、大企業であれば、こういった問題のあるような契約に勧誘させるということ自体が広まってしまったら非常に問題になると。

だから、その根元を断つというか、どのようにサービスが変わろうか、事業者自体の寡占構造は変わらないので、そちら側に対するアプローチをされたらいかがかと思いますが。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 ありがとうございます。

実は、FTTHの分野では、NTT東西は、基本的には、顧客に直接売るというよりは、卸売り事業をやっておりまして、顧客の接点となる事業者という意味で申し上げますと、その卸先の事業者となります。

したがいまして、卸元事業者に対して、卸先の事業者について、しっかり監督しろというのは、言いづらいかなと思っております。と言いますのも、卸元事業者と卸先事業者も、これはこれで競合関係にあるので、卸元事業者に卸先事業者を監督させるということは、場合によっては、市場支配が高い事業者が、不当な差別的取引をすることにもつながりかねず、なかなか難しかったりします。FTTH市場が、構造的に、今、先生がおっしゃったように寡占構造であれば、事業者に代理店を監督させるというアプローチが効果的なのですが、FTTH市場においては実際、利用者にサービスを提供している事業者という意味でいうと、非常に多くの事業者がサービスを提供していて、かつ、規模の小さいところが多くのトラブルを引き起こすという状況だったりもします。大手事業者におけるトラブルというのも、もちろんあるのですけれども、規模の小さい多数の事業者によるトラブルが目立っているところでもございますので、なかなか元を断つ方式というのが、FTTHの場合は難しいところがございます。

逆に携帯電話になりますと、これは、正に大手4社がほとんど占めていて、そこに対してものを言うというのが、非常に効果的なのですけれども、そこは携帯電話とFTTHでは違うというところになってございます。

○星野委員 ただ、勧誘業者は、すごく多数あると思いますが。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 事業者の代理店も多数ありますが、電気通信事業者自体もたくさんあるということです。

○星野委員 分かりました。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

総務省におかれましては、電気通信サービス分野における電話勧誘に関する課題をはじめとする新たに追加したテーマについて精力的に議論を重ねられ、本年9月に報告書を取りまとめていただきました。

今後、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」の提言を踏まえた新たな措置や、事業者等の自主的な取組を通じた自浄作用が適切に機能しているかをフォローアップしていただき、更に必要に応じて新たな課題について検討していただくなど、十分な取組が行われることを期待しております。

消費者委員会としましては、本日のヒアリング結果も踏まえて、引き続き、取組状況を注視し、調査審議を行ってまいります。

総務省におかれましては、本日は、お忙しいところ審議に御協力いただき、ありがとうございました。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部片桐消費者行政第一課長 ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、次の議題に移ります。

○星野委員 発言させていただいてもよろしいでしょうか。

○後藤委員長 はい。

○星野委員 ISP事業者だと思います。ISP事業者においても、かなり、完全に寡占ではありませんけれども、上位10社ぐらいで7割を超えていると思うので、確かに卸は、本当にNTTとKDDIだけだと思いますけれども、ISP事業者であってもかなり、上位10社ぐらいにしたとしても、かなりのシェアがあるので、彼らを抑えるということは、結構有効なのかと思いました。すぐに調べられなかったので、あれなのですが、すみません。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

《4.消費者基本計画の検証・評価・監視(消費生活相談等の消費者行政のデジタル化)》

○後藤委員長 それでは、次の議題に移ります。

次の議題は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、消費生活相談等の消費者行政のデジタル化について審議をしたいと思います。

新型コロナウイルス感染症の発生拡大に伴い、生活様式が変化する中で、コミュニケーション手段のデジタル化が加速しています。

消費者及び消費生活相談員を取り巻く環境も変化し、電話や対面以外の方法による相談ニーズが更に高まっています。

また、コロナ禍により、相談員が出勤しにくい中で、相談業務を継続する必要があるなど、消費生活相談業務の運営面においても、新たな課題への対応が求められています。

消費者庁や国民生活センターでは、これらの課題に対応するため、消費生活相談や、PIO-NETを抜本的に刷新することが急務であるとして、学識経験者や実務家、相談現場の各有識者等から知見を聴取する「消費生活相談デジタル化アドバイザリーボード」を設置し、本年5月より審議を重ね、この9月には「中間的取りまとめ」を公表しています。

本日は、アドバイザリーボードにおける取組状況を「中間的取りまとめ」の内容を中心に、消費者庁から説明を伺い、意見交換をしたいと思います。

御説明者として、消費者庁地方協力課、小堀課長に御出席いただいております。本日は、お忙しい中ありがとうございました。

それでは、15分程度で御説明をよろしくお願いいたします。

○消費者庁小堀地方協力課長 よろしくお願いいたします。消費者庁の地方協力課長をしております、小堀と申します。

それでは、今、委員長から御紹介いただきました、デジタル化アドバイザリーボードの中間的取りまとめを中心に御説明をさせていただければと思います。

資料、皆さん、お手元に、大丈夫ですかね、それでは説明をさせていただきます。

このアドバイザリーボードでございますが、御紹介ありましたとおり、本年の5月からやってございます。武蔵大学の庄司昌彦先生を座長といたしまして、有識者のほか、東京都の消費生活センターや徳島県の消費生活センターの皆さんにも参加していただきながら、今、検討しているところでございます。

