第62回 食品表示部会 議事録
日時
2020年12月17日(木)14:00~17:31
場所
消費者委員会会議室・テレビ会議
出席者
- 【委員】
- 受田部会長、柄澤部会長代理、青木委員、石川委員、今村委員、下浦委員、菅委員、宗林委員、田中委員、戸谷委員、前田委員、松永委員、渡邊委員
- 【消費者庁】
- 津垣政策立案総括審議官、五十嵐食品表示企画課長、木村表示対策課食品表示対策室長
- 【農林水産省】
- 上原米麦流通加工対策室長
- 【事務局】
- 加納事務局長、渡部審議官、太田参事官
議事次第
- 開会
- 食品表示基準の一部改正(玄米及び精米に関する表示)に係る審議
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:94KB)
- 【資料1-1】 産地、品種及び産年の表示の根拠資料について(PDF形式:106KB)
- 【資料1-2】 袋詰めされた精米の具体的な表示例(PDF形式:131KB)
- 【資料1-3】 根拠資料に関する補足説明資料(PDF形式:1375KB)
- 【資料2】 食品表示基準の一部を改正する内閣府令(案)に対する意見募集の結果について(概要)(PDF形式:238KB)
- 【資料3】 これまでの部会で出された委員意見(概要)(PDF形式:268KB)
≪1.開会≫
○太田参事官 本日は、皆様、お忙しいところ御参加いただきまして、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会第62回食品表示部会」を開催いたします。
本日は、安達委員、澤木委員、宮崎委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを報告いたします。
議事に入ります前に、テレビ会議による進め方と配付資料につきまして、確認させていただきます。
まず、前回までと同様、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレビ会議により開催しております。
傍聴者を入れずに開催いたしますが、議事録につきましては、後日、消費者委員会のホームページに掲載いたします。
議事録が掲載されるまでの間は、本日の会議の様子を、明日、12月18日金曜日15時頃よりホームページで動画配信をいたします。
テレビ会議につきましては、ハウリング防止のため、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますよう、お願いいたします。
御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。受田部会長にチャットを御確認いただき、発言者を指名していただきますので、指名された方は、マイクのミュートを解除して、お名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。
御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当のページ番号も併せてお知らせください。
チャットが使いづらい場合などには、適宜のタイミングでマイクのミュートを解除の上、呼び掛けていただければと思います。
また、御発言の際には、カメラ付きの方は、可能な限りビデオ通話をオンの状態にしていただきますようお願いいたします。
御発言が終わりましたら、ビデオ通話を停止し、マイクをミュートの状態にお戻しください。
なお、音声が聞き取りづらい場合などもチャットでお知らせいただければ幸いです。
次に、本日お配りしております資料でございますけれども、議事次第に記載してありますとおり、資料1-1から資料3までとなっております。
不足の資料などございましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。
それでは、受田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○受田部会長 皆さん、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日の進行についてですけれども、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、部会長代理に、部会長代理の回線も同時に切れた場合は、事務局に進行をお願いしたいと存じます。
≪2.食品表示基準の一部改正(玄米及び精米に関する表示)に係る審議≫
○受田部会長 それでは、前回に引き続きまして、食品表示基準の一部改正について議論に入りたいと思います。関係団体からのヒアリング含めまして、これまで2回部会を開催した際に皆様から頂いている主な御意見は後ほど確認したいと思いますけれども、その中の一つに、表示事項の根拠資料に関する論点がございました。本日は、まず、その根拠資料に関係する通知の素案とパブリックコメントの結果について御説明いただき、質疑応答を行いたいと思います。その後、後半部分では、全体を通して皆様から御意見を賜りたいと考えております。
本日は、消費者庁の津垣政策立案総括審議官、五十嵐食品表示企画課長、木村食品表示対策室長、農林水産省の上原米麦流通加工対策室長に御参加いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず、根拠資料に関する通知の素案とパブリックコメントの結果について、消費者庁より30分程度で御説明をお願いいたします。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 それでは、消費者庁から御説明します。
今回、当方から御説明をいたします資料は、資料1-1、1-2、1-3、資料2でございます。
資料1-1をまず御覧いただければと思います。「産地、品種及び産年の表示の根拠資料について」ですが、具体的にどういう根拠資料を誰がどれくらいの期間保管する必要があるかについて記載したものでございますが、これは通知の素案になる考え方ということで御理解いただければと思います。
1ページ目を御覧ください。この考え方は、先般、ヒアリングでお越しいただいた生産者団体、卸売事業者4社からのヒアリングを踏まえて作成したものとなっております。
産地、品種又は産年を表示する場合の根拠を示す資料として、①と②が生産に係る資料、③が流通段階に係る資料、④が卸の段階に係る資料で保管をお願いするものということになります。
①の生産に係る資料ですが、農産物検査法による証明を受けたものについては、農産物検査証明書。または、農産物検査法による証明を受けていないものについては、どのような種苗を用いて生産されたかが分かる資料、これは種子や苗の購入記録などといったものがあります。それと併せて、全体の作付状況に対する品種ごとの作付状況が分かる資料ということで、こちらに挙げたような水稲共済細目異動申告書なり営農計画書といったものがあります。営農計画書にあっては、これは補助金を申請するために必ず作成するものになっておりまして、第三者である営農組合が確認をされています。
これに加えて、流通段階の資料ということで、原料米穀について、産地、品種又は産年が記載されている規格書、送り状、納品書、輸入品の場合は通関証明書など。それから、卸の段階で玄米を受け入れた後に精米にして製品化しますが、その原料米穀を当該製品に使用した実績が分かる資料ということで、具体的には、調製、精米及び小分けした米についての指示書、精米記録、とう精台帳、仕様書などが考えられます。いずれにしても、製品に使用されている原料米穀について、その米穀と製品の相互の関係が明らかになる資料を保管することが必要で、確実に最後までトレースができない場合は、根拠を示す資料を保管しているとはみなされません。
次のページを御覧ください。この資料の保管期間は、製造してから3年間ということとします。この考え方は米トレサ法を参考にしております。米トレサ法でも関係書類の保管期間は原則3年間となっているところです。
また、根拠資料の保管者ということで、この資料を持っておく必要がある者というのは、消費者に販売される製品の表示内容に責任を有する者ということになります。これは食品表示基準上の原則を踏まえたものであって、製品の表示に責任を持つ者が当然それを裏付ける資料を持っておく必要があるということになります。
ただし、今回の米の場合、生産者しか持ち得ない資料というものがございます。それが、例えば種子購入記録、具体的には、種子を買ったレシートなどというのはなかなか生産者しか持ち得ない資料ということもあって、表示責任者の実行可能性に鑑みて、生産者に照会することによって表示内容に責任を有する者の事務所等において当該資料を速やかに確認することができる措置が採られている場合については、生産者等が保管しても問題がないとします。
ただし、当然そのような扱いをする場合は、生産者が持っている資料に関しての保管場所、それから、どうやってそれを確認するかに係る資料も併せて表示責任者が持っておく必要があります。なお、同様の運用を米トレサ法においても行っているということで、この考え方を踏まえているところです。
資料1-1の説明は以上になりますが、これは文章で書いてあるので分かりにくいと思いまして、番号が飛んで恐縮なのですが、資料1-3で分かりやすい資料を作ってみましたので、こちらを使ってまた更に御説明をしたいと思います。
資料1-3の1ページを御覧ください。これは米の流通と根拠資料の伝達のイメージについての資料です。まず、そもそも生産者のところで玄米が米販売事業者に向けて出荷され、その玄米を使って、米販売事業者は精米にして、商品を作って、そこでその商品に表示をします。
この資料では、農産物検査を受検する場合と農産物検査を受検しない場合ということで分けて書いておりますが、具体的に必要となる根拠資料というものは、上の場合でも下の場合でも変わらず、生産に係る資料、すなわち種子購入記録、営農計画書、流通に係る資料、すなわち規格書、納品書、送り状ということになります。さらに、それが卸に行ったときに玄米から精米にして商品化する際の資料ということで、卸のほうにも精米記録、とう精台帳、仕様書などを保管していただくということで、実質的には農産物検査を受検する場合と、そうでない場合とで資料としては同じものとなります。
ちょっと順を追って御説明したいと思います。まず、農産物検査を受検する場合ですが、生産者は、米そのものと、それから生産に係る資料、すなわち種子購入記録、営農計画書等を持って、農産物検査の登録機関に行きます。この農産物検査では、基本的に科学的な検査ではなくて資料の確認をされて、検査証明書を交付し、今度はこの生産者が、これは後ほど詳しく御説明しますが、検査証明書が付いた米袋というか、米そのものと、流通に係る資料、すなわち規格書、納品書、送り状をセットで流通させ、卸のところに行くということになります。
農産物検査を受検しない場合というのは、農産物検査がありませんので、米と、生産に係る資料、すなわち種子購入記録、営農計画書等、流通に係る資料、すなわち規格書、納品書等を併せて流通させて、米卸のところにそれが到達するということになります。ここから先は、農産物検査を受検する場合、受検しない場合共通ですが、卸のほうで製品を作るに当たって作成する台帳類、すなわち精米記録、とう精台帳、仕様書などをここで保管するということになります。根拠資料の伝達のイメージというのは、ざっとこのような感じになります。
具体的に、種子購入記録とはどういうものかというと、種子を買ったときの伝票です。レシートということで、これは農家さんだけではなくて普通に商売をやられている方であれば、税務書類として必要になるので、当然きちんと保管されています。それから、営農計画書は、これは第三者である営農組合が確認をしています。
2ページ以降で更に分かりにくいと思われる資料についてそれぞれ御説明します。
まず、農産物検査証明書とはどういうものかということで、2ページ目を御覧ください。あらかじめ紙袋に「検査証明書」と印字されたものに、生産者自らが米を袋詰めされます。それを農産物検査場所に持ち込んで、農産物検査場所においては、等級印、この写真で言う丸印、これは1等だそうですけれども、その印鑑と検査年月日、検査員の認印を紙袋に押印することになっております。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、この米袋、実はひもで結んでありますので、検査証明を受けた後でも普通に開けたり閉めたりが可能です。
次のページを御覧いただきたいのですが、これが営農計画書です。これは補助金を受ける際に必要となる資料ということで、具体的には農家さんのほうで所有されているそれぞれの農地ごとの作物の作付面積、どういった作物を植えているかというものが記載してある書類となります。これは補助金の申請にも必要となる書類なので、第三者である営農組合が確認をしているということだそうです。
次のページを御覧いただきたいのですが、これは卸のところの書類で出てきましたとう精台帳です。これは必ず卸業者が自分の商品の在庫を管理するために、商売上当然お持ちになっている資料ということです。これは仕入れられた令和2年産の○○県産コシヒカリについてのとう精台帳ですが、10月2日を御覧いただければと思います。受入高の相手方のところから御覧いただきたいのですが、JA○○から300キロ受け入れたということで、在庫数量がもともと600キロありましたけれども、600足す300で900キロということで、900と記載されます。その次の日に、今度はとう精数量というところを御覧いただきたいのですが、このとう精というのは精米にするという意味ですが、このうち150キロをとう精して、出来高が135キロであったと記録をする。そうすると、在庫数量は900引く150で750キロになったというふうに記載されます。
同じ資料の1ページ目に戻っていただきたいのですが、農産物検査を受検する場合としない場合で違いは何かというと、この一連の資料だけ追っていくと、農産物検査を受検する場合はある意味分かれているプロセスになっていて、農産物検査を受検しない場合は一体となって生産と流通の資料が行くということです。ただ、資料自体は一緒ということです。あともう一つの違いは、当然、農産物検査という第三者の資料確認があるかどうかというところになってきます。
これについて、前回の部会で委員から御意見もありましたけれども、未検査米は大丈夫か、リスクがあるのではないかということだと思いますが、この点については、根拠資料となる資料そのものが、税務書類の関係だったりとか、営農組合が既に確認されているものだったりということで第三者の確認がされているものであるということ。あと、次に恐らく御心配になるのが、モノと書類が一致しているかの確認ということになりますが、ここは農産物検査であっても、昨今、目視で品種判定がなかなかできない現状にあるという中では、そこはどちらにしろ確認は難しいということで、リスクとしては同じではないかということです。未検査米であるからといって、表示されていないモノが混入するリスクは同じ、後退していないと考えられます。このため、今もそうですけれども、改正後も監視は重要ということで考えております。
次に、資料1-2を御覧いただければと思います。こちらは複数の委員から、実際に改正後の表示のバリエーションはどうなるのかといった御質問や、複数原料米についてどんな表示になるかという御質問があったので、具体的な表示例ということで、まとめた資料です。
1ページ目を御覧ください。まず、表示すべき事項というのが、名称、原料玄米に関する情報、すなわち産地、品種、産年、内容量、精米時期、食品関連事業者に関する情報ということになっております。ここから場合分けをして、単一原料米と複数原料米についての表示例を御説明します。
単一原料米、すなわち産地、品種、産年が同一であって、かつ、その根拠を示す資料を保管している原料玄米については「単一原料米」と表示できて、その場合、産地、品種、産年を必ず書くということになっております。具体的な表示例というのは、こちらに挙げているとおりです。
2ページ目は、1に該当しない原料玄米を用いる場合は、「複数原料米」など原料玄米の産地等が同一でない旨を表示して、その場合、必ず産地及び使用割合を併記するということ。これが①の表示例となります。
②は、①の場合で更に細かい情報を表示したい場合ということですが、その場合は、その根拠を示す資料を保管すれば、逆に言うと、この根拠を持っている範囲で原産国名及び使用割合の次に括弧を付して、産地、品種、産年などを使用割合と併せて表示することができることとなっております。その例示がこちらに書いたとおりで、根拠資料を持っている範囲で証明されたことがこちらに書けるということになります。
次のページをおめくりください。これは表示根拠の確認方法ということで、こちらは任意表示となりますが、実際に今どういったことが想定されるかということを基に、具体的な表示例をお示ししています。こちらも農産物検査による証明を受けている場合と受けていない場合ということで場合分けをしておりますが、農産物検査による証明を受けている場合は、こちらに書いているとおり、例えば単一原料米の後に「農産物検査証明済」と書いたり、その下に「農産物検査証明による」と書いたり、複数原料米にあっても同じで、農産物検査を受けている範囲にあって、その証明を受けている部分について「農産物検査済」と書けるということになります。
農産物検査による証明を受けていない場合は、表示例1にあるように「単一原料米(○○ライスの自社基準による確認済)」とか、表示例2で「品種については、DNA検査済」とか、表示例3で、最近契約栽培米というのが増えておりますが、例えばその契約栽培米については「国内産(契約栽培ほ場で生産)」とか、表示例4で「○○県産(米トレサ法による伝達)」といったことが想定されるかなと思っております。
