第47回 食品表示部会 議事録

日時

2018年11月8日(木)13:59~16:43

場所

中央合同庁舎4号館2階共用220会議室(東京都千代田区霞が関3-1-1)

出席者

【委員】
受田部会長、樋口部会長代理、安達委員、池戸委員、今村委員、澤木委員、下浦委員、菅委員、夏目委員、松永委員、渡邊委員
【説明者】
ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会 三村事務局長
ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会 UCD研究所 森下主任研究員
ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会 UCD研究所 野島研究員
【消費者庁】
橋本審議官
赤崎食品表示企画課長
【事務局】
二之宮事務局長、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「食品表示の全体像」について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂田参事官 皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

ただいまから、第47回「消費者委員会食品表示部会」を開催いたします。

本日は、岸委員、宗林委員、戸部委員、松嵜委員、宮崎委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

本日お配りしております資料は、議事次第に記載しておりますとおり資料1、資料2の2点となります。不足の資料がありましたら事務局へお申しつけいただければと思います。

本日も多くの傍聴の方にお越しいただいておりますので、御発言の際にはお手元のマイクを持ってお話しいただきますよう、お願いをいたします。

それでは、受田部会長、以後の進行をお願いいたします。

○受田部会長 皆さんこんにちは。本日も大変お忙しい中、委員の皆様お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、大勢の傍聴の皆様にお越しいただいておりますこと、心から感謝を申し上げます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

≪2.「食品表示の全体像」について≫

○受田部会長 前回に引き続きまして、今回も食品表示の全体像についての審議に入ります。本日で全体像に係る議論は3回目となりました。これまでに国際基準として認識しておくべきコーデックスや、食品表示一元化検討会における当時の議論の状況などについて、お話を賜りながら皆様よりさまざまな御意見をいただいてまいりました。

本日は、これまでの御意見の中にもございました、ユニバーサルデザインに関するお話を伺ってまいりたいと思います。その専門家としまして、ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会より事務局長の三村様、研究員の森下様、そして野島様の3名の皆様にお越しいただいております。本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきましてまことにありがとうございます。

委員の皆様におかれましては、これから御説明をいただきます内容を、今後の議論をさらに深めていく上での御参考にしていただければと思っております。

それでは、三村様、森下様、野島様、恐れ入ります、40分程度で御説明をお願いしたいと存じます。

○三村事務局長 ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会事務局長の三村と申します。よろしくお願いいたします。

始めます前に、資料のことについてお伝えさせていただきます。私たちはいろいろな研究をしております、権利関係のことがありまして、本日、上映するスライド全てを配布することができません。傍聴の皆様に配布する資料は、スライドの半分ほどの量になってしまいますが、ご了解ください。委員の先生方には、今日の資料全てを机上配付資料として配布しています。傍聴の皆様は、前方スクリーンのスライドで御覧いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

もうひとつ、傍聴席の後ろからはスライドの画面が小さくて見にくいと思いますが、これで進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

それでは、説明を始めさせていただきます。

まず、私たちの協会について簡単に説明いたします。

一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会と申します。設立が2009年です。

私たちは、コミュニケーションデザインの「わかりやすさ」を研究して評価をする。そして、認証する第三者機関として活動しております。

例えば、皆様がよく御存じの『東京防災』や『東京くらし防災』のわかりやすさを審査して認証しております。この『東京防災』の入札仕様書がここにありますので、その一部を読ませていただきます。

「高齢者、子供、障がい者など、多様な都民に配慮したユニバーサルデザインの考え方が徹底されていること」と、東京都が出した仕様書の中に書いてあります。

この『東京防災』並びに『東京くらし防災』の作成に当たっては、ユニバーサルデザインに徹底するということが求められているのです。

本日は消費者ではなくて生活者と言わせていただきます。私たちは、生活者、企業・行政、専門家の3つの立場で議論または実験を行い、「わかりやすさ」の研究をしています。それによって、客観性、重層性、第三者性が担保され、その中に研究の成果があらわれると考えています。

常日頃いろいろな実験をしています。まだ途中段階ですが、食品の表示についての実験に関しては、後ほど御説明いたします。

まずユニバーサルデザインについて話をさせていただきます。一般的には、ユニバーサルデザインとは、障がいの有無、年齢、性別、人種などにかかわらず、多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方、と言われています。

そして、これはアメリカ人の建築家ロナルド・メイスさんが提唱したUD7原則です。誰も否定しないようなことが書かれております。非常にすばらしい。これを実現するときっといい社会になるのではないか、皆さんそのように思われるでしょう。ただ、これはあくまでも概念で、標準化された基準というものがありません。ユニバーサルデザインには基準がないのです。考え方は非常にいいと誰もがおっしゃいます。でもそれをどう実現するかという基準がないのです。

製造メーカー、建築会社などは、いろいろな実験を自社の研究所で行い数値目標を定め、それを基準として使っています。そして、基準をクリアしたものを商品として社会に出しています。ですから私たちの周りには使いやすく便利なものが次々に出てきます。それは全てと言っていいと思いますが、ユニバーサルデザインという考え方をベースに出来上がっています。一番身近なものは自動ドアです。

そのほかに私たちの周りを見てみますと、電子端末、ドアノブ、シャンプーやリンスの容器、階段の手すり、車のいろいろな設備、そして身近なところではハサミなども、ユニバーサルデザインという発想のもとでつくられています。

このように製品は、使いやすさという品質を保証する独自の基準をそれぞれの会社で設けて製造されています。これは売り上げにもつながることですので、製造メーカーは非常に厳しい実験、検査をして世の中に送り出しています。

しかし、保険、金融、行政のように、重要な情報を紙に印刷したり、電子端末の画面に表示して生活者に届ける情報コミュニケーションに関しては、基準というものがありませんでした。何をもってこれがユニバーサルデザインだと言うのか、誰もわからない。製品だとわかります。使いやすい、安全、便利、快適など。情報コミュニケーションにおいては、「わかりやすさ」がそれに当たるのではないか、と考えました。

そこで、私たちは「わかりやすさ」の研究を始めました。それが約10年ほど前です。金融、保険、自治体などから来る通知物、申込書、パンフレットは重要なことが書いてあるのに、何でこんなにわかりにくいのだろう。そしてそれにサインをすると、契約が成立して、銀行口座からお金が引き落とされる。これでいいのだろうか。重要な情報をわかりやすく伝える方法を考えなくてはいけないと、有識者、学識者、専門家の皆さんと議論して、「わかりやすさ」をどう実現するかを研究してきました。

それがユニバーサルコミュニケーションデザインです。企業や行政はたくさんの情報を生活者に届けなくてはいけない、または届ける義務があります。

しかし、生活者と企業・行政の間には情報の壁というものがあります。企業・行政が、全部盛り込んだ、必要なことは全部書いてありますと言っても、生活者は読んでいない、見ていない。これでは情報は何の役にも立っていません。

では、どのように「わかりやすさ」を実現するか。これは非常にハードルの高い問題でした。当時、多くの方に「わかりやすさ」は人それぞれ違うので、そこに基準という一定の線を引くことはできないと言われました。私たちは、有識者、学識者、専門家の皆さんとの議論の末にわかりやすさの定義を設けました。「わかりやすさ」とは、わかりにくさの要因を取り除いた状態。

わかりにくさは発見することができます。ここがわかりにくい。理由は何なのか。文字が小さいから、たくさん書いてあるから、色がよくないから、文章がわからないから。

わかりにくさは見つけることができて、ほかの人とも共有することができます。そしてその原因を追究することができて、その深さまで表すことができます。要するに点数化することができるのです。

当時、保険金の不払い問題が起きていました。これは保険という商品が悪いわけではなく、情報がきちんと伝わっていなかったために、保険会社と契約者の間で大きなトラブルになったということでした。情報がわかりやすく伝わっていれば、このようなことは回避できたかもしれません。

家電製品の説明書に不満を持っている方もたくさんいます。定額給付金や児童手当、マイナンバーなどが始まると、市役所の窓口がパンクしたり、コールセンターの電話が鳴り続けるなどということもあります。国勢調査をすると不備がたくさんあります。このようなことは情報がきちんと伝わっていないということで起きているのではないか。だったらわかりやすく情報を伝えることができれば、不備や不満を軽減できる。これを情報のユニバーサルデザインと私たちは考えています。

ここからは食品の表示においてのユニバーサルデザインについて、森下から御説明差し上げます。

○森下主任研究員 UCDAの森下と申します。よろしくお願いいたします。

それでは、日頃研究しております「わかりにくさ」の要因について、御説明させていただきます。

先ほど「わかりやすさ」とは「わかりにくさ」の要因を取り除くこととありましたけれども、その中で代表的なもの、文字の書体、情報量、レイアウト、この3つについて簡単に御説明させていただきます。

まず文字についてです。

「わかりやすさ」の大きな鍵としまして、文字、フォントの選び方というものがございます。目的に応じた文字選びということです。

例えば挨拶文、こういった格調だとか格式が必要なものに関しては、整然としたゴシック体よりも、ある程度のとめ、払い、あるいは変化のある明朝体が選ばれがちです。こういったものはやはり人間の感性が影響しています。

そこで、食品表示に適した文字選びが必要だと考える3つの要素がこちらです。

まず1つ目、劣化状態での視認性、見やすさがあります。これは老眼や白内障のような肉体的な劣化ということ。人間の老化現象以外にも、食品の場合はパッケージの経年劣化ですとか、あるいは暗い照明のところで見た環境の劣化といったものも含みます。

2つ目は、数字の判読性が高いということ。カロリーや栄養成分の表示でこういったところは重要になってきます。

そして最後、密集しても可読性が高い。小さなスペースに印刷されることの多い食品表示ですので、やはり小さなところで密集しても読みやすいかどうか、そういったところが問われてまいります。

ちなみに、いろいろなメーカーでUD(ユニバーサルデザイン)フォントというものを開発しておりますけれども、これも基準がないので各社が独自の基準で製品としてつくっている状態です。つまり、UDフォントごとに大きな性能の差があり、見やすさ、読みやすさに格差が生まれていることもわかってまいりました。

そこで、まず劣化に対する強さ、つまり見やすさ、視認性に対する実験を東京電機大学の矢口博之准教授とともに行いました。

一般的なゴシックと、販売されておりますUDフォントで代表的なもの3つ、合計で4種類を選び、どれが一番見やすいのか比較検証をしていくというものでございます。

どのように比較するのかといいますと、フォントをぼやかしてみる。これは同一の条件で画像の処理を行っているのですけれども、ここで既に見にくい文字が出てまいります。

次にかすれの状態にしてみます。右上にあるBでは、5が見えなくなってまいります。

最後、これはにじませてみた状態なのですが、こうして見ますと例えば4と9、潰れているもの、判別しやすいもの、判別しにくいものがあり、同じUDフォントでもこれだけ差があることがわかってきました。

次に、老化に対するシミュレーションですけれども、左が一般的によく使用されているゴシック体、右がUDフォントAです。ぼやけたときの数字の部分に特に注目していただきたいのですけれども、3や4を見てください。左の文字は潰れてしまっていて、非常に判読がしにくいという状況になっています。

続いて同じ数字に関する実験です。こちらは2つとも文字のサイズは同じポイントです。ですが、左は文字が細く見えますし、非常に間隔が詰まって見えますので、一見しただけでも読みにくさ、見にくさというものをお感じになるかと思います。

これは食品の栄養成分表示をこちらで打ちかえたシミュレーションです。いろいろな単位や桁の数が混在するレイアウトの場合、一般的なゴシックでは文字の間隔やレイアウトが難しくなってきます。非常に読みにくさ、見やすさといったものに差が出ていることがおわかりかと思います。

