第46回 新開発食品調査部会 議事録

日時

2018年9月10日(月)14:58~17:06

場所

消費者委員会会議室
(東京都千代田区霞が関3-1-1)

出席者

【委員】
受田部会長、石見委員、今村委員、大野委員、木戸委員、志村委員、竹内委員、田中委員、戸部委員、松永委員
【説明者】
消費者庁 食品表示企画課
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官、新開発食品担当

議事次第

  1. 開会
  2. 特定保健用食品の表示許可に係る調査審議
    【継続審議品目】
    (1)「□□」(株式会社ミル総本社)
  3. その他
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

その他

本調査会の議事については、新開発食品調査部会設置・運営規程第6条第2項に基づき、個別品目の審査内容が許可申請を行っている事業者の権利または利益を侵害するおそれがあるため、非公開とします。

≪1.開会≫

○坂田参事官 定刻よりちょっと前でありますけれども、皆さんおそろいでございますので、始めさせていただきます。

本日は皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。ただいまから「消費者委員会 第46回新開発食品調査部会」を開催いたします。

私は7月27日付の人事異動で消費者委員会事務局参事官に着任をいたしました坂田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

本日は長田委員、久代委員、清水委員、松嵜委員、山田委員から御欠席の御連絡をいただいておりますが、過半数に達しており、本日の部会が成立いたしておりますことを御報告いたします。

また、本日も国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所から食品保健機能研究部食品安全・機能研究室の方にお越しいただいております。

議事に入ります前に、事務局内では私のほかにも人事異動がございまして、9月1日付で事務局長として二之宮が新たに着任しておりますので、御挨拶を申し上げます。

○二之宮事務局長 9月1日付で消費者委員会事務局長に就任しました二之宮と申します。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

○坂田参事官 それでは、議事に入りますが、お配りしております資料は、議事次第に記載の資料1から6及び参考資料となっております。

先ほどお配りした資料番号のついていない資料でございますけれども、御所属が変更となっている委員がおられるということで、更新後の名簿をお配りさせていただいております。御確認いただければと思います。

また、毎回皆様のお足元に御用意しておりました審査申請書概要版などにつきましては、今回1品目のみとなりますので、概要版を机上に配付させていただいております。

不足の資料等がございましたら、審議の途中でも結構でございますので、事務局にお申しつけくださいますようお願いをいたします。

なお、配付資料や審議内容につきましては、公開を前提としていない情報も含まれておりますので、お取り扱いには御注意いただきますようお願いをいたします。

では、受田部会長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。

○受田部会長 皆様、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

初めに、本日の会議は新開発食品調査部会設置・運営規程第6条第2項に基づき非公開といたします。第3項で開示することを定められている非公開の理由は、個別品目の審査内容を公開することが、許可申請を行っている事業者の権利及び利益を侵害するおそれがあるためです。議事録は新開発食品調査部会議事録の公開基準に定めるところにより、非公開項目を議事録から削除して公開いたします。

個別品目の審議に入る前に、本日の審議品目に関して申し合わせに基づく寄附金等の受け取りの有無と、申請資料に対する委員の関与について確認をしておきたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。

○消費者委員会事務局 申し合わせに基づきまして、本日の審議品目の申請者からの寄附金等の受け取りについて事前に確認をさせていただきましたところ、審議に御参加いただけない委員はいらっしゃいませんでした。

また、申請資料に対する関与につきましても、該当する委員はいらっしゃいませんでした。

報告は以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

今の事務局からの説明について、御質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。


≪2.特定保健用食品の表示許可に係る調査審議≫

【継続審議品目】

(1)「□□」(株式会社ミル総本社)

○□□委員 それでは、個別品目の表示許可に係る審議に入りたいと存じます。継続審議品目の株式会社ミル総本社の「□□」です。

事務局から経緯等について御説明をお願いいたします。

○消費者委員会事務局 それでは、お手元の資料1を御覧ください。

本申請品目は、延べ4回第一調査会での審議を経まして、前回の第45回の調査部会で御審議いただいております。その部会では、商品名及び許可表示文言の修正を検討されたいとの指摘が出され、継続審議となっております。

この指摘に対して申請者から回答が提出されております。お手元のクリアファイルにその回答書が入っておりますので、御覧いただけますでしょうか。2ページ目、ここに申請者からの回答内容が新旧対照表の形で載っております。

まず、商品名についてですけれども、現行は「□□」という名称で申請されておるのですが、この名称につきましては「□□」、「□□」を「□□」に直すという回答でございます。

2点目、許可表示につきましては、旧の文言を左側の新のところにありますような許可表示に直すということでございます。御指摘の趣旨は、食後の中性脂肪上昇抑制効果と血糖値上昇抑制効果、この2つの効果をきちんと文章的にも2つに分けるようにという御指摘でございまして、回答は、まず最初の6行で血中中性脂肪上昇抑制効果、これに関する部分を語っております。一度文章を切りまして、その後4行になりますが、「また」から始まる文章で、血糖値上昇抑制効果、これにかかわる部分を述べているといったつくりになっております。

回答書の3ページ目以降、これは商品の表示見本でございます。この商品は□□でございまして、分包の表示、入れ数の違う外箱の表示等、複数ございますが、いずれの表示見本でも商品名、許可表示の文言、これは回答どおりに修正されております。

前回の部会での指摘事項とそれに対する申請者からの回答は以上でございます。

○□□委員 ありがとうございました。

ただいま事務局より御説明をいただきましたように、部会として確認をすべき項目2つに関して回答があったというものでございます。まず、これについての御意見を皆様からいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。許可文言の表現を2つの文章に、「また」という接続詞を使って分けましたということ。そして、「□□」という名称に関して、誤認を招かないように「□□」という形で商品名を変更したというものでございます。部会から指摘いたしました理由をしっかり受けて、その指摘に沿っていると捉えることはできるかとは思いますけれども、さらに委員の皆様から問題点等、あるいは御質問がありましたらいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。ここまでは特によろしいでしょうか。

ありがとうございます。

それでは、指摘事項に対する対応については、委員の皆様からお認めをいただいたということで取り扱わせていただきたいと思うのですけれども、御記憶かと思いますが、前回この部会において、指摘事項として発出したわけではございませんけれども、□□委員よりエネルギーについては別途確認をということでお話があったと記憶しております。この点に関しても、事務局よりその後の経緯について御説明をいただきたいと思います。

○消費者委員会事務局 それでは、お手元の資料2を御覧ください。

「□□」と既許可品の比較表でございます。この比較表は前回の第45回の部会でお示ししたものと同じですが、前回の部会でこの両者の配合組成はほぼ同等であるのに、栄養成分表示について、既許可品は□□kcalであり、申請品は□□kcalと、エネルギーが増加している。申請品のエネルギー増加の根拠について確認するように、という御指示が□□委員からございました。この点につきまして、事務局から確認した結果を御報告させていただきます。

この比較表にございますように、既許可品は平成11年に許可されております。その後、平成15年に厚生労働省から通知が出まして、食物繊維のエネルギー量の計算方法が変更になっております。この計算方法の変更によりまして、既許可品のエネルギー量が許可時の値よりも高くなっております。この通知の発出後、申請者は既許可品につきまして変更届を提出しておりまして、エネルギー量は□□g当たり□□kcalと表示して、現在も販売しております。この□□g当たり□□kcalという値は、今回の申請品のエネルギー量□□g当たり□□kcalと同等であると考えられます。前回の調査部会で、この変更届に基づいた比較表をお示しすればよかったのですが、変更届が提出されているということを把握できずに許可時の値をお示ししてしまいました。大変失礼いたしました。

既許可品と申請品目でエネルギー量は同等であるということは確認できましたが、このエネルギーの正確な表示について、念のため、外部の分析機関で現在分析中でございます。きょうの部会までに間に合いませんでしたので、その結果が出たところで、それにつきまして、部会長、それから、□□委員に御確認いただければと思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○□□委員 ありがとうございました。

前回の部会の議論でございましたように、□□委員から御指摘をいただきました食物繊維としての関与成分量、ここから推定されるエネルギー値を比較してみますと、何かこの数値に関して同等性がないのではないかという疑問が呈されました。それに関して、今、事務局よりお答えをいただきましたように、平成11年以降に食物繊維のエネルギー換算に関する係数の取り扱いに変更があったということを受けて、その後、このエネルギー量の変更の届け出がさらに行われている。その数値に基づいて同等性があるということで、まず不自然さは、そのとき□□委員から御指摘いただいたのですけれども、問題ないのではないかと。ここまでが一つでございます。

あとは、このエネルギーに関して、具体的な分析値に基づいて正確な表示をこの申請者であります株式会社ミル総本社で検討中でございますけれども、残念ながらきょうまでにその正確な数値をここでお示しするに至らなかった、間に合わなかったということがございます。その点に関しては、もう一度部会を開催するまではないのではないかという考え方で、事務局からありましたように部会長預かり。また、□□委員にも確認をしていただいて、そして、部会長預かりとさせていただくと、それで最終的に部会の結論としたいという提案でございます。

