第24回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ 議事録

日時

2021年1月21日(木)10:00~12:11

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【委員】
丸山座長、新川座長代理
【オブザーバー】
大石委員、柄澤委員、大阪大学大学院法学研究科教授 清水真希子氏、京都大学法学系(大学院法学研究科)教授 原田大樹氏
【説明者】
(前半)
株式会社ネットプロテクションズ 小松氏
株式会社ネットプロテクションズ 法律顧問 片岡総合法律事務所 田中弁護士
(後半)
日本アフィリエイト協議会 笠井代表理事
【事務局】
加納事務局長、渡部審議官、太田参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 自主規制の活用についてのヒアリング
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は、皆様、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、消費者委員会第24回「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ」を開催いたします。

本日は、所用により、山本委員長、片山委員長代理が御欠席との御連絡をいただいております。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

お手元の議事次第に配付資料を記載してございます。もし不足等がございましたら、事務局までお知らせください。

なお、本日の会議はウェブ会議による開催となります。公開で行いますが、感染拡大防止の観点から、一般傍聴者は入れず、報道関係者のみ傍聴をいただいての開催となります。

また、本日は、東京都における政府の緊急事態宣言発出に伴い、ヒアリング先の団体につきましてもウェブ会議による参加をお願いしております。回線が切れた場合等はヒアリングの順番を変更させていただくことがございますので、あらかじめ御了承ください。

議事録につきましては、後日、公開することといたします。

次に、ウェブ会議による開催に当たりまして、お願い申し上げます。

1つ目に、ハウリング防止のため、御発言いただく際以外は、マイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。

2つ目に、御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。座長に御確認いただき、発言者を指名していただきます。指名された方は、マイクのミュートを解除して、冒頭でお名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当のページ番号も併せてお知らせください。なお、御発言の際には、可能であれば、映像、カメラのマークのミュートを解除していただきましたら、どなたがお話しになっているか分かりやすくなりますので、御協力をお願いいたします。

3つ目に、音声が聞き取りづらい場合には、チャットで「聞こえない」、「聞こえにくい」などと御記入いただき、お知らせいただきますようお願いいたします。

それでは、丸山座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。

○丸山座長 座長の丸山です。どうぞよろしくお願いいたします。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合には、復旧するまでの間、新川座長代理に、新川座長代理の回線も併せて切れた場合は事務局に進行をお願いします。


≪2.自主規制の活用についてのヒアリング≫

○丸山座長 それでは、本日の議題に入らせていただきます。

前回の会合では、自主規制の活用について、公益社団法人日本訪問販売協会及び日本証券業協会からヒアリングを行いました。

本日も、引き続き、実際に自主的取組を行われている団体のヒアリングを行いたいと思います。

本日の進行は、前半で株式会社ネットプロテクションズに、後半で一般社団法人日本アフィリエイト協議会に、それぞれヒアリングをさせていただきます。後払い決済サービスについては、現在のところ自主規制団体が存在せず、個社の自主規制に任されているところです。また、アフィリエイト広告に重点を置いた自主ルールに関しては、整備している段階のようです。このような分野について、業界団体の在り方や自主ルールの内容などを検討することで、消費者分野のルール形成の在り方について示唆を得たいと思います。

ヒアリング、質疑の後、委員・オブザーバーの皆様だけで意見交換を行うという前回同様の形で進めていきたいと思います。

それでは、まず、株式会社ネットプロテクションズのヒアリングを実施します。

本日は、参考人として、同社のカスタマーサービスグループの小松哲哉様にお越しいただいております。

本日は、お忙しい中、ありがとうございます。

それでは、15分程度でお話しいただきますよう、よろしくお願いいたします。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 本日はお時間をいただき、ありがとうございます。

株式会社ネットプロテクションズの小松と申します。よろしくお願いいたします。

本日は、ネットプロテクションズより、後払いサービスということで、当社の提供させていただいているNP後払いの御説明をさせていただければと思います。

事前にお送りさせていただいた資料の1ページ目を御参照ください。本日の内容は記載のとおりとなりますので、順次御説明させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

まず、2ページ目です。会社概要を簡単に掲載させていただきました。当社が2000年創業の企業でございます。直近では、御認識されているかもしれないのですが、後払いサービスを複数の企業が提供している状況なのですけれども、弊社が一番早くから長くサービスを提供している企業という位置づけになると思います。所在地は、東京の麹町で、本日参加させていただいている私どもも麹町にいるのですけれども、それ以外に、関西、福岡、台湾にオフィスがございます。

資料の3ページ目に進めさせていただきます。早速、後払い決済の説明をさせていただきたいと思います。後払いサービスというと新しいサービスのようにおっしゃっていただくこともございますが、後払い決済という支払法自体はかなり以前からある支払法でございます。特に化粧品などの分野での後払いでの支払いは以前から提供されていたようなものとなります。後払い支払い、後払い決済のメリットということで記載させていただいたのですけれども、購入者様から見るとまずは商品を見てから支払いをすることができるというところと、代引、代金引換という支払いと比較して、手持ちの現金が不要、そのタイミングで現金を持って待っている必要がないところも一つメリットとしてあります。最後に、クレジットカードでの支払いなどと比較して、カード情報の漏えいというリスクがないところもメリットとして考えられるかと思います。通販事業者にとってのメリットも、記載のとおりですが、顧客満足度の向上とそれに伴う売上げの向上ということで評価いただいていると認識しております。一方で、下のほうに記載させていただいたのですけれども、記載したような、与信審査、代金の回収といった多くの業務が発生しますので、通販事業者様にとっては、便利なのですけれども、業務負担が大きい決済方法とも言えると考えております。

その中で、当社の提供するNP後払いというサービスなのですけれども、NP後払いは我々ネットプロテクションズが買い手と売り手の間に入って、その後払い決済を提供するサービスでございます。記載しているような、与信審査、請求書の発行、代金回収、入金管理、督促といった後払いに関する業務をネットプロテクションズが行わせていただきます。また、契約上は債権譲渡という形となりますので、通販事業者、加盟店にとっては、後払いなのですけれども、代金の未回収が発生する心配がなく、後払い決済を提供できるといったサービスとなります。

続いて、5ページに進みます。細かい資料となり恐縮なのですけれども、情報の流れということで簡単に御説明させていただきます。左側にお買物をされるユーザー様がいらっしゃいまして、右側に通販事業者様を記載しております。当社の加盟店様としては、ウェブ上でのEC通販の加盟店様が一番多い状況でございます。真ん中に、我々ネットプロテクションズがおります。ユーザー様が、マル1で、加盟店様の通販サイト、ECサイト上でお買物をされます。そうすると、加盟店様から当社宛てに、マル2取引情報の連携ということで、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、何を幾らで買ったのかといった基本的な情報を御連携いただきます。後ほど御説明させていただきますが、その情報を基に当社で与信審査を行いまして、与信審査が通過した御注文のみがサービス提供の対象となります。そうしますと、マル4で、与信審査を通過した注文に対しまして、加盟店様からユーザー様に商品の発送を行っていただきます。その後、マル5提供確定という商品を発送しましたよという御連絡をいただいて、そうすると、マル6当社からユーザー様に請求書の発行を行います。その後、マル7で御連絡を随時行っていくのですけれども、特徴的なところとしては、マル8入金は、先ほど申し上げたとおり、ネットプロテクションズから加盟店様への支払いがマル10のお支払いより先に発生するところが一つ特徴的なところかと思います。

続いて、6ページ目、与信審査の御説明を簡単にさせていただきます。先ほど申し上げたとおり、当社で与信審査を行っているということをお伝えさせていただいたのですけれども、こちらも簡単に御説明させていただければと思います。こちらの審査は、一件一件の御注文、お取引ごとに実施しております。記載のとおりですが、システムによる処理と、目視、人の目による処理がございます。こちらの資料には記載させていただいていないのですけれども、平均の利用単価は大体5,000から6,000円ぐらいとなっております。支払期間も請求書の発行から14日以内にお支払いいただくというところで行わせていただいております。与信審査の内容としては、記載のとおり、過去の利用実績や不正傾向等を基にした与信審査を行っております。

7ページ目が、当社の行っている加盟店審査ということで御説明させていただきます。左側半分に、大まかな流れを記載させていただいております。詳細は次ページからお伝えさせていただきますが、お申込みいただいた際に、必ずネットプロテクションズにて加盟審査を実施して、そちらを通過した店舗にのみサービスを御利用いただいているような状況となります。

8ページ目に進ませていただいて、ここは加盟店管理のところの詳細を御説明させていただければと思います。通常の基本的なルールということで、抜粋して主なものを記載させていただいております。通常加盟店審査を行う際のチェック事項というところなのですけれども、販売店名称、住所、電話番号、代表者及び主要役員など、基本的な情報から始まりまして、販売店、販売事業者の資本金、営業年数、どういった商品を扱っているのか、販売方法はどういった形になっているのか、特定の商材についてはクレームが実際に発生しているのかいないのか、特定商取引法のチェック、反社会的勢力のチェックといったところを項目として確認しております。

9ページに進ませていただきまして、今回お声がけいただいた際にもお伺いした悪質なお試し商法というところで、課題感を当社としても持って対応している状況なのですけれども、特に当社では「継続定期」という呼び方もしているのですけれども、そういったケースに対する社内でのルールということで記載させていただいております。こちらも、抜粋して主なものを掲載させていただいております。まず、販売条件について、加盟前に、最低継続回数、総額は必ず確認をした上で、サービス提供をするかどうかの判断を行っております。2つ目の固まりとしては、販売条件等の視認性について、こちらも加盟前に必ず確認をしているのですけれども、課題点として、消費者様にとって契約条件が分かりにくい表記になっている、十分に通知されていないものが発生しているのを認識しておりますので、こちらに記載したような内容が、購入者様、消費者様からしっかりと契約前に確認できるような表記がされていることを必ず確認しております。具体的に申しますと、最低の継続回数が何回なのかとか、その継続回数分の買物をした際には合計で幾らお支払いされる必要があるのかという記載があるかというところと、1回当たりの支払金額、商品のお届けのサイクル、解約の条件、継続の条件といった記載があるかを確認しております。最後に、運用状況モニタリングというところで記載したのですけれども、加盟後でサービス提供開始後に確認をしている内容となります。お客様、消費者様から、当社、ネットプロテクションズへのお問合せ発生状況の確認を行うことや、後払いサービスなので、実際のお支払いがどれぐらいされているのかというところと、SNS等での風評状況も確認しております。

