第60回 食品表示部会 議事録

日時

2020年10月27日(火)13:00~15:10

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【委員】
受田部会長、柄澤部会長代理、安達委員、石川委員、今村委員、澤木委員、下浦委員、菅委員、宗林委員、戸谷委員、前田委員、松永委員、渡邊委員
【消費者庁】
津垣政策立案総括審議官、五十嵐食品表示企画課長、木村表示対策課食品表示対策室長
【農林水産省】
上原米麦流通加工対策室長
【事務局】
加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の一部改正(玄米及び精米に関する表示)に係る審議
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は、皆様、お忙しいところ御参加いただきまして、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第60回食品表示部会」を開催いたします。

本日は、青木委員、田中委員、宮崎委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

私は、8月1日付けの人事異動により、消費者委員会事務局参事官を拝命いたしました太田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

また、8月1日付けで審議官として渡部が、そして、9月1日付けで事務局長として加納が新たに着任しておりますので、それぞれ御挨拶を申し上げます。

事務局長、審議官の順でお願いいたします。

○加納事務局長 9月1日付けで、事務局長に着任いたしました、加納と申します。

受田部会長をはじめ、委員の皆様には、大変御指導いただきまして、ありがとうございます。

この食品表示部会につきましても、精一杯努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○渡部審議官 8月より消費者委員会担当の審議官として着任しております、渡部と申します。

他の業務と兼ねてとなりますが、よろしくお願い申し上げます。

○太田参事官 また、8月3日付けで、消費者庁の津垣政策立案総括審議官が御着任されたということですので、御挨拶いただきたいと思います。

津垣総括審議官、よろしくお願いいたします。

○津垣政策立案総括審議官 8月3日付けで、消費者庁の政策立案総括審議官を拝命いたしました、津垣でございます。

委員の方々におかれましては、これからも、よろしく御指導のほど、お願いいたします。

○太田参事官 続きまして、議事に入ります前に、テレビ会議による進め方と配付資料について確認させていただきます。

まず、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレビ会議により開催しております。

傍聴者を入れずに開催いたしますが、議事録につきましては、後日、消費者委員会のホームページに掲載いたします。議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を、明日10月28日水曜日15時より、ホームページで動画配信をいたします。

テレビ会議では、ハウリング防止のため、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますよう、お願いいたします。

御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。受田部会長に、そのチャットを御確認いただき、発言者を指名していただきますので、指名された方は、マイクのミュートを解除して、お名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。

御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当のページ番号も併せてお知らせください。

チャットが使いづらい場合などは、適宜のタイミングで、マイクのミュートを解除の上、呼び掛けていただければと思います。

また、御発言の際には、カメラ付きの方は、可能な限りビデオ通話をオンにしていただければと思います。御発言が終わりましたら、ビデオ通話を停止し、マイクをミュートの状態にお戻しください。

なお、音声が聞き取りづらい場合にもチャット機能でお知らせください。

次に、本日配付しております資料は、議事次第に記載されておりますとおり、資料1-1から2-2及び参考資料となっております。もし不足の資料がありましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。

ただいま、前田委員が接続されましたので、これで本日の出席者は、おそろいになっております。

それでは、受田部会長、以後の進行をお願いいたします。

○受田部会長 皆さん、こんにちは。

本日も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、部会長代理に、部会長代理の回線も同時に切れた場合は、事務局に進行をお願いすることとしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

≪2.食品表示基準の一部改正(玄米及び精米に関する表示)に係る審議≫

○受田部会長 それでは、本日の議題といたしまして、10月20日に諮問を受けました、食品表示基準の一部改正について、議論に入りたいと存じます。

本年7月に閣議決定された規制改革実施計画において、玄米及び精米の農産物検査を要件とする食品表示制度の見直しを行うとされたことを受けて、消費者庁、農林水産省で改正案を検討され、消費者委員会に諮問がなされ、当部会で議論することになりました。

改正案の内容や、改正の背景、生産者や販売者を取り巻く現状や要望などをしっかり理解した上で、議論を行っていく必要があると考えております。

実際に、生産者の方々などにもお話をお伺いし、様々な御意見を賜りながら、消費者の利益に十分資するよう、今年度中の答申取りまとめを目指し、今後、複数回にわたって議論を深めていきたいと思っております。

まず本日は、農産物検査の概要や改正案の内容等について、御説明いただき、それに対して質疑応答を行いたいと考えております。

本日は、消費者庁から五十嵐食品表示企画課長、木村食品表示対策室長、そして、農林水産省から上原米麦流通加工対策室長にも御参加いただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、農産物検査や、改正案の概要につきまして、50分程度で御説明をお願いしたいと存じます。消費者庁、農水省、よろしくお願い申し上げます。

○農林水産省上原米麦流通加工対策室長 ありがとうございます。

それでは、農林水産省のほうから、農産物規格・検査の情勢につきまして、御説明を申し上げたいと思います。

資料のほうは、資料1-1を御覧ください。

1枚おめくりいただきますと、1ページでございます。農産物規格・検査の概要を掲載させていただいております。

農産物規格・検査でございますけれども、お米について、全国統一的な規格に基づく等級格付によりまして、主に玄米を精米にする際の歩留りの目安を示し、現物を確認することなく、大量・広域に流通させることを可能とする仕組みでございます。

なお、農産物検査については、受検は任意でございまして、義務付けではなく、農業者の判断で任意でお受けいただいているものでございます。

左側の中ほどでございますけれども、農産物検査につきましては、農産物検査法に基づき行っています。

対象品目です。米のほか、麦、大豆、小豆、いんげん、かんしょ、そば、でん粉などで実施をしています。

農産物検査の規格の中身です。大きく分けて、①の品位等検査、それから②の成分検査がございます。お米について申し上げますと、ほぼ大部分は、この品位等検査です。ごくまれに、農業者がお求めになられた場合は、成分検査も行っています。

品位等検査の①のところですけれども、検査を行っております項目を記載させていただいております。

種類、これは、水稲うるち玄米とか、そういうものです。

それから、生産年、令和2年産のお米かどうか、そういうものです。

それから、銘柄です。産地、品種というもので、例えば、新潟県産のコシヒカリなどです。

そして、品位というもの、これは、1等米、2等米とか、そういうことが報道されたりいたしますけれども、そこが品位(等級)です。

他に量目、お米の重さです。荷造り、包装というものを見ております。

資料の中で、赤字で書いてあるところがございます。生産年、それから、産地、品種というところですけれども、右側の注釈のとおり、これが、食品表示部会で今回御審議いただいております、産地・品種・産年の表示に関係しているところです。

下側の表を御覧ください。これは、品位等級の規格の表です。

ここについては、産地・品種・産年の表示とは、また別のものですが、本日は農産物検査全体の御説明をさせていただくものと理解をしていますので、併せて御説明をさせていただきたいと思います。

品位の例と書いてございますけれども、1等米、2等米、3等米と、左側に等級が書いてございます。

その1等米の中に、整粒が70パーセント以上あるかどうか、水分が15パーセント以下であるかどうか、また、被害粒、死米、着色粒、異物などを記載していますけれども、それぞれのパーセンテージ以下のお米であるかどうか、こういうことを、農産物検査で確認をさせていただき、1等米、2等米などと区別しています。

それから、右側を御覧ください。

主な農産物の検査状況についてです。生産量、米で言いますと、これは、平成30年産のデータをお付けしておりますけれども、732万トンです。このうち、農産物検査を受けているものですが、493万トンで、受検率は67パーセントです。

中ほどを御覧ください。

民間の登録検査機関の推移です。令和元年産の状況で言いますと、検査をしている登録検査機関は、1,739機関、農産物検査員は1万9403人です。

なお、農産物検査については、平成12年の法改正により、民営化をしております。このため、民間検査比率は100パーセントです。

検査場所については、全国1万4492箇所です。

右下を御覧ください。

検査をしている、その系統別の検査量を示しております。農協系が全体の7割、全集連系が大体8パーセント、卸などが8.7パーセント、農業法人などが6.6パーセント、その他の分析機関が3.1パーセント、こういう状況です。

2ページを御覧ください。

農産物検査の流れです。順に、①から⑨まで記載をしていますが、流れとして、まず、農業者などの検査請求者から検査請求が行われます。

登録検査機関で、この検査請求の受理をされ、その後、③ですけれども、受検品の搬入・配列、④の受検品の確認、⑤の荷造り・包装の検査、⑥の量目の検査をしてまいります。

⑦ですけれども、試料の採取ということです。

米の袋の中から、直接に大体20グラムぐらい、お米を取りまして、お米について目視で検査をしているということです。

⑧に、検査のところが記載されています。種類・生産年・銘柄・品位の検査と書いています。

例えば、本日の審議に関係します、産地・品種・産年の検査でございますけれども、この⑧の中の生産年、それから銘柄というところが、産地・品種の検査です。

どのように行っているかということですけれども、事前に、農業者などから、関連情報を書類で頂いています。どんな書類かと申し上げますと、種子の更新の状況ですとか、品種別の作付状況といったものですけれども、こういう情報を書面でお出しいただき、それを念頭に置きながら、検査時に、検査員が目視、目で見ながら鑑定を行っているということです。

