第43回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ 議事録
日時
2023年1月24日(火)13:00~14:18
場所
消費者委員会会議室・テレビ会議
出席者
- (構成員)
- 【会議室】
- 後藤座長
- 黒木座長代理
- 【テレビ会議】
- 木村委員
- (オブザーバー)
- 【会議室】
- 大石委員
- 中川丈久 神戸大学大学院法学研究科教授
- 板谷伸彦 特定非営利活動法人消費者機構日本専務理事
- 【テレビ会議】
- 清水委員
- 丸山絵美子 慶應義塾大学法学部教授
- 川出敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
- 山本和彦 一橋大学法学部教授
- (参考人)
- 【テレビ会議】
- 吉田有美子 独立行政法人国民生活センター情報管理部長
- 松本富美子 独立行政法人国民生活センター情報管理部情報管理課長
- 林大介 独立行政法人国民生活センター相談情報部長
- 加藤玲子 独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第二課長
- 飯田周作 独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第二課課長補佐
- (事務局)
- 小林事務局長、岡本審議官、友行参事官
議事次第
- 開会
- 消費生活相談に関するヒアリング
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
≪1.開会≫
○友行参事官 本日は、皆様、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
ただいまから、消費者委員会第43回「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ」を開催いたします。
本日は、後藤座長、黒木座長代理、大石委員、中川委員、板谷委員は、会議室にて御出席、その他の皆様は、テレビ会議システムにて御出席でございます。
議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に、配付資料を記載しております。もし不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
ウェブ会議の御留意事項を申し上げます。ハウリング防止のため、御発言いただく際以外は、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御発言の際は、チャットでお知らせください、座長に御確認いただき、発言者を指名していただきます。指名された方は、マイクのミュートを解除して、冒頭でお名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。配付資料を参照する場合などは、該当ページも併せてお知らせください。なお、御発言の際には、可能であれば、カメラのマークをオンにしていただけますと幸いでございます。音声が聞き取りづらい場合には、チャットで「聞こえない」などと記入していただき、お知らせいただきますようお願いいたします。
それでは、後藤座長、以降の進行をよろしくお願いいたします。
≪2.消費生活相談に関するヒアリング≫
○後藤座長 座長を務めております、後藤です。よろしくお願いいたします。
まず初めに、本日の会議は、ワーキング・グループ設置・運営規程第6条第2項に基づき、非公開とします。
第3項で開示することを定められている非公開の理由は、議事の内容が当事者若しくは第三者の権利若しくは利益を害するおそれがあるためでございます。
また、第5項に基づき、議事要旨を作成し、公表いたします。
本日のワーキング・グループの開始に当たって、今回のオブザーバーとして、内閣府消費者委員会の清水かほる委員に御参加いただいております。清水委員は、全国消費生活相談員協会の支部長として、消費生活に関する相談業務を担い、消費者被害の救済を図り、広く消費者被害の未然防止・拡大防止のための活動等に携わっておられます。本日は、日頃の消費生活相談の実務で培った御知見をお貸しいただければと考えております。
清水委員から、一言、御挨拶をお願いいたします。
○清水委員 清水です。皆さん、いつもお世話になります。
今日は、国民生活センターの指標の説明があると思います。私たち、消費生活センターは、この指標の基であるデータを入力しています。また、このデータを有効活用しています。どのように有効活用しているかということは、後ほど時間があれば、紹介させていただきたいと思います。今日は、どうぞよろしくお願いいたします。
○後藤座長 清水委員、ありがとうございます。
それでは、本日の議題に入らせていただきます。
本ワーキング・グループの中間取りまとめにおいて指摘するように、悪質商法への行政による対応を考える際、現行制度を活用するにしても、新しい制度を構築するにしても、いわゆる破綻必至商法については、可能な限り早い段階で事業を停止できなければ、保全の対象となる財産が残っていない状態に陥ってしまいます。そこで、大規模消費者被害を早い段階で察知できるかについて、日々消費生活相談に対応されている消費生活センターと相談情報を収集し統計的に管理するなど広く消費者被害の未然防止・拡大防止のための活動をされている国民生活センターの果たしている役割が重要なのではないかと考えております。
そこで、本日は、国民生活センターへのヒアリングを行いたいと思います。
それでは、早速、議題に入りたいと思います。
本日は、参考人として、独立行政法人国民生活センターより、吉田情報管理部長、松本情報管理部情報管理課長、林相談情報部長、加藤相談情報部相談第二課長、飯田相談情報部相談第二課課長補佐に御参加いただいています。
本日は、大変お忙しいところ、ありがとうございます。
それでは、20分程度で御説明いただきますよう、お願いいたします。