ここまでが加盟店審査時の確認事項ということでお話しさせていただいたのですけれども、続きまして、10ページ目は、業界における情報交換の状況ということで記載させていただきました。冒頭に御説明いただいたとおり、現時点では業界の団体は必ずしも設置していないような状況なのですけれども、当社としても課題感を持ちまして、意見交換・情報交換を実施している状況となります。現在の実施状況としては、大体2週に1度程度の頻度で情報交換を実施しております。そちらには後払い決済の事業者ということで現状では7社が参加して議論を行っている状況となります。議題としては、記載させていただいたとおりなのですけれども、消費者保護に関する情報交換並びに議論と加盟店管理に関する情報交換並びに議論ということで実施させていただいております。

続きまして、11ページ目から、当社のサポート体制ということで御説明させていただきます。当社では、現在、メールと電話でのお問合せ対応をさせていただいておりまして、平日の9時から18時で問合せの対応させていただいております。現状では、記載のとおりなのですけれども、合計で100名程度のオペレーターにて応対を行わせていただいております。

続きまして、12ページ目、後払いのサポート体制ということで、電話、メール以外でのサポートというところで例を記載させていただきました。現状、こういったウェブサイトを設けましてサポートを実施させていただいております。お客様の年齢層によっては、お電話ではなく、ウェブ上でのコミュニケーションを好まれるようなケースもございますので、こういったウェブ上でのサポートにも力を入れさせていただいております。

最後に、未成年の利用についてというところなのですけれども、記載のとおりで、加盟店の決済ページ、お支払いに関する説明ページ、法定代理人の利用同意を得るようにというところを必ず記載いただくように御依頼しております。必ずこちらの依頼を行った上で、実際に記載されていることを当社ネットプロテクションズが確認してからサービスの提供を開始しております。

こちらからの御説明としては、以上となります。お時間をいただき、ありがとうございました。

○丸山座長 ありがとうございました。

それでは、これより20分程度、質疑応答の時間とさせていただきます。ただいまの御説明を踏まえ、御質問、御意見等のある方は、御発言をお願いします。

御発言される際には、まず、チャット欄に御投稿いただければと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、柄澤委員から質問をよろしくお願いいたします。

○柄澤オブザーバー 御説明をありがとうございました。

私はまだ利用したことがないのですけれども、御説明でよく分かったと思います。3点ほど質問させてもらってよろしいでしょうか。

1点目は、御社が業界の7社における情報交換を実施されているという説明がございましたけれども、この7社でこの業界の国内マーケットシェアはどの程度を占めておられるのか。

それと、この7社で業界団体を組成する機運はあるのかどうか。その機運があればその背景、なければその理由について、教えていただければと思います。

3点目は、加盟店審査の基準は非常に重要だと思うのですけれども、この基準策定に当たって、例えば、行政等々の関与や働きかけあるいは支援等があったのか。そうすると、言いづらければあれですけれども、主たる行政機関とはどのようなものになるのか。その行政等がないとすると、参考にした法令とか、他業界とか、海外の事例などがあったのかどうか、その点を聞かせていただければと思います。

○丸山座長 よろしくお願いいたします。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 御質問をありがとうございます。ネットプロテクションズから回答いたします。

まず、1点目なのですけれども、業界で情報交換をしている7社の市場シェア率ということなのですけれども、資料の中でも御説明させていただいたとおり、言わば自社で後払いをしているような企業様もいらっしゃいますし、当社のような他社にアウトソースをするような形で後払いを請求するような事業者様もいらっしゃるのですけれども、今回お話しさせていただいているアウトソースのような形で後払いを提供する企業におきましては、今回参加している7社がシェアのほとんどを占めるものと捉えております。具体的な数字は申し上げられず申し訳ないのですけれども、ほとんどという捉え方をしております。

2点目、業界の情報交換を行っている7社で業界団体のようなものを創設する機運はあるかというところなのですけれども、現状、情報交換を行っている中で、業界団体のような位置づけも議題としては上がっておりまして、具体的な時期などはまだ伝えられる段階ではないのですけれども、そういった論点も出て、議論を行っている状況となります。

以上、2点、御回答となりますが、不足等がございましたらおっしゃっていただければと思います。

○丸山座長 3点目として、加盟店審査の基準として行政の支援があったのか、支援がなかった場合は参考にした法令その他、どこかに問合せなどをしたことがあるのかという辺りはいかがでしょうか。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 失礼いたしました。

当社でルール決めを行っている際には、もともと弊社で独自でルールを定めてはおるのですけれども、消費者庁様から発表されているガイドライン、例えば、平成29年11月に発表されたガイドライン1等は参照しております。その他、当社で一番多く情報交換をさせていただいているのは国民生活センター様になりまして、国民生活センターの担当者様とは、電話、メール、対面等も含めて、何度も意見交換をさせていただいている状況となります。

○丸山座長 恐らく御質問の趣旨としましては、加盟店審査の基準について参考とした法令やガイドラインがありますか、加盟店審査の基準としては何か参照したものや問い合わせた行政機関はありますかということだと思います。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 今申し上げたところも、特に悪質なお試し商法と呼ばれる分野についての加盟審査の参照・御相談先ということで御回答させていただきました。

○丸山座長 その他、一般的に、そもそもこういうチェックリストを作るという辺りでは全く独自にルール形成をされたと。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 今申し上げたものは9ページ目について御説明させていただいたのですけれども、8ページ目の基本的な情報につきましては、サービス提供がかなり以前からになるので、具体的にいつどこにということはこの場で申し上げられないのですけれども、外部の機関との連携は行って設定している基準にはなります。

○丸山座長 柄澤委員からは、いかがでしょうか。

○柄澤オブザーバー そういう意味では、この手の業界に対して、例えば、金融庁とか、今言われたものでは消費者庁が行政機関でしたけれども、行政機関との関わりでいくと、特にそういうものはないという理解でよろしいですか。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 先ほど申し上げた国民生活センターが当社が一番多くメインで意見交換をさせていただいているということで申し上げさせていただいたのですけれども、それ以外にも、以前に、経済産業省の方でしたり、今回は消費者委員会の方でしたり、単発でのスポットでの意見交換はさせていただいております。

○丸山座長 分かりました。

柄澤委員からは、この御回答でよろしいでしょうか。

単発での意見交換を経産省などと行うことがあるということで、もし関連の質問がありましたらまたしていただくことにしまして、新川座長代理から御質問があるということです。よろしくお願いいたします。

○新川座長代理 新川でございます。今日は、ありがとうございました。

何点かお伺いしたいと思います。

1つは、加盟店の審査にも関わりますけれども、未成年の取引についての留意をしておられるということでした。これはかなり今日の御説明でも大きく取り上げられていたのですが、実際にどういうチェックの仕方をしておられるのか、ひな形のようなものがあってということなのかということ、未成年以外にも特に大きく留意をしておられるようなところがあればお教えいただきたいというのが1点目です。

2つ目に、顧客の側、利用者の方の情報についても、当然それぞれ与信できるかどうかの審査をしておられるわけでありますけれども、ここでの審査についての基準あるいは関連する情報は独自にネットプロテクションズ様で構築しておられるという理解でよろしいのでしょうか。あるいは、もう少し何がしかの情報交換のルールのようなものをお持ちなのかというのが大きな2点目です。

おおきな3点目としては、これまでお話しいただいたようなルールを、法令の他に、御社でお持ちのようでありますが。こうしたものについては、かなりの程度、明文化というとあれですけれども、社内の取扱基準のようなものが相当程度蓄積されてきていて、ある種、そのマニュアルに従うとほぼクレームも少ないという状況にまでなっているという理解の仕方でよろしいのか。また、そういうルールについて、加盟店あるいは顧客に開示がされているのかどうか。どの程度まで開示されるかという問題もあると思いますが、この辺り、ルールの問題についてお伺いしたいというのが3点目です。

以上です。よろしくお願いいたします。

○丸山座長 よろしくお願いいたします。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 ありがとうございます。

まず、1点目の未成年の利用者様についてというところなのですけれども、先ほど御説明させていただいた資料の最後、13ページが関連するところとなると思います。まず、資料で御説明させていただいたとおりなのですけれども、御利用の際には、御利用者様が未成年の場合には法定代理人の同意を必ず得てから御利用くださいということは、必ず加盟店様にて記載いただいているような状況となります。

一方で、現状、当社の提供するNP後払いサービスが、会員登録を必須とするサービスではございませんので、年齢の取得は現状行っていない状況となりますので、網羅的に実際に未成年であるかどうかというチェックは行えてはいない状況となります。実際に、その後の対応について、基本的には、購入者様、お買物をされた方からの申出がメインとなるのですけれども、当社のサポートデスク宛ての問合せの対応をする中で、未成年者の利用においてトラブルになったり、あるいは、未成年であることを理由として何らかの支払いをちゅうちょされるとか、例えば、親御様からの御連絡でこの販売には問題があるのではないかというお問合せはごくまれに発生はしているのですけれども、そのようなケースにおきましては、当社も積極的にコミュニケーションを取らせていただいて、請求をお止めするということを行っております。実際に、当社と加盟店様との契約、規約の中でも、未成年者の利用についてという取決めの条項はございまして、未成年の利用で特にトラブルになったようなケースでは当社は請求ができませんよと。具体的に言うと、債権譲渡を停止してお戻ししますという取決めはさせていただいております。

続いて、2番目のところ、与信審査の基準は、現状では、当社独自の基準ということで構築を行っていると御理解いただければと思います。こちらも、議論が少しずつ始まってはいるのですけれども、現状では独自のものとなります。

最後、3番目ですが、当社、ネットプロテクションズとしての自主ルールになりますが、おっしゃっていただいたとおり、社内ではかなりきちんと内部の規定や業務上のマニュアルには明文化してしっかりと運用を行っているように認識しております。一方で、加盟店様でしたり、消費者様を含めた世の中への開示は現状は行えていないところと捉えておりますので、その辺りは、当社としても、先ほど申し上げている他の後払い事業者とのコミュニケーションの中で、場合によっては、サービス決済としても含めて何らかの発信をしていきたいということで議論を行っている状況となります。

以上となりますが、不足などがございましたら。

○新川座長代理 どうもありがとうございました。大変よく分かりました。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 ありがとうございます。

