第61回 食品表示部会 議事録

日時

2020年11月18日(水)10:00~12:57

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【委員】
受田部会長、青木委員、安達委員、石川委員、今村委員、澤木委員、下浦委員、菅委員、宗林委員、田中委員、戸谷委員、前田委員、松永委員、渡邊委員
【消費者庁】
津垣政策立案総括審議官、五十嵐食品表示企画課長、木村表示対策課食品表示対策室長
【農林水産省】
上原米麦流通加工対策室長
【説明者】
公益社団法人日本農業法人協会 井村副会長
全国農業協同組合連合会 栗原米穀生産集荷対策部長
全国米穀販売事業共済協同組合 厨常務理事
千田みずほ株式会社 佐藤常務取締役
【事務局】
加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の一部改正(玄米及び精米に関する表示)に係る審議
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は、皆様、お忙しいところを御参加いただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第61回食品表示部会」を開催いたします。

本日は、柄澤部会長代理、宮崎委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

議事に入る前に、テレビ会議による進め方と配付資料について確認させていただきます。

まず、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレビ会議により開催しております。

傍聴者を入れずに開催いたしますが、議事録につきましては、後日、消費者委員会のホームページに掲載いたします。

議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を、明日11月19日木曜日15時よりホームページで動画配信をいたします。

テレビ会議では、ハウリング防止のため、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますよう、お願いいたします。

御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。受田部会長が発言者を指名しますので、指名された方は、マイクのミュートを解除して、お名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。

御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当のページ番号も併せてお知らせください。

チャットが使いづらい場合などは、適宜のタイミングで、マイクのミュートを解除の上、呼び掛けていただければと思います。

また、御発言の際は、カメラ付きの方は、可能な限りビデオ通話をオンにしていただければと思います。

御発言が終わりましたら、ビデオ通話を停止し、マイクをミュートの状態にお戻しください。

なお、音声が聞き取りづらい場合などもチャット機能でお知らせください。

次に、本日お配りしております資料でございますが、議事次第に記載しているとおりでございまして、資料1から5及び参考資料1から3となっております。

もし不足の資料がございましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。

それでは、受田部会長、以後の進行をお願いいたします。

○受田部会長 皆さん、おはようございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

≪2.食品表示基準の一部改正(玄米及び精米に関する表示)に係る審議≫

○受田部会長 それでは、前回に引き続きまして、食品表示基準の一部改正についての議論に入りたいと存じます。

本日は、まず、前回の部会で頂いた御指摘に関しまして、消費者庁より御説明いただきます。そして、関係団体の皆様から、今回の改正案に関する御意見、御要望などをお伺いし、その後、全体を通して質疑応答を行いたいと思います。

本日は、生産者のお立場から、日本農業法人協会より井村副会長にオンラインにて御参加いただき、全国農業協同組合連合会より米穀生産集荷対策部の栗原部長にお越しいただいております。そして、卸のお立場から、全国米穀販売事業共済協同組合より厨常務理事、千田みずほ株式会社より佐藤常務取締役にお越しいただいております。本日は、お忙しい中、貴重なお時間を頂きまして、誠にありがとうございます。

また、消費者庁の津垣政策立案総括審議官、五十嵐食品表示企画課長、木村食品表示対策室長、農林水産省の上原米麦流通加工対策室長にも御参加いただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、まず、資料1について、消費者庁より10分ほどで御説明をお願いいたします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 それでは、お手元の消費者庁の資料1「補足説明資料」を御覧いただければと思います。

1枚おめくりください。これは前回、菅委員から、農産物検査による証明がある場合、証明がなくて根拠資料を保管している場合、その他の場合について、表示をどのように変更するかというのをもう少し分かりやすく説明をするようにという御発言がありましたので、今回資料を作成しましたので、これに基づき御説明をさせていただきたいと思います。

現行のルールですが、農産物検査による証明がある場合、これは農産物検査証明によって産地、品種、産年が同一であることが確認できる原料玄米を使用する場合、「単一原料米」と表示をする。こちらは義務ではなくて、単一原料米と表示をしたい場合、単一原料米と表示することができ、その場合、産地、品種、産年は併記することが義務となっています。また、その要件としては、農産物検査証明があることとされております。

一方で、農産物検査による証明がない場合、これは証明がなく、産地、品種、産年が同一であることが確認できない原料玄米の場合は、「複数原料米」等産地、品種及び産年が同一でない旨又は証明を受けていない旨を表示するということが義務になっております。

改正後、どうなるかということですが、農産物検査による証明がある場合は変更がありません。ただ、今まで単一原料米と書く場合、農産物検査証明があることが要件でしたが、その要件が今般、産地、品種及び産年の根拠資料を保管しているということに変更になります。

それから、農産物検査による証明がないが、根拠資料を保管している場合、すなわち根拠資料の保管によって、産地、品種、産年が同一であることが確認できる原料玄米を使用する場合は、単一原料米と表示することができ、その場合、その産地、品種、産年の表示を併記することが義務ということになります。ここが今回最大の変更点となります。

それから、農産物検査による証明がなく、根拠資料を保管していない場合は、表示については変更がありません。ただし、証明を受けていない旨の表示は削除ということになります。

前回の部会での私の説明で、根拠資料の保管が義務付けられるため、保管をしていなかったら罰則というような説明を申し上げたのですが、はしょってしまったので丁寧に御説明をすると、根拠資料を保管せずに単一原料米と表示した場合、それは食品表示法違反になって、最終的には罰則が適用される可能性があるというのが正しい説明でございました。訂正をさせていただきます。

それから、これも同じく前回菅委員から御質問のあった表示に関してその他のバリエーション、すなわち3点のうちの一部の表示に関してですが、これについては変更ございません。現行、産地、品種、産年が同一でない旨、「複数原料米」と表示がしてあっても、その一部について産地、品種、産年が農産物検査の証明によって確認できる場合は、その一部について3点を表示できますし、今後も根拠資料の保管があるものについては、確認できた根拠がある部分に関しては3点の表示ができるということで、そこの部分は変更はございません。

2ページ目を御覧いただければと思います。これは前回、渡邊委員、その他の委員からお話があった件についてですが、分かりやすい形で資料にまとめましたので、また改めて御説明をさせていただきます。

まず、農産物検査と書かれているところですが、これは私たち消費者にお米が袋詰めされて届く前のお話と考えていただければと思います。まず、これは前回の農水省の説明にもございましたとおり、農産物規格・検査というのは、主に全国統一的な規格に基づく等級格付により、玄米を精米にする際の歩留りの目安を示すものということになっております。すなわち生産者と販売事業者・卸売事業者が取引をする際に、卸売事業者の方が玄米の取引において利用される目安が農産物検査・規格ということでございます。基本、卸売事業者において、検査米、未検査米にかかわらず、原料玄米は消費者の求める精米に調製・加工されて、消費者の元に届けられるということになります。規格の部分、等級の部分はお米が袋詰めされる前のお話ということになります。

次に、袋詰めされた後の現在御議論いただいている表示の関連でございます。資料の「玄米及び精米の表示」と書かれている枠のところですが、これまで玄米及び精米の表示は、産地、品種、産年の表示の真正性の担保として、産地、品種、産年に関わる部分についての農産物検査の証明を受けることを要件としていましたが、等級は表示のための要件とはしておりません。このため、これまでも、制度としては、農産物検査を受検して、産地、品種、産年の証明がある場合であれば、等級格付に関係なく、1等だろうが3等だろうが、又は規格外であっても、その産地、品種、産年を表示することは可能となっておりますので、現行の食品表示基準では、3点表示の根拠として農産物検査の受検を要件とはしておりますが、品質を担保しているわけではなくて、品質の議論とはまた別の話ということになりますので、そこはそのように御理解いただければと思います。

なお、食品表示基準における食品表示は、米だけでなく、原則全ての食品について、品質を担保するようなものではございません。いわゆるJAS規格等は品質の話ということになりますけれども、食品表示は品質を担保するものではないということを御理解いただければと思います。

消費者庁からの説明は以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、続きまして、関係団体の皆様からお話を伺いたいと思います。恐れ入りますけれども、それぞれ10分程度で御説明をお願いいたします。

それでは、まず、日本農業法人協会の井村副会長より、よろしくお願いいたします。

○日本農業法人協会井村副会長 皆様、おはようございます。

日本農業法人協会副会長の井村辰二郎です。このたびは、このような発言の機会を頂きまして、ありがとうございます。全国の会員を代表して御礼申し上げます。

まず最初に、私は今、56歳であります。石川県金沢市で5代目の農家として生まれまして、幼い頃より農産物の検査は、本当に小さい頃から、当時たしか60キロの麻袋だったと思うのですけれども、本当に身近なものでありました。

お米を生産すると同時に、私は検査員の資格も持っておりまして、多くの農家の皆さんの検査も行っております。本日は、ぜひ食べてくださる消費者の皆様、あとお米に関わる全ての関係者の皆様にとっていいような議論になればと思って参りました。どうぞよろしくお願いいたします。

最初に、日本農業法人協会の概要を簡単に説明させていただきます。

資料2-1の1ページを御覧ください。当協会は、全国にある農業法人及び法人化を志す担い手農業者を会員としており、10月現在で2,051会員が所属する、昨年で設立20周年を迎えた公益社団法人です。

主な事業としては、農業法人の経営確立・発展のために行う政策提言、調査研究といった業務のほか、会員法人等担い手農業者の経営改善に資するサービス業務を実施しております。

それでは、2ページを御覧ください。当協会の組織図になっております。資料の下のほうに記載のとおり、常任理事会の下に四つの委員会を設けておりまして、私が政策提言委員会の委員長をしております。政策提言活動は、そのときのトピックスに対してタイムリーに提言を行うほか、年1回、1年間の検討の総括として提言書を取りまとめて、農林水産省様ほか関係省庁などに提出させていただいております。

資料の3ページに、本年6月に提出しました提言書を掲載しておりますので、後ほど御覧いただければ幸いです。

さて、本日の本題の説明に入らせていただきます。資料の4ページを御覧ください。当協会としては、農産物検査の見直しを重要なテーマと考えており、年の初めに会員に対してアンケートを実施しました。私たちは、エビデンスがベースになっている政策提言を行っていこうと思っておりまして、しっかりとしたエビデンスを持って発言していこうと思っております。本日は、そのアンケートの結果、食品表示に関する部分を抜粋して御説明させていただきます。

最初の説明では、当協会の会員の販売先について質問いたしました。回答数1位は消費者への直接販売で、75パーセントが取り組んでいることが分かりました。第2位は食品製造業や外食産業等のいわゆる実需者への販売で59.8パーセント、続きまして、農協系統や全集連といった集荷団体は最下位の53.6パーセントとなっています。

また、設問2において、実需者や消費者への販路拡大意向を確認したところ、回答者の75.9パーセントが拡大を考えており、消費者に対する販売の縮小傾向の回答はゼロでした。

資料の5ページを御覧ください。設問3で実需者、消費者に直接販売をしている会員に農産物検査法に基づく検査の状況を質問いたしました。72.7パーセントの会員が全量検査を受けているということで、販路毎に検査、未検査を分けていると解答した者を加えれば94.5パーセントの会員が、本来任意であるはずの農産物検査法に基づく検査を受検しております。ちなみに、私も100パーセント全てのお米を農産物検査法に基づいて検査を受けております。

また、設問4で、全部又は一部について検査を受けていると回答した会員に受検している理由を聞いたところ、食品表示法に基づく表示の根拠になっているためという回答が69.2パーセントで第1位になっており、米の流通の多様化に伴い、直接販売が拡大している中、農産物検査を受ける必要がないにも関わらず、3点表示を行うために検査を受検する必要性を感じ、不要なコストを払っているものが相当あることがうかがえます。なお、食品表示に基づく表示、産地、品種、産年の3点セットは、消費者が求める大きな情報だと認識しております。大切な情報だと考えております。この観点から、今回の消費者庁が進めている義務ではない農産物検査法に基づく検査を受けなくても3点セット表示ができるということは、消費者、生産者、双方にとって大きなメリットになると考えています。農産物検査法に基づく検査においても、産地、品種、産年については、生産者からの申請書類を確認しています。品種が多様化している現在、品種によっては目視で判別することは現実的に難しく、目視検査で表示が必ずしも担保されているわけではないことから、今回の改正方法は正しいものとお考えいただきたいと思います。