こちらが資料1-2についての御説明でした。
最後に、資料2、パブリックコメントに関する意見とそれに対する考え方について御説明したいと思います。パブコメは10月14日から11月15日に実施しましたが、頂いた御意見は、こちらの食品表示部会での議論で頂いていた意見とほぼ同じ論点が挙げられていました。今までの議論のおさらいになるのでポイントだけ、意見に対する考え方を御説明したいと思います。
1ページ目を御覧ください。総論については、改正案に賛成と反対と両方御意見がありました。反対についての考え方ということで、まず、この改正は規制改革実施計画を踏まえて行うものですと。その次に、今回、農産物検査証明を受けていない米穀であっても、農産物検査における産地、品種、産年の確認に使用されている書類と同様の根拠資料の保管を義務付けて、その資料によって客観性を担保することによって表示の正しさを担保することにします。この表示の真正性が担保できたという前提の下、今回の改正は、消費者の選択に資する適切な表示事項が表示されて、消費者にとっては食品を選択する上での情報量が増えますし、生産者に対してもコストダウンが図られて、ひいては消費者にひ益することになります。それから、表示の根拠となる情報というのは、当然、米穀の現物とセットで生産者から最終的な表示責任者まで全ての流通段階で確実に伝達されなければ表示することはできない仕組みになります。
次に、2ページ目の上段ですが、こちらは農産物検査とは異なって、未検査米については、その根拠が第三者証明ではないことから、不適正表示を防止し、消費者の利益や表示への信頼性を確保できるように制度設計すべきとか、農業者以外の販売者に対しても資料保管を義務付けるようにという御意見を頂きました。
これに対しては、今回、産地等の根拠を示す資料の保管を義務付けて、これは農産物検査での確認に使用されるものと同様の根拠資料の保管を要件とするということで、第三者証明ではないのですけれども、仮に主観による確認であっても、第三者が確認することができる資料として保管することによって、客観性が担保されると考えております。
それから、先ほども御説明しましたが、表示責任者である販売者が当然表示についての責任を持っているので、そこで資料を保管するというのが食品表示基準上の考えでもあるので、関係する書類は販売者が持つのが原則です。ただ、生産者しか持ち得ない資料については、実行可能性も鑑みて、一部、生産者等の保管を認めることとするという考え方を示しております。
その下ですが、改正した場合、不正事案を取り締まれるのか疑問。自らが書類を整備する仕組みなので、不正が起こりやすく、現状よりも更に取締りが困難になるのではないかという御意見がありましたが、これについては、現行、検査証明がある米に対しても、疑義があれば、その立入検査においては検査証明書だけを見るわけではなくて、その背景にある産地、品種、産年の表示に係る根拠資料、送り状、納品書の根拠資料を確認しています。今回、それと同様の根拠資料の保管を要件としたということなので、改正前、改正後についても、検査証明がある米とそうでない米と、監視の際に確認する資料が同じなので、監視が困難になることはありません。
3ページ目を御覧ください。これは産地、品種、産年の表示の根拠資料に関する御意見です。具備する根拠資料について具体的に明示をすべきとか、流通する米穀全体の証明根拠も必要とか、似たような御意見なので4ページ目に行きますが、こちらも根拠資料に関してですが、販売者が保管することを義務付けるべき、一定期間、根拠資料を持っておくべき、流通経路及び保管状況が把握できる資料を義務付けるべき、米の現物とセットで生産者から販売者まで全ての流通段階で確実に伝達される必要がある。それから、仮に生産者が持つとしても、販売業者の保管期間と同一期間、当該資料が保管されるべきといった御意見がありました。これについては、表示の根拠となる情報については、現物とセットで生産者から表示責任者までの全ての流通段階で確実に伝達されなければ表示することができません。それから、実際に保管する者は販売者であって、先ほども御説明しましたが、実際に保管されるべき資料としては、生産に係る資料、流通に係る資料、卸の段階の資料である原料米穀と製品の相互の関係が明らかとなる資料が必要です。また、繰り返しになりますが、生産者しか持ち得ない資料については、表示責任者以外の保管も認めますが、その際は確実に、速やかにその資料を確認できる措置が採られていなければ根拠資料を保管しているとはみなされないので、3点表示を行うことはできないという考え方をお示ししております。
5ページ目をおめくりください。これは表示確認方法に関する表示に関する御意見です。上二つが義務付けは不要という御意見で、下の四つは義務付けるべきという御意見。次のページになりますが、同じく義務付けるべきということですが、言い方がちょっと変わっていて、6ページ目の二つ目の意見ですが、第三者認証のある検査米と未検査米を消費者が選択できる権利が与えられるべきであるといった御意見がありました。
これについては、5ページ目ですが、改正前の食品表示基準では、表示の真正性を担保するために農産物検査を要件としておりましたが、今回の改正案にあっては表示の根拠資料の保管の義務付けによって、この資料が農産物検査における確認で使用される資料と同じものですが、農産物検査の受検の有無と関係なく、表示の真正性を担保されることになる仕組みに改正をするということで、表示の正しさ、真正性の担保という意味では、農産物検査の受検の有無によって差が生じませんので、このため、農産物検査を受検した、していないとかいう表示を義務付けることは適切ではないと考えています。
ただ、今回、根拠の確認方法の表示というのは生産者や販売者の方が消費者に訴求するために販売促進の観点から行われる表示だと考えていて、そういうものは任意表示が適当だと考えています。
また、当然、この点について知りたいという消費者の意見もあるというのは承知しておりますので、そういう消費者への配慮も必要ということで、任意で表示をすることを可能としております。ただ、これを義務表示にして違反をした場合に罰則をかけるようなほどのものではないと考えております。
6ページ目の施行時期についてですが、これは、前回御議論いただいて改正した精米時期について経過措置が設けられたので、経過措置期間が必要ではないかとか、施行を延期すべきではないかといった御意見です。
これに対しては、前回の精米時期の改正については経過措置期間を確かに設けておりますが、それは、前回の改正によって全ての事業者が玄米及び精米の表示の様式を変更する必要があって、包装の改版が必要になったからという理由からです。今回の改正は、食品関連事業者に新たな表示を義務付けているものではなくて、やりたい方に新たな表示を可能とするものということで、現行、農産物検査を受検しているものについては表示を何も変える必要がないので、特段の準備期間は必要がないと考えています。また、今回の改正は消費者のみならず生産者の利益となる改正でもあることから、なるべく早く、次年産である令和3年産米の流通から表示可能となるように施行時期を定めています。
次のページですが、監視体制について、しっかりとやってくださいという意見がありました。これに対しては、食品表示法の規定に基づいて、それぞれ国、すなわち消費者庁、農林水産省や都道府県などで役割分担がされています。この役割分担の下、引き続きしっかりと効果的かつ効率的な監視に努めていきたいということをお示ししています。
それから、制度の周知もしっかりとやってくださいという御意見もありました。これについては、当然、改正案の内容もさることながら、農産物検査自体への理解がなかなかされていないという現状もあるので、それも併せて、農水省とも連携して、消費者、事業者、両方への周知普及に努めていきたいと考えております。
それから、未検査米の品質についてですが、3点セット表示する未検査米は農産物検査を受けた米と同等の品質確認、ここで言われている品質確認というのは等級のお話ですが、を行うべきであるとか、未検査米には最低でも2等以上の品質を求めるべきであるといった御意見がありました。
これについては、食品表示基準上は、等級については規定をしていないということで、現状、等級が下のほうのお米であっても3点表示は可能となっています。等級のお話は前回も御説明しましたけれども、あくまでも生産者と卸との間で必要となる目安ということなので、民民のベースでやられているということで、食品表示基準の範ちゅうのお話ではないと考えております。
8ページですが、残りは基本的に今回の改正に係るものではありませんが、1点、その他の輸入米については、産地、品種、産年に関する根拠資料の確認等の担保は困難だと思われるので、表示に当たっては輸出国の公的機関の証明だけにしたほうがいいのではないかという御意見を頂いております。
これについては、基本的に今回の改正によって根拠資料の保管を要件としており、表示責任者である販売者が保管をすることが原則になりますが、生産者しか持ち得ない資料については、表示責任者において生産者が持っている根拠資料にすぐにアクセスできる措置を採られている場合に限って、表示責任者以外の保管を認めることとしております。このため、海外の生産者などに根拠資料が保管されていたとしても、表示責任者において、この資料に関して速やかに確認できる措置が採られていなければ、根拠資料を保管しているとみなされず、3点表示を行うことができないということになりますという考えをお示ししています。これは国内品も国産品も、内外無差別の原則で同様の仕組みにしないといけないということもありますけれども、そもそもそれができない場合は表示ができないということになります。
長くなりましたが、消費者庁からの説明は以上となります。
○受田部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明のございました表示事項の根拠資料に関する通知の素案とパブコメの結果について、委員の皆様から御質問や御意見を頂きたいと思います。御質問、御意見のある方は、チャットでお知らせいただき、それを拝見しながら私のほうで指名をさせていただきたいと思います。まず、表示事項の根拠資料とパブコメに関してでございます。
それでは、今村委員から質問と意見があるという書き込みを頂いております。今村委員、よろしくお願いします。
○今村委員 今村です。
まずちょっと質問、意見もあるのですが、私はこれはやはりものすごく監視が難しいと思っています。それに先立って、先ほどの資料1-3の説明で、米販売事業者の表示責任者は最終的に誰がなるのかということをもう一度聞きたいと思います。もともと米の販売している事業者は、自分のイメージとしては、100社以上のところから集まってきて、100社以上のところに出ていくというようなところだと思います。その中のどこで表示義務がかかるか。米は、もみの段階、玄米の段階、精米の段階があると思うので、今回、最終的にパッキングされるのは精米の段階だと思うのですけれども、精米の段階が最終表示者になるのか、それか、農産物検査そのものは普通は玄米でやりますから、この玄米の段階でするのかというと、それはどういう状況の会社が最終表示責任を負うのでしょうか。
○受田部会長 今、今村委員から御質問いただきました。これに関しては、五十嵐課長、お答えいただけますでしょうか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 米販売事業者というのは卸売事業者ということになります。今村委員御指摘のとおり、まず、玄米の状態で農産物検査を受けられ、それが流通していって、最終的に卸売事業者のところで精米にされる。卸売事業者のところでとう精台帳や精米記録などをつけられますけれども、ここで袋詰めされて、商品化され表示をされます。卸売事業者がそういうことをやりますので、最終的には卸売事業者が表示責任者ということになります。
例外として一番下で、御説明していませんでしたが、産直の場合はまた違った流れになりますけれども、スーパーで売られるようなお米を想定していただければと思いますが、そういう場合は卸売事業者が表示責任者になるということでございます。
○今村委員 精米というので、玄米で卸されたものを渡している場合と、実際にスーパーなんかだと精米されたものが売られている場合とがあって、そのときに、実際に三笠フーズの事件のときに、三笠フーズという会社は流通業者だけでも10社以上に振っていたと思うのです。3段階目になったら100社以上になっていると思うので、その段階で言うと中間流通の側なのか、三笠フーズの側なのか、もっと上流なのかというのは大分違うと思うのです。ですから、どこに最終責任があるのかがちょっと見えにくかったのですけれども、中間流通とか、実際に最終精米するところなのか、最初の精米をするところなのかというのをもうちょっと明確に教えてほしいのですが、そこはいかがでしょうか。
○受田部会長 五十嵐課長、お答えいただいていいですか。
○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 食品表示対策室の木村でございます。私のほうからでよろしいでしょうか。
○受田部会長 木村室長、よろしくお願いします。
○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 御質問の件ですけれども、食品表示基準に基づいた表示をされた方、袋詰精米を作られた方が表示責任者になるという考えでございます。米穀ですから、玄米のまま売られる場合もある。それについても、食品表示基準に基づいた表示をされた方、それから、精米については精米で売られる場合ということでございまして、多分、今村委員がおっしゃっているのはその途中段階ということでございますけれども、その途中段階につきましては、1ページの図で言う流通に係る資料、これには規格書なり納品書なり送り状がありますが、こういう途中段階のトレースすべき資料を伝達される方ということで御理解を頂ければと思います。
○今村委員 そういった場合、製造パッキングしたところに最終的な責任があるとなると、流通段階、5段階ぐらいあるとしたら全ての段階で最終責任者になり得るということだと思うので、この絵にあるような1箇所に集まっているようなイメージではもともとないと思うのです。なので、そこは最終的に表示責任のある人が上流の書類を本当に確認できるような体制を整えられるように、もっと整理をしてもらう必要があると思います。
私の意見としては、第三者確認がなくなるだけという一言で片付けていますけれども、第三者確認というのは非常に重要だと思います。実際に自分が食品衛生監視をやっていて思うことは、テストの採点をしているのに近いようなことだと思います。テスト用紙を先生に自己採点したものを見てもらって、確認してもらって証明を出すのが今回で言うと農産物検査なのでしょうけれども、今回、自己採点したものをお母さんに見てもらいましたでもオーケーで、友達に見てもらいましたでもオーケーで、資料1-2に例示がありますけれども、「契約栽培ほ場で生産」とか「DNA検査済」というのは、結局様々なところで認証したということを認めていくようなものなので、誰が確認したかということに何の精度もないと思うのです。それに対して、第三者としてはっきりしたところで確認を取ったものとの区別がなくなるというのが一番怖いと思うし、その区別がなくなったときに、同レベルの監視ができないのであろうというところがやはり怖いと思います。
ましてこの場合、最終的な表示責任者は、今までの検査の責任者ではなく、最終的にパッケージした人の責任になるということで、そこは大きく変わる部分なので、その部分へのもっと細かい対策が必要だと思います。もし回答できることがあれば教えてもらえればと思います。
○受田部会長 ありがとうございました。
五十嵐課長、よろしくお願いします。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 今村委員、御指摘どうもありがとうございました。
農産物検査に関しては、繰り返しになるかもしれませんが、少なくとも表示に関しての確認はどうやって行われているかというと、産地、品種、産年については、基本的に今までは目視でできたところ、最近ではなかなか品種が増えてそれが難しいということで、種子購入記録や営農計画書を確認されているということでございます。この種子購入記録や営農計画書というのは、そもそも種子購入記録は伝票でございますし、営農計画書というのは農産物検査で確認をするまでもなくて、補助金の申請で必要となりますので、営農計画書が正しいかどうかというのは営農組合というところが別途確認をされているので、普通の人が思われる第三者確認とちょっと毛色が違います。そういう事情もあって、今、規制改革のほうで農産物検査自体の在り方の見直しを行われているということでございます。
それから、委員がおっしゃっていた資料1-2の農産物検査の証明を受けていない場合の「○○ライスの自社基準による確認済」とか「DNA検査済」というのは、これはあくまでも表示の正しさを証明するものではありません。今回、産地、品種、産年について正しいかどうか、その真正性を担保する手段としては、それに対する資料の保管というもので見ることにする改正をしたいと思っております。○○ライスとかDNA検査済というのは、任意表示であって、それはなぜかというと、事業者が、自分たちは農産物検査より厳しい基準をクリアしていますよという訴求をするための表示をできることとするためなので、表示の確かさ、真正性を担保するためのものではないということです。