○丸山座長 それでは、引き続き、大石オブザーバーから発言の希望があります。よろしくお願いいたします。

○大石オブザーバー 御説明をありがとうございました。

今、新川委員が質問されたことと関連することも含め、3つほど教えていただきたいと思います。

まず、成年年齢の引下げが次年度に迫っておりますけれども、今後、この対応について何か考えておられることや実施する予定があれば教えていただきたいというのが一つです。

2番目として、消費者からの相談窓口をネットと電話とで準備していらっしゃるというお話でしたけれども、実際の使用状況として、やはり電話のほうが圧倒的に多いのか、メールでの問合せなどもあるのか、また、もしできれば、主にどのような内容で消費者が問合せをしているのかということも教えていただければありがたいというのが2点目です。

最後に、先ほど与信審査を独自の基準で行っているとおっしゃいましたけれども、その独自の基準を実際に作成する際に、参考とした業界や団体、又は第三者からの助言等をいただいているということがありましたら、どのような業界などを参考にしているのかということも教えていただけるとありがたいです。

以上です。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 ありがとうございます。

まず、1点目の成年年齢の引下げについて、基本的にはそういった動きに当社としても沿って対応を行っていきたいと考えておりますが、具体的な対応や加盟店様へのアナウンスは引き続き検討を行っていきたいと考えております。

2点目です。お問合せにおいての電話・メールの割合と内容ですが、電話とメールでのお問合せの割合としては、現状はおよそ同じぐらい、半々ぐらいとなっております。特徴としては、比較的年齢層が若いお客様においてはメールでのお問合せが多く、年齢層が少し高いお客様については電話でのお問合せが多いなと捉えております。併せて御質問いただいたお問合せ内容ですけれども、基本的に、ほとんど、半分以上、7から8割ぐらいは後払い決済というサービスで、お支払いに関するお問合せがほとんどでございます。当社から郵便で請求書をお送りしてお支払いいただくのがメインのサービスなので、例えば、請求書をいつ送ったのかとか、受け取った請求書をなくしてしまったとか、あとはお支払いに関するところでいいますと、支払ったかどうか分からなくなってしまったので確認したいとか、支払期限が請求書の発行から14日後と定めているのですけれども、その支払期限までに間に合わないので1日遅れますとか、そういった請求書の扱いと支払期限とお支払いに関するお問合せがかなりの割合を占めているように捉えております。

最後、与信審査の基準ですけれども、先ほど申し上げたとおり、基本的には独自の基準ということで作成並びに運用を行っておりますが、特に外部と連携してというのが、不正注文の対応につきましては、外部の知見を得ながら対応を行っておりまして、例えば、クレジットカード会社等見識のある方々と意見交換をさせていただきながら対応を随時行っている状況となります。

以上となります。

○大石オブザーバー ありがとうございました。

○丸山座長 次に、清水オブザーバーから、質問をお願いいたします。

○清水オブザーバー 清水でございます。

今日は、大変興味深いお話をありがとうございました。

幾つかの点にわたって、細かいところを少しお伺いさせてください。まず、不勉強で申し訳ないのですけれども、御社に係る規制として、資金移動業の規制は関係がないのかどうかというところが1点目です。

あと、加盟店契約との関係なのですけれども、7ページのところですね。「加盟店審査」と書かれていまして、はっきりと契約とは書かれていないのですが、審査の後、定型的な契約書を何らかの形で交わしているということでよいか。また、その契約書の内容は、例えば、クレジット会社の加盟店契約とかなり似たようなものなのかどうか。加えて、その加盟店契約の中で、法律構成として、債権譲渡を受けているという理解でよろしいのでしょうか。つまり、この支払方法を選択することによって購入者の代金債務は御社に対する債務に変わるという理解でよろしいのかということと、そのときの手数料をどちらからどのような形で取っているかということが2点目としてお伺いしたいとことです。

細かくて申し訳ないのですけれども、3点目としましては、先ほど、購入者のメリットとして、商品を見てから支払えるということが指摘されていたわけですけれども、一般的に考えたときに、資金の支払いに関与する立場としては商品やサービス提供の品質うんぬんのところには関わりたくないということだろうと想像するわけですね。そうすると、購入者のメリットとして商品を見てから支払えるということだったわけですけれども、商品を見て不都合があるなりなんなりがあったとしたときに、御社に対して支払いをしませんという主張ができるのかどうかというところが3点目として気になっております。

最後に、多くて大変申し訳ないのですけれども、4点目として、7社でほぼ業界シェアを取っているということですが、この7社の間は、非常に均質的と考えてよろしいのか、それとも、規模やいろいろな体制において差が大きいと考えたほうがよいのかどうかということについて教えてください。恐らく、御社のような業務が発展していくためには、例えばクレジットカードのような他の支払決算手段と対抗してシェアを高めていくことが目標になってくるのだと思います。そうすると、恐らく、業界としての信頼性を高めていくことが必要になると認識されているのではないかと思うのですけれども、その7社の間で、例えば、規模感やいろいろな体制や人員に関して差があるのだとしますと、信頼性を高めましょうというところで温度差のようなものがあるのかどうか。例えば、御社が非常に啓もう的にこういうふうにやりましょうみたいなことを言ったときに、それが業界として通りやすい状況にあるのか、それとも、業界としてはなかなか足並みをそろえるのは難しいという状況にあるのかということについて教えていただきたいと思います。

細かくなって、いろいろで恐縮なのですけれども、よろしくお願いします。

○丸山座長 よろしくお願いいたします。

○片岡総合法律事務所田中氏 ネットプロテクションズの法律顧問をしております、片岡総合法律事務所の弁護士の田中と申します。法律論の部分を少し私から御説明申し上げます。

まず、1点目の資金移動業への該当性の関係であります。2点目の御質問の法律構成とも関係するのですが、先ほど小松様から御説明申し上げましたように、ネットプロテクションズは加盟店から売買代金債権の譲渡を受ける構成を取っております。したがって、お客様から資金移動の依頼を受け入れて、加盟店に支払うものではないため、為替取引に該当するものではございません。したがって、資金移動業として行っているものではないということになります。

次に、2点目のご質問の加盟店契約書に関しましては、御指摘のとおり、ネットプロテクションズは、クレジットカードの加盟店契約とほぼ同内容の加盟店規約を利用しております。手数料に関しましては、加盟店様から受領しています。債権譲渡の割引、手形の割引のようなものと考えていただければ結構かと思います。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 今の田中弁護士からの御回答で1番と2番を御回答させていただいたような認識をしておりますので、3番目以降、また小松から御回答させていただきます。

3点目が、商品やサービスの提供の品質について、おっしゃっていただいたとおり、あくまで売買契約自体はお買物をされた消費者様と通販事業者様間の御契約になりますので、何らかで納得がいかないようなケースにおきましては、基本的には消費者様と通販会社様の当事者間で御相談いただいて御解決いただくようなところと捉えております。当社としては、先ほど申し上げた14日間という支払期限があるのですけれども、そういったトラブルが生じた場合におきましても、何が何でも14日間以内にお支払いいただきたいというスタンスではございません。しっかりと御相談の上、解決した上でお支払いいただきたいということで、消費者様への案内も行わせていただいております。今申し上げたのは、一件一件の対応については先ほど申し上げたとおりなのですけれども、例えば、特定の通販事業者、加盟店において、そういったトラブルが複数件発生しているようなケースにおきましては、一件一件の問題解決というよりは、加盟店管理の範ちゅうに入ってくると思いますので、そういった複数が発生しているようなケースにおいては、当社から加盟店様に、状況確認や改善の要請を行うケースはございます。

最後、7社の業界シェアの内訳という御質問ですが、現状で申しますと、均一ではございません。ネットプロテクションズ、当社が5割以上、半分以上のシェアを占めているのが実態となります。その中で、各社と協議を行わせていただいているのですけれども、こちらも、事実として、そういった業界間の議論の場を発案させていただいた、お声がけさせていただいたのは当社からということになりまして、議論自体は1年ぐらい行っているのですけれども、当初は、正直、各社の温度も様々というのはございましたが、直近では、弊社から、今回の場も含めて行政に関係している皆様とのコミュニケーション状況も積極的に問題のない範囲で発信させていただいているので、その辺りの温度もそろって、各社の中でより以前よりも活発に議論している状況と捉えております。

回答としては以上となりますが、いかがでしょうか。

○清水オブザーバー どうもありがとうございました。

1点だけ、確認させていただきたいのですけれども、3点目のところで、要するに、商品にまつわるトラブルは基本的に加盟店とお客様の間で解決してほしいということで、14日間の支払期限があるから、基本はその14日間で当事者の話合いの上で解決し、そこで解決に至らない場合は必ずしも14日を厳格に行使するということではないと今のお話を受け止めたのですけれども、そうしますと、まず、問題があるということであれば、14日を過ぎても、例えば、遅延損害金みたいなものは発生しないという取扱いにしているということなのかどうかということが1点と、当事者の間で結局解決に至らなかった場合は、取りあえず御社にはお支払いをした上で、あとはその販売店から顧客にお金を払い戻してもらうことが標準の処理方法として想定されているということでよろしいのでしょうか。たくさんの問題事例が蓄積しているのではない場面、一件一件の場面においてです。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 かしこまりました。

まず、1点目ですが、遅延損害金等については、あくまで現状となりますが、サービス上、発生はしていないので、例えば、14日間を過ぎたから追加でお支払いが発生するというケースは、現状はございません。

2点目、解決に至らない場合ですけれども、先ほどおっしゃっていただいたとおりなのですけれども、ニュアンスとしては、なるべく14日間以内に解決していただきたいというよりは、なるべくしっかりと御相談いただいて解決した上でお支払いいただきたい、当社としては必ずしも14日間にこだわらずに、解決のためのコミュニケーションを取っていただきたいというスタンスでおります。加盟店とお客様の間のコミュニケーションで解決しなかった場合、結論としては、当社からの請求は停止させていただいて、当社にはお支払いいただかないで、契約上も債権譲渡を受けた債権を加盟店様側にお戻しするという対応を取っております。こちらは、当社の加盟店様との契約、加盟店契約の中でも、そういった紛争性のあるように捉えられた債権については、そのような扱いをするというのは、契約上にも明記しておりますので、そのような対応を取らせていただいております。