この点に関して、いかがでしょうか。まず□□委員、前回の部会でここの部分を御指摘いただきましたので、コメントをいただければと思います。

○□□委員 先日、事務局から説明の内容をメールでいただきました。事務的な手続のおくれというものがあったということですが、実際の正確な値は、今、御説明がありましたように、正確なエネルギーを測定し直すということでした。その結果が表示に反映されれば結構だと思います。

以上です。

○□□委員 ありがとうございました。

さらに委員の皆様から御質問、御意見等も賜りたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

□□委員、お願いします。

○□□委員 この製品については、今、御説明いただいたことで理解できたのですけれども、平成15年以降のほかの商品はどういう状況になっているのでしょうか。まだ改定されていないものが残っているのでしょうか。

○□□委員 ありがとうございます。

今の御質問はこの議論とは直接かかわってはおりませんけれども、今のような時系列的に見ると、平成15年を境にこのエネルギーの表示自体が換算係数の変更に伴い当然変化しているのではないか。要は、具体的には平成15年以前に許可されたものに関して、しっかり反映できているかという御質問でございます。

○消費者委員会事務局 通知の出ました平成15年以前に、難消化性デキストリンを配合して許可になったものについてどうなっているのか確認してみました。確認できましたもののうち、ほとんどが新しい計算ルールにのっとって計算されているとなっております。1品だけ計算ルールが変わっても変えずに従来のままの値で表示している商品がございました。

以上でございます。

○□□委員 よろしいでしょうか。

その1品に関しては変更をしていかなければいけないことになるのではないかと思うのですけれども、消費者庁からコメントをいただければと思います。

○消費者庁食品表示企画課 確認の上、指導してまいりたいと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

これは厚生労働省の通知に基づいて換算係数、食物繊維の場合はゼロもしくは1、もしくは2ということで、カテゴリー別で係数が異なっていますので、それを反映してということで、正当な計算結果に基づいて表示をすべきと。そこにのっとって改善すべきは改善するという方向でお答えいただきました。ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。

お願いします。

○□□委員 このキャッチコピーなのですが、2つ案があって「□□」「□□」。こういうぐあいに書かれているのですが、この文章の主語は一体何だろうといったときに、消費者がどのように考えるのかというと、恐らく「この製品は」という主語がつくのではないかと思います。そのときに、本当にこの製品が「□□」と言ってよいのかどうか。下のほうは確かに検証されているということで、上のほうの検証はなされていなかったのではないか。これは蒸し返しみたいな議論になってしまうのですが。

一応、今回の許可表示では、その文言案としては「□□」という形で書かれている。糖のほうのキャッチコピーはこちらの「□□」というところにうまく当てはまっているのですが、脂肪のほうは必ずしもそうではないのではないかというところ、この点について、御質問したいと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

今、御指摘いただいたのは、もう繰り返すまでもないと思いますけれども、キャッチコピー、「□□」の上に大きくかなり目立つように書かれております。2つを並列に並べている上のほうの「□□」というフレーズが許可表示、先ほどの改善案でいきますと最初の文章ということになりますけれども、これを反映しているのかどうかという指摘でございます。これはどうでしょうか。これまでの先例、先行する商品との比較等があればわかりやすいのかなというのが一つ。

それから、こうやって許可表示を変更したことに伴って整合がとれていない可能性もあるのかどうか。これは改善前の先ほどの新旧対照表でいったときに、旧バージョンでのここのキャッチコピーについては特段変更はされていないということだったのでしょうか。それとも、ここも変更されているということでしょうか。

○消費者委員会事務局 このキャッチコピーに関しては、変わっていないと記憶しております。

○□□委員 ありがとうございます。

まず、前回と変わっていない。そして、今回許可表示に関して明確に2つを分けたということに伴い、ここの整合をもう一度確認したいという御指摘です。これに関してはいかがですか。「□□」ということと、もう一つは、バックデータとしてこのヒト試験で実施された試験結果が、この「□□」という文言と整合している、あるいは誤認を招かないように捉えることができるかどうかということになりますけれども、少しヒト試験のデータと照合してみる必要がございますでしょうか。

いかがでしょうか。このデータの取り扱い、もし事務局からコメントをいただけるようであればコメントを頂戴したいところでございますが。

○消費者委員会事務局 ヒト試験を今、確認していますが、ヒトを対象とした試験でも難消化性デキストリン配合□□ということで、この製品を使って食後の血中中性脂肪上昇抑制効果というものを検討しております。その結果、摂取2、3、4時間後において中性脂肪値は、負荷試験食摂取後に対照群に比べて有意な低値を示したという結論が示されておりますので、キャッチコピーに関して、この「□□」と表現をしてもよいのではないかと、今までの例を考えるとそのように思うのですが、いかがでしょうか。

○□□委員 コメント、ありがとうございました。

いかがでしょうか。今のヒト試験の結果を踏まえて、ここのキャッチコピーの表現方法について、誤認を招くほど言い過ぎではないということになりますか。

○消費者委員会事務局 最近の表現の傾向としては、言い切り型というよりも、もっとやわらかな穏やかな表現にしていこうという全体としての意見の流れもありますので、今までこうだったから必ずしもこれがよいとは考えてはおりません。

○□□委員 ありがとうございます。

ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。

直近の許可商品に関しての表現と比べたときにどうかというのは、非常に参考になるのだろうと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○消費者委員会事務局 申しわけございません。キャッチコピーまでは、申請品目とほかの品目との比較は今すぐお出しできる資料はございません。

○□□委員 □□委員、お願いします。

○□□委員 たしか前回の会議のときに、私はこの件について発言させていただいたと思うのですけれども、ヒト試験で、難消化性デキストリンをとることによって脂肪の便中への排せつが増加するというデータがあると。この製品ではなかったかと思うのですけれども、そういうデータがあるので「□□」という表現でも間違いではないのではないかと申し上げたと思います。そういうことで、事実としては間違っていないと思ったところです。だから、それを表示に載せてはいけないということになると、また根拠が要るのではないかと思いました。

○□□委員 ありがとうございます。

メカニズム的に吸収を抑制するというところをもって「□□」というところで、そこのメカニズムの部分に相当する表現をこのキャッチコピーの部分で書いているという考え方になろうかと思います。□□委員、ありがとうございます。

お願いします。

○□□委員 血糖値の場合には、糞中に排せつされる糖分が増えるとか、そういうデータはありませんので、吸収を抑制するとは言えない。単に「□□」としか言えないだろうと。ただ、脂肪の場合には排せつが増加しているので、抑制すると言ってもいいのではないかというところです。確認のためですが。

○□□委員 ありがとうございます。

ここの部分は、本部会が今期に入って、12月からスタートしておりますけれども、極めて時間をかけ、先行する事例で議論させていただいた内容かと思います。今、□□委員から振り返っていただき、さらに許可文言に関してもより誤認を招かないように、科学的な裏づけにしっかり沿った形で表現をしていこうということで、これまでとは異なる表現方法もこの部会で決議をさせていただいたところでございます。それに添って考えていったときに、□□委員のコメントにございましたように、中性脂肪の場合はインプット、アウトプット、これの収支をしっかり検証した上で、その途中にある血中の中性脂肪の取り込み自体をそれによって抑えているというところで、穏やかにしている、吸収を抑えるということで表現をし、糖の場合はそのインプット、アウトプットの収支に関しての科学的根拠はとれないというところから、文言をより精査した状況だったかと思います。

ということで、この表現に関しては問題がないという□□委員の今のコメントをいただくと、一つの考え方になろうかと思いますが、さらに委員の皆様に御意見をいただき、さらには問題提起していただいた□□委員の御意見もいただきたいと思いますが、ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。これまでの議論の方向性を踏まえていくと、これで問題ないという受けとめ方でよろしいでしょうか。

□□委員、いかがでしょうか。

○□□委員 そういうことであれば。ただ、難消化性デキストリン自体もメカニズムからいくと糖の吸収を抑えるということでありますから、そこを「□□」と書いてもよろしいことになるかどうかということなのですが、そこは異なりますか。

○□□委員 どうなのですかね。どこまで認めるか、さじかげんみたいなものだと思うのですけれども、「抑える」という言葉の意味でも、そういう作用もあると言ってもいいとは思うのですが、実際にとった量よりも少ししか吸収されないではないかという誤解を与えるといけないと思って、それで「おだやかにする」という表現にしたほうがいいのではないかということだったと思うのです。

○□□委員 だから、脂肪の吸収というか、血中中性脂肪の上昇もかなり軽度に抑えているという感じですね。そこをとてもよく抑えているみたいな認識を持つ方が。

○□□委員 ちょっと誤解を与えるかもしれませんから。

○□□委員 誤解をすると。どうでしょうか。そこをうたっている商品がたくさんあるので問題提起をさせていただいた次第です。よろしいということであれば、了といたします。