○独立行政法人国民生活センター 国民生活センター情報管理部の松本と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、資料1の消費生活相談のPIO-NETへの入力と活用について御説明申し上げます。資料1をお手元に御用意ください。
まず、スライド2を御覧ください。PIO-NETとは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのことです。1984年から運用を開始しておりまして、9月末現在で、消費生活センター約1,250か所、中央省庁等15か所に接続をしています。消費生活センターは、箇所数は1,250ですが、各消費生活センターで相談員が数名ずついらっしゃいますので、端末自体は約3,400台となっています。
3ページをおめくりください。PIO-NET構築の目的としましては、まず、第1に、被害の救済のための活用です。個別相談の処理の参考として利用します。各地消費生活センターの消費生活相談業務の支援という位置付けです。そして、被害の防止のための活用です。消費者トラブルの未然防止・拡大防止のための利用など、社会的な被害の回復に役立てるために、利用します。行政機関による法執行、消費者政策の企画・立案、情報提供などに使われます。これらの活用のため、各地消費生活センターにおいて、受け付けた相談情報をPIO-NETに登録いただき、共有いただいています。
スライド4です。PIO-NETデータは、全国統一ルールに従って、消費者の主張を客観的に要約したものを入力します。
スライド5を御覧ください。PIO-NET登録までの流れということで、まず、消費生活センターにおいて、図の左から、相談の受付及び処理がされた後、その結果をPIO-NETに入力します。各項目への入力は、また次のページで御説明申し上げますが、記載のとおりです。各項目へ入力した後、消費生活センターによる決裁を経て、図の一番右側、PIO-NETに登録されます。PIO-NETに登録されることで、全国で閲覧が可能になります。
スライド6、PIO-NETの入力項目ですが、相談者・契約者の情報として、年齢、性別、職業等があります。近年では、成年年齢引下げなどにより、年齢をきちんと聞き取ることが非常に重要になります。商品・役務の情報は、商品・役務の名称、ブランド・型式、商品・役務の分類等がございます。事業者の情報は、本日これから御説明します急増指標にも関わってきますが、事業者の名称をきちんと聞き取ることが重要になってきます。事業者は、購入契約先のほか、製造者、信用供与者等もあります。契約の情報は、契約年月日のほか、契約金額、実際に契約をした金額、このほか、既に支払ってしまった金額などの項目もあります。販売購入形態は、訪問販売か通信販売か、そのほか、信用供与の有無などもあります。相談の内容は、こういった細かい項目を入力するほか、相談情報を要約して、60文字内の「件名」という項目、500字以内の「相談概要」という項目にも入力をしていただきます。処理の結果としては、1,000文字以内で入力する項目もございます。こういった項目などを含めて、現在、100近い入力項目がございます。
スライド7を御覧ください。PIO-NET入力の周知・徹底についてです。先ほど、全国統一のルールで入力をすると申しましたが、ルールは、消費生活相談カード作成要領とPIO-NET分類・キーワードマニュアルという2冊のルールにより、決めています。さらに、3ポツ目ですけれども、毎月、入力ルール等の周知を目的とした「PIO-NETつうしん」というものを消費生活センター向けに発行しております。また、情報管理部内には、入力ルールに関する問合せを常に受け付ける窓口を設置しています。そのほか、2ポツ目ですけれども、毎年、相談カード作成セミナーというものですけれども、研修を実施しています。
スライドの8ページに、PIO-NET情報の収集と活用について記載しております。一番上に、消費者とあります。消費者が消費生活センターに相談をして、消費生活センターは相談情報をPIO-NETに入力します。逆の矢印として、消費生活センターは、PIO-NETを検索して、PIO-NET情報を相談処理に活用します。また、右のほうを見ていただきますと、PIO-NETから右の矢印で、検索、中央省庁、情報提供、警察、適格消費者団体等々がございます。こちらは次のスライドでまた御説明しますけれども、PIO-NET情報を、消費者政策の企画・立案、法執行に活用しております。下の緑の枠ですけれども、PIO-NETの調査分析・実態把握をした上で、公表・取材対応等、消費者への注意喚起に活用しております。
スライド9を御覧ください。情報提供依頼等への対応状況ということで、大きく分けて、3つ、ございます。国会・中央省庁等からの情報提供依頼、法令照会、その他になりますけれども、国会・中央省庁を併せての相談・御依頼も数多い状況です。法令照会等の対応に関しましては、警察、適格、裁判所、弁護士会、その他ということで、こちらも多くの依頼を受けています。また、情報公開請求や報道関係への取材になります。2022年度が、9月現在の数字なので、若干他の年度よりは少ないのですけれども、1年を通して言いますと、大体全体で6,000件前後を回答しているところになります。
資料1に関しての説明は、以上です。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
資料2について、お願いします。
○独立行政法人国民生活センター 分かりました。
資料2、資料3-1、資料3-2を、お手元に御用意ください。資料2が急増指標についての説明になります。資料3-1、資料3-2が、事業者別に見た急増指標、商品別に見た急増指標の実物になります。
急増指標は、ちょっと難しいのですけれども、文字を読んでいくので、そこを見ていただければと思います。その名のとおり、急増している相談をピックアップするものです。PIO-NETに登録された、相談件数が急速に増加する傾向にある事業者や商品・役務を識別するために、国民生活センターが開発した早期警戒指標の一部となります。早期警戒指標は、この急増指標と後ほど御説明する特商法指標の2種類があります。急増指標は、事業者及び商品・役務ごとに計算したもので、指標値の高い順のリストが出力されます。急増指標値を上位から順に並べて、リスト化しています。