○清水オブザーバー どうもありがとうございました。よく分かりました。

○丸山座長 ありがとうございます。

私からも、法的な構成のところで1点だけ補足確認なのですけれども、債権譲渡の構成を取っているということになりますと、原則としては、債務者はもともと債権者に言えた抗弁を譲受人に言えるというのが原則だと思うのですが、特に後払いを選んだときに、抗弁を切断するといった特約を入れているわけではなくて、再度確認になりますけれども、どうしてもトラブルが解消しないとなったら、債権を加盟店に戻すという処理をしているという理解でいいということでよかったか、もう一回だけ確認をさせていただければと思います。債務者の抗弁について、法的に何らかの特約などを入れているのか入れていないのか、債権を戻すという理解でいいのかという辺りです。

○片岡総合法律事務所田中氏 こちらも法律の顧問をしております片岡総合法律事務所の弁護士の田中から回答させていただきます。

御指摘のように、債権譲渡の構成でありますので、原則として、加盟店に主張できた抗弁権は利用者様からネットプロテクションズに対して主張が可能になります。それを放棄させているのかどうかという点に関しましては、利用者とネットプロテクションズとの間には契約関係はないので、規約などによりあらかじめお客様から抗弁権を放棄させるというものはございません。また、利用時に抗弁権の放棄をしていただいているということもありません。したがって、抗弁権の対抗を受けるという前提の下で、先ほど小松様がおっしゃっていたような実務対応をして、最終的には買戻し又は解除という形で加盟店様に債権を戻しているという状況でございます。

○丸山座長 ありがとうございました。

他にどなたか御質問や確認がある方はいらっしゃいますでしょうか。

○加納事務局長 丸山座長、事務局でございますけれども、よろしいでしょうか。

今の点で抗弁権が対抗可能だというお話がありましたので、事務局から、大変恐縮ですけれども、例えば、異議のない承諾を債務者から取り付けるということはされていないという理解でよろしいのですかね。そこだけ、追加的に。

○片岡総合法律事務所田中氏 おっしゃるとおりです。

○加納事務局長 分かりました。ありがとうございました。

○丸山座長 そのほかは委員の皆様から何かございますでしょうか。

それでは、株式会社ネットプロテクションズ、小松様へのヒアリングはこの辺りにさせていただければと思います。

本日は、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。

それでは、説明者に交代いただきますので、委員・オブザーバーの皆様は、準備が整うまで少しお待ちください。

○株式会社ネットプロテクションズ小松氏 どうもありがとうございました。失礼いたします。

(株式会社ネットプロテクションズ退室)

(一般社団法人日本アフィリエイト協議会入室)

○丸山座長 それでは、次に、一般社団法人日本アフィリエイト協議会のヒアリングを実施します。

本日は、参考人として、同協議会の代表理事でいらっしゃいます、笠井北斗様にお越しいただいています。

本日は、大変お忙しい中、ありがとうございます。

それでは、15分程度でお話しいただきますよう、お願いいたします。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 ただいま御紹介にあずかりました、日本アフィリエイト協議会の笠井と申します。

本日は、大変貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。

皆様のお手元にお配りいただいております「日本アフィリエイト協議会の自主的取り組みについて」という資料に沿って、お時間もあるかと思いますので、10分程度でまずは御紹介とお話をさせていただければと思います。

まず、ページをめくっていただきまして、当協議会の概要のページ、2ページ目になります。我々日本アフィリエイト協議会は、アフィリエイト・ビジネスの健全な発展と普及、消費者利益と事業者利益の共存と成長を図ることを目的に、アフィリエイトサイト運営者や広告主、アフィリエイト・サービス・プロバイダー、以下「ASP」と呼ばせていただきます。それから、広告代理店間で協力し、活動している業界団体となります。2010年に発足いたしまして、昨年8月なので、半年ほど前に一般社団法人化をしたアフィリエイトに特化した業界団体となっております。現在、会員は約400名ほど、広告主やASP、代理店、アフィリエイト側に参加いただいている状況です。

ページをめくっていただきまして、他の行政機関や団体の方々とも、非常にありがたいことに、御協力、御支援、また、一緒に勉強会や研修会を行うといった活動、取組をさせていただいております。消費者庁では、インターネット消費者取引連絡会に参加させていただいておりますし、警察庁の総合セキュリティ対策会議や経産省の越境電子商取引連絡会議等々、行政会合にもメンバーとして参加させていただいている、そんな団体が今日はお話しさせていただいております。また、他にも、通販系の団体や広告系の団体の方々とも、勉強会や、この後のお話にもつながってまいりますが、ガイドラインやルールを形成する上で御助言や取組の問題点の共有も行わせていただいております。

めくっていただきまして、その次が、広告の種類について、先に少しだけお話をさせていただければと思います。我々はアフィリエイトに特化した業界団体となりますので、成果報酬型のアフィリエイト・プログラムにフォーカスをした業界団体と御認識いただければと思います。ネット広告には、それ以外に、予約型と運用型と呼ばれる、アフィリエイトを入れて合わせて3つの取引形態があります。この予約型、運用型で、運用型のほうは恐らく一番皆さんが目にしているかと思いますが、検索の結果やSNS、アプリ、動画サイトといったところに表示される広告枠ですね。こういった広告は基本的に運用型の広告と呼ばれるものとなっておりまして、我々成果報酬型のほうは運用型の広告とは違うという点を御認識いただければ幸いです。

ページをおめくりいただきまして、この業界のプレーヤーと題して、どういう人たちが成果報酬型のアフィリエイト業界に存在するかというのをまとめております。アフィリエイトサイト運営者、個人でホームページやブログを運営して、そこに商品やサービスの紹介を行っている人たちが累計で400から500万人ほどいると推定されております。彼らに紹介をしてもらっている広告主が1万社以上。仲介するASP、広告主とアフィリエイトサイトが登録し、このASPの仕組みを使ってアフィリエイトの成果の計測であったり、提携関係を結ぶという流れになっていますが、そのASPが100社以上存在しております。

その次の6ページ目がアフィリエイトの各種基本的な知識をまとめたものになりますので、ここは割愛をさせていただきますが、御興味のある方は目を通していただけますと幸いです。御質問があれば、遠慮なく後ほどの意見交換のときに基礎知識の部分で聞いていただければ幸いです。

めくっていただき、7ページ目、アフィリエイト・プログラムとそれ以外の予約型や運用型の違いとして3点まとめさせていただきました。実際の流れですね。先ほど少しお話しさせていただきましたが、アフィリエイトの広告を掲載する人、アフィリエイトサイト運営者が、例えばですけれども、プリンター用のインクをネット通販で安く買えるよという記事を書く。それを見た消費者の方がその広告をクリックして飛んでいった通販会社のショッピングページ等でインクをショッピングカートに入れてお金を払う。決済を完了して注文を完了する。この注文完了画面にアフィリエイトの計測の仕組みが埋め込まれておりますので、アフィリエイト広告をクリックし、計測コードが表示されることで、このサイト運営者にはアフィリエイト成果報酬が、広告主には広告費を払う責務が発生いたします。

その次が、業界の市場規模。これは矢野経済研究所さんが毎年発表されている統計になるのですが、直近の発表によりますと、大体2020年、昨年度は3400億円市場、伸び率も年率10パーセント前後で成長を続けてきており、これからも成長をしていくであろう業界と言われております。

ただ、関わっている人たち全員、アフィリエイトサイト運営者が非常に稼いでいるか、もうけているかというと、次のシートは当協議会の最新の調査を基に書かせていただいているのですが、決してみんながみんな稼いでいるわけではなくて、2020年11月時点での調査では、アフィリエイトで月3万円以上の収入がある方は全体の8.3パーセントで、およそ4割の方が全く収入がない。また、月の収入が数十円や数百円という方も合わせると、約7割の方がアフィリエイトでまだ収入を得ていないという状況になっております。ここまでが簡単なアフィリエイトや当協議会の説明になります。

めくっていただいて、次が今日の本題でもあります自主的なルール、取組のお話になります。10ページ目の自主ルールのページになります。こちらは、目的として、我々は複数の取組のガイドや指針を御用意させていただいており、これは会員だけではなくてどなたでも確認をいただけるように、当協議会の公式サイトにも掲載させていただいております。目的といたしましては、我々の理念でもありますアフィリエイト・ビジネスの健全な発展と普及、消費者利益と事業者利益の共存と成長に貢献するために、指針や取組の活用ガイドを用意しようというので設けさせていただいております。アフィリエイト全体、全般のガイドラインについては、先ほど少しお話しさせていただいたように、ちょうど半年ほど前に一般社団法人化を行ったばかりということもありまして、現在、ガイドラインの策定委員会でアフィリエイト全般のガイドラインを作ろうと動いているところです。ただ、ガイドラインではないのですが、アフィリエイトに取り組むアフィリエイターや広告主の方々に守っていただくための指針や取り組み方、活用のルール、ガイドは既に用意をさせていただいております。幾つか今日のお話の中にも関わってくる健康食品や化粧品の定期購入のアフィリエイトに取り組む際の守るべきルールであったり、ランキングや比較情報を発信するとき、また、そもそもアフィリエイトサイトやブログを作るときにこういった点に注意しましょうねということをまとめたものが、この「ただしくアフィリエイトしよう!」や定期購入アフィリエイトサイトの取り組み方、「ランキング&比較コンテンツ作成ガイド」になります。この3つにつきましては、景品表示法と特商法を基に、消費者庁の留意事項や行政処分の事例で何が問題か、どういう表示が消費者の誤認に及ぼすかといった部分を参考にさせていただきながら、当協議会の理事メンバーと正会員を中心に、ここに記載している取組ガイドの文章は作らせていただいております。その過程においては、消費生活相談員の方や弁護士の方、他の団体の方からの御意見や御要望も取り入れながら、細かい言い回し、文章・単語の追加や修正をさせていただいている次第です。ガイドラインではないのですけれども、こうしたルールや取組の指針を作るときには、公正取引委員会が定める事業者団体の活動に関する独禁法の指針も参照にさせていただきながら、競争や事業者の数や機能を過度に制限しないというところも念頭に置きながらこうしたガイドページは策定させていただいております。