○□□委員 ありがとうございます。

本当にメカニズム的な部分で、より科学的な根拠、裏づけをしっかりとこの部会で御議論いただき、消費者の皆さんに対する不明瞭さをできるだけ排除し正確な情報をお伝えするということで、極めて重要な御意見を賜っているものと思います。

糖に関しては、先ほども申し上げたとおりで、収支に関する部分、ここの客観的バックデータはとりにくいと言ったほうが正確かもしれませんけれども、そこまでデータがないということをもって、この表現で他の商品に関しても取り扱わせていただいており、中性脂肪に関しても同様の形で、こちらは収支がとれていることをもって、この表現はお認めをしていいのではないかというのがこの部会での結論になろうかと思いますけれども、この点、よろしいでしょうか。

□□委員、お願いします。

○□□委員 今の議論とはまた別件の話なのですが、許可表示には、試験が限定的なもので□□ということが脂肪の表示のほうには書かれていて、血糖値のほうは別に高めの方に限った試験している訳ではないので、主観的な表現ですけれども、食後の血糖値が気になる方というように書かれていて、これを許可表示ということにすると。これ自体は文献に基づいているのでいいと思うのですが、このパッケージは対象者が限定的であるということが表現されていない。なおかつ、許可表示の横にも、これは裏側になるのでしょうか。表示があって、「□□」と許可表示から抜き出して限定的な条件を排除したところで表示をしてあるというところが、これはどう考えたらいいのかなと。前回も思ったのですが、今回ももう一回見直しても、ちょっとひっかかるのです。

これまで許可したものは私が委員になってからも何点かありましたけれども、どこまできちんと抜き出して表現されていたかどうか明確な記憶がなくて、もうちょっときちんと許可表示が意味するところをパッケージで表現していたのではないかという印象があるのですが、確定的なことが言えないので、今までの審査の流れもありますので私が今さら唐突に言うのもどうかと思ったのですが、ちょっとひっかかりました。

○□□委員 ありがとうございます。

いろいろなところに問題を持っているのではないかと。特に今の□□委員の御意見は、きょう、机上配付された資料の先ほどの新旧対照表の次に「□□」としての具体的なパッケージが印刷をされていて、そこに許可表示のさらに横、「特保とは」というものがあって、その下にさらにここに枠囲みで表現されている内容がもう一つあって、それに先ほど議論になっていたキャッチコピー的な文言、3段構えになっているということですね。

この3つの整合と、基本的には許可表示の部分で対象であったり、メカニズムであったり、さらには高めとか、気になるとか、対象者の詳細について誤認を招かないようにという配慮でずっと来ているのに、切り出したものがひとり歩きしているような印象があるという御指摘であったかと思います。

これも先行事例を参考にしつつということになるのですけれども、この許可表示のその左側の枠囲み、こういうパターンもこれまで一般的だったのでしょうか。あるいは、その整合としてこのような形で表現するのが認められていたことになるのでしょうか。先行事例を御説明いただければと思います。

消費者庁のほうでお答えいただける情報はございますか。いずれにせよ、この部会においてこのパッケージ全体を最終的に審議し、その問題点について指摘をしながら改善を図るというところは使命として担っておりますので、その点については精査をしないといけないと思うのですが、これまでのパターンを少し把握、整理しておきたいと。

お願いします。

○消費者庁食品表示企画課 詳細は調べないとお返事できないのですが、問題点のパターンとしては、文章量が多かれ少なかれ、許可表示の一部を抜き取って別に文章として表示しているというのは、ほかにこれまで御審議いただいた品目でもあったのではないかと思います。今回御指摘のところは、対象者が限定的なところだけ抜いて文章が長めの形になっているということで、これまでのご審議の例だとお茶の表示などで、カテキンの表現で大分御議論いただいたと記憶しているのですが、ああいったものもパターン化してしまうと同じ話になってくるのではないかと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

このあたりをどこまで認めるか。例えば私自身も今の御説明をお聞きして、パッケージの一番目立つところに極めて短いセンテンスでキャッチーな文言が書いてあって、それを見た消費者の方がどういうメカニズムでどういう方を対象にしているのだろうということで、許可文言をフルセンテンスで書いてあるものをしっかり参照し、みずからが手にとるべきかどうかを判断し、選択をしていくというのは自主的、合理的な食品の選択の機会ということになると思うのです。

そこで非常にコンフュージングだと思われるのは、その間にまるで許可表示に認識されてしまいそうなセンテンスがもう一段あって、その次の許可表示で対象まで書いてあるということになったときに、その省略をした消費者への表示と消費者の方がしっかり受けとめて、自主的あるいは合理的な選択に資するのかというところですね。ショートセンテンスがあってフルセンテンスの許可表示というパターンであれば誤解を招くことはないと思うのですが、この間にもう一つ入っていて、その文章がフルでもない、短縮した形にも認識されないとなったときに、非常に中途半端ではないかという受けとめ方が□□委員の御指摘かと思います。

どうでしょう。ここまでいろいろな御指摘が入ってきますと、なかなかこの段階で全てこのままでオーケー、あるいはここを改善という形にしづらくなってきたのですけれども、この御指摘に関して、事務局はいかがでしょうか。

○消費者委員会事務局 今、御議論があったところなのですが、仮にこれを申請者に指摘として伝えて表示を検討するようにと出すとしても、どのような指摘を出すことになるのでしょうか。部会で議論しましたと。それで、前回言ったように商品名が不適切だから検討するようにというような、申請者が何が問題なのか理解できる指摘であれば答えようもあると思うのですけれども、今のままだと申請者も回答するのが非常に難しい内容になってしまうのではないかということが危惧されますので、もしも修正指摘を出すのであれば、もう少し議論を煮詰めて、問題点をはっきりさせていただいたほうがよろしいかと考えます。

○□□委員 ありがとうございます。

そのとおりだと思います。ですから、そういう意味で先行事例はしっかり参照しておかないと、その違いを劇的にここで認識していないまま先方に新たな指摘事項とするには、理由としてのしっかりとした説明が当然求められると思いますので、そこまで詰めておかないといけないということかと思います。

□□委員、お願いします。

○□□委員 今、商品化されているものを見ているのですが、検索して製品のパッケージを見る限り、このタイプの飲料のときには「脂肪の吸収を抑える」とか「糖の吸収をおだやかにする」ということとともに、「血圧が高めの方に」とか、その前だと「気になる方に」というものがかなり大きくパッケージにきちんと表示されていて、併記して読まれるようになっているようなのです。ぱっと見たときに両方が目に入るものが、どうも先行事例として多いように思います。ですから、どういう方たちに効くかをきちんとパッケージでわかりやすくしなさいというようなことを言うかどうかがまず一つなのだと思うのです。

もう一つ、この許可表示の横にある許可表示を簡略化した第2の表示みたいな、許可表示ではないけれども、メーンの表示でもなく第2の表示。これをどういう整理をして、どのように誤認を招かないようにするかというところで、これを許すかどうかというと、広告表現というのは事業者の自主性に任せないといけませんから、許す許さないという話ではないのですけれども、少なくとも部会長が先ほど言われたように、3つに分けて3パターンで表示されるというのは極めてわかりにくいですということは言えるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○□□委員 ありがとうございます。

対象者の明記に関しては、パッケージ上にまずできるだけわかりやすく表現している事例が多いのではないかという御指摘です。これはまさにこれまでの認可をされているものに倣っていく必要があると思うので、その情報が求められるところですね。

2つ目、これもこれまでにあったのだろうと思うのですけれども、ちょうど今3段階とおっしゃった許可表示のフルセンテンスの文言に準ずるようなものがもう一つ入っていると。ここの事例と具体的に対象とかそういうものが触れられていないことに関する問題点、ここまでのところでいかがでしょうか。

□□委員、お願いします。

○□□委員 今までも確かにこの第2の表示を許可表示よりも大きな字で、しかも目立つような形で表示していたお茶などがあったと思うのです。カテキンは健康成分の何とかでというものの、「健康成分」を外したりしました。ただ、内容にもよると思うのです。そのときは不適切な文言は削っていただいて、誤認のないようにということで対応したと思うのですけれども、今、御指摘のあった四角の中は「□□」という対象者が省かれているので、消費者に誤認を与えるのではないかと思います。誤認を与えるということは、特保のパッケージの中の文言として不適切かと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