続きまして、資料6ページを御覧ください。設問5は、農産物検査の受検を国の実施要件とする必要がないと思うものを聞いたところ、食品表示に基づく表示に関して、29.5パーセントの会員が不要だと回答しております。どの施策についても言えることですが、その施策の目的が農産物検査法に基づく検査の推進ではないにもかかわらず、要件になっていることに疑問を持っている会員が多いということがうかがえます。

設問6では、現行の農産物検査について質問しました。結果、6割を超える会員が、もっと簡素化して、農業者の負担、コストを下げるべきと回答しております。

農業経営を発展させていくためには、コストを削減して所得を増大させていくことが必要であり、この検査コストは決して小さいものではありません。ここ50年で米の価格はかなり下がってきております。多様な生産方法が生まれて、やはり昔とは違う方向に私たちは向かっていかなければいけないと感じているところです。

資料2-2を御覧ください。当協会では、今年1月、規制改革推進会議農林水産ワーキング・グループへ要請書を提出いたしました。時間の関係で要約させていただきますと、先ほど御説明したとおり、過去に主流であった集荷業者、卸業者を通した不特定の者に対する販売ではなく、実需者、消費者に対する直接販売が増加し、米の流通は多様化しております。実需者、消費者に直接販売する場合には、相手方のニーズに合った品質を供給できれば問題ありません。そこが一番大切なところです。しかし、中段に記載してあるとおり、農産物検査を前提として食品表示を含めた各種施策が設定されており、農業者が民間の農産物検査を受けることを事実上強制されている現状があります。結果として、各種コスト負担を農業者が負担し、最終的には製品価格の上昇として、消費者にも負担、不利益を強いているものと考えます。

ついては、これらの現状を改善するために、裏面に当協会からの要請を4点記載させていただき、3点セット表示についても見直しを求めました。結果として、その後、規制改革推進会議での議論を経て、関係各位の御協力の下、本日の食品表示部会を開催いただけるものと承知しており、大変感謝しております。

資料に基づく説明は以上ですが、最後に付け加えさせていただきたいと思います。繰り返しになるかもしれませんが、あくまでも現行の農産物検査は、主に玄米を精米する際の歩留りに着目した検査であり、しかも、目視を併用したもので、食味でありますとか、消費者に対する多くのメリットを担保するものではありません。また、目視のため、必ずしも科学的根拠があるとは言い切れないのですが、残念ながらこのような点を消費者の皆様に御理解いただいているか、とても不安に思っております。現在の消費者庁の案では、3点セットの表示の根拠はあくまでも任意表示とするとお聞きしており、ぜひそのような方向で進めていただければと考えております。

もし、3点セットの表示根拠を義務表示にするとなりますと、消費者に対し、農産物検査を受検済みの米が受検していない米よりも品質がよいと優良誤認されかねないと考えております。

なお、現在、農林水産省において規制改革実施計画を踏まえた新たな検討会、農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会が開催され、ここに私も委員として参画しておりますが、その中で穀粒判別機といったIT機器やいろいろな技術を利用し、消費者、実需者の食味ニーズや輸出にも使えるような新たな規格を表示する検討が進んでいるところであります。消費者、生産者、流通業者、皆さんに資する新たな規格や表示になればよいと期待し、議論を続けていきたいと考えております。

長くなりましたが、生産者の代表として、私からの説明は以上でございます。御清聴どうもありがとうございました。

○受田部会長 どうもありがとうございました。

それでは、続いて、全国農業協同組合連合会の栗原部長より御説明をお願いいたします。

○全国農業協同組合連合会栗原米穀生産集荷対策部長 全農の栗原でございます。

本日、食品表示部会で意見開陳させていただく機会を頂いて、本当に感謝しております。

JAグループ、全農は、知らない方もたくさんいらっしゃると思うので、資料でまず1ページを御説明させていただければと思います。JA全農の御紹介ということなのですけれども、左下のところを見ていただきたいと思います。青いところがJA全農なのですけれども、JA全中とかJA全農、農林中金、JA共済連、こういうものが全国団体として、協同組合組織としてございます。全農はその中で経済事業関係を担っておる組織でございます。組合員が1000万いらっしゃるという状況です。その全国団体が全国にある農協の補完機関として存在しているということでございます。

表の右上ですけれども、では、全農はどういった形で協同組合として事業を運営しているかということですが、やはり生産者と消費者をしっかりと結び付ける架け橋として、我々全農は事業を運営していくということでございます。

事業別取扱高の推移ということで棒グラフがございますけれども、全農は、米穀事業は一番下、2018年度、6900億円くらいになっております。園芸事業とか営農・生産資材事業、肥料・農薬とか、あと畜産事業、生活関連事業等々を取り扱っておりまして、2017年度で合計4兆6000億円くらいの取扱高になっておるということでございます。いずれにしても、全農は協同組合組織だということを認識いただければと思います。

続きまして、2ページでございます。では、全農の米穀事業は何をしているかということでございます。表の左のほうの全農が取り扱う米の主な流通経路でございますけれども、真ん中のほうに全農・経済連とございますが、まず、生産者が農協さんにお米を出荷すると。農協さんが全農に出荷して、その後、本日来ていただいている千田みずほさんとかに販売させていただいていると。これを精米していただいて小売店などに販売して、消費者にお届けするというのが主な流通経路になっております。

そのほか、下のほうの生産提案型事業ということで、我々はやはり生産者と実需者のマッチングを図る必要があるということで、近年やはり業務用向けのお米の契約栽培ということで、実需者を明確にして生産者にもお伝えして、それをマッチングしていく。契約栽培という名前で言っているのですけれども、それを拡大していくということで、やはり生産者の経営の安定、また、お客様への安定供給を今進めておる状況です。

右のほうの実需者との出資ということですけれども、より安定したお米を提供させていただくために、例えば回転寿司のスシローとか、木徳神糧さんとか、パック御飯のサトウ食品さん、こういうところとも業務提携・出資をさせていただいて、安定的な消費者へのお米の供給ができるような体制を整えさせていただいているということです。

右下のほう、農産物検査の実施状況でございます。これを見ていただくと、JAグループと書いてございますけれども、基本的には農協さんで検査をしておるのですが、まず、農産物検査員は全国で1万9000名のうち1万3000名程度はJAグループが担っているという状況です。大体7割ぐらいです。それと、検査数量につきましても、362万2000トン、74から75パーセントぐらいの検査をJAグループで担わせていただいているというのが今の状況でございます。

続きまして、3ページでございます。今回、食品表示基準の改正案に関する意見ということで、制度設計の在り方について意見を述べさせていただきます。

まず一つは、左下の「農産物検査と表示」ですけれども、やはり検査米と未検査米については第三者性の相違があると思っております。平成23年から25年の食品表示部会で御審議いただいたということがございまして、そのときにも最終的には実効性が見込める新たな検査証明の仕組みを構築することが困難だと判断されて、審議を終了されたと聞いております。チェック体制とかそういうのは別の部分でございますけれども、やはり非常にコストが高くなることから、そういう判断をされたということを聞いております。

右のほうの「規制改革実施計画」ということで閣議決定された内容でございますけれども、やはり農業者の所得向上につなげていく必要があると、これはごもっともだと我々も思っております。農業者の創意工夫がより発揮されるとか、農業者が多様な選択をできるようにということなのですけれども、これは農業者にはそうですけれども、それを含めて、やはり農業者以外の販売者にも同等の信頼性を担保していくことが必要なのではないかと思っております。これは我々流通業者も含めてそういうことをしっかりと担保していくことが重要なのだと思っています。

4ページの意見②ですけれども、未検査米の3点表示に当たっての関係でございます。今回の改正案、未検査米でも産地、品種などの根拠を示す資料を保管している場合はできるということを整理されていますけれども、現行の農産物検査ですが、第三者機関である者がしっかりとその根拠資料を今持っているという状況です。

下の表ですけれども、まず左のほう、我々JAグループの中ではやはり検査前の情報収集をしっかりと行っている。種子更新がやられているかとか、種子購入伝票とか苗購入伝票、また、出荷契約とか営農指導、こういうものを整理しながら検査のときに、右のほうですけれども、検査請求内容とか、検査による形質判断とかを照合して品種を証明しているという根拠を持ちながら、させていただいているということでございます。

そういったことから、未検査米の3点表示を否定するものではございませんけれども、現行の農産物検査と同様の客観的な資料をしっかりと確認することを義務付けるべきでないか、その具備すべき根拠資料を具体的に明示する必要があるのではないかと思っております。例えば生産者の種子や苗購入伝票とか営農計画などの作付情報、そういうものをしっかりと具備すべきなのではないかと思っております。

続きまして、5ページの意見③でございます。そういうことがあってはならないのですけれども、消費者の保護の観点を考えると、万が一問題が発生したという場合、やはり情報をしっかりと消費者に御提供してやっていく必要があるということで、左下の「表示根拠の即時確認」とございますけれども、今、検査米では基本、検査証明内容で即時販売業者のレベルで可能だということでございます。しかしながら、未検査米だと今、トレーサビリティ制度がしっかりなっているのですけれども、それを元に追っていかなければならない。それは非常に時間が掛かり、それによって何か問題が発生したのが広がっていく可能性があるということも想定されます。

現に、本日は農水省さんも来ているのであまり言いづらいのですが、過去に農水省さんの関係で事故米の不正規流通問題が発生した。そのときに非常に複雑な流通経路がございまして、解明に苦慮されたということを聞いております。そういうことから、今現在、前よりも非常に複雑な流通経路になっています。単純に先ほど流通経路を全農がお話しさせていただきましたけれども、もっといろいろな販売業者が何段階も関係しているというのが実態になっていますので、そういった意味合いでは、万が一問題が発生した場合、大変なことになるのではと思っております。そういった意味合いでは、表示を補完する根拠を一定期間、販売業者にも持ってもらうということが重要なのではないかと思っております。

6ページ、意見④としまして、行政の関係でございます。一番上の丸ですけれども、まずは関係者、消費者も含め、流通業者も含め、全農もそうですけれども、制度の見直しの趣旨と内容を徹底的に周知していただければと思っております。消費者の選択を奪うことにならないように、そこをしっかりと整理していく、周知していくということが重要なのだと思います。

あと、万が一何かがあったときの関係からいいますと、やはり根拠資料の整備・保管、こういうのを行政機関がしっかりとチェックする、ここのチェック体制をしっかりと強化いただきたいと思っております。

丸の三つ目でございますけれども、やはり3点表示の証明方法の記載、任意ではなくて、義務とすべきではないかと思っております。やはり商品に表示するもの、生産者が第三者機関で証明されたものであるのかどうかというのを、選択を奪わないように、そういう形で整理していただくことが重要なのだと思っております。そういったことによって消費者が安心してお米を食べていただくということを選択できる制度を構築いただければというのが我々の思いでございます。

あと、書いてございませんけれども、我々JAグループからその他の意見で出ていたのは、ゆめぴりかやつや姫という品種がございますけれども、それらはその県、道として、一生懸命ブランド米として構築をしてきた経緯があるのです。初めは海のものとも山のものともつかない、それからJAグループとか関係者の皆さんが一生懸命販売努力をされて、今のブランド米を構築してきた。このような中で、万が一にもそういうことで不祥事が起こったら、ブランド米の毀損が行われてしまう可能性が高いのです。今まで何年、何十年も掛けてブランド米を作り上げたのに、一瞬にしてそういうブランドの力がなくなってしまうというのは多大なデメリットになる可能性もあって、そういうところも含めて、この表示のところは重要なのだと思っております。

あと、井村副会長からもお話がありましたけれども、今、農水省さんのほうで検査の関係で検討会を開いていただいていまして、その中で私も委員として参画させていただいている状況です。前向きに我々としてもそういう農産物検査の関係はやはり改善すべきところは改善していくことが重要だと思っております。しかしながら、消費者の観点から選択を奪うとか、消費者に不利益にならないような形を構築いただくことが極めて重要なのではないかと思います。選択できないような形はやはり消費者にとって不幸でありますので、そこら辺はしっかりと制度設計をしていただきたいと思っております。

簡単ですけれども、以上でございます。御清聴ありがとうございました。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、続いて、全国米穀販売事業共済協同組合の厨常務理事より御説明をお願いいたします。

