第358回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2021年11月12日(金)12:59~14:19

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 若宮内閣府特命担当大臣
  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    国土交通省住宅局宿本住宅生産課長
    消費者庁南表示対策課課長
    消費者庁奥山取引対策課課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 若宮内閣府特命担当大臣御挨拶
  3. 住宅品質確保法について(日本住宅性能表示基準等の改正)
  4. 消費者基本計画の検証・評価・監視(特定商取引法の契約書面等の電子化・執行強化等)
  5. その他
  6. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから第358回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室で出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて御出席です。


《2.若宮内閣府特命担当大臣御挨拶》

○後藤委員長 本日は、大変お忙しい中、若宮内閣府特命担当大臣に御出席いただいております。

若宮大臣より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○若宮内閣府特命担当大臣 皆様、こんにちは。この度、消費者及び食品安全を担当いたします内閣府特命担当大臣を拝命いたしました若宮健嗣でございます。消費者委員会の委員の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。

消費者庁及び消費者委員会は2009年9月1日に設立をされ、現在13年目に入っております。この間、消費者行政は着実に成果を上げてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染の拡大、デジタル化の進展など社会経済の情勢変化や消費者のニーズの多様化に伴い、消費者行政には新たな課題が次々と現れております。消費者委員会におかれては、消費者基本計画の検証、評価、監視の一環として、現下の消費者問題やそれに対する関係省庁の取組状況についてヒアリングを行い、基本計画の工程表の改定に向けた御意見の取りまとめに向けて御審議を進めていただきたいと考えております。

コロナ禍やデジタル化など、現在の消費者行政が直面する最重要課題に適切に対処していくためには、消費者委員会が我が国の消費者行政全般についての監視機能を十分に発揮するとともに、消費者行政の推進役である消費者庁の取組を力強く後押ししていただくことが重要だと考えております。後藤委員長をはじめ委員の皆様方には、引き続き消費者行政の支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

消費者委員会といたしましては、大臣をはじめ政務三役の皆様のお力添えをいただきながら、今後もより充実した調査・審議を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

若宮大臣は御公務がございますので、ここで御退席をされます。

本日は、お忙しいところ誠にありがとうございました。

○若宮内閣府特命担当大臣 どうぞよろしくお願いします。

(若宮内閣府特命担当大臣 退室)

《3.住宅品質確保法について(日本住宅性能表示基準等の改正)》

○後藤委員長 それでは、開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。お手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願い申し上げます。

以上でございます。

○後藤委員長 最初の議題は、住宅の品質確保の促進等に関する法律第3条第1項の規定に基づき定める日本住宅性能表示基準の改正についてです。

住宅品質確保法は、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護、住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図ることを目的としております。また、同法に基づく日本住宅性能表示基準は住宅の性能に関して表示すべき事項や、その表示方法を定めるものであり、表示基準を変更する場合は同法第3条第4項において、消費者委員会の議決を経なければならないこととされております。

昨今、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた取組が進められております。今回の改正は日本住宅性能表示制度における省エネ性能に係る等級に、ゼロ・エネルギー・ハウス、ZEH基準の水準の省エネ性能に相当する上位等級を設けるものである旨、話を伺っており、資料1-1のとおり、本年11月1日に内閣総理大臣から消費者委員会へ諮問があったところです。

本日は、この諮問事項について消費者庁及び国土交通省からヒアリングを行い、審議を行った上で消費者委員会としての判断を示すことにしたいと思います。

本日は、御説明者として消費者庁表示対策課南課長、国土交通省住宅生産課宿本課長に御出席いただいております。本日はお忙しいところありがとうございます。

それでは、よろしくお願いいたします。

○消費者庁南表示対策課長 消費者庁の表示対策課長をしております南と申します。本日は、お忙しいところありがとうございます。

ただいま委員長から御紹介がございました住宅品質確保の促進等に関する法律の規定に基づきます日本住宅性能表示基準、これを変更する際には、あらかじめ消費者委員会の議決をいただくことになっております。したがいまして、本日は、是非ともこれを御審議お願いしたいと考えております。

改正内容の詳細につきましては、国土交通省の宿本住宅生産課長から説明をお願いしたいと思います。課長、よろしくお願いします。

○国土交通省宿本住宅生産課長 国土交通省住宅生産課長の宿本と申します。消費者委員会の皆様方、先生方におかれましては、日頃より住宅行政に多大な御協力をいただいていますことをこの場を借りて感謝を申し上げたいと思います。

それでは、資料の1-2を用いまして、今回の改正について外枠を含めて御説明をさせていただきたいと思います。

まず2ページ目でございます。「日本住宅性能表示基準及び評価方法基準の概要」となっております。先ほど来お話がありましたように、住宅の品質確保促進法という法律に基づく仕組みでございます。

上段の左にございます「日本住宅性能表示基準」は住宅の性能に関し表示すべき事項及びその表示の内容、具体的には等級であったり説明内容であったりするわけですが、これを定めるものでございます。例えばそこの枠にありますような構造躯体、建物の構造の劣化対策等級というものにつきましては3つの等級に分かれておりまして、具体的な性能を定めているということになります。これらにつきましては、消費者委員会の御議決をいただきたいということでございます。