今、□□委員からコメントをいただきましたように、以前ここで指摘をしたのは、カテキンが関与成分という。

○□□委員 「健康成分」とか、何か書いてあって、それは不適切ということでした。

○□□委員 その修飾語句を削除したほうがいいのではないかというような御指摘があったことは記憶しております。要は、こういった第2の表示ということなのでしょうか。許可表示とは別の、表示文言にかなり近いあるいは関連する内容に関しても、部会としては指摘をしておりますので、その点にのっとって考えますと、ここの第2の表示について対象が明記されていないことは誤認を招くという指摘で改善を求めるというのが、先ほどの事務局側からの意見に対してコメントになるかもしれないと。

ほかはいかがですか。

□□委員、お願いします。

○□□委員 最初の申請時の文言というのは、対象者がこの欄に入っていたのですね。それが今回、「□□」とか「□□」というところをさらに強調するために、こういう表現になっているのではないかと思えてならないのです。最初の申請時のときのように、どういう人がこれを摂取したらいいのかがわかるような、最初の表現のほうがいいのではないかと私は思います。

○□□委員 ありがとうございます。

今の情報もいただき、もともと対象者をしっかりと明記しようというスタンスで申請がなされていたのが、いつの間にかそれが抜け落ちている。つまり、ここの表現において対象者を明記することの配慮に欠けるという御指摘かと思います。

今、消費者庁の情報を少しいただきましたけれども、既許可品の商品名は、先ほど資料2を御覧いただきましたが、「□□」という、商品名そのものが対象者を明記した商品名になっています。したがって、これまでの申請企業のスタンスは、対象者をしっかり明記するというところで来ていたわけですけれども、前回の部会以降の指摘事項を受けて商品名が変わったあたりから、第2の表示の部分に対象を明記することを抜かっている。ここを今、委員の皆様は御指摘されているということかと思います。これはいかがしましょうか。

消費者庁、お願いします。

○消費者庁食品表示企画課 既許可品の製品名に「□□」と入っており、表示のフロントの部分、前面の一番目立つところに商品名としてそれが表示されているので、既許可品は結果的に消費者の方が御覧になったときに、対象がわかるような表示にはなっている状況です。

○□□委員 そういう意味で、今後もこういったキャッチコピー、これがひとり歩きしないように、対象が先ほど□□委員から御指摘があったところですけれども、パッケージの目立つところに書いてあることが求められるというスタンスはしっかり持っておかなければいけない。とすると、今までいろいろな御意見を頂戴しておりますが、このまま全部をお認めする方向では部会としてはいかない。

その指摘事項としては、フロントの表面にありますコピー、これから対象者が明確になっていないこと。それに加えて、第2の表示にこの対象自体が入っていないということも含めて、より誤認を招かないような全体としての表示にもう一度注意をして改善を図るというのが、これまで部会、委員の皆様からいただいた意見になるように私自身は受けとめておりますが、いかがでしょうか。

お願いします。

○□□委員 許可表示については、この部会でいろいろ頑張って適切なものにしていこうということでやっていたわけですけれども、こういうダブルクレームになってきて、どうしても許可表示が長くなる。そうすると、限られた大きさのパッケージの中に記載するときに、どうしても字が小さくなってわかりにくくなってしまう。そういう限界があって、やむを得ないところもあるのですけれども、この場合には、新たに似たような表示を加えることによって、更に許可表示が小さくなり、読みにくくしているというところがある。なるべく許可表示をわかりやすく、そちらを読むように誘導するために、余分なものは載せないでほかのところに書いてあれば、単に「□□」とか「□□」とか、そういうところはキャッチコピーとすぐわかるわけですね。ただ、今の書いてある場所は、わざわざ許可表示を読ませないでというように感じられてしまう。本来、許可表示を読んでいただいて、その上で消費してほしいという筋から外れているのではないかと思いました。

○□□委員 □□委員、ありがとうございました。

今の□□委員も、第2の表示の部分が過剰に情報を与えているにもかかわらず対象の明記が欠けているというところで、これは文言の修正を含め対象の明記という部分は指摘すべきではないかとコメントをいただいたと思いますが、いかがでしょうか。

先ほど事務局からは、指摘をする場合には、その指摘の理由をしっかり、そして、改善のより具体的な方向性をお示ししないといけないということだったのですけれども、今まで議論された内容、つまり対象が読めないこととフルセンテンスの許可文言、それに準ずるような形が出てくることによって、より消費者の方がその許可文言に触れる機会といいますか、そこに注意を向ける部分が少し問題になってくる。誤認を招く可能性があるのではないか、情報がしっかり伝わらないのではないかということで、この第2の表示の部分を大幅に見直していただきたい。

それから、全体を通じて対象が明確になるように、一番参考にすべきは既許可品だとは思うのですけれども、それを言い始めると商品名自体を変える方向を指導してしまうことにもなりますが、よりわかりやすくと指摘をする手はあるかと思います。

□□委員、お願いします。

○□□委員 先ほど□□委員が御指摘になった点が、まさに大事なポイントではないかと思うのです。こちらのオレンジ色のファイルの表示見本では、四角で第2の許可表示に相当する部分が明確に対象者を示していて、キャッチコピーは作用メカニズムの抜き出しが大きく示されています。これは両方合わせれば許可表示の内容が消費者にもよく伝わるのではないかと思うので、このやり方が何で今回別の形になってきたのかが、大変疑問に感ずるところです。

○□□委員 ありがとうございます。

先ほどの□□委員の御指摘のところとあわせて、ここの部分をなぜこんな表現をしたのか。ここの部分は別に指摘をしていたわけでもないわけですからね。この真意がつかみかねるということと、対象が抜け落ちたことに関して誤認を招くおそれがある。さらに言うと、情報を詰め込んでいるということで、第2の表示がフルセンテンスの許可表示のアクセスという意味で、一つネックになってくるのではないか。こういうような御指摘かと思います。

そこまでもし指摘事項として文章化すれば、先方に対してもしっかり具体的な改善が図られるようにも思いますけれども、事務局、いかがでしょうか。

○消費者委員会事務局 許可表示文言にはもちろん入ってくるわけですけれども、キャッチですとかその他の表示に関して対象者がないので、それもわかるように明示することというのが一点になるのかと思いますけれども、それは間違いないところでございますね。

もう一点、今、第2の表示と呼ばれている部分についてですが、これも先ほど消費者庁からの説明にもありましたように、許可表示から一部を抜き出してパッケージに表示するというのは、これまでにも多くの品目で行われているものである。今回のものについても、2行の「□□」「□□」、このキャッチコピーについてはよろしいのではないかという方向になったと思うのですね。そうしますと、どの程度の抜き方をすればよろしいのかというところが、その一つの線引きが示せればよいのですが、そうでないとすると、個々の品目について、これは場所がおかしいとか文字が大き過ぎるとかというところも加味しながら判断していく必要が出てくるのではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。

○□□委員 今の点は非常に重要で、今後の特保の申請にチャレンジをしていこうという事業者の皆様にとっても、具体的かつ非常に重要な御指摘になっていくのですけれども、もともとここの第2の表示という言葉が一般的にこの部会で使われていたのかどうか、それをまず存じ上げないということ。それと、フルセンテンスの許可表示の文言、これを少し短縮化することに関しては先例がある。それはある意味、消費者の方に訴求をする、多分表面に書いてあるようなコピーにかなり近い扱いではないかと思うのですけれども、そこの部分をほぼ同じ表現で繰り返すことに関しては、適正な表示という消費者に対する目的からすると、いかがなものかと感じられるところが一つあると思います。

今回、とにかくミル総本社が指摘されていない部分にみずから大きな改善を図ってきたということに関しては、それはこの部会として初めてその内容について判断をしているわけですので、これは前のほうがよかったわけで、そして、それが新たな情報になったことに対していろいろな問題点が指摘されたことをお伝えすれば、それをもって一定御理解をいただけるとも思うのです。要は、なぜ変えたのだということかもしれませんが、事務局、いかがでしょうか。このように指摘もされていないのにみずから全然関係ない部分をどんどん違った、モディファイしたものをここの部会に上げてくれば、それは当然新たな審議事項として扱われる可能性はあると思うのですけれども、その点も含めていかがでしょうか。

○消費者委員会事務局 今、□□委員が最後におっしゃった点については、確かに今、ここにございます申請時の表示は、この裏の部分ですね。ここに対象者が書かれていたのは間違いないところでございます。ただ、その後の経緯が追い切れていないのですが、この回答書に今のこの表示見本がついているわけですね。前回の指摘は、許可表示文言と商品名を修正するようにという指摘で、そこに対応しているわけで、そのほかの部分についてはその前から変わっていないのではないかと思われます。

ですから、申請時から前回まで、今、第2の許可表示と言っている部分に関して、いつどのような経緯で変わったのか。それが調査会あるいは調査部会の委員の方々の気づかれないうちにいつの間にか変えられてしまったのだとするならば、改めてきちんと指摘として出されても、それは当然だと思うのですけれども、ここをこう変えますということが以前に申請者からきちんと説明されて、それで調査会なり部会でよしとしているとなると、もう一つハードルが出てくるのかなと思われます。ただ、どういう経緯でここまで来たのかは、今、手元の資料だけでは追い切れませんので、それは確認させていただきたいと思います。