その上で、検査証明を発行しています。

3ページを御覧ください。

これは、産地・品種・産年の検査とは、また違う部分ですが、品位の検査ということを農産物検査は行っております。

これについて、どのようなものかということを御紹介させていただきたいと思います。

先ほど、農産物検査につきましては、精米の歩留りということを申し上げました。どういうものかと言いますと、米の中には、左側に記載されておりますとおり、通常の商品となるお米の粒のほかに、生育不良だったもの、あるいは砕けているもの、あるいは病害の被害に遭っているもの、あるいは雑草の種などが入っているということがあります。

こういう生育不良とか、砕け、病害、雑草の種子といったものにつきましては、精米の歩留りに影響してくるということです。

どういったことかと言いますと、右側に記載されておりますけれども、1等米ですと、玄米60キロ精米をしたときに、目減りが当然してくるわけですけれども、1等米ですと、歩留りが92パーセントぐらいということですので、精米にすると大体55.2キロということになります。

2等米になりますと、歩留りが低下してまいりますので、歩留り89パーセントぐらいと聞いておりますけれども、精米になりますと、53.4キログラムになっていくと。

3等米ですと、更に歩留りが低下して、51キロぐらいになると。

こういう歩留りの目安として、品位等級は、重要視されているというものです。

主に、生産者、集荷業者が、精米される卸に販売される際の価格形成の目安として参考にされているというものです。

4ページを御覧ください。

農産物検査の体制です。先ほど申し上げたとおり、登録検査機関、検査員など、改めて整理をさせていただいております。

下側に手数料が記載されております。大体平均いたしますと、60キロ当たりの検査料ですが、登録検査機関がそれぞれ定めているということですけれども、大体50円から100円ということが言われています。

5ページを御覧ください。

農産物検査の検査証明の例です。先ほど申し上げました、検査項目について記載をしています。

左上のほうから、年産、種類、銘柄、重量、重量は二つございまして、正味重量と袋などを入れた皆掛重量というもの、双方を検査しております。

そして、品位等級、1等、2等などというもの、そして右上でございますが、荷造り、包装を検査し、検査証明を発行しているということです。

6ページを御覧ください。

米の流通構造のイメージを示したものです。米の流通は、多岐にわたっているということでございまして、生産者から、JAなどの集荷事業者を通じて、卸に販売をされ、そして、そこで精米をされ、中食・外食事業者、お弁当屋さんとか、レストランとか、そういうところに販売をされる場合、あるいは消費者に販売される場合、こういう多様な転々流通をする特徴がございます。

そして、もう一つですが、生産者から消費者に直接販売されるルートがあるということです。

なお、このほかに「農家消費」と書いていますが、農家が御自身で消費をされる場合、あるいは親戚などに無償で譲られる場合など、そういうのがあるということです。

7ページを御覧ください。

農産物検査の見直しについて御紹介をさせていただきたいと思います。

農産物検査規格につきましては、平成28年11月の農業競争力強化プログラムで合理的なものに見直すことが記載されています。

このため農林水産省では、農産物規格・検査に関する懇談会、これは、農業法人なども含む現場関係者の方に委員に入っていただき、御議論いただいて、見直しの方向などを中間論点整理として整理しました。

それに基づき、令和元年10月から農産物検査規格検討会を開催し、具体的な規格見直しなどを進めています。

右側に主な検討項目がございます。

1番目ですが、先ほど精米歩留りの検査、品位等検査ですけれども、その中の等級格付に、穀粒判別器という機械を使っていこうということをしております。

ただ、誤解がないようにしていただきたいのは、歩留りの検査に穀粒判別器は使っていますが、本日御議論いただいております、産地・品種・産年の検査というのは、この穀粒判別器は使えないということですので、念のために申し上げたいと思います。

それから、検査事務の効率化、そして3番ですが、検査員の精度向上、こういうことを既に改正しております。

また、4番のところは、規格項目の追加・見直しということです。先ほどの歩留りの検査について、合理化・効率化を図ってまいりたいと考えております。

また、5番については交付金の見直しということですが、農産物検査を受けないと交付されない交付金がございます。これについて、農産物検査を受けなくても交付が可能になるように、見直していくということです。

そして6番は、本日御審議いただいております、産地・品種・産年の表示要件の見直しということです。

8ページは、7ページを少し時系列で整理したものでございますので、説明は省略をさせていただきます。

9ページを御覧ください。

これまで実施をしてきた農産物検査の見直しの内容です。

左上から検査場所の緩和ということで、これは、農業者の庭先でも検査が柔軟にできるように改正を行ったということです。

そして、真ん中上ですけれども、検査試料抽出の効率化ということで、米を検査のために、サンプリングをしているわけですが、オートサンプラーという抽出装置を入れていらっしゃる場合は、1万分の1の抽出で効果的にサンプリングをできるようにしたということです。

右上でございますが、検査事務の効率化ということで、報告回数を半減させ、また、報告期限を延長しています。

左下ですが、穀粒判別器の活用ということで、先ほどの歩留りの検査に機械を使っていくように、改正をしたということです。

また、歩留りの検査の中の規格でございますが、異種穀粒の規格を簡素化しております。

右下ですが、フレコンは物流の合理化に大変役に立つものですけれども、紙袋からフレコンに切り換えていくという流れがある中で、フレコンについて推奨する規格を設定したというものです。

10ページは、現在検討中のものを記載させていただいておりますが、時間の関係で省略させていただきたいと思います。

また、11ページ以降については、先ほど9ページで御紹介をいたしました六つの改善している事項につきまして、それぞれ1枚ずつ資料をお付けしております。もし御不明なところございましたら、この後、御質問などを頂ければ、御説明をしてまいりたいと考えております。

最後の17ページを御覧ください。

農水省といたしまして、今、申し上げたような農産物検査の見直しの実施をしております。

このような中で、本年1月から規制改革推進会議農林水産ワーキング・グループにおきまして、農産物検査を取り上げて御議論いただき、17ページに記載のとおり、農産物検査についても7月17日に閣議決定されました。

(7)の9番、10番という項目が該当しておりますけれども、9番のところが、農産物検査規格の総点検と見直しということでございます。

左下に書いてございますような①から⑦まで、記載の事項がございます。こういうところを検討していくようにという内容を頂いております。

また、右上ですけれども、農産物検査とは別に、新JAS規格の制定を進めていくということですので、こういうものを含めて、cのところで記載をしております検討会、これを、農林水産省が設置をして、おおむね1年で結論を得るということで、現在、検討を進めているということです。

右下の10番については、本日、まさに御検討いただいているところですが、農産物検査を要件とする補助金、食品表示制度の見直しということです。

補助金については、aのところで記載されております、ナラシ、水田活用交付金などについて、農産物検査を受けなくても対象にするということで見直しを進めております。

bのところは、本日御審議いただいている食品表示制度の関連の項目です。

以上、資料1-1を御説明申し上げました。

それでは、資料1-2の御説明を申し上げたいと思います。

先ほど、資料1-1の17ページで規制改革実施計画を御紹介したところで、この中の9番、農産物検査規格の総点検と見直しにつきまして、この検討会を設置して検討を進めているところです。

2ページを御覧いただきますと、この検討会の概要について、御紹介しています。

主な検討事項といたしまして、1番から8番まで、規制改革実施計画に記載されている項目について検討を進めているところです。

3ページには、検討会委員の名簿をお付けしています。

規制改革実施計画を踏まえて、適切に議論を進めるため、国際的な規格の有識者、実務家、外食産業、中食産業、農業者など、バランスにも配慮して、また、規制改革推進会議の中でも、御発言をされた方々にもたくさん入っていただき、議論を進めているところです。

4ページを御覧いただきますと、これまで、この検討会は9月に設置をいたしまして、これから5月まで、毎月開催していくということで考えておりますけれども、これまでに2回開催しております。第1回は9月4日、第2回は9月30日ということでございまして、また、第3回は、今月末、10月30日に第3回を開催してまいります。

引き続き、農産物検査規格の見直しについては、この検討会で、しっかり議論を進めたいと考えております。

なお、資料1-3に「数量品質の確認が必要な補助金の助成対象数量等の確認について」ということで、現在、農林水産省で検討し、このような方向で実施をするということで考えておりますが、これは規制改革実施計画の10番、農産物検査を要件とする補助金、食品表示制度の見直しというところに関連いたしまして、補助金のほうの見直しの内容を記載したものでございます。時間の関係で、これについては、食品表示制度とは、また別ですので、説明のほうは省略させていただきます。