資料2と3の説明は、以上です。
○後藤座長 それでは、資料4について、続けてお願いいたします。
○独立行政法人国民生活センター 資料4に関しては、私、松本と、相談情報部の加藤で交互に説明をさせていただきます。
資料4をお手元に御用意ください。
まず、1.御質問事項、PIO-NETに登録される情報にはどのような項目がありますかということで、先ほど御説明したとおりなのですけれども、大きく分けますと、受付情報と処理結果情報に分かれます。受付情報には、相談概要、相談者情報、契約者情報、商品・役務情報、事業者情報、金額等契約情報など、相談を受け付けた際に把握できる情報をまとめます。処理結果情報に関しましては、処理が終了した段階に入力する処理結果や解決内容等の項目がございます。
○独立行政法人国民生活センター 2つ目の御質問事項でございます。A社、B社、C社、D社など近年問題となった事業者を念頭に、PIO-NET情報から抽出されるこれらの事件の特徴はありますでしょうかという御質問に対しまして、回答でございます。事業者によって異なる可能性もありますが、一般の相談に比べて、契約、購入金額や既支払額が高額になっているという特徴が見られております。また、マルチ的な勧誘が見られる場合や、契約当事者の年齢が高く、家族など本人以外からの相談が多いといった特徴が見られる場合もあります。このほか、勧誘時に高配当をうたう傾向も見られております。
3つ目の御質問でございます。PIO-NET情報を見ますと行政処分や破産の報道後に相談が急増する傾向にあることは明らかでした、しかし、このような段階では既に事業者の財産はかなり散逸しております、そこで、行政処分の報道前に行政が破綻必至商法の端緒をつかむ必要があるとの問題意識を持っております、行政処分の報道前に寄せられる相談について他の相談と比べまして特徴はありますでしょうかという御質問でございます。行政処分等の報道前に寄せられている相談では、先ほど挙げた特徴、高配当をうたっているといった特徴の他に、事業者の信用性に関する相談も目立ちます。例えば、「契約したいと思っているのだけれども、この事業者に苦情が入っているか」「信用できるか」といった相談が寄せられる傾向にあるかと思います。
4つ目の御質問でございますが、PIO-NET上、利殖商法の相談の特徴にはどのようなものがありますかという御質問です。SNSなどをきっかけとした投資トラブル、例えば、FXや暗号資産などがございます。また、自動売買システムなどの投資関連トラブル、副業などのもうけ話に関するトラブルが目立ちます。また、金額が高額になる傾向があります。
5つ目の御質問でございます。PIO-NET上、ファンド型投資商品の相談の特徴にはどのようなものがありますかということでございます。同じように、SNSがきっかけというものが最近は多くなっています。また、暗号資産関連の投資トラブルが目立ちます。また、利殖商法と同じように、金額も高額になる傾向が見てとれます。
○独立行政法人国民生活センター 質問の6、マル3-1、急増指標は何に着目した数字ですかということで、先ほど御説明したとおりですので、ここは省略させていただきます。
7ですね。マル3-2、各省庁に対して能動的に情報提供する場合がありますか、それはどのような場合ですかということです。警察庁などの中央省庁への情報提供を行っています。
その次、8番、マル3-3、その他、どのようなモニタリングを行っていますかということについてです。急増指標のほか、特商法指標がございます。特商法指標は、過去に特定商取引法に基づいて行政処分された事業者とされていない事業者の相談情報を比較して、過去に行政処分された事業者の相談情報との類似度を計算し、事業者ごとに指標を算出するものです。急増指標と同様に、指標値が高い順のリストが出力されます。なお、特商法指標は、直ちに同法違反の有無を示すものではございません。特商法指標も、急増指標同様に、警察庁などの中央省庁への提供を行っています。
○独立行政法人国民生活センター 9.の御質問事項です。消費生活相談員がこれは特に悪質だと思う商法について相談を受けた際、PIO-NET入力の他に取り得る手段はありますかという御質問をいただきました。高配当をうたって勧誘しているなど、将来的な破綻と大規模消費者被害が予想されるような事案が入った場合には、特商法、預託法、金融商品取引法などの所管庁への情報提供は適宜消費生活センターでやっております。そうした個々の消費生活相談員が適切に情報提供先を判断できるように、法令適用の考え方などについて研修を更に強化していくことが考えられるのかなと思っております。
10.の質問事項は大規模消費者被害の早期段階での察知に向け、現段階における課題としてどのようなことを認識していますか、もし何かございましたら御教示くださいというご質問です。大規模消費者被害の特徴としまして、行政処分や警察による摘発、破産手続の開始があって、急に相談が寄せられてくる、トラブルが顕在化してくるという特徴がありまして、それ以前にはそもそも相談が寄せられないケースや被害の実態が明らかでないケースがあります。PIO-NET情報はやはり消費生活相談があって入力されるものですので、相談情報だけでの早期段階の察知には限界があるかと思っております。ただ、早期の段階で被害事案がもし急増するようなことがあれば、相談情報の詳細分析が有効な場合もあります。また、被害事案が顕在化していない段階でも、勧誘時に高配当をうたっているなどの特徴を踏まえた分析により、早い段階での察知が可能となる場合もあるかと考えております。
御質問に対しての回答は、以上でございます。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