○□□委員 このミル総本社からの赤い、このオレンジ色の申請資料概要版のア、イと来まして、そこに60包入りの「□□」という、これはパッケージ例がA3で示されていますけれども、これがもともとの申請のパッケージということでよろしいのですね。

○消費者委員会事務局 今、確認できる資料で照合させていただきたいと思います。もう少しお時間をいただけますでしょうか。

○□□委員 そこの確認を事務局で行っていただいておりますけれども、今までの御議論をもう一遍整理しておくと、指摘事項2点に関して、前回の部会の指摘に対しては適正に改善されている。そこまではよかったのですが、あとはフロントのコピーの部分、ここに関しても少しコメント、意見は出ましたけれども、これまでの議論の流れに沿っているというところまではよかったかと思います。

問題はここからで、対象者が明瞭になっていない。その背景に、パッケージの中でそれを明記するような文言が、以前の申請の段階にはあったにもかかわらず、ここでなくなっているということと、取り出した第2の表示の部分に対象者がさらに盛り込まれていない。ここが今の部分とつながっていく。

結論としては、その対象者の不明確な部分の改善は図るべきではないか。それを具体的に図るとすると、最初の申請の第2の表示に相当する部分に書いてあった文言、すなわち対象者をそこに切り出している。これが本来の申請のパッケージであり、もともとのそちらのほうが好ましいということになるのではないかというのが、今までの意見かと思います。

いかがですか。このままであれば、そこの第2の表示についてもあるべき姿を改善していただかないと、そのままでは難しいという部会の委員の皆様の御印象ではないかと思うのですが。

□□委員、お願いします。

○□□委員 今の議論そのものはそれでよいと思いますが、幕合いを利用させていただいて、意見を述べさせてもらえたらと思います。

キャッチコピーとか第2の表示は短くなっていくので、どうしても矛盾をなくすことは難しいと思うのです。特保そのものが矛盾の存在だと思いますので、それを完全にこの表示の中で解決していくということは、私は難しいと思うのです。だから、厳密に議論していくと、キャッチコピーは全てだめだとなっていくと思うのです。ですから、私は今回の件は座長の御指摘のとおりだと思うのですけれども、余りキャッチコピーに厳密さを求めていくと議論そのものが行き詰まってしまいますので、私は間違っていなければ、基本的にはキャッチコピーに関してはいいのではないかと思います。

これはもともと□□という毒物の上に健康表示が載っている非常に矛盾したものだと思うのですが、これはもともと血圧の高めの方は御遠慮くださいということを書いたほうがいいようなものだと思うのですけれども、それでもそれが食品として流通しているわけでして、そこまでは世の中は許しているのだと思うのです。ですから、キャッチコピーとして許される範囲もある程度は広さがあるのだと思います。意見です。

○□□委員 ありがとうございます。

こういったところをこれまでどう議論していかれていたのかは、私自身ももう少し勉強させていただきたいところでもあるのですけれども、これまで継続して委員をお務めになられている先生方はどう受けとめておられますか。

□□委員、お願いします。

○□□委員 具体的な例は別として、有効成分がきちんと入っていれば認めるという形になれば、こういうケースがどんどん出てくると思うのです。しかし、現在の形では、有効成分がきちんと入っていればそれを認めるということで進めてきたように思います。

それに至るまでにはすごく議論がありました。なぜこういうものに有効成分を入れてまで許可を得ないといけないのか、そもそもこれは入れる必要はないのではないかという議論もこれまでたくさんしてきたところです。しかし、科学的に言いますと、エビデンスがきちんとあって、それが有効成分として入っていれば、その効果については認めざるを得ないのではないかということです。□□委員がおっしゃったように、なぜ□□に入れてこれを特保として認めないといけないのかということと同じ議論をこれまでもしてまいりました。

○□□委員 ありがとうございます。

あとは許可表示の文言とキャッチコピー的なワンフレーズの表現方法、さらに、その中間に相当するようなもの、これはいろいろなパターンがこれまでもあったかと思うのですけれども、その取り扱いの部会として、あるいは調査会としての方向性ですね。ここについてもぜひこれまでどういう議論があったのかをお聞かせいただければと思うのですが。

□□委員、いかがですか。

○□□委員 まず、許可表示というものはヒト対象試験で得られた結果、これを適切に表現しているかどうかということが求められる。さらに、そこから今度は抜き出して特定のフレーズにしたときに、消費者にできるだけ誤解を与えないようにというところがポイントになってきたかと思います。

ダブルクレームについては、一連に文章を続けてしまうと、両方、血糖値が高めであり、また体脂肪が気になる方。こういった一人でそれら抱えている方に効くかのような誤認が生ずる。こういうことについても、できるだけ根拠にのっとって表示していただくということだったかと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

そういう意味では、抜き出して表現をするという流れの中にあるのかもしれないのですけれども、今の段階で対象者をそこから削除しているというか、そこに書いていないことをもって適正な消費ということ、あるいは自主的、合理的な選択の機会を与えているかどうかというところで、少し問題がここで指摘されているのではないかと思います。

□□委員、お願いします。

○□□委員 抜き出しをすることによってどうしても表現が断定的になってしまうということで、そちらはできるだけ穏やかにしていただくというようなことはあったかと思います。

○□□委員 なるほど。言い切り型ではなくということですね。ありがとうございます。

本当に難しいですね。販売促進という意味からすれば、より消費者に訴求力のあるものを書いていきたい。そのことが言い切り型になったり、対象者をかなり広げてしまうような、誤認につながるような懸念まで出てくる。そこをどこで落とすかというさじかげんというか、この判断は極めて難しい状況に来ていることを、委員の皆様のお話をお聞きして私自身も少し認識をさせていただきました。

事務局、いかがですか。

○消費者委員会事務局 確認できた経緯を御報告させていただきます。

まず、お手元に概要版がございまして、このイに表示見本がついているかと思います。これは前回の調査部会までにいろいろやりとりをして、直すべきところは直して出てきた表示見本です。これについて、商品名と許可表示文言を2つに分けるようにという指摘が前回出されたわけで、それの回答が今回のこの回答書の内容になるわけです。

今、御議論の対象になっている第2の許可表示というような部分については、今回初めてこの文言になって出てきているということのようです。知らないうちにいつの間にか変わってしまったという経緯のようです。

○□□委員 わかりました。

これで大体どう取り扱うかという方向性は出てきたようにも思うのですけれども、改めて御提案をするとなると、このまま承認をすることにはならないというのが、まず一つの結論かと思います。もちろん指摘事項の2件、改善を図られていますので、よくなっているということかと思うのですけれども、一方で、委員の皆様から複数御指摘をいただいているように、対象者が不鮮明になっている。その原因の一つが、第2の表示のところにこれまであった対象者が明記されていない。さらには、そのかわりに許可文言の短縮版が掲げられていて、ここをそのように改善をした理由が全く不明確である。

したがって、対象者の明確化という意味からすれば、ここを変えたことが改善ではなくて改悪。そんな言葉を使うとよくないのかもしれませんけれども、対象が不明瞭になっていることにつながっているのではないかというような、そういう御指摘を申し上げて、結論としては、そこの部分も含め、それから、この前段に少しありましたように、エネルギーの数字がまだ正確な数字に至っていないこともありましたので、ここまで決着をつけていただいて、次回に改善した内容をもう一度部会で御審議する。これが一つかと思いますが、委員の皆様、いかがでしょうか。よろしいですか。

事務局、お願いします。

○消費者委員会事務局 今、□□委員におっしゃっていただきましたとおり、御指摘を出して再度審議をいただくという方法もございますし、今の趣旨の形で指摘事項を出した上で、趣旨に沿っているかという御確認を部会長預かりという形で御確認いただいてという方法もございます。

○□□委員 今、2つ事務局から御提案をいただきましたが、後のほうというのは、部会長預かりのレベルで部会の決着をつけていただけないかというのが一つの提案で、恐らくこれは部会長預かりとさせていただくには、今までの議論を受けて、まず第2の表示の部分は、前の対象者を明記した表現に変えていただく。これはもうそっくりそのまま変えていただくことが前提になるかと思います。

そして、そこが改善されれば、先ほど幾つか御意見もありましたけれども、パッケージ上のキャッチコピーに相当する部分に既許可品に相当するような対象者は明記されていませんが、例えばパッケージの比較的目立つところに大枠で文字数を少なく対象者を明記する。そこを代替しているというようにお認めをいただけるようであれば、この部分の改善にも資することになりますので、そこを変えていただけることを前提に部会長預かりで認める方向は一つの提案かとは思います。いかがでしょうか。