中間的取りまとめ、まず、資料を1枚おめくりいただきますと、今、委員長がおっしゃっていただいた課題というところは、正に、そのとおりというところでございますが、まず、なぜDXかというところで、御案内のとおり、デジタルシフトというのが社会全体として広がっておりますし、消費者の皆さんも、普段からの情報収集、コミュニケーションも、やはりデジタル化が進んでいると。例えば、何かトラブルがあれば、まず、ちょっとスマホで調べようというのは、もう多くの方がやっていることなのだと思います。

それと相談現場でも、一方で、かねてからやはり入力の負担といったようなこともいただいておりましたが、コロナ禍では、テレワークに対応できないと、これはPIO-NETというシステムが専用線でつながれているというところが大きなところなのですけれども、そういった課題も出てまいりましたので、やはりデジタルトランスフォーメーションを考えていかなくてはいけないのだろうというところでございます。

2ページ目でございますけれども、4つ箱がありますが、特に2つ目の青い箱、検討の視点と書いてございますが、まずは考える上で、消費者のことを第1に考えようということで、やはり利便性の向上、相談される方の利便性ということなど、一方で、デジタルに不慣れな方もいらっしゃるということで、そこへの配慮というのは忘れずにやろうということでございます。

それと2つ目に、現場の相談員の方、十分に力を発揮できる環境作りということで、負担軽減、あとは相談業務がやりやすいようなシステムを作れないかということが2つ目であります。

そのほか、相談データの有効活用や社会環境変化、これは災害時など、感染症への対応というのもありますが、そういったものを考えていこうということでございます。

次の3ページ目を御覧いただきますと、3つ箱がありますが、一番下をちょっと御紹介させていただければと思いますが、2040年というのを少し意識してと言いますか、将来的にやはり今のままの体制でもつのだろうかということを考えてみたところであります。

相談のニーズで言えば、やはりいろいろな経済自体が高度化、複雑化、高齢化というのも進んでいくという中で、相談需要というのは高まる可能性があります。

ただ一方で、これはもう人口減少という時代でありますので、相談業務に投入する人などお金にしても、やはり限られてくるおそれというのがあると。

そうすると、今のままやっていると、どこかで限界を迎えるのではないかと、そういった危機意識もあって、こういった検討をやってございます。

ちょっと4ページ目は、飛ばさせていただきまして、5ページ目であります。

検討の観点、3つ目のあるべき姿から再構築がとありますが、これは相談員の方もいらっしゃいますし、消費者の方もいらっしゃいますし、我々消費者庁も含めてなのですが、いろいろ悩みというか課題を抱えてやってきているところであります。

相談員の方で言えば、左上ですが、資料がばらばらで探しにくいなど、先ほど言っていますが、入力の負担が大きいなど、右上の消費者でいきますと、平日の昼間が、やはり相談の開いている時間が多いのですけれども、なかなか時間が確保できないなど、都市部などですと、特に電話がつながりにくいような状況も起きたりして、やはり課題があるなというところでございます。

こうしたことを持ちまして、下の検討の方向性と青く書いておりますが、大きく2つでありますが、1つは機械でもできることは、やはり機械にやってもらって、人の業務の負担の軽減など、あるいは人がやるべきことは、むしろ高度化していくと、そういう発想でやっていくべきではないかと。

特に、単純にアナログからデジタルへというわけではなくて、そこは、やはり人ができることはしっかり人がもっと対応できるように、逆に言うと、今は、やはりなかなか入力などに時間を取られるなど、そういったところがありますので、そういったことを変えていこうということ。

もう一個は、ちょっと課題が余りにも多いということで、現状からどこを変えていこうというよりは、やはりあるべき姿を考えていくべきではないかと、そういう発想で検討を進めてございます。

次の6ページ目にありますが、DX後のポジションということで、これが全てというわけではないのですが、大きな考え方として、左側、DX前と書いてありますけれども、どういう感じでやっているかと、大まかに言いますと、もちろんではあるのですが、今はやはり相談をされる方に対してどうしようか、問題を解決しようということが、まず主眼にあるという辺りと、3段目より下でいきますと、どちらかというと、やはり相談員さんの個人の力にすごく依存をしているという部分が大きいのではないかと。

これを右側の世界、DX後と書いてございますが、相談者全般はもちろんなのですけれども、それだけではなくて、例えばホームページでFAQみたいなものをしっかり作れば、もっと広い方に対してサポートができるのではないか、3段目以降は、もう少し組織として、役割分担や連携などもできるようにするなど、あとは下から3段目ぐらいですか、ナレッジと書いてありますが、今はやはり相談員の方の技術力に頼っている部分が多いところがあるのですが、こういったものをしっかり見える化をし、それを持続的に更新していくことなど、そういったことを進めながら、相談業務というのをより良くしていこうというような考え方でございます。