これより、25分程度、質疑応答の時間とさせていただきます。ただいまの御説明及び御報告を踏まえまして、御質問、御意見等のある方は、発言をお願いいたします。御発言をされる際には、チャット欄に御投稿ください。よろしくお願いいたします。
○板谷委員 資料1のスライド5、PIO-NET登録までの流れについて質問です。これは恐らく清水委員にお尋ねしたほうがいいのかなと思いますが、3つあります。
1つは、管理者の決裁を経てPIO-NETに登録ということになっているのですが、相談の受付からその登録に至るまで、通常、どれぐらいの期間を要するものなのかということについて教えてください。処理結果等も入力することになっているので、全部まとめてということだと結構時間がかかると思います。順次入力するのかなとも思いますが、そこを教えてください。
2つ目、資料4の9個目の質問に関わることですが、相談を受け付けたセンターでは、その時点では、破綻必至商法なのかどうか確証がないわけですけれども、それに該当することが推測されたりするものなのかどうか、また、推測されるとしたら主にどういう手掛かりで推測が働くものなのかということについて教えていただきたい。
3つ目、その推測が働いた場合に、資料4の9のところには所管庁に情報提供とあるのですが、それ以外に何か特別なアクションを相談者のために行っている事例がありましたら教えてください。
○後藤座長 それでは、最初の点についてはオブザーバーの清水委員がよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
○清水委員 名古屋のケースです。またフォローは国民生活センターにお願いしたいのですが、まず、今日受け付けたものは今日中に全て受付完結をします。その後、3日以内ぐらいにPIO-NETに登録されます。私は中部支部長という立場にありますので、三重県や岐阜県の相談員とも連携してお話を聞いていますが、1週間ぐらいで、受付完結、要は、最初の端緒の受け付けた情報はPIO-NETで見えるような状態になっています。これは、常に国民生活センターから指示を受けていまして、昔と違って、ここ5から6年で非常に迅速化した感じを持っています。また、1日で相談が完結しない場合は、受付は完結しているのですが、随時、あっせん等をやりながら、1か月後になる場合もあるし、2か月後になる場合がありますが、あっせん解決をして全てが終わったという場合には、少なくとも2から3日中、ちょっと遅れると1週間以内には、完結処理をします。完結処理をすると、職員の決裁に回りますので、3日から1週間以内にPIO-NETに上がるということになっております。非常に迅速化しているのですが、大きいセンターだと、1日、1人で7から10件以上を取りますと、即日受付完結するものを優先にしますので、随時、その中で、あっせんをして終わったものが、今日はできなかったから、明日になるとか、1週間後になるということは、実際にあります。
実際に破綻必至商法は推測できるかというと、例えば、資料5、消費者委員会の資料のB社の指標を見ていただきたいのです。人間、結果が分かっていると、「あのときに分かっていた」心理状態になるのですが、私たち相談員はいつの段階でB社が危ないと思ったか。2017年の1から3月ぐらいには思っていました。私たちは何で会員への支払いが徐々に遅延する前から「ここが危ない」と思ったのかというのは、たかだかと言うとあれですけれども、マルマルマルで、半年の運用で8パーセントでしたか、そういう配当をやっていて、あり得ないのですね。こんなものは、あり得ない。この時期に何で知ったかというと、2017年の最初のほうに相談者から、「友達から、こんないい話があると。このB社というところを信用していいか。新聞広告の一面広告に載って、社長が一生懸命やっている」と相談を受けました。この会社は、マルマルマル等もやっていて、どうやら事業を拡大している、ある市と連携している等の情報を、私たちは調べました。これはうさんくさいなと思いました。相談があった人たちにはこの時点では「この会社がうさんくさい」ということは決して言えませんので、どのようにアドバイスをするかというと、世の中の金利の話をして、「うまい話はない」、「何で」と聞いたら、「友達から」と、そんな勧誘の仕方のマルチや破綻必至なものの過去の事例の実名を挙げて、注意喚起をして、結果として「やめたほうがいいです。」と。「友達のことをあなたは侮辱するのね」とまで言われながらも、私は「やめてください」と言っています。そういう情報は、この時点では、信用性というキーワードを入れて、「マルマルの会社がどうだ」みたいに聞かれたから、過去の類似事例を挙げて、注意喚起をして、やめたほうがいい、慎重に契約するようにアドバイスをしたと記録しております。この2017年の2月頃です。徐々に遅延し始めた4月頃は、センターではもう介入していまして、あっせんといいますが、相手方に「どうなっているんだ」と。そうすると、「徐々に払っている」とかと言ってきますので、この時点で、相談員によっては取引対策課等に「この会社は危ないのではないか」とは伝える場合があります。全国的にまだ出ていないわけで、実際に6か月か7か月後ぐらいに急増指標で上がってくるわけです。だから、この段階では、情報提供をしても、各省庁というか、注視するという段階になっています。私としては、急増指標が急増するというのは変な言い方ですけれども、ここの急増指標が出てきたときは、各省庁というか、特に国民生活センターや取引対策課はもう分かっているのですが、そこにいくまでに、消費生活センターとホットラインみたいなものをつくって、何かできないかということは、思っているところです。ただ、現実としては、個別の相談員がじかに取引対策課に電話をしている状況です。
もう一つは、何でしたか。
○板谷委員 結構です。先ほどのお答えで全部網羅できています。どうもありがとうございました。よく分かりました。
○清水委員 失礼しました。