○全国米穀販売事業共済協同組合厨常務理事 ただいま紹介にあずかりました全国米穀販売事業共済協同組合、略称全米販の常務理事をやっております厨と申します。本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。

では、資料の説明に移らせていただきます。

1ページ目を御覧ください。全米販は、全国の産地から集出荷された玄米を精米に加工して、量販店等で消費者に販売をしております。また、中食・外食事業者にも提供しているという、今お話があった全農さんをはじめとする農協系統以外の民間の米販売事業者の全国組織であります。

私たちの組合員は、農産物検査を受けた玄米を原料にして、検査証明に基づいていわゆる3点セット表示をして消費者に提供しております。

次のページをおめくりください。米の流通というのは、井村副会長、栗原部長からもお話があったように、だんだん農協等の集出荷業者を経由しない出荷割合が全体の5割近くまでに増えるようになって、米の流通は多様化しております。ただ、その中にあっても、農家直売をされる方でも、我々のような販売業者に玄米で売られる方も結構おられまして、実際に我々のところで精米加工している割合は、農水省の資料によれば8割を超えているという状況にありまして、ここで検査米を精米したものについて、我々は3点セット表示して、中食・外食事業者あるいは消費者に供給しております。

ただ、未検査米も、現在も、生産者が特定されたいわゆる顔の見える流通として流通されているもののほかに、価格優先で産地、品種を問わないような供給を求める中食・外食事業者などにも供給されている状況にあります。

次のページをおめくりください。私たちは、多様な流通経路から未検査米が検査米と同じ3点セット表示で販売されるようになっても、消費者がこれまでと同じように3点セット表示された精米を購入した場合に、米の表示や品質への信頼が損なわれたり、購入意欲を減退させるようなことがあってはならない。もう一つは、先ほど栗原部長からありましたけれども、今までもいろいろな経験をしておりまして、我々も精米表示に係るリスクや負担が高まることは避けたいと考えておりまして、今回の食品表示基準の改正に当たりましては、次の3点について御配慮いただきたいと考えております。

第1点目でございますが、先ほどもありましたように、3点セット表示の根拠資料が販売業者まで確実に伝達されないと、我々は表示責任を負う立場として表示ができないという問題があります。

4ページの左上にありますように、検査米については、登録検査機関が品質を確認して、産年、産地、品種を証明した検査証明書を米袋に添付しまして、それがそのまま販売業者まで流通することによって表示根拠情報がスムーズに伝達されるような仕組みが法的に担保されているということになりますが、未検査米については、まず産地で現物と符合することが確認された表示根拠資料というものが、転々流通する流通段階を通じて確実に販売業者のところまで伝達されなければなりません。米トレーサビリティ法に基づく産地情報は今そういう伝達がされていますが、それ以外の生産者個別の種子購入記録なり栽培記録などは、今まではそういう伝達がされておりませんでしたので、根拠資料が確実に伝達されなければならないということになります。しかも、消費者に販売した後もそれがちゃんと確実に伝達されたものであると検証できるということが必要になってきますので、各流通段階において責任を持って販売業者と同一期間、資料が保管されるなりの担保が必要だと考えております。

そういう意味では、先ほど言いましたように、検査米については情報を伝達する仕組みができていますが、また、未検査米の情報伝達にどういうコストが掛かるかというのはまだ不明なところもありますので、そういう意味では、今の検査米の情報伝達というのはコストの面でも非常に簡便な形になっているのではないかと考えております。

5ページでございます。二つ目の問題は、先ほど五十嵐課長からも御説明がありましたが、検査米というのは品質確認を伴って検査証明を受けております。実際に今、3点セット表示をされている検査米というのは、左下にありますような検査規格を基準としまして、生産者の皆様、あるいは集荷業者の皆さんの御努力によって選別・調製をされて、ほとんどが、毎年95パーセント以上の1等、2等に格付されたものだけが検査米として流通しているわけでございまして、それ以外の米は選別、調整されて、主に主食用以外の用途に使用されています。

ところが、農産物検査によって品質確認がされて、区別をされることがないまま多様な米が表示できるということが懸念をされるわけでございます。先ほど歩留りの話がございましたが、今は95パーセントが1等、2等ということで選別された検査米を原料にして我々は精米して販売しているわけですが、それが無選別、無調製ということになりますと、同等の品質の精米に加工するにはそれぞれの品質に応じた区別をして、調製・加工が必要になりますので、今まで以上のコストが掛かることになりまして、そういう意味では、単純に歩留りが違って、同じようにというよりも、今までは産地側でやられたことを流通側でやることになると、そのための装備も必要ですし、時間もコストも掛かることがあるということを御認識いただければと思っております。

そういう意味で、未検査米と検査米は違うところがあるということです。もちろん未検査米についても品質確認がされて、流通されているのも承知しております。我々としては、未検査米についても、検査米と同等の品質確認がされたものが使用できるように御指導いただければ有り難いと考えております。

三つ目の問題は、基準の適用時期の問題でございます。この問題につきましては、今年、コロナ禍から中食・外食需要が減って、米の需給が非常に緩和をしていまして、数年ぶりに米の価格が下がっております。需給の緩和というのは、引き続き来年においても続いていくだろうと見通されておりまして、来年産米については過去最大規模の減産が見込まれていますが、その達成度合いによっては、更に産地間、あるいは品種間、産年間の価格競争が懸念されます。そうした中で、今まで検査米の3点セット表示をした米の価格競争の外にあった未検査米について3点セット表示をされると、また価格競争に拍車が掛かるのではないか、流通の混乱につながるのではないかということも心配をしております。これが一点でございます。

もう一点については、今年3月には上旬、中旬、下旬の旬別表示の導入に併せまして、精米年月日表示を精米時期に改めることになりました。それについては、元の表示が印刷された米袋が使えなくなるというロスをできるだけ減らすようにお願いをしまして、切替えの猶予期間を2年間認めていただきました。現在は、先ほどありましたように農産物検査証明によるとの表示ができないとなっていますので、そういった表示に切り替えるのは、同じように2年ぐらい猶予期間が必要ではないかと思っております。

また、来年7月ということになって今年産が使われるわけですが、今年産の収穫、検査、契約等もどんどん進んでいる中で、表示の根拠にできる資料とか確認方法、あるいは保管期間がまだ明らかにされていません。そういった状況を考えると、7月から適用されるということについては延期をお願いしたいと考えています。

最後のページをおめくりください。これまでお話ししてきたように、提示されている食品表示基準改正案については、申し上げた三つの課題があると考えております。今申し上げたような三つの点について御考慮いただければと思います。

また、栗原部長からありましたように、今回の基準改正というのは単に消費者が選択できる3点セット表示の精米商品が増えるだけにとどまりませんで、生産者の選択によって、これまでの農産物検査を前提とした米の流通と精米表示に大きな変化をもたらすものと考えます。したがって、新たな食品表示基準を施行するに当たっては、生産者から消費者まで米流通に関わる全ての関係者が新しい基準と農産物検査のことを正しく理解できるように周知徹底を図る必要があると考えています。

また、新たに3点セット表示ができるようになる未検査米について重点的に監視・指導をお願いしたい。厳正に罰則が適用されることも要望いたします。

以上でございます。長くなりまして失礼しました。ありがとうございました。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、最後に、千田みずほ株式会社の佐藤常務取締役より御説明をお願いいたします。

○千田みずほ株式会社佐藤常務取締役 皆様、こんにちは。

私、千田みずほ株式会社の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。

本日は、資料を準備してまいりましたので、資料5をお開きいただきたいと思います。

まず最初に、当社の概要を御紹介させていただきます。当社は、米穀事業と言われるものと米飯事業という二つの業態に分かれております。米穀事業につきましては、千田みずほ株式会社として運営しておりまして、これはいわゆる素材としてのお米を主食用であり、加工用であり、輸出用など、用途別に全て区分して取り扱うという事業を行っております。お米は捨てるところがほぼありませんので、全てを用途別に加工して販売するという業務を行っております。

それから、加工及び販売において非常に重要になっていますのは、やはり品質管理です。これは出来上がった品質そのものも大事ですけれども、作業工程、又は製造工程における管理が非常に重要になっておりまして、当社は、ここにありますような各種国際認証も含めて多くの認証を受けて、工程管理と製品管理に注意しています。それから、当社には新潟支店がございますが、ここは農産物検査の登録検査機関を取得させていただいて、検査を行っております。

それから、米飯事業です。これはお米を炊いて、その後、炊飯されたものの加工・販売になります。お弁当からお寿司から様々なお米の加工品を、関東一円のスーパーマーケット等、様々な販売先でお取扱いいただいておりまして、これは単純な平均値ですが、おにぎりでしたら1日3万1000個ほど作って供給しています。

ここもやはり管理、品質、工程においての様々なチェックが必要ということで、ここにありますような認証を頂いて、実行しているという状況です。

私たちの会社としては、基本的に「安全なおいしさ」、「健康的な食生活」、「安心な環境」というものが、私たちが行う事業の中での使命と考えております。それから、製品及びサービス全般を通して、環境というものに特に配慮することが重要ということで、例えば米飯事業で出てきます残さをエコフィードということで豚の餌にできるところと提携して、そこで毎日残さを餌にしています。

紹介はここまでにさせていただいて、私たちの考えということで、2ページでお話をさせていただきたいと思います。

まず、前段に消費者庁からも説明がありましたけれども、玄米の検査規格と精米の品位というものは全くリンクしていないということを御理解いただきたいと思います。もちろんそういうことからいえば、精米の品質そのものを玄米の検査が担保しているわけではないということです。ここを御理解いただきたいと思います。

私の表現がちょっと悪いかもしれませんが、あたかも、未検査米は生産者が悪意を持って作ったもので、その品質は検査品と比べて劣っているかのようなお話がありました。私はこれは全く間違っていると思います。私自身は、山形県の中山間地の稲作農家の息子で育ちまして、農業につきましては経験をしておりますし、農業団体にもおりましたので、ある程度全体像は承知しているつもりです。それを踏まえて申し上げれば、生産者は、まず、安全で安心でおいしいお米を作るために日々努力しています。それは家族のためでもあります。家族にそのようなものを食べさせるような発想の方はいらっしゃいません。栽培するお米の種子の確保、使用する肥料だったり農薬の種類、使用方法、更には刈取りとか乾燥、調製、一連の作業に細心の注意を払って作業されているというのが実態です。

また、その作業工程において、帳票類ですが、例えば種子を購入すれば種子の購入伝票とか、又はそれをきっちり管理台帳に記載するとか、そういうことで帳票類も保管されておりますので、管理履歴がちゃんと明確になっているという方が多いです。そのことから、検査を受けるのか、受けないのかは生産者自身の判断ということです。生産者自身の判断で選択しておりますので、要は、検査品と未検査品にそういう品質格差は現在存在していないと私は認識しています。

例えば20年、30年前には、意図的に増量するために普通のお米の中に、ふるい下と言われる規格外のものを混ぜて作ったとか、それは過去にそういう事故もありましたけれども、現在においては、そのような生産者の方はいらっしゃいませんし、そこは誤解をしないでいただきたいと思います。

3ページに参りますが、近年、お米の品質分析機器の能力が非常に高くなっております。その品位分析が行われ、データがちゃんと管理履歴とリンクできる。それによって製品のトレースは十分担保できると私たちは考えています。

更に言えば、ここにあえて出荷者と書いてあります。これは生産者がその部分を担うだけではなくて、私たち流通に携わる者、加工に携わっている私たち自身もこの部分は非常に重要な役割を担っており、品質管理に係る記録、そのために必要な機器、人、これを多額のコストを掛けて準備して、最終的に消費者の方には安心で安全なお米を届けなければいけないということでやっているわけですので、そういう意味では、安心していただきたいと思います。

これらのことを申し上げますと、未検査品と言われているものでも、その根拠資料がちゃんと確認できるのであれば、表示については問題ないと思います。ただ、そのときに表示の仕方です。表現方法とか、何が担保として必要なのか、ここを明確にしていただければよろしいのではないかなと思います。

それから、私たちは農産物検査法を否定しているわけではありません。農産物検査法は農産物検査法として、選択する方はしていただいて結構です。でも、それ以外の未検査でも流通、販売をしていきたいという方の、その選択肢を奪わないでいただきたいということです。