最終的にお米を精米にしてパッケージに詰め、商品化した人が表示責任者になるというのは今回初めてのことではなくて、これは食品表示基準上の大原則であります。当然その人が責任を持つと。逆に責任をとてもじゃないけれども持ち切れないよと、農産物検査も経ないでこんなにばらばらいろいろ資料が来たらとてもできないよという方は、やらないということになります。これはあくまでも任意のものなので、それができない方はやらないですし、それをやって他の米と、他の卸売事業者と差別化を図って、あえてそこの努力をしてやろうという方はやっていきますでしょうし、できない人はやっていかないということになると思います。
○受田部会長 ありがとうございます。
○今村委員 ちょっとだけ追加で、これは五十嵐さんがおっしゃるように、より厳格なことをしているということの表示のメリットというのはあると思うのですけれども、逆に、いい加減なところも書けるようになるというところがデメリットで、今まででしたら農産物検査証明書というのは一定の品質があったわけですけれども、品質の高いものも低いものもそれと同レベルになるという意味で、消費者の選択としてはより一層難しくなるのではないかと思う面があります。ですので、そこの部分については是非御検討いただきたい。
さらに、農産物検査証明書というのは表示とは本当は関係のないものだったと思うのです。食品表示は最終販売者が責任を負うものなのですけれども、今までこの農産物検査証明書の部分は流通過程で証明してくださいというものだったのが、今回、表示の最終責任者になるということは、表示の最終責任者に責任が移ったということで、これは劇的な変化だと思うのです。全ての監視を表示の監視でフォローしてくださいという意味になるので、それだけ表示の監視や確認作業が今までよりも重くなるのです。今までどおりでも重いと思うのですけれども、更に自由にやってもらったものまで監視するというのは非常に難しいと思うので、是非それに対しての対策を取ってもらいたいと思うし、今のままだと危険だと思います。
私からは以上です。
○受田部会長 今村委員、ありがとうございました。
木村室長、よろしくお願いします。
○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 木村でございます。御意見を含めてありがとうございます。
若干補足させていただきますけれども、資料の1ページで示したとおり、この流通のイメージを再度御覧いただきたいと思うのですけれども、農産物検査を受検する場合。これは生産に係る資料が、農産物検査による検査の証明によって担保されているということでございますので、マル検と打ったものについては、流通に係る資料とともに、生産に関する資料が同時に伝達されているというふうに御理解を頂きたい。
農産物検査を受検していない場合には、当然、農産物検査というところで生産に関する資料の部分が担保されておりませんので、生産に係る資料、流通に係る資料、これは全部伝達してくださいねということになっていて、実質的には何ら変わるところではないというのが私どもの理解です。
仮にこの間に中間流通業者が入っていても、この資料等は全て同じ状況下、同じ条件で伝達されていく。それを受け取った方、最終的に精米にして一般消費者向けに売ろうという方が、その時点で3点セットの表示をするかしないかという判断をされて、やっていく。まさしくその部分で資料を含めた形で責任を負っていただく。ただ、その責任というのはあくまで伝達に基づいてしっかりとやっていくということでございますので、その責任を全て表示責任者が負うことになるわけではないということでございます。
もう一点、監視の部分が非常に重くなるのではないかという御意見があったのですけれども、若干そこには私どもは違う考えを持っておりまして、今までは、表示に関する情報が記載された書類については、実は食品表示基準上、全て努力義務ということでございましたので、書類を作っていらっしゃる方、保管していらっしゃる方はまちまちでございました。今回の3点セットを表示するに当たっては、全てこの作成・保管が義務になります。
先ほど五十嵐課長からも説明がありましたけれども、生産段階の資料、流通段階の資料、これが義務付けられるということは、監視をする側からとっても、用意すべき書類というものの目鼻がついておりますので、それをしっかりと見ていくことが可能になる。表示をされる方についても、その資料がなければ表示ができないということになりますので、しっかりと作成・保管をしていただくことになる。逆に言えば、資料がなければ3点セットの表示はだめですよということで、その時点でもうアウトになりますので、私どもの監視という観点からは、ある意味、重くなるという形よりも、監視はしやすくなるのではないかという考え方を持っております。
以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございました。
これは根幹の部分、今村委員から冒頭御発言があったように、第三者確認の重要性についてまず御意見を頂き、それに対する監視のお話、あるいは表示自体の表示責任者の具体的な御質問を頂きました。恐らく、この辺りはまた後ほど議論もしていかないといけない部分だと思いますので、一旦、今村委員の御質問と御意見に対してはここまでにさせていただいて、チャット上、菅委員、渡邊委員、戸谷委員から御発言があるという旨、入力していただいておりますので、3名の方に続けて御質問、コメントを頂きたいと思います。
まず、菅委員、お願いします。
○菅委員 ありがとうございます。
まさに今の資料1-3の評価について、また後で議論があるのでしょうけれども、少し感じましたことは、表示責任者に伝わる情報は、事後的に監視時に確認可能な根拠資料という面ではそれほど異ならない制度でやることができるという御趣旨かと思われますが、他方で、やはり検査米のほうは時間的に一旦「出発点」の段階で「農産物検査」、つまり「第三者的確認」、今村委員の言われ方ですと「先生の」ということかもしれませんけれども、それを受けて検査証明書付きで流通していくのだと。これに対して、未検査米のほうは、そのようなプロセスを経ずに流通に置かれて、一部生産者しか持ち得ない情報については、タイムリーには「先生の」チェックないし伝達がなされない資料が、同資料1ページの(※)印としてありそうだということになるのかなと思います。
また、結果として、先ほどのお話を受けても、表示責任者となる者のチェックの負担も大きく異なることになるのではないかという印象を持ちましたし、そのチェックも農産物検査と同等に常に信頼して大丈夫なのか、それが表示から分からなくて大丈夫なのかという問題もあるように思いました。
資料1-2についてなのですけれども、私が表示のバリエーションを具体的に示していただけないかとお願いしていたことと関連するものと理解しているのですが、やはりこうして列挙していただくと、3点の一部にだけ根拠資料がある場合などについて、様々なパターンがあることがうかがえるかなと思います。
質問したいのは、資料1-2の5ページの表示例3についての確認なのですけれども、「契約栽培ほ場で生産」という表現がありますが、これは3点表示の対象も含め、どういう米であるかを把握できていますよということを示唆するものではありますけれども、直接的には「表示根拠の確認資料保管がある」ということを意味していないことにはなると思うのですが、こうした記載方法も、表示根拠の確認方法の表示の一種として認めることになるのでしょうか。いずれにしてもルール上根拠なしには書けないということになるのでしょうから、3点表示をする以上は根拠を保管していなければならないことになると思いますけれども、表示根拠の確認方法を「任意表示した」ことになるのか、あるいは直接表示はしていないということになるのか、ちょっと曖昧ではないかと私個人的には思うので、御質問させていただきたく思います。よろしくお願いします。
○受田部会長 ありがとうございます。
それでは、続けていきたいと思います。続いて、渡邊委員、お願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。渡邊です。
確認したかったのは、先ほどの今村委員の話で資料1-3の伝達イメージのところなのですけれども、この図は一番右端に消費者があるということで、その間に小売があって、この小売というのは多分、スーパーとか販売店のイメージで、表示責任者は精米の製造業者というイメージだと思っているのですけれども、この図で見たときに、今までと変わってくるのは、この下のほうの農産物検査を受検しない場合の下から一つ目の矢印というか、販売事業者に農産物検査をしない場合で3点表示をして入ってくるものは、販売事業者がそういうことを全部確認して表示をして、小売に流すのですよという、ここが変わるのと、あと、農家が直接売る場合の一番下の矢印、この2本の矢印の部分が今までと変わってくるわけで、上のほうは全く変わらないという理解ですね。
それで、この小売が間に入っているものについては、小売のほうが自分のところに置く製品というのはかなり責任を持つので、米販売事業者に対していろいろなことを要求、いわゆる表示の正しさについての要求がなされると思うので、これは個人的な意見ですけれども、これについてはかなり小売がしっかり管理するのではないかなと思っています。
やはり何となく分からないのは、一番下の矢印ではないかなと。これは直接消費者に販売するので、この場合の表示責任者は農家さん、生産者になるわけです。このときは監視というか、いわゆる抑制力として働くのは、例えばインターネットとかのアマゾンだったり、そういうところがどのくらい責任を持ってある程度出すかとか、そんな感じになってくるのかなと思っているのですけれども、そんな理解でよろしいのでしょうか。ちょっと確認です。
○受田部会長 ありがとうございます。
それでは、続いて、戸谷委員、お願いいたします。
○戸谷委員 戸谷です。
私のほうは細かい話なのですけれども、今、実際に現場でのお米を作るときには自家採種が結構あるのです。種子の購入記録を根拠にしましょうということになっておりますけれども、自家採種の場合は当該年度で必ずしも種子を買っているわけではないので、そういう場合は対象にならないという状態になってしまうのか、栽培記録等で種子の購入、要するに昔買ったもので、もう今購入記録が残っていないような場合は対象にならないのか、あるいは栽培方法等の情報で対象に拾うことが可能なのか。その辺を確認したいと思います。もう一つ、表示するためには、生産者しか持っていない情報を表示責任者が速やかに確認できるような措置が採られなければならないとなっていました。これについてはQ&Aで規定されるという御説明があったかと思いますが、速やかに確認できる措置とは、具体的にはどのようなことをイメージされているのか。この確認というのは重要な要素だと思うので、Q&Aよりももうちょっと高いレベルできちんと定めておく必要があるのではないかという感じもいたしますけれども、この辺のことについて教えていただきたいと思いました。
○受田部会長 ありがとうございます。
菅委員、渡邊委員、戸谷委員から御質問をそれぞれ頂いております。それでは、順番に、消費者庁のほうからお答えいただけますでしょうか。
○太田参事官 農水省からお申し出がございます。
○受田部会長 それでは、上原さん、よろしくお願いいたします。
○農林水産省上原米麦流通加工対策室長 ありがとうございます。農林水産省の上原でございます。
まず、各委員から農産物検査についての御質問がたくさん出ておりますので、改めまして、農産物検査において品種の確認をどのようにやっているかということを御説明申し上げたいと思います。
1回目の部会の中でも御説明をさせていただきましたけれども、農産物検査において、まず一つ御認識いただきたいと思いますのが、理化学検査のようなことではないということ。簡単に言えばこういうことでございます。まず、事前に生産者別の種子更新の状況ですとか、あるいは品種別の作付状況などについて、書類で事前の情報収集を行った上で、品種の鑑定というふうに言っておりますけれども、目でお米の粒を見まして、米の粒の大きい、小さいですとか、あるいは色沢といいまして色の度合いとか、そういうものを見ているということでございます。
これが現場ではどういうふうになっているかといいますと、やはり品種の数もたくさん増えてきておりまして、色つやとか、粒の大きい、小さいとかで品種が十分見分けられるかというと、なかなか検査現場では負担が大きいというような声も高まっているということがございます。
それから、先ほど自家採種についての御質問があったかと思います。農産物検査において自家採種の場合、事前の情報収集をどのようにやっているかということでございますけれども、種子の購入記録は自家採種の場合にはございませんので、品種別の作付状況ですとか、そういうもので品種の生産量とかを確認しているということでございます。
以上でございます。
○太田参事官 引き続き、五十嵐課長から御発言がございます。
○受田部会長 五十嵐課長、お願いします。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 戸谷委員からあったお話ですが、自家採種に関しては、先ほど農水省のほうからもありましたが、種子購入記録はないので、営農計画書で確認をしていくことになります。その旨はきちんと通知のほうで、自家採種についてはこれこれこういう扱いということを記載しようと思っております。
それから、渡邊委員がおっしゃっていたことですが、基本的にその認識で間違っておりません。一番下の生産者から直接消費者に買われる場合というのは、委員御指摘のとおり、売る生産者が袋詰めをして、そこに表示をすることになりますので、これは生産者が表示責任者となります。万が一、そこに不具合があったり、何か悪いことをしているという場合は、当然、一般的には、信用に基づいて商売は行われていますので、もし何かトラブルがあったら、そういう方は取引をされなくなるということになると思います。
菅委員から御質問があった件ですが、表示責任者、すなわち卸のほうでチェックの負担が大きくなるということは、確かにおっしゃるとおりだと思います。農産物検査済みのお米であれば、産地、品種、産年の部分については農産物検査証明があるからということで、ある意味、そちらに平たく言うと責任を負わせられるということになります。今回は農産物検査を行わない米を卸売事業者で取り扱おうと思えば、自らコストを掛けて確認をしないといけないということになります。ただ、そこはそれぞれのビジネスの戦略上、そんなのいちいちやらないよということであれば、今までどおり農産物検査証明という仕組みを使って、大量に、効率的にばっとさばいていかれるでしょうし、そうではなくて他の卸売事業者と付加価値をつけて差別化を図りたいということであれば、そこは手間暇を掛けてあえて農産物検査を受けていない米を選ばれるでしょう。もしその道を選ばれるのだったら、当然、チェックの責任という農産物検査が担っていた部分は卸のほうに行きますので、そこは委員がおっしゃるとおりだと思います。
あともう一つ、資料1-2の「契約栽培ほ場で生産」というところですが、これは書き方にもうちょっと工夫の余地があるかなと思います。
それから、これが産地、品種、産年の根拠となり得るかという御質問だったと思いますけれども、これでもってそれを代替できるわけではなくて、あくまでも産地、品種、産年を書くのであれば、通知で示す予定の根拠資料が必要であるということです。今回お示しした契約栽培のお米ですと、自分たちが栽培履歴を基に生産者とちゃんと契約をして確認した米ですというのは、通常の米より更に厳しく自分たちは確認していますという、ある意味消費者に対する訴求になるような表示ということです。
○受田部会長 一つ、戸谷委員が御質問された生産者しか知り得ない情報を表示責任者が速やかに確認できる場合には、そちらに根拠資料の保管をということがルール上盛り込まれている、この速やかに確認できるという具体のお話をお答えいただけますか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 すみません。失礼しました。
それは先ほど御説明しました米トレサ法に類似の規定があったので、この考え方を参考にしておりますが、具体的には表示責任者、すなわち卸事業者となると思いますけれども、そこから電話などの連絡により生産者が根拠資料の送付を求められた際に、速やかに求められた資料をメールやファクスなどで送付するなどの取決めを生産者と表示責任者との間で、ビジネスなので恐らく契約上ということになると思いますが、契約でもって担保しておくなどの対応が考えられます。この場合は、その取決めに係る資料、すなわち保管場所とか確認方法に関する資料を保管する必要があります。
いずれにしても、我々行政が表示責任者の事務所に立入検査などをした場合、その卸の事務所において速やかに生産者が保管している根拠資料の確認ができる必要があるということでございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
菅委員から、先ほど五十嵐課長にお答えいただいた契約ほ場の最後の点、後で一つお聞きしてもいいですかということですが、菅委員、どうぞ。
○菅委員 ありがとうございます。
先ほど頂いた「契約栽培ほ場で生産」のところの五十嵐課長の御説明の中で、訴求という言葉をお使いになっているのですけれども、任意表示、義務表示をどうするかという話の中で問題としているこの「表示根拠の確認方法」ということに関しては、プラスアルファということではなくて、まさにどういう根拠を持っているのかを表示するということなので、どういう表示根拠の確認方法を取っているのかを書くことがここでの任意表示となるかどうかという話ではないのかなと思うのです。そうであるとしますと、「契約栽培ほ場で生産」と書くことを例とされるとやはり違和感を覚えてしまうところがあるのですけれども、任意表示として本来直接予定している表示根拠の確認方法の表示として、このような表示方法はちょっと違うのではないかと思うのですが、改めてもう一度お聞きしたいと思います。