食品表示に適した文字あるいは適さない文字、そこをしっかりと認識した上で、用途に合わせた文字を使うことが必要です。わかりやすい表示のために大事なことは、まず読めることが前提です。文字の選び方で非常に大きく印象が変わるかと思います。今、出ているものはサンプルとしてつくりましたカップヌードルの栄養成分の部分です。このような違いが出てまいります。

では、次にまいります。今、わかりやすくするためにはまず読めることが前提だというお話をさせていただいたのですが、2つ目は情報量に関してです。

皆様御存じのとおり、いま食品パッケージはどんどん情報が増えてきております。当然、パッケージの面積には限りがありますので、その限られた面積の中でどうやって見やすいデザインにするのか、非常に難しい判断というか作業が必要になってきております。

皆様も感覚的に気づいておられることと思いますが、情報量が増え過ぎるとわかりにくい、読みにくい、といったことが起きます。とはいえ頭の中で情報量といってもなかなかイメージがつきにくい。皆さんいろいろなイメージをされると思いますので、これを減らそうにもやり方がわからない。そういった問題がございます。

そこで、情報量を数値化する測定ソフトを情報システムの会社と開発して、生活者の方に対してある調査を行いました。

まず、どのように情報量を測るのか、非常に単純な原理ですのでまずお話させていただきます。

例えば紙の上に印刷された情報がどれくらいあるかというものを計測するために、まず全体をモノクロ、白と黒に変換いたします。すると印刷された部分、つまり情報が載っている部分が黒くなります。こうしますと情報の量が何%かということが機械的に算出される。これを情報量として測定をいたしました。

その結果がこちらでございます。いろいろな情報量の書類を何パターンも用意いたしまして、情報量を測定します。そして被験者、生活者の方に読める、読みにくい、読みたくないを判定してもらう実験を行いました。すると、情報量19%というところを超えると、一気に過半数の方が読みたくないと答えることがわかったのです。

どういうことか。わかりやすさを保つには、情報量を19%以下にしましょうということが1つの基準ではないか。

サンプル画像ですが、左から情報量15%、20%あるいは25%と比べると、ぱっと見で既に読みたくないなと皆さん思われると思います。これは皆さん同じ感覚で、その基準が19%にあるということがわかってまいりました。

では、どのように減らすのか。幾つも方法があるのですが、最も早い方法は文章改善です。例えばこんなに長い料金支払いの説明文があるとします。この赤くなったところ、実は1文になっていまして、途中で文章が区切れたりせずに1つの文章なのです。これだけ長いと読んでいるうちに文章が入れ子になっていますので、主語、述語がわからなくなってまいります。同じような構造は、食品表示のパッケージでも見ます。

文章を箇条書きにする、あるいは過剰な敬語をなくす、インターネットに情報を移す、こういった適切な処理をすることを組み合わせることで、絶対に減らないと思われていたものが実際に減ります。これは食品表示においても同じことが言えるのではないかと私たちは思っています。

そして最後はレイアウト、デザインや情報の配置ということに関するわかりにくさについてです。

平成23年の消費者庁の調査で、生活者に表示がわかりにくい理由を聞いた調査データがございます。原材料の文字が小さいからと答えた人は約6割、アレルギーの表示は約5割、添加物は約4割もいた。ですが、本当に文字のサイズだけが問題なのだろうかという疑問があります。

今、決まっているのは原則8ポイントということですが、本当にそうなのか、生活者に向けてこういったテストを行いました。

これは実際に売られている駅弁の原材料の表示の部分です。駅弁ですので、おかずが非常にたくさん入っています。かなりの材料が使われております。

これを文字の変形あるいは行間を変えながら、バリエーションを20種類つくりました。左に行くにつれて文字が細長く変形をしています。上に行くにつれて行間が狭くなっています。内容は全て同じ駅弁のものなのでデザインが異なる20種類を用意しました。これを1枚の紙に印刷をして、20代から80代の方約100名の方に対して、一番読みにくいものに×をつけてください、読めないことはないけれども、非常に時間がかかるものに△をつけてください、最後に一番読みやすいものに○をつけてくださいという実験を行いました。

その結果です。赤いところが濃いほど読みにくいという意見が多かったところ、青色が濃いほど読みやすいという意見が集中したポイントです。

どういうことかと申しますと、文字の変形が強く、行間が狭ければ狭いほど読みにくいという結果が出たことになります。

こちらの画像を2つ見比べたときに、多くの方は、左のほうが小さい文字に見えるかもしれませんが、実際は同じ8ポイントです。右のほうが逆に大きいと感じる方がいらっしゃるかと思います。同じ8ポイントでも行間あるいは文字の変形でこれだけ読みにくさ、読みやすさに差が出てくるという実験結果が出ました。

食品表示法は原則8ポイントということで決まっておりますが、無理やり小さいスペースに詰め込もうとして文字を縦長に変形して、行間も詰めていけば、それはイコール文字を半分、つまり4ポイントに縮小しているのと同じで、4ポイントの読みにくさと同じ状態になっているということを考慮する必要があるのではないかと思っております。

ですが、デザインはフォントあるいは文字のレイアウト、変形だけで成り立っているわけではありません。今度は1行の長さということでも同じような実験をいたしました。同じお弁当の表示を使って1行の長さ、最大110字から20字までそれぞれバリエーションをつくって、先ほどと同じ質問をしてみました。

集計した結果がこちらなのですけれども、山なりになっております。何がわかるかといいますと、行が長くなればなるほど読みにくさが低下していく。さらに青くなったところ、一番山が高い、読みやすいという意見が集中したところがございますので、食品表示においても一番読みやすい行の長さ、最適値というものがあるのではないかということがわかってまいりました。

つまり、同じ文字のサイズ、同じ情報の量、同じ内容でも、これだけデザインとレイアウトによって読みやすさに差が生まれているということなのです。こちらの画像も上と下、同じ内容なのですが、どうしても上のほうが大きくて見やすいと思われるかと思いますが、それは文字の変形あるいは行間といったところの工夫で、いかようにも変化していくということです。

とはいっても多くの表示担当の方は、現実問題として表示できる可能な面積が限られていることにいろいろなお悩みを持っているとお聞きします。つまり、変形なしで、行間も行の長さも余裕のある文字組みなんてできないと思われているかもしれません。

しかし、ここで思い出していただきたいのは、先ほど御説明した科学的評価で基準をつくるということで、この黄色くなっている部分に御注目いただきたいのです。このエリアまでは人間が許容できるぎりぎりのラインだと我々は考えております。これを超えてどんどん赤くなって変形がきつくなって、行間が狭くなったらもう読めない、読みたくないと人々が感じる領域に入っていきます。ですから、この黄色いところまで確保していれば、読める、人の視認性を確保できる基準になるのではないかと我々は思っております。理想を言えば青いところ、文字の変形なしで行間も確保できているものがいいと言いたいのですが、実際にビジネスとして実現可能性というところを考えたときに、黄色くなっている部分、このあたりまでなら文字の変形はオーケー、行間の詰めはオーケー、そういった基準をつくることが企業にとっても生活者にとっても、お互い納得性のある指標になるのではないかと思っております。この黄色くなっているところが許容範囲の基準になるのではないかということです。

では、最後補足として、色彩設計について御説明をさせていただきます。

○野島研究員 UCDAの野島でございます。

補足として色彩設計について説明させていただきます。

食品表示におきましては、例えば使用される色は食材や味のイメージなど、商品性を反映された配色が多いかと思います。しかし、栄養成分表示など、消費者に読み解いて理解してもらう表示においては、効果的ではない配色がある場合もございます。

ユニバーサルコミュニケーションデザインにおいては、色がしっかりと識別できる配色になっていること、そして、さまざまな見えの特性に配慮していることが肝要になります。裏を返しますと、配色によって理解を阻害していないかといったことが重要になってまいります。色彩設計においてはさまざまな要素があるのですが、今回は補足として3点紹介いたします。

1つが色のコントラスト、明度差についてです。上映しております12個のUCDAと書かれた色と文字です。こちらは書体と文字サイズを全て統一しており、背景色と文字の色の組み合わせで変えています。

特に遠くから見ていただいている方は特にわかると思うのですけれども、左側の高コントラストと書かれている6つのUCDAと右側のUCDA、どちらが見やすいかは一目瞭然かと思います。スライドでは正確な色は再現できていませんが、左側の高コントラストと書かれているところは、例えば非常口のサインや道路標識などでも使われている、より視認性、明度差の確保された配色になっています。標識などでこういった配色が使われる理由というのは、遠くから見た場合でも識別できること、または雨や停電時、非常に環境が悪い状態でも判別できることです。先ほど森下が申し上げたように目の劣化、そのような状態に関しても対応できる配色ということで、このような配色が使用されています。同様に食品においても、重要な情報はこのようにコントラストを確保して、より見やすい表示にしていただくことが望ましいかと思います。

続いて、色弱者についての説明をさせていただきます。こちらオリジナルと書かれている写真、果物が書かれていますけれども、大きく分けてこの3種類、このような見え方をする方が存在します。UCDAでは色弱者とお呼びしているのですが、色覚多様性または、色覚障がいなどとも呼ばれている方でして、日本においては男性20人に1人、女性500人に1人、約320万人の方がこのような見えをしていると言われております。

目の中に視細胞という光を受け取る細胞がありまして、それのうち色をつかさどる赤、青、緑の視細胞いずれかが生まれつき全くなかったり、または一部欠けていたりすると、このような見え方になる方がいらっしゃいます。P型と書かれているのは赤が足りない方で、色弱者の中で約25%、D型が緑で75%とPとDでほぼ100%の率を占めています。Tが青で0.002%ととても少ない割合になっております。このような見え方の人に関しても配慮が必要だと思っております。

具体的にどういった配慮が必要なのか、一例ですが、こちらは小説の帯の部分をイメージした画像でございます。下の部分に心理ホラーの傑作と書いてあり、下にさらに文章が続いている。ホラーの表現ではかなり使われる配色でございますが、例えばP型の見え方にシミュレーションしますと、ほとんど読めない状態になっているのがおわかりになるかと思います。

食品におきましては、例えば辛い食品または刺激的な食品や、赤い食材をベースにした食品などでも、こういった赤と黒の組み合わせの表示は散見されました。例えばそのほかでも赤字が使われているパッケージに、強調としてさらに赤をかぶせるとか、黒文字の中に強調として赤文字を使用する。そのようなときにシミュレーションにかけると黒と黒に見えてしまい、重要な情報が伝わらない危険性もございます。そういった重要な情報を見落とされないように配慮していただければと思います。

先ほどは色弱者の紹介だったのですけれども、続いて高齢者、加齢に伴ってさらに目も劣化していくということで、見え方がさらに変わってまいります。代表的な色の違いというのが、赤と青の配色でございます。

こちらが高齢者の視覚イメージとして再現した画像になりますが、映っているのはガスの炎の青の部分です。若年者が見る炎に比べてかなり小さく見えていることがおわかりになるかと思います。このように、高齢に伴って青い色がだんだんと暗く見えてくるという傾向があります。例えば高齢者の方がガスを使用していて、炎の範囲ないと思って手を伸ばしたところに、実は炎があってやけどをしてしまったというケースも過去にございました。このように青と黒の組み合わせ、加齢などの見え方にも配慮した色彩設計というのが重要になるかと思われます。

以上が補足の色彩設計の説明になります。

○三村事務局長 それでは、お時間もなくなってまいりましたので、最後のまとめとさせていただきます。

わかりすい表示に必要なこと。これは表示のユニバーサルデザインとお考えいただければと思います。

よく高齢者のためだからということで、文字を大きくするということを皆さんお考えになります。文字を大きくするだけではだめです。文字を大きくすると何が起きるかというと、限られた面積の中で余白がなくなる。要するにぎゅうぎゅう詰めになってくるということです。これはかえってマイナスの要因になる可能性があります。