先ほど、これまで御説明された方々の中でありましたけれども、悪意を持って意図的に製品内容と違う表示をするとか、又はそれに伴って消費者に対して不利益がもたらされるとか、そういうことが仮に行われた場合、これは私たちも含めてですが、今この現在において、SNSも含め、風評も含め、もうその段階で事業の存続ができなくなるというのが今の状況です。そこまでのことを考えてそのようなことを行うということは、まず考えられないと私たちは考えております。

4ページになりますけれども、今回の表示事項の変更、出荷者という表現をさせていただいて、私たちも含めてのことですけれども、これは大きな責任がありますし、もしこの表示が行われることになれば、今まで以上に責任が重くなると感じております。それにしっかり応えていった上で、消費者に対して製品を供給しなければ、私たちの仕事はなくなってしまうと捉えております。そういう意味で、私たちの意識というのは更に高まると捉えていただきたいと思います。

私たちは、前段の会社の紹介でも申し上げましたように、消費者はどう考え、何を求めているかということで日々、非常に苦労をしながら商品開発や販売を行っているわけです。私たちは、先ほどの流通形態が変わっていますよと。徐々にJA出荷が減って、直接販売が増えているという、この流れの中で、私たちも直接生産者の方との取引数量が増えています。これはお互いに望んでいることです。これはなぜかというと、お互いに直接顔の見える関係で仕事をしていきたい。私たちは消費者又は加工メーカーのニーズを生産者の方々にフィードバックして、生産者の方々はそれに応えて売れる米を作ってもらいたい。さらには、生産コストを下げてもらいたい。それによって最終的に、よりリーズナブルな価格のものが生まれてくる。このように考えて事業を展開している中で、検査米や未検査米で、未検が劣悪だうんぬんとか、不安が非常に大きいとか、そういう部分は先ほど申し上げたような対応で十分担保できると考えておりますので、ぜひこの辺、選択肢として未検査米も表示が可能というところは進めていっていただきたいなということを申し上げて、私の意見とさせていただきます。

ありがとうございました。

○受田部会長 どうもありがとうございました。

限られた時間の中でそれぞれの考え方、また、問題の提起等を御紹介いただきました。それぞれ資料に基づいて御説明いただきましたので、この資料を御覧いただきながら、この後、部会の委員の皆様からそれぞれ御質問や御指摘も頂きたいと思っております。

最初の部分では、消費者庁から前回の部会の指摘事項等について、更に補足の御説明も頂いておりますので、消費者庁からの説明も含めて、まずは全体にどこということは限定をせずに、委員の皆様から御質問、コメントを頂いて、その後、一定類型化できそうであればポイントを少し絞りながら意見交換を進めてまいりたいと思います。

なお、本日は、お昼を挟んで申し訳ございませんけれども、1時を最長としてこの部会を考えておりますので、後ほど時間を見ながら休憩も挟ませていただきたいと思っております。

それでは、まず、委員の皆様から御質問、御意見をよろしくお願いいたします。御質問、御意見がおありの方は、チャットでまず御発言ある旨、手を挙げていただきたいと思います。

いかがでしょうか。私の手元ではチャットがすぐに認識できないのですが、渡邊委員から御発言があるということで、よろしくお願いいたします。

○渡邊委員 渡邊です。

最初に御説明いただいた井村さんと最後の佐藤さんのお二人に質問なのですけれども、お二人とも検査の負担が金銭面あるいは手間でかなり掛かっているという御説明があったのですけれども、今、検査のほうが、この間説明を聞いた感じでは、自分からサンプルを持っていかなくても来てもらえるとか、そのような形にこれから変更になるようなのですが、具体的にどのくらいの負担になっているか、可能な限りでいいので御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

○受田部会長 ありがとうございます。

それでは、今、冒頭、井村さんに対して、それから佐藤さんに対してということでございましたけれども、それぞれお答えいただけますでしょうか。まず、オンラインで御参加いただいております井村さん、いかがでしょうか。

○日本農業法人協会井村副会長 御質問いただきまして、ありがとうございます。

まず、検査料というのが60キロ当たり幾らというのが検査機関によって決まっておりまして、大体私どもが調べたところによりますと、60キロ当たり50円から200円ぐらいの間で、まず60キロ当たりの検査料というのが掛かってきます。それに検査員の交通費だとかそんなものも掛かってくるのですけれども、そういう直接的なコストにプラスアルファしまして、農繁期の稲刈りをしている一番忙しい時期に社員を配置しまして、例えば米袋のサンプルを取る仕事でありますとか、それにシールを貼ったりとか、判子を押すこともお手伝いしたり、倉庫等から検査をするためにパレットを一旦動かして、検査官が検査しやすいようにそれを出し入れしたりするような人件費も掛かってきます。数量にもよりますけれども、私どもの農場では検査の日になりますと丸一日、従業員が2人ぐらい貼り付くような形で検査官の検査に立ち会うようになっておりますので、直接的な検査料にプラスして、その検査を受けるために大変人件費が掛かっていると認識しております。

○渡邊委員 ありがとうございました。

○受田部会長 ありがとうございました。

佐藤さん、いかがでしょうか。

○千田みずほ株式会社佐藤常務取締役 今、井村さんが、より今は現実的に現場に近い方なので、実際の費用部分もおっしゃっていただいたわけですけれども、私のほうから申し上げたいのは、同じ意味合いになりますが、やはり検査手数料であり、検査補助員に対する人件費であり、さらには、検査場所によって事情は違いますけれども、農家の方が最終的に玄米を調製して、それを持ち込むのか、それとも引き取っていただくのか、その上で検査を受けるのか、ここで費用がまた変わってきます。ここの部分は一般的にはなかなか農家の方の庭先を回って集荷をして、検査場所まで運んで、そこで検査を行って、更に保管というのが一般的な手順なのですけれども、ここで多少の費用の違いは出ます。それだけの手間と時間で金額も含めて掛かっています。ここが大分変わってくるのだろうなと思います。

未検査という表現が私はあまり好きではないのですけれども、検査を受けないことによって、その辺の費用は大分削減されるのではないかと考えています。

○受田部会長 ありがとうございました。

渡邊委員、よろしいでしょうか。

○渡邊委員 ありがとうございます。

○受田部会長 続いて、前田委員から御質問、コメントがあるということで伺っております。前田委員、よろしくお願いいたします。

○前田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。

日本農業法人協会の井村さんに御質問なのですけれども、資料2-1の4ページ目から、全国の協会会員様向けのアンケートということで回答を拝見しているのですが、これは対象になられる生産者さんは何社ぐらいいらっしゃるのでしょうかということが一つ。

設問6で、「今のままで良い」という方や、「もっと厳しくすべき」という方が3割から4割ぐらいいらっしゃるのですけれども、こちらの方たちはどういった理由でそのように思われているのかをお伺いしたいなと思うのですが、もし分かりましたら教えてください。

質問は以上です。

○受田部会長 井村さんにまた御質問ですけれども、お答えいただけますでしょうか。

○日本農業法人協会井村副会長 御質問いただきまして、ありがとうございます。

私どもは2,000社くらいの会員がおりまして、その中で全てがお米を作っているわけではありません。畜産農家であるとか、花き農家であるとか、いろいろな農家が集まっておりますが、今回示してありますように有効回答数112ということで、この調査の仕方としては、インターネットリサーチという方法で皆さんにインターネットのフォームを御案内して回答いただいているということで、当然この112社というのはお米を中心に作っていらっしゃる方で、会員の中でもお米を中心に作っている方の声というふうに取っていただければと思います。

それと、6ページ目の設問6です。「現在販路にかかわらず、農産物検査を受けている全ての方に伺います。現在の検査規格についてどう思いますか」というところで、「今のままで良い」というところですね。

これは仮説になりますけれども、検査については大変長く続いている検査でありまして、私どもも本当にずっと検査を受けております。こういった中で、今まで慣れているというところで保守的な部分の感想が入っているのかなということを個人的に思っております。

「もっと厳しくすべき」という声については、私たち生産者はすごく真面目な方が多くて、検査の中でも厳格にできていない部分もあるのではないかと感じている農家がいて、そこに対してもっとしっかりやるべきなのではないかという声というふうに私は取っております。

○受田部会長 ありがとうございました。

前田委員、よろしいでしょうか。

○前田委員 はい。ありがとうございました。

○受田部会長 それでは、続いて、御質問がおありの方は、またチャットでお申し出いただきたいと思うのですけれども、菅委員、よろしくお願いします。

○菅委員 ありがとうございます。

全米販さんと千田みずほ株式会社さんにお尋ねしたいのですけれども、3点表示をする上で、農産物検査を受けたものは受けたことを、受けていないもので自主的な確認によるものはそうであることを表示する義務があると制度設計することについては、そうなっても販売者としては特に不都合がありますか。あるとすれば、どのような不都合があるのですかということを、まず全米販の厨さんにお聞きしたいと思います。

もう一つ、全く同種の質問ですけれども、千田みずほ株式会社の佐藤さんにも、そのような自主的な検査によるというものであることを表示する義務があるとした場合に、何か積極的な不都合があるのかどうか。あるとすれば、なぜ、どのような不都合があるのかということを教えていただきたいと思います。

他のお二方からは、それぞれのお立場でこれに関連する御意見を頂いたのかなと思いますので、お願いしたお二方にお伺いします。

○受田部会長 それでは、全米販の厨さん、よろしくお願いします。

○全国米穀販売事業共済協同組合厨常務理事 私どもは、先ほど申し上げましたように、今の制度の中で検査証明によるということを書かずに表示してきております。先ほども申し上げたように、それが前提で袋なりを準備して、できれば検査証明によるということを書かずにそのまま表示できればいいとは思っております。ただ、検査によらない方法で証明をされたものとそうでないものは区別されたほうがいいとは思っておりますので、できれば検査証明によらないものについて表示をしていただくというのが一番いいと思っております。

もし、我々も検査証明によるということを書くのだったら、今は書いてはいけないというルールの下で袋を準備しておりますので、それを切り替えるためには準備して一定期間必要になりますし、その改版には、今年の春に決まった精米時期への表示切替えでも1社当たり改版費用だけでも数百万円以上掛かっているわけです。そうした袋をまた変えるという話になると、それは準備期間も要るし、費用も掛かるということなので、圧倒的に検査米が多い状況で、新しく未検査米を表示することによって圧倒的に多い検査米を使っているところの表示を全く変えるということが消費者にとっていいことなのかどうかということは、コストの掛かることなので、決められたら我々はやりますが、そういう問題はあると考えております。

○受田部会長 同じ質問を千田みずほの佐藤さんにもということです。よろしくお願いします。

○千田みずほ株式会社佐藤常務取締役 それでは、まず結論から申し上げますと、大きな不都合はございません。それはなぜかと考えますと、このお話はあくまでも家庭用消費の一般消費者向けという商品を前提にしておりますが、これまでの様々な方からの説明の中で、どんどん契約栽培というもの、いわゆる生産者と流通又は消費者との直接契約が増えてきております。これは国の政策もあって産地側がどんどん大規模化しているわけです。大規模化させることによって生産量が増えますね。そうすると、やはり生産量が増えた段階で、生産者の方は自分たちで売っていきたいとなります。自ら工夫をして売っていくことになります。

一方で、私たちも今、不特定多数の産地から同一銘柄という購入の仕方があります。いろいろな県で同じ品種を作っておりますので、不特定多数のお米を扱って、それを製品化している商品もあるのです。その優劣はもちろんありませんけれども、私たちの考えとしては、今後そういう産地側がどんどん大規模化して集約化される。その方々と一緒に作られたものを消費者に届けていきたい。私たちだけではなくて生産者の顔が、消費者と一緒に産地の方も見えるような、そういう商品づくりをしていきたいし、実際にやっています。そのことによって品質とか食味の担保というのも同時進行でできますし、お互いに言いたいことを言い合いながら、よりいいものを作る。安心なものを作る。こういうふうに進めていくつもりでいますので、そういう意味では、消費者の方にとっても決して悪いことではないと私としては考えております。

○受田部会長 菅委員、お二人にお答えをいただきましたが、よろしいですか。

○菅委員 はい。私がお聞きしたことへの端的なお答えを超える内容も含まれていたかもしれませんけれども、要するに、自主的な検査によるものであることを表示する義務があっても差し支えがないというふうにお伺いしました。結構です。