ここ20年、悩み続けていて、これの繰り返しなのですね。ただ、ちょっと長くなりますが、特定商取引法については、名古屋市の場合、1つ、大成功した例を挙げたいと思います。もうかれこれ6か月前ですが、私たち消費生活センターでは、9時から相談が始まります。そこで、特商法の指数を見て、特典を強調して「物をあげるから」と言って、集合住宅のある人の一室に呼び込んで、マルマルマルを買わせるという業者だったのですが、どこに件数が多いかというと、九州に多いと。これは、だんだんこちらに来ている。要は、南から北に来ているねと。そろそろ名古屋に来るから、要注意と。この指数は過去の処分された指数なので、歴史は繰り返すということで、「注意するように」と情報を共有しました。その後、9時半に相談を受けました。昨日、一室に9名が集まって契約したということで、クーリングオフのやり方を聞かれました。しかし、私たちは、クーリングオフを1人ずつというよりは、「そこの会場に行こうか」という話もしながら、対策をとって、結局、そのとき、警察にも問い合わせたら、警察に被害届が入っていたという情報もあって、現場に警察が走るということで、全て被害回復ができたということなのです。案の定、名古屋はすぐ警察が来るということで名古屋は出ていったのですが、ほかの地域で悪さをしていることが分かりました。数字は難しいけれども、こういう歴史を繰り返す商法みたいなものを見ていくには非常に有り難かったなという事例がありました。
すみません。長くなりました。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
板谷委員からは3つ御質問が出ていたと思いますが、ただいまの清水委員の御回答への補足がありましたら、それも含めて、この3つの御質問に関して、国民生活センターから御回答いただけたら有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
○独立行政法人国民生活センター まず、1つ目の質問について、資料5の登録について、清水委員から御説明いただいたとおりなのですけれども、補足しますと、先ほど、受付情報と処理結果情報があるということをお伝えしました。処理まで待って登録をすると、あっせんなどで日にちがかかるものについては、何か月も情報が登録されないことになります。省庁や全国の消費生活センターで情報を共有することが遅くなりますので、まず、受け付けた情報をとにかく早く登録してください、登録してみんなで情報を共有して問題の認識を共有しましょうということで、清水委員がおっしゃっていましたが、国センから早期登録の依頼をさせていただいているところです。受付情報の平均登録日数が、ざっとですけれども、大体現在は7日弱で閲覧可能な状況にしていただいています。
私からは、以上です。
○独立行政法人国民生活センター 御質問の中で、破綻必至商法をどうやって推測しているかというお話だったかと思います。御相談があるときには、できるだけ資料を確認するようにしています。例えば、パンフレットや契約書面のようなものがあれば、なるべく送っていただいて、どういうビジネスモデルなのかということを相談員は把握しようとします。その中で、先ほどから出ているように、高配当をうたっているとか、もっともらしいことを書いているのだけれども、実質、それで何で利益が上がるのかがよく分からなかったりマルチ的な商法のときには、人を介して被害が広がるのではないかと推測します。ます。併せて契約前なのか、後なのか、お金を払っているのか、払っていないのかというところも、気にします。お金を払っていない段階ですと、恐らく「契約して大丈夫か」みたいな御相談なので、過去のトラブルの例を紹介したり金融関係であれば、「本来は登録が必要なのに、登録がないですね」などと問題点をお伝えします。お金を払ってしまっている場合には、大抵「約束どおりの配当が得られない」みたいなことが多かったりしますので、早めに、事業者と連絡が取れる間に交渉に入ります。ただ、その段階で、時間との勝負だったりします。以上です。
○後藤座長 ありがとうございます。
板谷委員、御質問への回答として、よろしいでしょうか。
○板谷委員 結構です。どうもありがとうございました。
○後藤座長 資料4の9についての御質問もあったと思うのですが、今の回答の中で出ていましたでしょうか。
○板谷委員 破綻必至商法ではないかという推測が働いた場合に、相談員は相談者のために何かアクションをしますかという質問でしたが、清水委員からも、過去の事例を挙げながら「やめておいたほうがいいよ」ということを暗に助言すると、そういう対応をされているのだなということが分かりました。どうもありがとうございました。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、川出委員、よろしくお願いいたします。
○川出委員 ありがとうございます。
国民生活センターの資料について幾つか確認をさせていただきたい点がございます。まず、資料1の9ページの表の中の、法令照会への対応の部分で警察が挙がっているのですが、これは、捜査関係事項照会に対する回答ということでしょうか。
○独立行政法人国民生活センター そのとおりです。刑事訴訟法第197条に基づき、回答しております。
○川出委員 分かりました。
次に、資料4の2ページ、質問7のところで、各省庁に能動的に情報提供をする場合に関して、警察庁への提供とありますけれども、これは先ほど御説明があった急増指標と特商法指標についての情報提供を意味しているという理解でよろしいでしょうか。
○独立行政法人国民生活センター そのとおりです。資料の請求には基づかないで、こちらから相手方に御連絡して御提供さしあげているということになります。
○川出委員 分かりました。
そうすると、これは、先ほどの資料1の「法令照会への対応」のところには含まれていないということですね。
○独立行政法人国民生活センター そうです。含まれておりません。
○川出委員 分かりました。どうもありがとうございました。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。
○木村委員 木村でございます。
