第58回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2019年8月9日(金)12:59~15:40

場所

消費者委員会会議室

出席者

【専門委員】
古城座長、井手座長代理、小浦委員、古賀委員、陶山委員、松村委員
【消費者委員会担当委員】
長田委員
【説明者】
国土交通省鉄道局鉄道サービス政策室 上手室長
国土交通省鉄道局鉄道事業課JR担当室 澤田室長
国土交通省鉄道局鉄道事業課旅客輸送業務監理室 棚橋室長
【消費者庁】
高島審議官、大森参事官
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、金子参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 消費税率引上げに伴う公共交通運賃の改定案について
     鉄道運賃の改定案(北海道旅客鉄道株式会社を除く)について
  3. 北海道旅客鉄道株式会社の運賃の改定案について
  4. 消費税率引上げに伴うバス運賃・タクシー運賃の改定案に関する意見の取りまとめについて
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○金子参事官 それでは、そろそろ時間でございますので、本日の会議を始めたいと思います。

本日は、皆様お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第58回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用により、蟹瀬委員、白山委員、山内委員が御欠席との連絡をいただいております。

まず、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第の下に配付資料一覧を記載してございます。もし、お手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。

なお、本日の会議につきましては、公開で行います。議事録についても、後日、公開することといたしております。

それでは、古城座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.消費税率引上げに伴う公共交通運賃の改定案について≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

本日の議題は「消費税率の引上げに伴う公共交通運賃の改定案について」と「北海道旅客鉄道株式会社の運賃の改定案について」、それから「消費税率引上げに伴うバス運賃・タクシー運賃の改定案に関する意見の取りまとめについて」です。

本日は、消費者庁から、高島審議官、大森調査・物価等担当参事官、国土交通省から、鉄道局の上手鉄道サービス政策室長、澤田JR担当室長、棚橋旅客輸送業務監理室長にお越しいただいています。

それでは、まず、事務局から御説明をお願いいたします。

○金子参事官 当専門調査会における当面の検討課題につきましては、前回調査会に引き続きまして、本年10月1日から予定されている消費税率の引上げに伴います鉄道料金の改定について御審議いただく必要がございます。

また、北海道旅客鉄道株式会社より、消費税率の引上げに伴う税負担の転嫁と併せて、税負担以外の費用の変化等による鉄道運賃の上限変更認可申請がなされておりまして、この点についても御審議いただく必要がございます。

ですので、本日は、初めにJR北海道以外の鉄道運賃の改定案について、続いて、JR北海道の運賃の改定案について、それぞれ国土交通省からの御説明及び御議論を行っていただきたいと思っております。

最後に、前回御審議いただきました消費税率引上げに伴うバス運賃・タクシー運賃の改定案につきまして、委員の皆様から御指摘がございました国土交通省への質問事項に対する回答について、まず御報告した上で、前回の御審議を踏まえまして意見の取りまとめ等を行ってまいりたいと思っております。

以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。

では、まず、消費税率の引上げに伴う鉄道運賃の改定案について、国土交通省から御説明をよろしくお願いします。

○上手鉄道サービス政策室長 鉄道局鉄道サービス政策室長の上手でございます。

それでは、御説明させていただきたいと思います。

まず、今回の消費税率引上げに伴います鉄道運賃の改定の中身の説明に入らせていただきます前に、現行の鉄道運賃を取り巻く状況について御説明させていただければと思います。

資料3の4ページをお開きください。こちらは、鉄道運賃と鉄道事業に関係の深い物価等の推移を比較したグラフになります。電力料金、それから建設工事費につきましては、過去10年間、上昇傾向にありまして、鉄道事業にとってはコスト上昇の要因となるものでございますけれども、運賃につきましては、JR、民鉄ともにほぼ変わりない状況になっているところでございます。

次のページを御覧いただければと思います。こちらは、設備投資についてお示ししたものになりますけれども、JR、大手民鉄は、過去5年間で減価償却費の累計額を上回る設備投資を行っております。安全や輸送改善等に必要なコストを負担して、利用者利便の向上を図っているということを表しているかと思います。

次の6ページから7ページを御覧いただければと思います。この6ページから7ページにつきましては、今、御説明しました設備投資の例を挙げさせていただいてございます。

6ページでは、近年、駅のバリアフリー化の推進について社会的要請も非常に高まっている中、鉄道事業者は多額の整備費を要するエレベーターとかホームドアの整備を進めておりまして、そうした投資を行っているという例になります。

また、7ページは輸送サービスの改善の例でありますけれども、こちらは東海道新幹線の例になりますが、東海道新幹線では10年以内のスパンで新型の車両を投入しておりまして、車両の高速化、乗り心地の改善を図るとともに、運転本数の増便やチケットレス予約サービス等の新たなサービスを導入しまして、そのための投資を行って利用者利便の向上を図っております。