アフィリエイトに絡んだ自主的な取組、ルールの部分で、1つ、事例として、悪質なお試し商法、定期購入を挙げさせていただければと思い、資料に加えさせていただきました。11ページ目です。昨今、こちらの委員会でも悪質なお試し商法や定期購入の消費者トラブルが増えているという報告もなされておりますが、これを減らすために、我々としては、先ほど少しお話しさせていただいたような健康食品や化粧品の定期購入のアフィリエイトの取り組み方の指導のページを作ったり、これを研修会や勉強会やセミナーでアフィリエイトに取り組む広告主やアフィリエイターやブロガーの方々にお伝えさせていただいたり、また、他の通販団体や化粧品や健康食品の団体の方々に専用のアフィリエイト運用マニュアルを無償で提供させていただき、彼らの会員に消費者の誤認を招かないページの作成、アフィリエイトの広告出稿をお願いさせていただくといった活動、消費者センターの交渉やマスコミ取材への協力も行っております。我々は、消費者相談員向けの無料サポートも行っておりまして、メールだけではなくお電話等でも事業者との交渉でアフターサービスやネット広告が絡む場合にはこういう回答の仕方がありますよとか、この事業者であればこういった対応をすれば返金や解約を獲得しやすくなりますといったアドバイスも無償で対応させていただいております。

次の12ページが、先ほど少し御紹介した定期購入アフィリエイトの取り組み方のページをコピーペーストさせていただいたものになります。アフィリエイトサイト、広告主、それぞれが取り組むときにこういった文章を扱わないようにしましょうとか、こういった情報発信をするように心がけましょうと記載させていただいております。

もう一つが、13ページ目、取締りとして、ルールを作って終わりというわけではなく、我々でも悪質な事業者の情報を収集し、それを消費者庁をはじめとした行政機関、また、外部の団体とも共有しながら、アウトサイダーがもうけられないような環境を作っていく、また、どういう人たちが関わっていて、どういう代理店が悪質な広告を仲介しているかというデータをまとめて、そこに真っ当な事業者が資金源にならないように取組を進めるといった対応も行っております。マスコミの方々にも御協力いただきながら注意喚起という点でも注力をしてまいりました。

その結果、14ページ、おかげさまで、自主的な取組の効果もあり、また、関係省庁やマスコミ、他の団体の皆さんの御支援、御協力もあって、アフィリエイトが直接的に関わる悪質なお試し商法については激減させることに成功いたしました。この3年ほどで9割以上削減ができておりまして、消費者庁の報告書にもその旨を記載いただいていたり、広告団体の賞も、フェイク広告や悪質なネット広告を排除してきたというところで賞をいただいたり、また、直近では、国民生活センター様や適格消費者団体の方々、都道府県の研修講師として、成功事例を相談員の方々向けにお話しさせていただいて、どうすれば消費者トラブルを減らせるか、広告をなくせるかといったところの研修の講師も担当させていただいております。ただ、1点、誤算というか、問題だなと感じているのが、アフィリエイトが直接的に関わる悪質なお試し商法や消費者トラブルは減少しているのですが、アフィリエイトではない別の広告モデル、例えば、先ほどお伝えした運用型の広告、動画の広告、SNSの広告といったアフィリエイトが絡まない部分で悪質な事業者が広告を大量に出稿し、それを信じ込んでしまった消費者が定期購入トラブルに巻き込まれる件数が逆に増加しているという状況ですので、ここの部分は、アフィリエイト業界団体として、他の広告団体や通販団体の方との連携や協議もより一層深めながら、アフィリエイトサイトでの成功事例を共有して、ネット広告全体の消費者トラブル減少に微力ながら貢献できればと考えて活動をさせていただいております。

15ページが、消費者向けの教育や啓もう活動の事例を少し挙げさせていただいております。

最後に、16ページです。簡単ではありますが、協議会からのお願いとして、理念、消費者利益と事業者利益の共存と成長を図るというところを念頭に置いていることを改めて書かせていただきました。1点、こだわっているのが、定款にも書いてあるこの理念は、消費者利益を事業者利益という文章の前に持ってくるところにこだわっています。消費者利益のない業界発展は、決してよいものであるとは思っておりませんので、まずは消費者利益を高められる、そんな取組をしようという趣旨で、我々は活動しておりますので、御意見や御要望、御相談、各種情報提供がございましたら、是非当協議会までお願いさせていただければ幸いです。

10分でと言いながら12から13分ほどかかってしまいましたが、以上をもちまして発表を終わらせていただきます。御質問等がありましたら、この後、遠慮なくお伺いいただければと思います。

ありがとうございました。

○丸山座長 ありがとうございました。

それでは、これより20分程度、質疑応答の時間とさせていただきます。ただいまの御説明を踏まえ、御質問、御意見等のある方は、御発言をお願いします。御発言をされる際には、チャット欄に御投稿ください。

まず、原田オブザーバーから、よろしくお願いいたします。

○原田オブザーバー 原田でございます。

本日は、大変貴重なお話を伺いまして、ありがとうございました。

2点ほどお伺いしたいのですけれども、まず、一点は、このアフィリエイト協議会に加入しているASPの比率といいますか、どれぐらいの会社が入っているかということです。それをお伺いしたいというのが1点です。

もう一点は、先ほど御紹介いただいたリンクなどをクリックして見てみますと、アフィリエイトサイトの運営者の方も、正会員になっている方もおられるようなのですけれども、そのような方々を積極的に今後とも入れていこうという方向なのかどうか、あるいは、そのようなアフィリエイトサイト運営者を増やすために、例えば、この人たちは我々の会員ですというマーク制度みたいなものを考えたりすることはあるのかということをお伺いできればと思います。

以上です。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 御質問いただき、ありがとうございます。

まず、ASPに関する御質問ですが、ASPは、先ほど日本に100社以上存在するとお伝えさせていただきましたが、そのうち、この100社には中小規模のもの、個人が運営しているようなものも含まれますので、実質的に主要な市場の大部分のパイを占めているのは、統廃合もありましたので、大体十数社ぐらいのASPになります。そのうちの3分の2のASPの方々、8つのASPサービスが、現在、当協議会には正会員として加盟いただいております。その正会員ASPに登録しているアフィリエイトサイト数から考えると、リーチ率としては、日本アフィリエイト協議会の中で9割以上になります。これはその正会員ASPの方々経由でアフィリエイトにアナウンスや連絡をすると9割以上のアフィリエイターには届くという規模感になっております。

また、アフィリエイトサイトの正会員登録につきましては、我々は、今、正会員の方には、協議会のマークの利用を許可させていただいています。JAOというマークになるのですが、こちらをサイトやブログに掲載いただいているところは我々の正会員の登録があるアフィリエイト会員となります。ASPやアフィリエイトサイトや広告主などの会員数を増やしていこうと思って活動はさせていただいておりまして、その一環としては、例えば、アフィリエイトの景表法の研修講座を消費者庁の表示対策課の方に御協力いただいて開催したり、他の広告・通販団体の方との共同の勉強会を開催して、そこでアフィリエイトを活用している事業者の方に当協議会を知っていただいて会員参加を検討いただく活動も今は行っております。

以上です。

○原田オブザーバー ありがとうございます。

追加的にもう一つお伺いしたいのですけれども、今、リーチ率が9割以上とおっしゃったのですが、自主規制の実効性の高さは、リーチ率が高いというところに求められるのか、それとも、先ほどの御説明ですと、広告主で問題があるような広告を出すような広告主をチェックする、あるいはそれによってある程度まともな事業者がそういうところに引っかからないようにするということもおっしゃったかと思いますけれども、自主規制によってある程度うまくいっている要因といいますか、最大の要因は一体何だとお考えでしょうか。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 ありがとうございます。

アフィリエイトは、アフィリエイトサイト、広告主、ASP、3者間のパートナーシップによってビジネスが成り立っているものになります。このときに、我々が定めている自主規制も当然なのですが、各ASPや各広告主、各アフィリエイトサイトは自主的なルールを自分たちでも定めています。ASPであれば、登録する広告主やアフィリエイトサイトをちゃんと審査するとか、広告主が出稿する広告素材についてもチェックを行う。こういったASP側の取組、また、彼らから相談が来たときに、我々の自主ルールと照らし合わせながら、こういった広告主は避けたほうがいいよとか、こういった行政処分が下っているので、この販売ページを持っているところは是正を促したほうがいいといったアドバイスをさせていただくことで、各ASPのネットワークの中に問題のある事業者を参加させなくするという取組を進めてまいりました。これが、一つ、アフィリエイト業界において悪質な定期購入ビジネスの被害を激減させることができた最大の要因になっているかと思います。要は、ASPに広告主が参加できなければ、その先にいるアフィリエイトサイトもその広告主を選ぶことはできませんので、アフィリエイト協議会の加盟ASPを中心に排除することで、悪質なお試し定期購入トラブルを招きかねない広告事業者の販売先、紹介先がなくなっていっているというのが、数値の減少の最大の要因かと思います。

○原田オブザーバー ありがとうございました。よく分かりました。

○丸山座長 ありがとうございました。

引き続き、新川座長代理から、質問をお願いいたします。

○新川座長代理 今日は、貴重なお話をありがとうございました。

先ほどの原田オブザーバーの御質問の続きになるかと思います。今、お話のように、広告主とサイト、その間をつなぐASP、この3者関係の中で問題事例が発生したときに、既に広告主と関係ができている中で問題事例が発生したような場合をJAOの側の対応の仕方、サイトの側での問題事例もあるのだろうと思っているのですが、この場合、JAOの側からの対応の仕方、もちろん様々な強いコーションのようなことをお出しになるはずなのですけれども、それの出し方やそれを具体的に実効性のあるものにしていく手続、もちろん最終的に仲介の停止ということにはなるのだろうと思うのですけれども、この辺りの手続とそのこと自体を、むしろJAOとして加盟の各事業者の方々あるいは広告主ないしはサイトの運営者の方々と共有をする必要もあろうかと思うのですが、この辺り、どういう手順になるのか少しお教えいただければと思ったのですが、いかがでしょうか。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 御質問いただき、ありがとうございます。

基本的に、当協議会に寄せられる相談は、先にお伝えすると、9割以上はアフィリエイトではないものも大量に寄せられておりまして、この表示が紛らわしいとか、例えば、この動画の広告やSNS広告を何とかしてほしいといった案件で、アフィリエイトでないものに関しては、今、当協議会では対応ができかねるものになりますので、他の団体さんや連絡先を御案内するといったところにとどめております。