おまけにデザインも崩れてきます。ですから文字の大きさに頼るのではなくて、それ以外の要素を一緒に考えなくてはいけないということです。

例えば食品表示におきましては文字の大きさは原則8ポイントですが、変形をかけると半分の4ポイントに見えるという現象が起きてまいります。それから、情報量の削減、行間、1行の長さは非常に重要です。

一番初めにありました書体の選び方、そして情報の優先順位も重要です。文章の簡素化、色彩設計、以上の観点から食品表示のユニバーサルデザインということを考えて、わかりにくさの要因を取り除いていく。わかりにくいというところは皆さん発見できるので、それを取り除くということがユニバーサルコミュニケーションデザインという考え方です。

これは金融機関と保険会社などの事例ですが、銀行の住宅ローンの申込書、このような申込書を使っていらっしゃいました。これはわかりにくいと気づいた方から私たちに何とかして直したいということで依頼がありました。

結果的にどうなったかというと、このような形になりました。スクリーンは色の再現が余りよくないので、お手元の資料のほうがよく見えるのではないかと思います。このようにわかりやすく変更したらどうなったか、一人当たり1分44秒、記入の時間が短くなったというのです。年間にすると200時間以上の業務短縮になった。これはお客様も助かるし、銀行の方も助かる。デザインをわかりやすく変更しただけでこうなります。

これはあるハウジングメーカーのパンフレットです。会員数が増えないということで、わかりやすいパンフレットをつくりたいと相談があり、改善しました。これもスライドの色の再現が余りよくないので、お手元の資料でご覧ください。これによって15%会員数が増えました。

最後に、これは金融庁で行いました損害保険の自動車保険重要事項の説明書というものです。保険に最後入る前に必ず読んでください、重要なことが書いてありますということで、自動車保険に入る方の御自宅には必ずこれが届きます。でも、中を開いて読めるものではない。100人に聞いたら多分100人がそうおっしゃるのではないかと思います。これをわかりやすくしないといけない。そして、これを改善いたしました。その結果、何と文字の数が4分の1まで減らすことができました。これは全てわかりにくさの要因を発見して、それを改善するということを行ってきた結果です。その過程では人間の受容性、人間はどこまで理解できるのか。実験を通じてそのことをみんなで共有してきたということです。

食品表示の実例といたしまして、私たちはUCDAアワードで食品のパッケージの成分表示の評価を毎年行っているのですけが、これはそこで出てきた事例です。成分表示、アレルギー表示がはっきりしている、していない。それから、栄養成分の表示の仕方。これも工夫があるかないかということで見え方がかなり違ってまいります。

わかりやすさというものは、どこがわかりにくいかということを発見して、そして、それを取り除くという作業を専門家と一緒に行うということが非常に重要です。

以上で私たちの説明とさせていただきます。ちょっと時間がオーバーしてしまいました。どうもありがとうございました。

○受田部会長 どうもありがとうございました。

ユニバーサルデザインの考え方に基づいて、食品表示のデザインについても最後触れていただきました。大変これからの議論の参考になるお話をさまざまいただいたものと思います。

限られた時間ではあるのですけれども、委員の皆様からただいまの御説明に対して、御質問をいただきたいと思います。どなたからでも結構でございます。

松永委員、お願いします。

○松永委員 大変示唆に富む御発表でどうもありがとうございました。とても参考になりました。

表示の目指すところというのが、かなり理解が深められたと思うのですが、現状の食品表示全般に対する評価、たくさんのものを見ておられると思いますが、今の考え方に沿って見たときに、例えば情報量19%を超えると非常に見づらいという事例が出てきましたけれども、例えばその基準と現状のたくさんある食品表示が超えているものが普通なのかどうかというようなところ、あるいは色彩でも先ほど赤と黒で使ってしまっているものが散見されるという表現がありましたけれども、現状がどうなのか、それから、業界がユニバーサルデザインというところに積極的な方向にあるのかどうか、現状の評価をお伺いしたいのですが。

○三村事務局長 私たちは3年間ずっと研究をしておりますが、いわば自主研究という形で進めています。今後は、メーカーの皆さん、ほかの分野の専門家の皆さんと一緒に進めていかないと、なかなか先に進まないという事情がございます。私たちができる範囲のことは、この3年間してまいりましたが、これからは実際にパッケージに携わっている皆さんの参加が必要です。メーカーとしての苦労ですとか制限ですとか、いろいろな事情がおありだと思います。そのようなことも含めて議論、そして一緒に実験をするということの中から、新しい基準というものができてくると思います。今日は私たちの自主研究というところで、いろいろお話をさせていただいたという次第でございます。

○松永委員 そうすると例えば1つの事例として19%という数字が出ましたけれども、その観点から見たときに実際にどうなのかというあたりはいかがでしょうか。

○三村事務局長 19%という数字はA4、1枚を基本に、いろいろなユーザーテストという実験を経て19%が人間の受容性の限界だということで出してきました。食品のパッケージはみんなA4サイズではかれるものではありません。丸い形状のものから、四角いものから、形が定まらないものまでありますので、どういうルールでそれを測っていくかということをメーカーの皆さんや生活者の皆さんと議論と実験をしていきたいと思っております。

○松永委員 わかりやすさの要因というものを今日出していただきましたけれども、食品表示に関してはまだそこまでいっていない。これからもう少し深めてという状況にある。

○三村事務局長 はい。ただ、この10年間してきた研究が活用できるということは、自信を持っておりますし、この先に皆様と議論や実験をすることによって、私たちも新しい基準にたどり着けるのではないかと思います。

○松永委員 もう一点よろしいでしょうか。ユニバーサルデザインということでいろいろな事例、こんなによくなったという事例を出していただいたのですけれども、それは多分、個別の企業さんとのいろいろな相談で実現していかれたと思います。食品表示の場合には中小の事業者さんがそれぞれにつくっておられたり、ラベリングの会社で大きいものもありますけれども、パッケージ一つ一つは非常に中小の事業者の方がつくっていて、中小のメーカーが依頼をして、中小の印刷業者、パッケージ業者の方がつくっているという状況にあります。

そういう方たちに、このユニバーサルデザインの概念、理解というものをきちんと浸透していっていただくというのは、なかなか難しいことなのではないかと思っています。今までの経験で、ユニバーサルデザインという考え方の情報提供とか理解とか浸透というところ、どういう方法論があるのか。食品業界ではどういう形で進めていったら、早く情報が浸透するということが言えるのか、御意見をお伺いしたいのですが。

○三村事務局長 やはり気づいていただくことがすごく重要だと思います。例えば保険や金融の分野ですと、セミナーのような形でいろいろなところで啓発活動といいますか、お話をさせていただくようなことがきっかけになります。

一番大きいのは企業のトップの考え方だと思います。企業のトップがお客様中心の考え方でいくことに方針を決めれば、かなり進むと思います。

食品パッケージには、経営理念とか企業のポリシー、思想みたいなものが出ています。食品表示においても同じだと思います。企業のトップの経営理念や考え方がパッケージの表面だけではなくて、裏の表示のところにも出てくる。それをユーザー、生活者の皆さんは感じ取る時代がもうすぐ来るのではないかと思っています。

○松永委員 ありがとうございます。

○受田部会長 よろしいでしょうか。

ほかいかがでしょうか。今村委員、お願いいたします。

○今村委員 ユニバーサルデザインの説明、非常によくわかりました。ありがとうございます。

私は表示のことに関わっていて、しみじみ思うのは、食品はまず現物をいかに見やすく見せるかということが最大のテーマなのです。ですからまず現物としての食べ物を消費者の方にどれだけ見やすく見てもらうか。それに対しての補足説明が表示なのです。すると、表示の部分だけ現物を隠すのです。ですから現物をいかに見やすく見せるかということと、表示をたくさん書くということは実は相反する部分で、それで面積が狭くなるという問題が出てくると思うのです。おにぎりとかならば本当に面積が狭いですから、でも書かなければいけないものでおにぎりの半分くらいは埋まってしまうという、見やすさという意味で情報として最も伝えなければいけないものが現物だということとの矛盾を抱えている表示だと思うのです。その部分に対しては余り御説明がなかったので、食品が抱えている見やすさで最も見たいのは中身だろうということとのてんびんにかけたときに、どういうことが考えられるか、もしお考えがあれば教えていただきたいのですが。

○三村事務局長 食品パッケージの表面写真やデザインは、企業並びに商品の担当者の皆さんがすごく苦労されているところだと思います。そこに対して私たちが物を言うことではないと思っております。ただ、アレルギー表示におきましては、パッケージの表の面に表示するような企業も出てきています。それが食品の中身を見せることを邪魔しているかどうかということについては、私たちはまだ調べていないのでわかりませんが、表面にそのような情報が出てくるということは、生活者の皆さんが求めていることなのではないかと思っています。

○今村委員 容器包装で完全にパッケージされているものの部分というのは、今のお答えだと思うのですけれども、今回の例示にもありましたが、お弁当みたいなものは写真の場所を動かすことはできないわけです。裏を向けるなんてこともできないわけなのです。だから確実に中身の何かを隠すという状態があって、でも添加物とかのことも知りたいということの中で、出す情報と隠れる情報とがてんびんにかかるという面があるのです。それはユニバーサルデザイン的に見たら相反することだと思うので、そこら辺が食品の難しいところだと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

○三村事務局長 確かに難しいところだと思いますが、まさにそこは企業の考え方と、それを食べる、購入する生活者がどう思っているのかというところを調整していくことになると思います。一方的に企業の都合だけでつくるのではなくて、実際にそれを購入する、または食べる生活者はどう思っているのか、どう行動するのかというようなことを分析することにしか答えはないと思っています。

○受田部会長 ありがとうございます。

では菅委員、お願いします。

○菅委員 今日の御説明以外にも、きっといろいろと研究をされているのだろうと思いますし、全て聞けたとは思っていないのですけれども、例えばフォントの種類や大小を交ぜるとか、一部だけを強調表示する。先ほど色で赤くするというのは実例があったと思うのですけれども、はたまたアンダーラインを引くとか、そういうことの良し悪しみたいなことも一定何がしかの知見をお持ちなのかどうかということと、今日のお話の中ではマークを活用するということについては余り触れられてはいないと思うのですが、そのようなことについても何がしか知見があれば教えていただけますか。

○森下主任研究員 文字の強調等に関しては、強調をし過ぎる余り赤い文字と太字と下線を全て組み合わせる表示がいろいろなところでよくあるのですが、逆にそうしてしまうとどこが本当に重要なのかわからなくなる。情報の優先順位が散らかってしまって、赤字を見ればいいのか、下線が引いてあるところを見ればいいのか、太字のところを見ればいいのか混乱してしまう。食品ではないのですが、以前、保険の帳票で実験をしたときに、どこが一番重要でしたかという調査を行ったところ、わからなくなってしまう。意見が分散してしまって、本当に会社の方が伝えたかったものが埋もれてしまうというケースがありました。やはりただここを強調しているからいいだろうとか、情報を過剰にしていけば、強調も1つの情報だと思っておりますので、いけばいくほど余計にわかりにくくなるということで、本当に大事なところだけ色をつける。そういった、こんな些細な作業もまだやられていないところも非常に多くありますので、それを1つやるだけで読みやすさとしては非常に大きく変わるのではないかと思っております。

○三村事務局長 それと短い時間で判断、認知できるという部分で、図のようなものも非常に重要です。今、食品のアレルギー表示27品目を一目でわかるような、それも多くの生活者が見た途端にわかるような、一目でわかるピクトグラムというものを開発しております。この開発においては私たちが勝手に開発するのではなくて、まずプロトタイプをつくりまして、たくさんの生活者の方に見ていただいて、どれが一番短時間で識別できるかという実験を重ねている最中です。大体結論が見えてきた段階です。