少し具体的にどういうことになっていくかというのが、ちょっと7ページは飛ばさせていただきまして、8ページに絵が描いてございますので、それで御紹介をさせていただきますと、まず、左上の消費者というところでありますが、消費者の中で、パソコン、スマホを活用している消費者と、先ほども申し上げましたけれども、何かトラブルがあったときに、やはりまずスマホなどで調べてみると、こういう人が多いのではないかということで、右へ行きますと、消費者トラブルの自己解決の支援ということで、FAQ、ここをしっかり作ってみようではないかというようなのが、まず1つ目であります。

そこから、右下にカーブがぐっと下がっておりますけれども、そこで解決がなかなかできなければ、そこにはウェブ相談や電話相談、ウェブ相談は、ウェブフォームで受け付け、メールやSNSみたいなものあると思いますけれども、相談につきましても、いろいろ選択肢、なかなか若い人などですと、必ずしも電話するということをちゅうちょするような方もいらっしゃいますし、障害者への対応という意味合いもありますが、そういった選択肢も増やしながらやっていこうというところ。

それとカーブの先にある下の箱、ここは相談員のところでありますけれども、その箱の中、右側に業務支援システムや相談員用のFAQなど、そういったのが書いてありますけれども、ここは、これからちょっと細部は検討していきますけれども、例えば相談していって、ぱっと模範解答ではないのですけれども、FAQみたいのが画面にぱっと出るような仕組みなど、入力で言えば、音声入力みたいなのができれば、やはり負担は軽減されるのだろうといったようなところもありますので、そういった相談のしやすさというところを検討していこうということであります。

そこから左側に、また、消費者に戻るのですけれども、消費者の下に、パソコン、スマホが苦手な消費者というのが書いてございますけれども、先ほど申し上げましたような相談業務のところを、少し負担軽減や相談のしやすさなど、あとはFAQで解決できる方が増えれば、多少相談のところに来る人が減るかもしれませんので、そういった時間を、見守りも含めて、手厚く対応すべき、正に人がやるべきところに注力をしていくと、こういった流れを作れないかと考えてございます。

この表の右に箱がありますけれども、右上のナレッジツールの整備ということで、ここは国民生活センターで、今後、来年度にかけて、ちょっと考えていかなくてはいけないなと思っているところなのですが、こういったものを支えるものとして、やはりFAQなど、相談員向けのも含めて、そういったものをしっかり作っていかなくてはいけないのだろうと。現時点でもあるにはあるのですけれども、やはり幅広い消費生活相談に耐えられるようなものを考えていかなくてはいけないということであります。

それと右下は、データの活用というところで、ここはAIも使えればというところでありますけれども、やはり相談情報というのは、いろいろな行政の端緒の情報になるので、そういったところをAIなども使ってスマートにやっていければ、より効果的になるのではないかということでありまして、消費者の入り口の部分と、正に相談業務の部分と、最後の出口の部分、こういったところを、うまくデジタル化をしながら、人の力ももっともっと活用できるようになるような、そういった姿を描いているというところでございます。

そのほか、9ページ、10ページ以降は、今、大体申し上げたことをシステム風に書いてあり、言葉にしたりとしておりますので、ちょっと省略をさせていただきます。11ページ、12ページは、少し漫画チックになっていますけれども、導入すると、ちょっと便利になるのですよというようなことを書いてございます。

あと最後に、お時間があれですので、14ページの辺りに移っていただきまして、今後ということでありますが、9月に中間取りまとめを出しましたので、それ以降、また、検討を進めている最中でございますが、最初の.にありますとおり、有識者や関係者の意見を聞きつつということで、これは今、いろいろな自治体にヒアリングなど、また、実証実験的に、ちょっとプロトタイプのプロトタイプぐらいなのですけれども、そういったものを使って感想を聞かせていただくなど、そういったこともやってございます。

また、今後も関係団体の方とも意見交換など、あとは、先ほどのアドバイザリーボードで、引き続き検討していくということであります。

2つ目の丸のところ、実証実験については、この12月から何か所かでやらせていただいております。実証実験というと、かなり大掛かりに聞こえますけれども、少しプロトタイプのようなものを使っていただいて、感想を聞きながら良くしていこうというようなことを、年度末にかけてやっていこうと思っています。

そういったものも踏まえまして、まず、めどとしましては、今年度の末を目指して、もう少し、この中間取りまとめを具体化したようなガイドライン的なものを作りたいと思ってございます。

それを踏まえて、特に来年度以降は、より地方公共団体の皆様への説明など、ディスカッションなどをやっていって、少しずつDXというのを進めていければと思ってございます。

大まかではございますが、大体今の検討の考え方など、ちょっと流れと言いますか、そういったところを御説明させていただきました。御質問を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。なお、質疑応答の時間は45分程度を予定しています。よろしくお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。