□□委員、お願いします。

○□□委員 それで結構だと思いますが、こういうところをこう変えたというきちんとした報告がなければいけないはずですね。わからないうちに変えてそれで議論するというのは、ルール的に間違っているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○□□委員 ありがとうございます。

そのとおりだと思います。ですから、先ほど指摘事項に対する正誤表をわかりやすく御提出いただいていますが、それ以外の新旧対照表というか、どこがどう変わっているか。これはこれまでも事業者の中では、変わったところを枠で囲って、そして、明記されていたように記憶しております。ですから、言葉は適切ではないかもしれませんけれども、ここは少し不誠実な感じがいたします。

そういうところは誠実にかつ細かくやっていくことを通じて、事業者サイドにも姿勢そのものの改善もあわせて図っていただくように部会からはあわせて働きかけもやっていき、今後こういった許可を求めての申請に当たってのやりとりについては、それこそ学会の論文におけるコレクションのリストではないですけれども、あのような形で全てを悉皆的に表現していただくことも求めていくように検討させていただきたいと思います。貴重な御意見をありがとうございました。

それでは、もう一度お伺いしたいと思います。2つの方法があって、もう一度この部会の継続審議にするか、あるいは、もうここまで、これは先ほどありましたように、3年以上にわたって調査会で議論をしていただき、部会は2回目という扱いになっておりますので、基本的には改善が図られたものとし、きょうの問題になった対象者、ここの部分を明記することをもって許可をする。そこがしっかり誠実に改善をされておれば部会長預かりとさせていただいて、確認の上、お認めをする方向にしたいと思うのですけれども、その二つに一つということになりますが、部会長預かりでもよろしいですか。

ありがとうございました。

□□委員、そして、□□委員、お願いします。

○□□委員 そもそも本当は指摘事項以外を変えてくるというのは、その表現で認めているので、リバイスのときにほかの部分を変えるのはルール違反と思います。今回は少しは関連しているので、よく我々が見なければいけないところかなと思いました。

もう一つは、表示的なところなのですけれども、「栄養成分表示」のところが「成分分析表」となっているのです。これでいいのかどうかの確認と、平成32年に栄養成分表示が完全義務化で、特保はそれとは別に栄養成分表示をしなければいけないのですが、内容が□□、少量なのですが、この場合は添加していないのでナトリウムでもいいのかもしれないのですけれども、その場合は(食塩相当量)と書いたほうがいいのかなと思ったのですが、特保の場合は別途と考えてよろしいのでしょうか。

あと、カフェインが枠外に記載されているのですけれども、またさらに枠内に入っていると違和感があるので、そのあたりを事務局のほうで確認していただければと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

今、最初におっしゃったのは、「成分分析表」というここのタイトルの部分ですね。「栄養成分表示」ではなくてと。

○□□委員 そうでなくてもいいのかどうかというところです。

○□□委員 それと、ナトリウム。これは食塩換算量の部分。

それから、カフェインが下の枠囲みで出ていると。難消化性デキストリンは中に入っていますものね。その外にカフェインが。

○□□委員 カフェインは外でもいいのですけれども、枠の中にわざわざ入れてあるので気になったということです。

○□□委員 そうですね。別扱いですね。このあたりはいかがでしょうか。

○消費者庁食品表示企画課 こちらで確認し、善処するようにいたします。

○□□委員 わかりました。御指摘を受けて、適正な表示にここも指導するということで取り扱わせていただきたいと思います。ありがとうございました。

□□委員、お願いします。

○□□委員 部会長預かりということなので、もともとは「□□」というものが商品名だったのですが、この商品名そのものを修正しております。「□□」とされていますので、これから先、答申案とかといったところの扱いを、最初の商品名でいくのか、修正後の商品名でいくのかというのは、はっきりさせておいたほうがいいのではないかと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

今の点に関して、これから申請の関連書類、また、許可に関するさまざまな取り扱いのときのタイトルですね。これに関して、お願いします。

○消費者委員会事務局 最終的な了承をされまして、部会長から消費者委員会の委員長への報告書、それから、委員長から内閣総理大臣宛て、消費者庁宛てに出す答申書、そこのところでは修正した、これで了承ということであれば、最後に「□□」がついた形のものを掲げて、書類としてその後発出することになります。

○□□委員 お願いします。

○□□委員 そうしたときに、こういった審議してきた書類の過程の中で、最終的に残る書類としては「□□」になるのですか。「□□」ではなくて、最終の商品名として残されるのでしょうか。

○□□委員 お願いします。

○消費者委員会事務局 私ども委員会の事務局としましては、御審議いただいた資料を残すという意味からも、御検討は、今、お手元にあるオレンジのファイルに書いてある「□□」というもので御審議をいただき、その結果、部会で「□□」として了承したという記録を残させていただきますので、数年後も残るであろうファイルは、このままの状態になるということでございます。

○□□委員 そこの部分は、商品名が変わったことを反映できるところでしっかり反映していくということで承りました。ありがとうございます。

それでは、結論としては、先ほどもろもろ御指摘をいただいた部分を申請者側に指摘事項として発出をしまして、それに対する委員からいただきました指摘事項の背景、これをしっかり踏まえていることをもって部会長預かりとさせていただき、確認をし、了承するというプロセスで進めさせていただきたいと思います。

事務局、よろしいでしょうか。今のような部会長預かりという結論で委員の皆様にお認めをいただきましたので、確認をお願いいたします。

○消費者委員会事務局 この表示の部分について、再度確認させていただきます。

指摘事項の文言につきましては、また事務局のほうで案をつくりまして、部会長と相談して決定させていただきたいと思います。

内容といたしましては、表示見本につきまして、全体の対象者がどこにも書かれていないので、対象者がどんな人なのかということははっきりわかるようにすることという趣旨で、それと絡みますけれども、この裏の先ほど来、第2の許可表示と呼んでいる部分について、これは前回まで申請者から提示されていたものと違う文言にかわっているので、きちんともとの文言に直すことという指摘を出すということで、よろしいでしょうか。

2点目がきちんとされれば、おのずと1点目の対象者がパッケージ全体にないというところも解決されることになってきますので、今、申し上げた2点に沿って表示見本を修正するということでよろしいでしょうか。

○□□委員 今のがメジャーポインツですね。

○□□委員 第2の表示のところをもとの文言に戻すようにと言うと、糖と脂肪とをごっちゃにした文言に戻ってしまうので、そういう言い方ではなく、この許可表示をもとにしてきちんと対象者を明確にした文言にしてくださいという言い方をしないと、またごっちゃのものに戻ってしまう。そこをうまく伝えていただければと思うのです。事業者が、この第2の表示の部分も変えなければいけないと思ったのは適正なのです。許可表示において2つがごっちゃになっていますという指摘を受けて変えなくてはいけないと考えたというのは非常にきちんと誠実にしているのですが、その変え方がよくないですよという指摘をしないといけないのではないでしょうか。

○□□委員 そのとおりではないということですね。

○□□委員 はい。

○消費者委員会事務局 承知いたしました。許可表示文言が2つに、脂肪と糖に分かれているわけですから、ここの対象者を書く際にも、脂肪の方、それから、血糖値の方ときちんと分けて書くようにという御趣旨でよろしいわけですね。

○□□委員 血糖値の方は高めの方という表現でいけるはずですので。

○□□委員 この場合はたしか文献に基づく限り、対象者は血糖値が高めの方だけではないですね。だから、そのように理解しましたので、気になる方でもこの商品の場合にはいいのかなと私は思ったのです。なので、そこも整理していただいたほうがいいかなと思うのですが。

○□□委員 これはこれまでの議論に基づいてということになろうかと思います。

○消費者委員会事務局 きょうのここでの御議論、それから、大もととなります許可表示文言から正確に抜き出した、あるいは正しく簡略化したといいますか、そういった形で対象者を書くことということでよろしいでしょうか。

○□□委員 書くあるいは第2の表示自体をもうやめてしまうでもいいということですね。

○□□委員 まず、確認させていただきたいのは、対象者を明記するということですね。そして、ダブルクレームではないので、2つの独立したヒト試験によってそのエビデンスを得ているということに基づいて、気になる方が両方同一人物で、気になって同時に解決に資するというような誤認を招かないように、それぞれに対象ということなので、基本的にはアンド・オアみたいな受け取り方になるのかもしれませんけれども、2つ対象者も分けて、並列をするという形です。

「気になる」と「高い」というここの部分は、これまでも主観的な話と客観的な話、これについては議論があったところですので、血糖値の場合は高い低い、これは血糖値を数字で認識できるからという議論があったかと思いますけれども、そういう点に即して、血糖値側の表現については適正な表示を図っていただく。これらを確認した上で認めるという方向で考えていきたいと思います。ありがとうございます。

あとは、マイナーポインツが2つあって、エネルギーの話と栄養成分表示の先ほどの□□委員から御指摘いただいた内容、この2つもさらに改善を図り、不備がないように確認をする内容かと思います。それでよろしいでしょうか。