それから、右にまいりまして「評価方法基準」というものがございます。これは左の「日本住宅性能表示基準」に従って、表示すべき住宅の性能に関する評価を行う際の技術的な方法を定めるものでございます。こちらにつきましては、社会資本整備審議会の議決をいただくということになってございます。今回はこの左の「日本住宅性能表示基準」に関し、省エネの項目で新たな追加をお願いしたいというものでございます。

その前に、住宅性能表示につきましては、真ん中の欄にございますように構造の安定など、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理・更新への配慮、温熱環境、エネルギー消費量、これが今回の議論の論点でございます。そのほか空気環境に関すること、光・視環境に関すること、音環境に関すること、高齢者等への配慮に関すること、防犯に関すること、このように10個の分野、35項目について、性能表示をするという仕組みになっておりまして、右の欄にございますように、新築住宅については構造と劣化と維持管理と温熱環境、これらについては必須、その他は選択ということで、住宅の性能を表示することができるということになっております。

等級につきましては、等級1、2、3と数字が大きくなるにつれ、より高い性能を示すということになってございます。

3ページ目をお開きください。今回は、このうち省エネ性能について、更に上位の等級を作るということについて御議論いただきたいと考えております。

現在の住宅性能表示におけます省エネ性能の等級は、下にございます断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級の2つに分かれてございます。現行、建築物省エネ法に基づく基準で省エネ基準というものがございますが、これの省エネ基準相当が最高等級となっているわけでございます。

左の断熱等性能等級でございますが、これはUA値という値でもって議論するわけですけれども、これは数字が小さくなるほど熱が通りにくいのだと御理解をいただければ良いかと思います。したがって、熱が通りにくくなりますので、冬場の暖房の部屋の中で暖めた空気が外に逃げない、若しくは外の冷たい空気が中に入ってこないという性能だと御理解いただければよろしいかと思います。数字が小さくなるほど省エネ性能が高いということになります。

具体的にはこのUA値の数字を低くしていく、より性能を高めるためには、断熱材を厚く施工する、若しくは密度の高い断熱材にしていく、それから、窓を単板ガラスではなくて二重サッシにするなど、窓枠もアルミではなく樹脂サッシにしていくなど、様々なやり方がございます。そういった様々な設計の仕方を計算いたしましてUA値という形で表示をしております。現行は等級4が最高等級になっておりまして、この数字は、省エネ基準の数字と同じになってございます。

もう一つ等級がございまして、右の欄でございますが、一次エネルギー消費量等級というものがございます。これは設備などの省エネ度合いを算定するものでございます。標準的な仕様の設備と比較して、どれほど省エネ性能の高い設備を使っているか。具体的には例えばエコジョーズや、エコキュート、こういった省エネ性能の高い給湯器を用いるなど、電球をLEDにする、それから、クーラーなどにつきましても省エネ型のものがございます。こういったものの性能を見て決めていくことになります。

こちらについては標準的な仕様の設備と比較をした場合、1.0、つまり標準的な設備と同じという場合は等級4で、これが省エネ基準相当でございます。こちらについては等級5というものがございまして、更に1割エネルギーをカットしているものについては、等級5ということで、現在の住宅性能表示では、このように定まっております。

今般お願いをいたしますのは、更に深掘りをした省エネ性能の住宅が昨今かなり出回っております。世の中にも普及をしているということでございます。下段にまいりますが、地方公共団体などでは、このZEHというもの、ゼロ・エネルギー・ハウスでございますが、こういったものについて断熱性能を表示して補助をしたり、そして、更にZEHを上回る水準のものに補助をしたりという取組がなされております。

一方、現在の住宅性能表示制度ではZEHなど、それを上回る省エネ制度を評価することができませんので、ここが問題ということでございまして、今般、下にZEHの基準がございますが、上の表と比較をいたしますと、上の表は6地域、東京での数字でございますので、UA値で言いますと、ZEHは0.6になっております。一次エネルギー消費量は20パーセント削減ということになっております。現行の省エネ基準で言いますと、等級4の0.87に対して0.6、等級5の省エネ基準より10パーセント削減に対して20パーセント削減という新たな等級を創設したいということでございます。ZEHについては後ほど説明をさせていただきます。

具体的に説明に用いる文字についてでございますが、断熱等性能等級について等級5を設けまして、熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている。一次エネルギー消費量等級につきましては等級6を定めまして、一次エネルギー消費量の著しい削減のための対策が講じられている、こういうものをお願いしたいということでございます。

ちなみにZEHにつきましては、少しページが飛びますが10ページを御覧ください。ZEHと我々は申しておりますが、ゼロ・エネルギー・ハウスでございます。

まずマル1の高断熱化とありますが、建物の断熱性能を高めていただきます。これは先ほど申し上げました断熱材を強化する、それから、窓ガラスを強化する等々でなし得ることでございます。建物の性能として断熱化を強化する。

その上で、設備を高効率化する、給湯器、クーラーなど、こういったものの高効率化を図って、そもそものエネルギー削減をしてまいります。

加えて、創エネルギーとなっておりますが、一般的には太陽光発電を屋根の上に乗せまして、エネルギーを作るということでございます。系統には当然つないでいるわけですが、トータルで見ますとエネルギーがゼロになると、一般的には先ほど申し上げた東京地域での断熱基準を設けた上で、一次エネルギーを20パーセント削減して、一般的には屋根の4キロワット、若しくは6キロワットぐらいの太陽光発電を乗せると計算上はゼロ・エネルギー・ハウスになるということでございます。こういったものの数が増えてきておりますので、こういったものの性能表示ができますように位置付けをしたいということでございます。