○受田部会長 五十嵐課長が訴求というお言葉を使われたことに対してですが、いかがでしょうか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 ちょっとここは、ここに挙げるのが適切かどうかも含めて検討したいと思います。
○受田部会長 そうですね。ここはさっき菅委員から御指摘いただいたとおり、他の根拠の表示、表し方という意味では少し違和感があるということになろうかと思いますので、ここは修正をするということで御検討いただくことにしたいと思います。
今、チャット上はここまで質問について、あるいは確認について御入力いただいた方全てに指名をさせていただきましたが、ここまでのところで何か他の御意見、御質問はございませんでしょうか。
田中委員が、今、メッセージ入力ということですが、田中委員、そのままどうぞ御発言ください。
○田中委員 先ほどの中で、直接販売をするいわゆる産地直売者が増えるということがあるかと思うのです。そのときに最終表示者の根拠資料の監視に対する体制や監視計画というのは今後設定されるのでしょうかということです。恐らく産地直売、インターネットなどの販売が出た場合に、その人たちには直接監視に行く場がないのではないかということで、そういったときにはどのような対応がなされるのかを少しお聞きしたいと思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
今の質問に対しまして、これはどうやって監視するかということになりますので、これも消費者庁からでよろしいですか。
○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 食品表示対策室の木村でございます。御質問ありがとうございます。
今後の指導の考え方でございますけれども、まず一般的なお話からすると、米穀の生産県、それと消費県、こちらにおきましては、事業所なり精米工場等の規模は異なるということでございますので、食品表示基準の改正後、袋詰精米の表示に当たって新たに根拠資料等の作成・保管が義務付けられましたというようなところを周知した後、その地域に精通した都道府県等の執行機関が実情に応じた監視計画を策定して執行していくことになります。
御質問の部分でございますけれども、では、インターネットとか直売される消費者はどうかということでございますが、これは事業者の数としてはなかなかカウントがしづらい、見えにくいというところでの御質問かと思いますけれど、そこは今現在も農産物検査を受けた中で同じような販売がされているわけですから、その状況を見ながら、できる限り個別というか、販売者としての生産者の方々にも調査に入っていくように私どもとしてもお願いをしていきたいと考えております。
インターネット上等で非常に評判が悪いとか、これはおかしいだろうというものがあれば、それは情報提供等を頂いた段階で、その事業者を抱える都道府県等がしっかりと疑義案件として監視指導していくことになろうかと考えております。
以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございました。
田中委員、よろしいでしょうか。
○田中委員 はい。特に監視計画を改めるということはあるのでしょうか。
○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 今の点でございますけれど、ある意味、食品全般を私どもは監視しておりますので、今回の米の改正があったからといって、監視計画では、全ての食品の中の一ということで計画を立てていただくことになろうかと思います。
しかしながら、どこかの時点で、これはやはり重点的にやったほうがよいというような判断があれば、そこは全国的な重点目標に置くこともできるということでございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
今の田中委員の御質問、また、木村室長からの御回答に関しても、販売形態ごとあるいは産地直売といった生産から販売のフードチェーン全体の多様性に対する監視の在り方等ということで、前段の話と関わってくるのではないかと思います。また議論を深めたいと思います。
他に御質問ございませんでしょうか。今のところ私のところでは入力は確認できていないのですけれども、もし一通りこれまでの御説明のところで御質問いただいたということでありましたら、一度ここで休憩を取らせていただいて、15時30分再開とさせていただき、その再開後は、これまでの議論をもう一度振り返りつつ、問題、課題を整理しながら、全体としての方向をある程度描いていきたいと思います。
30分まで休憩とさせていただきます。
(休憩)
○受田部会長 それでは、再開をいたします。
すみません。私、チャットの確認のタイミングが悪くて、先ほど最後のところで前田委員から意見をということなので、前田委員に御意見を頂いて、休憩前に申し上げた形で資料3のほうに入ってまいりたいと思います。
それでは、前田委員、お願いいたします。お待たせしました。
○前田委員 ありがとうございます。
私は、日本の食は安全だと思っておりまして、多くの方もそうなのではないかと思うのですけれども、特にお米に関しても大きな信頼を持って今まで購入しております。我が家ではスーパーなどで何の不安もなく購入しているのですけれども、それは今回この会議に参加をさせていただいて、農産物検査という厳しい制度があって、それに裏付けられているからということも言えるのかなと感じました。
今回、規制改革ということで、受検する場合としない場合、同じ表示ができる方向性ということなのですけれども、新しい検査のほうがどのぐらいのクオリティーであるのかが全く分からないのです。それが同じぐらいのクオリティーであるということを知ってから、表示の根拠についてお話ししていくのがよいのではないかと思いまして、それをお伝えしたくて発言させていただきました。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
今、前田委員から重要な御意見、コメントを頂きました。ここの御意見も含めて、農産物検査自体の果たしてきている役割、あるいは今後も果たし得るであろう役割。それと今回の規制改革において、農検によらない3点表示を任意表示として可能にしていくことについて、根幹の部分での御意見というふうに拝聴いたしました。その点はしっかり受け止めさせていただいて、この後、全体の議論も更に深めさせていただきたいと思うので、次のパートに進ませていただきたいと思います。議論に関しては、監視の話であったり、表示責任者の話であったり、農検自体の信頼性の話であったり、そういったところに当然また関わっていくことになりますので、そこの部分での御質問、御意見を改めて頂く時間を後ほど確保させていただきたいと思います。
それでは、ここからは、前回までの2回の部会で頂いた御意見及び本日の先ほどまでの議論を併せて、全体を通して議論を進めてまいりたいと思います。
なお、今回の案件は、本年7月に閣議決定された規制改革実施計画を踏まえたものであり、令和2年度措置として対応が求められていることから、年度内には答申として取りまとめなければならないものです。当然のことながら、議論し尽くした上で部会としての結論を出してまいりたいと思いますが、期限もあるものですから、極力論点を整理した上で効率的に進めてまいる必要もございます。そのような観点から、この後の議論に入る前に、まず、前回までの部会で委員の皆様から出された意見を振り返りたいと思います。
資料3として、これまでの部会で出された意見の概要を事務局に整理していただきました。まず、事務局より、この資料に基づいて説明をお願いいたします。
○太田参事官 資料3を御覧ください。これまでの部会で出された御意見を大きく四つに分けて整理しております。
まず【表示事項の根拠資料】につきましては、表示責任者である販売者が根拠資料を確認すること、必要な根拠資料を具体的に示しておくことが重要であり、消費者も明示された問合せ先に問合せをすれば確認できるようになっていればよいのではないかといった御意見がございました。
【表示確認方法の表示】につきましては、検査米と未検査米の選択の機会を確保することは、消費者の自主的・合理的な選択の機会の確保に資するため、表示確認方法の記載は義務表示とすべきではないかといった御意見がございました。
【監視】につきましては、根拠資料の種類や保管場所などを明確にしなければ、監視が困難になる。表示の信頼性を確保するためには、根拠書類の確認が重要であるといった御意見がございました。
最後に【普及啓発、周知】につきましては、消費者の誤認を招くことがないよう普及啓発に努めるべきであると。それから、農産物検査のことを知らない消費者のためにも丁寧な情報発信が必要といった御意見がございました。
以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございました。
今、資料3に基づいて、これまでの部会で出されていた委員の御意見を概要として四つに類型化して、簡潔にまとめていただいております。
また、今日の前段の説明と御議論におきましても、表示事項の根拠資料、表示確認方法、更には監視の部分で、既に御質問や御意見を頂いたということになります。過去2回の議論での主な意見というのは、この資料3に今日の意見も含めて集約されるのではないかと考えられます。
逆に言うと、今日の議論も含めまして、資料3に整理をしていただいた4項目について議論、論点を一つずつ、更に御意見を賜り、また、御質問を頂くことによって整理していくという進め方を取らせていただきたいと思いますけれども、そういう進行のやり方で御異論ございませんでしょうか。また、もし他に、この4類型以外に議論すべき課題があるということであれば、ここでお出しいただくことも可能でございます。いかがでしょうか。
菅委員が今、入力中ということで、菅委員、お願いいたします。
○菅委員 菅です。
基本的には、今資料3として挙げていただいているものの中で皆さんで議論していけばよいのではないかと思っていますが、パブリックコメント募集の中で出てきているものが全て網羅されているかというと、そうでもないかもしれないと思っていまして、議論の必要性があるかどうかは皆さんで議論すればよいと思うのですが、例えば経過措置をどうにかしてほしいといったようなことを言われている御意見もあったかと思います。
これは2番目の論点になっている【表示確認方法の表示】の中で、任意表示にするか義務表示にするかといったこととも実は関係しているのだろうと思いますけれども、そうしたところも全体の進行の中で取り上げる必要があれば取り上げていただいたらいいのではないかと思います。
以上です。
○受田部会長 コメントありがとうございます。おっしゃるとおりです。経過措置に関しては、パブコメ、また前回のヒアリングの中でもその御意見を頂いているところでございます。更に補足をしていただいたとおり、表示確認方法、ここにもつながっていく話でございますので、関連付けて議論できれば、また、経過措置自体を別途御意見を伺わなければいけないような状態になれば、ここもしっかりと御意見を賜りたいと思います。
それでは、そのことを含めまして、資料3にあるこれまでの部会で出された意見を順番に進めていくということでよろしゅうございますでしょうか。
特に御意見は今のところ入力がないようですので、そうさせていただきたいと思います。
それと、今回、規制改革での閣議決定を受けて諮問されてきているということでございまして、事業者のヒアリングにおいては、この規制改革自体を諮問されている内容を支持するという御意見も聞かれていたわけでございます。今ずっと部会で議論をしている中で、監視の難しさであるとか、これまでの農検に代わり得るのかどうかという真正性の担保であるとか、様々な課題が指摘されている部分もございますけれども、恐らくこの制度自体、諮問されている内容について、消費者サイドから見たメリット、あるいはこの改正の価値を感じておられる部会委員もいらっしゃるのではないかと思います。
そういう声に関しては、まだ今のところ、御質問を頂いたり、またコメントを頂いた中では、それほどこの部会では聞こえてきておりませんけれども、そういう御意見も頂き、更に全体の方向性を考えていかないといけないと思っておりますので、例えば、この四つの類型プラス経過措置への対応というところでこれから意見を賜りますけれども、全体として、この諮問されている内容に対する賛同の声とか消費者サイドから見たメリットに対する御意見等に関しても、是非最初に頂きたいと思うのですけれども、委員の皆様、いかがでございますでしょうか。
柄澤部会長代理、メッセージ入力ということで、よろしくお願いいたします。
○柄澤部会長代理 ありがとうございます。柄澤です。
私からは、農産物検査法というのは、従来生産者が生産した米が、一定の集荷業者とか卸売業者を通じて消費者に販売されることを前提に、統一的な規格を定めたものと理解しております。昨今、実態として米の流通は多様化しておりまして、直接販売するケースが拡大している現状の中で、やはり農産物検査を受けないと産地、品種、産年の表示ができず、事実上農産物検査が強制されるという現状は変えていく必要があるのではないかと考えております。
このメリットとしては、やはり消費者の商品選択の幅が広がり、また、農業者のコストダウンが商品の価格等に反映されることも期待されるので、改正に基本的に賛同したいと考えております。
しかし一方、委員の皆様の御意見をお伺いすれば、やはり不適切な表示の防止等々は、いろいろな運営方法の中でしっかりと防止する必要があると思っておりますので、こういうルール等々についてはしっかり周知していただいて、ルールを遵守できる体制にすることが必要なので、その上で適切な監視を行っていただきたいと考えております。
私からは以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
消費者側からのメリットのお話、また、生産者サイドとしての規制改革で諮問されている内容についてのメリット、こういったところをコメントとして頂き、また、不適切な表示に対する防止策をしっかり講じること、それから、消費者への周知、ここに関する重要性について御意見を頂きました。
続いて、宗林委員、よろしくお願いいたします。
○宗林委員 宗林です。聞こえますでしょうか。
私のほうから2点、伺うことと意見がございます。
1点は、この販売者のところの電話番号にかけて、消費者がお問合せをしていろいろな根拠資料を確認することができるということになっていますが、実際にスーパーとか販売において、自分の持っている米が、そこに問い合わせるときに聞きたい商品の特定は、何が決め手になるのかを一つ教えていただきたいと思っています。そうしないと、何のことを聞いているのか分からない。例えば、単一原料米とか品種、産年については、同じもので同じ米穀の株式会社が出している場合はたくさんあると思いますので、その場合は精米時期で特定をしていくのか、この辺がよく分かりません。
また、品質として一定のものを自宅で使いたいとなったときには、同一性の目安にしていったらいいのかということも、同一内容としてのお尋ねになります。
続けてもう一点、最後の任意表示。自分たちの企業様のほうで根拠資料があれば任意表示ができるという御説明を今受けましたが、これは、ある意味情報量が増えることにもなりますが、例えば「DNA検査済」でやった場合に、5社でこういう表示がされた場合に、それぞれのDNAで検査の方法が定められてないと、例えば10グラムを調べているところもあるでしょうし、100粒でやっているところもあるでしょうし、そういったものが全く定められていないままに、自社のほうでの任意表示ができるということになりますと、この「DNA検査済」と言っている品種の表示そのものが、曖昧な表示、幅が広がってしまって信頼度の置けない表示になりかねないということと、また、任意表示が増えるばかりであれば、そこで不正の表示が発生しかねないという気がいたします。
後半は意見でございました。以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
前半の御質問としては、消費者が知りたい情報と、その根拠資料を保管している表示責任者の持っている情報が一致しているのかどうかという点について、どう考えるのかという理解でよろしいでしょうか。今のような考え方でよろしいですか。
○宗林委員 自分が手にしたものの根拠資料が欲しいとした場合に販売者にお尋ねすることとなると思いますが、そのときに特定ができるかということです。
○受田部会長 産地、産年、品種についてということですよね。
○宗林委員 いや、産地、品種、産年は同じものが多分あると思いますので、今私がスーパーで手に取っているものについてお尋ねをしたいというときに、販売者にそれ以外に何を決め手として、例えばパッケージを写真で送ってくださいということなのか、どうやって根拠資料を得ることができるかという点でございます。
○受田部会長 消費者の持っているものとの同等性、根拠資料との同等性ですね。
○宗林委員 そうです。
○受田部会長 これに関しては、消費者庁からお答えいただいてよろしいですか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 お答えします。