ありがとうございました。

それでは、この内容については事務局としっかり確認をして、ミル総本社のほうに指摘をさせていただきたいと思います。いろいろ御意見を賜りまして、ありがとうございました。


【報告書及び答申書】

○□□委員 事務局、この件はこれでよろしいですか。

○消費者委員会事務局 報告書案の御確認をさせていただければと思います。

○□□委員 お願いします。

○消費者委員会事務局 お手元の資料3、4を御覧いただければと思います。先ほどもお話がありましたが、部会長から委員長宛ての報告書が資料3、資料4が委員長から総理宛ての答申書案になってございます。

報告書でございますが、以下の品目について審議し、別記のとおり、議決したので報告しますと。今、製品名が「□□」となってございますが、先ほども御説明させていただきましたとおり、正式な文書としては「□□」という形に修正をさせていただきます。

次ページ、審議経過、2、審議結果にもございまして、1ポツの諮問されたというほうは諮問の状態でございますので「□□」となりますが、審議結果としては黒丸のところ、「□□」が「□□」に修正をされる形になります。

3ページ目、別添えでございますが、製品名が最終的には今と同じように「□□」という形で修正をさせていただきまして、特定の保健の目的が期待できる旨の表示内容、いわゆる許可表示文言でございますけれども、こちらは申請者の回答書の案の形で、読み上げさせていただきますと「□□」という形に修正をさせていただきます。

その上で資料4でございますけれども、こちらのほうも今、読み上げさせていただきました趣旨に合わせて修正をさせていただきます。

前提としまして、先ほども御確認させていただきましたとおり、いわゆるキャッチコピーのところに関する指摘事項を出させていただきます。それとは別に確認を2点ほどさせていただいて、いずれも特に問題がなければということが前提となると御理解いただければと存じます。

○□□委員 ありがとうございました。

もう前提として部会長預かりということなので、そこが確認をされて、今、事務局からありましたように、報告書案及び答申書案というものを作成し、それぞれ報告をしていくことになります。許可文言、それから、商品名に関してはもう既に部会でお認めをいただいておりますので、今、事務局から読み上げさせていただいた内容でよろしゅうございますでしょうか。

ありがとうございました。部会長預かりの案件ということで慎重に確認をし、次の手続に持っていきたいと思います。今し方議決した内容につきましては、新開発食品調査部会設置・運営規程第7条に基づき、消費者委員会委員長の同意を得て、委員会の議決となります。その上で、委員長名で内閣総理大臣へ答申を行いますという扱いでございます。どうもありがとうございました。


≪3.その他≫

○受田部会長 それでは、次にまいります。前回の部会におきまして、今村委員よりクロスオーバー試験に関して御発言がございましたが、今回、お手元の資料5のとおり、今村委員より資料を御提出いただいております。今村委員から、この資料に基づいて御説明を賜りたいと思います。

今村委員、よろしくお願いします。

○今村委員 ありがとうございます。お時間をいただきましたことを心から感謝いたします。

前回の会議の際にクロスオーバー試験の問題点が議題に上がりまして、私は口頭で説明させていただいたのですけれども、これは一度紙で見ていただいたほうがよいのではないかと。よく御存じの方にとっては当たり前のことなのですけれども、非常によくこの間違いが起こるのです。クロスオーバー試験は我々疫学をしている人間からすると若干問題があるやり方で、実験の失敗がものすごく多いものなのです。ですから、有意差がある、ないという話以前に、これは実験が成功していますかということを確認しなければいけないものなので、その辺のところを少し御説明できればと思います。

普通のダブルブラインドのRCTと言われているものと、クロスオーバーも基本的にはダブルブラインドでやるのですけれども、根本的に違う部分があるので、この2つを対比する形で表現させてもらいます。

まず、ダブルブラインドのほうから先に説明しますと、これは被験者やお医者さんとか、そういった方の先入観をなくすために、Aという薬とプラセボ、生理食塩水のようなものとをわからないようにして患者さんに投与する。そして、その結果として効果があったかなかったかということを見るためのもので、レベル的には非常に高い調査法とされていまして、介入調査と言われているものでして、これにまさるものはないと。

ただ、これはものすごくお金も手間もかかるので、これをもう少し楽にできないかというのがこのクロスオーバー試験というものでして、これは交差試験、交互試験というもので、特徴としては、全ての対象者が介入群と対照群になるというものです。利点としては、対象者数が少なくて済む。そして、同一対象者で介入群と対照群を比較できるので、統計精度が上がるのです。全対象者が介入群になるので倫理的な問題も発生しないということで、いいことずくめのように見えるのですが、これには非常に大きな問題が幾つかあります。持ち越し効果ということで、1回目に効果があったものが次に対照群になるまでの間によほど間をあけないと、持ち越し効果があることが結構ある。そして、その結果として観察期間が長くなるので、観察期間が長くなることで脱落という問題がものすごく大きくなってきまして、脱落する人が出てきたときに、その解析が難しくなるという問題であります。

同じ被験者が介入群と対照群になりますので、脱落した群が一定の方向がありますと、その脱落によって有意差が発生したりするのです。図表を5ページに書いていますけれども、普通のダブルブラインドは200人おられて、この200人を介入群と非介入群、対照群に分けて、これで終わりなのです。ここで割りつけがランダムに行われているので、同じ時期に同じ季節に同じタイミングで行いますから、差があるかないかという一発勝負です。両方とも脱落は交互作用がないのです。それに対して、クロスオーバーは、割りつけ100人はダブルブラインドでやりますし、やられている方もどちらが対照群かわからないのですけれども、最初に介入群だった人は、時間があいてから対照群になって、対照群だった人は時間があいてから介入群になる。こんな状況であります。すると、抜けると対照群からも介入群からも両方とも一遍に同じタイプの人が抜けることになりますので、一定の傾向のある人がここから脱落するということなのです。

次のページに脱落の問題点を書いていますけれども、例えば介入群の最初の群で調子が悪くなったとかという人は、対照群からも消えるのです。例えばこの人がちょっと体が弱めの人だったとしたら、最初に抜けてしまいますので、それは想定していない対象の脱落の理由が、当日おなかを壊していたとかという理由で本来想定していないものだったら、脱落の理由としては副作用に出ないと思うのです。そういったことがあったり、これをきっかけに本当に調子が悪くなって死んでしまったりしたら、当然対照群からも消えてしまうということがあって、非常に両方から消えてしまうことの弊害があります。

そして、7ページにありますように、脱落群というと、副作用でやめた人がいて、効果がない人がいて、もともと検査値がよくない、ぎりぎりのところの人たちが落ちるとかということがありますと、本来差がなかったはずなのに、こういう人たちが抜けるということで差が生まれることが結構出ます。

次のページを見ていただいて、実際の脱落のサンプル例として仮想の数字をつくってみたのですけれども、このデザインとして、期間1と期間2があります。期間1は対照群と介入群がそれぞれ半々あって、期間2はそれがひっくり返って対照群と介入群が生まれる形になります。この結果だけを見ますと、AからGまでの簡単な図で書いていますけれども、対照群と介入群で平均値を出しますと、期間1の対照群はDからGで、期間2の対照群がAからCですね。介入群はその逆というので、平均しますと119と114ということで、平均値に差があるという結果が出ます。

これに、例えば脱落した人が3名いたとして、それを下の図に書いているのですけれども、H、I、Jという方が脱落したと。これは逆の結果が生まれてくるような数字がまざっていたという方ですね。特に体の弱い人とか、ルールを守らない方とか、もともと数値の悪い方は、この傾向があって脱落しやすいのですけれども、そういう人を含めると、実は平均値が同じになりますということが結構発生します。

これは効果がなかったとも見えるのですけれども、これはまず調査の失敗ということがありまして、効果がなかったかどうかということよりもこの研究フレームがうまくいかなかったということなのですね。うまくいかなかったと考えるか、効果がなかったと考えるかなので、いずれにしろ、効果があったということに対しては非常にアンチテーゼな結果になるのです。ですから、本来差がないところに脱落群だけで差が生まれるようなことが、このクロスオーバー試験ではよく発生するのですね。特に外れ値の方が抜けたりして、非常に都合のいいデータになりがちで、有意差が出しやすいといえば出しやすいのですけれども、脱落群の操作で幾らでも有意差が出せるという問題点もあって、そこが非常に問題であると。

10ページ、もう一遍おさらいをさせていただきますと、同じような調査をAからGまでの方と脱落群AからJまでの平均値を縦に並べて平均をとってみますと、本来平均の差がなかったものが3つ外れることで平均に差が出てしまうということが発生します。