一方、アフィリエイトが本当に関わっているもので、表示の内容に問題があるものに関しましては、その広告主若しくはアフィリエイトサイト運営者向けに、まずは、協議会から確認の連絡をさせていただくようにしています。これは協会の会員であろうとなかろうとも、例えば、景表法の措置命令を受けたこの事例に非常に似通っていますけれども、これは問題はないとお考えですか、是正をしていただくことはできますかといった連絡をさせていただくようにしています。大半のケースについては、修正や是正をしてくれるのですけれども、その対応をしてくれなかったり、連絡を無視するといった件については、次はその広告主であったり、サイト運営者が登録をしているASP側に情報提供を行うことを進めております。その情報提供によって、今度はASP側が、自社の規約やルールに沿って、広告主に対して是正依頼や退会措置を実施します。日本アフィリエイト協議会に入っている・入っていないに関わらず、各ASPは法律や条例、他団体のガイドラインに反するような表示・表現はしてはいけない、そういった事業者はネットワークから排除するという規定を各ASPは自主的に定めております。その規定に沿って提携の解除や報酬の没収、広告主の強制退会といった措置をASP側に取ってもらうといった対応を行っております。アフィリエイトについては、アフィリエイトサイト運営者、広告主、ASPの3者で成り立っている業界ですので、一つ無茶なことをやっている、例えば、アフィリエイトサイトに問題があった場合には、ASP若しくは広告主のどちらかがそのアフィリエイトサイトとの提携関係を切ることによって、そのアフィリエイトサイトの資金源を断ち、収入がゼロになり資金がゼロになることによって、アフィリエイトサイトの違反の表示を行うモチベーションを消すことができます。問題のある広告手法や表示を行っている媒体が是正しない場合には、その提携先のASPや広告主に、これは御社の規定や規約やルールに沿って対応をしていただきたいという連絡を、当協議会では、今、させていただくようにしております。

幸いなことに、協議会の会員で、本当にADRのような、うちが仲介しなければいけないような大きなトラブルは、今のところは、発生していません。そもそもそういったトラブルを招きかねない事業者は、大体、何となくグルーピングというか、この事業者、こういった通販会社、こういった特徴があるところは注意だねというところは事前共有できておりますので、アフィリエイトの真っ当な事業者間にはそういった広告主やサイトは、今は入ってこられない状況になっているというのが大きなトラブルが出ていない要因かと個人的には感じております。

すみません。もしかしたら回答がずれてしまったかもしれないので、追加の御質問があれば是非おっしゃっていただければと思います。

○新川座長代理 ありがとうございます。

1つだけ、よろしいでしょうか。少しお話の中でもあったのですけれども、JAO、協会として、ある意味で、広告主の方、サイトでもいいのですが、そういう注意をされたり確認をされたりするというケースで、恐らくかなり微妙なケースあるいはグレーゾーンと考えられるケースもあろうかと思っておりまして、そうした場合に、JAO内部での議論の仕方として、どういうふうにある種の客観性とか、あるいは、これまでの基準がなかなか適用できないようなケースについての議論の詰め方とか、会員各社との御相談とか、そういう手順のようなものを用意しておられるのであれば、お教えいただければと思ったのですが、いかがでしょうか。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 ありがとうございます。

その議論に関しましては、不正広告絡みの委員会で、まず、議題として取り上げます。そこで各メンバー、委員から、これは確かに問題であって、この法律が適用されるのではないかとか、これはASPのこの規約で提携解除に結びつけられるのではないかといった確認を行った上で、メールないし書面で、関係のASPであったり、広告主に通達をするという手順になります。ただ、幸いなことに、まだそういったグレーゾーン系のものや紛らわしいものについては、うちのほうに相談のあった事例は出てきていないというのが現状となっております。

○新川座長代理 ありがとうございました。

○丸山座長 それでは、引き続き、大石オブザーバーから、よろしくお願いいたします。

○大石オブザーバー 大石です。

御説明をありがとうございました。

私からは、基本的なことを質問させていただければと思います。

先ほどの資料の中で、今、会員さんの数が最初に出てきておりまして、386名ということでしたが、その後の説明で、アフィリエイター自体は400から500万人はいらっしゃるということでした。この400から500万人の個人の会員は、このアフィリエイトの個人会員281名の中にも入っているのでしょうか。もし入っているのであれば、どのような方が入っているのかということを、まず、1点目、お聞きしたいと思います。

2点目として、ガイドラインを作るときの話です。相談員の方からも意見をききながら進めているというお話もあったと思うのですが、今後、ガイドラインに関する会議は常在させて、色々な意見を聞きながら定期的に見直し等を、またさらに、第三者の関与を入れながら進めていくことになっているのかどうか、教えていただけますとありがたいです。また、省庁や行政などからの指導等の関わりがあるのでしたら、是非教えていただきたいと思うのが2点目です。

3点目なのですけれども、先ほど悪質なお試し定期購入をしているようなところとは前もっていろいろと調べて、関わらないようにしていらっしゃるということだったのですけれども、その判断された結果はとても重要な情報だと思います。会員だけで共有するのではなく、その情報を、消費者や行政に対しても提供をいただいているのでしょうか。

その3点をお願いしたいと思います。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 御質問をありがとうございます。

まず、当協議会に加盟していただいている個人のアフィリエイト会員はいるかどうかという部分なのですが、おります。その個人のアフィリエイターの方々、アフィリエイトサイト運営者側の方々で協議会に加盟いただいている方々は、我々の理念の部分、消費者利益と事業者利益を共存、成長させていこうというところの趣旨に賛同いただいて、御自身の経験や知識を役立てたいと考えていただいている方や、また、協議会の活動の中で、そういった法律の勉強会や真っ当な事業者の選び方といった、アフィリエイトに取り組む上でなかなか一人では取得できない情報を、会員登録いただくことで取り入れられることになりますので、そういったところのメリットを感じていただいている個人の方が先駆的に参加いただいている状況です。

とはいえ、アフィリエイトもいろいろなやり方があって、本のバナーだけをぺたっと貼っていますみたいな方もアフィリエイターに属してくるわけですね。そういった方々は、どちらかというと、本を1ページで紹介して終わっているみたいな方も大量にいらっしゃいますので、恐らく御本人に自分がアフィリエイターだという認識がない方も中には相当数いらっしゃるかと思いますし、そういった方々については、恐らくアフィリエイトの団体や活動については、まだ知っていただけていない方もいらっしゃるかとは思っております。その方々にも最低限守るべきルールや法律があるというところは、各種会員以外でも参加できるような勉強会、研修会、ASPや代理店間のネットワークを通じて、教育、啓もうを行うというのを協議会の取組の一つとしております。

次のガイドラインなのですけれども、これはガイドライン委員会を、今、立ち上げており、その中で、まずはひな形といいますか、各社、それぞれ、ASPや広告主が、アフィリエイトの運用ルール、規約で定めているものの集合体といいますか、最大公約数的なもの、各ASP、各広告主、各アフィリエイトが守るべき指針、取り組むべき指針をまずは委員会でまとめ上げている最中です。過去の取り組み方ガイドを作るときにも同じようなステップを踏んだのですが、その際に、適格消費者団体の方であったり、あとはやり取りのある相談員の方々であったり、そういった方に個別に、コロナ禍で直接お会いできるかどうかはまだ微妙なラインなのですが、実際にこのガイドラインの中身等を見ていただきながら、どういった点が追加で必要か、例えば、どういった文章、単語があったらいいかといったところもヒアリングを行って、公開をする。公開前には、正会員にも確認を取り、オピニオンを取り入れて、多少修正変更はさせていただくかもしれませんが、基本的には委員会からその次に他の団体の方々、通販団体や広告団体の方々とも個別にお会いさせていただいて、アドバイスをいただきながらガイドラインの本文を作成するという取組を進めている最中であります。

最後、悪質な定期購入絡みの問題なのですけれども、本当に悪質なところについては、当然証拠とともに消費者庁や各都道府県、この委員会の方にも、こういった事業者がこういう問題のある広告を出しているという情報提供をさせていただいております。ありがたいことに、我々の情報提供だけが理由とは考えておりませんが、消費者庁が、2019年、2020年と出された悪質なお試し通販系の処分事例の大半は、うちが問題と捉えていて、証拠とともに行政処分を課していただきたいとお伝えした内容が多分に含まれておりました。行政側の方、他の広告団体や通販会社にも、この取組はNGです、このサイトは問題があります、法律に反した情報発信をしていますといったリストはもちろん共有をさせていただいております。

以上です。

○大石オブザーバー ありがとうございました。

○丸山座長 続けて、清水オブザーバーから、質問をお願いします。

○清水オブザーバー 清水でございます。

今日は、大変面白い、興味深いお話を伺いまして、ありがとうございました。

今日伺った話からは問題事例の摘発あるいはその改善について有効な仕組みを構築しているというご趣旨と理解しましたけれども、それが働く仕組みをもう少し解明したいという意識でおります。

そこで、基本的に伺うことは同じかもしれないのですけれども、2つ、別の方向からお伺いしたいことがございます。

まず、前提問題として、先ほど9割以上問題事例を削減できたということなのですが、確認するのが難しい数値のような感じがするのですけれども、また消費者庁の文書に記載されているということなのでここでお伺いするのはやや筋違いかもしれないのですが、私はこの文書を拝見しておりませんので、9割というのは何に対しての9割といいますか、どういう形で算出されている9割なのかということに関心を持っております。

次にお伺いしたいこととしまして、このビジネスモデルのポイントは一体どこにあるのだろうかというところが、いま一つ私にはのみ込めていないところでございます。まず、アフィリエイターの方々は、月3万円行くか行かないかという人が大半であると、そもそも1,000円も行かない人が大半であって、先ほどのお話ですと、アフィリエイターの意識もない人もかなりいるというわけですね。しかし、そうはいっても、広告主にとっても、ちりも積もればということでそれなりの広告効果があるからこういう仕組みを使っているのかということが一つ。

あるいは、アフィリエイターのほうで、ごく僅かな1パーセント程度、私はさっき計算したのですけれども、50万円より多い人たちが1.3パーセントぐらいいるはずなのですが、その人たちの中に大規模な業者さんがいるということがあるのかということ。あるいは、アフィリエイター自身が大規模化したいという方向性があるのかということです。

加えて、ASPは一体どこで売上げを立てているのかということですね。ASPがあるからこの仕組みが成り立っているのだろうと思うのですけれども。ASPが中心となって、こういう協議会などを立ち上げて、業界をクリーンにしようという努力をされているというお話でしたけれども、その動機を裏づけるためのASPの売上げはどこから出てきているのか。今のことは、結局、全体として、広告主、ASP、アフィリエイター、それぞれについてどんなメリットがあって、どういう今後のビジネスの展開が展望されているのかというところがお伺いしたい点の一つです。