宗林委員の意見は、監視といった観点とまた違ったものだと理解しています。恐らく消費者がお問合せをする場合というのは、購入した年月日と、大手のスーパーであったら購入した支店と、パッケージに書いてある内容、産地、品種、産年ももちろんそうですけれども、それから精米時期を伝えてもらえれば、恐らく小売のほうで商品を特定して、何らかの根拠資料と照らし合わして返事が来るということだと思います。
○宗林委員 分かりました。では、購入店はと、決め手になるのは、精米時期がいつというもので、この3点セットを書いてある表示のものですけれどもと言えば特定ができるということでしょうか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 そうだと思います。そこはそれぞれのスーパーで店頭に出しているものと根拠資料とどういう管理をされているかというのは分かりかねる部分もあるのですけれども、恐らくそういうことではあると思います。監視はまた別の視点からということはありますけれども、消費者からの問合せということであれば、精米時期も当然一つのポイントとなってくると思います。
○宗林委員 多分、消費者であっても選択の指針、選択の目安ということでありますので、スーパーに聞くのではなくて、この販売者、電話番号が書いてあった販売者のところに電話をしたときの根拠資料を、スーパーが持っているわけではないですよね。表示責任者が持っていらっしゃると思いますので、ここにお尋ねすることになると思いますが、その際に同一性を確認するのは精米時期ということになりますでしょうか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 失礼しました。スーパーに問い合わせると勘違いしてしまっていました。販売者であれば、当然、表示責任者なのでそこはしっかりと管理をされていますので、どこのお店で買ったかというのも重要な情報でしょうし、それから、そのパッケージの内容というのも表示と併せて問合せをしていただければ、表示責任者である販売者のほうで特定ができることになります。
○宗林委員 分かりました。ありがとうございました。
先ほどのところも意見として、任意表示が余りにも幅広くなっていきますと、同じ表示であっても各社によって根拠が違ってくるようなことがあり、それは場合によっては不正とか行き過ぎの表示を招きかねないということで、余り任意表示を情報量が多くなるからといって増やすことには懸念のほうが大きいという意見でございます。
以上です。
○受田部会長 五十嵐課長、お願いします。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 御意見どうもありがとうございました。
任意表示については、一括表示の枠内に入る任意表示ということなので、当然、その裏付けとなる根拠資料の保管というのは努力義務になりますが、表示責任者にかかっていくということになります。食品表示法上、任意表示であっても一括表示に入ってくるものはそういった形で真正性を担保する仕組みとなっておりますので、そこで一定の歯止めがかかる、要するに普通の広告と違うということになります。
○宗林委員 すみません。あと1点だけ、今のところなのですが、私が申し上げているのは、例えば「DNA検査済」、どこの会社もDNAを検査していたとしても、例えば10グラムで検査をしましょう、それで書いていいですよというルールがなければ各社によって、この検査がどのぐらいの量なのか、抜取りはどのぐらいの頻度でやっているのかがばらばらになってくるということをお話ししているのです。根拠が全くないということを指摘しているわけではないのですが、信頼度においては各社の検査ルールによって大分違いが出るかなということを懸念しているという意見でございます。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
表示例2、先ほど表示例3の部分も御指摘がありましたけれども、根拠資料、根拠の具体的な表示に関して、ここに一定の配慮が必要であるということでございました。また参考にさせていただきます。
今、チャット上には下浦委員、松永委員から御記入ございます。二人ともおおむね賛成ですが、更にということでございますので、まず、下浦委員、御意見をよろしくお願いします。その後、松永委員を指名させていただきます。
○下浦委員 ありがとうございます。下浦でございます。
ここに書かせていただきましたように、改正についてはおおむね賛成なのですけれども、先ほど監視体制のところでお話があったかと思います。恐らくそういった必要な書類等々が適切に保管されているということであれば、監視もやりやすくなってくるのかなと思っておりますので、今後の体制の強化も考えていただけたらと思います。
義務表示化につきましては、パブリックコメントの8ページの最後に、私も同様な意見を持っています。改正案ではブレンド米の場合の古米の産年を表示しないことも当然可能になってきますので、その点については、しっかりと表示をしないといけないところについては表示をするという方向で御検討いただけたらと思っております。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
松永委員、よろしくお願いします。
松永委員の声がこちらに入ってきておりませんが、今、ミュートが解除できないという書き込みがございました。そうしたら、ちょっと松永委員は後にさせていただいて、先ほど下浦委員がおっしゃった最後のところが私はよく理解できなかったのですけれども、下浦委員、すみません。監視体制の強化と、それと義務表示化の点を少し補足していただけますか。恐れ入ります。
○下浦委員 パブリックコメントの8ページ目に記載されているように古米とかくず米が中に混ぜられてしまいますと、なかなかそれは我々消費者として判断できない部分であろうかと思います。そういった意味で、今後の課題と記載されているように、複数原料米の中でしかるべき表示をしないといけないところについては、今後の検討の中にしっかりと議論していただければ有り難いと思っています。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
ここの部分については、この時点でもう一度、消費者庁からコメントを頂けますでしょうか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 下浦委員がおっしゃっているとおり、今回の改正と直接関わる事項ではありませんが、今後の課題とさせていただきたいと思います。御意見ありがとうございました。
○受田部会長 改正とはつながらないというところで、今後の課題ということでございます。
松永委員、いかがでしょうか。まだ機器トラブルみたいですね。
あと入力中の方がお二人いるとなっておりますけれども、松永委員は今、一旦退室されているということで、チャット上では改正案におおむね賛成であるということで、それを受けてコメントをということでした。
菅委員、ありがとうございます。取りあえず全体についてということで、今、賛成の委員の皆様もいらっしゃるのではないかということで、その声を少し具体的に伺った上で、例えば賛成だとして、その前提の部分をしっかりと御意見として理解しておくという考え方もあるのではないかということで御意見を頂いているところです。
その点で、戸谷委員、改正の必要性を理解し、それに伴い意見がありますということで、まさに今、私が伺おうとしている内容でございますので、先に戸谷委員を指名させていただきます。
○戸谷委員 戸谷です。
今回の改正については、いろいろな御意見があろうかと思いますけれども、基本的には改正の方向については理解いたします。
ただ、一つ気になるのは、表示の確認方法については任意だということでありますけれども、「農産物検査証明による」という表示がされるケースは結構多いのではないかと感じます。そうすると、実際のスーパー等の現場では、農産物検査証明と記載されているものと、何も記載されていないか、あるいは自社確認によるという記載がされているものなど、いろいろなものがある状態になるのではないかと思います。
一方で、消費者の方々は、農産物検査証明という意味はほとんど御存じないのではないかと思います。検査証明というと非常に信頼性が高く受け取られるわけですね。今までの御説明のように、確認する内容は同じだということでありますけれども、この検査証明という用語自体は非常に信頼性が高く取られるのではないかと思いますので、そこは消費者が、ある意味、優良誤認をしないように、農産物検査証明と自社確認の場合が同等であるということを十分に消費者に情報提供するというのが非常に重要なことではないかと思います。また、改正時期の話は後ほどあるのかもしれませんが、予定とおりの改正ということになると、もうほとんど時間がないのですね。来年産のお米からということになりますので、そういう意味でも、情報発信の仕方とかタイミングは、いろいろ御検討いただく必要があるのではないかなと思います。
取りあえず以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
基本的に賛成の御意見を頂いた上で、考慮しなければいけない部分、戸谷委員からは何度か御発言いただいた、消費者の優良誤認を防ぐしっかりした農産物検査の理解というところが肝になるということかと思います。ありがとうございました。
この間に松永委員が復帰されていますので、まず、松永委員に御発言いただいて、あと、青木委員は音声が届かないということでチャットに御入力いただいていますので、ここを拝見したいと思います。松永委員、よろしくお願いします。
○松永委員 松永です。聞こえておりますでしょうか。申し訳ありませんでした。ちょっと機器トラブルで御迷惑をお掛けしました。
意見を述べさせていただきます。
改正案自体にはほぼ納得しまして、理解しまして、賛成いたします。今まで余り出ていなかった情報ですけれども、私が思うに、この間、米作りとか米の流通というのは、多分この10年ぐらいだと思うのですけれども、ものすごく大きく変わっていると認識しています。それで、いろいろな記録をコンピューターできちんとやっていくという生産者、それから当然流通、小売の方たちもそうですし、生産者段階では、農産物検査を受けるまでもなく、機械で選別して米を1等米のグレードにしてしまうみたいなことが普通に行われています。そういう方たち、どの生産者もそうですけれども、きちんとしたお米を実際に提供するという体制がかなり整ってきている。
それに対して、農産物検査というのは随分昔から行われているので、新しい米作りとか、新しい生産管理みたいなところとなかなか合致していないところがあるように思うのです。ですので、そこを現在の米作り、流通というところに合致させる意味でも、やはり今回のような改正案で農産物検査を受けずとも、同じことをしていれば、きちんと同じように表示できるという制度を作るのはとても重要なこと。生産者にとって同等の権利を確保するという意味で重要ですし、それから、消費者の選択の幅を広くしていく、選択に係る情報を提供していくという意味で、これは非常に重要な改正案であると思っております。
なので、ほぼおおむね賛成しています。ただ、資料1-2で出されている表示例は、先ほど菅委員もおっしゃっておられましたけれども、ちょっと引っ掛かるところがいろいろありまして、もう少し精査していただければなと思います。
さらに、思うのは、今、農産物検査で第三者認証が行われていますけれども、この制度ができた暁には、恐らく農産物検査以外の第三者認証のパターンが出てきて、資料1-3の図がありますけれども、ここの一番下の生産者が自ら表示責任者となって売るというところでも、恐らく何らかの形で、第三者認証を求めて、第三者に認めてもらって生産者から直接消費者に売るというような形態も恐らく出てくるのではないかと思うのです。今後、いろいろなことが考えられますので、それに対応するような表示例をきちんと出してあげて、その上で、生産者も、それから消費者もきちんとそれを参考にしながら判断できるような仕組みにしていただけたらいいなと。
監視も、先ほど申し上げたとおり、コンピューターも使ったいろいろなタイプの記録の仕方もありますし、情報伝達の仕方もありますので、それに対応したものにしていただけたらいいかなと思っています。
私がちょっと気になっているのは、普及啓発の問題なのです。普及啓発、周知、恐らくここがポイントであろうと思います。農産物検査を受けていても受けていなくても、消費者にとっての品質は関係ないのだと私は思っているのですが、どうしてもそういうふうに受け取られがちになってしまう。そうではないということは、これまで再三再四、御説明いただいていますので、やはりそこで優良誤認を招かないような情報提供をこれから消費者庁にはしていっていただきたいし、消費者も、農作物検査とかそれ以外の表示はこういうことで成り立っているのだということが分かるような、理解を進めていくような取組をしていかないと、変なふうに独り歩きしてしまうことになるので、普及啓発、周知を、正しい情報をいかにして農業者、関係者、消費者に伝えていくかという、そこが今回の制度改正の一つの大きなポイントかなと思っています。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
おおむね賛成であるけれどもというところで、具体的に更に充実させなければいけないところ、あるいは資料1-2の例については、先ほどから何人かの委員に御指摘を頂いているように、この具体例では若干引っ掛かるところがあるという御発言。それと、やはりこの制度の改正の目的や、消費者にとってのメリットを最大化するという意味では、この農産物検査にこれまでの表示というのが支えられてきて、この改正がなぜ行われ、消費者にとってどういう意味があるのかというところを、優良誤認を防ぎながら、しっかりと周知啓発をして理解してもらうことの重要性について改めて御発言いただきました。ありがとうございました。
この間に青木委員からコメントを頂いています。これについては事務局で代読をしていただくということですので、よろしくお願いします。
○太田参事官 事務局です。代読させていただきます。
「賛成、反対はなしにして、全体への意見をよろしいでしょうか。音声出ないのでチャットにて失礼いたします。今回の変更は、未検査米でも品種、年産を表示可能とするもので、未検査米のものは従来どおり、品種、年産を表示しないということも可能であると理解しています。消費者からすると、これまで未表示だった部分の情報が開示される点においては、選択するメリットがあろうかと思いますが、一方で、全体を考えると、表示のパターン(種類)が増えることになり、逆に理解がしづらくなる状況も考えられる。また、米については過去、偽装も多く、実質的には確認している内容は同じと言いつつ第三者による確認だったものが、事業者自身による確認で表示がなされる(規制緩和に見える)ことについては、消費者には大きな違いがある。理解が得られるかは小売事業者として疑問。また、生産者によるコスト削減(検査を実施しない)という話が何度も出てきているが、コスト削減が取引価格(最終的には小売の末端価格)に反映されることは現実的には起こらないと想像する。そうすると、消費者にとってメリットのある変更とは考えづらい。小売事業者(表示責任ではない者)にとっては、従来の第三者確認(農産物検査)によらなくてもよいものが出てくると、小売事業者としても、仕入れる米の取引先事業が適切な管理をしているのか確認をしなくてはならないこともある。そうすると取引先の監査をする(受ける)という従来にはなかった別の負担が発生することも理解しなければいけない。そこまで負担を負えなければ、結局は農産物検査米による表示を求めざるを得なくなると考える。」
以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございました。
青木委員のコメントを今、事務局より代読していただきました。この意見については消費者庁からコメントを頂いて、このコメントを一つ区切りにして、少し小括を入れながら個別の課題へと議論を移してまいりたいと思います。消費者庁から今の青木委員に対するコメントを頂けますか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 複数いろいろな御意見を頂いたので、総括的にお答えをします。繰り返しになってしまうかもしれませんが、農産物検査の第三者確認という部分について、これは先ほど御説明したとおり、今後、資料自体は農産物検査で確認されるものと同じものを、農産物検査を受検しない米についても使っていく。それから、その資料自体は、そもそも農産物検査で第三者の目が入る以前に、種子購入記録であれば、税務書類の関係で必ずお持ちである客観的な伝票であるし、営農計画書であれば、補助金の関係で営農組合がチェックされている資料ということなので、農産物検査を通らなくても第三者性が十分あると考えています。さらに、先ほど農水省のほうからも御説明がありましたが、農産物検査においても、その持ち込まれた米と持ってきた資料との関係性については、なかなか目視で品種が判定できなくなっている現状において、そこまでは確認ができていないということなので、実質、今の農産物検査を受けているものとそうではないものということで、書類の関係からすれば、偽装がより増えるとかそういうことはなくて、そこは変わらないのかなと思っております。