特に現場にいますので、興味深く聞かせていただきました。最近、消費生活相談の現場で、相談者から、消費生活センターのホームページを見たけれども、今ひとつ分からないから教えてほしいというような相談があります。正しく、このDX後のサービス全体の俯かん図にありますように、消費者がPIO-NETデータに基づいたFAQを参考にできると良いと思います。特にこの3、4年、ネットで見たけれども、もう少し深いところが知りたいという問合せが増えました。

もう一つ、相談員のFAQも、必要だと思います。相談内容がどんどん進化するというところもありますので、一定のFAQで対応できるかという問題が常にありました。しかしながら相談員の質、全国統一にしなくてはいけないと考えますと、相談員のFAQが必要かなと思いました。

また、都市部ですと相談件数が多いですので、PIO-NETの入力は音声入力ができたら良いと思いました。

実は、今年度PIO-NETの刷新がありました。実施が遅れたのですが、開始が上半期の終わりでした。上半期の終わりは忙しく、月末も相談件数が増えるのですが、今回、全くPIO-NETが動きませんでした。約1か月間過去にない不具合が生じました。

それが原因で、名古屋市でも相談が取れませんでした。相談を取っても入力ができないと、入力する相談がたまってしまいます。たまると正しい情報を入力できないのです。今年度恐らく相談件数が減ってしまうのは、PIO-NETの不具合があったからということが言えるのではないでしょうか。

そういうことからすると、今回、PIO-NETの抜本的な見直しがされるということは期待しております。

以上です。

○後藤委員長 よろしくお願いします。

○消費者庁小堀地方協力課長 清水委員、ありがとうございました。

私も先日、名古屋市のセンターにちらっと行かせていただいて、やはり現場の皆さんの御奮闘と言いますか、それも見させていただきましたので、ちょっと心して、こういった改革もやっていきたいなと思ってございます。

FAQも御指摘のとおりでございまして、まずは数を増やすというのは1個あるというのと、それをいかにローテーションしていくかというか、常に新しくしていくかという2つの縦軸と横に時間軸と、その2つの難しさがあると思っていますので、そういったところをしっかり考えていきたいなと思ってございます。

それと、PIOの刷新も、おっしゃるとおりでありまして、5年に1回、わっと刷新するというのは、結構、事務的にも、やはり負担になってしまうところがありますので、そういったところも直していけるというか、そういったものにしていきたいなと思ってございますので、大変貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 よろしくお願いいたします。

この資料を頂きまして、関係する資料かなと思って国民生活研究の61巻1号で、消費生活センターのICT対応に関する現況調査というのを、福原奈央調査員が発表されているのを読ましていただいきました。本当は、あらかじめ、ペーパーを作ったら良かったのですけれども、ちょっと時間がなくて申し訳ないけれども、そこでICTをあまり使っていないところの意見というのが出ていまして、このICTを使っても、このような課題があるのではないかということを言われているところがあって、そこについて、この研究会がどう考えてらっしゃるのかということを教えていただければと思っているのですけれども、ICTを使う情報提供や注意喚起の課題として、注意喚起した消費者層に情報が届いていることが分からない。それから、高齢者に情報が届きにくい、工夫したり新規で取り組む余裕がない、それからICTを使う相談受付の課題としては、相談者との意思疎通に懸念がある。業務負担に関する懸念がある。対応に時間が掛かる、人数予算がない。次に、相談受付を始めるに当たって情報セキュリティーの懸念があると。

こういうようなことがあるので、ICTを使うということについて消極的だというセンターの報告が上がっていました。

私自身としては、このDXを使った相談活動をしていくということについては、方向性としては、正にそのとおりだと思っているのですけれども、今、現場で、こういうような調査報告の結果が出ていることも踏まえて、今後、どのように中間取りまとめから進めていくかのということについての消費者庁なり国センのお考えを教えていただければと思いました。

以上です。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

今回中間取りまとめでは、今日は紹介しませんけれども、13ページに留意点ということで、そういういろいろなお声も頂いているということは、ちょっと記載をしてございますので。

考え方としましては、まず1つは、要するにアナログをデジタルに切り替えるというわけでは、必ずしもないのだというところであります。ですので、当然、従来の電話、対面という部分も残りますし、その中で、やはり機械でできる部分というか、デジタルでできる部分は、デジタルにやはり変えていこうという、そこが少し誤解をされやすいのは、全部からっとアナログをデジタルにと捉えられてしまうとあれなのですが、そうではなくて、それぞれの手法の良さというところはあると思いますので、そこをうまく使い分けをできないかなというような発想を持ちながら考えているというところでございます。

あとは、やはり先ほどのFAQも1つでありますけれども、業務のガイドライン的なものやマニュアル的なものなどを使って、例えばメールなどで言えば、返し方のテンプレートなども含めて、そういったことを提示しながら、サポートもさせていただきながら進めていくということなのだろうと思っています。