それを裏返して申し上げますと、様々な実効性のある取組が実現しているのは、ASPの大半に対して協議会が影響力を持っているということが一つにはあるのだろうと思うのですけれども、素人目線で拝見する限り、参入障壁が非常に高い業界のようには思えませんので、アウトサイダーのASPがどんどん参入してくるような状況にはないのかどうか。それは先ほどの裏返しで、要するに、ASPの事業が魅力的であれば、参入障壁がそんなに高そうには思えないので、新規参入があるはずである、そうすると、協議会の目がよく行き届いているという今の状況がどうして安定的に築かれているのかという、そこの辺りのところを教えていただきたいと思います。

まとまっていなくて申し訳ございませんけれども。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 御質問いただき、ありがとうございます。

まず、1番目にいただきました、何を根拠に9割以上削減かというところなのですが、我々は、発足当初から、悪質な広告事例、問題事例をずっとデータとして蓄えてきておりまして、2018年に消費者庁がブレインハーツという会社を処分したときに、そこで初めてアフィリエイトサイトも表示の問題だというところを発したわけなのですが、そのときに問題を起こしていたアフィリエイトサイトのデータを115件当時に取っていたものがうちにはあります。その後、この115件の問題のサイトがどうなっていったかというところで、提携解除や是正を促す取組によって、そのうちの大半、具体的には111件、95パーセント以上のサイト運営者がサイトを閉じたり、アフィリエイトをやめるというところに持っていったというところが、数を削減したというところで掲載いただいております。

加えて、先ほどお伝えしたように、定期的な調査というところで、どの広告が関わっているのか。例えば、動画の広告、SNSの広告、検索の広告、アプリの広告、その中で、一昔前はアフィリエイトが関わっているものがそれこそ過半数を占めていたという時代も3から4年前にはあったのですが、現在は、アフィリエイトが関わるものは10パーセント以下、最近の12月の調査では9パーセント台にまで下がってきている。この数値の証拠データについては、委員会の事務局にも共有させていただいておりますので、こういったデータ、定期的な観測のデータを基に、アフィリエイトが関わるものは減ってきていますという発表をさせていただいております。

アフィリエイターの数は400から500万人いて、多くが数百円やゼロ円という方もいる中で、なぜ広告主は広告を出すのかというと、正におっしゃっていただいたとおり、多くの個人の方々に、まずは広告主が自分たちの商品やサービスを、アフィリエイターも消費者でありますから、消費者に自分たちの商品サービスを知ってもらえるというところでのアフィリエイト広告を出す。また、1年に1件しか売上げがなかったとしても、そういったアフィリエイターの方々が10人、100人とそろっていただけると、広告主にとっては、新規のお客様や売上げの獲得にもつながるので、広告を出す。かつ、成果報酬になるので、売上げがあれば、成果報酬、広告費を払う。でも、売上げがなければ広告費を払わないというのが成果報酬型のアフィリエイトの仕組みですので、広告主にとっては、サイト数がたくさんいても、その分、広告費用がばんばんかかるというものではなく、成果の件数によっての広告費になるので、出稿するメリットは多分にある状態となっております。

上位の稼いでいる方々は、おっしゃるとおり、法人化されている方が多いです。もともと個人で始めたのだけれども、売上げが伸びてきて、会社を作りましたという方々もたくさんいらっしゃいます。

もう一つ、今日はお金の部分を話してしまったのがそもそも間違いだったかと思うのですが、アフィリエイターの方は、みんながみんな、お金が欲しいからやっているということではなくて、愛読している本の表紙の画像を使いたいからとか、自分の好きな商品やサービスをファンとして応援したいからとか、まちおこしにつながるように自分の地元を盛り上げたいからといったように、お金以外の目的で活動されているアフィリエイターの方も非常にたくさんいらっしゃいます。

また例えば、ひきこもりだったのがアフィリエイトに出会って、社会に戻っていく、社会に進出する一つのきっかけになるといったところで、お金以外の部分でアフィリエイトを始めるという方も非常に多いので、その中で、多数の個人のアフィリエイターの方がアフィリエイトという仕組みを愛用いただいているのではないかと個人的には考えております。

こちらも説明不足で、本当は先にしておくべきでしたが、ASPは、平均するとアフィリエイトの成果報酬の大体30パーセントほどを広告主から手数料としてもらっています。なので、広告主が、例えば、アフィリエイトサイトに1,000円の報酬を払ったら、ASPはその1,000円の30パーセント、300円を手数料としてもらっています。広告主は1,300円を払って、ASPが300円を手数料として取り、残った1,000円をASP経由でアフィリエイトサイトに支払うというのがお金の流れになっております。

一見すると、おっしゃるとおり、ASPは参入障壁が低くて出稿しやすいのではないかと思われるかもしれませんが、ASPは手数料ベースのビジネスモデルになりますので、広告主、優良なアフィリエイトサイト、どちらもちゃんと集める必要があります。これを集めるというのが非常に難しいのですね。近年、ASP大手でも、ビジネスを縮小したり、統合したり、事業転換をしているところも徐々に増えています。広告主側、特に真っ当な広告主をたくさん抱えて、その人たちを真っ当なアフィリエイトサイトが紹介して成果を出してくださらなければ、成果報酬、手数料ビジネスが成り立ちませんので、ASPは実は参入障壁がかなり高くなっており、選ばれるためには、ASP自身も、ネットワークの健全化や、教育、啓もう、不正の排除を行って、広告主側やアフィリエイト側に、安心できるネットワークをASPは持っていると評価して選んでもらうという必要があり、そこがASPの事業のインセンティブにもなっているかと思います。

以上です。もし回答していない部分があれば、教えていただければ幸いです。

○清水オブザーバー よく分かりました。どうもありがとうございました。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 ありがとうございます。

○丸山座長 それから、柄澤オブザーバーから、よろしくお願いします。

○柄澤オブザーバー 御説明をありがとうございました。

御協議会の活動については、日頃から大変志の高い取組をされておられるということで、敬意を表したいと思います。

私から、3点、質問をさせていただきたいと思います。

1点目は、この協会は、2010年と比較的新しい時期に設立された協会ですけれども、この設立に至った背景につきまして、当初、行政あるいは関係団体からの働きかけや支援等があったのであれば、この点も含めて教えていただきたい。

2点目は、活動範囲が比較的幅広いと思いますけれども、この業界団体の予算規模あるいは専任の要員がどの程度おられて運営されておられるのかということを教えていただければと。

3点目は、今までの質問と若干かぶるところもありますけれども、ガイドラインを策定中ということですけれども、違反があった場合にどのような対応を予定されているのか。行政や消費者団体との関わり方も含めて教えていただければありがたいと思います。

以上です。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 御質問いただき、誠にありがとうございます。

設立のきっかけなのですが、これは外部から行政や他団体からの働きかけは全くなくて、アフィリエイト自体は1999から2000年頃から日本でも始まったのですが、業界を健全に発展させていくためには、業界団体が一つはあったほうがいいだろう、これからアフィリエイトという仕組みをもっと広く受け入れてもらって消費者と事業者の利益は高めていくには中心的な団体があったほうがいいよねと、当時の私を含めた長年アフィリエイトの創成期から関わってきた人間たちが、これから先のためにも作りましょうという趣旨で作ったところが最大の要因です。ただ、タイミングもよかったというのがありまして、いろいろとネット広告絡み、アフィリエイト絡みの問題が、情報商材を含めて取り沙汰をされるような時期でもありましたので、業界団体を作ったことで早々から消費者庁の委員会に呼んでいただいたり、他の広告団体や通販団体の方との共同企画ができるようになったり、当時、追い風も設立と同時に吹いてきたところはありました。

ただ、アフィリエイトについては、ネット広告全体の市場シェアとしては6パーセント程度と比較的小さいのですね。運用型が8割ほどを占めていて、予約型が14パーセントで、成果報酬のアフィリエイトは6パーセントというところもあって、まだそれほど多くの会社や広告主やアフィリエイトサイトがお金を生み出しているわけではないというところもあって、次の質問、半年前に我々は一般社団法人化がなされているのですけれども、それまでは、ほとんど当初は会費を取らずにやってきた、手弁当でやってきたところから始まっている団体です。今、やっと正会員から年会費と年間1万円という金額をいただくようにして、法人から2万円や4万円という年会費をいただいているのですが、半年前に設立して、今期の予算的な部分でいうと、年会費だけを入れると300から400万円ぐらいかなという形です。事務局も、今、専属の事務局というわけではなくて、その協議会の正会員の会社の中でメンバーを出し合っている形になりまして、アフィリエイトの事務局の作業や取組を行っているというのが大体6から7名ほどで回しています。あとは、講師の派遣や何か外部企画をやるときには、事務局メンバーではない、他の正会員の方々、ASPや広告主のスタッフの方に御協力いただいて、協議会の代表として活動してもらうといったところで賄っております。

最後に、ガイドラインの策定について、ここの部分で違反してくるような事業者については、先ほど何度かお伝えさせていただいたように、例えば、広告主側がガイドラインに反するような内容で、これは問題と思われるから是正してくださいといった通達にも従っていただけない場合には、その広告主が利用を提携しているASPやアフィリエイトサイト側に対話を促す。要は、彼らも、自分たちのルールで、違法や問題のある広告主は提携しない、ネットワークに入れないと定めていますので、それぞれの指針に沿って、こういった広告主とのビジネス提携関係を切っていただく。これは強制はできませんが、基本的には自主的なそれぞれのルールに沿っていただければ、ガイドラインに違反するような方とのビジネスは必然的に終了若しくは解除されるものであると考えております。ここが改善されないものについては、証拠や問題事例をまとめて消費者庁や各都道府県の処分を下してくださる方々や、今、幾つかの適格消費者団体の方とは実際に情報のやり取りもしているのですが、差止め請求を行うときの参考情報にしていただくといった活動も、既に行っています。まだやり取りの無い残り3分の1の適格消費者団体の方との接点も作って、全国で21ある適格消費者団体の方の後方支援や、彼らの悪質事業を潰す取組の部分で、我々の情報や支援を活用いただけるように持っていきたいと考えております。