ページをお戻りいただいて5ページ以降でございます。5ページには参考として断熱等性能等級の5、一次エネルギー消費量等級の6の評価方法の基準案を載せております。本日の議決対象ではございませんので、御参考までに載せておりますが、説明は省略をさせていただきます。

6ページ目をお開きください。これまで進めてきたスケジュールについて記載をしております。本日11月12日、消費者委員会での御議論・御議決をお願いしたいというものでございます。これらにつきましては、御議決いただきますれば公布をいたしまして、来年の4月の施行を考えております。

7ページ目でございますが、本年9月16日から1か月間パブリックコメントを実施いたしました。主な御意見を5つほど並べてございます。1つ目はより上位な等級、今回定めるものより、より上位なもっと省エネを進めた等級を設定する必要があると、これについては今、我々の内部で基準の在り方等について今検討を進めておりますので、その上で、また消費者委員会でも御議論いただきたいと思っております。これは後ほどの話ということになります。

2つ目は、適用される基準日のことですが、これは従来より性能評価の申請日を基準にしておりますので、そこで仕分けをするということになります。

3つ目ですが、施行日までに一定の期間を設けていただきたいということですが、これは来年の4月から施行するということでございます。

4つ目は評価方法の合理化、5つ目が必要な周知・調整ということで、これはいずれも今後の検討として努めていきたいと考えております。

8から9ページは、参考までに御用意をさせていただいた省エネ関係のかなり細かい資料になりますので、説明は省略をさせていただきます。

以上でございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問等がある方は御発言をお願いいたします。なお質疑応答の時間は15分程度を予定しています。よろしくお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。御説明ありがとうございます。

引上げについては賛成です。人の行動で省エネを促進しても限界があります。技術革新でもって国が評価をして、事業者が努力したものを消費者が理解して利用するというのは賛成です。私は消費生活センターの相談員をしていますが、啓発等ではZEHをPRして、エシカルやSDGsの話をしますが、相談の現場では、いまだ1件も相談を受けていないという現状です。私たちはこれから啓発でどんどん進めていかなくてはいけないと思っています。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかに御質問・御意見はございますか。

受田委員、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。御説明ありがとうございました。

今、清水委員のコメントに関連するのですけれども、また、パブリックコメントの4つ目にもありましたように、やはり評価方法に関して、自らがどういう位置にあるのかということをしっかり認知することが、こういった法改正の趣旨を具体的に消費者に実装する上では重要なのではないかなと思うところです。今後の啓発という部分にもつながっていくかと思いますけれども、省エネハウスに自らが住んでおられるかどうか、あるいはどう改善していけば良いのかというような働き掛けの部分については、具体的にどのようにお考えなのか、考え方をお伺いできればと思います。

以上です。

○後藤委員長 よろしくお願いします。

○国土交通省宿本住宅生産課長 まず、今回のZEH相当という前に、省エネ基準については、この基準の義務付けということを今検討しております。各界からの要請ということもございますし、義務付けをしていきたいという方向で様々な調整をしているところでございます。その上で、ZEHは省エネでいうと次に目指すべき水準ということになってまいりますので、様々な支援措置、これは予算もございますし、税もございます。そういったものを通じて広く周知をしていきたいと考えております。

さらには、経産省とも一体となって、こういったことを進めることで、実は建材などの性能が高まるということが、住宅の性能を向上させるのに非常に効果的でございます。こういったことを各省とも連携をして進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

今、お二人の委員が言われたこととも通じることです。最初に委員長からもお話がありましたように、カーボンニュートラルに向けて住宅というのは大変重要なものです。そういう意味で、今回上位の基準を設けていただいたことは大変良いことだと思います。ただそれを消費者に対してもですが、実際に工事を実施する事業者、たぶん大きなハウスメーカーなどは理解され実施されると思いますけれども、特に中小の工務店など、そういうところにも是非しっかりと周知していただけるようにお願いしたいというのが1点目です。

あと、もう1点質問です。省エネ性能については、新築よりも今一番問題となっておりますのが既存の中古住宅になります。中古の住宅においても、これらの基準をどのように今後適用していくのか、それともしないのか、既存のものに適用するというのはなかなか難しいことではあると思いますが、必要なことであると思いますので、既存の中古住宅での省エネ性能の向上に向けて、何か方策等がまとまっておりましたら是非お聞かせいただければと思います。

以上です。

○国土交通省宿本住宅生産課長 まず1つ目の中小工務店も含めて周知をしていくということについては、私どもは引き続き精いっぱいやってまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

2つ目の既存住宅の改修については、これは大変難しい問題でございます。なかなか既存ストックが、住宅ストック全体で6200万戸ほどございます。このうち800万戸ぐらいが空き家ですので、お住まいになっている住宅は5400万ということになります。この5400万に対して、新築されている住宅は80万から90万ぐらいです。単純計算しますと、60年ぐらいで全てが置き換わる。住宅の寿命が長くなってきていますので、そのようなものかなと思います。これは裏返しますと、新しいもので性能の高いものを供給していっても、古いストックについての対策をしっかりやらないことには、全体のカーボンニュートラルが進まないということになります。