ただ、今のやり方だけだと、やはり課題もあるところですので、先生おっしゃったように、こういう形で何らかやはり歩を進めていくということは大事だと思いますので、こうだからできないというよりは、どうやったらできるのだろうというのを、これからまた考えていきたいなと思います。ありがとうございます。

○黒木委員 ありがとうございました。

相談員の先生方々というのも、結構高齢でいらっしゃって、割とDXを、リエデュケーションというか、再教育してやらなければいけないという問題もあるのではないかと思っています。

清水先生が笑っていらっしゃいますけれども、とにかくそんな感じをもっています。ありがとうございました。失礼いたします。

○後藤委員長 木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございました。

私からは、主婦連合会も民間ではあるのですけれども、消費者相談を受けている立場から考えますと、主婦連合会では、実は以前からメールでの相談の受付をしております。数は少ないのですけれども、メールでの相談では、やはり実際にしゃべるのが苦手だという方や時間的に業務時間では無理だという方など、障害者ではなくて、そうでない方もいらっしゃいます。

先日、某業界の相談の方とお話をしたときに、これも民間なのですけれども、そこは数年前から障害者の方からはメールで受け付けていたと。ところが、今年だったと思うのですけれども、一般の方に広げたところ、大変好評であったということで、やはり相談時間が、業務時間外でないとできない方など、やはり相談の予約ということで、メールを頂くというお話がありました。

そういうことを考えますと、やはり誰も取り残さないという観点から、メールをはじめとする、こういうDXというのは大変必要なものなのかなと思っております。

ただ、その際に、先ほど清水委員からも話がありましたけれども、現場の負担というのがあると思います。ですから、できるだけ現場の負担が少ない方向で考えていただきたいと思いますし、あと民間の企業などでは、FAQというのは当たり前にありますので、やはりそういったところも、是非利便性というところも含めてやっていただきたいと思います。

やはり特商法なども、すぐ変わることもございますし、そういったときに何で調べるかとなると、ネットで調べると思うのですけれども、そこにきちんと対応していくことは必要だと考えております。

もう一点なのですが、消費者側から考えますと、やはり1、2年で、コロナということもありまして、いろいろなことでウェブを使うということが大変増えていると思います。

ということで、最初は戸惑っていたのですけれども、ウェブに慣れてきたという部分もあると思います。そういったことも含めて、DXか、そういう機械でできることはもうやる方向で、できないところは、もちろん、人間がきちんとやっていくということで、私は、全てDXでやれるとは思っておりませんし、そこはバランスがあると思います。そこを踏まえて対応していただきたいと思っております。

以上です。

○消費者庁小堀地方協力課長 木村委員、ありがとうございました。

御指摘のとおり、やはり障害者以外にも、なかなか電話がちょっと苦手など、そういった方もいらっしゃると思いますので、正におっしゃるとおり、うまく使い分けるというか、選択肢を増やして、できるだけ多くの方に役立つようにやっていきたいと思いますし、一方で、重ね重ねになりますが、FAQなど、そういった相談員の方の負担が軽減など、御相談がしやすくなるような、そういったところを併せてやっていきたいと思います。

非常に有り難いお言葉と言いますか、頂きまして、どうもありがとうございました。

○後藤委員長 大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。

私からは、意見と質問と1つずつ述べさせていただきたいと思います。

今、木村委員からもありましたけれども、あらゆる年代と言いますか、特に、来年の4月からは成年年齢の引下げに伴い、若年者のいろいろなトラブルを未然に防止していかなければいけないということで、正しく、そういう意味でも情報収集ということでは、電話だけでは難しいということがあります。それこそSNSやLINEなど、いろいろなソーシャルメディアも使っての情報収集が必要になると思いますので、できるだけ早く進めていただきたいというのが意見です。

それから、あと質問なのですけれども、そうやって進めていく以前に、今あるPIO-NETの情報をもう少し端緒情報として、できるだけ早く出していくためのDX化というようなことは考えておられるのか、その辺りのことを質問としてお聞きしたいと思います。

以上です。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

まず、相談というのは情報収集でもあるというのは、本当におっしゃるとおりでありまして、ちょっと改めて心に刻んでおこうと思います。ありがとうございます。

それと、後者の質問につきましては、FAQにつきましては、来年度にかけて、ここから国センでちょっと考えていこうと思っています。

まずは今の状況で、まず数を増やしつつ、それをどう新しくしていくかと。今でもマル急などいろいろやってはいるのですけれども、そういったものをうまく体系ができないか。

更に言うと、将来的には、もっとそこをAIなど、そういうのを使ってうまくできないかというところを考えていくということで、まず、現状でどこまでできるか。更に将来的にはもっともっと多分洗練できるのではないかと、そういう感じで考えていこうと思ってございます。

○大石委員 ありがとうございます。

本当に、今ある情報も大変重要で宝の山だと思っております。できるだけそれを速やかに進めていただけると有り難いと思います。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 大変詳しい説明をありがとうございました。