○受田部会長 よろしいでしょうか。

では、渡邊委員、お願いします。今日お約束いただいている時間が3時05分なものですから、かなり時間はタイトになっておりますので、よろしくお願いします。

○渡邊委員 表示一個一個の事例について、こういうふうにすると見やすくなるというのは、非常に今日話を聞いて目からうろこですごくわかりやすかったのですけれども、実際に表示を作るのは中小だったり、そういうところが作る場合、今まで御経験でたくさん見られているときに、例えばルールとして文字といわゆる余白の部分はこういう比率にしたら読みやすくなるんだとか、何か決めごとを作らないと中小が作るときには実際に応用ができない。1個作ってから一々御相談して直すということはできないので、そういう今の表示に欠けていて、こういうふうにすればよくなるというルールみたいなものができればありがたいなと思うのですが。

○三村事務局長 今まさにそのルールをつくろうと思って一生懸命しています。保険や金融のパンフレットや帳票では、わかりやすさのルールはできています。1行は45文字以内、1文は65文字、行間は1.5行、文字の大きさ、情報量、色、いろいろなところで基準がございます。今、金融、保険業界で起きていることは、UCDAの基準を使いなさいということです。それが1つのわかりやすさの目印になるというようなことが多く言われるようになってまいりました。

先ほど御紹介しました東京都の東京防災も、ユニバーサルデザインでつくりなさいと書いてあるのですが、誰も判断できないわけです。だったらUCDAの基準を当てはめて、それに合格したものを持ってきなさいということになってきています。それを私どもは認証というような形でマークを発行しています。食品においても、文字の変形はここまでできる、スペースはここまでだったら生活者の皆さんは読める、わかるんだ、というような基準を早くつくって、皆さんに提示して、それをひな形として普及させたいと思っております。

○受田部会長 ありがとうございました。

まだ委員の皆様から個別の御質問はおありかと思いますけれども、決められた時間ということで申しわけございません。ここで質問を打ち切らせていただきたいと思います。

ただいまお話をいただいた見やすさの観点から、ユニバーサルデザインという表示の仕方、その考え方を今後ぜひ我々部会としてもしっかり参考にしてまいりまして、議論を深めてまいりたいと思います。引き続き、またいろいろなお立場で御協力をよろしくお願い申し上げます。

三村様、森下様、野島様におかれましては、本日はお忙しいところ御出席賜り、貴重な御講演を賜りましたこと、本当に心から感謝申し上げます。どうもありがとうございました。それでは、御退席をお願いいたします。

(UCDA退室)

○受田部会長 それでは、お待たせをいたしました。

ただいまお聞きいただいたお話も踏まえた上で、ここから本日の部会の議論に入ってまいりたいと思います。

前回まで皆様にさまざまな御意見をいただいたところでございますが、前回の部会の終了時に、私の考え方を少しお話を申し上げました。

皆様から頂戴いたしました意見は、大まかにいきまして3つ、すなわち課題、その対応、さらに具体的解決策という形で分類できるのではないかと申し上げておりました。その後、事務局の皆様に資料2のようにまとめていただきました。お手元A3縦長の資料2「食品表示の全体像にかかる課題から解決策までの整理」ということで、上のほうに課題、対応、具体的手段(解決策)、そして一番右側にそれに加えて実施に向けて克服すべき点、留意事項等という少しリマークスを入れさせていただいております。この点は前回の部会の中でも実施に及んでいない内容等も散見されるので、その状況と隘路になるようなところもぜひ見える化するようにという御意見を踏まえた項目でございます。

ここからは、この資料2のたたき台を用いまして、本日の議論を深めてまいりたいと思います。その前に、この資料2についてもう少し私のほうから整理をした考え方、また、それぞれのセルの中に入れております少し箇条書きになっている部分もございますけれども、それについて補足をしておきたいと思います。

それぞれ意見を御発言いただいた委員のお立場からは、どの発言がそれぞれの委員の発言に基づいているか、大方把握はいただけるのではないかと拝察いたします。当然のことながら、分類に対応して順番を入れかえさせていただきました。すなわち課題として最も多くいただいた、今日もユニバーサルデザインの中でもありましたように、食品表示に関する情報が多過ぎる点、この点がまず大きな課題ではないかというところから項目を始めさせていただいております。

左上に安全性の確保、自主的かつ合理的な選択機会の確保という優先順位に従って表示された内容が消費者にとって活用できる表示ではない。情報が多過ぎる、わかりにくいといったところに、さらにこれがつながっていくという項目でございます。

この原因として、情報が多過ぎる点についてどう対応したらいいかというのを2番目の対応の欄に項目を入れております。間があいている部分がございますけれども、これは便宜上、右側にあります具体的手段、さらには実施に向けて克服すべき点等と関連づける内容に関しては横並びを旨としておりまして、その欄に対応して少し空欄があると御理解いただければと思います。

対応を御覧いただきますと、上のほうから情報が多過ぎるので、この多過ぎる情報を例えば代替手段があれば、それを補完するような形で別の容器包装上以外に表示することも可能になるのではと。これは対面販売と同じ原理で見なしていくことも可能ではないかというような補足もまず一番初めに入れております。その下御覧いただいて、あと表示項目を減らすしかない、義務表示の事項とさらに知りたい人にお届けする任意の表示項目、これを分けるべきであるといったこと。その次も表示事項の目的と利用場面等について整理をする分類が必要であるといったようなこと。さらに下に目を移していただくと、安全性の確保の情報は重要であるというようなこと。さらにその下のウエブでの表示という点については、具体的手段ということにもなりますけれども、恐らくこれを容器現物と両方併用することも含めてというふうに御理解いただければよろしいのではないかと思います。

そして、具体的手段としては、基本的に表示のウエブ化やQRコード、さらにはAI、また、ICタグのお話も包材に関してございました。

さらに右側を御覧いただきますと、その実施に向けて考慮すべき点と項目を挙げております。ここの部分については分類を簡単に優劣をつけて議論することには慎重であるべき。あるいは本体の表示を逆に縮小する方向に働かないように、あるいはウエブでの表示というのは、基本的に今は食品表示法が及ぶ範囲ではないということですので、こういった表示と情報提供の区別をどのように考えるか。さらには平時と緊急時というような表示の持つ意味合いが時期あるいは社会的な情勢によって変わることもあり得るという点も踏まえるべき。

さらにはその下にありますように、全ての消費者の関心ということではなくて、アレルギー表示のように、その表示に対する極めて関心といいますか、重要な受けとめをされる消費者のお立場は当然考慮すべきであるといったこと。さらにウエブ上での表示と広告とのすみ分けをどうするかといったこと。あるいは食品事故に対する対応に対しての表示のあり方。そういったことがさらに書かれております。

さらに次の「分かりにくい」という項目を挙げておりますが、これについては今日ユニバーサルデザインの考え方、かなり詳しく、また、具体的にお話をいただきましたので、恐らくここの項目が本日のお話を受けて、また増えていくのではないかと思うのですけれども、基本的には一元化の検討会の際にわかりにくいという定義については、見づらさ、見やすさ、視認性というお話を今日されておりましたけれども、その視認性の欠如や不足あるいは理解しづらさ、伝わりにくさということでしょうか。こういったことがもとでわかりにくいということで、それをわかりやすさの定義を明確にしながら科学的アプローチを導入する対応が求められる。まさに今日のユニバーサルデザインの考え方かと思います。その解決は。それが具体的手段としてございます。

マークの活用についても最後に菅委員から御質問いただきましたように、ある場合は識別表示というふうに表現したり、ピクトグラムと言ったり、さまざまなマークに関する名称もあるようですけれども、それらの導入も求められるというようなこと。そして、わかりにくいという対象者に関しては、前回の部会でも訪日外国人の方あるいは視覚の問題のある方、今日も色弱の方、高齢者等に関してのお話がございましたように、こういった考慮すべき対象の方々にさらにわかりやすくするためにはという今日のお話がここに盛り込まれるかと思います。

最後、「その他」に食品表示をより充実させる必要があるとか、食品表示を活用していない消費者が多くいるという意見もございましたけれども、当然これは課題ではございますが、上のほうにあります情報が多過ぎたり、見にくい、わかりにくいといったようなことから結果的に活用していただけない現状が出てきたり、そのわかりやすさを克服する充実度が高められるニーズがあるというような考え方もあるのではないかと私どもは考えております。そういう意味で下のほうにその項目を入れさせていただきました。

最後「今後検討を要する事項」として、これまでいただいた意見の中で、消費者の選択に資する情報に関してよりわかりやすい表示という観点から、裏づけのある国民の声を消費者の意向としてしっかり把握すべきであるというお話もいただいております。今日のああいったわかりやすさのユニバーサルデザインの考え方であったり、その客観的なさまざまな情報というのも、ここに対応することもあり得ると思っております。

あと、ヒアリングも必要であるというようなこと、専門機関などの調査結果も踏まえてという点についても、考慮していかなければならないというお話でございます。そして、最後に事業者の実行可能性について調査する必要もあるということ。また、今日も具体的に食品表示の事例をお使いいただきましたけれども、ああいうふうに実際の表示事例を確認しながら検討すべきという意見を賜っておりまして、今日もそのユニバーサルデザインの考え方を反映した例示をここで御紹介をさせていただきました。

こういうふうに全体像に関して、これまでの議論を少し整理いたしましたので、まず今日は事前に委員の皆様にこれを御覧いただいているかと思いますが、こういった整理の仕方が適当であるかどうか。そして、一定この全体の取りまとめ方、見える化に関して御意見をいただいた上で、特に今日はわかりやすい表示をユニバーサルデザインの考え方で、どういうふうにこの食品表示に応用していくかというお話をいただきましたので、わかりやすさ、あるいは情報過多の部分、こういったところにさらに御意見、また、さまざまな御質問をいただければと思っているところでございます。

少し長く説明をしてしまいまして申しわけございません。ここからまず資料2のまとめ方に関して御意見をいただき、個別に入ってまいりたいと思います。いかがでしょうか。

菅委員、どうぞ。

○菅委員 整理の難しい問題について、わかりやすい整理を試みられていると思うのですが、そもそも情報過多というくくりについてなのですが、現状認識として表示事項が多過ぎるとか、情報が多過ぎるという評価をすること自体、それを原因として掲げること自体、まず本当にそうなのかというのは、取りまとめをしていく前によく消費者の意向を確認する必要があるのだろうと思っています。

確かにたくさんのことが多くの文字数で表示されている例もありますが、それはいずれも個々に必要だということで消費者としても記載を求めてきた事項でありますし、また、これで今、全て足りていると皆が考えているわけでもない状況にあると思います。ですので、原因が情報過多という一言でまとめられ方をすることについては、少なくとも現時点で私は違和感があるので反対する立場です。

アンケート調査などをされる場合に、見やすさという意味においてわかりにくいですかと問われれば、もっとわかりやすく表示できるかもしれないと思うわけなので、とりあえずわかりにくいものがあると答えるでしょうし、また、わかりにくいのはどこですかと問われれば、わかりにくいということを所与の前提として、ここがという意見が出ることもあると思うのですけれども、小さい文字で見えにくくて困る例もあると思いますが、ただ、表示の情報が過多なのかどうかについては、今の情報が多過ぎて困っていますかとか、どのように困っていますかという問いかけが必ずしもなされてきたわけではないと思いますし、私の周囲で少なくともいろいろ御意見を伺う折には、別に多過ぎて困っているわけではないというか、あるいは積極的に必ず減らしてもらいたいと思っているわけではないというような意見を聞くことのほうが多くて、逆にこれを減らしてほしいという形のことで、困っているというようなことは余り聞くことはありません。

そんなに商品名を大きく書いているくらいならば、もっと大きく詳しく表示できるのではないかという意見の方も恐らく多数いらっしゃるのではないかと思いますし、情報過多だからというのは御意見としてはあり得ても、多くの消費者が本当にそう思っているのかは、取りまとめに当たっては確認される必要があると思います。あたかも不必要だったり重要でない情報まで表示されているという現状認識であれば、反対したいと思います。