当然、既存住宅についても、省エネ性能という意味では、こういう住宅に改修をしていただきたいわけですけれども、なかなか現実の姿を見ますと、家全体を改修するというのは難しゅうございます。これはやろうという意思の問題もございますし、資金面の問題もございます。そういうことを考えますと、よく使っておられる例えばリビングとお風呂など、一番分かりやすく言うと、2階はもうお子さんが巣立ってしまったのでほとんど使っていないという場合に、1階だけ断熱施工するなど、部分改修と呼んでおりますけれども、部分的にZEH水準に合わせていくような改修を推奨していけないかということは検討しております。そういった方向で進めていきたいなと考えております。

○大石委員 よろしくお願いします。

○後藤委員長 それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 御説明ありがとうございます。

もう皆様がおっしゃられていることと重なってしまうのですけれども、原油が高騰しておりますし、暖房代が掛かる。それから、カーボンニュートラルということでCO2を出さないようにということ、省エネが必要ということで今回更に厳しい基準ということで、これには賛成でございます。

その際に、先ほど各委員がおっしゃっておりましたけれども、これをどのように普及していくかというのが重要でありまして、やはり消費者が選びやすいようなものであってほしい、例えば表示など、仕組みなどについて分かりやすく説明していただくということが必要ではないかと思います。例えばエコジョーズという高効率給湯器があるのですけれども、あれは大変良いもので、かなり以前から性能を向上しながら普及しているというのは聞いているのですけれども、ただ、それを選ぶときに、例えば事業者の説明が不十分であり、ランニングコストが思っていたより高かったなど、いろいろなことがあって選ばれないということがあります。そういったことを考えますと、どうやって普及していくかというのが今後の検討課題かなと考えますので、そこも含めて、是非よろしくお願いしたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 次に黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 黒木です。質問が2点あります。

1点目が、この性能品質基準になると、住宅金融支援機構の金利の優遇や、そのような形のことが将来的に受けられるのかということについて、どうお考えなのか。

第2点目はZEHです。これは太陽光発電の発電機を使うということになりますと、現在、太陽光発電に関する系統の関係で卒FITなどという話がありますけれども、そういう太陽光発電事業者と同じようないろいろな規制みたいなものが、住宅を取得した人に掛かってくるのか、その辺りはどのように考えていらっしゃるのか。よろしくお願いいたします。

○国土交通省宿本住宅生産課長 住宅金融支援機構の融資につきましては、こういった省エネ性の高い住宅を優遇していくということで今も取り組んでおります。

2点目の太陽光発電につきましては、今、正確には把握していないのですけれども、かなり大きなものについては、一定の電気事業法など、あちらの法律で規制が掛かるということになっておりますが、私が聞いている限りは賃貸住宅などの相当大きなもの、ただ、もう少し発電量の小さいものも規制していこうという動きもあるようですので、そうしますと、戸建て住宅についても、ただ、戸建て住宅でも相当大きなもの、屋根が相当大きくて、屋根の全面に太陽光発電を載せているようなものが対象になると聞いておりますので、そういった発電事業者としての規制はそんなにないのかなと思っております。

ただ、現実には発電事業者同様のリスクというのでしょうか、先々のメンテナンスコストなど、そういうものは掛かりますので、そういうことも含めて消費者の方には周知をしていかなくてはいけないのかなと考えております。

○黒木委員 ありがとうございます。

特に設備投資をしなくてはいけない消費者とすれば、単なる屋根よりは高くなるわけですから、その辺りの将来の見通しがちゃんと分かるような形で普及をしていただくようにお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○国土交通省宿本住宅生産課長 承知いたしました。

○後藤委員長 それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございます。

カーボンニュートラル達成のために、より厳密な上位の項目を付け加えられるというのは、とても意義深いことだと思っておりますが、実際には、先ほど住宅の数が既に住まわれている中古と言いますか、日本で5000万戸以上ある状況の中で、一般の消費者のことを考えますと、国交省なので、対象が事業者であるとは思うのですが、例えば消費者庁はエシカル消費を奨励しているのですが、エシカルハウスと申しますか、エシカル住宅の推奨を一般の消費者の方に向けて同時に行っていかないと、なかなか動きが大きくは出ないかと感じています。

いきなりリノベーションなど、家を建てかえるということはかなり難しいとしたならば、住まいをエシカル化するというか、カーボンニュートラルに向けて協力できるような住宅体制に持っていくための知恵のようなもの、消費者の方がすぐに、今日からでも、明日からでも取り掛かれるような何か知恵のようなものも併せてお伝えいただけると良いと思います。そうすると、自分ごとになります。事業者の方に向けてだけですと、他人ごとではないですけれども、新しい家を建てないと難しいですみたいになってしまいますので、そういったところの流れも他省庁とも組んでいただいて取り組まれると良いかと思いました。意見です。

○国土交通省宿本住宅生産課長 私は直接エシカルについてはお答えできないのですけれども、実はおっしゃっているような消費者の方々が省エネ、カーボンニュートラルは大事なことだと言ってもなかなか伝わらないというのがあって、次に電気代が安くなるのですよと言ってもなかなか伝わらない。一つの取組として、実は断熱をして温かい住宅に住むと、特に高齢者の方の血圧が上がらない、安定するということ、これは数年掛けて実証実験なども行って調査をして、医学的にもかなりエビデンスが整ってきています。そのように、この断熱をすることは省CO2だけでない、電気代の節約だけでない、健康にも通じるのだということを研究して、周知をすることもやっております。よりもっと大きな取組をしていく必要があることは認識をしておりますが、今のところ我々もそういう取組をしていることだけ御報告をさせていただきます。