○受田部会長 お二人のお答えはそういうことであったと私も思います。ありがとうございました。

それでは、続いて、石川委員、今村委員から御質問、コメントがあるというふうに手を挙げていただいております。順番で参ります。石川委員、お願いします。

○石川委員 石川です。よろしくお願いいたします。

消費者のほうから見ますと、やはり最終、私どもの手に入るお米の袋に表示されているこの3点セットというのは、基本的に少なくとも安全性については担保されているという印象を受けますけれども、それについては今いろいろと御説明いただきました生産者の皆様の御努力で、これは担保され続けるということでございましたので、安心したところです。

実際には、袋に表示されている問合せ先というのは、私がスーパーなどで拝見している限りでは、販売者の電話番号が一番多く載っているように思ったのですけれども、消費者が何かしら感じたことがあって問合せをしようとすると販売者にお電話をするという格好になるかと思います。そういった関連からいきますと、先ほどの御発表の中で、全米販様、千田みずほ様が、いわゆる関連する事業者に対して趣旨を徹底していく必要があるという御提起がありました。特に販売事業者の方々にこの趣旨を徹底するためにはどんな手法があるのか。現況の中でこの趣旨徹底というのが本当に可能でいらっしゃるのか、その点を教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、質問をしていただいた、まずは全米販の厨さん、そして、千田みずほの佐藤さんの順番でお願いいたします。

○全国米穀販売事業共済協同組合厨常務理事 私どもの組合員に対しては、規制改革推進会議で議論されているときから何度か趣旨を周知徹底しているつもりではあります。どちらかというと我々が心配しているのは、我々の組合とか、全くそういうところに所属されていない方々、また、生産者の方々にはどうやって伝わるのかなというのが非常に、そういう意味では情報格差というのが気にはなるところです。結局、今までは検査をした検査機関がこの3点セット表示については証明をするというところで確認されていたのですが、そういうことがなく、生産者が選択をすれば表示ができるようになるということですので、その辺のところが、関係行政機関の方々にどうやって周知をしていただくのかというふうに考えておるところであります。

○受田部会長 それでは、千田みずほの佐藤さん、お願いします。

○千田みずほ株式会社佐藤常務取締役 御質問ですけれども、私の立場からすると、一企業がそのような趣旨説明又は徹底のために何ができますかと言われれば、どちらかというとその部分は、業界団体だったり行政の皆様にある程度お願いせざるを得ない部分がございます。逆に、もしこの表示関係が変更されることになった場合、どちらかというと私たちが趣旨説明又はそのことをやらなければいけないのは、取引先のバイヤーさん、それからその先にいます消費者様、ここに対する説明のほうが非常に重要だというふうに私の立場では考えますので、そのためにはどういう資料を準備しようか、どういうきっかけをつくって、どういうタイミングでやればいいのかなというふうに考えてしまいます。どちらかというと、私の取引先の川下にある百貨店様、スーパー様を含め、そういう事業者様への説明のほうがより重要かと思います。

○受田部会長 五十嵐課長から手が挙がりましたので、五十嵐課長からコメントを頂きたいと思います。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 石川委員の質問に対してですけれども、当然それぞれの団体や企業単位で情報を発信していただくというのはあると思いますけれども、お二人からのお話もありましたとおり、まずここは行政機関で制度が改正された際には周知徹底をしっかりとやっていくということでございます。これまでも食品表示基準は大きな改正をした場合には、説明会ということで全国を回る等、周知、普及をしてきたところです。

今回に関して言えば、生産者、卸の団体、それから消費者ということで、特に生産者や卸の部分については、業を所管している農水省とも連携をして、幸い、割と団体単位でしっかりとまとまっているということもありますので、両省で連携をして、しっかりと周知、普及に努めていきたいと思っております。

○受田部会長 ありがとうございます。

行政のお話が出ましたので、今、五十嵐課長からコメントを頂きました。

石川委員の質問に対してお答えいただきましたけれども、石川委員、いかがでしょうか。

○石川委員 承知しました。御丁寧にありがとうございました。

○受田部会長 この後、今村委員から更に手が挙がっておりますけれども、1時間半経過しましたので、ここで10分ほど休憩を取らせていただいて、11時40分に再開で、また議論を継続してまいりたいと思います。少し休憩を取らせていただきます。

(休憩)

○受田部会長 それでは、再開をさせていただきます。

今、委員から御質問やコメントを順次頂戴しております。今、私の手元、次は今村委員から手が挙がっておりますので、今村委員を御指名させていただきます。よろしくお願いします。

○今村委員 今村です。

私は、JA全農の栗原さんに質問をしたいのですけれども、JAから頂いている意見、私は非常に近くて、特に三笠フーズのときに私は実際に調査のときにもある程度関与させてもらっていて、非常に今までの制度でも不備があるなと思っております。長年どちらかというと悪意の事業者の方々と向き合ってきた人間としては、今のこの規制で本当に監視ができるのかということを疑問に思っています。

ただ、4ページに栗原さんから御提案いただいている意見②の上から三つ目の丸で、根拠資料を確認することを義務付けるべきということを入れておられるのですけれども、これは私も昔からそう思っているのです。ただ、これをすると今の規制よりもはるかに厳しい規制になってしまうのではないかと思うのですが、そうならない方策というのは何か考えとしておありでしょうか。その辺を教えていただければと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

それでは、JA全農の栗原さん、お願いいたします。

○全国農業協同組合連合会栗原米穀生産集荷対策部長 今村委員の御発言、ありがとうございます。

まず、義務付けるべきという部分なのですけれども、はるかに厳しくなるということを御指摘いただいたのですが、ここはどこまでを具備していただくかというのをしっかりと議論いただいて、整理していただければと思います。我々としては、しっかりと根拠資料としてということで、生産者の種子・苗購入伝票とか営農計画などを書いてございますけれども、この消費者委員会でしっかり議論いただいて、どこまで具備すべきなのかというのを整理いただければと思います。我々としてはしっかりやってほしいというのが思いです。

性善説と性悪説があるのだと思いますけれども、真面目な業者の方もいらっしゃるし、不真面目な業者の方もいらっしゃるというのが世の中、流通の中でございますので、そこをどこで線を引いていただくかというのが極めて重要なのかなと思っております。三笠フーズ問題のような形で、消費者が不利益を被らないように整理していただければと思っております。

以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

今村委員、よろしいですか。

○今村委員 私もそう思っていますので、御意見はよく分かるのです。悪い人たちをちゃんと取り締まるためには規制を強化するしかない。こういった確認事項も証拠書類も義務付けるしかないと思うのですけれども、その中で、私は今までその意見は言っていないのですが、なぜかというと、やはり規制を緩和していかなければいけないという世の中の流れがあって、それに対して、今、緩くなるという前提で議論をすると、これが言えないなと思って今まで言っていないのです。でも、これを言って、更に規制が緩くなるような方策があれば、ぜひ考えを教えてもらえればと思ったのですが、それはなかなか難しいということであれば、現在のほうがいいという意見と考えてよろしいでしょうか。

○受田部会長 栗原さん、いかがですか。

○全国農業協同組合連合会栗原米穀生産集荷対策部長 規制緩和の観点からいうと、やはり非常に厳しくなることを言わせていただいていると。だから、我々としては、規制緩和の観点からいうと逆行しているとは思います。そういう方策があるのかというと、具体的にはないと思っています。

○受田部会長 それに関して、それでは、五十嵐課長からコメントを頂き、更に渡邊委員からも関連のコメントがあるということなので、その後、御指名させていただきます。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 ありがとうございます。

今村委員がおっしゃる御指摘はごもっともなところであると思います。私たちも今回、規制緩和の側面というのは、どちらかというと一生懸命やられている農業者なり卸売業者、要するに生産者側の方に対する規制緩和でありますが、それによって消費者に不利益を与えたり、いいかげんな表示がなされるというような改正は、当然ながら行ってはならないと考えます。そうならないように、今回、根拠資料の保管を実質的に義務付ける。要は、それがなければそういう表示ができないということにしたところでございます。

先ほど全農からもありましたけれども、具体的に根拠資料の保管方法とか、どういう資料を保管させるかというのは、食品表示基準の解釈として別途通知で定めることとしております。表示の根拠資料の保管というのは、当然、表示を行う表示責任者である販売者が行うということが原則になっていきます。したがいまして、それができない場合には3点表示はされないということになります。

ついでに、三笠フーズの話が出たのでお話しをしますが、事故米の不正規流通の問題で解明に時間を要したというのは、取引記録の作成の保管が義務付けされていなかったというところがあって、事業者に対して任意での協力を求めるしかなかったためということは伺っております。そういう意味で今回は、表示をするのであれば、根拠資料の保管が必要ということがで、明確に表示基準に書かれますので、そういう意味では捜査がやりやすくなるといった側面はあると思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

今、具体的に通知のお話がありましたが、それに関しては今日の場ではないので、今後の議論とさせていただくということで、これに関連する質問、コメントだと思うのですけれども、渡邊委員、お願いできますか。

○渡邊委員 ありがとうございます。

私も、今の今村委員が言われたこの点、非常に面白いなと思って聞いていまして、確かに今回変えようとしている点で、やはり信頼性を担保するというのがすごく大事だなと思っていまして、その点では、今、五十嵐課長も言われましたけれども、販売者自らがちゃんと根拠資料を確認する。

それから、根拠資料も、できれば、この資料とこの資料とこの資料は必ず要るというようにしておくというのは非常にいいことだなと思ったのですけれども、これについて、厨さん、佐藤さんは販売者だと思われるので、どのように思われるか、ちょっと意見をお聞きしたいなと思いました。よろしくお願いします。

○受田部会長 ありがとうございます。

ここは監視の部分につながっていく極めて重要なポイントであることは前回の議論でもございました。今、渡邊委員から具体的に根拠資料に関して質問を、厨さん、佐藤さんの順番で回答をお願い申し上げたいと思います。

○全国米穀販売事業共済協同組合厨常務理事 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私どもの考えとしては、表示責任を負っている販売者として、その根拠資料を保管しなければいけないのは当然のことだと思っています。ただ、その根拠資料が、実際に我々が受け取って精米する現物と一致しているものかどうかというのは、産地の段階で確認をしないといけないという問題がありまして、もちろんそこで販売者が直接生産者から買う場合はそれで確認できますが、どこかで確認されたものが転々流通したときに現物と一緒にちゃんと根拠資料が我々の手元に来ないと、それを検証するなり消費者に対して証明することができませんので、そういうことがきちんと担保されるようなこと。

また、産地か、あるいは途中の流通段階の方々にも、こういう資料が欲しいということをちゃんと契約なりで要求しなければいけないことになるので、そういう意味ではきちんと、どういうものが必要だということを明らかにしていただいて、その確認の方法、こういうものを確認したものであれば根拠資料として認められるということを明らかにしていただくことが必要だと考えております。

○受田部会長 根拠資料の内容と、それを確認する手段の部分ですね。

佐藤さん、いかがですか。

○千田みずほ株式会社佐藤常務取締役 現実的なお話として申し上げますと、検査品、いわゆる農産物検査を受けたお米をそのまま私たちは購入していますけれども、そのままの姿でスルーして、そのまま工場で加工して精米にして店頭で売っているというようなことをやっているわけではなくて、検査品であっても、又は未検品であっても、全て社内の規格にのっとった品質検査を改めてやっているのです。それも納入された全量において検査を行って、もし不都合があれば、不都合というのは大体、例えばかびが出ているとか、量が少ないとか、いろいろありますが、どちらにしても自主基準に基づいて、まずは入口の段階で再検査をしております。それは目視とかそういうレベルではありません。全部機械検査になります。最終的に炊飯をして、官能試験を行うわけです。その官能試験で初めておいしさが確認できて、それで売りましょうと、このような手順を踏んでいるわけです。

そういう意味では、極端なことを言えば、私たち流通業者が品質保証の大宗を担わせていただいていて、これがもししっかり確保できていなければ、取引先からも取引がなくなりますし、最終的には消費者の信頼も得られません。このようなことにつながるわけですので、非常にその部分については重要なことと考えて、体制を取っています。

根拠資料という捉え方をすれば、さっきも申し上げましたが、表示の部分で担保するべき表示資料、これを生産者に求める段階で、私たち、さっきも申し上げていますけれども、顔の見える取引先との関係を広げていきたいと言っているわけですので、根拠資料の前提となるその人物、立地も含め、どういう人なのか、どういう栽培をされていて、面積も含め、様々な情報をしっかり確認して、その上で根拠資料の提出を求めるというふうになりますから、不特定多数の方から購入するということで考えた場合は、さっき厨常務もおっしゃっていましたけれども、やはり一定の決まった様式といいますか、それは明確に決めていただいて、それが最低限度の根拠資料の前提ですねというふうにしていただければと思います。