農林水産省からの説明は、以上でございます。

○受田部会長 部会長の受田です。

途中で音声が途切れてしまいまして、失礼をいたしました。

続けて、消費者庁の五十嵐課長、御説明をよろしくお願いいたします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 続きまして、消費者庁のほうから、資料2-1「食品表示基準の一部改正について」の御説明をしたいと思います。

1枚おめくりください。

改正概要についてです。

先ほど農水省のほうからも御説明がありましたが、今回の改正のきっかけといたしましては、7月に閣議決定された規制改革実施計画において農産物検査規格の見直しが対象とされ、農産物検査を要件とする食品表示制度の見直しを行うこととされたことを踏まえ、基準の一部を改正したいと思っております。

1枚おめくりください。

こちらは、先ほど農水省の御説明にもありました、現在の米の流通構造ですが、まず、規制改革推進会議において、農産物検査を要件とする食品表示の見直しが議論された経緯を御説明したいと思います。

米の流通構造のうち、生産者からJA等を通した米の流通についてでございますが、こちらは、農産物検査の登録検査機関の多くは、JAということもあって、生産者がJAを通して米を販売する場合には、基本、農産物検査も併せて受検をされています。

これは、表示のためというより、先ほど農水省のほうからも御説明がありました、等級格付、玄米を精米にする際の歩留りの目安ということで、その等級の格付を行うために行われています。この流通形態が今まで、大多数を占めていたということです。

昨今、米の流通が多様化しており、この資料において農家直売等と記載されているもの、すなわち卸を通さず直接消費者に販売をされるケースが増えています。

これは、今後、農業者の所得向上や消費者のニーズへの対応強化といった観点からも拡大が見込まれるところでございますが、相対で消費者と直接取引をされているので、直接消費者のニーズに応えているということもあり、等級格付を行う農産物検査は不要ですが、産地・品種・産年の表示に関しては、現行は、この農産物検査を受けないと表示ができないということとされています。

ですので、この直売を主にやられている農家の団体の方が、この3点表示をするためだけに農産物検査を受けなくてはならず、ここに無駄なコストが掛かるということで、規制改革推進会議の事務局のほうに要望を出されたということです。これが、今回の閣議決定がされた経緯でございます。

次のページを御覧ください。4ページです。

先ほど農水省の説明にもございました、今般閣議決定された規制改革実施計画ですが、本年度に措置ということで、食品表示制度の見直しが記載されています。

閣議決定の内容としては、かなり細かく書いてございます。これを御説明したいと思います。

第1に、一番上の規制改革の内容のところなのですが、まず、農業者に農産物検査法に基づく検査以外の選択肢を可能にするため、農産物検査によるものに加えて、その他の品質確認による場合も可能とするということ、これが一番大きな狙いということでございます。

具体的に、bの「産地、品種、産年などの食品表示」のところを御覧いただきたいのですが、ここでおおむね五つ行うべきことが書かれています。

いろいろな調整の過程を経て出来上がったものなので、文言が複雑なのですが、一つ目が、検査米、未検査米双方を対象に、現在表示義務がある産地に加え、品種、産年についても任意表示を可能とするということ。

二つ目が、生産者など、一定の事実情報の任意表示を可能とすること。

三つ目が、検査や品質確認を行った者について任意表示を可能とすること。

四つ目が、農産物検査済みのものについては、農産物検査証明による旨の表示ができるようにするとともに、農産物検査を受検しない場合について、その旨の表示、例えば未検査米といったような表示を義務付けることはしないこと。

五つ目が、これは、消費者庁としてとても重要なことですが、根拠が不確かな表示がなされた米が流通することを排除し、消費者の信頼を損ねるようなことがないようにするため、記録の保存方法など、必要な措置は、食品表示基準やその運用で担保するといったことでございます。

次のページをめくりください。

まず、そもそもの話として、生鮮食品の義務表示制度ですが、生鮮食品は、名称と原産地のみが横断的な義務表示事項とされております。

ただ、品目によって、個別に表示が義務付けられている事項もあります。

例の1ですが、玄米及び精米については、これだけ個別に義務表示事項が掲げられていて、産地、品種、産年も、そのうちの一つであるというところでございます。

次のページをおめくりください。6ページです。

先ほど、規制改革実施計画について御説明しましたが、それを踏まえ、今回、具体的な改正として何をやるかと、その内容でございます。

一つ目が、農産物検査による証明を受けていない場合であっても、産地・品種・産年の表示を可能とすると、ここが一番今回の肝でありまして、未検査米と検査米との間で差をつけないイコールフッティングにするということ、それを踏まえての改正です。

二つ目として、根拠が不確かな表示がなされた米の流通を排除して、消費者の信頼を損ねるようなことがないようにするため、産地・品種・産年の根拠を示す資料の保管を義務付けします。

このため、根拠資料を保管せずに、例えば「単一原料米」と表示を行った場合は、これは食品表示法違反ということで、罰則で担保されることになります。

表示の真正性を確保するために、今回、農産物検査証明に代えて、根拠資料の保管を義務付けたわけですが、この理由について簡単に御説明をします。

先ほど農水省の説明にもありましたとおり、農産物検査において、産地・品種・産年の確認については、書類による確認をまずされて、その情報を踏まえて現物を目視により確認するという方法を取られています。

しかしながら、昨今、品種の多様化に伴って、品種に関して目視の検査での判別がなかなか困難になっているという話も伺っております。

このため、農産物検査での確認に使用されるものと同じ根拠書類の保管を義務付ければ、表示の真正性の担保という意味では、現行の農産物検査証明によるものと同等であることから、根拠資料の保管の義務付けで表示の真正性の担保としては十分であろうと考えております。

三つ目ですが、表示事項の根拠の確認方法、例えば農産物検査証明によるとか、○○ライス確認等といった表示を可能とします。

これは、先ほど御説明しましたが、表示の真正性については、根拠資料の義務付けで担保しますが、一方で、どのように確認をしたかというのは、消費者が知りたいことでもあるので、こういう表示を可能としております。

四つ目ですが、生産者名など、消費者が食品を選択する上で適切な情報は、枠内への表示を可能とするというような改正を行いたいと思います。

おさらいみたいになりますが、表示例のところを御覧ください。

現行では、農産物検査による証明があるものについては、記載のとおり、産地、品種、産年が書けますが、農産物検査による証明がないものについては、例えば、未検査米と書いて、産地、品種、産年は書けないというのが現行の仕組みです。

見直し案としては、農産物検査による証明があるものは、「農産物検査証明による」は任意で書けるようになりますが、それ以外は変わりません。また、農産物検査による証明がないものについては、産地、品種、産年が書けるようになります。ただ、それを書くに当たっては、表示の根拠を示す資料の保管が義務付けされます。

その資料とは、例えば、農産物検査を受けていれば、当然、農産物検査の証明書、受けていない場合であれば、現在、農産物検査で確認をしているものと同じ種子購入記録、栽培記録、伝票などといったようなものを想定しております。

今回の改正により、農産物検査を受けていない米であっても、産地、品種、産年という表示が可能となることから、消費者庁としましては、この改正は消費者にとって食品を選択する上で情報量が増えるということなので、望ましい改正であると考えております。

7ページを御覧ください。

ここ以降は、具体的にどういった形で条文を改正するかということで、ポイントだけ簡単に御説明をしたいと思います。

まず、第23条の表示禁止事項ですが、現行では、未検査米の原料玄米にあっては、品種又は産年を表す用語というのは書けないということですが、今回は、そういうことはなくなるので、ここを削ります。

8ページを御覧ください。

この表は、第19条の個別的義務表示事項を受けて、具体的に玄米及び精米の原料玄米についての表示の方法を規定しているものでございます。現行では第1号で、産地、品種、産年が同一である原料玄米を用い、かつ、証明を受けた原料玄米にあっては、単一原料米と表示しとありますが、改正案のところを御覧いただきたいのですが、今回の改正では証明ではなくて根拠を示す資料保管していれば、単一原料米と表示することができるとします。

それから第2号ですが、現行においては、第1号以外のものについては、複数原料米等の表示又は証明を受けていない旨の表示をすることとされておりますが、その証明に係る部分を削除する改正を行いたいと思います。

続きまして、9ページを御覧いただきたいのですが、こちらも2の場合における、複数原料米の書き方の話が続いていますが、こちらも同じように、現行のところでは証明の内容に基づき、表示をすることができるとありますが、改正案では証明の内容ではなくて、根拠を示す資料を保管している場合にというところになりますので、その改正を行いたいと思います。

続きまして、10ページのところですが、ここで表示の根拠を確認した方法を規定してまいります。

改正案の第4号を御覧いただきたいのですが、産地、品種、産年、その他の表示事項の根拠を確認した方法について、次に定めるところにより表示することができるということで、その表示を確認した方法を書く場合の表示方法を規定しております。