最後の8ページを御覧いただければと思いますけれども、これは今後の鉄道事業を取り巻く経営環境を一つの指標で表しているものでございますけれども、全国的に人口が減少する中で、それはすなわち鉄道の沿線利用者の減少が見込まれておりまして、経営環境としては非常に厳しい状況にだんだんなっていくといったものを示したものになります。

今、御説明しましたような状況を踏まえまして、私どもといたしましては、現行の鉄道運賃について、適正性を欠くような状況にはなっていないと考えているところでございます。

今の状況の御説明を踏まえまして、今回の消費税率引上げに伴います鉄道運賃の改定の内容についての説明に移らせていただければと思います。

資料1にお移りいただければと思います。資料1の1ページ、2ページについては、前回の御審議等でも既に説明があったかと思いますので、説明は省略させていただければと思います。

3ページにお移りいただきまして、これが1ページ、2ページの政府の方針、それから国土交通省の考え方を踏まえた、今回の消費税率引上げに伴う鉄道運賃改定の処理方針でございます。

基本方針といたしましては、108分の110以内の増収を前提とする。それから、より正確な転嫁を可能とする運賃。すなわち、ICカードにおいて1円単位運賃を導入する場合は、それを認める。3点目としては、利用者から見た運賃等の分かりやすさにも配慮する。こうした方針としてございます。

それから、Ⅱの改定方法についてでございますけれども、前回の消費税率引上げのときの考え方、すなわち少額の運賃区間について適正に転嫁できるように、税抜きの基準額に消費税率を乗じて算定するという考え方を踏襲いたしまして、税抜きの基準額に100分の110を乗じて算定するものでございます。

それから、10円単位運賃の端数処理につきましては、原則として四捨五入によりますけれども、ICカードの1円単位運賃導入事業者が切符、現金運賃のほうに設定している10円単位運賃につきましては、利用者の分かりやすさを踏まえまして、ICカードの1円単位運賃のほうが低くなるようにするために、切符のほうの10円単位運賃については切上げとすることも可とする。これも前回と同様でございます。

それから、定期運賃・料金については、現行の運賃・料金額に108分の110を乗じまして、端数を四捨五入して10円単位とした額とする。

以上の算定処理によりまして、全体の増収率に過不足が見込まれる場合には、端数処理の調整とか、10円単位での減額等によりまして、全体として108分の110以内、すなわち1.852%以内の増収となるように調整を行うとしたものでございます。

次に、4ページをお開きいただければと思います。今、申し上げました端数処理の具体例をお示ししております。

ICカードの1円単位運賃導入事業者におけます端数処理の例、真ん中の表になります。現行でICカード185円、切符190円の運賃については、税抜きの基準額は172円。こちらに100分の110を掛けまして189円となると。このため、ICカードについては、そのまま189円、切符、現金運賃のほうは切り上げて190円とする処理になります。

右側が現行のICカード運賃278円、切符が280円の運賃についての例になります。こちらについては、税抜きの基準額が258円となりますところ、100分の110を掛けまして283円となります。ICカードについては、そのまま283円、切符については切上げ処理をしまして290円といった端数処理をお示ししているものになります。

次の5ページ、6ページの内容につきましては、ICカードの1円単位運賃に関する利用者への案内について、東京メトロとJR東日本の例をお示ししているものになります。券売機周辺の運賃表やホームページ等におきまして、切符、現金の運賃とICカード運賃を比較する形で示しているものになります。特にJR東日本につきましては、一部の区間においてIC運賃が切符、現金の運賃よりも高くなる場合がございます。それについても利用者に分かるようにしているという例になります。

それから、7ページにお移りいただければと思います。今回の運賃改定申請の概要についてまとめたものになります。JR5社、大手民鉄15社。そして、公営地下鉄については、ここに記載の5大都市の公営地下鉄、東京メトロ、Osaka Metroが対象になりますけれども、いずれの事業者におきましても、増収率は108分の110以内、すなわち1.852%以内となってございます。

それから、改定の日としては、10月1日実施予定となってございます。

それから、ICカードの1円単位運賃につきましては、今回は新規に導入する事業者はございません。

運賃改定の個別の具体の詳細につきましては、資料2に記載のとおりとなってございます。

次に、前回、平成26年4月の8%の消費税改定時に留意事項として3点の御意見を頂戴していたところでございますので、それぞれについて御説明させていただきたいと思います。資料3にお移りいただければと思います。

1ページ目をお開きください。こちらにつきましては、3点の留意事項のうちの1点目、現金運賃と定期運賃等他の券種の料金バランスについてということになります。

前回の改定時には、ICカードに1円単位運賃というものが初めて導入されました。その際、1円単位運賃の導入事業者が、ICカード運賃の方が切符運賃、現金運賃、10円単位運賃よりも低くなるように、切符・現金運賃の方を切上げ処理をしましたけれども、その影響で現金運賃、切符運賃と定期運賃の改定率の差が大きくなるという状況が生じておりました。