○受田部会長 なるほど。具体的に千田みずほさんの今のこういった根拠資料や確認の方法について、現状も御紹介いただき、それを一つモデルにしていくこともできるのではないかというお話でございました。

ここの部分、委員の皆様、非常に御意見、コメントがあるようですので、お二人関連して指名させていただきます。まず、戸谷委員、それから、その後また菅委員ということで、お二人続けてお願いいたします。

○戸谷委員 戸谷です。

全農さんの資料の3ページで、農業者と販売者がイコールフッティングのお話がありましたね。そのことは、全米販さんのほうで言われている販売者まで根拠資料の情報が確実に伝達されるという趣旨と同じように理解していてよろしいのでしょうか。

それとも関連いたしますが、全農さんの資料の次のページで、さっきも議論になっていた客観的な根拠資料を確認することの義務付けのお話ですけれども、この辺は生産者側、あるいは販売者側にとってもそれなりの負担になるのではないかと思うのですが、この辺についてのお考えはどんな感じでございましょうか。

○受田部会長 ちょっと後半が聞き取りにくかったのですが、後半の部分は、根拠資料に関しての具体的な中身について御質問いただいたということでよろしいですか、戸谷委員。

○戸谷委員 それでいいですが、客観的な根拠資料を確認することの義務付けに伴う生産者や販売者のコストや手間の負担などは、結構、増えるのではないかと思うのですが、この辺についてのお考えはどういう感じなのでしょうか。

○受田部会長 分かりました。根拠資料に関して、これは結局先ほども議論があったとおり、逆にコストやマンパワーが必要とされる、この辺りをどう考えるか。

その前の部分は、3ページにあった農業者と農業者以外の販売者とのイコールフッティングの部分、これも先ほどの議論とつながっていくかと思いますが、これも全農さんへということなのでお答えいただいて、次に菅委員に回したいと思います。

○全国農業協同組合連合会栗原米穀生産集荷対策部長 御質問ありがとうございます。

まず、イコールフッティング、販売者、農業者の関係でございます。やはり信頼性を確保する、消費者にしっかりとそういうのを担保していくということが必要だと認識していますので、農業者だけではなくて、農業者以外の販売者にも同様にそういう情報をしっかりと持っていただくと。それが4ページの義務付けにつながっているということでございます。

それと、コストの関係でございます。確かに販売業者の方にも情報を管理していただくということが消費者のためにも重要なのですけれども、コストが一定掛かるということになろうかと思います。それについては、消費者を保護する観点から、そういう部分も含めて販売業者の方にも選択をしていただくということが重要なのかなと思っています。

農産物検査の部分についてもコストが掛かっているということを先ほどもお話しされていましたけれども、こういう形の農産物検査によらない流通、これにもやはり一定のコストを掛けながら、生産者に不利益にならないようにしていくということが極めて重要なのかなと思っております。

それと、具備すべき要件をどこまでにするかによってコストが変わってくるのだと思いますので、そこら辺は御議論いただければと思います。我々としては、具備する要件はこういうものが必要なのではないかということで書いているということでございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

戸谷委員、よろしいでしょうか。

○戸谷委員 分かりました。これは全米販さんのほうにお聞きする話かもしれませんが、やはり販売者側としての・・・。

○受田部会長 すみません、恐れ入ります。ちょっと音声が途切れ途切れになって聞き取れない状況なのですけれども、申し訳ありません。戸谷委員、お手数ですけれども、追加に関してはチャットで御入力いただけますでしょうか。後でそのチャットを拝見して質問させていただくようにいたします。恐れ入りますが、よろしくお願いします。

○戸谷委員 では、とりあえず結構でございます。

○受田部会長 それでは、今の点、五十嵐課長から補足コメントがございます。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 議論が錯そうしないように、事実関係だけ説明させてください。根拠資料の保管に関しては、前回も申し上げたとおり、何をどこまで、どのようにということは今後、通知でお示ししていこうと思っています。その作成に当たって、実は今来ていただいている事業者の方々、生産者も卸も含めてヒアリングを行わせていただいている状況でありまして、実態に即した、ちゃんとワークするようなものを作っていくということで、鋭意取り組んでいるところであります。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

今後の根拠資料の中身をどういうふうに具体化していくかに関して、考え方を五十嵐課長から御紹介いただきました。

これに続いて、次に、菅委員から関連の御質問がおありだということなので、菅委員に御発言をお願いしたいと思います。

○菅委員 すみません。皆さん発言の御希望がある中で、ありがとうございます。

今、青木委員がチャットで御質問されようとしていることとも少し関わるのかもしれませんし、全農さんにお伺いする必要があるかもしれませんが、根拠資料の確認等によって、限りなく農産物検査を受けた場合と同等にする努力が可能かどうかという問題に関して、それでもやはり検査米は未検査米よりも3点表示の根拠がしっかりしているのだと言える点があるのかどうか。先ほど「第三者性」といったお話もありましたけれども、確認する時期の問題であるとか、根拠資料の保管や確認だけでは足りない部分のようなものが何がしか最終的に残るのかどうかということについて、教えていただきたいと思います。また、先ほど議論に出てきたような、表示基準の「解釈の通知」というレベルのもので同等性が確保できるのかどうか。場合によっては、いっそ米トレーサビリティ「法」自体の対象を「産地」以外にも拡張するといいますか、そうしたことまで考えていくことは適切でないのかどうかということについて、これはひょっとすると農水省の方にもお伺いする必要があるのかも分かりませんけれども、皆さんの御意見があれば伺いたいと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

それから、関連しているというお話で青木委員からチャットで今入力があるということで、これは太田参事官から代読していただきます。

○太田参事官 事務局のほうから代読させていただきます。

青木委員から二つ御質問を頂いております。まず一つ目は、先ほどの菅委員の質問と関連しておりますけれども、読み上げさせていただきます。「産地、品種、産年の表示根拠資料として、農産物検査は実質的にどれくらいの意味をなすのでしょうか。もともとは生産者の準備した種子購買、栽培記録を確認するのでしょうから、生産者自ら記録を確認するか、第三者がその記録を確認するかだけの違いでしょうか」というのが1点目でございます。

二つ目は全米販様への御質問でございまして、読み上げさせていただきます。「表示根拠資料が生産者から販売業者まで、全ての流通段階まで伝達される仕組みとあります。ここで言う販売業者とは、表示を行う者という意味でしょうか。販売業者(表示を行う者)は、その根拠資料をもって内容の妥当性の判断が実際にできますでしょうか」というのが2点目でございます。

以上でございます。

○受田部会長 最初に菅委員から御質問いただいた点については、これはずっと今、議論になっている根拠資料自体が極めてストレートな質問だったかもしれませんが、未検査米に対する根拠資料、この確認によって検査米と同等性が確保できるとお考えかどうか。足りないものがあるとしたら何か、こういった御質問でした。

これに関しては、どなたにということではなかったかもしれませんけれども、これはそれぞれのお立場で順番に御意見を伺いましょうか。菅委員、どなたかにというのはありましたか。

○菅委員 直接的には全農の栗原さんかなと思って質問させていただきました。他の方でも何かおっしゃりたいことがあれば。

○受田部会長 分かりました。では、まず全農さんに伺って、あとはコメントがあればということで。

○全国農業協同組合連合会栗原米穀生産集荷対策部長 私の資料の4ページが農産物検査をするに当たっての3点表示の根拠として、検査前の情報などをしっかりと我々として担保させていただいて、生産者との関係で、それで検査のときにも検査請求、形質判断などをやって、それによって3点表示のできる玄米を販売業者に御提供させていただいているということなのですけれども、検査をしないお米で同等にそういう根拠資料が必要だということによって、検査によらないものも3点表示できるようになるには、やはりこういう4ページの部分の整理が必要なのだと思います。その中で、これはやはりコストが掛かり過ぎるということであれば、それを除いていただいたり、それによって例えば消費者が不利益を被らないと判断されるのであれば除いていただいたり、そういうことをしていただくことが必要なのかなと思っております。まずはこういった根拠の資料が必要だと、全農として、JAグループとしては認識しております。

○受田部会長 他の御出席の方で、この点についてコメントがあれば、お願いします。

佐藤さん、お願いします。

○千田みずほ株式会社佐藤常務取締役 千田みずほ株式会社の佐藤です。この点についてちょっとお話をさせていただきます。まず前提として、生産者のその年の作付計画において、例えばこの面積及び品種は検査を受けよう、こちらの面積は未検査にしよう、こういうふうに作付計画の段階で区分して取り組んでおられる方はまずいらっしゃらないと思います。もちろん品種別の分類はありますけれども、最初から検査、未検という捉え方で取り決めている方はまずいません。

それから、さっき申し上げましたが、最初の農作業におけるステップとしては、種子の購入がスタートだと私は思っています。それも含めて、先ほど言いましたが、全て普通の生産者は記録を取っています。特に中規模、大規模になればなるほど、その部分の管理というのは翌年の生産管理にも影響する情報ですので、全くそんなの記帳していません、分かりません、伝票だけはあるねという方は現状ではいらっしゃらないと思います。未検査物でも、検査物でも、その情報量の同等性という表現をさせていただければ、同じと申し上げたいと思います。最終調整段階、稲を刈って、もみすりして、最後の玄米の姿にして袋詰めする段階、この段階で初めて販売先、又はどこにどう売るのかで検査を受けるのか、受けないのかというところの選択をされるのが生産者のほとんどの方の考え方だと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

井村副会長から御発言があるということで、井村さん、よろしくお願いします。

○日本農業法人協会井村副会長 ありがとうございます。

まず、関連しまして、全農の栗原部長に質問なのですけれども、4ページの資料で農産物検査における品種関連の根拠情報というのがあるのですけれども、これは例えば全農さんの下の単農さんとかが検査機関になって検査をしている場合がありますが、そこの現場で必ずこれだけのことをやっているということなのか、一般的に農産物検査法で定められた中でこれだけのことが要求されているということなのか、これを説明してください。

私も検査官の資格を持っていますが、検査官としてまずやるべきことは、農家さんから出てきた申請書に基づきまして、品種名と作付面積と、その種子の購入先です。どこから買いましたかということは聞くことになっているのですが、今、全農さんが書いてある資料のことを全て穀物検査法の中で担保されているとは思えないので、勉強不足だったら申し訳ないのですけれども、ここを教えてください。

それともう一点、今、年産と産地と品種名ということに対する表示の議論をしているかと思うのですけれども、私の知る限りでは、農産物検査の現場の中で確認するエビデンスも、未検査という表現が使われていますが、正確には自主検査ですね。農家の自主検査で確認する伝票も全く同じものですので、やはり最初の議論のように、検査米というものがより正確だとか優良性につながるとは思えないのですけれども、これは私からの発言です。

○受田部会長 ありがとうございました。

井村さんから全農の方への御質問ということだったのですけれども、今日はヒアリングの場で、皆様から御意見を頂くという場にしておりますので、相互の質問に関しては基本的にお受けしないつもりではいたのですけれども、今、井村さんから最初は御質問を頂いて、あとはコメントだと思うのですけれども、栗原さんへ、4ページの根拠資料の説明の書きぶりについては共有をしておいたほうがいいと思うので、今のは代表する声としてお聞きし、ぜひお答えをお願いできればと思います。

○全国農業協同組合連合会栗原米穀生産集荷対策部長 栗原です。井村さん、ありがとうございます。

4ページの表なのですけれども、おっしゃるとおり、農協が検査をするときには、品種別作付とか種子購入の部分を生産者からの検査請求によってさせていただいているということでございます。一方で、生産者が、青い矢印がございますけれども、こういうことも基本的には我々としてちゃんと準備を農協段階でしているという照合もできます。例えば販売事業者とか消費者から問合せがあったときにはこういうことを農協内部で確認ができますと、それによって担保できますよということで、こういう形で書かせていただいていますので、単純に、井村さんがおっしゃられるように、検査請求内容ではこういう品種別作付、種子購入のものだけなのですけれども、バックボーンとしてこういうものもあります、ということでございます。