6のDX後のサービス全体の俯かん図と、非常に分かりやすくて、非常に良いかなと思います。ただ、私としては、足りない矢印というか、方向、データの流れというのが、結構あるのではないかと思いまして、ここで言うのが適切かどうか分かりませんが、やはり予防という観点で考えたら、防止という観点で考えたら、PIO-NETは、相談した人のデータなので、例えば、医学系で病気になった人のデータしか使わないということは、普通ないわけですね。病気になっていない人のデータも使って、これはケースコントロール研究と言いますけれども、被害が出ないとしたら、どういう場合が、被害が出ないのかと、被害を受ける人は、どういう人なのかみたいなものの情報を、例えば、こういったPIO-NETに組み合わせると、非常に重要だと思います。

これは、多分、アメリカのコンシューマーセンチネルを使ったような研究は、結構ありますけれども、そういうことを結構されていますので、是非、そういう調査等をお考えいただければと思います。それによって、防止措置、どんな方に対して被害が起き得るのかということを考えたり、それに対する防止措置ができると思います。

また、関連して、足りない矢印と言っているものでは、法執行、実際に加害企業の顧客リストみたいな情報が、例えば使えるのであれば、警察や法務省側のデータと連携した形で、PIO-NETでは相談されていないけれども、実際には、高齢者の方がかなり被害に遭っているなど、そういったことを活用して、逆にPIO-NET側の情報に、それを付加することで、速やかに相談があったときに対応できるみたいなことは、結構可能になるのではないかと、これも、それこそコンシューマーセンチネルみたいなところでもされているような研究かと思います。

私は、AI研究などもしていますので、法律相談や公認会計士協会などもやっていますけれども、不正みたいなものに関する研究は、かなりされておりますので、この消費者生活相談以外の文脈で似たような、実は結構データがいっぱいあって、かつ不正や問題みたいなものを予測するみたいな研究は、結構膨大にありますので、是非、そういった知見を生かしていただければと思っております。

あと、もう一点、個別の相談というよりは、どんなビジネスモデルだと、こういったビジネスモデルで行われているビジネスに関しては、消費者相談が起きるような事象が起きるのかみたいな、もう少しレイヤーを上げたというか、先ほど、FTTHの話があったのですけれども、事業は変わりますね、結構、短い期間でインターネット系の事業などは変わりますけれども、ただ、ビジネスモデルはあまり変わらないわけですね。だから、どこで消費者から搾取をするということが生じ得るのかみたいな、もう少しメタレベルというか、上のレベルで、どんな企業など、どういった業態では起きやすいのかみたいな、そちらの研究も、結構意義があるのではないかと感じました。

そういったことも含めて、データを是非DX化されて、整備をいただければと思います。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

実は、このプロジェクトをやっている中で、正にデータの解析というところも、いろいろ業者の方などにも聞いたりしながら、今、いろいろな解析技術というのが進んでいるなというところがありました。

PIO-NETで言いますと、今、商法や業態などでいうと、いろいろキーワードを入力して、相談員が、1個の個別事案から、こういう企業は、こういう商法など、そういうようなものを入れていただいてというのをやっているのですが、そういうのも、どこまでAIなどでうまく整理ができるかなど、まだまだちょっと我々も勉強段階なのですけれども、そういったことも、いろいろ今お話を、いろいろな解析をするような研究などのところも非常にありますので、そういうお話も聞いていますので、ちょっとどこまでできるか、今時点で確たることは申し上げられませんけれども、少しそういったことも関心を持ちながら考えていきたいと思います。

どうもありがとうございます。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

大変重要な論点だと思っております。意見と質問が1つずつあるのですが、先ほど、相談の窓口を広げるという意味でFAQを充実させる。併せてメールや電話もというお話がありましたが、やはりFAQでは拾い切れない悩みや相談が数々あると思います。1つの窓口として、リモート相談と言いますか、Zoom相談も今、コロナ禍で始まっていると思うのですが、顔を見て、やはり相談をしたいという方は結構いらっしゃると思うのです。ですので、是非そういったリモート相談も、相談員の方の負担にならないようにはしたいところですけれども、是非短い時間でもお顔を見て相談したいという方は結構いらっしゃると思いますので、そういった窓口も是非忘れないでいただければと思いました。

もう一つ質問なのですけれども、相談員の不足がうたわれていますが、デジタル世代の相談員の育成に向けて、何か具体的な策はお考えでしょうかという質問でございます。

実際のところ、家庭内では、母親や父親のデジタルの悩みをお子さんが解決してくれたり、電気通信の関係のお仕事をしている友人に聞くと全部解決したなど、知識の不足によって解決できないことはたくさんありますが、逆に言えば、デジタル世代の方で、自分の仕事のスキルなど情報のスキルを生かして助けたいと思っている方もいると思うのです。