それから、小売で負担が増えるということは、確かに、そういう部分もあります。逆に言うと農産物検査米だと今までどおりで楽なので、そのまま農産物検査を受けた米を取り扱っていただいてももちろん構いませんし、そうではなくて小売として新たな道を開拓するということで、農産物検査を通らなくて、先ほど松永委員からもありましたが、それぞれ生産者の御努力で、機械で選別して1等米と同等のものを作っていたり、更に食味試験までやっているような米を、差別化するためにそういうものを扱いたいという小売さんがいれば、当然農産物検査米でない新しいものを扱っていくし、そこは商売上の判断だと思います。負担が増えてまでそれを扱いたいということであれば負担は増えますし、その道を取りたくないのであれば、農産物検査米を今までとおり仕入れられれば負担は増えないということです。あくまでも我々が議論しているのは食品表示上のお話ということなので、誰が、コストを更に負担して農産物検査米ではないもの扱っていくかというのは、民間ベースで判断されていくお話ではないかなと思っております。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
更に全体についての発言を菅委員、今村委員からチャットに御記入いただいているので、菅委員、今村委員の順番でお願いいたします。
○菅委員 ありがとうございます。
個別の話はまた後ほどするとして、全体ということですので、やはり主食たる米の生産・流通の過程においては、言うまでもなく表示の信頼確保というのは必須だと思いますし、非常に重要であると思います。生産者・消費者双方にとって、その3点表示、ブランドを示す表示というものに対する信頼性確保、生産者にとっての差別化、消費者にとっての合理的選択の機会の確保というのは、いずれも重要ではないかと思います。
米トレサ法導入のきっかけになったような事件が起きたことなどからしましても、必ずしも誠実でない事業者が今後介在する可能性がないとは言えないことを前提として考えますと、また、流通には多くの事業者が関わるでしょうから、今までの制度と全く同一の信頼を置けるのかどうかということについての信頼性確保が非常に重要であろうと思います。ですので、全体ということで申しますと、今回、未検査米に3点表示を認めていく改正をする方向については、特に異論を述べるものではないですけれども、やはり表示根拠の確認といったところは、きちんとなされるべきではないかなと思います。
とりあえず以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
今村委員、お願いします。
○今村委員 全体としての意見を申し上げたいと思います。
まず、私は反対かのように皆さん思われているかもしれませんけれども、反対ではありません。ただ、では賛成ですかと言われたら、そうでもありません。何でかというと、もともと根本的な部分で、こういう規格基準全体の問題を、最後の表示だけここで切り離して議論していることに無理があると思います。
今回、規制緩和を受けて、規格基準を緩和するという話だと思うのです。もともと規格基準というのは何のためにあるかというと、最低限保障のためなのです。それに対して規制緩和というのは、上に伸ばしていくために規制を外していくので、上には伸びるのですけれども、下にも広がるのですね。ですから、特に下に広がる問題点を、規格全体の議論をするのではなくて、規格は決めておいて、表示の部分だけを最後に残すと、そこで難しい問題は全部何とかしてくださいという話になっていくのです。
そうすると、全体の中でデメリットを議論するのだったら、まだ規格基準への影響というか反映ができるのですけれども、表示だけで解決しようとすると、どうしても無理が出てきます。これは今までの食品表示の議論もそうなのですけれども、無理難題を表示だけで解決していこうという節があって、どんどん表示が信用の置けないものになっていくのではないかというのは、私が最も心配するところです。
監視にこだわっているのも、最終的に表示の品質を維持できるのは監視だけなので、監視ができる範囲ならば喜んで賛成するのですけれども、既にその監視ができる範囲を超えているものがたくさんあって、どんどんそれが乗っていくということに対して、非常に不安を感じています。
ですから、これ単独に対してとやかく言うというよりは、表示の議論だけを切り離して、デメリットを表示だけで解決してくださいという全体の流れに私は非常に違和感を覚えますし、それに対しての意見を申し上げているのが、私の意見としての根底にあるというふうに理解していただければということであります。あくまで意見ということでお願いします。
○受田部会長 ありがとうございました。極めて重要な御意見を頂いていると思います。
今、それぞれ全員というわけではございませんけれども、頂いている意見として、まず、おおむね賛成の意見も声としては複数の委員から頂きました。ただ、おおむね賛成の委員からも条件というか、当然担保しなければいけない部分が一つあるいは複数あるというところでお話しいただき、更には賛成、反対という明確なスタンスではなく、前提条件についてもお話しいただいております。
五十嵐課長から御発言があるということで、よろしくお願いします。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 今、今村委員から頂いた御意見についてですが、委員がおっしゃるとおり、規格基準と切り離して表示を議論するのはよろしくないというのは私も本当にそのとおりだと思います。ただ、今回の農産物検査法の規格というのは、実は安全性の話でも、また産地、品種、産年の規格でもなくて、ただ単に玄米を精米にする際の歩留りの規格についての議論、それから、歩留りを判断するに当たっての検査の方法が果たしていいかどうかという御議論を、規制改革事務局から指摘されて、今、農水省のほうでやっているということでございます。今回、我々の議論している産地、品種、産年というのは、たまたま農産物検査の等級をつける際に、産地、品種、産年も併せて確認をしていたので、その部分を使っているということです。通常のお話であれば当然規格基準があって、それを踏まえて表示はどうかと、まさにこの前のゲノムの話とかもそうですが、安全性について、厚労省が判断して、その後、表示をどうするかという話ですけれども、今回の農産物検査の等級、いわゆる規格に関しては、歩留りの話なので、通常の規格の話と違うかなということです。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。今、補足もしていただきました。
それで、もう4時半になろうとしておりますけれども、もう一遍、ちょっとだけ小括をさせていただくと、これまで2回、そして今日、本格的に議論を進めているところでございますけれども、まずは資料3にサマライズしていただいたように、類型化していくとこの四つプラス実施面における経過措置の観点を加えれば、その五つがポイントになってくるのかなというところ。ここは今日頂いた意見もその中に分類されていくのではないかと私自身は受け止めております。そして、多くの意見を伺いますと、基本的にこの改正に対して前向きだけれども、この類型化されている内容について、更にしっかりとした議論と対応を求めていくという御意見を幾つも頂いております。
そういうところが中心で、また、賛成、反対、どちらでもないけれどもというところは恐らくこういった類型化されている課題をよりいいものに具体化していくことによって、例えば賛成のほう、改正について前向きになるということもあり得るのではないかと拝察を申し上げます。
というところで、ここから時間的には今日、5時まで確保させていただいているかと思いますが、残りの時間でこの四つ。経過措置に関しては今日はもうペンディングにさせていただくとして、この四つについてもう少し掘り下げていきたいと思います。四つの中で、これは順不同になるのですけれども、一番最後の普及啓発、周知については、これまでも、例えば戸谷委員、更に松永委員から御意見を頂いているところかと思います。さらには、以前にも澤木委員からその重要性について触れていただいたと記憶しております。恐らく多くの皆様がここに関する重要性については御意見をお持ちかと思います。今日、これでどのような情報発信をしていただくかということについては御提案を頂くことになっていないので、これについては更にこの改正に対するかなり重要な前提だということもあるので、また次回に具体的にどういうお考えがあるかは更に伺うということで、ここの部分、しっかりと受け止めさせていただくということで整理をさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
もし構わないようであれば、それ以外の特に今日の前段で議論がございました根拠資料、また、その根拠資料の具体的な内容について消費者庁からも御説明、補足をしていただきましたけれども、この根拠資料の部分、それから監視の部分、この辺りが非常にポイントになっておりますので、上のほうから更に議論を深めていき、どうあれば信頼性を確保する上で対応が十分であると認識するのか。また、事業者サイドから見たときの実行可能性の問題、消費者庁側から見たときの必要とされる情報へのアクセスとか、この辺りについて少し議論を深めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、まず一つ目の表示事項の根拠資料に関してでございます。先ほど事務局からも読み上げていただきましたが、必要な根拠資料を具体的に示す必要性に関しては、今日、消費者庁から補足をしていただきました。まだこの内容について更に重ねて、あるいは加えて何か求められるのかどうか、あるいは消費者のアクセスの問題、問合せの問題に関しての確認方法、あるいは速やかにといったような点について、更に考慮すべき点があるかどうか。この辺りから個別の御意見を頂きたいと思います。
渡邊委員、入力ということで、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
今の1点目と2点目のところの内容なのですけれども、1点目は、要するに表示事項の根拠資料をこの間の話ではもう消費者庁のほうで通知で示すことになっていたと思うのですけれども、この1点目は議論としては根拠資料をもうちょっと、他の根拠資料もあるかとかそんな話になるのでしょうか。
○受田部会長 非常にシンプルに言えば、今日御説明いただいた、具体的に言うと資料1-1で、これに基づいてこれまで部会で議論された根拠資料の具体的な例としてお認めいただけるかどうかということになると思います。
○渡邊委員 了解です。
1点目は、もう理解としては、根拠資料は通知で示していただけるというふうにこの間確認できていて、今回御説明いただいたので、その根拠資料が曖昧なのは非常によくないので、こういう根拠資料を準備すべきですというのは示すべきだと思っています。
2点目の確認したかったのは、任意表示か義務表示かというときに、先ほど五十嵐課長のほうから、この任意表示にしても、一括表示の枠内に書く任意表示だというふうに御説明があったと思うのですけれども、この任意表示というのはあくまでも一括表示内に書く文言としての任意表示という理解でしょうか。
理解していたのは、全く関係なく、いわゆる宣伝文句のような形で書く任意表示だというふうにも理解したのですけれども、もし一括表示内に書く任意表示であれば、何回か出ていますけれども、具体的表示例の中の表示というのはちょっと、余りに任意表示にという感じがするので、おかしいのではないかなという気がするのです。一括表示内に書く任意表示ということであれば、この表示は書いても書かなくてもいいですけれども、書くのだったらこういう条件で書いてくださいというような形になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○受田部会長 ありがとうございます。
今、後半のほうに渡邊委員からコメントを頂いた点については、この後、更に御意見を頂きたいと思っておりますので、そこの部分で今の御指摘、御質問については取り扱わせていただきたいと思います。
○渡邊委員 了解です。
○受田部会長 前段のほうは、今日お示しいただいた資料1-1が産地、品種、産年の表示の根拠資料として、こういう形を具体的にお示しいただき、資料1-2については2項目目の表示確認方法の表示に、今、渡邊委員から御指摘いただいたとおり関わってまいりますので、ちょっとスキップさせていただいて、1項目目の根拠資料の部分は資料1-3のところですね。伝達のイメージ、米の流通と根拠資料の伝達、ここの部分も含めてというところで今日の説明でこれまでの御質問や御意見を反映していることになるのかどうかという点で、お伺いをしているところでございます。
これを論点1というふうに表示事項の根拠資料について言わせていただくと、この論点1についての質問が、今村委員、菅委員、お二人から出ておりますので、順番に御指名をさせていただきます。今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。
まず、今回の根拠資料の整理、少なくとも以前の曖昧な状況よりはこれだけ明確にしてもらえたのでかなり進んでいると思います。私からは質問として2点あって、実際に精米を最終的に袋詰めする人は、いろいろなお米を混ぜると思うのです。混ぜて最終製品を作ると思うのですけれども、その混ぜ方も、いろいろ生産者からのものを混ぜることになるので、結局、一つの袋にたくさんの書類が後ろに付いてくると思うので、確認書類としてこれが要るというのは分かるのですけれども、その混ぜた場合にはこれをどうやってひも付けることを証拠書類として求めていくのかというのが一つです。
それと、先ほどの最終表示責任者の話なのですけれども、結局、最終表示責任者は中間の取扱いの人も含めていろいろなステップで最終的な表示をする人がいるように思うのですが、その段階ごとにある程度、どんな書類をどんなふうに残していくのかということを言ってあげないと、さすがに全部米販責任者というふうにくくってしまったら、その書類の保管というか準備はしんどいと思うのですけれども、そこら辺のところをもう少し精緻化していく予定はあるかという、その2点です。
○受田部会長 ありがとうございます。
これについては御質問、ここでお答えいただいたほうがいいと思いますので、消費者庁からでよろしいですか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。
今村委員の1点目に関してですが、これについても当然、どういうものをどうやって混ぜたかということは、それに係る資料が必要になる。要は、どういう原料米穀を使って最終的に製品にしたかというのが分かる資料ということです。具体的には、これは当然、商品管理のために先ほどちょっとお示しした4ページのとう精台帳などを使って管理していますというのが1点。後ほど、必要があればまた監視担当の木村室長から補足をしたいと思います。
それから、2点目の最終表示責任者、製品の表示をする人が責任を負うのですが、そこに行き着くまでに途中でいろいろな事業者が入るのですけれども、その事業者も、受け取ったときに、その前の段階の資料が全部、規格書、納品書、送り状、全てですけれども、付いてこないといけない。通知の書き方はもう少し分かりやすい形に今後検討していきたいと思っておりますが、最終的に、それができなかったらそもそも表示ができないということになりますので、その点御理解いただければと思います。
○受田部会長 よろしいでしょうか。
○今村委員 もう少し詳しく、是非分けてほしいと思っています。お米の生産者、実際にこれは精米に至るまでの流通経路を考えると、最初は生産者が10人から50人という単位で一遍集まると思うのです。それにどこの種かとかいうことが付いてきて、それがまた次の卸に行くと、そういうグループが三つ、四つ混ざって出ていくと思う。最終的にパッケージするところは、そういうグループがまた10箇所からもらってというような形になると思うので、ねずみ算式に基の資料が増えていくのです。ですから、全部資料として置いておくというのは難しくて、経路ごとに置いていくしか多分最終的にはなくなると思うのですけれども、それをどんなふうに、どれとどれを混ぜたからこれになったというのを、台帳だけ見ても、結局どの事業者にそれが行ったかということが中間事業者に分からなかったら、最終事業者のほうでは分からないと思うのです。
ですから、ステップ・バイ・ステップでそれをやっていかないと、たくさんの生産者のものを混ぜて最終的な製品になるので、そこの経路をもうちょっと明確に根拠書類として残せるように工夫してもらいたいと思います。これは要望で、是非やってほしいと思っていますということでお願いします。
○受田部会長 分かりました。
多分、それを受けてということになると思いますが、木村室長、お願いします。
○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 御意見等ありがとうございます。
若干、他の委員の皆様もいらっしゃるので、米の流通と精米までの流れというものをかいつまんでお話ししたいと思っております。
まず、原料玄米を仕入れた段階で、例えば10人の生産者の方々から100袋を買ったということであれば、それぞれの生産者の方々の生産に関する情報。伝票上では仕入伝票なり送り状、それから納品書等の中でそれは一括に記載されます。ただ、それぞれの生産者の情報というものは、基本的には米袋にも書いてありますし、生産情報ということで付いてまいりますので、その時点で結び付きはできていると考えております。
続いて、一般的な米穀事業者であれば、それを保管する際に、入出庫伝票等を作られて、保管台帳が作られる。そこで一定のロット単位での把握ができると考えております。