もし回答していない部分があれば、聞いていただけますと幸いです。

○柄澤オブザーバー ありがとうございました。

○丸山座長 他に、御質問、御意見はございますでしょうか。

私から、1点だけ確認させてください。今までの御質問ともかぶるかもしれないのですが、資料の10ページにあるアフィリエイト・ガイドライン、現在策定中というものに関して、これにつきましては、名宛て人が主として誰になるのか、どういった法令を念頭に置きながら、そういった法令からの上乗せや横出しを考えているのか、第三者や法律の専門家の関与はどういう状況なのかということを、簡潔に教えていただければと思います。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 アフィリエイト・ガイドラインについては、基になる法令としては、景品表示法と特商法になってまいります。その際に、景表法の処分事例が、ありがたいことに、消費者庁や各都道府県が、事例とともに、こういった表示、こういった内容が問題であると発表いただいておりますので、そこの発表されている内容を取り入れて肉づけをしていってガイドラインを作るという方向で進んでいます。各広告主やASPに関しては、社内に法務部もありますので、そこの専門家の方々のチェックや確認を行っていただきますし、また、ありがたいことに当協議会の活動をしてくる中で、ネット広告や景表法や特商法といった法律の分野に強い弁護士の方々とのやり取り、ネットワークも作ることができておりますので、ガイドラインの策定の過程においては、そういった法の専門家の方々にも、ドラフトを見ていただいて御意見をいただきながら、法令に違反しない、実効性のあるものを作っていきたいと考えております。

○丸山座長 ありがとうございます。

他に御質問等はございませんでしょうか。

それでは、一般社団法人日本アフィリエイト協議会、笠井様へのヒアリングは、この辺りにさせていただきます。

本日は、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。

それでは、御退室いただきますので、委員・オブザーバーの皆様は、準備が整うまで少しお待ちください。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 ありがとうございました。

最後に、一言だけ。

1個だけ懸念点がありまして、最近はネット広告で海外の事業者もかなり進出をしてきております。海外のネット広告事業者が国内のルールに沿って動けないとか、動きにくい部分も出てきていると伺うケースも増えておりますので、国際条約が今は必要な時代に来ていると思います。自主的なルールだけではなくて、海外の事業者にも守ってもらえるようなネット広告のルールを定めて国際条約を結ぶという考え方もどこかで議論が出てくればいいなと、個人的には考えていますので、最後の補足コメントとさせていただければと思いました。

本日は、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。

○丸山座長 ありがとうございました。

○一般社団法人日本アフィリエイト協議会笠井代表理事 失礼させていただきます。

(一般社団法人日本アフィリエイト協議会退室)

○丸山座長 それでは、残りの時間で委員・オブザーバーの皆様だけの意見交換を行いたいと思います。

これまでの御説明を踏まえて、今後の検討に当たって参考となると思われた点や課題になると思われた点、あるいは、今後のヒアリングの調査、検討に当たっての御意見でも結構ですので、御意見のある方は御発言をお願いいたします。御発言される際には、チャット欄に御投稿ください。

それでは、新川座長代理、お願いいたします。

○新川座長代理 新川でございます。

今日は、大変充実したよいお話をたくさんいただきました。その中で、今後、検討すべき事項、併せて、その他に情報があればお伺いしたい点として、業界団体あるいは個々の企業さんの内部での検討体制、委員会あるいは様々なタスクフォースのような形もあるかと思いますが、こういう内部での問題事例の検討体制あるいはそもそもルール作りのための検討の体制での客観性や第三者性の確保について少し煮詰めていくと、私たちの議論も進みやすいのかなと。あるいは、今後の自主規制についてのフレームに有益なのではないかと考えました。こういった点を今後のヒアリング等でも少し詳しく聞けるといいと思った次第です。

以上です。

○丸山座長 ありがとうございます。

他にございますでしょうか。

清水オブザーバー、よろしくお願いいたします。

○清水オブザーバー 清水でございます。

本日は大変興味深いお話を伺うことができました。どうもありがとうございました。

特に興味深いと感じたのは、アフィリエイト協議会の方のお話で、協議会のメンバー以外に対しても自主警察的な機能を持って業界をパトロールして、問題があれば情報提供につなげていくという点です。そういう活動があるとはあまり想定していなかったので、非常に面白いなと思いました。

疑問点としては、この2つのヒアリング先とも活動内容について非常にうまくいっているというお話をうかがいまして、他方で国民生活センターなどからはいわゆる「お試し商法」に関して多くの報告があるとも耳にしておりましたので、その齟齬(そご)感はどこに起因するのだろうかという点が気になりました。

以上です。

○丸山座長 ありがとうございます。

そうですね。

○加納事務局長 事務局でございます。

正に清水オブザーバーがおっしゃるとおり、今日のヒアリングだとそういう疑問が生じると思うのですね。すみませんが、事務局でも詰め切れていないのですが、まず、1点目のネットプロテクションズ社の話で印象的だったのは、債権譲渡構成で、要は、抗弁が接続しますよというのをさらっとおっしゃっていたのですけれども、それでやっているのだったら、確かにトラブルは少ないという結論になるのだろうなと思いました。他方で、後払い決済について、加盟店管理や消費者との間で話合いが進まないとかの話もお聞きしておりまして、もうちょっと調べないといけないかなという感じがしています。

2点目のアフィリエイト協議会さんなのですけれども、自主パトロールというので非常にユニークな取組をされていて、割と行政との関係も近いとはお聞きしていますが、もともとこのアフィリエイターは、例えば、今日の資料で5ページを見ると、400から500万とか、膨大な数がいて、しかも個人の人がたくさんやっているという中で、もともとアフィリエイターの全部をカバーするというのは限界があるというか、そういう中でいろいろと活動をされていて、目の届く範囲では結構うまくやっていらっしゃるということかなと。

今日の御説明の中にもありましたけれども、圧倒的に多いのは運用型のはずでありまして、SNSでぽこっと変なものが出てくるというのは大体運用型なのですけれども、ここの運用型で、健康食品で何か過度な広告がされて消費者が巻き込まれるというのが件数としては多分多いと思います。ここがどうなっているのかというのが見えないなというところだと思います。

補足ですけれども、すみません。

○丸山座長 ありがとうございます。

お試し定期購入などの問題を振り返ってみると、法令のグレーゾーン的なところとか、販売業者的には遵守しているつもりだというところが出てくると、結局、顧客と販売業者の問題で解決してくださいとなるので、相談をする側としては何もしてくれなくて解決を任されてしまったといった、そういう評価になる可能性はあるかとは思いました。法令の解釈状況やその辺の理解も関わるのかもしれません。

他に何か御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。

お願いします。

○大石オブザーバー 大石です。私からは、相談現場でのお話も聞いておりましたので、ネットプロテクションズさんにどんな相談があるのかお聞きしましたが、もしかしたら相談内容だけではなく、苦情内容とか実際にどのような状況かというところをもっと深く聞かなければいけなかったのかなと、今、思った次第です。もし、後払い決済会社が、相談を受けるだけに止まっているとしたら、問題があると思いました。

また、アフィリエイターのほうも、自分のなかで誤解があったと思っています。広告については、アフィリエイト広告だけではなくて、運用型の広告のところでの問題が多いことがわかりましたので、お試し定期購入の問題点を考えるのであれば、運用型の広告の話も聞いてみる必要があると思いました。

感想になりますけれども、以上です。

○丸山座長 ありがとうございます。

確かに、そうですね。運用型ということになると、もしかすると、広告の入札のところが問題だということになりますので、ASPのほうの自主ルールや自主規制のほうが強く問題となってくる可能性もあるのではないかという印象があります。現状の苦情と、しっかりやっているのではないかという辺りの齟齬(そご)はその辺かもしれません。

他に何か感想や今後にまた特徴が違った業界のヒアリングを行う予定があるのですが、こういった観点を見たほうがいいのではないかという点がありましたら、御意見をいただければと思うのですが、いかがでしょうか。

特にございませんでしょうか。

清水オブザーバー、お願いします。

○清水オブザーバー 度々申し訳ございません。全体の仕組みがどうやってワークをしているのかという観点からいろいろと考えているのですけれども、今回、行政が出しているガイドライン的なものをかなり御覧になっているという印象がありまして、そこのところが、結局、事業者にとっても基準になってくるのだとすると、問題事例を早めに吸い上げて、それを業者にも不利にならず、消費者にとって有益になるような形できちんと整理して、迅速に出していけるというところが、大事なのかなという印象を持ちました。

多分、原田オブザーバーの御関心も同じなのかもしれないのですけれども、ターゲットとして、例えば、400万人いる一人一人のアフィリエイターにアプローチをするというのは非常に難しいので、そこをコントロールしている中間団体的なところにどうアプローチできるかが問題となります。そこで私はASPの参入障壁の話を伺ったわけですけれども、ASPがアフィリエイト協議会でかなり把握できるのだとすると、アフィリエイト協議会がかなり有効性を持ってくるわけですよね。そのアフィリエイト協議会が参照しているものが官庁のガイドラインだったりすると、そこがポイントになるということで、そのようにアプローチができてコントロールができるポイントはどこかというところを見極めていくことが大事なのかなと、今日のヒアリングから改めて印象深く思いました。

すみません。感想ですけれども、以上です。

○丸山座長 ありがとうございます。

ほかはよろしいでしょうか。

今回も、いろいろな示唆が得られたヒアリングだったと思います。清水オブザーバーから御指摘いただいたように、自主規制がどうやってワークをするのだろうかというポイントを見つけ出していくのが重要だということになり、業界をどう押さえているのかということと、行政庁やガイドラインとの関係がどうなのか、今回のヒアリングだとしっかりとやっていそうなのになぜ問題が起こってしまったのだろうかというところの分析が一つのポイントとなるのかもしれないと思いました。そうなると、法令や行政庁のガイドラインがどのような状況で、各後払い決済の会社やアフィリエイトの会社が、問題が生じてきた初期の時点で、どういう対応ができたのだろうかというところがポイントになるのかなと。後払い決済の業界に関しましては、最終的に、これはトラブルだとなったら、債権は戻してしまうので、関与はしないというところが不満につながった可能性もありますし、アフィリエイト協議会につきましては、行政側の態度が明確化したら動けるといった事情もあったかもしれません。そのほか、アフィリエイト協議会につきましては、非会員メンバーについてもパトロールを行っているという特徴もありましたので、他の団体はどうなのかというのを見ていく視点にはなるかと思いました。

こういった形で、また特徴のある団体のヒアリングなどを続けていければと思っております。

私からは、以上になりますので、事務局、よろしくお願いいたします。


≪3.閉会≫

○太田参事官 本日も、長時間にわたりまして御議論いただきましてありがとうございました。次回の会合につきましては、確定次第、御報告させていただきます。

以上でございます。

○丸山座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

会議画面の赤いアイコンを押していただいて、御退室ください。

  1. 平成29年11月消費者庁公表「インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドライン
    (https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2016/pdf/amendment_171127_0005.pdf)

(以上)