11ページ、前回に出てきた資料の略図をお出ししているのですけれども、□□という状況なのだと思うのです。

ですから、クロスオーバー試験そのものはものすごく調査として難しい調査で、まず成功しているかどうかというところが観点としては非常に重要でして、論文を査読する方々も脱落のところを細かく見てくれる査読者は実は余りいない。世の中に出ているクロスオーバー試験の論文は、実ははたから見たら明らかに失敗しているようなものでも通っているということがありまして、この審議会、調査部会で検討する際には、失敗しているか成功しているかということは念頭に置いていただいたやったほうがいいのではないかと思います。よく御存じの方だったら当たり前のことだと思うのですけれども、前回口頭だけで言うには複雑な話だなと思いましたので、実例をお出しして説明させていただきました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

前回、御意見をいただいた内容を、具体的にプレゼン資料としてわかりやすくおまとめをいただきました。ただいまの今村委員からの御説明に対して、委員の皆様から何か御質問やコメントはございますか。よろしいでしょうか。

きょう、こうやって部会で情報を御提供いただきましたので、これは調査会等でもぜひ座長から御説明いただいたり、この情報に関して共有をしていただければ、またここの部会での議論、あるいは今の今村委員からの情報提供がさらに多くのところに情報として共有をされていくのではないかと期待申し上げるところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。

今村委員もありがとうございました。

○今村委員 よく御存じの方は当たり前のことなのですが。

○受田部会長 ありがとうございます。


○受田部会長 それでは、この件に関してはこれまでにさせていただいて、次の議題に入ります。当委員会より以前発出した答申に関して、事務局から御説明をお願いいたします。

○坂田参事官 それでは、資料6を御覧いただければと思います。

平成29年12月26日付で当委員会より答申を発出いたしました、日本コカ・コーラ株式会社の「綾鷹 特選茶」につきまして、部会における審議の結果、内容的には特段問題なしと御了承いただいたところではございますけれども、その結果をお示しする答申書の許可表示文言が、審議の結果と異なる文言となってしまっていることがこのたび判明いたしました。

本来は、答申書の内容が、2ポツにある表示Bとされるべきところを、事務局における不手際によりまして、表示Aとされてしまいました。事務局としましては、裏面の4ポツにございますとおり、当部会において表示Bで御議論いただき了承されたという事実を踏まえまして、答申書の内容を表示Bと訂正させていただくことにつきまして、御了承をお願いできればと思っております。御了承いただけた場合には、委員会の本会議にもその旨御報告の上、消費者委員会の本会議及び新開発食品調査部会の議事録公開時期に合わせまして、その旨を把握し得るようにホームページ上に掲載される当該会議の議事録を引用することで、今般の経緯が確認できるようにしたいと考えております。

このたびは事務局の不手際によりまして、部会長を初めとする委員の皆様に多大なる御迷惑をおかけしましたこと、この場をおかりしておわび申し上げます。今後はこのようなことが二度と起きないよう、文書の確認体制を複数人にするなど、再発防止に努めてまいる所存でございます。

以上でございます。まことに申しわけございませんでした。

○受田部会長 それでは、事務局よりただいま御説明のありました件について、何か御質問があればお受けをいたします。当部会として御了承する方向で取り扱わせていただいて構いませんでしょうか。

今村委員、お願いします。

○今村委員 了承するしかないとは思うのですけれども、これは役所の手続としてはあってはならないことだと思いますので、厳に今後こういうことがないようにしてもらいたいのと、これはどこで誰が間違ったのかは、もう少し踏み込んで説明してもらいたいところです。これは結局、ここで議論した内容が飛んでしまったわけですね。ですから、手続のミスだというのはわかるのですけれども、本来そこが変わったことを審議して伝えるところでミスが起きているわけですから、その根本的な失敗が起こったのはどこなのかというのは、もう少し詳しく説明をしてほしいところです。それは再発の本当にこうすれば防げるのではないですかということをちゃんと明確にしてほしいところであります。

○受田部会長 コメント、ありがとうございました。

事務局よりお願いできますか。

○消費者委員会事務局 資料の3ポツに経緯も示してございますとおり、審議の後、答申で変えるべきところが完全に私どもの不手際で修正ができていなかったというところでございます。内部的ではございますが、この部会の扱う案件の性質上、余り多くの者を関与させるのが難しいという実情がございまして、見る目を増やすしか確認漏れがないというところを防ぐ手段としては思い当たらないものですから、今までよりも確認の目を増やして、今後こういうことがないようにしたいと考えております。

○今村委員 自分も役所におりましたので、普通、決裁に回しますね。そうしたら、印鑑を押している人は、ライン上の人が全員見ているので、目を増やすことの意味が明確ではないと思うのです。結局ラインの人しか事情は知らないわけで、その人たちは多分見ているわけですね。それで、よく見ていなかったということだと思うのですけれども、その人たちが注意をして見るということと理解していいですか。

○受田部会長 事務局、お願いします。

○消費者委員会事務局 注意をして見るというところで、注意をして見たというところをいかに確実にやれるかというところ、手段は、今後確実にできるように体制を整えさせていただいて、今後このようなことがないようにしたいと思っております。

○受田部会長 大野委員、お願いします。

○大野委員 今のお話を伺って、きょう説明を伺って変だなと思っていたところがあるのですね。この資料4の許可表示の内容が、最初の申請のときの内容になっていますね。これが今までの議論を踏まえて変更されていないですね。こういう書き方をして答申書の案として出すから、そういう間違いが起きるのではないかと思うのですね。その時々の段階で修正したものをここに載せるようにしたほうがよろしいのではないかと思います。それを議論した上で、また必要に応じて変えるという習慣をつけないと、答申書の案が出てこれが認められたということになると、そのまま修正しないまま流れていってしまう可能性もあるのではないかと思ったところです。

○受田部会長 ありがとうございます。

事務局、お願いします。

○消費者委員会事務局 事務局の整理としましては、例えば今回でございましたら、許可表示文言に関する申請者からの回答というのは、案の状態でございます。特段それについて議論をいただいて、資料をつくる段階ではまだ部会として御了承いただいていないものでございますので、この部会の場にお示ししている資料としては、もとの案という形の整理をさせていただいております。

例えば事前に部会で御議論をいただいて了承を得ていれば、それを書き込んだ形で次の部会にお示しすることも例としてはございますけれども、整理としてはこの形にさせていただいております。

○大野委員 ただ、この資料4に示された表示内容は、前の会議で否定されたものですね。否定されたものがそのまま載っているのはおかしいということなのです。そこが間違える原因なのではないかと。

○受田部会長 ありがとうございます。

御指摘いただいた趣旨のとおりで、先ほども部会長預かりになったということを受けて、その次のステップに関してもこの部会でお認めいただくというところが含まれていきます。案としてのこういう内容がそこに盛り込まれてしまって、大野委員の御指摘のとおり、それが前段階の文言であるケースが本当の案として出てしまっているというのが、このような問題が発生する原因であるとすれば、それに対する改善、これは先ほどの再発防止の一環としてぜひ考えなければいけない内容かと思います。

したがって、今の御意見に関しても、私も部会として、部会長として、最終的なこの答申に関する責任がございますので、また一緒に事務局と検討し、再発を防止するように努めてまいりたいと思います。貴重な御意見、ありがとうございました。

ほか、よろしいでしょうか。

消費者庁、お願いします。

○消費者庁食品表示企画課 申しわけありません。先ほど消費者委員会事務局から資料6の御説明がありましたが、この件は3ポツの「これまでの経緯」に書いているとおり、本来、表示Bで諮問すべきものを表示Aで諮問してしまったということが実は起点になっております。その意味で、消費者委員会事務局からいろいろご説明がありましたが、消費者庁もきちんと気をつけて対応すればよかった案件ですので、我々も今後気をつけさせていただきますので、おわびをさせていただきます。

○受田部会長 ありがとうございました。

この件に関して、よろしいでしょうか。

それでは、当部会としては、事務局からの申し出について、了承することとしたいと存じます。答申の訂正でございますことから、個別品目の審議結果と同様の手続をとることとしたいと思います。

なお、会議冒頭、本部会は非公開である旨を申し上げたところでございますが、この議題につきましては、当部会としても説明責任を果たす必要があることから、新開発食品調査部会設置・運営規程第6条第2項における、当事者もしくは第三者の権利もしくは利益または公共の利益を害するおそれがある場合には当たらないものと考えられるため、この議題についての資料6と議事録を公開の扱いとさせていただきたいと存じます。

事務局におきましては、今後このようなことが再び起こらないよう、改めて御注意のほどよろしくお願いを申し上げます。


≪4.閉会≫

○受田部会長 それでは、本日の議事は以上となります。事務局から事務連絡をお願いいたします。

○坂田参事官 本日も長時間にわたり御審議をいただきまして、ありがとうございました。

今後の日程でございますけれども、既に御連絡させていただいておりますとおり、12月4日、火曜日、14時30分からを予定しております。よろしくお願いいたします。

以上でございます。

○受田部会長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)