そうしたデジタルの専門能力をうまく相談員という形で、プロジェクト化して育成していくような、次世代につなぐ相談員の可能性についてはお考えでしょうかという質問です。

以上です。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

まず、前半のZoom相談などにつきましては、おっしゃられましたとおり、相談員の御負担というところは考えつつではありますけれども、何個か自治体でやっていらっしゃるというところもありますので、そういったことも少しずつ考えていければと思います。

御自宅のウェブと結ぶというところだと、若干ハードルも高いかもしれませんが、例えば愛知県内などの例ですと、相談員がいるような大きなところと、周辺の小さな町、そこを結んで、小さな町の方も、わざわざ大きいところまで来なくても、対面のような相談ができるなど、そういう取組をされているところもありますので、少しそういうところを広げていければなと思ってございます。

それと2つ目の御指摘につきましては、現時点で、すごく具体的なところまでは行っていないのですけれども、今回、今日説明した中にも、相談員の、今、個人の力に依存していて、とにかく何でもできますという相談員、本当にこれは敬服してしまうのですけれども、一方で、例えば分業みたいなのができないかなど、例えばデジタルの相談を対応するような方みたいな、もう少しその相談員の中でも多様性があったり、それがチームとして補っていったりなど、そういった方向ができないかということで、ちょっと検討はしているというところでございます。

ありがとうございます。

○生駒委員 ありがとうございました。

デジタル世代の方々の中にも、今申し上げたように、サポートしたいと思っている方も潜在的にはいる気がするのです。それが仕事化されていくのであれば、可能性があるのではないかと思っていますので、もちろん経験豊富な相談員の方々と併せて、そうしたデジタル専門性の高い相談員について御検討いただくことはとても有効だと思います。

ありがとうございます。

○後藤委員長 飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。御説明いただきましてありがとうございました。

大きく2点ございます。1つ目は、3ページで、2040年を見据えてということで、これはもっともであると思いますが、消費生活相談に限らず、例えば地方公共団体全体についても、デジタル化だけではなく、例えば広域連携や公共私のベストミックスなど、ほかのものも含めて対応しようと模索していると思います。消費生活相談において、こういった状況に備えていくための固有の難しさ、恐らく消費者のぜい弱性など寄り添い型支援などあると思いますが、それに対する対応策について教えていただきたく存じます。

もう一点は、15ページでスケジュールを示していただいています。各地方公共団体でもDX推進計画を策定して進めているところかと思うのですが、そういったスケジュールとの関係、多分そこに入っていかないと遅れてしまうということもあるかと思うのですが、そういう点も含めて御予定について教えていただきますと幸いでございます。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございました。

1点目については、広域連携というのは消費者行政というか、相談業務の中でも既に進んでいる部分もございます。

そういった中で、特有の課題として挙げるとすれば、やはり消費生活相談、例えば電話やメールなんかですと、あまり物理的な距離というのは、割と克服できるところはあろうかと思いますが、一方で、もう少し見守り的な、寄り添うようなことになると、やはり物理的な距離というのも1つ影響したりなど、あとは、やはり自治体間の温度差で、割と中心的にやっているところに負担がいってしまうなど、そういったところは、ちょっと難しさとしてはあると思っていますので、やはり広域連携をするにしても、よくありがちなのは、その中で大きなところに頼り切りになってしまう、そういったところをできるだけならないように、やはり小さい町との意思疎通みたいなのもしっかりやってくださいなど、例えば小さい町の消費者行政の担当者がちゃんとつなぎ役になっていただけるなど、そういったことをちょっと併せて考えていくというのが大事かなと考えています。それが1点目でございます。

2点目が、スケジュールにつきましては、ちょっと現時点では、まず、我々の考え方を整理しながら、今、自治体の皆さんにもヒアリングをしながら、ということをやっておりますけれども、一定程度まとまったところで、自治体の皆様とも、また、更に深い議論をしていって、そういう中で自治体の庁全体のスケジュールとそごがないように、そこは丁寧にやっていきたいと思ってございます。ありがとうございます。

○飯島委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 ほかにございませんでしょうか。

受田委員長代理、よろしくお願いします。

○受田委員長代理 受田です。よろしくお願いいたします。

まず、こうやって消費生活相談のデジタル化により、より消費者に寄り添った様々な課題解決へ効率的に導いていこうという取組、大いに進めていただきたく、活発な論議を期待するところでございます。

今回、中間的というところなので、少し辛口のコメントになるかもしれませんけれども、御参考にしていただきたいという点で、コメントと、1つ質問をさせていただきます。

今のこの取りまとめの内容というのは、DX化というよりも、何かRPA化という、そんなイメージが強くて、どうしても捺印をしないようにしようという延長線上の議論に聞こえてしまいます。

本来、DXというのは、もう釈迦に説法ですけれども、トランスフォーメーションが必要で、本来のビジョン形成、そして、その可視化が極めて重要であるというところから、恐らくバックキャスティングしていかないといけないと思います。