逆にもっと消費者にとって直感的に理解しやすい表示の工夫をする余地があるのではないかとか、事業者にとってももっと正確で十分な情報提供をより容易にする方法があるのではないかというような問題意識で議論することは有益だと思いますし、そのような趣旨だとも思うのですけれども、単に多過ぎるからわかりにくいという問題設定になってしまうのではどうなのかなと思いました。

もちろん現時点では論点整理をされるというところにとどまるのだとして、原因論の取りまとめのあり方については、今後の議論次第だということであればいいのですが、今日のお話の中でも取り除くべきわかりにくさの要因というのはさまざまある。そのうちの1つが情報過多ではないかという問題意識が1つあるということだと思うので、原因、結果のような形で多いからわかりにくいということだけになってしまうような議論にならないようにしたほうがよいのかなというふうに、今日のお話も踏まえてそう思いました。

とりあえず以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。御発言の趣旨はよくわかりました。

もともと右側の3つ目に書いてあるように、本体の表示を縮小する方向に働くことのないように注意をすべし。ここともかかわってまいりますし、要は必要な情報が今、表示されているという前提、あるいはさらに求められている消費者側からの情報も当然あるというところを踏まえて、どういうふうに考えるか。そして、それを一言で過多、多過ぎるというのはいかがなものかという御指摘をいただきました。今の御意見をしっかりまず受けとめたいと思います。

いかがでしょうか。ほかの委員の皆様からも自由に御発言ください。まずは全体に関しまして。

まずはいただいた御意見は反映できているという理解でよろしいですか。それから、分類に関しては今、菅委員からは御意見を賜りましたけれども、ほかの委員の皆様からはいかがでしょう。まずこういったふうに論点整理をして、分類をさせていただきましたという点についてはいかがでしょうか。特に異論がない。今村委員、よろしくお願いします。

○今村委員 今の菅委員のこととも関係すると思うのですけれども、原因の情報がたくさんあるということは、伝えなければいけないことが本当はたくさんあって、それをどうやって伝えるかということだと思うのです。ですからたくさん情報があることがいけないということではなくて、たくさんの情報をいかに伝えるかという観点で私は切ったほうがいいと思うのです。それを全部表示に載せると多くなってしまうものもあるし、それを載せないようにするとウエブで代用するということが考えられると思うので、いかに多くの情報を伝えるかということの切り口かなと私は思います。

○受田部会長 要はこの原因に至る前段階で消費者の皆さんの求めている情報、たくさんある。一方で事業者の皆様にもお伝えをしたい情報はたくさんある。その情報の中から適切にそれぞれの表示を通じたコミュニケーションが図られ、ある場合にその情報の非対称が発生しないように、あるいは自主的、合理的食品の選択の機会の阻害がないように、どういうふうに表示の最適化をやっていくか。そんなふうに捉えていくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

まずはほかの委員の皆様、その整理の仕方に関しては一定御理解をいただけたということでよろしいですか。ありがとうございます。

そうしましたら、ここからこの後これをさらに先ほどの点も加味しながら、具体的にどういうふうに整理をしていくかということへ話を進めてまいりたいと思います。

今日はユニバーサルデザインのところで、わかりにくいという結果としての課題が消費者の方々を通じて特に声は聞かれているという消費者意向調査の結果等々ございますので、ここの部分を少し具体的に取り上げ、どう改善していったらいいのかという点から少し話を進めてまいりたいと思います。当然そのことが先ほどの情報量の多い少ないとか、整理といった部分にもつながっていくものとは思っているのですけれども、今日のお話をお聞きになられた感想を委員の皆様にも伺いたいなと思っていたのですが、私は個人的にああやって20%以下の情報量にするという客観的な閾値が設けられると、物の見事に認識といいますかわかりやすさ、視認性といいますか、そこが上がってくるということは非常に明確にお示しになられたので、ある意味驚いたというのが正直なところなのですけれども、それぞれの皆様がどういうふうに受けとめられたのか。

特に私は業界の皆様がこういった表示に関してどういうふうに現状、受けとめられているのかというのも伺いたいなと思ったところなのですけれども、渡邊委員と目が合いましたが、よろしいですか。

○渡邊委員 今日いろいろ話を聞いて、確かに改善前と改善後の事例を並べたときに、なるほどこういうふうにすると、今のままでもより例えば見やすくはなるなというのはわかったのですけれども、その改善後のものでも前よりはわかりやすくなったけれども、本当に客観的にわかりやすいかというと、やはり文字が多いなという気はしたのです。なのでルール化と言いましたけれども、実際に事業者が今回のユニバーサルデザインの考え方をもし入れるとしたら、もっと簡単にしないと、一個一個御相談してやってもらうわけにはいかないので、例えば実際にできる範囲の中でこういうことをまずやりましょうというのを決めていただければ、できるのではないかと思うのです。

その上で、では今の表示がどうかというふうに考えたときに、先ほど情報過多というのは情報が多過ぎるというのは言葉からしてよくないかもしれませんけれども、その表示されているものが全ての人が見たいものかどうかとか、そういうことはきっちり把握したほうがいいのではないかと思うのです。

把握の仕方というのはすごく難しいのですけれども、そういう中で表示をやっていかなければいけないし、あと、先ほど今村委員から話が出た商品そのものが見えなくなっているというのは、きっとかなりひょっとしたら問題なのかもしれないというのも思いまして、例えば極端な例で言うと福袋みたいな、何でも全部覆ってしまうと中が見えないわけで、ああいう形で表示だけして選べるかというと、それは無理で、そのもの自体を見るというのもかなりの情報量なので、そういうものと表示とか実際の商品は何かというのも全部ひっくるめて考えていかないといけないなというのは、今日の議論を通じて思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

今の表示の現状をどういうふうに認識していくかというところを、先ほどのユニバーサルデザインの考え方に基づいて、さらに客観的にもし整理ができれば、整理というか俯瞰ができれば、今後の改善においても極めて参考になるのかなと。特に20%というお話がA4の中でというお話ではあったのですけれども、例えば食品表示での150平方センチメートルとか、一定のエリアの中に書かれているものを100としたときに、どれくらいのパーセントで表示されているのか。その現状が見えてくると今ということをより理解しやすくなると思いますし、そのことが情報過多と表現してしまいましたけれども、先ほどの客観的な数字として認知度というか視認性の閾値を超えているという、そこから話を進めていくこともできるのかなというふうにも感じたところです。これができるのかどうかというのを確認していないので何とも言えないのですけれども、そういう数字があると非常に役に立ちますでしょうか。

○渡邊委員 実際の商品によって一個一個違って、すごく商品自体が、今、話を聞いて思ったのですけれども、A4というとすごい客観的にA4という面積が出てきてわかるのですけれども、食品表示といったときには本当にガムとかあめとかのようにすごい小さいものに表示する場合と、すごく大きいものもあるし、今日お話で思ったのですけれども、例えば飲料にしても中身の色が見えるというのもひょっとしたら大きいかもしれないし、そういう中身の物も見えて、しかも商品の大きさもいろいろある中で具体的にどうするかというのを考えたときに、A4、19%だけではなかなかいかないのではないかなという気がします。

○受田部会長 ありがとうございます。そういったA4とは違う表示のスペースにおける比率等に関して、少し客観的な数字等がもし見えれば、それとの比較もできるかもしれないということかもしれません。そこについては宿題として考えたいと思います。

ほか、松永委員、下浦委員の順番でお願いします。

○松永委員 先ほどのこの整理の枠組みのところで申し上げたらよかったのですが、ここに多分もう一つ時間軸の導入が必要なのではないかと思います。というのも、今、渡邊委員のお話もありましたが、私がいろいろな事業者さんとおつき合いして、食品表示についてどう思いますかというお話をしたときに、今、大混乱なのにそんなeラベリングなんてとんでもないみたいな反応ばかりなのです。実際にそうなのです。とてもユニバーサルデザインとかもそんな情報を取り入れる余裕がないし、インターネットも使えないしという現状があって、そこからスタートしてしまうとかなりできない、実行可能性がないという話になってしまうのです。

だけれども、10年後の食品表示の姿ということを考えたときには、多分ネットの普及というのはもっと進んで、高齢の事業者さんでも取り扱う機会も増えてなれていって、なおかつ原料に関する情報も電子データでかなりやりとりされるようになっていて、その10年後の姿の中でのeラベリングとか容器包装以外の何かの情報伝達という形で考えると、随分思考が変わってくる。さらに10年後は高齢化も進みますので、今より進んだ中でユニバーサルデザイン、誰にでもわかるようなデザイン表示はどうするかということも考えるという意味でも、ここの枠組みの中に時間軸の中で私たちは何を目指していて、先ほど渡邊委員がおっしゃった段階的にやっていくというところをどう組み込んでいくかというのをちょっと入れていただけたらいいかなということを1つ思いました。

○受田部会長 ありがとうございます。時間軸の導入に関して松永委員から御意見を賜りました。もともと全体像に係る議論、整理については、ゴールイメージというか、何年後を目指していくかという話を少し申し上げておりますけれども、例えば第4期の消費者基本計画を32年度から5年間というふうに見ると、今から7年くらいのスパンが全体像の1つのゴールのイメージです。もちろんこれは前回の部会でもそれを待ってということになれば、現状、対応しなければいけないさまざまな改善というのが図られなくなるので、機動的にやる部分も必要であるというお話、御意見もいただいておりますので、当然、7年先を見据えてロードマップを明確化し、その間の社会情勢や技術的な変化をしっかり受けとめつつ、消費者の皆様の利便性が最大化するようにといった外的要因というものも検討しつつということになろうかと思っております。

実際にこれを整理するに当たって、二次元的なマトリックスを三次元的にして、そこに時間軸を入れられればいいねという話もちょっとしていたのですけれども、まだ今の段階では複雑になり過ぎるので、今の御意見を念頭に置きつつ、少し時間というものをどういうふうに見える化できるか検討させていただきたいと思います。

なお、そういった社会的な、あるいは技術的な変革を視野に入れということでICタグの話等は、ここの中に項目として御覧いただけますし、また、今日の部会の最後でアナウンスをする予定ですけれども、次回はそういった容器のICタグの現状、将来に関して少し専門家の御意見を伺う場をつくろうと思っております。ありがとうございました。

下浦委員、いかがですか。

○下浦委員 今日UCDAの方から御説明いただいてよくわかりました。

そこで感じたところは、机上配付資料の16ページに文章改善で情報量削減という御提案もあったかと思うのですが、ただ、食品表示に関しては文章を削減することは恐らく限界ではないか。必要項目のみ、食材名であるとか、そういったもののみの記載で、一般的な取り扱い説明書の情報量の削減とは違うと思います。ではそれらを例えばマークとすると、またそのマークが何を意味するのか説明する必要があり、すでに限界が来ているのかなというのを感じたところです。

あと、先ほど渡邊委員がおっしゃられたように、食品はそれぞれ大きさが個々に違っています。A4サイズに統一されたものではないので、文字の大きさ、表示の部分等について、適正化を図るといっても、非常に難しいと思います。あくまで感想です。

以上です。

○受田部会長 今日のお話を踏まえて食品表示として見たときに、その改善案をどういうふうに反映していけるかというところで、具体的なお話をいただきました。最後にマークの話については、今後、先ほどのマトリックスの中でもマークの活用というのも入れておりますが、例えば考慮すべき対象者ということでなかなか現状、訪日観光客であったり、在日の外国人の方々に対して、果たして食品表示というのはフレンドリーなのかという点から見たときに、これにかわる何かというのは求められるというお話もありました。今後このマーク、すぐにここでこういうマークを活用しましょうというところまでにはなかなか至らないかもしれませんけれども、導入すべき、あるいは慎重であるべきといった両方の御意見ともに賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、池戸委員、お願いします。