最後に11ページですが、別記様式の最後のところに、消費者の選択に資する適切な表示事項、例えば、これは消費者の選択に資するもので、かつ、商品の差別化が図られるような情報が記載されることが想定されますが、これを枠内に表示することができるという規定を新設しております。

以上のような改正を行いたいと考えております。

続きまして、12ページを御覧ください。

こちらは御参考なのですが、今回、表示の真正性を担保するために、根拠資料の保管の義務付けをします。根拠資料の保管が義務付けられるので、当然、根拠資料の保管がなく表示をした場合は罰則ということもかかってきます。このため、根拠資料の保管と併せて監視をしっかりとやることによって、表示の適正性をしっかりと担保していきたいということで、現行の食品表示の監視のやり方、実績などについて御説明をしたいと思っております。

12ページですが、まず、日常的な一般調査ということで、消費者庁、農水省、都道府県などが連携して、巡回立入検査、疑義情報の通報、それから買上調査ということで、市販品を買い上げて科学的な分析などを行っております。

その中で疑義が生ずれば、疑義案件に対する立入検査を行っております。

その後に、これらによって不適切な表示が認められた場合に、軽微な場合であれば指導、指導以外の場合であれば指示、指示に従わなければ命令、命令に従わなければ罰則、若しくは原産地の偽装のような話であれば直罰規定ということも適用することができます。

次のページを御覧ください。

13ページですが、監視主体です。

相手方の事業所が、広域にわたる場合には、消費者庁、農水省、それぞれで監視ができます。

農水省の場合は、本省だけではなく、地方支分部局がございますので、地方農政局も監視ができます。

それから、事業所が一つの県域にとどまるものは都道府県、一つの市域にとどまる場合は指定都市ということで、それぞれ監視主体が異なります。

次のページを御覧ください。

14ページですが、今までの指導、指示及び命令の実績が表のとおりとなっております。括弧内の件数が、この米の表示に関する件数になっておりますので、御覧いただければと思います。

また、米の表示に関する指示の主な事例ということで、参考として、ここに記載しております。

このような形で、日々しっかりと監視を行っているところでございます。

15ページを御覧ください。

これは、表示の真正性確認に係る立入検査の例ということで、実際に、どうやって立入検査を行っているかということを御参考に付けています。

まず、立入検査をする場合は、米卸や精米工場等の食品関連事業者に対し、無通告で立入検査を実施します。具体的には、現品、在庫などを検査したり、製造工程などの商品の製造状況も検査するのと併せて、適正な表示かどうかを関連書類等により確認しています。

これらの検査の結果、不適切な表示が認められた場合は、指導、指示、公表、場合によっては罰則ということになります。

次のページを御覧ください。

これも参考なのですが、平成23年から25年に、この食品表示部会においても、農産物検査法に関連した、玄米及び精米の表示に関する御審議をしていただいたことがありますので、御参考までに付けさせていただいております。

今回の改正とは、投げ掛けられた問いが違うということで、直接は連動しておりません。

一つ目の○ですが、これは繰り返しにもなりますが、今回の改正は、農産物検査証明を受けていない米を直接販売する米の流通など、流通が多様化しており、このような農業者から農産物検査証明を受けていない米についても、3点表示を可能とする要望が規制改革推進会議に寄せられたということがきっかけとして閣議決定がされて、それを踏まえて行うものが今回の改正です。

平成23年から25年においては、これも同じく閣議決定なのですが、「規制・制度改革に係る対処方針」、「日本再生加速プログラム」において、農産物検査法に基づく検査証明以外の方法で、玄米、精米の品種、産年の証明を行う方法はないかという問いに関して、こちらの食品表示部会で御審議いただいて、その結果、第三者チェックを伴う認証等は、コスト面から実行可能性が見込めないということから、新たな検査証明の仕組みを構築することは困難と判断されて、審議が終了したということが過去に行われております。

最後に、次のページをおめくりください。

17ページですが、当方が考えている施行までのスケジュールでございます。

10月に、食品表示基準の改正案を、食品表示部会のほうに諮問させていただいております。

あわせて、現在、改正案についてパブリックコメントとWTO通報を行っております。今後、この改正案について御審議いただいて、できれば1月末から2月初めぐらいには答申を頂いて、閣議決定上令和2年度末までに措置ということもありますので、3月末までには公布をしたいと考えております。

施行については、令和3年7月1日に施行をし、令和3年産米から、やりたい方は、改正後の規定で表示ができるようにしたいということを考えております。

消費者庁の説明は、以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございました。

途中、回線が不安定で、音声が途切れ途切れになった委員の方もいらっしゃるようですけれども、ここまで御説明いただいたところについては、よろしいでしょうか。回線不良で説明が求められるところがあれば伺っておきたいと思うのですけれども、特に御要望はございませんでしょうか。もし、ある場合には、この後、チャットで御記入いただければ、指名させていただきます。

よろしいでしょうか。

それでは、ここからは、今日は、まず、先ほどの農水省の説明、また、消費者庁から御説明いただいた内容について、御質問あるいは御意見を頂きたいと思うところです。

まず、御質問、御意見のおありの方は、チャットで意思表示をしていただき、そのチャット画面を、私のほうで拝見をしながら指名をさせていただきたいと思います。

御意見、御質問、おありの方は、よろしくお願いいたします。

今、渡邊委員から質問があるということを、チャットで拝見いたしました。

それでは、渡邊委員から、よろしくお願いいたします。

○渡邊委員 ありがとうございます。聞こえますでしょうか。

質問が何点かあるのですけれども、大きいところでは、まず、農林水産省から御説明いただいた、検査のいろいろな見直しを行う、そもそも、どうしてそういうことを行うことになったのかという辺り。

というのは、今回、大分検査を簡便に受けられたりする方向に変えていると思うのですけれども、なおかつ、表示の反映のところは、この検査をしなくてもいいとした、何かその辺りがちょっとよく分からないので、そこを説明していただきたいのと、あと同時に、表示のところも閣議決定の内容に至るところで、一度、平成23年から25年について、同じようなことやっているのですけれども、今回、そのときは駄目だとなったのが、今回は書類だけで、いわゆる表示できるようにするという改正をする。平成23年から25年のときと、今とで何か状況が変わったので、今回はこういう形で出すと、普通は思うのですけれども、背景というか、そこが変わったのは、どういうことが変わったから、こうなったのかという、二つをお願いしたいと思います。

あと、内容的に細かいところ、分からないところがあるのですが、それは後でまたお聞きします。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

今、渡邊委員から御質問を頂いております2点、そもそも論に近いところなので、ちょっと、この2点については、先に御質問にお答えいただいて、理解を深めていくという形で進めていきたいと思うのですけれども、まず、一点、農水省に対して、検査の見直しをこれまで図ってきている。その検査の見直しが図られている一方で、今回、検査を受けていないものについての表示が、そ上に上がっているという背景、これが一点。

二つ目は、以前の議論との関係、先ほど五十嵐課長から最後の部分で御説明いただいて、関連はないというお話もございましたけれども、ここの理解を深めておきたいので御説明をよろしくお願いいたします。

○農林水産省上原米麦流通加工対策室長 ありがとうございます。

それでは、渡邊委員からの御質問にお答えをさせていただきたいと思います。

まず、そもそも農産物検査規格の見直しを行うことになった背景でございますが、まず、御説明資料の資料1-1の7ページでございますけれども、平成28年11月に、農業競争力強化プログラムの中で、農産物の規格、これは農産物検査規格も含めてでございますけれども、それぞれの流通ルート、そして消費者ニーズに即した合理的なものに見直すということが記載されております。

こういうことから農林水産省の中でも、懇談会、検討会を開催しながら、農産物検査の見直しに努めているということです。

このような中で、本年1月より規制改革推進会議の農林水産ワーキング・グループでも御議論いただき、例えば1月には農業者の団体から御意見を伺ったこともございました。

そういう中で、お米の流通について、変化が出ておりまして、農業者から実需者、消費者に直接販売をされているものも拡大してきているというようなお話もございました。

こういう直接販売されているような流通については、必ずしも農産物検査を受ける必要がなく、買い手である流通者、消費者のニーズに応えられるような品質であれば足りるというような御意見をおっしゃっていらっしゃったということでございます。

農産物検査を受けられるときには、やはり農業者の方は、検査場にお米を持ってこられるとか、あるいは検査の手数料が必要になるというところもございますので、そういうところも、検査を受けなくても、消費者に直接農業者の方が信頼と責任を伴って販売していく、そういうことを進めていきたいと、そういうお気持ちもあるのではないかと思っております。

農水省からは、以上でございます。

○受田部会長 それでは、もう一つの質問に関しては、これは、消費者庁からお答えいただけますか。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 渡邊委員から御質問のあった2点目についてです。