○受田部会長 というところで、ここの議論はそれにとどめさせていただいて、今後、井村さんから頂いた貴重なコメント等については、Q&A等を考えていく上で極めて重要なお話だと思いますので、議事録にしっかりと残しておきたいと思います。

菅委員から、二つ目、こういう基準の改正を考えて検査米、未検査米の同等性を確保していくということになったときに、米トレーサビリティ法との関係も含めて、そのものに影響があるというお話があって、農水省へという、これに関して、上原室長、コメントいただけますか。

○農林水産省上原米麦流通加工対策室長 ありがとうございます。

トレサ法につきましては、まず、検査米であっても、未検査米であっても、現在、産地情報の伝達ということが定められていると認識をしております。したがって、今回の食品表示部会の結論に関わらず、検査を受けたものも受けていないものも引き続き、産地情報の伝達を適切に続けていただくことが重要ではないかと思っております。

○受田部会長 ありがとうございます。

そして、青木委員から、3点表示、産地、産年、品種に関して表示をしていくときに、その根拠資料の信頼性がどこまで担保されていくのか。また、実際に生産の現場、ここから販売して市場へと、どういうふうにこの情報が伝達されていくのか、あるいはいくべきなのかという点。これは先ほど菅委員からの御質問にも関係するのですけれども、青木委員からも御質問、御意見を頂きました。特に全米販さんにこれについてはコメントを頂きたいということだったと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○全国米穀販売事業共済協同組合厨常務理事 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、先ほど表示根拠という話があったのですが、簡単に申し上げて、新潟コシヒカリなどの産地、品種、ブランドは米の袋の表側に書いてあって、裏に一括表示欄があるのですけれども、裏を見て「検査証明による」とか確認する人はあまりいないと思うのです。だから、どちらかというと表に書いてあることが全ての消費者にとっては一番大きな情報だと思いますので、それの根拠ということに関して言えば、検査を受けようと、受けていまいと、同等の信頼性がないと消費者からの信頼を失うことになります。だから、先ほどからありますように、我々は、佐藤さんもおっしゃっていたように、そこで何か誤りを犯すと、刑罰を受けるだけではなくて、取引先から取引を止められてしまいますので、そういう意味では死活問題なので、未検査米においても同等の表示根拠資料を持たないと、我々も消費者に説明できないと強く思っています。

その場合において、表示根拠資料が現物と一緒かどうかというのは、受け取った我々のところでは確認ができないので、検査証明においては、先ほどもありましたけれども、生産者がこういうものですよという自己申告をして、それに背景の根拠資料と現物と三つが一緒であるということが確認されるのが検査だと思っています。それが未検査米の場合は3点セット表示できる根拠として表示根拠資料というのが流通段階で流れてきて、我々のところまで来て、初めて表示ができるというふうに考えています。

だから、先ほど言いましたように、検査証明も、袋に付いたままその袋は破ってはいけない。破った途端に意味をなくすという検査証明になっており、それが法律で担保されていますので、それを信用して検査されたものが我々のところに情報が来ているわけですが、それと同等の信頼性が確保されないと、表示の根拠としては足りないと我々は考えています。

○受田部会長 ありがとうございます。

これは複数の委員の皆様から御質問、また、それぞれに対するお答えを頂いておりますけれども、未検査米に対する根拠資料というのは、それぞれのお立場の担保になるわけですから、しっかりとそれが情報として共有されていく仕組みは当然求められていると思います。これが検査に代わるということであるならばということで、さっきのイコールフッティングの話等が出てきているという理解かと思います。今後、根拠資料の中身、その情報の共有の在り方、こういったところがQ&Aで更に具体化されていくことになっていくということで、ポイントを議論できていると思います。

更に宗林委員から御質問があるということでお聞きしております。宗林委員、お待たせしました。よろしくお願いします。

○宗林委員 宗林です。

消費者庁の資料からの確認なのですが、見直し案のほうで単一原料米とかいうようなことが書かれた後に、「○○ライス(生産者名)確認による」ということが必ず付くというふうに理解して、まずよろしいでしょうか。

その場合、今、皆さんからも御意見あるいは信頼できる証明書というお話が出ていましたけれども、ここに消費者が、例えばその○○ライス(生産者名)の電話番号が書いてあって、その根拠資料にたどり着くことができるという制度であるかどうかをまず御質問させてください。

○受田部会長 今の御質問に関しては、今回の資料で言うと、その部分は前回の資料ですね。宗林委員、今回の資料1の1ページを御覧いただくと、そこの表示に対する検査証明あるいはその根拠、それに関する表示の部分の例示は、今回はない状態ですね。

○宗林委員 そうですね。これは変わったということですか。参考資料で付いているものは「○○ライス(生産者名)確認による」となっていますが、それが欠けてしまっているので、それはこれが要らなくなったということでしょうか。ごめんなさい。最初、ちょっと聞こえていなかったので。

○受田部会長 分かりました。

では、そこの点も含めて、五十嵐課長、コメントをお願いします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 論点となっていなかったため、今回の資料で分かりやすくするためにそこの部分をあえて書かなかったのですけれども、どうやって表示根拠を確認したかというのは、任意表示とするというところでございます。その理由は、前回の部会でも御説明させていただいたのですけれども、その表示が正しいかどうか、真正性の担保というのは、今回、表示の根拠資料の保管により担保するということで、また、その根拠書類も農産物検査で確認をされているものと同じようなものを持っていてもらうことにする予定でありますから、そこは任意表示にしているところです。

以上です。

○宗林委員 そうしますと、消費者側からは、どこで証明が担保されているのか、どこが持っているのかが分からない表示になるということですか。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 お答えします。

これは今の仕組みと変わらず、表示については表示をする表示責任者が責任を持って行っているということなので、表示に名前が出てくる表示責任者がそれを全て持っているし、それを確認しているということになります。

○宗林委員 「確認による」ということが消え、逆に先ほど議論になっていました自主的検査品というような書き方もできるというお話がございましたが、そういう議論が続けてなされているという理解でよろしいでしょうか。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 そうですね。任意表示ということなので、そこは消費者が知りたいことということもありますし、それから、販売戦略のマーケティングの観点から、例えば農産物検査証明で確認をしましたとか、○○ライスDNA検査で確認をしましたとか、いろいろなことを書けるようにしたというのが、今回行おうとしている改正でございます。

○宗林委員 分かりました。

そうすると、前回の参考資料よりも、より緩和をしたという意味ですね。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 違います。前回資料の6ページに見直し案で記載していますが、上の説明文の③のところで、確認方法の表示は可能とする、すなわち任意表示とするとしていますので、書いてあるものもあれば、書いていないものも出てくる。それは表示責任者の判断でもって訴求したいと思えば書かれますしということになります。

ただ、表示の根拠の確認、真正性の担保という意味では、農産物検査証明によろうが根拠書類を持っているということで変わりはないので、義務表示ということはできませんけれども、一方で、それを消費者が知りたいということはあると思いますので、なるべくそれは書いてくださいということで、推奨していこうと思います。

それから、これは閣議決定のほうでも、未検査米と検査米との間に差をつけないと、先ほど卸業者なり生産者の一部からもお話がありましたけれども、未検査米があたかもひどい米だという間違った認識が広まらないように、イコールフッティングを確保するということで、農産物検査を受検しない場合はそういうことを義務付けることはしないということで、閣議決定にも明確にされており、今回ここは任意表示としたいと思っております。

○宗林委員 質問自体はこれで終了します。後でまた意見を言わせていただきます。ありがとうございました。

○受田部会長 ありがとうございます。

消費者庁に質問と意見、それから確認したいというのが2人の委員から出てきています。澤木委員、まずお願いします。その後、渡邊委員に御発言をお願いしようと思います。

○澤木委員 澤木です。よろしくお願いします。

消費者庁に質問したいことが2点ありますが、まず意見としましては、消費者の立場で意見を言わせていただきますと、お米は主食であり、産地、品種等の3点表示は、消費者が選択する際の重要な情報と考えます。現行の表示方法である検査証明されたもののみ3点表示が記載されているということも、実際のところ、消費者の方は知っていて購入されている方は少なく、ほとんどの方が知らずに買われていると思います。そのような中で、今回の改正案では、一見すると検査済みとそうでないものとの違いが表示からは読み取ることができません。

そこで1点、消費者庁に確認なのですけれども、今回出された資料1の1ページ目の改正後のところなのですが、農産物検査による検査証明がある場合は、検査済みと書いてもよろしいのでしょうか。

それから、複数原料米のところなのですけれども、現行では証明を受けていない旨の表示は書かなければいけないとなっていますが、それが削除となっております。複数原料米についても消費者の方はほとんど理解をされていないと思いますので、そこはぜひ証明を受けていないものだというのは削除ではなく記載をしていただければと思います。

それから、今回の改正で消費者の方が誤認を招かないように、表示に関心のない消費者などにも届くようにしっかりと普及啓発をしていただきたいと思います。

以上です。

○受田部会長 幾つか質問いただいたので個別に答えていただこうと思いますが、前段は、要は消費者の理解が農産物検査に関して十分でないということを踏まえつつ、表示として具体的に検査済みという表示が可能なのかどうか。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 任意で、義務ではないのですけれども、それを書こうと思えば書いていただいて構いません。

○受田部会長 検査済みという表現は、任意表示でありだと。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 書き方はいろいろとありますけれども、農産物検査済みと書くことは可能です。

○受田部会長 分かりました。

それから、複数原料米に関して、ここの例示に書いてあるように、証明を受けていない旨の表示は削除するという点については、削除すべきではないのではないか。その理由は、この辺りも消費者の理解が十分でないというところで御意見を頂きましたが、どうでしょうか。これは多分、3点表示の側の話とも関連をするので、受検していない旨の表示を書くことを義務付けないことにしているところから、こちらについてもということになっているのではないかと思うのですけれども。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 もともと今回の改正は、農産物検査による証明がある米とそうではない米が、少なくとも表示の面からするとそれがきちんと根拠資料の保管によって担保できれば差はないということで、イコールフッティングの確保ということで証明を受けている、受けていないというのを義務表示で書かせることはしないという改正であります。ここの複数原料米等というのは、そういう意味では、証明を受けていない旨を表示というのは、閣議決定のイコールフッティングの観点から削除ということになります。

ただ、一方で、複数原料米は単一ではなくていろいろな米が混ざっている場合ということですが、その一部が確認できているものであれば、すなわち根拠資料の保管があればその部分については、3点について表示することができます。それは現行でもそうですけれども、今後も変更がないということでございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

同様に、渡邊委員からも庁に対してということですのでコメントを頂いて、お答えいただくようにいたしましょうか。その後、田中委員からも御発言がおありだと伺っております。渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 ありがとうございます。

今までの議論で消費者庁に確認をしたいのですけれども、まず一つは、この表示のところには必ず販売者誰々という表示が入ると思うのですけれども、今回議論しているのは、この販売者誰々といった人が必ず根拠資料を保管していなければいけない。だから、当然、消費者のほうからその販売者に対して電話とかで問合せをすれば根拠資料があることが確認できるというような制度だと理解していい。

それから、もう一点は、先ほどQ&A等である程度根拠資料を明示すると言われましたけれども、やはりQ&Aのほうで、先ほども全農さんの説明の中でもありましたけれども、見る資料というのがある程度決まっているのであれば、必ずこの資料が根拠資料ですよというのをしっかり義務付けるぐらいでいいのではないかと思うのですが、それについてもお答えいただければと思います。

○受田部会長 2点頂きました。販売者の資料に関する点について、それと、Q&Aにおける根拠資料の議論はこれからあるにしても、具体的にその内容についてはもう決まっているのではないかというような考え方もあると。お願いいたします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。

第1点に関しては、御指摘のとおり、そこに販売者が記載されていて、販売者はすなわち表示責任者、表示について責任を持っている者ということで、一義的な責任があって、そこに問合せをして確認できるというのが、米にかかわらず食品表示基準における仕組みになっております。

2点目の根拠資料についてですが、根拠資料の保管は要件、ある意味義務付けになっておりますが、これは法技術的な話で、その細かい具体的なものというのはもう一段下の通知に規定していくこととなります。通知に落としていく際には、現状を踏まえて、ここにいらっしゃる方々、その他の方々の実態を踏まえてしっかりと規定していく、通知のほうで記載をしていくことにしたいと思っております。