PIO-NETについて確認させていただきたいのですけれども、最近関心を持っているのがPIO-NETにおけるキーワードです。今回御説明いただいたキーワードはいつ設定されたものなのかということを教えていただきたい。
それから、現在、このキーワードで不便なことはないのかということをお伺いしたいと思います。特に今回の破綻必至商法についてキーワードはとても大事なものだと思うので、不便な点を感じていないかどうか、お伺いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○独立行政法人国民生活センター ありがとうございます。
キーワードについては、キーワードマニュアルを最初に作成したのが1984年になります。そこから何度か改訂しておりまして、今の新しいものでいいますと、10版ということになるかと思います。
近年はPIO-NETの刷新と併せてキーワードも改訂しているのですけれども、なかなか最新の商法や手口には少し追いつけないところはあるかとは思っています。一方、そういったものをカバーするために、「新型コロナウイルス」といった急遽情報を収集しないといけないものは、キーワードと分けて言葉を拾えるようにしていますので、ある程度はカバーできているかと思っています。最新の本当に新しい手口ですと、キーワードが振れないということがありますので、現状あるキーワードに振りつつ、例えば、相談概要や件名の中にそういった新しい手口を文字で入力して工夫はしていますけれども、そういった場合、キーワード一本では情報が拾えてこないので、そういったところは、かなり苦労して、数字を出したり、事例を出したりということをしています。
以上です。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
○木村委員 ありがとうございます。いろいろと工夫されていることはよく分かりました。
ただ、そういったことも踏まえて、キーワードなり、更に刷新していただければと思います。
○後藤座長 他にございませんでしょうか。
中川委員、よろしくお願いいたします。
○中川委員 ありがとうございました。
まず、指標についての清水委員の御発言を非常に面白く伺いました。ご発言について、このように理解してよいかということをお尋ねしたいです。急増指標に比べて、特商法指標のほうは、相談内容に同じような特徴があるかという意味で、数量に特化するのではなくて定性的な指標という部分が大きいかなと理解しました。急増指標は、それが出た頃にはもう終わっているといいますか、そういう段階で出てくるものですので、発端を捕まえようと思うと、むしろ、この特商法指標のような定性的な指標を他にも開発していく必要があるのではないかというメッセージのような感じがしたのですけれども、そのような理解でよろしいでしょうかということが、1つの質問です。
もう一つの質問は、先ほど、B社でしたかね、かなり前の段階で相談員は怪しいということに感づいていたと。そのときに、法執行の行政官庁に相談員としていろいろと照会するということだったのですけれども、そこが弱いところなのではないかと思いました。聞いていて、ふと思い出したことがございます。随分昔に、アメリカで、どこかの州の消費者保護室みたいなところにインタビューに行ったことがありまして、権限を持っているのか州のAttorney Generalですから、司法相なのですね。起訴する。起訴といっても、刑事もするし、民事もするのですけれども、相談員がたくさんいらっしゃって、同じ部屋だったか、同じフロアだったか、要するに、弁護士資格を持っていて起訴をする職員たちと相談員が一緒にいて、彼らはいつも一緒にしゃべっていると。相談員から「これは何か変だね」という話を聞いて、検察役をするような役人たちが、内偵を始めて、場合によっては、起訴するとか、起訴前の取引をするということで、「比較的早く処理できているぞ」と随分自慢されたような記憶がありまして、今、それを思い出しました。問題事案の端緒の部分は、実は相談員のところである程度以上は把握できているのではないか。ただ、それをどこに持っていくかというところのブリッジができていない可能性があるのではないかと思いました。相談員の懸念をどうやって法執行にダイレクトに持っていくか。そういう仕組みがあってもいいのではないかと思いながら聞いていたのですが、そのような理解で正しいかということが、2番目の質問です。
3番目は、簡単なことです。相談員の入力項目として、支払方法も入れることになっているかどうかです。例えば、口座番号とか、クレジットカードで払いましたとか、将来的にそこの事業者に対する財産保全とかをするときに、銀行口座の一つでも分かっていると、そこからいろいろと芋づるができるかもしれません。仮に、クレジットカードであれば、クレジットカードが使えたんだなということで、カード会社に対する照会もできると思うのです。支払方法を入力するということがあるのかどうかということが、3番目の質問です。
以上、3つです。よろしくお願いいたします。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
3点とも非常に重要な御指摘だと思いますので、まず、清水委員からお話しいただいて、その後、国民生活センターからお話をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○清水委員 ありがとうございます。私もそうしていただきたいと思いました。
まず、最初の特商法指標については、そのとおりです。私たち、消費生活センターでは特定商取引法の事案は特に力を入れています。また、名古屋市は処分できませんが、愛知県や国は処分できるのは、強みなので、相談員は特別に強く思っています。キーワードが分析されて、特商法指標は、私たちは注視しなければいけないと思っています。先ほどの業者は、今回のテーマであるこういう大きな利殖商法ではないですが、昔ながらの、密室に囲んで、付け込み型の販売でマルマルマルを売るというものだったのですが、こういう数値があったということは、とてもいいです。