まず、資料の2-1の16ページを御覧ください。平成22年、24年にあった閣議決定なのですが、閣議決定で検討を行うこととされた事項は、米の年産、品種について、農産物検査法に基づく検査証明書以外の方法により、証明を行うことができれば表示を可能とするよう、検討を行うことが書かれていました。

一方、今回の規制改革実施計画は、これは、資料の4ページのところを御覧いただきたいのですが、食品表示基準上、検査米、未検査米双方を対象に、産地に加え、品種、産年の任意表示を可能とすると書かれており、こちらは農産物検査による証明を受けていない場合であっても、産地・品種・産年の表示を可能とするようにということが、閣議決定に書かれているということです。すなわち、前回の議論においては、農産物検査証明以外の方法により証明を行う方法があるかという投げ掛けで、そういう観点から御議論いただいていますが、今回の議論は、証明を行う方法ではなくて、そもそも農産物検査による証明を受けていない場合であっても、産地・品種・産年の表示を可能とするということに対しての議論なので、議論の出発点が異なっているということでございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

渡邊委員、いかがですか。

○渡邊委員 今の五十嵐課長の説明で、ちょっと違いが、もう一つよく分からなかったのですけれども、今回の農産物検査によるものに加えて、その他の品質確認による場合も可能とすると、上に書いてあるので、確かに今回のほうが、以外のところが強いと思うのですけれども、そんなに変わらないとは思うので、この閣議決定以外に、例えば、今回、こういうことになった背景、例えば、今回証明書でいくという形になっていますけれども、証明書が以前よりも、きっちり付くようになったとか、何かそういういろいろな背景があるということなのでしょうか。もうちょっと詳しく説明していただければと、閣議決定の内容は分かったので、ただ背景的に何か違うことがあるのかなというのも教えていただければと思います。

○受田部会長 平成23年から25年の閣議決定の内容から、要は今回の審議の内容がどんなふうに関連しているかというところ、その間の変化という部分を含めて、渡邊委員から、再度御質問を頂いております。

五十嵐課長、いかがですか。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 閣議決定の問い掛けが違うということだけではなくて、それ以外の理由ということなのですが、先ほど、私の説明の中でも少し触れさせていただいたのですが、農産物検査における等級の格付ではなくて、産地・品種・産年の確認については、基本、書類による確認、すなわち、生産者から事前に提出される種子の更新状況や、品種別の作付状況が分かるような書類を確認して、その情報を踏まえて現物を目視により確認をするというのが基本であるということなのですが、一方で、近年、品種がたくさん増え多様化しているということで、目視の検査での判別が困難になっているということを伺っております。

このため、農産物検査で確認に使用されている書類の保管の義務付けをすることによって、農産物検査で確認するのと同等に表示が適正かどうかというのを、担保ができるということ。そういう事情もあって、今回、根拠資料の保管があれば、表示の3点表示はできるという改正をするということでございます。

○渡邊委員 ありがとうございました。

○受田部会長 この辺りを、少し理解を深めていく必要があり、実際に農業者の方々から、そういう要望が寄せられたという背景も、非常に大きな理由であるということもございました。

この辺りを頭に置いて、今回の諮問にお答えをしていかないといけないということだと思っております。

恐らく同様の御質問をお持ちの委員の方もいらっしゃるのではないかと思いますけれども、今日は、まず、御説明いただいた内容に関して、今のような疑問点等を出していただいて、理解を深め、共有していくということが主たる目的でございますので、更に御質問、御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

菅委員が、今、メッセージ入力ということですが、菅委員、御質問等ございますか。

○菅委員 それでは、質問したいと思います。

幾つかあるのですけれども、立法技術的なことで最初に確認をしたいのですが、農産物検査を受けたものと、検査を受けていないけれども根拠資料を保管しているものと、その他のものとについて、改正案の表現上は、改正後は何が義務表示事項となるのかについて、ちょっと整理が理解しづらいところがあるように、個人的に思っていまして、先ほどの御説明の中で、根拠資料の保管の義務付けということが御説明にあると思うのですけれども、改正案の規定上は、「保管をしていれば、任意で表示ができる」と定めているだけのようにも思いますし、現改正案でなされている整理が、やむを得ない書きぶりないし規定の仕方なのかどうかという点を確認させていただきたいと思います。

細かく言いますと、資料2-1の8ページの現行と改正の部分の対照表のところですけれども、現行のほうは、農産物検査で証明を受けたものについては、「単一原料米」と書いて、3点表示する義務があると。それは、すなわち義務表示であるとする一方で、そうでないものは、「複数原料米等」ないし3点全部には検査等による証明がないと書く義務があるという意味での義務表示が定められていて、加えて、3点、正確には品種及び産年の2点なのかもしれませんけれども、それについては証明なしには書いてはならないという義務も、別途に規定されているのではないかと思います。

他方で改正案では、根拠資料を保管しているものについては、「単一原料米」と書いて3点表示する義務があるとはなっていますけれども、書きぶりだけから見ると、端的に「根拠資料を保管する義務がある」という規定の仕方にはなっていないのかなと思います。

変な言い方になりますけれども、表示しなければ、保管しておく義務まではないとも言えますし、仮に保管していても、実際には保管していないことを前提に書かないことも、それが、メリットがあるかどうかはともかくとしまして、現実には可能となるような気がしてしまいます。

実際に意図されているところは、もちろん、少なくとも「保管義務」と表現されているものとの関係では、全ての玄米や精米に対して、単一プラス3点表示か、そうでない幾つかの種類の表示、その複数原料米等に関する表示をするのかのいずれかの表示義務があって、それを前提に、3点の全部ないし一部の表示をする場合には、農産物検査証明の場合を含む根拠資料の保管義務があるとしたいと。その表示をしない場合には、単一でない旨の表示を義務付けたいというものだと思うのですけれども、そういう整理には、条項の形式上はなっていないのではないかと。少なくとも、理解しづらいのではないかと思います。立法技術的な問題かもしれませんけれども。

それゆえ、根拠資料を保管していれば、3点が義務表示事項になりますという説明と、根拠資料を保管していれば、任意で3点の表示ができますという説明が混在している。どちらも正しいような表現として混在しているのではないかと拝察します。

今回の改正における整理や実際の規定の仕方や説明の仕方が、これで分かりやすくスマートなのかは、御検討いただけたらなと思いますし、その罰則のかかり方とのリンクかもしれないのですけれども、もちろん根拠資料保管を義務とするという方向に疑問を持っているわけではないのですが、説明がなされる場合などにどう表現されるのが正しいのかなというのに、少し迷いがあります。

もう一つ、その質問とも関連するのですけれども、確認なのですが、3点の全部若しくは一部には、農産物検査による証明も根拠資料保管もしていないけれども、一部にはしていますという場合には、3点の一部については、根拠資料保管を前提に、具体的に表示してもよいということになるのかなと思います。

それが、正しい理解だとしまして、その一部保管がある場合にも、それは義務表示事項になったのだという言い方になるのか、3点のうちの一部についての表示がなされる場合も含めまして、その表示の具体例として、どんなバリエーションが加わることが想定されているのか、ゆくゆくガイドラインのようなものができるのか、ちょっと分からないですけれども、消費者の混乱を招くことがないのかどうかということを、ちょっと早いかもしれませんけれども、どういう立て付けになっているのかというのを整理して、理解したいなと思います。ここまでが、まず一つの質問です。

もう一つありますけれども、言っておきましょうか。

○受田部会長 では、一つずつ行きたいと思います。

今、その中の2点、御質問を頂いたと思いますけれども、やはり関連しておりますので、表示の在り方そのものに関わっているというところで、これは、消費者庁から今の御質問にお答えいただけますでしょうか。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 今の菅委員からの御質問についてお答えをします。

すみません、分かりづらくて恐縮なのですが、まず、頭の整理として、産地、品種、産年については、農産物検査証明を受けていない米についても表示できるようになるというのはあるのですが、基本的な表示の方法は、これまでと変更がないということが前提です。その中で、菅委員がおっしゃるとおり、単一原料米は、すなわち産地、品種、産年が同一であって、根拠書類を保管しているものなのですが、単一原料米と表示を行いたいのであれば、きちんと産地、品種、産年を書かないといけなくて、書くためには、根拠書類を保管していなければいけないということになります。

ですから、単一原料米と書きたければ、産地、品種、産年が義務表示ということが一つと。

もう一つは、単一原料米でない場合は、複数原料米など、産地、品種、又は産年が同一でない旨というのを書きなさいというのが、義務表示ということです。

あと、もう一つの御質問で、3点の全部または一部で、一部だけが証明なりその根拠書類がある場合というのは、そこは、具体的に書いていいということなのですが、ここは、ある意味、現行でもそうできていて、ただし、今までだったら、それは農産物検査証明により証明ができている部分だけが表示ができたところ、今回、農産物検査証明だけではなくて、根拠書類の保管によって、それが確認できるのであれば、その部分も表示できるということです。これでお答えになっていますでしょうか。