○受田部会長 澤木委員、それから渡邊委員、御質問に対して庁からお答えいただきましたが、取りあえずよろしいでしょうか。

○渡邊委員 ありがとうございます。

○澤木委員 ありがとうございました。

○受田部会長 庁の補足説明資料で少しコメントがあると、菅委員から今の関連で御発言があるということなので、すみません、田中委員の前に菅委員、コメントいただけますか。

○菅委員 順番を御配慮いただきましてすみません。

若干意見めいたことになってしまうかもしれませんが、今回御説明いただいた資料1の2ページ目におけるまとめ方について、今回検討する「あるべき表示」を考える上ではいささか違和感があったので、そのことだけを申し上げておきたいと思います。ここでは農産物検査の受検を要件としていることが、「3点表示の根拠を担保しているだけで、品質を担保しているわけではない」とまとめられているのですけれども、そう言い切ってしまわれるのは、今なされるべき議論との関係では若干ミスリーディングな部分もあるのではないかと感じました。

と申しますのは、この資料で言われている「品質」というのは、あくまで歩留りないし等級に関することにとどまるのではないかと思われるからです。他方で、消費者が合理的選択の機会の確保を考える上で、イメージし、重視する可能性のある「品質」的なものは、広義の品質という言い方が適切かどうか分かりませんけれども、まさにお米の品種や産年のことではないかと思います。ブランドや産地への信頼というフレーズが先ほどあったかもしれませんけれども、そういったことではないかと。例えば、仮に「令和2年産の魚沼産コシヒカリ」にこだわられる方がいらっしゃるとして、そういう表示が真実かどうか。それには、今日の御説明を伺っていましても、農産物検査受検の有無を含めた根拠の有無とその表示というのは、やはり十分関係するものだと思いますし、ここで単に「品質を担保しているわけではない」とだけまとめられてしまうことについては、少なくともこの部会で表示の議論をする上では注意を要する部分ではないかなと感じました。

その点だけです。ありがとうございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

品質の言葉の定義にインクルードしているものとして、恐らく品位、1等、2等、3等の話をここですみ分けようとされていたということで、五十嵐課長、お願いします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 御指摘どうもありがとうございます。おっしゃっていることはすごくよく分かります。御指摘のとおり、ここは歩留りとの関係ということであります。ただ、1点、確かに産地、品種、産年で、例えば令和2年産の魚沼産コシヒカリというのがブランド化されていて、それが人気があってというのは事実なのですけれども、同じ令和2年産の魚沼産コシヒカリであったとしても、実はそこには品質的な差があって、もっと厳密に言うと、同じ令和2年産の魚沼産コシヒカリであっても、どこのほ場で育ったかによって、やはりそこには違いがあるので、なかなか表現が難しいところです。御指摘ありがとうございました。

○受田部会長 改善を図っていただくようにお願いをして、さっきの根拠資料の関係に戻るのですけれども、田中委員、お待たせをいたしました。御発言をお願いいたします。

○田中委員 田中でございます。

3点の表示をする主たる事業者による具備すべき根拠資料については、今後、公正競争規約とかという形でお互いに紳士協定などを具備すべき内容について話合いをして担保するという考えがあるかということです。公正競争規約であれば、多くの人がその規約を見ることができるということと、それにまた公正競争規約のマークを付けるとかいろいろなこともあるかもしれませんけれども、そういった形で一般に広く3点の根拠が担保できるのではないかということで、そういったお考えがあるかという質問です。

○受田部会長 ありがとうございます。

公正競争規約の導入についてお考えがあるかどうか。これはどうなのでしょう。庁としてということもあれば、また、実需者側のお考えもあるのかもしれないですね。ちょっと伺っていくようにしましょう。まず、五十嵐課長、お願いします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。

基本的に、今回の制度改正で根拠資料の保管というのは消費者の信頼性の確保とか、変な米が出回らないようにするためという観点からすごく重要な要素だと思っていて、そのために根拠資料というのはどういうものをきちんと持っておかないといけないかというのは、通知になりますが、食品表示基準の下位の法令できちんと国として定めていきたいと思っているところです。

○受田部会長 今日御出席の皆様からはどうでしょう。公正競争規約というようなお話が出ましたけれども、何かもしお考えがあればコメントを頂けますか。

厨さん、お願いします。

○全国米穀販売事業共済協同組合厨常務理事 ありがとうございます。

先ほども申し上げたように、我々はそれほど業者の加入率が高くないので、我々が公正競争規約を使っても、それ以外の人たちがどうするかということは分からないので、できれば国できちんとした基準を作っていただいて、それに従ってやる。そうでないと我々以外のところに伝わりませんので、そういうのが一番いいのではないかと考えています。また必要があれば、全農さんなり関係の皆さん方と御相談することはあるかと思いますが、まずは、先ほどの繰り返しになりますけれども、根拠資料を我々が保管することが表示の根拠だと言われても、我々のところに必ず現物と符合したものが届くかどうかということが担保されないと、我々に全ての責任を持てと言われても、なかなか厳しいものがあるので、そういうところを担保された上での話になると思っております。

○受田部会長 ありがとうございました。

田中委員の御質問に対してお答えいただきました。田中委員、よろしいでしょうか。

○田中委員 はい。ただ、またこの後、監視をするとかという問題が出てきたときには、非常に合理的にお互いで監視できればいいなということもあるかと思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

先ほど宗林委員が更に御意見があるというお話だったかと思いますが、宗林委員、いかがですか。

○宗林委員 すみません。お願いします。

今度は意見も入っていますが、やはり米は主食であって、一回買いますと、しばらくその家庭の主食として家族で食べていきます。そういう意味では、消費者の選ぶ必要な情報がきちんと提供されることが消費者の権利であるということが食品表示法の基本理念とされておりますので、消費者として選べることの情報がきちんと提供されることが大切ではないかと思っています。

いろいろな方がいると思いますから、価値判断はいろいろだと思いますけれども、自分のうちにとってこういう表示を見て決めた一定の品質ものをずっと長年食べている等きちんと選んで買っている消費者も結構多いのではないかと思うのです。そうしますと、自主的検査品であったとしても、どのぐらいの情報を消費者の手元にも分かるぐらいの必要性を私は感じます。

ですから、これは一食分の加工食品ではないので、次に1か月後買うときも含めて同じ品質のものを自分が表示を見て買えるようにということになりますと、根拠資料を見る手段があるとか、もっと言えばトレーサビリティみたいになってしまいますが、今までの検査品ともし違うものを選ぶとしても、相当しっかりしたものが消費者の手に情報として渡る必要があると思っています。

ですから、通知を見てそれが分かるのではなくて、実際に現品を見たときにスーパーの中で分かる必要がある。米というのはそういう位置付けのものだと思いますので、規制緩和の中、表示をどうしていくのかという議論だとは承知していますが、ぜひ、信頼を落として米を食べる人がもっと減っていくとか、右往左往していろいろなものに当たって嫌な思いをする消費者が出ないように、表示の担保をどうするのか。

あるいは、先日来出ていました監視をきちんとして、それによってできるようにということですけれども、まずは消費者がスーパーに行ったときにきちんと選べるだけの情報を付けていただくことが食品表示法の消費者の権利だと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

御意見を頂いたということになると思いますが、五十嵐課長、コメントをお願いいたします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 宗林委員、貴重な意見をどうもありがとうございます。御指摘のとおり、消費者として選べる情報というのが重要だと思っております。一つは今回の改正で、今まで未検査米、恐らく今まで複数原料米といって表示されて、産地、品種が出てこなかったものについても、今回、産地、品種、産年という情報が消費者にとって増える。

また、前回の資料の11ページの改正案の中でもあるのですけれども、今回、消費者の選択に資する適切な表示事項は、一括表示内に表示することができるという改正も併せて行います。こういう改正を行うので、農家さんで差別化を図ってお米を売っていらっしゃる方、例えば食味試験を行っている方などは、当然そういうことも一括表示の中に記載をされて、訴求をしていって、プラスアルファの情報がどんどんと出てくるようになってくると思います。

それから、今回の根拠資料の話でもそうですけれども、農産物検査というのは、少なくとも産地、品種、産年の部分については、昔は目視でいろいろ分かっていた部分もあると思いますが、品種が増えて、なかなかそういう世界でもなくて、基本は資料による確認ということになっていると聞いております。今回、農産物検査証明によらないものも、農産物検査で確認をしている資料と同じものの保管を要件とするということなので、そこの信頼性は農産物検査の証明によるものと同等のものとなっていくと思います。

以上です。

○受田部会長 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 同等な資料を持っているということは、悪い業者がいないとして理解するとしても、それが消費者に検査の証明した内容の根拠資料が分かる手段を持ちたいということであります。そういうことがきちんと担保されないと、同じきちんとした担保資料を持っていることが原則だというような法律になったとしても、持っているということが目で確かめられない。消費者にとっては分からないということではなくて、そこのひも付けとか問合せができるとか、見られるとかいうようなことを、ぜひしていただきたいなということです。

○受田部会長 ありがとうございます。

本当に重要なポイントを御指摘いただいたかと思います。今日は生産者の皆様の声を伺い、卸のお立場のお声を伺い、我々は今、消費者委員会食品表示部会として、消費者の自主的かつ合理的選択の機会の確保を更にどういうふうに担保していくか。さっきの宗林委員のお話で、ずっと根拠資料の内容等に関して議論がありましたけれども、最終的にその情報が消費者に現品でしっかり伝わるべきであるというお話。これはフードチェーン全体を通じて我々は忘れてはならないことかと思います。ありがとうございました。

もう大分時間が近づいたので、終わりの時間をにらみながらということにはなるのですけれども、短めにお願いをしたいと思います。戸谷委員、渡邊委員、お願いします。

○戸谷委員 戸谷です。

コメントにも書きましたが、消費者庁さんへの念のための確認ですけれども、先ほどの情報の根拠資料の伝達の関係で、表示の責任者である販売事業者さんまで確実に根拠資料自体が伝わっているということが必要だという理解でよろしいのですね。

○受田部会長 消費者庁さんへということです。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 はい。そういうことです。

基本的に根拠資料の保管というのは表示責任者である販売者が行うことになります。ただ、一部生産者しか持ち得ない資料、例えば種子購入記録等がそうですが、そこの部分は事業者の実行可能性も勘案して、表示責任者において、その資料を速やかに確認できる措置が取られている場合に限り、表示責任者以外の保管を認めることとする予定としております。すなわち、一部の資料はすぐ生産者に問合せができるような体制を整えているというようなことを考えております。

仮に生産者に根拠資料が保管されていたとしても、肝心の表示責任者においてそれを速やかにアクセスできる状態になっていない、その措置が取られていなければ根拠資料を保管しているとはみなされずに、そもそも3点表示は認められないといことになっていきます。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 ありがとうございます。

私は、今の宗林さんの意見についてなのですけれども、スーパーで消費者が現物まで確認できるというのは、ちょっとそこまで要求するのは難しいのではないかと思っています。これは問合せ先があって、例えばその問合せ先にこうこうですかというようなことを聞けば答えていただけるということで十分ではないかと思っています。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

ここはまた部会の中でも議論が出てくると思いますので、今日はここまでにさせていただきたいと思います。

もうチャット上はありませんね。すみません。私が時間が迫っていると申し上げたせいなのか、部会の委員からはもうこれ以上の御発言、チャットはないようですので、ここで本日の部会は閉めさせていただきたいと思います。

今日は大変お忙しい中、本部会にお越しいただいて、それぞれのお立場で今回の改正に向けての御意見を賜りましたこと、オンラインも含めて御参加の4人の皆様に、部会を代表して心より御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

頂いた御意見に関しては、しっかり部会として今後の議論に反映をさせていきたいと思います。

また、部会としては、次回、パブリックコメントの結果を御報告いただくというふうに伺っておりますので、今日のお話も含め、パブコメの御意見もしっかり部会の委員の皆さんと議論をしてまいりたいと思います。

≪3.閉会≫

○受田部会長 それでは、本日の議事は以上とさせていただきます。

最後に、事務局から連絡事項がありましたら、お願いいたします。

○太田参事官 本日は長時間にわたり、熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の日程につきましては、改めて御連絡させていただきます。

○受田部会長 それでは、これにて本日は閉会とさせていただきます。皆様、お忙しいところをありがとうございました。

(以上)