○池戸委員 今日はUCDAさんのお話を承ったのですけれども、今回の課題が全体像の話という中で、非常に難しい課題だと思っていますが、いずれにしても今日のようなわかりやすい表示をどうするかということについての審議をするというのは、誰もが異論はないかと思います。

UCDAさんの場合も、先ほどお話がありましたように、これまでどちらかというと金融とか保険とか公文書といったところは検討されてきたのですが、食品のように立体的なものに表示するところというのはまだこれからということで、問題意識を持ってやっておられる。私としては、ここの分野、わかりやすい分野については、今まで行政のほうも文字の大きさのところは表に出ているのですけれども、客観的な基準なりをどうしたらいいかというところの議論がまだ十分されていなかったということかと思います。

そういう中でUCDAさんは先端的にやっておられる。ただし、協会としてやっておられるので、一民間機関としての取り組みを御紹介いただいたのですが、やはりこの分野について公的な観点での調査研究というものはやっていく意味があるのではないかと思っています。なかなか専門家もおられないし、これからいろいろな分野にも関わる話でございますので、できましたらそういうことについての産学官等連携した取り組みをこれからやっていただけるようなことがあればいいなと思いました。

それから全体像の話なのですけれども、今、義務表示になっているのは安全性の確保だけではなくて、選択の機会の確保両方あるわけです。だから必ずしも安全性だけが重要だということではなくて、これまでの経緯があって選択のほうも位置づけになっていることにも考慮すべきかと思います。ただし、時代とともにそこのニーズの把握というのは常に必要だと思っています。いずれにしても消費者の理解度とか活用度、企業への影響にも配慮が必要です。特に新しい媒体がどうかという検討も、供給サイドの影響も十分踏まえ検討が重要です。消費サイドの正確な実態と中小企業を含めた事業者への配慮の結果、今までどおりでいいですよということで結果になっているとしても、やはりそれは常に正確な実態把握を踏まえた上での慎重な検討が必要だと思っております。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

前段のユニバーサルデザインに関してUCDAさんの今日のお話を踏まえつつ、食品表示に関してこういったわかりやすさ、見やすさの調査研究に関して、さらに進めていく必要があるのではないかという御意見をいただきました。この点についてはまた部会を通じて、その必要性について少し事務局ともお話をさせていただき、事によったら消費者庁さんとお話をさせていただく機会等ができればいいなと思うのですけれども、何かコメントいただけますか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 コメントということで、現状どうなっているかについて簡単に御説明させていただきますと、文字の大きさにつきましては原則8ポイント以上。これは「以上」ですから8ポイントを上回っていたら問題ありません。ただ、先ほど部会長がおっしゃられたように、表示可能面積が150平方センチメートル以下であれば5.5ポイント以上でいいとなっています。

色につきましては特段、特定の色の指定はしておりません。ただ、背景の色と対照的な色とすることが食品表示基準で定められています。あと、表示は容器包装の見やすい箇所に表示を行うとなっておりますが、具体的にどこかというのは結局、個々の商品ごとに見やすい箇所は違うと思われますので、それは個別に判断すべき事項となっております。

食品表示基準上のルールは今、述べたとおりですが、具体的にどうすればよりわかりやすいものになるのか、それはこの部会の御意見をいただいた上で、Q&Aを含めてどのような形で裏打ちができるのか。それは我々のほうでも考えていきたいと思っております。

また、今、部会長からお話のありました、わかりやすい表示という観点からの調査研究につきましては、現状では具体的なものはないと承知しております。それは今後の議論の中で具体的にこうすべきということが意見として出てきましたら、事務局とも相談させていただいて、どういうことができるのか改めてまた御相談させていただければと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

前段のお話に関しては、前回の部会の中でも池戸委員から一元化の概要についてお話をしていただいた上で、特に消費者庁の26年3月20日付の表示のレイアウト及び文字の大きさについて、この調査会の説明資料についても御紹介をいただいていたと記憶しております。そこの中に150平方センチメートルを1つの境にして、フォントサイズを8ポイントあるいは先ほど赤崎課長から御説明がありましたように、それ以下にできるという話もございました。そこの中にさらに情報を省略するというようなお話も盛り込まれているので、こういった点が後ほど上のほうにあります自主的、合理的選択の機会の確保と安全性の確保について優先順位をつけるというお話と絡んでいくとどうなるかという議論をさらに深めてまいりたいと思います。

あわせて先ほど池戸委員からありましたように、選択の機会の確保という点と安全性の確保、そこで安全性の確保のみを容器縛りで表示するわけではない。これについてはこれまでもさまざまな御意見をいただいており、当然そこで容器に明示をしなければいけない内容がそれ以外にも含まれているという方向かと思っております。

さらにコーデックスの縛りもございますので、そういった点を考慮しながらさらに議論を進めてまいりたいと思います。

今、全体像の話がずっと出ておりますけれども、今村委員、お願いします。

○今村委員 今の話と違う点で、色覚異常を持つ方への対策ということで、今まで余り対応がとられていないので、ここら辺は今回はっきりと踏み込んでいったほうがいいのではないか。もともと色覚異常のある方は男性の5%なので、少数だからということで余り注目されていなかったのですけれども、今はその人たちがちゃんと区別できるようにということを言っているので、そこをちゃんと書いたほうがいいのではないか。

基本的には赤と緑の区別がつかない人なので、緑のベースに赤で書くのはだめですよということとか、色の違いがコントラストの違いがないとわからないのです。だから赤と緑の色覚異常のない人ははっきりわかるのですけれども、コントラストがその識別ができなかったら、同じコントラストに映ってしまうということがあって、すごくわかりにくくなるので、コントラストという話だと思うのです。だからこの辺は共通の問題と考えられるので、踏み込んでいってもらったほうがよいかと。

もう一つ、言葉の使い方でUCDAさんは色弱という言葉を使っていますが、医療界では色弱は使わなくなっています。でも色覚異常もしくは色覚障害という言葉を使うので、そちらのほうが強いのではないかという意見もあって、考えてこれを使っておられると思うのですけれども、今後この表現を使うときにはある程度今のような背景を考えて、どれを使うかを判断していただく必要があるのではないかと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。色覚異常という言葉も含めて、対象に今日のお話からさらに考慮しなければいけないという点、よくわかりました。ありがとうございます。

では菅委員、澤木委員。

○菅委員 また戻るかもしれませんけれども、先ほど安全性の話と自主的かつ合理的な選択機会の確保の話があったと思うのですが、改めて考えてみますと、安全なものが提供されるのは当たり前なので、むしろ消費者にとっても事業者にとっても、本当は選択に係る情報こそきちんと伝わらないといけないというか、そちらのほうが本質的であるという部分もあるのではないかということを考えています。それが先ほどの今村委員のお言葉を借りれば、どうやって伝えられるべきなのかということなのだと思いますし、そういったことがより論じられるべきではないか。できれば本体表示で簡単に今日のお話なども踏まえて、もう少し工夫して表示することができるのではないか。それはマークなども含めてということについても、ぜひ一定の議論がなされることを期待したいと思います。

あと、言葉の問題だけではなくて考慮すべき対象者の先ほどの視覚機能の弱い方の部分については、私自身が最初に問題提起をした部分としては、ほとんど見えない方に対する表示についても何らかの発信をすべきではないかという問題意識もあるということを、改めてもう一度申し上げておきたいと思います。

これは別に議事録に入らなくてもいいのですが、言葉の問題ということで言うならば、QRコードは多分登録商標なので、一般的な名称としては二次元バーコードではないかと思います。この辺も一応、申し上げておきます。

○受田部会長 ありがとうございました。

先ほどの安全性、自主的、合理的選択の機会、菅委員のおっしゃっておられることはよくわかります。特にそこが選択の機会ということで、事業者サイドから見れば商品の優位性というところにつながっていくわけですから、それは十分わかります。

一方で安全性の部分でこれまでずっと具体で挙がってきたものとしては、アレルゲン、特定原材料の話が非常に大きかったのではないかと思います。したがって、ある方にとってアレルゲンであるものが、別の方にとってはアレルゲンではないという状況の中で、対象者にとっての安全性の確保というのが重要になるという議論もあったかと思います。ありがとうございます。それから、二次元バーコードと呼ぶように注意いたします。ありがとうございます。

色覚異常というお言葉と、もう一つは視覚そのもの。これは高齢者も含めてということになるのでなはいかと思いますけれども、要は視認性の部分で非常にいろいろな意味で弱い方、制約のある方に対してどうするかというところは、当然考えていかないといけないというお話だったかと思います。ありがとうございました。

それでは、澤木委員、よろしくお願いします。

○澤木委員 UCDAさんの今日のお話をお聞きしまして、私も机上資料の9ページ、同じ内容が書かれているにもかかわらず、ゴシックにすればわかりやすいのではないかと思っていたのですが、UDフォントのAというもので行間とか変形をしないなどで、同じ内容のことが書いてあっても、これだけ見やすくなるということがわかりました。現在、情報過多と言われておりますが、現在の表示でも書き方にユニバーサルデザインを取り入れていけば、もう少し消費者としては見やすくなるのではないか。変形をすることによって8ポイントが4ポイントにもなるというようなこともおっしゃっていたので、その辺が見にくくなっているところなのかなと思いました。

あとは全体像について、ウエブ上に今後は移していかなければということなのですが、ではどの情報をそちらに持って行くのかという優先順位は、消費者としては先ほど菅委員がおっしゃっていましたように、自主的かつ合理的な選択のための情報も、買ったその場でにすぐに見られるという意味では、そちらも大事なことだと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。UCDAの具体的な例示、確かに一目瞭然ですよね。逆に言うとこういったUDフォントAというものを早速利用すれば、今の見にくいという御批判に対しては、一定その状況を克服できることにもなるのかもしれないのですが、そこに至る課題というのは何があるのかというのも知っておかないといけないかなとは思っています。そういった点はまたさらに次回の部会で議論をさせていただきたいと思います。

後半の意見、これまでも頂戴をしておりますので、選択を優先順位をつけていくことが、これまで表示されているものをそこからある意味、表示されない状態にしてしまい、消費者にとって貴重な情報が失われることがないようにという、その点も配慮をすべしという御意見だったかと思います。

池戸委員、お願いします。

○池戸委員 先ほど供給される食品は安全なので、むしろ選択の機会の確保が大切というお話がありましたが、当然のことなのですが、安全性の確保というのは食品表示の場合は、摂取する際の安全性の確保です。提供するものが安全というのは食品衛生法できちんと規定されていますから、せっかくそういう安全なものが提供されても、消費する際に的確に使っていただきたいというのが制度の目的だと思っています。逆に安全性のところが消費者に十分理解されていなかったり、活用されていない場合は表示が要らないということではなくて、普及啓発を徹底してやるという、私はそういう理解でおります。

○受田部会長 ありがとうございます。極めて重要な論点だと思います。

それでは、渡邊委員、夏目委員の順番でお願いいたします。

○渡邊委員 細かいことなのですけれども、この表の中のマークなのですが、理解しづらいのところの具体的手段の解決なのだと思うのですけれども、マークの活用とあるのですが、マークというのは逆にかなり普及しないと理解しづらい。何のマークだかわからないというのがすごくある。

もう一つ、表示の観点で言うと、マークというのはそれなりの面積をとるのです。だから字で表示するよりも多分相当大きくなって、だからマークの利点というのはぱっと見てわかる部分だと思うので、ただ、すごく注意しなければいけないのは、マークにしても多分何のこっちゃわからないということがかなりあるのではないかと思うので、理解しづらいのところにマークの活用というのは変ではないかと思います。

○受田部会長 今の点は、実際にこれを実装していくときに当然考慮をしないといけない部分ということで、貴重な御意見を賜ったと思います。要は仮にこういったマークの活用を考えるというものがあったときに、右側にあります留意事項とか克服すべき点という中には必ず加えていくことにしたいと思います。ありがとうございました。