○受田部会長 菅委員、いかがですか。

○菅委員 そういうことをおっしゃっている趣旨だとは思うのですが、「保管義務」という言い方や、「保管義務違反」のようなことが、形式的には、条文上そう書いてあるわけではなくて、保管をしていないときに、単一原料米かつ3点を書くと「表示義務違反」になるといった、そういうことになるのですかね。説明の表現の仕方の中で、任意で書けるという点と、保管しなければいけない義務があるという点との関係が、うまく整理されるとよいなと思うのと、立法技術的に、もう少し違う書きぶりがあるのかどうかについては、すみません、まだ、何も検討できていませんが、そういう問題を感じながら資料を読みましたという意味での質問です。

とりあえずは、今のお答えの形で結構です。

○受田部会長 分かりました。

まず、今の御質問に関して、少し分かりにくい部分があるというところで、少し細かい内容に、最後はなっていくわけですけれども、次回以降、説明の分かりやすい資料を御用意いただくと、皆さん更に理解が深まっていくのではないかなと思いました。よろしくお願いいたします。

菅委員、もう一つございますか。

○菅委員 連続して申し訳ありませんが、もう一つ、今回の改正案の中で、農産物検査の有無や情報の確認方法、その表示確認方法というのは、なぜ義務的表示ではなくて任意表示とすべきとされているのかについて、消費者側の観点からすると違和感を覚えております。

農産物検査の困難性であるとか、農産物検査を受けない形で3点を表示したものの流通を認めていくことが生産者のサイドで望まれているといった御説明を受けておりますし、任意表示であっても、監視は適切に行う方針であるというお話も伺いましたけれども、それでも、農産物検査制度がなくなってしまうわけではなく、先ほどの渡邊委員の御質問の延長でもありますが、むしろ検査がやりやすくなるというようなこともなされるのかもしれませんし、農産物検査証明による検査米と未検査米というのは、現実にはそれぞれ存在して流通していくことになろうかと思います。

その際、「任意表示」でいいですとする背景には、農産物検査を受けて一定のお墨付きのあるもの、要するに既に「ある」ものも、自主確認等によるとして農産物検査を受けてはいないものも、消費者の合理的選択にとって同等である、ないしはそうであるべきと見ているということになっているのでしょうか。

生産者にとっての、費用を掛けて農産物検査をする意味、差別化といったもの、その表示との関係における差別化といったものや、消費者にとっての農産物検査で一定のお墨付きがあるとして販売されているものと、そうでないものとの選択の機会の確保というのは、資料1-1の5ページには、価格に大きな差というような表現もありますけれども、そうした選択の機会の確保というのは重要でないということになってしまうのでしょうか。

表示確認の方法の表示を義務付けたとしても、根拠資料があるわけなので、それほど事業者にとっても大きな負担ではないのではないかと思いますし、道の駅で、地元の農産物を農産物検査なしで販売するというような場合でも、真に地元で取れたばかりの単一の新米で、3点表示する内容や根拠資料には自信がありますよというようなことであれば、表示確認方法の記載を義務付けておいても特に支障はないのではないかとも思えたりもします。

その監視との関係でも、農産物検査を受けたのか、自主的な確認なのかは表示からすぐ最初に分かったほうが簡便であるようにも思います。

ですので、消費者庁も表示確認方法の記載は、消費者の自主的・合理的な選択機会の確保に資するとはお考えだと思うので、そうだとすると、なぜ、任意表示でよいと考えられるのかは、少なくとも、現時点では疑問に思うところです。

また、閣議決定との関係でも、先ほど、資料1-1の4ページの赤い枠内の記載からも、表示確認の方法を任意表示にすることが必須だとまでは読めないのではないかとも思うので、その辺りがどうなのかというのをお伺いしたいと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

もう根本的なところを御指摘いただいているように思いますので、これについても、まず、御質問にお答えいただいて、その後、続々チャットに表明していただいているので、更に御質問を頂こうと思います。

まず、今の菅委員からの御質問に対して、これも消費者庁からでしょうか、お答えいただけますでしょうか。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 今の菅委員からの御質問についてなのですけれども、まず、今の農産物検査の、少なくとも産地・品種・産年の確認の部分についてなのですが、これは、先ほど御説明したとおり、基本は書類による確認で、目視の部分が、なかなか難しいことになっているということなので、まず、表示の真正性の担保という意味では、農産物検査で確認をしている書類の義務付けを行うということでもって、担保するということにしたということなので、したがって、農産物検査の受検であろうが、第三者なり、○○ライス、その他の確認の方法であろうが、正しい表示が行われていることについては、確認方法によって差が生じないということであるので、差が生じないものについて表示を義務付けることは適切ではないということで、義務とはしないということにしているところです。

監視については、書類が追えれば、それが義務付けでちゃんと持っていることになっていれば、監視もかえってしやすくなるということになります。

さらに、閣議決定についてですが、まず、大前提として、未検査米と検査米との間で差を設けないということになっております。

その具体的な書きぶりですが、農産物検査を受検しない場合について、その旨の表示を義務付けることはしないということなので、逆に農産物検査証明によるということを義務付けると、農産物検査をしていないということも義務付けをするのと同じ効果が生じてしまうので、そうすると、閣議決定にも反してくるという部分もあります。

この閣議決定との関係では、ちょっと繰り返しになるのですけれども、未検査米と検査米との間で差をつけないということがありますし、こちらは規制改革なので、また新たな義務表示というのは、新たな規制につながるということもあって、農産物検査を受検しない場合について、その旨の表示を義務付けることはしないということで規定をされているというところです。

○受田部会長 ありがとうございました。

菅委員からの御質問、規制改革で生産者側からの要請、要望があるというところ。

一方で、消費者の選択、合理的な選択をというところと、その絡みをどう考え、真正性を担保していくのかというようなところにつながっていく話だったかと思います。

まだ、先ほどの五十嵐課長のコメントに対して、菅委員から、更にコメントもあるのではないかと拝察しますが、菅委員、他の委員の方からの御質問も受けたいと思っているのですが、そちらに移らせていただいてよろしいですか。

○菅委員 はい、意見は、もちろん今伺ったことに対してもありますけれども、それは今日の段階では要らないかなと思っていますので、後日にしたいと思います。

○受田部会長 承知しました。ありがとうございます。

○太田参事官 五十嵐課長が補足をしたいということでございます。

○受田部会長 そうですか、分かりました。

では、五十嵐課長、補足をお願いします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 一点、補足なのですけれども、菅委員がおっしゃっていただいたように、ただ一方で、どうやって表示を確認したかというのは、消費者が知りたい事項で、消費者が自主的、合理的に食品を選択するときに資するものということは、我々もそう思っていますので、閣議決定との関係もあるのですが、これは、義務というところは、なかなか難しいのですが、積極的に表示していただくことが望ましいと思っておりまして、関係通知に、その旨、食品関連事業者に周知をするために、規定をしていくことを検討していきたいと思っております。

すみません、以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。補足をしていただきました。

それでは、チャット上には、今村委員、戸谷委員から御発言があるということがございますので、順番に行きたいと思います。

今村委員、お願いします。

○今村委員 今村です。

私、監視のことについて、ちょっと質問をしたいと思います。

今回の改正、恐ろしく監視がしづらい、確認がしづらい改正だと思うので、どういうふうにされるのかというのを教えてもらいたいと思います。

今までですと、この食品検査に証明書を持っていって、検査員の人たちが確認をするというような、一定の基準があったと思うのですけれども、今回、自由に記録を残しておいていいですよということになりますから、そのフォーマットや残す書類もまちまちになってしまうので、確認する側は、何を基準に決めるかというのは非常に難しいと思うのです。

実際、例えば、領収書などを役所に提出する場合は、フォーマットとして最低限、こういうのが必要ですけれども、手元に残してくださいねといったら、まちまちなものを残してしまうと思うのです。

ですから、実際に持ってきて確認するという作業と、家に、確認しておいて置いておいてもらったものを確認するという作業は、随分違ってきて、監視するのが難しくなって、逆に抜け道が幾らでもできるのではないかということを心配します。

その関係で、現実に、どうなるのでしょうかということの確認を幾つかお願いしたいのですけれども、例えば、海外から入ってくるお米の場合、海外のどこどこセンターの確認済みという場合は、それは、輸入者が、その書類を、ここに書いているような伝票を持っていなければいけないということなのか、それとも、海外の確認センターが持っていたらいいということなのでしょうか。

もう一個、例えば、出どころがはっきりしないようなお米というのもあると思うのです。質流れ品ではありませんけれども、今まででしたら、未検査米という検査のくくりがあったのですけれども、今回、任意表示になると、そういう場合は、どのように書かれるのでしょうか。