○生駒委員 今のお話はよく分かりやすく、健康に対しての良い影響というのが非常に身近に感じられると思いますので、様々な観点から省エネの必要性を訴え掛けていただくというのは有効だと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 他にございますか。

それでは、議論はここまでとし、これからテレビ会議システムの画面上にて答申案を表示いたしますので御覧ください。

ただいま追加資料として配付しました委員会の答申案は、令和3年11月1日付けで内閣総理大臣から当委員会に諮問のあった事項について、住宅の品質確保の促進等に関する法律の趣旨に鑑み妥当であり、その旨答申するというものです。

御了解を得られたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

それでは、皆様の御了解をいただいたということで、この内容で答申したいと思います。

消費者庁や国土交通省におかれましては、本日はお忙しいところを審議に御協力いただき、ありがとうございました。

○消費者庁南表示対策課長 ありがとうございました。

○国土交通省宿本住宅生産課長 ありがとうございました。

(消費者庁南表示対策課長、国土交通省宿本住宅生産課長 退室)

(消費者庁奥山取引対策課長 入室)

《4.消費者基本計画の検証・評価・監視(特定商取引法の契約書面等の電子化・執行強化等)》

○後藤委員長 次に、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、特定商取引法の契約書面等の電子化、同法に基づく執行強化について審議をしたいと思います。

令和3年6月16日、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律が公布されました。改正後は、特定商取引に関する法律等に規定されている販売業者等が契約締結時等に交付すべき書面の交付について、紙での交付を原則としつつ、消費者の承諾を得た場合に限り、例外的に契約書面等に代えて、その記載事項を電磁的方法により提供することができるようになります。この改正においては公布の日から起算して2年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行されることになっております。

消費者庁では、この電磁的方法による提供について検討するため、本年7月30日より特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会を開催し、令和4年春頃をめどに取りまとめを行う予定と伺っております。消費者委員会は電磁的方法による提供に関して、令和3年2月4日付け特定商取引法及び預託法における契約書面等の電磁化、電磁的方法による提供についての建議を発出しており、建議への対応状況や今後の進行等について高い関心を持っております。

本日は、消費者庁から当該事案への対応状況を中心に、契約書面等の電子化・執行強化等につきましてお話を伺い、説明いただいた内容を踏まえて意見交換をしたいと思います。

本日は、消費者庁取引対策課奥山課長にお越しいただいております。本日はお忙しいところをありがとうございます。それでは、20分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。消費者庁取引対策課でございます。いつもお世話になっております。

委員長から御案内がございました特定商取引法の改正のうち、契約書面の電子化の部分に関しまして、現在の検討状況等について御説明を申し上げたいと思います。

お手元の資料2の最後にスキーム図、ポンチ絵がございますので、こちらでまず全体の検討の流れというのを御説明申し上げたいと思います。先ほども委員長から御紹介がございましたように検討会を7月30日に立ち上げまして、令和5年の6月、2年以内の施行に向けまして、十分に検討を尽くすようにという趣旨で、この2年間という時間を頂戴しておりますので、慎重かつ丁寧に議論を進めていくということを考えてございます。

具体的には、令和3年8月よりワーキング・チーム会合というものを設置いたしまして、まずは関係者の方々から丁寧に御意見を承ることが肝要であろうということで、ヒアリングを毎月1回ぐらいのペースで実施をしてきてございます。そのヒアリングの実施状況につきまして、資料2の最初のページに、どちらの団体から御意見を承ったかというのをまとめてございまして、ページをおめくりいただきますと、今月以降、更にヒアリングを続けていくこととしてございまして、検討会の委員の先生方より御推薦をいただいた団体、若しくは検討会の委員の先生方の親元の団体といったところから、今後も引き続き御意見を頂くということを予定してございます。

その上で、また最初のフロー図に戻っていただきますと、来春以降でございますが、いただきました御意見につきまして整理をいたしまして、どういった点に留意しまして、この契約書面の電子化につきまして政令の制定をしていくべきかといったところを検討会本体に返すということを予定してございます。その上で、改正の方向性につきまして検討会から御示唆を頂戴した後に、消費者庁としての作業に取り掛かるといったタイムスケールを想定してございます。

今、実際に御意見をいただいて、審議のポイントとなりますのは2点でございまして、いかに消費者の真意に基づく承諾を確保するかという承諾の実質化についての点。もう1点が、電磁的方法による提供の方法はいかにあるべきか。これは法律から政令への委任事項でございますので、この2点に集中して最終的に取りまとめを行ってまいりたいと考えてございます。

具体的に、ヒアリングのときには非常にたくさんの消費者相談の実態など、それから、事業者の関係からは事業活動を行う上での実態、このようなものを踏まえながら非常に多岐にわたるコメントは頂戴しておりますが、まだヒアリングの途中段階であるということから、今後のヒアリングについて、あまり中身を予断することも適切ではないかと思いまして、今の時点での御意見のまとめというものは、特段今回は御報告しないこととさせていただきたいと考えております。