そのために、こういうアニメというか、漫画で表現している、これは確かに、こういう考え方だと思うのですけれども、中身が、これが未来のビジョン、あるべき姿かというと、若干まだ、これよりも先に行かないといけないのではないかなという思いで見ているところです。

それで、質問の1つは、こういう形でアドバイザリーボードが活発に議論されている中で、やはりトランスフォーメーションをどういうグランドデザインへと導いていくか、こういう意見は、多分出ているのではないかと思うのですけれども、その点に関する、この協議の中身に関して伺いたいのと、恐らくAIを含めて、今後、日進月歩の技術にかなり依拠していく部分があると思います。

したがって、研究オリエンティッドで課題解決していかないと、技術を開発されることを待って、ここに実装していくよりも、もう消費者被害の理想的在り方を解決に導いていくために必要な技術開発も含めて、国全体を挙げてドライブしていただかないといけないのではないかと思います。

それで、ここから更に質問なのですけれども、そういう研究に関して、研究をドライブする担い手というのは一体どれぐらいいらっしゃるのか、その研究を推進していく上で、やはり研究費が必要で、ここに対する国費の投資というのをどんなふうに国全体で考えておられるか、恐らくデジタル庁が絡んでくるのかなと想像はするのですけれども、今の状況をお聞かせいただければと思います。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございます。

特に理念という面で申し上げますと、今回の資料ですと、ちょっと説明を飛ばしましたけれども、7ページというところが、今後考えていく上でということで、特にアドバイザリーボードの中でも、まず、この7ページの表でいうと、最初に理念というのが出てきて、まだ答えは書いていないのですけれども、やはりそこから入るというのはすごく大事だと。

特に、民間企業などでも、やはりこういうことをやるときというのは、単なるシステムをいじるというのではなくて、こういったところが入るのですよということは、やはりアドバイザリーボードの中でも出てきておりますので、まずは、そういうところなのかなと。そういう中に、また、やり方として委員の先生から出ていたのは、先ほど申し上げている、要するに、人の業務をちゃんと負担軽減だけではなくて、高度化もしてくのだと、そういう発想が大事だなど、その辺りは、実はちょっと役人ではなかなか出てこなかったところで、役人は、どちらかというと、システムをどう変えようかというところに一生懸命になってしまうところありましたので、そこはちょっと引き続き、先生方とも議論しながら、単に小手先のシステム変更にならないようなことをやっていって、最後は、いかに多くの消費者の方にメリットがあり、現場の方にも今より良い仕事をしていただけるような、それが最後翻って、消費者の安全というところに返ってくるような、そういったデザインを描きつつ、具体的なところも詰めていきたい。そんなふうに思ってございます。

なかなか、今、そこまでの研究というところには至っていないかなというのが実情ではありますけれども、ちょっと有識者の先生など、いろいろな方が、実はこの関係で、もう企業の方など、いろいろな方のお話を聞いていますので、まずは、そういう中で答えを見付けていきたいなと思ってございます。

どうもありがとうございます。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

研究要素が相当あるということになると、やはり国を挙げて研究開発投資というのがあって、そこに担い手が参画していく、それによって実現していくやり方も、ここでは求められるのではないかなと思いましたので、あえて発言させていただきました。

○後藤委員長 ほかにございませんでしょうか。

よろしいでしょうか。

社会のデジタル化が急速に進む中で、PIO-NETや消費生活相談体制の在り方についても、それにふさわしいものとなるよう不断に見直し、改善を図っていくことが必要であり、アドバイザリーボードにおいて、その具体策について御検討いただいていることを評価したいと思います。

消費生活相談のデジタル化を進めるに当たっては、利用者である消費者の利便性の向上、消費生活相談業務を担う相談員の負担軽減・力の発揮、政策の企画立案や法執行等における相談情報の利活用の促進など、それぞれの観点からの課題解決に資するような形で進めていくことが重要だと考えます。

そのためには、利用者や現場の相談員、関係行政機関の職員など、関係者のニーズ、意見を十分に把握した上で、真に利便性の向上や業務の効率化等につながるような形でデジタル技術を活用するとともに、高齢者等のデジタル技術に不慣れな方々にも配慮した消費生活相談体制を実現することが必要と考えます。

今後、中間的取りまとめを踏まえて、より具体的かつ実際的な検討を行っていくということですので、本日、委員から出された意見の内容をアドバイザリーボードの委員の方にも共有していただきながら、検討を進めていただきたいと思います。

なお、消費生活相談のデジタル化を実現するためには、各自治体の消費生活センター、相談窓口の業務体制のデジタル化とセットで進めていく必要がありますので、地方への支援や相談員への研修の充実・強化についても、併せて十分に御検討いただくようお願いいたします。

本日の議論を踏まえ、消費者委員会としても、引き続き消費者庁等における取組状況を注視し、必要に応じて調査審議を行ってまいります。

消費者庁におかれましては、本日はお忙しいところ、審議に御協力いただきましてありがとうございました。

○消費者庁小堀地方協力課長 ありがとうございました。


《5.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も大変御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)