その上で、今度は精米にする際には原料玄米としてのタンク、こちらのほうに張り込みをしますので、その際に倉庫から出荷しましたよという、そのラインとしての伝票等が発行されて、タンクへの入出庫台帳が作られる。この過程が繰り返されて、基本的にはどの時点で張り込んだ、どの玄米が精米になったということが、先ほど言った精米台帳等で整理される。
その後、精米されたものについて、いつの時点で、どのように袋詰精米に最終加工されたということも、これは付いてまいりますので、その一連の過程の中で把握はできるのだろうと考えております。ただ、今村委員がおっしゃったとおりで、少量の生産しかしない生産者の方々の米穀が集まった場合、これは確かに資料は増えますけれども、まとまってくる中で、それらの個別の識別は可能ということで私のほうは考えておりますので、それをきちんと管理していただくということ。逆に農産物検査の証明書のない、米穀を取り扱って3点セットをしていきたいというような事業者の方々であれば、その御努力はしっかりとしていただく。これをしていなければ、私どもはそれは表示違反ということで取締りをさせていただくと、そのように考えております。若干補足させていただきました。
○受田部会長 ありがとうございました。
その点は根拠資料と同時に監視のところにも及んでいくお話だったかと思います。
菅委員、論点1についての一言意見ということ、よろしくお願いします。
○菅委員 すみません。ありがとうございます。
これは将来的な課題かもしれませんけれども、表示根拠資料が検査米、未検査米それぞれの3点表示の信頼性という面での同等性の確保にとって極めて重要だということに鑑みますと、将来的にであっても、やはり米トレサ法の中に産地以外の情報も確実に伝達していく仕組みを作るという意味で、何がしか一定の位置付けをしていくということも検討していっていただいたほうがいいのではないかと感じます。もちろん米トレサ法が想定している取引が消費者向けに販売されるものに限定されない等の問題はあるかもしれませんけれども、限定された流通経路を念頭に規定することがおよそできないというものでもないようにも思うので、ルールに落とし込めるものがあれば、是非落とし込むことも今後検討していっていただいたらどうかと思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
今の点はどうでしょう。農水省からコメントを頂いてよろしいですか。
○農林水産省上原米麦流通加工対策室長 前回のこの部会の中でも現行の制度について申し上げましたが、御意見のあったことについては、省内担当部局にも伝えてまいりますけれども、将来的なお話ということでございましたが、まずは現在の食品表示部会の御議論の中で根拠資料などを御議論いただいているということでございますので、そういうところでしっかり表示の信頼性などを御検討いただいていると考えております。
○受田部会長 ありがとうございます。
それから、戸谷委員から、玄米の輸送、最近フレコンを使用する場合が多いということで、その場合の根拠資料の伝達はどんな形になるかという御質問を頂いていますので、これに関しては消費者庁からお答えいただけますか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 フレコンに関しても、ここの通知に書いてあるような資料を必要とするということでございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
ここは逆に言うと、農検を受検する今の方法論でいったときに、一つあい路になっている部分もあったのではないかと思いますけれども、フレコンを使って簡便に輸送していくというようなことを考えていくと、今回の改正のメリットともつながっていく話ではないかと思いますが、戸谷委員、よろしいでしょうか。
○戸谷委員 戸谷です。
了解しました。実際のフレコンの流通が増えてはきている状況なので、念のための確認で御質問させていただきましたけれども、そういう実態に合わせた根拠資料の伝達というのがスムーズにいけばよろしいかと思っております。ありがとうございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
論点1に関して、今、いろいろな御意見を頂き、これは前回、前々回もずっとより具体化しというようなところを受けて、かなり根拠資料の明確化という部分で消費者庁のほうに御対応いただいて、一定、今村委員からもそれに対する対応が進んでいるというコメントも頂きました。また、今後は米トレサの中に産地以外の3点表示の要素をうまく盛り込んでいくことによって、実際にこの改正自体がそことつながっていくということも、将来的にということで御意見を頂いたところでございます。
いかがでしょうか。表示事項の根拠資料については、一定、委員の皆様から一通り御意見を頂き、対応について今、コメントを頂いたところ、更に詳細にという多様な事業者の実態に対応する要望もございましたけれども、先ほどの木村室長からのコメントも受けて、一定、意見が伝わったということでよろしゅうございますでしょうか。
もし構わないようでしたら、次の論点2、ここがポイントになると思うのですけれども、表示確認方法について、これまで義務表示にするのか、任意表示のままでいいのかという、いろいろ御意見を頂いています。また、先ほど渡邊委員からも一括表示の中に書くのか、そうでないのかという部分で、ちょっとここはまだ理解としても十分に進んでいない部分もあるように感じているところです。この表示確認方法について、論点2について菅委員から発言をということで、よろしくお願いします。
○菅委員 すみません。ありがとうございます。
現時点で、タイムリーに第三者チェックを受けた検査米と、そうではなく流通してきた未検査米とでは、仮に農産物検査そのものに限界等があるのだとしましても、検査の時期や第三者性、先ほどの今村委員のお話や、逆に事後的な監視の限界といったような点からしましても、3点表示の真正性、信頼性という面において、単純に同等評価をすべきものとまでは消費者の中でなかなかコンセンサスが得られないのではないかとも思います。事業者のお立場からも、様々な懸念が示されているところかなと思います。
また、同等性確保とそれに対する信頼に資するようにということで、先ほど申し上げた米トレサ法の中に位置付けというようなこともまだ検討はされていないようです。パブリックコメント募集の結果からしましても、少なくない消費者が合理的選択のために、表示確認方法の表示を求めるのではないか。ヒアリングの結果からも、事業者に特段の困難を強いるものでもないというお答えだったと思われますので、義務表示とするということも考えなくてよいのだろうかと思います。
もし義務表示とすれば、それに伴って幾つかの点に影響があると思うのですけれども、私としては義務表示とすることも考えなければいけないのではないかと思っています。
以前に述べましたけれども、監視との関係でも、農産物検査を受けたのか、自主的な確認なのかは表示からすぐ最初に分かったほうが簡便であるようにも思いますし、消費者庁の御説明もありましたが、やはり表示確認方法の記載が消費者の自主的・合理的な選択機会の確保に資するとお考えであるとは思いますし、規制改革の方向としても、今回、「任意表示とすること」が必須であるとまで決定されているのかという点については、なお疑問に思うところです。
結論として、私としては、単なる「任意表示でよい」とだけするのでは、混乱や表示への信頼低下を招くおそれがあって不十分であるという声に十分耳を傾ける必要があるのではないかと考えるところです。
仮に義務的表示とまではできないとした場合についてでも、これに準じた推奨表示などの方法で、実質的には広く表示を求めていくことが必要ではないかというふうに考えています。
取りあえず以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
今の菅委員からのコメントについては、これまでの部会でも御発言を頂いております。また、今、コメントを頂いたとおりで、同等性、真正性、そういうことをしっかりと求めていくパブコメでの意見や消費者の声もあるというところを受けて、その表示確認方法を任意とするにしても、これを単に任意にするということについては、一定の何らかの方法が求められる。考え方も含めて求められるのではないかというお話がございました。御発言中では推奨という言葉もお聞きしております。
渡邊委員、確認したいことがあるということでコメントを頂けますか。
○渡邊委員 すみません。論点2の部分がよく分からないのですけれども、ここは農産物検査を受けたか受けないかを義務表示にするか、任意表示にするかということですか。今までの議論からすると、要するにいろいろな表示方法が例として出されていたので、ああいうことも含めて出すということであれば、私はもう義務表示にすべきではないと思っています。これについては、あくまでも農産物検査を受けたということを言いたい人は言ったらいいのではないかなと思っています。
以上です。
○受田部会長 冒頭の御質問に関してはそのとおりで、例えば農産物検査を受けたということを義務で表示すべきで、そのことをもって消費者サイドから見れば知りたい権利が満たされる。自主的かつ合理的選択の機会の確保になるのだという考え方が今、意見として出ていると。一方で、任意ということになったときには、それを表示すること、あるいは表示しないこと、これは生産者サイドからの意思ということになりまして、それを農検によって証明しているといいますか、根拠にしているということであれば、当然事業者サイドからそれを希望するのであれば任意で表示していただければいいということかと思います。
菅委員、整理の仕方で確認ということで、お願いします。
○菅委員 まさに今の整理の仕方ですけれども、義務表示にすべきと言う意見の意味合いとしては、農産物検査であれ、自主的な確認であれ、何を表示根拠にしているのかということを表明せよということを求めるのが義務表示にしてはどうかという意見ではないかと。もちろん書き方として農産物検査を受けているものはもともと書かなくてもよいことにするとか、その逆にするとか、そういう決め方もあると思うのですけれども、要は表示根拠の確認方法が分かるようにしたほうがよいのではないかと、区別ができるようにしたほうがよいのではないかという意見だと理解しています。
○受田部会長 なるほど。そういうふうに理解するということですね。ですから、要は根拠を書きなさいということですね。農産物検査を受検したのであればそう書いて、それ以外のものも書いてほしい、書くべきというのが義務表示ということ。
あと、さっき菅委員がおっしゃったように、単に任意にすることが規制改革で求められている必須の要件かという話もありましたので、ここも確認をしないといけないのですが、渡邊委員、意見をお願いします。
○渡邊委員 ちょっと論点が分からないのでもう一回確認なのですが、ここのところは今までの具体的な表示例だとかなり緩いいろいろな表示が出てきていたので、当然、僕は任意表示だと思っていたのですが、義務表示にするということは、例えば根拠を全て書いていくということをここで議論することになるわけでしょうか。
○受田部会長 ありがとうございます。
要は、今はここの表示の根拠をどういうふうに確認するか、したか、その表示については任意の前提で言っておりまして、それが改正の趣旨ということで今、我々は受け止めています。ただ、菅委員がおっしゃったように、様々な背景から根拠に関しては何に基づいているかということは必ず表示すべきだというところで、そのことを義務表示にすべきではないかと、それに対する対案を頂いているということになります。したがって、表示の文言であったり、その書き方を含めてどこまでが根拠になるかという点については、まだ全く整理されていません。
したがって、任意でいいという先ほどの渡邊委員の御発言がございましたように、もし任意で今諮問されている中身でそのままこの部会において了承するということであれば、今のような点は別に細部にわたって議論する必要はないということかと思います。
○渡邊委員 大分分かってきたのですけれども、ここを義務表示にするというふうにしてしまうと、先ほどいろいろ出てきた根拠資料というのがすごくたくさんあった。それを、例えば自分はこの資料に基づいてというようなことを全て義務で書くのは実質上不可能ではないかなと思います。例えば農産物検査を受けたか、受けないかぐらいだったら義務にできると思いますけれども、それ以外の全ての資料について義務にするということは、実質無理ではないかと思っています。私としては任意にすべきだと思うし、あと、一括表示内に書く任意というのがもう一つよく分からなかったので、任意にするのであれば、これは枠外でいいのではないかなと思っています。
○受田部会長 ありがとうございます。
菅委員、そういう意味で、どういう表示のバリエーションがあるかということを御質問ということですね。
○菅委員 そうです。ですので、義務表示にするというと、今、渡邊委員が御指摘になったように、どんなものが表示されるかで、全ての根拠を全部明らかにするという書き方だと、やはりそう簡単に書けないねということになるのだと思います。そういう意味で、農産物検査のルートを通ったのか、通っていないのかを区別するような表示の在り方として、そちらが望ましいことだということにもしなったときに、実際のところどういう書き方ができるのかというのは、もちろん部会長が今おっしゃったように議論が十分されていないところだと思います。
ですので、やはり任意表示のバリエーションを見る中で、これは任意表示でいいのかとかいう話であったり、あるいは義務表示とすることは難しいのかといった、そういう議論はあり得ると思うのですが、問題意識として、義務表示ということを求めておられる方は、農産物検査を受けているのか、受けていないのかが少なくとも表示から分かるように、そうでないのはそうでないのだと、こういう方法で証明しているのだということがわかるように、その書き方は難しいかもしれませんけれども、そういったことを問題にしているということです。もちろん反対の意見があるのは理解しています。
○受田部会長 ありがとうございます。よく分かりました。
今の議論を受けてということと、すみません、5時を少し過ぎましたけれども、この諮問に関する答申を考える上で極めて重要なところで、もう少しだけお時間を頂きたいと思います。御容赦ください。
ここまでのところ、いろいろな意見が出ていますけれども、これについて消費者庁側からコメントを頂けませんか。特に改正に関する諮問の内容が、任意の部分というところが必須なのかどうか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 簡潔に消費者庁からお答えをします。
まず、閣議決定との関係では、未検査米と検査米との間で差をつけないこと、また、新たな規制につながることから、農産物検査を受検しない場合について、その旨の表示を義務付けることはしないとされていますので、逆にその方法を書かせることによって、農産物検査を受検しないことは明らかになるということなので、閣議決定との関係でここは難しいところです。
それから、事業者から反対の意見が出ていなかったというお話なのですが、前回のヒアリングで千田みずほさん、全米販さんに意見を聞きましたが、確かに千田みずほさんのほうは問題ありませんということでしたが、我々の認識だと、全米販さんのほうは、農産物検査証明によるということは表示せずに、義務化せずにそのままがよいということをおっしゃっていて、具体的に表示根拠の確認方法の表示が義務化されると、米袋を全て切り替える必要があって、改廃費用も1社当たり数百万掛かるから、それは反対ですという意見があったと認識しています。
また、義務表示、任意表示の話なのですけれども、この件に関しては、繰り返しになって恐縮なのですが、今回の改正では、食品表示の産地、品種、産年の表示が正しいかどうか担保するのは、あくまでも根拠資料の保管を要件としたいと思っております。そうすると、農産物検査の受検をしたかどうかということについて、差がないものについて表示を義務付けることはなかなか難しいと思っています。また、さらに、義務表示というのは裏腹として、ちゃんと表示しなかったら罰則ということになりますが、確認方法については違反した場合に罰則をかけるほどのものではないかなと思っているところです。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
というところで、閣議決定の内容、要は諮問されている趣旨に関して見ると、今のような未検査米と受検米との間の差別化をしないという点においては、ここを義務化、その根拠を表示するというところでの義務を課してしまうと矛盾があるといいますか、そもそもの部分とそごが出てくるということになろうかと思います。
ただ、一方で、今いろいろ御意見いただいているように、菅委員もいみじくもおっしゃられたとおり、単に任意表示として、もうそれで今回の諮問をお認めするということになると考慮しないといけない部分もあるのではないかというところで、先ほど、そうであればこのような形で持っていくこともあり得るのではないかという御意見を頂いたところかと思います。
いかがでしょうか。表示確認方法についての表示については、今頂いた御意見、大体議論をし尽くしつつあるのではないかとも思えるのですけれども、一通り御意見を賜ったということでよろしいでしょうか。
○宗林委員 宗林です。1点だけ確認させてください。
枠内の任意表示のところは、閣議決定とは関係ない部分だろうと思いますが、これからまた議論をする余地があるのでしょうか。
○受田部会長 消費者庁からお答えいただけますか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 任意表示の書き方ということでしょうか。