夏目委員、お願いいたします。

○夏目委員 まず安全性の確保と自主的かつ合理的な選択の機会の確保で優先順位のことが言われていますが、容器包装にまず義務表示をされている内容について入っているわけでございますね。したがって、その情報が多いということであれば、これまでいろいろな経緯があって義務表示の中身は決まってきたわけですけれども、それが絶対的ということではなくて、時代が変わってきたときに今のままで義務表示がいいかどうかという検証もこれから必要になってくるのではないかというふうに1つ考えます。

それから、わかりにくいという点では、今日のUCDAさんのお話が本当に示唆に富む話だったと思いまして、すばらしい検証をされているなと思ったのですけれども、片方ですばらしい御活躍をされていて、第三者機関であるというふうにおっしゃっていますが、私は基準とか標準とかそういうものがあって第三者機関が検証をしていくのかなと思っていましたので、もとになる標準化というものが全くない中で、第三者機関として検証評価をするというのはどういうことなのだろうかとずっとお話を聞いていまして、最後質問する機会を逸してしまったのですけれども、ユニバーサルデザインの7原則というのが基本にあって、それは誰でもわかる、否定しようのない概念です。だからそれが標準化されていく、または基準をつくるという方向に国なり業界なりが動いていかないということは、どこに原因があるのだろうかということをすごく話を聞きながら思った次第です。

確かにわかりにくさを解消していくために数値化をして、19%を超える、20%以上ならというお話があったときには、すごい視点だなとは思ったのですけれども、本当にそれで全てが解決できるかなというと、まだまだこれから発達していくべき領域は多いのではないかということを伺っていて感じた次第です。これは私自身の感想です。

それから、マークの活用のところが今、数名の方からお話が出てきましたけれども、私はマークの活用は訪日とか在日外国人の方にとってはプラスに働くのではないかと思っておりまして、訪日された方、日本で働いている方々がこれだけ複雑な日本語を完璧に御理解するのはとても難しいし、食品表示を御理解いただくのも非常に難しいだろうなと思っています。ですから、その方々が、国はどんどん移民とは言っておりませんけれども、どんどん外国の方も日本で働いてもらおうという方向に政策誘導するという流れの中で、その方たちが日常の食品を手にとるときに果たして食品表示がわかるかといったら、恐らく理解されていらっしゃらないのではないかと推測するわけです。そういうときにこのマークの活用というのは、1つの方策ではないかと思っていまして、理解しづらいというのは日本人だけではなくて、日本語を理解しがたい人たちがたくさんいるという現実を見たときに、1つの方策として考えてもいいのではないかと思った次第です。

もう一つは、これまでも食品表示というのはずっと容器包装の加工食品を対象にしているわけですけれども、ずっとそのままでいくのかというところも長いスパンの全体像を考えるときには、議論をしてもよろしいのではないかと思いました。

以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

最後の容器包装のところについては、具体的には夏目委員、中食とか外食という意味と捉えてよろしいですか。

○夏目委員 はい。

○受田部会長 それから、前段の部分、これも例えば義務表示になっている。直近は加工食品の原料原産地表示というのが既に動いておりますけれども、これまでさまざまな義務表示が新たに追加され、そのことが情報量を増やしていることは紛れもないところがありつつ、今後、容器縛りでの情報の提供と、その補完的な役割を担うインターネットを利用した情報の提供のあり方も考えなければならない。そういう中でこの義務表示の法的な運用というのがずっとそのまま維持されていくのかどうか。

例えば、インターネット等を通じた表示というのは今は広告としてということかと思います。ですから容器縛りの食品表示法を、インターネット媒体とにも補完的に適用していくという方法もあり得るという話も含んでよろしいですか。ありがとうございます。

それから、UDフォントのお話、UCDAさんのお話、非常にわかりやすかったと言いつつ、第三者機関として基準、標準化がない状態の中でというのは若干理解に苦しむというお話もあったかと思います。この点は少しまた調べておくようにいたしたいと思います。

マークの活用に関しては、これも先ほど渡邊委員からはスペースをとるという課題のお話もございましたけれども、もしかするとそれがインターネット上にしっかり補完関係にあって、一定のスペースをとりつつも外国人、特に日本語の理解しづらい方々に対してビジュアルにお伝えするというのも有効であると考えてもよろしいですか。ありがとうございます。これまでの御意見も踏まえつつ、さらに意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。

ほかに、安達委員から。

○安達委員 私も先ほどから皆さんおっしゃっているとおり、UCDAさんの本日のお話は大変勉強になりまして、非常に興味深く拝聴させていただきました。ただ、ユニバーサルデザインを導入する際の基準をというお話が先ほどありましたけれども、本日、見せていただいた例ですと、UCDAさんのほうでうまくフォントを工夫していただいて、非常に文字の多い表示が同じくらいの面積でフォントを変えることによって見やすくなっている例というのが出ていたのですけれども、ユニバーサルデザインで表示をするといった基準を設けた場合に、果たして全ての商品で食品表示が今までと同じ面積でおさまるのかどうかというのは、もしかするとそれぞれの商品によって変わってくるのではないかという気もしております。

それから、先ほど渡邊委員がおっしゃっていたマークの導入によって面積をとってしまうというのは、私もそのとおりだなと思っておりました。特にアレルゲンの表示27品目を全部ピクトグラムでということになりますと、UCDAさんのお話にあったのですが、どういう形を想定していらっしゃるのかまだわからないのですけれども、面積はかなりとる可能性もあるのではないかと思います。そういうことを考えたときに、面積と表示項目の折り合いをどこでどうつけるのかというのを、全ての食品にうまく適用できるような形で検討を進めていくというのが1つ、大事なことになってくるのではないかと思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。具体的な手段としてUCDAさんのお話は非常に有効であるとしつつも、食品の場合の限られた面積、この制約の部分で一定どう考えるかというところ、特に表示項目と制約のある面積との折り合いをより広く全ての食品というふうに最後おっしゃいましたけれども、表示制度としてどういうふうに最適化していくかというところがポイントになるというお話だったかと思います。

樋口部会長代理、お願いします。

○樋口部会長代理 私もいろいろお話を伺っていて、情報提供はこれからますます超高齢社会の中で、さまざまな情報が必要になってくると思うので、中長期的な展望としては、多様な情報提供の手段を用意して、技術進歩と合わせていくことが必要になってくるのかなと。グローバル社会ということでもそうですが、私個人的には海外暮らしをしていたときに、辞書を片手にこれは何だろうかというのをスーパーで見た記憶がありますが、例えば今、翻訳の技術も非常に発達してきていますから、発信する側が全て責任を持たなくても、ある一定の表示についてそれを読み取るための技術というのも工夫できるのではないか。この表示が読みにくいとしても、読みやすい形に変換するようなことも近い将来には可能になるのかなと思いました。

情報量の話も、これは先ほど質問すべきだったと思うのですが、20%、これは不思議な資料だなと、ここに載っている限りの資料だと、読みにくい人というのはずっと20%を超えても、下回っても、その割合は余り変わらないのです。読みたくない人が20%のところから激減しているわけです。結果、読める人は増えていますけれども、読みにくい人というのは今そういう意味では情報量が多くても少なくても読みにくいというふうにこの資料だけからは読み取れたので、そういう意味でも読みにくい方にどうやってサポートしていくのかというときに、それを全部限られた面積の中で全て表現をするとか、あるいはインターネット上で個々の例えば中小企業の場合とか、そういうもので全て表示の義務を課すことは難しいと思いますので、これからの社会の多様性に応じたシステムの開発とか、そういったことについてもぜひ積極的に考えていく必要があるのではないかと思いました。

○受田部会長 ありがとうございました。多様な情報提供のあり方について、発信側のみならず、読み取る側の工夫あるいはさまざまな手段を技術的にさらに進化させていけば、いろいろな隘路は克服できるのではないかというお話もありました。先ほどの結果、19%というのは確かにそうですね。読みたくないというのが増えたり減ったり。この辺はまたさらに伺ってみたいと思います。

ここまで一通り全委員の方から今日は御発言をいただいております。それで次回に関してはもう少し技術的な、特に論点になっておりますインターネット等を通じた情報提供のあり方に関して、特に時間軸的に少し先を見据えながら、先という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、ICタグ等の技術的な革新というのは非常に日進月歩でございますので、そういったところも含めて専門家の御意見、現状と将来展望等を伺いたいと存じます。通常はそういったICタグ等の情報というのはロジスティクスであるとか在庫管理であったり、さまざまなビッグデータとして事業者の皆様にとって見える化をしていく非常に強力なツールになると思うのですけれども、そういったところにコミュニケーションツールとして消費者の皆様が知りたい情報をお届けするというような役割も担えないのかなとか、いろいろな考え方がまた出てくるかもしれません。

それと、これはまた専門家の御意見をいただきたいと思うのですけれども、ICタグが普及していけば、今言っている容器縛り、つまり現物での情報提供がICタグを通じて現物の情報提供、より知りたい豊富な情報を提供してくれる媒体になっていく可能性もあると思うのです。ですからいろいろなこれまでの課題を解決していく1つの大きな技術的ツールになっていく可能性もありますので、現状のコストであったり、それがどこまでいけば普及するのかとか、聞いてみたいことは山積みなのですけれども、ぜひ専門家に次回少しお話を賜りたいと思っているところでございます。

もう少しだけ時間を頂戴し、そういったインターネット等を通じた情報提供のあり方、すなわち今日お配りしております資料2の上のほうで、直接その容器で表示をする内容あるいはインターネットを通じて情報提供する内容、ここをもともと優先順位を付して整理をすることによってよりわかりやすい、あるいはちょっと誤解がないようにしないといけないのですけれども、情報が過多になっている状況を克服できないかというのが問題提起だったと思っております。

そういう意味で、先ほども意見をいただきましたけれども、優先順位をつけていくとしたら、どういう考え方が望ましいのか。当然のことながら安全性の確保に関する表示については、容器に直接消費者の皆様にそれを御覧いただいて判断していただくということだと思いますけれども、自主的、合理的選択の機会の確保に資する情報も当然なくてはいけない。全てがネット上に移行してはいけないという御意見もいただきましたので、そのあたりをもう一度、皆様から意見をいただきたいと思っております。

その前提として先ほどちょっと申し上げたのですけれども、これまで消費者庁さんで表示レイアウト及び文字の大きさというのを平成26年に議論されて、そして一定、新基準、表示レイアウトの整理等をされているということを先日、部会の中でも情報をいただきました。その中をずっと見ていると、一定の制約がある場合に例えば省略をしていくというような考え方もあって、その省略をしていく規定というのが容器包装の面積が現状では多分30平方センチメートルとか50平方センチメートルということになっているのですけれども、こういった省略というのは今、運用されているのでしょうか。それと、その現状について御説明をいただいて、この後の議論に反映できればという思いもあるのですが、赤崎課長、突然振りまして申しわけありません。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 現行の制度なり、平成26年当時の議論の流れを簡単に御説明させていただきますと、現在、表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下の場合は、いわゆる品質事項は省略できることになっています。食品表示基準3条3項にその旨、規定されております。これは食品表示法ができる前から、JAS法、食衛法、健康増進法にまたがっていた時から、そういう運用がなされていて、それが食品表示基準にも引き継がれています。

ただ、平成26年に、この時は食品表示法はできています。ただ、まだ食品表示基準ができていない時ですけれども、当時、30平方センチメートル以下で表示省略ができていましたが、30平方センチメートル以下というのを50平方センチメートル以下であれば省略できることに制度の変更ができないか。そういう議論、検討がなされたと承知しております。これは前回、池戸委員からそのお話がありましたけれども、たしか平成26年3月だったかと思いますが、まさに30平方センチメートル以下というのを50平方センチメートル以下に見直しできないか、そういう問題意識に沿って消費者庁から資料を用意して御説明をしましたが、結果、30平方センチメートル以下という従前の定量的な基準がそのまま今に至って、食品表示基準に入っていると承知しております。事実関係は以上のとおりと思っています。