もう一つは、実は破綻必至商法などというキーワードはありません。それを入れたら、恐らく私たちはばんばん入れてしまうので、国民生活センターも処理に困るだろうと。破綻必至商法というキーワードを入れたのだったら、金利8パーセント以上とか、もう少しきめ細かくタブを付けて入れていかなければいけないのではないだろうかと思っているところです。キーワードはすごく重要なのですが、今のデジタル社会では、すごいスピードで、半年ごとに、もっと言うと2から3か月で相談が変わってしまうということで、国民生活センターがPIO-NETを見て「キーワードを付与してください」と全国1,250か所の消費生活センターに言っていくというやり方では、とても追い付かないと思います。それは次世代のシステムで何とかなるだろうと思っていますが、現在、あと2から3年はどうにもならないだろうと。そうしたときに、私たちがどうやって入力しているかというと、今あるもので最大限にお伝えしたいというときは、極めて悪質、新手というところがありますので、そこにマークし、あとは、1,000字しか書けませんが、相談処理のところでひたすら訴える。あっせんは不調だけれども、これは法律の問題であるとか、これは広告の問題であるとか、詐欺で破綻必至のマルチ的な商法、金利も問題だと書くように、現状ではしています。今、アメリカの事例をお聞きしたのですが、私は名古屋市しか勤めていなくて、21年目ですけれども、名古屋市では、愛知県弁護士会の先生に、多重債務もしくは金融問題の相談で、毎日、午後から1人もしくは多重債務があるときはお2人に来てもらっています。これは弁護士会の有志で来てもらっています私たちのセンターであっせん不調になったもの等を弁護士相談に入れて、弁護士に頼む仕組みがあります。そういう仕組みが全国に広がるといいなと思っています。そんな中で、愛知県弁護士会がLINEの匿名性という意見書を出したという経緯も、事細かに私たちが相談の事例を弁護士の先生たちと検討した結果であると思っています。これも、今後広がっていくことが必要かと思います。
最後に、入力ですね。支払方法は、ここ10年、非常に重要なこととなっています。どんどん、国民生活センターから、あれを入れろ、これを入れろと指示が来ています。今、特に現場の入力で気にしているのは、クレジットカードはもちろんなのですが、電子マネーであればどういう形式なのか、後払いであればどういう形式なのか、なおかつ、その後に、後払い業者はマルマルであるという事業者名も入力し、住所や名前も、分かれば、入力します。口座番号は、今は任意になっていますが、入れるところは入れています。
以上です。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、国民生活センターから、よろしくお願いいたします。
○独立行政法人国民生活センター ありがとうございます。
急増指標と特商法指標なのですけれども、委員がおっしゃるように、急増指標は過ぎたことということもあるのですけれども、増えてきているものは、次の月、次の月と、数か月は大体増えていることが多いかと思っています。特商法指標に関しては、確かに定性ということもあるのですけれども、例えば、金商法とかに違反した事業者に関しては特商法指標に引っかかってきませんので、やはり急増指標も併せて見ていくことが重要だと考えています。
入力項目に関しましては、支払方法は、信用供与の有無という形で、現金で支払っているのか、クレジットで支払っているのか、借金払いをしているのか、そういったことを確認する項目がございまして、その中でも、例えば、実際の契約した金額が1万円だった、実際に支払った金額は、1万円だったのか、5,000円だったのか、実際にどれぐらい被害に遭っているかが分からないといけませんので、既に支払った額という項目もございます。一応それらを全て見た上で、どれぐらいの財産被害になっているかということを判断します。
私からは、以上です。
○独立行政法人国民生活センター 2つ目は、情報提供では弱いのではないか、法執行機関と何かパイプができないかというお話と理解いたしました。特商法ですと、情報提供フォーム、景表法にもございますけれども、そういったところに相談員ないしは相談者に情報提供をしてもらうということのほかに、国民生活センターに関しましては、消費者庁と定期的な意見交換をやっておりまして、この急増指標なども資料にして「最近、こういうものが相談現場には寄せられています」ということを直接お伝えできる関係性を築いております。
回答は、以上でございます。
○後藤座長 よろしいでしょうか。
黒木座長代理、よろしくお願いします。
○黒木座長代理 すみません。時間はちょっと超過しておりますけれども、資料3-1の読み方を教えてください。例えば、資料3-1の11月の急増指標、E社というところですけれども、連絡不能と約束不履行というキーワードが入っているということは、結局、もう事業者がいなくなってしまっている、例えば、1番目の部分とかは、連絡不能ということになってくると、そのように読めるのではないかと見えるのですけれども、そのように読んでいっていいのか。
○独立行政法人国民生活センター ありがとうございます。
E社は、Fという屋号の業者なのですけれども、内容は連絡は不能でつながらないということで、相談が寄せられています。
○黒木座長代理 分かりました。
とにかく、約束不履行や連絡不能は事業者の破綻を表示するようなものだと思うのですけれども、こういうものがばんと上がってきたということは、これは多分店舗型ですから、エリアは、東京、大阪もあるのか、そういう形になっているのでしょうけれども、その辺りの消費生活センターの人たち、相談員の人たちも、これはすぐ分かると考えてよろしいのでしょうか。
○独立行政法人国民生活センター この事業者に関しては、件数も多いので、肌感覚として感じているところが、結局、このデータとして出てきているとなっております。
○黒木座長代理 分かりました。ありがとうございます。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
大石委員、よろしくお願いします。