状況の御説明につきましては、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御質問等がある方は御発言をお願いいたします。なお質疑応答の時間は35分間を予定しています。よろしくお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 御説明ありがとうございます。

今後ヒアリングをしていただけるということなので、あえて言うことではないのですが、最近の相談現場の状況をお伝えしたいと思います。

先日、電気・ガスの契約先の変更で訪問販売の契約書面不交付というのがありました。電気・ガスの代理店は特商法についてよく理解されていません。既に書面の電子化だと思っているようです。交渉しても、もうスイッチングしてしまったので元に戻せませんと平気で言われています。私たち消費生活相談員は、非常に今回の書面電子化は危惧しています。

先日、ガスの契約先の変更をするということで三次代理店が訪問販売に来ました。その三次代理店に契約の締結日はいつだと確認したら、訪問した日に電子書面で署名したと言いました。私の相談者、77歳の女性はタブレットには署名していなかったです。その後、代理店はショートメールでURLを案内して、そのURLでマイページの中で書面を交付したと言いました。しかし、その方はショートメールしか受けられず、Eメール、いわゆるウェブメールの契約がないものですから、URLをクリックしてもインターネットに接続できないということで、書面不交付ということだったのです。

契約元に聞きましたら、ガス事業法の重要事項説明の契約締結前の書面も不交付でしたし、1週間後に速やかにガス事業法による契約締結後の書面は出されたのですが、それが契約書面だと言いました。しかし、特商法では直ちに交付するということですから、基本的に訪問した日に交付しなくてはいけないということを説明した次第です。こんなことがもう既に現場でありますので危惧しております。

もう一つ、連鎖販売取引なのですが、既に若い方から高齢者までの被害が発生しており、こちらも電子化を進めている業者が非常に多いです。何を契約したかも分からないモノなしマルチ的が多くて、契約書面がないとクーリング・オフが非常に出しにくいということがあります。これが現状です。しっかりと規制をしていただきたいと思います。

最後に、こういったことから現場では不招請勧誘の禁止、規制、それと、連鎖販売に関しては高齢者や若者に対しては勧誘の規制が必要かと思います。また、高額な商品や、投資などのリスクが高いものは、ある程度禁止していただかないと脱法行為が後を絶ちません。長くなりましたが、是非今後の検討を期待しております。よろしくお願いします。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

いかがでしょうか。

○消費者庁奥山取引対策課長 現場の最近の一番ホットな情報を頂戴いたしまして、ありがとうございます。今回の書面の電子化から、更にいろいろな広いところまでコメントを頂戴しておりまして、いろいろ交通整理をしながら、この書面の電子化の部分では一体何を対応すべきか、というところをしっかりと煎じ詰めていきながら、効果的な規制ができるように考えてまいりたいと思います。

○清水委員 よろしくお願いします。話が広がってしまいまして失礼しました。

○消費者庁奥山取引対策課長 いえ、有り難いです。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

私からは質問をさせていただきます。消費者委員会としても建議を出しておりまして、この審議の行方を注目して見てはおりますが、最後に御説明いただきました4枚目のスケジュールのところについてです。

まず、7月30日に第1回の検討会があり、その後、ワーキング・チーム会合が5から6回続き、2回、3回の検討会が春に行われて、その春以降に政省令の策定となっているのですが、令和4年の春の2回、3回の検討会というのが大変重要になると思います。第2回で、それまでのワーキング・チーム会合の結果を取りまとめて、それから、政省令につなげるという大事な会議だと思うのですけれども、スケジュールが大変タイトではないかと感じております。本当に、この2回で、どのくらい深く検討ができるのかというところについて少し疑問に思っているところです。逆に言うと、ワーキング・チーム会合の取りまとめについては、いつぐらい、どのような形で私たちも見ることができるようになるのか、というスケジュール的なものを教えていただけますと有り難いと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁奥山取引対策課長 スケジュールでございますが、まず検討会の2回目では、ワーキング・チームでいろいろ頂戴しました御意見の論点整理をいたしたものを御報告申し上げる。ですので、ヒアリングの結果、どのような論点があったかというのが整理されるというのが2回目でございます。

それで、論点のうち達成すべき目標を蒸留した形のものをまとめ上げていくのが、今ですと3回目のイメージではございますが、今後も含めまして、いろいろ論点で相反するようなところなど、若しくはオプションが幾つかあるようなところで、議論をしながらある程度共通的な解を一致させていくような必要がもしありましたら、そこは3回目というたった1回で結論を見るというような予断をせずに、検討会体ですので、やはり委員の先生方の御意見の一致をいただくことが非常に大事かと思っておりますので、もし必要がありましたら、第3回という終わりありきで議論するのではなくて、第4回、第5回と議論を続けていく可能性ももちろんあるかと考えております。

他方で、ある程度その方向性、政省令で達成すべき目標をお示しいただければ、あとはテクニカルな作業を消費者庁では追っていくことになろうかと思いますので、来夏以降のタイミングでは、そういったテクニカルな作業をするようなフェーズに移っていければと考えてございます。

特段まだ決まったスケジュールという固まったものはないのですけれども、私どもが思い描いておる工程というところを今申し上げた次第でございます。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。

○大石委員 はい、消費者団体や弁護士会をはじめ多くの消費者、事業者も注目しておりますので、丁寧に進めていただければと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 こちらこそよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○後藤委員長 受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 御説明ありがとうございました。