○宗林委員 枠内に任意で各社の規程によりとか、自社の規程によりとか、検査方法も統一で決まっていないもので書き込むというふうに今は見受けられるのですが、それについては、先ほどお話ししたようなこともありますので、例えば任意表示は枠外にするとか、中で任意表示もするということが今決めなくてはいけないぎりぎりの状態なのかどうかをまずお聞きしたいと思います。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。
これについては、閣議決定のほうですけれども、一定の事実情報の任意表示を可能とするということになっておりますので、これは一括表示内ということで閣議決定を踏まえて整理をしています。諮問させていただいている案も、そのように枠内で任意表示で表示することができることにしています。何でこの枠内に書くこととしているかというと、任意であるけれども、いい加減に書いても困るので、農産物検査法の書き方とか、それ以外については細かいので今度通知で示していくことになると思いますけれども、食品表示基準の中で位置付ける改正をするということで、今回諮問をさせていただいております。
○受田部会長 よろしいでしょうか。
○宗林委員 分かりました。そうすると、任意表示を枠内に入れるというところまで含んでの諮問ということでお聞きしましたが、もしそうであれば、任意というところの、例えば何でもかんでも書いていいのか、どの範囲なのか。こう書くときにはこういうことで検査方法であるとか、根拠資料を持たなくてはいけないということは、これから先、どういうふうに決めていかれるのでしょうか。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。
ここに関しては、今回お示しした表示例というのは今まだ制度が始まっていない中で想定されるものということで書かせていただいたので、また今後とも、この前ヒアリングをさせていただいた関係者とも相談をしながら記載ぶりを考えていきたいと思っております。
○受田部会長 今日、そういう意味で、ここで枠内にするか、枠外にするかとか、具体的にどういう表示方法であればオーケーとするかとかいう細かいところまでは議論できませんし、こちらとしてはその諮問を認める、認めないというところで議論をしているので、大きな方向での御意見を頂き、もし必要であれば、こちらからの消費者委員会、食品表示部会としての要望として、議事録にしっかりと記録していけるように御発言を求めること、あるいはもうちょっと踏み込んだ提案の仕方をするということについては、次回以降、また考えさせていただきたいと思います。
青木委員からも今ここにコメントを頂いているのですが、事務局、代読をお願いできますか。
○太田参事官 承知いたしました。読み上げます。
「本来的には確認方法には検査米も未検査米も差異がないというのが前提であるのであれば、任意であっても訴求目的として一括枠内に表示を認めるのは違和感がある。枠内で表示を認めることで、消費者にとって差があるという誤認を与えることになる。任意とするなら一括枠外とするのが妥当ではないか。」
以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
そういう御意見が出てまいりますし、先ほどの渡邊委員の御意見も、恐らく今の青木委員の御意見に非常に通じるのではないかと思います。また、宗林委員のお考えにも合致するところかと思います。こういった点については、更にこちらとして、本来はこうあるべきではないかという点については意見を出せると認識しております。
意見分布としては、今出されたような形で、菅委員に伺いたいのですけれども、こういう状況で、表示自体、任意で進めていく方向。ただ、その書き方あるいは書く場所等については考慮の余地があるという、そんな話になっておりますけれども、どうでしょう。
○菅委員 意見の分布の状況については認識してきたつもりですが、問題意識としては、今、私が先ほどのような意見を申し上げることによって、もともと何のためのどういう表示としての任意表示なのかということもまた別の角度で問題になってきているのだと思いますし、私とすれば、やはり農産物検査を受けたものとそうでないものとを区別したいという少なからぬ声があるということを理解した上で、どういう表示の在り方がいいのかということについて、皆さんと議論できればと思っておりますので、その程度で取りあえず今日のところは止めておきます。
○受田部会長 恐れ入ります。ありがとうございます。
表示確認方法、これが論点2でございました。
あとは論点3のところに監視の内容がございます。この監視に関しては、論点1と密接に関わっていくということで、かなり今日も踏み込んだ御議論を頂きましたが、先ほど資料3で御説明を申し上げた委員の意見の要約の部分、更に御意見ございますでしょうか。論点3、監視に関して御発言があれば頂きたいと思います。これまで今村委員を中心にお話はしていただいておりますけれども、戸谷委員、どうぞ。
○戸谷委員 戸谷です。
監視の話は前から私も申し上げていましたけれども、非常に重要だと思っております。御案内のとおり、お米は、日本の消費者にとって主要な食品ですし、表示の形が変わるというのは非常に重要なことと思います。
一方で、今、コロナの影響などもあってお米の消費も大きく減退している状況なので、やはり表示の信頼性をきちんと担保していくことは極めて重要です。本日も何度も議論されていますけれども、根拠資料について適切に保管されているか、あるいは根拠資料に基づいて表示が適切に行われているか。このチェックをやっていくために、やはり検査される皆さんにおかれては、疑義情報が上がってくるのを待つということだけではなくて、日頃から抜き打ちといいますか、食品表示法なり米トレサ法に基づいた検査・監視の充実強化を図っていただきたいと思いますので、これはお願いとして申し上げておきます。
○受田部会長 ありがとうございました。
今村委員、質問ということで、その後、菅委員、御意見ということでお願いいたします。
○今村委員 今村です。
監視は是非強化してほしいと思うのですが、私からの質問は、他の監視と違って、これは数がものすごく多いと思うのです。ですから、今までの監視に加えて、この複雑な監視をするのに同じような体制で今までどおりやれますという話には、私はならないのではないかと思うのですけれども、これは1個でも不正を引っ掛けようと思うと、なかなかの労力があると思うのです。ですので、監視の手順を定めるだけではなくて、監視体制を強化しないと、これを受けていくのは大変なのではないかと思うのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
○受田部会長 今の御質問に対して、木村室長、お願いします。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 まず私のほうから一言、その後に室長のほうから補足をしていただこうと思っています。
確かにおっしゃるとおりだと思います。ただ、農産物検査を今受けているお米であっても、いろいろなところを経て、先ほどお示しした資料1-3の1ページにありますけれども、流通に係る資料、そこの段階でもたくさん転々流通をしているところであります。今の農産物検査証明を受けた米であっても、証明だけ見ているわけではなくて、その背景にある膨大な資料を確認されている。今後も同じ根拠資料の保管を義務付けるので、見るものは同じということなので、特段そこは違いがないかなと思っています。
一方で、今回新しい仕組みが入るので、監視というのはとても重要なことだと思っていて、そこは当然しっかりと消費者庁もそうですし、農水省、各都道府県とも連携してきちんとやっていかないといけないということは極めて重要なこととして消費者庁としても認識しているところです。
あと残りは木村のほうから補足させていただきたいと思います。
○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 御意見、御質問ありがとうございます。
私から申し上げたいのは、監視の体制の部分でございますけれども、一般的な話として申し上げますけれども、まず、監視指導につきましては、国だけではなく都道府県、政令市を含めまして、日常的な一般調査、それと、疑義事案に対する立入検査、これを使い分けております。ですから、先ほど御心配がございましたけれども、疑義対応だけではなくて、日頃の一般調査の中で、どこまで深掘りするかという掘り下げの仕方が違いますけれども、これはやっております。今回新しく制度が変わりますので、その変わった後には、その内容を踏まえた確認をやっていくということになろうかと思っております。
それと2点目の検査の体制を含めてでございますけれども、今までも玄米、精米に関するQ&Aの中で、このような書類が表示の根拠書類になりますよと示している中で、農産物検査の証明だけではなくて、送り状、納品書等、今後は、義務的に用意してくださいと整理されたものが書いてありました。しかしながら、先ほども申し上げましたとおりで、あくまで整備、保存というのは努力義務でしかなかったので、事業者さんによっては、表示責任者の方によっては、それをきちんと整備していない、保存していないという方も確かにいらっしゃいまして、これが調査現場においての検証作業の非常なネックになっていたところでございます。
今回の改正におきましては、皆さんにお諮りしているとおり、3点セットの表示をする場合には、お示しした内容の書類が義務化されます。義務化されることによって、私どもも監視の対象を絞ることができる。逆に、疑義のある方であれば、その書類を出せということを明確に申し出ることができるということでございますので、今まで以上により効率的な作業ができると思っておりますし、検証にも資すると思っております。
その点から考えれば、決して後退することはなく、今までどおり、それ以上の監視効果を生めるのではないかと考えるところでございます。
以上でございます。
○今村委員 私から、今までの体制でやろうという気持ちはよく分かるのですけれども、是非この表示の委員会からは、監視体制を、人員を増やすとか、予算を増やすとか、もっと充実するべきではないかということを言ってはどうかと思うのですけれども、今までの体制でどんどんやっていくと、やっている人がどんどんしんどくなっていくばかりだと思うので、是非そこら辺は考慮していただきたいと思います。
私からは以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
菅委員、御意見ということでお願いします。
○菅委員 ありがとうございます。
監視の難しさに関わることだと思うのですけれども、監視や取締りという点で、違反等を問う前提で、大変なチェックをしなければいけないことになるであろう販売者にどこまでのチェックを求めることになるのかということについて、単に記録なり根拠資料を保存しておきましょうということだけではなく、どこまでのことをしなければいけないのかというのは、できるだけ具体的に明らかにされておかれる必要があるのかなと感じます。結局販売者に対して、検査米における検査以上のことを個々の米に対して求めるという意味になるのか、それ以下でも足りることになるのか、信頼性が同等であるような形のものにするために、違反等を問う前提でどこまでのチェックを求めていくのかについては、販売に携わる方が分かる形で示される必要があるのではないかと思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
監視に関しても、今日も冒頭から御意見を頂き、それから、前2回の部会においても御意見、御質問を頂いているところでございます。体制の強化が求められるという声、これは具体的な対応として、今回の法改正を受けて是非お願いしたい要望事項として挙げられていきそうな、そんな御意見を複数頂いていると理解しております。
いずれにせよ、監視、それから論点1にございました根拠資料、これは両方がセットで当然求められるものでございますので、根拠資料が明確になることによって監視も実質化されることになるという点から見ると、先ほど御議論いただいた話も勘案しつつ、監視の強化、体制の強化に関して更に部会から要望を出すことも考えていきたいと思いました。
すみません。もう5時半になるということで、大変申し訳ございません。
○太田参事官 五十嵐課長から発言がございます。
○受田部会長 五十嵐課長、お願いします。
○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 前回、監視の前の論点で一つ重要なことを言い忘れてしまったので、簡単に一言だけすみません。
確認方法についてなのですが、閣議決定もさることながら、一括表示内に任意表示ということで入れることによって、一般原則である、それを書くからにはちゃんと根拠資料を保管することをしなさいとという努力義務がかかってくるということ。それから、一括表示内に任意表示として入れることで、どういうふうに表示をしなさい。これは先ほど宗林委員が言われたことですけれども、それについて通知で示せるというメリットがあります。ここの一括表示内に入れなければ、これはただ単に食品表示基準の外にある広告ということになりますので、そこはやはり枠内に入れることによって、任意表示ではありますが、消費者にとってのメリットはあるということです。
以上です。
○受田部会長 分かりました。重要なポイントですね。
そうなると、今日お示しいただいた具体的な資料1-2、その中で委員の皆様からちょっとこれはというような御意見もございましたので、また今後詰めていかれるということで理解をいたしました。
委員の皆様、もう今日は部会自体を閉じていきたいと思うのですけれども、一つ提案としましては、今日頂いた意見で、おおむね諮問に対する部会の意見としては賛成というか、この諮問に対する改正自体は異論はないという方向でまとめていってもいいのではないかと、私、部会長としては感じているところです。もちろん、おおむね賛成の意見以外に、賛成でもない、反対でもないという御意見も伺うところがございました。その後、強化しないといけない部分等について論点ということで整理しながら、それについては対応していただけるということを前提に、その御意見が賛成のほうへと傾いていっているというところを想像しての話ではございますが、まず、皆さんに伺いたいのは、この改正自体は異論はないという方向で、今後、部会として整理をしていくことでどうでしょうかというのを皆様に問い掛けたいと思います。
もちろん、諮問に対して承認、異論なし、全く何もコメントも添えずにということではなく、これまでの答申にもございましたように、今日論点四つ、そして今日は全然議論されておりませんけれども、実際に経過措置を設けるかどうかとかいった五つ目の論点も含めて、もう少し議論しないといけない部分もございます。そういうところを更に取りまとめて、附帯意見として発出することも含めて、改正自体を異論なしとするということを一つ提案することができると思っておりますけれども、いかがでございますでしょうか。
特に今の提案に対する反対意見はございませんでしょうか。
菅委員、どうぞ。
○菅委員 方向性として特に大きく異論ということではないのですが、先ほど論点2についていろいろ意見を述べさせていただいているようなことなどを、部会長もおっしゃったのですけれども、何らかの形でそういう意見もあったことが反映されるような形のものにしていっていただきたいというのを現時点での希望として申し上げておきます。
○受田部会長 ありがとうございます。
それから、渡邊委員、ありがとうございます。
今、菅委員からコメント、御意見を頂いたとおり、論点が幾つかあり、そこの部分でまだ今日、消費者庁や農水省の補足を受けても、もう少しこちらの部会としての意見をしっかりと反映していただかなければいけない部分もあると理解をしております。したがって、次の部会においては、答申としてはこの改正を認める方向で取りまとめるとして、附帯意見を付していくことを更に具体的にたたき台をお示しした上でもんでいただくということが、一つのこの部会としての落としどころではないかと思います。そのような取りまとめを前提として御提案ということでございます。
ありがとうございます。続々と御了解の御意見を頂いております。基本的に御了解を頂いているようでございますので、今日の部会、すみません、3時間を大幅に超過して、進行の不手際でございますけれども、頂いた御意見を基に、議論としては、改正については基本的に了承する方向で、今日をもって確認をさせていただきました。
次回は、答申を発出することを見据えまして、当部会として表明すべき課題、懸念点を附帯意見として付す前提で具体的に議論をしてまいりたいと思います。そういう形で今日のところは取りまとめをさせていただきたいと思います。皆様に御了解を頂きましたので、今日の部会は以上の取りまとめで終了させていただきたいと思います。長時間にわたりまして、ありがとうございました。
≪3.閉会≫
○受田部会長 それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
○太田参事官 本日は長時間にわたり、熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の日程につきましては、改めて御連絡させていただきます。
以上でございます。
○受田部会長 長時間にわたりまして、本当にありがとうございました。大幅な時間の超過をお許しください。
それでは、次回は年明けになると思いますので、皆様、良いお年をお迎えいただけますように、そしてまた、来年よろしくお願い申し上げます。
今日の部会は終了とさせていただきます。ありがとうございました。
(以上)