それに対する監視というのは、どんなふうに行われるのでしょうか。その監視のやり方、具体的にどこまで考えているかを教えてもらいたいと思うのですが。

私からは、以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

監視の点の御質問でした。

先に、戸谷委員から御質問を頂いて、その後、お答えいただくようにしたいと思います。

戸谷委員、お願いいたします。

○戸谷委員 戸谷です。

私も同じような質問になってしまうのですけれども、今回の改正を実際に消費者に信頼される表示の仕組みとするためには、表示の信頼性を確保するため、やはり根拠資料の確認ということが、非常に重要であって、それには、今村委員からもお話のあったように、どのような形で、きちんとした監視を進めていくかということが、ポイントの一つだと思います。

一方で、全国には、お米の事業所というのは、すごくたくさんあるので、これを実際、効率よく監視を進めていくというのは、労力も含めて、結構大変なところがあるのではないかと思います。

そういう意味で、今村委員の御質問と同じになるかもしれませんが、監視の流れや手順あるいは手法について、改めて教えていただきたいと思います。

いかがでございましょうか。

○受田部会長 ありがとうございました。

今村委員、戸谷委員から監視に関しての質問がありましたので、これは、お二人の質問を受けて、コメントを頂ければと思います。

これも消費者庁になりますかね。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 まず、今村委員、戸谷委員から御質問のあった件です。

確かに、根拠書類の、新しく書類の保管の義務付けをするということで、監視というのは、一つ、重要なところになってくると思います。

このため、監視がしっかりとできるようにということで、根拠資料の保管の方法ですね、どういうものを誰がどこで、どれくらいの期間持っておかないといけないということは、別途、通知のほうで記載することとしております。

例えばの例示として、資料の2-1の6ページのところを御覧いただきたいのですが、こちらで例示として挙げておりますが、このような書類などを考えておりますが、具体的にどういう書類、どういう保管方法というのは、現在、実際にビジネスをやられておられる、生産されておられる生産者団体、米卸業者からのヒアリングを行っております。

このヒアリングの結果を踏まえて、実情に合うような現実的なもの、かつ、しっかりと監視ができるように、通知のほうに規定をしていきたいと思っております。

この通知は、食品表示部会における諮問事項ではございませんが、通知がある程度形になった段階で、こちらの食品表示部会でもお示しをしたいと思っております。

それから、監視の実務の流れ、手順、手法などについては、食品表示対策室長の木村のほうから御説明をしたいと思います。

○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 食品表示対策室の木村でございます。

先ほどの今村委員からの御質問の部分をお答えしたいと思います。

まず、現在の監視でございますが、単に農産物検査の証明だけ、これを見て、真正性の確認を行っているわけではございません。

通常の場合におきましても、例えば、仕入れた米についての送り状、納品書、規格書、それから輸入品に関しても御質問がありましたが、これについては通関証明書、こういうものを確認しております。

また、仕入れたものだけではなくて、実際に製造するという過程がございますので、その製造する際の仕様書、指示書、精米記録、販売する際の送り状、納品書、規格書、こういうものを確認しており、これは常日頃からやっているものでございます。

ですから、農産物検査の証明書、これがあれば、確度は非常に高くなりますけれども、それ以外のものでも、当然のことながら社会的な検証を行っておりますので、仮に今回の改正が行われたという場合であっても、検査の手順に大きく変わるところはないであろうというのが、私どもの考えでございます。

それと、実際に、社会的検証だけではなくて、例えば、疑義商品があり、おかしいのではないかという場合であれば、そういう精米工場等の工場の中の製造工程等についても、現地で確認するという作業を行いますので、そのような、もろもろの検査の組合せ、これによって、真正性を担保していく、確認していくということでございます。

仮に、その工場の段階でも分からない、原料玄米そのものに誤りがあるのではないか、そういう疑義が生じた場合には、遡って、その仕入れ業者に対する検査をやっていくというところですので、先ほど五十嵐課長から御説明がありましたように、具体的に保存される書類、これが確定してまいりましたら、それに基づいて検査をやっていく、確認をやっていくというプロセスが入るということ、検査証明に代えて、その確認すべき書類、それを見ていくということになるかと思います。

そうなれば、今までの検査手順と大きく変わるところはないのではないかというところが、私どもの考えでございます。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

監視の在り方、手順も含めてということになりますけれども、今村委員、いかがですか。

○今村委員 今、木村さんがおっしゃったことは分かるのです。私も長い間、食品監視をやっていましたので、どういう状況かというのは、理解しています。

ただ、実際に、持ってきてもらった書類を確認するのと、家に置いてある書類を確認するのは、全然違います。

ここで、種子購入記録といった場合でも、まちまちなわけですね。ですから、何を残しておくかというのを、よほど明確に書かない限り、違反を追及するというのはなかなか難しいわけで、それができるようなマニュアルを作るというのは、至難の業というのを何回も自分が経験したので、非常に難しいだろうなと思います。

それと、海外の輸入証明書には、そんなことは一切書かれないわけですから、海外に書類を持たれてしまうと、どうにもできないという現状があります。

以前、原産地表示の議論のあった際も、海外の証明は、なかなか難しいということで、輸入品という表現が持たれたぐらいなので、今回も、種子購入記録とかを、実際に、どこで保管しておいてもらって、監視をどうするのですかというのを具体的に詰めない限りは、現実、抜け道になってしまうと思います。

ですから、そういったところまで義務化をするのであれば、詰めておかないと、たくさんの抜け道ができてしまって、結果的には、監視できないということになります。

ですから、そこら辺の詰めが、この制度をつくっていく上では、必ず必要なのではないかと思います。

ですので、そこは、今のままと変わらないということは、絶対ないと思いますので、ぜひ、強化して、マニュアルを作成するにしても、踏み込んだものを作っていかないと、これは空文化していく可能性が高いと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

戸谷委員からも効率的な監視の手順というものが求められると、先ほどコメントがありましたけれども、いかがでしょうか、先ほどの消費者庁のお答えについては。

○戸谷委員 お答えいただいた考え方というのは、確かに分かるのですけれども、こういう形で監視をして、ちゃんとチェックされているのですよというのを、消費者に示していけるように、これから具体的なことを詰められる過程においては、ぜひ、お願いしたいというように思います。

やはり、義務化ということが法律になっている中では、そこは国民に対して、制度は、こうなっている、実際の監視としては、こういうふうにきちんとやっているのだというのを、今村委員からも課題がございましたけれども、そういうことも整理をしながら発信していくということが、大事ではないかなと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

他の観点でも構いませんけれども、渡邊委員から、また、質問があるとチャットで御記入がございます。

他の委員の方、いかがですか。もし、ないようでしたら渡邊委員に御質問を振らせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

では、渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 ありがとうございます。

今の監視ともちょっと関係があるのですけれども、消費者庁の資料の3ページ、これは農林水産省の資料ですけれども、農林水産省の資料のほうで、今、検査を受けているのが大体3分の2ぐらいで、3分の1は検査を受けていないというような数字があって、この消費者庁の3ページの流通の流れを見ると、要するに消費者に渡るのは、JAから直接行く流れと、JAを経由して卸、小売を通る流れと、あと農家直売等と書いてありますけれども、その他と、この三つがあるわけで、今、検査を受けていないというのは、主に農家直売等の、この流れなのかどうかということと、今、だんだん多分増えていると思うのですけれども、この農家直売等というのは、実際、今のところ何割ぐらいあるのかなというのが、ちょっと知りたいところです。

あと、先ほどの監視の話ですけれども、今、検査する箇所が、もう1,700箇所とか、すごい箇所があって、実際検査する人も1万9000人もいる。その人たちは、結構書類を見るのも慣れているにもかかわらず、その監視のときに、この人たちを使わないというのは、どうしてなのかというのもお聞きしたいと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

前段は、農水省からお答えいただいて、後のほうは、監視に関わるので消費者庁から更にコメントを頂ければと思います。

○農林水産省上原米麦流通加工対策室長 渡邊委員の御質問にお答えします。

まず、御説明を冒頭申し上げたところになりますけれども、農水省の説明資料、資料1-1の1ページに、委員がおっしゃったとおり、検査の数量が記載しております。右上の主な農産物の検査状況というところでございます。

生産量、お米で言いますと、732万トンということで、検査を受けているのが493万トン、受検率は大体67パーセントということです。

それと、流通の図を見比べていただいてということになりますけれども、農水省の説明資料で6ページ、消費者庁の説明資料でいうと、3ページでございますけれども、この中で、検査を受けていないで流通されるお米、どのルートで、どれだけかというのは、明確には申し上げられませんが、多いのは、まず、やはり農家消費のところです。

これが大体どれぐらいあるかというと、平成30年産米で言いますと、130万トンということです。

これは、検査を受けていないものが大半ではないかと思います。

あと、農家直売で動いているものがどれぐらいあるかということでございますが、大体260万トンぐらいではないかと認識しております。

残りが集荷事業者などを通じて、販売されているお米ということでございますが、これが大体317万トンぐらいではないかなと認識しております。

お答えになっているかどうかでございますけれども、農水省の認識している数値は、以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