丁寧かつ慎重な議論を様々な団体の皆様からヒアリングされて進めておられるという現状については、その方向で進めていただきたいと思うところです。

私からは現状の中で、少し第6次の消費者委員会を通じて発出された建議との比較という点で、内容的なところを伺いたいと思います。伺いたいポイントは、元々の建議の中で脆弱な消費者に対する対応ということで、特に高齢者等のデジタルツールに不慣れな消費者、あるいは来年に近づいております成年年齢の引下げということを踏まえて、若年者の対応というところが挙げられていたかと思います。こういう点に関して懸念される事柄、また、客観的な視点で現状を踏まえて、それをどのように解決し、どの程度までその客観的な指標を改善していけば良いのかという、極めて客観的な視点の議論が今のヒアリングの内容の中に盛り込まれているのかどうか。あるいは今後そういった点については、どのように進めていこうとされているのかという点について伺えればと思います。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。非常に重要な点かと考えております。

高齢者と若者対策でございます。特に成年年齢の引下げといったところは、消費者庁全体にとりましても大きな課題であろうかと考えております。その中で、今回検討しておる論点は、書面の電子化に伴う対応をいかにするかという点でございまして、高齢者や若者の被害がどうなるかという部分につきましては、書面につきましても同じように共通的に考えていくべき課題かと思います。

電子化に伴って書面のときよりも被害が拡大しないという実態をしっかり確保するということが重要かと考えておりますので、今のワーキング・チームでのヒアリングにおきましても、電子になっても、いかにその実質的な承諾行為というのをいただくか、それから、電子になっても契約書の書面交付と同じような機能をいかに担保していくかといったところにつきまして、ある程度絞って議論をしていただいているということもございますので、客観的指標とおっしゃいましたけれども、私どもとして理解しておりますのは電子化、電子も許容されるということに伴って、それに起因する消費者の不利というのをいかに生じさせないかというところが客観的指標になろうかと理解をしておりますし、その点から、書面の電子化に関する政省令の制定を行ってまいるものと理解しております。

また、一般的な高齢者、若者、ほかのいわゆる弱い立場にいらっしゃる消費者の方の対策というのは、組織としても基本的な命題として引き続き取り組んでいくべきものと理解をしてございますし、特にタイムリーに成年年齢の件につきましてはPRを強化するなど、特商法に限らずいろいろな取組を展開しておるところでございます。お答えになっておりますれば幸いでございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

是非そういった客観的な視点、また、慎重かつ丁寧に2年間を要するということで、社会はその2年間の間に変化しております。デジタル庁が発足しまして社会のデジタル環境というのも大きく進化・変化しておりますので、そういった流れも踏まえた上で、慎重かつ丁寧な議論を進めていただきたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございます。

この案件に関して、契約書面のデジタル化においては2つの側面があると思うのです。事業者に向けての働き掛けと消費者に向けての働き掛けと両面あると思うのです。

まず、事業者に対して書面の電子化を図るときに、こうしたことをクリアしなくてはいけないといった基準を提示していくことになると思うのですけれども、今の段階では事業者ごとに自主判断していただくことになるのでしょうか。書面をデジタル化していくときに許可性を取るまでには至っていないと思うのですが、何らか事業者の体制を調査をするなど、基準を設けるときに、ここまでクリアにしないとデジタル化できませんよといったような、事業者に向けての働き掛けも必要ではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

また、消費者に向けては、やはりデジタルリテラシーの向上を併せて行わねばならないことだと思いますし、デジタル弱者への配慮が非常に重要になると思います。また、併せてクーリング・オフのこともセットで考えて提示していかなくてはいけない、こういう措置があるのだということ、そういった情報提供を消費者に向けても併せてしていかなくてはいけない点だと思います。

今、今後いろいろとヒアリングをして進めていかれるとは思うのですけれども、是非そういった点に関して配慮をして進めていただければと思います。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

もう先生より御指摘のほぼとおりではないかと思います。先ほどおっしゃいました事業者を許可制にするというのは、多分法律本体で手当てすべき事項であろうと考えますので、政省令では法律から委任されている事項につきまして定めていくことになります。当然何らかの形で電磁的交付ができる事業者の条件などは定めていくことは可能ですので、これは検討会の議論の結果にもよりますけれども、検討会から示唆を頂くポイントを実現していく上で、そうした条件設定というのが必要であれば、そういったものを政省令の中に落とし込んでいくということになろうかと思います。

また、消費者、デジタルリテラシーの向上、弱者への配慮、そういったことの情報提供ももちろん非常に重要なことでしょうし、やはりデジタルの利益を享受するのを止めるというのは、デジタル化の流れとは違うと思いますので、しっかりと能力のある方に利益を享受していただくというところは、そういった道は開く方向で、法というのは時代の変遷とともに展開していくのが規制の在り方ではないかなと、これは非常に一般論になりますが、そういった流れに私どももしっかりと従えるような、実効性がありながら効果的な規制ができればと考えております。

○後藤委員長 ありがとうございました。

○生駒委員 一言だけ付け加えさせていただきますと、EUでは去年ぐらいからAI倫理規定を掲げ始めていると聞いております。デジタルトランスフォーメーションのもたらす様々な良い面は私も理解していて、新しい時代の扉を開く大きな力になると思っているのですが、同時並行して、倫理的な規定のようなもの、これはしてはいけない、こういったルールにのっとってやりましょうといったようなはっきりとした道筋を掲げていかないと、いろいろなことが無限にできてしまう世界でもありますので、その点を配慮しながら進めていっていただけると良いかと思います。