○受田部会長 ありがとうございました。

実際にそうやって50平方センチメートル以下の場合に関して議論がなされた中で、なぜこの話をしているかというと、省略ということを通じて容器の中に表示しているものとそうでないものを優先順位をつけて分けるという考え方が、既にここに導入されているということかと思ったからです。実際にその議論の結果を、空中戦で申しわけないのですけれども、50平方センチメートル以下の場合は名称、保存方法、消費期限または賞味期限、表示責任者、アレルゲンを義務表示とするというふうに資料によると書いてありまして、それ以外のものについて省略できるということに議論はなっていたようです。

多分、池戸委員から先日、御紹介をいただいたレイアウトの中に盛り込まれていたのだろうと思うのですけれども、つまりこういった今は50平方センチメートルという制約なのですけれども、その制約が現状の表示スペースに関してもかなり強くなっていて、既に制約を受けていると同じように考えていったときに、省略できるに準じた優先順位のつけ方というのがもう既に議論されているという見方もあるのではないかと感じたものですから、今、話題にさせていただきました。

結果的にはこういった名称、保存方法等、アレルゲンも含めた省略ができない内容に関しては、いわゆる安全性の確保につながっていく内容とも分類できるのではないかと思います。こういった議論を委員として展開をされた方もいらっしゃると思います。

もう一点、これは食品のインターネット販売に関しての情報提供のあり方懇談会というものが既に開催されて、その検討の結果というのがまとめられているのは御存じのとおりです。当然、この食品のインターネット販売に関する情報提供のあり方は、インターネット販売という限定がついているのですけれども、今、議論している情報をインターネットで提供することになれば、当然、その議論ともつながってくるのではないかというふうにも思っております。そういうところから、この議論の結論といいますか、プロセス、そういったものについては、大いに参考にしていかなければならないのではないかと思っているところでございます。

こういう点も含めて、たしか澤木委員はあちらの食品のインターネット販売の情報提供のあり方懇の委員だったと記憶しておりますけれども、何かその委員のお立場から、ここについて御意見をいただけないでしょうか。

○澤木委員 ちょっと前のことで明確ではないのですけれども、結局、私たち消費者としては、インターネット通販のネットスーパーなんかでも、いわゆる容器包装の一括表示が載っているのが一番わかりやすいのではないかというような意見はお伝えしたと思います。

○受田部会長 議論のプロセスにおいても、インターネットで今、eコマースでいろいろな商品販売がされている情報が徹底していないので、義務表示に係る内容を御覧になりたい方がアクセスできなかったり、それによってどうも最終的に購買にまで至らないようなアンケートの結果もたくさんあるようですけれども、いろいろな意味でここをさらに一定のルールのもと、わかりやすい表示にすればまた変わってくるのではないかという議論もあったということですよね。ありがとうございます。ぜひこれについては今後のインターネットを通じた情報提供のあり方ということで、この検討会は消費者庁さんのもとで展開をされていたかと思いますけれども、また相談させていただいて、次回以降、皆様に情報の共有をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

今、少しお話をした内容等も含めて、さらに情報提供のあり方として容器縛りの部分と、インターネットの情報提供のあり方の優先順位を付した相互的な、あるいは双方的なシステムの導入について、委員の皆様からもしここで御意見をいただけるようであれば賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。

渡邊委員、お願いいたします。

○渡邊委員 インターネット販売であるとか、インターネットを通じた情報提供を考えるときは、どうしても時間軸というのがすごく大事で、現時点とかいうふうに言うとまた難しくなる。例えばそれが10年後とかになってきたら全然世の中違うので、とは言いながら議論するのは今の時点の知識しかないので、今の時点の知識でなかなか将来のインターネット表示について議論するというのは、かなり難しいのではないかと思います。やはり今の時代でできるかどうかということを念頭に置きながら議論せざるを得ないのです。

そういうふうに考えたときには、確かに今のこれだけスマホがある中で、一部の人は何でインターネットで情報を流さないのだろうと思っている人も絶対にいると思うのです。本当に素早くて、商品名をちゃちゃっと検索して、ちょっとやったら情報がたくさん出てくるほうがありがたい人がひょっとしたらたくさんいるかもしれないし、そういう時代の中でそれを利用できるようにするというのは、すごく大事かなという気がします。ただ、全部それをインターネットでやりなさいとなると、これはついていけない人もいるので、インターネットも利用できるようにしていく、だんだんどういうふうに動かしていくかというのは考えていく必要があるかなと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。これも時間軸の話ですよね。そこも含め考慮をしていかないといけない。10年あるいは先ほど申し上げたように7年後のあるべき姿を考えて、そして今風に言うとバックキャスティングしながら現状のマイルストーンをどう立てていくかという話だと思いますので、その辺は実行可能性というところを踏まえつつという点は、渡邊委員から何度か御意見を賜っておりますので常に念頭に置きたいと思います。ありがとうございます。

ほかいかがでしょうか。松永委員、お願いします。

○松永委員 個人的には優先順位づけというのは極めて重要で、これに具体的に取り組まないと先には進めないと思っています。

具体的に考えてみると、これは実はなかなか仕分けが難しくて、例えば私は安全性に関係がない原料原産地表示と、遺伝子組み換えは容器包装になくてもいいのではないかと個人的には考えるわけですが、実際にはそうではないという方は多分たくさんいらっしゃいますし、それぞれ意見が違うわけですので、その中で、でも優先順位をつけないと現状を多分打開できない。先ほど菅委員が過多ではないのではないかとおっしゃられましたが、ここは非常に慎重な調査と議論が必要で、菅委員がおっしゃるようにアンケートでぽんと聞いてというのでは全然足りなくて、グループインタビューみたいなところで本当のところどうなのですかというところをじっくり調査すべきだとは思いますが、私自身はそうは言っても過多で見えなくなっているというふうに思っています。それは消費者の意見を聞いても、事業者の意見を聞いてもそうです。

ユニバーサルデザインも、実は大手企業は大分個別に進めておられていて、随分変わってきているというふうに私は思っているのです。だけれども、ユニバーサルデザインで取り組んだとしても、もうどうにもならないということをおっしゃっておられる方がたくさんいらっしゃる。お弁当だと表示だけでぐるぐる巻きになってしまって中が見えない。お弁当をひっくり返さないと表示が見られないというような状況になっているという現実もありますので、私は現状認識として多過ぎるというのは個人的には思っています。

そうすると、そこを具体的にどう打破するかというと、これは個別に優先順位づけをきちんと考えるしかない。その際にこの整理だと安全性と自主的かつ合理的な選択機会の確保の2つですけれども、実際には全然2つではないわけです。例えば重量とかは安全性には関係ないですが、これは自主的かつ合理的な選択機会の確保ではあるのですけれども、消費者にとっては非常に重要な情報なので、多分、欠かせないということになるわけです。あるいは添加物ですと、添加物が合理的に使われていれば、適正に使われていれば安全性上は問題ないですけれども、多分そういうわけにはいかないでしょう。私なんかは逆に保存料がしっかり使われているかどうかというところで、保存料がちゃんと使われているほうが安全性が高いと見て購入行動をするという場合も物によってはありますので、そういう意味では添加物の表示だって安全性と全然関係ないとは言えないわけです。

ですので、実はこれは相当具体的に各項目についてシビアに考えないと、どの項目を容器包装に残して、どれはウエブに持って行ってもいいという判断はできないので、非常に難しいことですけれども、これはきちんと部会長おっしゃるとおり、かなり議論をして取り組むべき課題ではないかと思っています。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

まず最初と最後の部分で容器包装の優先順位づけの重要性に関して、慎重かつ具体的にやっていくことの必要性について御意見をいただきました。この点についてはぜひ次回以降、しっかり議論をしていきたいと思っていまして、そのためにこれまでいろいろな議論がなされている、その中身を少し整理させていただきたいと思っています。

というのが、先ほどの表示レイアウト及び文字の大きさの議論があったり、一元化検討会のときにも優先順位の話というのが相当議論の俎上に上っております。また、御存じのとおり原料原産地の義務化においても、かなりここに係るお話が出てまいりました。そういう意味で、その議論の経過あるいは提案に関して一定整理をして、そして、相当繰り返している部分もあるかと思いますので、やはり決断をし、どういう方向を導いていくかというのはこの部会で一定、考え方をお示しをし、そしていつからそういう形を考えていくのかというところも、基本的な考え方として皆さんの御意見あるいは議論をお願いしたいと思っております。

それから、冒頭、菅委員からも御意見をいただき、また、今、松永委員からも御意見をいただき、具体的に消費者の皆様にとって情報は多いのか、あるいは不十分なのか、あるいはもっと知りたいという情報があるのか、もしかするとこれはまだ顕在化していない情報も含めてということかもしれないのですけれども、こういうところをもう一回、大がかりに調査をするというわけにもいきませんので、これまでの意向調査の結果も踏まえつつ、参考になるデータに関してはもう一度悉皆的に見て、そしてそれをピックアップした情報を皆様と一緒に御覧いただきたいと思います。そこからあるべき姿というのが見えてくるかもしれませんので、次回またこういった材料を少し議論の資料として用意をさせていただきたいと思います。

そろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたので、今日いろいろいただいた意見はこの資料のマトリックスの中に加筆していき、さらに時間軸も含めて考慮すべき内容も新たに御指摘、御示唆をいただきましたので、そういった点も含めて少しこれをモディファイしてみたいと思います。

次回は申し上げましたとおり、二次元バーコードやICタグといった技術的な情報提供を専門家にしていただきつつ、今日後半のほうで御議論いただいた優先順位の話、消費者の求める情報、さらには恐らく表裏一体で事業者の皆様が提供したい情報というのもあるかと思いますけれども、そういった点に関連する客観的な資料についても御紹介を申し上げたいと思っているところでございます。

全体を通じてさらに御発言ありましたらお願いいたします。

○樋口部会長代理 私も記憶が定かでないところもあるのですが、家庭用品品質表示法で二十数年前に規制緩和をして、家庭用品のどこの部分に表示してもいいということで自由に、表示事項は決まっているのですが、工夫をしてそれぞれ瓶の形状とか、そういったものによって状況が違うので、消費者にはっきり見てもらうためにも規制緩和という考え方があったと思うのです。

例えば10年後にどういう技術水準になるかは誰ももちろんわからないのですけれども、規制緩和の考え方を入れていくと、例えば表示すべき事項はいろいろあるのですが、例えば電磁的方法も含めて工夫してもいい。あるものについては当然どうしても表示しなければいけないけれども、ほかのものについてはある程度、例えば商品の一番表示すべきところに表示するというようなこともある程度認めるという発想の転換も7年後とか10年後だったらあり得るのかなというふうに思いました。

家庭用品がまたその後どうなったかは全然フォローしていないのですけれども、表示として言えば食品の場合も同じような考え方があり得るわけですので、その辺については御参考までに、そんなことがあったということを御紹介したいと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。

ほか、委員の皆様から御発言ございませんか。よろしいでしょうか。

≪3.閉会≫

○受田部会長 それでは、本日、第47回「消費者委員会食品表示部会」といたましては、以上をもちまして終了とさせていただきます。

委員の皆様におかれましては、お忙しい中、また、活発な御意見を賜りまことにありがとうございました。

それでは、事務局より事務事項、連絡事項等よろしくお願いいたします。

○坂田参事官 長時間にわたりまして御議論いただきまして、まことにありがとうございました。

次回は11月27日火曜日、13時からを予定しております。詳細は追って御連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

以上でございます。

○受田部会長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

(以上)