○大石委員 今のところなのですけれども、加えて、この業者の特徴として、契約当事者の属性が、平均年齢と性別にすごくはっきり出ていますが、これ以上の被害を防ぐためのその属性ごとの手当てみたいなことは、国民生活センターでなさるのか、それとも、消費者庁にそういうことを依頼して何か周知・広告などをされたりするのでしょうか。その辺りを教えていただければと思います。
○独立行政法人国民生活センター 御質問をありがとうございます。
性別というより、年齢で、特に高齢者の場合には、なるべく注意喚起を早めにするとともに、高齢者よりも更に見守る人に向けた注意喚起が必要になってきていて、そこは、国民生活センターとしても、どのように届けるのか、情報提供の在り方として課題だと思っているのですけれども、福祉関係の部署に、例えば、地元の消費生活センターから共有してもらうとか、そういった工夫が必要かと感じております。
○大石委員 ありがとうございます。
なかなか難しいとは思うのですけれども、こういう特徴があるものは逆に対策もできるのかなと思いましたので、発言しました。
以上です。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
お願いします。
○清水委員 清水です。
今の件で、こういう数字を見て、地方の消費生活センターでは、このように増えると、ツイッターやホームページで緊急情報というようにお伝えもします。こういう数値は、非常に参考になるのです。ただ、女性だけにというわけにはなかなかいかないのですけれども、ツイッターやホームページで注意喚起をしています。
以上です。
○大石委員 ありがとうございました。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、丸山委員、よろしくお願いします。
○丸山委員 私からは、1点だけ、教えていただければと思います。先ほど、怪しいと思う予兆としまして、金利の配当が法外に高い、あるいは、もうかる根拠が希薄であるのに高配当をうたっているという要素を言及していただきました。お伺いしたい点としましては、行政処分とかがなされる前の段階で「ちょっとこれは怪しいな」と思ったときに、すぐに何らかのもう少し深い調査に入っていれば、現在の法令でも業務停止命令とかを発令できるようなことを行っているのか、それとも、怪しいと思った段階では現在の法令では特に法違反に当たるような行為は行われていないのか、確認させていただければと思いました。
以上です。
○独立行政法人国民生活センター 契約書類やパンフレット等で現行法に抵触するようなことがあれば、明らかに違法だとも言えますが、先ほど委員から御指摘いただいた立入調査みたいな権限がないので、資料とセットで所管庁に情報提供をするというところに現状はとどまっている状況でございます。
○丸山委員 ありがとうございます。
立入調査とかをすれば、何らかの法令違反が認定できるような状況というか、ケースが多いのかというところが確認したかったのです。
○独立行政法人国民生活センター
ケース・バイ・ケースではないかと思うのですが、実際に大型破産をしたような事業者に関して、最初の段階で違法性があったケースもあったのではないかと思います。
○丸山委員 ありがとうございました。
○後藤座長 どうもありがとうございました。
他にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
本日は、国民生活センターより、PIO-NETに登録する情報、急増指標を含めた登録情報のモニタリング方法、モニタリングの結果抽出される統計的な事件の特徴といった運用実務と現状の運用体制の課題等について、御説明をいただきました。
破綻必至の大規模消費者被害を早期に探知することがここでの重要な課題になっているわけでありますけれども、例えば、国民生活センターの資料4の最後のほうに出ておりましたけれども、3ページですが、早期の段階で被害事案が急増することもあり、相談情報の詳細分析が有効な場合もあるということです。被害事案が顕在化していない段階でも、支払いの金額が高額であるとか、事業者の信用性に関する相談が多いとか、勧誘時に高配当をうたっているとか、そのような内容でありますけれども、そういうところを捕まえて早期の段階での探知が可能となる場合もあるけれども、相談情報だけによる早期段階での察知には限界があることも確かだということであります。
そういう場合に、本日、いろいろと議論されておりますけれども、現場の相談員の方々が破綻必至商法ではないかと危惧するような相談を受けた際に、その情報が行政に迅速に到達するような仕組みが非常に重要だと、御意見を聞いていて感じました。早期の執行に結びつくような仕組みを考える必要があるということであります。もちろん従来の方法によってできることは全てやるということなのですけれども、それでも不足している部分については、そういう現場での情報が迅速に行政に到達し、行政が動くことができるという方向の制度や仕組みが必要なのではないかと思います。
現場の相談員の方々が早期に気付き、相談情報を過不足なくPIO-NETに登録できるように、研修の実施やサポート体制の構築も非常に重要な問題だと思われます。
そういうことで、今申し上げましたような点を課題として、次回の議論につなげていきたいと思います。
私の本日のコメントとしては、そのようなコメントにさせていただきたいと思います。
何か他に補うようなことがありましたら御発言いただけたら有り難いのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(国民生活センター退室)
≪3.閉会≫
○後藤座長 本日は、御議論いただき、ありがとうございました。
最後に、事務局から、事務連絡をお願いいたします。
○友行参事官 本日も、長時間にわたり、ありがとうございました。
次回の会合につきましては、確定次第、御連絡させていただきます。
以上です。
○後藤座長 本日は、これにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。
(以上)