○消費者庁奥山取引対策課長 私どもに与えられています法律からの委任事項の中でどれだけできるかというところはございますが、先生の御指摘を頭に入れた上で作業に臨んでまいりたいと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

もう既にほかの委員の方もおっしゃっていますけれども、私もワーキング・チームの会合の取りまとめで、春頃に検討を行うということなのですけれども、是非丁寧な検討を行っていただいて、少しでも消費者被害が少なくなるようにしていただきたいと思います。やはりデジタルならではの問題も書面の電子化には起こってくると思いますので、本当に重要な問題だと認識しておりますので、是非丁寧な御議論をお願いしたいと思います。

できれば各ヒアリングの方がどのようなことをおっしゃったのかなというのが本当は分かると良いなと実は思っていたのですけれども、先ほど御説明があったみたいに、今の段階ではという話なので、そこは承知いたしました。デジタル化による被害というよりも、消費者被害そのものが少なくなるようなものにしていただきたいなと思います。

以上です。

○消費者庁奥山取引対策課長 御意見ありがとうございます。

念のために申し上げておきますと、ヒアリングと検討会そのものもですが、全てオープンで開催をしてございまして、ヒアリングのときの御説明の議事録と御説明の資料は全て消費者庁のウェブサイト上に掲載をしてございます。もし早い段階で御覧になりたい御希望がございましたら御参照くださいますと有り難いと思います。先ほど申し上げましたように、第2回の検討会に向けましては、頂戴しましたヒアリングのポイントにつきましては整理をしていく予定でございますので、ヒアリングが一通り終了した段階でしたら、まとまったものを御覧に入れるということは可能でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 何回も発言させていただいてすみません。

先ほどの事例のことでちょっと追加なのですが、消費者庁においては書面交付が原則であって、実際に電子交付になる場合は、口頭や電話では承諾はみなさない、消費者が承諾した場合は明示的に返信する形でということであれば、先ほど私が申し上げた事例ですと、承諾がないわけですから速やかに書面交付しなくてはいけないことになります。

私たち現場は既にこのような現状があるので、ここはしっかりと議論していただいて明文化していただく、それを事業者に徹底するということが必要であると思います。真の承諾の在り方というのを私なりに考えているのですが、どうしても良い方法がありません。多くの意見を聞いていただいて、本当に真の承諾はあり得るのかについて、きちんと明文化していただきたいと思います。くどいようで申し訳ないのですが、一番懸念しているのが相談の現場ですので御理解ください。よろしくお願いいたします。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかにございますか。

それでは、熱心に議論をいただきましてありがとうございました。

現在行われている消費者庁のワーキング・チームでは消費者団体、事業者団体、デジタルの専門家等、幅広い観点からの意見につきヒアリングを実施しているとのことでした。施行に向けてどのような制度設計をすべきか、消費者委員会として非常に関心のある内容です。

本年2月の建議については、建議事項が第1と第2に分かれておりまして、第1というのは消費者の承諾の取得の実質化、それから、電磁的方法による提供の具体的方法ということなどですけれども、現時点で検討が進んでいるのは、主に建議事項の第1の部分ではないかという印象を持ちました。建議事項第2については、先ほど生駒委員から消費者のデジタルリテラシーの向上に向けた消費者教育の充実強化という御発言がありましたけれども、建議事項第2の内容としては、デジタル技術を活用した消費者保護、それから、消費生活相談体制を含め消費者行政のデジタル化を推進すること、こういう内容も建議の中に含まれております。この建議事項の第2の部分にも留意していただいて進めていただけたらと思います。

消費者委員会として本日のヒアリング結果も含めまして、引き続き対応状況を精査し、調査・審議を行ってまいりたいと思います。

消費者庁におかれましては、本日はお忙しいところ審議に御協力いただき、ありがとうございました。

○消費者庁奥山取引対策課長 どうもありがとうございます。引き続き是非よろしくお願いいたします。

(消費者庁奥山取引対策課長 退室)

《5.その他》

○後藤委員長 次の議題は、特定商取引法に関連して弁理士法改正に伴う適用除外についてです。事務局から簡単に説明をお願いいたします。

○太田参事官 資料3-2を御覧ください。新旧対照表になってございます。今回、弁理士法の改正に伴いまして、同法に規定する特許業務法人の名称を弁理士法人に改めることから、特定商取引法施行令第別表第2第41号の文言改正を行う必要がございます。

これまでも条文番号の変更など、単純な文言改正など形式的な改正事項につきましては委員会の場で御確認をいただいた上で、諮問・答申のプロセスを省略するという取扱いをしておりました。上記改正につきましては形式的なものとして、諮問・答申のプロセスを省略することで差し支えないかお諮りをいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 諮問・答申を省略することについて、御意見等がございましたらお願いいたします。御異論ないということでよろしいでしょうか。

諮問・答申を省略することについて御異論がないようですので、今回の特商法施行令改正については形式的な改正であるため、諮問・答申を省略することといたします。


《6.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も御熱心に御議論いただきましてありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては決まり次第、委員会のホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)