そのうち、受検しているもの、未受検のものの比率というものまでは、今の時点では分からないということかと思います。

あと、監視に関して、具体的に担い手の部分で、渡邊委員から二つ目の御質問がありました。これについては、いかがですか。

○消費者庁木村表示対策課食品表示対策室長 渡邊委員の御質問に対してお答えしたいと思います。

まず、渡邊委員のほうから提案がございました、登録検査機関が1,700程度あって、人員が1万9000人程度いらっしゃるというところですけれども、これについては、農産物の規格検査、これに従事される機関と人員の数と理解しております。ですから、あくまで農産物検査、品位等検査なり成分検査に従事される方ということで、全て民間の方でございます。

一方、適正な表示という部分の監視体制につきましては、国と地方自治体が担っております。

これにつきましては、資料2-1の13ページ、こちらにございますように、私ども消費者庁、それから、農林水産省、都道府県、指定都市、こちらの中の品質に関する仕事、表示に関する仕事に従事していらっしゃる方々が担っているということでございますので、表示の監視という意味では、この行政機関のほうでやるということ、農産物検査については、先ほど御指摘のあった機関と人員でやるということで御理解いただければと思っております。

○受田部会長 ありがとうございました。

監視の在り方、手順については、先ほどから複数の委員に御指摘いただいておりますので、現実的、実効性の高い効率的な監視については、今後も議論していくことになるのではないかと思います。

今日のところは、今、監視のところがかなり指摘をされているというところで、とどめさせていただいて、他の委員の方、いかがでしょうか、違う視点での質問で構いませんが、特にございませんでしょうか。

チャット上は、今のところ入力もないようですので、今日のところは、意見交換については、ここまででよろしいでしょうか。

今後の予定としては、また更に御説明いただこうと思いますけれども、ヒアリングをしていくということを計画しております。

そのヒアリングの内容を踏まえつつ、今日、御質問いただいた点、また、御意見いただいた点を審議していきまして、最終的に、パブリックコメントも寄せられることになりますので、その内容等も加味しながら、最終、この諮問に対する答申を固めていくという、そういうプロセスで進めていきたいと思うところです。

特に今日の時点では、委員の皆様から、これ以上、もう御発言はないということでよろしいでしょうか。

渡邊委員、メッセージ入力中ということですけれども、どうぞ、渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 すみません、今回の表示とは、余り関係ないので、確認だけしたいと思って最後にしたのですけれども、この農産物規格の検査で、1等、2等、3等とあるのが、歩留りに関係あると説明があったのですけれども、歩留りということは、精米の量が違ってくるだけなので、結果として、できたお米についての品質の差はないという理解でいいのでしょうか。

というのは、今回検査もしないで出すということは、ひょっとしたら、この1等、2等、3等も分からない状態なので、例えば3等であっても、精米すれば出来上がりのものは変わらないという理解でよろしいのでしょうか。

○受田部会長 ありがとうございます。

これは、農水省からお答えいただけますか。

○農林水産省上原米麦流通加工対策室長 渡邊委員から御質問いただきました。

まず、農産物検査については、委員が今おっしゃったとおり、品位等検査、1等、2等、3等という数字でございますが、主に精米歩留りを表すものですが、当然、原料となる玄米の品質によって、精米の品質も変わるということは、あり得ると思います。

例えば、着色されているお米などが、精米工場に行って、完全に取れるかというと、なかなか取れないものもあるということも、卸の方では、おっしゃっているところはあると認識をしています。

ただ、今回の産地・品種・産年の表示と、また、この精米歩留りの検査については、また別だと認識をしておりますので、今のお米の袋の、消費者に渡るお米について、それが1等米なのかどうかとか、そういうことの表示をなされるということではなく、あくまで今回の議論というのは、産地・品種・産年の表示について御議論いただいているということだと認識をしております。

○受田部会長 渡邊委員、よろしいでしょうか。

○渡邊委員 説明は分かりました。

ただ、要するに、今まで検査を受けて品種表示をしているものと、検査を受けないで品質表示をしているものが、品質上、何か、3等米が流れていって、いかにもいい品質のように行くようなものがないかということだけ、ちょっと気になったもので質問いたしました。

○受田部会長 ありがとうございます。

関連してくるということになりますね。

戸谷委員からも、農産物検査のことで、質問があるということですが、いかがでしょうか。

戸谷委員、どうぞ。

○戸谷委員 戸谷です。

今のお話とも少し関連するかもしれませんけれども、これからの新しい仕組みになると、農産物検査証明によるという表示が、任意であっても表示されることが、きっと多いのだと思いますね。

一般の消費者の人は、農産物検査とは何だろうかと、正直言ってほとんど知らないし、今までは最終商品のお米の袋の表示の中にも、こういうものは書かれていないわけですよ。

そういうことを考えると、これは農水省さんにも、消費者庁さんにも関連するのでしょうけれども、今、お話があったように、農産物検査証明とはこういうものですよということは、やはり丁寧に情報発信をしておいていただくことが必要かなと。消費者も、今後、そういうものが書いてあったり、書いてなかったりするものが混在するかもしれないので、そうしたときに、立派な農産物検査証明という言葉になっているので、何だろうとかと思うので、その辺は、丁寧な情報発信が必要かなと感じましたので、それだけ申し上げておきます。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

○太田参事官 五十嵐課長から、補足で発言を求められております。

○受田部会長 分かりました。

五十嵐課長、では、お願いいたします。

○消費者庁五十嵐食品表示企画課長 渡邊委員から御質問があった件について、農水省からも説明がありましたが、その点について、今後、誤解を生じてしまうと、議論が錯そうしてしまうので、そこをちょっとクラリファイするために、発言をしたいと思います。

現行の食品表示基準上、3点表示を行うために、農産物検査の証明が求めておりますが、等級については、何も規定しておりません。

ですので、1等、2等で格付される米だけではなくて、いわゆる品質が劣るような品位の米、3等とかであっても、食品表示基準上、3点表示は可能となっております。ですので、3等のようなものであっても、3点表示がされているという実態があります。

ですので、農産物検査を受検して、3点表示を行っているからといって、ある意味、立派な品質の担保が行われているというわけではないということは、補足をしたいところです。

あくまでも、1等、2等で何がどう取引されるかというのはビジネス上の話で、需要と供給との関係で、ビジネス上のBtoBの目安となるようなものということでございます。

○渡邊委員 ありがとうございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、一通り御意見を頂き、また、御質問も頂戴いたしましたので、今日のところの質疑については、これまでにさせていただきたいと思います。

今日は、まず諮問内容を御説明いただいて、その背景と、これまでの閣議決定に関しての歴史的な部分も勘案をしながら、いろいろな情報を、まず共有したということになります。

まだ、そもそも今回の諮問に至る状況の変化に深い理解も必要な部分があるというお話がございました。

また、3点セットに関して、諮問の内容は理解しつつも、実際に、この任意表示に関して、かなり細かい部分について深い理解が求められるというお話もあったように思います。

この点が、消費者の自主的かつ合理的選択の機会の確保という部分に、かなり関連してくる。そして、その真正性、要は信頼性をいかに担保していくかという意味で、監視の在り方について、これは実効性も含めて詰めていかなければいけないというお話がございました。

実際に、現状の農産物検査の在り方についても、今回の諮問の内容と関連して、現状の理解が更に求められるところかなというのを、やり取りを伺って感じた次第です。

今後、今日頂いた御意見に関して、更に意見交換をしていきたいと思いますけれども、冒頭申し上げましたとおり、具体的に、生産者あるいは販売者を取り巻く現状や、その御要望なども、ヒアリングを実施することによって、この食品表示部会としては、しっかり理解をしていきたいと思います。

その理解の上で、この諮問内容の答申に向けての議論へと深化させてまいりたいと思っているところでございます。

今日のところは、質疑については、以上とさせていただきます。

≪3.閉会≫

○受田部会長 本日の議事は、以上となりますけれども、最後に、事務局から連絡事項をお願いしたいと思います。

○太田参事官 本日は長時間にわたり、熱心に御議論いただき、ありがとうございました。

また、接続の不具合で進行が乱れましたこと、大変申し訳ございませんでした。この場をお借りして、おわび申し上げます。

次回は、11月18日水曜日、10時からを予定しております。詳細は追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

以上でございます。

○受田部会長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。食品表示部会を、こういった形で、オンラインで開催させていただきました。

回線の不具合等、先ほど、参事官からコメントがございましたとおり、一部、進行に不手際があったことは、改めて、おわびを申し上げます。

チャットの機能を駆使しながら、コミュニケーションをスムーズにと考えておりますので、もし次回、また、オンラインということになりましたら、今日の御経験を踏まえ、改善をよろしくお願いしたいと思います。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)