今回につきましては、真ん中の表に示しておりますとおり、現金運賃において、少額運賃区間等で端数処理の関係で据え置きとなるケースがございますので、結果として現金運賃と定期運賃の改定率の差がなくなる方向に大きく改善している状況になってございます。

それから、2ページにお移りいただければと思います。こちらにつきましては、留意事項の2点目といたしまして、現金運賃回数券の消費税転嫁による料金引上げ幅。これは、回数券1枚当たりで10円単位の引上げとならないような仕組みの導入について、留意事項としていただいていたところでございます。

今回、ICカードの1円単位運賃を導入している全ての事業者につきまして、この表に記載のとおり、1円単位運賃額による回数券を販売するか、利用状況に応じてポイントを付与することによりまして、利用者にとって1円単位運賃額による回数券と同等の負担となるようにする等の対応の検討を行っているところでございます。各社それぞれの具体の対応につきましては、引き続き各社において検討を進めることになっておりますけれども、方針としては、いずれの事業者においてもそのような対応をするということでございます。

このうち、表の右上の部分、ちょっと分かりにくいかと思いますので、補足説明させていただきますと、自動券売機で発券した磁気引換回数券を利用の際、ICカードへ載せ替えると記載しております。これはどういうことかと申しますと、自動改札機を通れる磁気回数券をそのまま販売するということではなくて、引換回数券という形で販売いたしまして、実際に利用する際に、自動券売機においてICカードに引換回数券から利用する分を載せ替えて移す形で改札を通るといった仕組みです。これは、各事業者がいろいろシステムを検討した結果、そういうシステムを検討している会社があるということでございます。

3ページにお移りいただければと思います。こちらにつきましては、留意事項の3点目としていただいておりました、ICカード運賃が現金運賃、切符運賃よりも高くなる場合の端数処理のあり方についてでございます。ICカード運賃、1円単位運賃が現金、切符運賃よりも高くなる状況というのは、ICカードの1円単位運賃を導入していて、かつ、幹線、地方交通線におけるJR本州3社、JR東日本、JR東海、JR西日本、3社共通の運賃タリフを用いている場合に発生いたします。これが発生するのは、JR東日本についてのみ発生し得るものでございます。

どうしてそういったものが生じるかといいますと、利用者利便の観点から、10円単位運賃の本州3社共通の運賃を使っておりますので、その部分について切上げ処理ができない区間が生じます。その際に、結果として一部区間でICカードの1円単位運賃のほうが高くなってしまうというのが一部生じるものでございます。

今回の改定におきましても、JR東日本においては、ICカードの1円単位運賃のほうが現金運賃よりも高くなるケースが生じ得るという状況は変わっておりませんけれども、今回の改定においては、税率計算の結果として切上げ処理される共通運賃区間がございますので、ICカード運賃が現金運賃よりも高くなる区間というのは、幹線の大人運賃で23区間から5区間、それから、地方交通線運賃の21区間から6区間に、それぞれ大きく減少しておりまして、改善するものでございます。

繰り返しになりますけれども、こういった状況が生じるのは、10円単位運賃のほうで四捨五入処理をするのに対して、ICカード運賃の1円単位については、そのままの数字が出ますので、その差によって、四捨五入で切上げにならないような状況のときに逆転する区間がごく一部に生ずるというものでございます。

いずれにいたしましても、JR東日本におきましては、最初の資料1の6ページで御説明いたしましたように、そういった一部区間については、利用者に対して丁寧に案内していくということで対応することとしているところでございます。

消費税率引上げに伴います鉄道運賃の改定についての御説明は、以上となります。

○古城座長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの国土交通省からの御説明について、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。名札を立てていただきます。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 御説明、どうもありがとうございました。

資料1の3ページ、今日御説明いただいた改定方法で、普通運賃の10円単位運賃の端数処理についてですが、これはここに書いてあるように、原則としては四捨五入。そして、IC運賃導入事業者が引き続き設定する10円単位運賃については、切上げとすることも可ということで理解してよろしいですね。

○上手鉄道サービス政策室長 そうです。

○陶山委員 そのときに、その次のページで、ICカードと現金の比較の2種類書いてあるのですが、その場合、最初の現行185円のものが、10月1日以降は、ICカードでは189円、現金のほうは189円だけれども、これは四捨五入した結果、190円になるということでしょうか。それでよろしいですか。切上げとおっしゃったのですが。

○上手鉄道サービス政策室長 今の点については、ICカードの1円単位運賃を導入しているところは切上げ処理をしているということになります。結果として四捨五入と一緒になりますけれども、ここでお示ししているのは切上げ処理になります。ですので、この表の右側を御覧いただきますと、同じ事業者が現行の運賃、ICカード278円、現金280円のときにその処理をしたらどうなるかというものでございますけれども、基準額258円に税率を掛けますと283円になります。ICカードについてはそのままですけれども、現金のほうを四捨五入いたしますと280円になってしまうのですが、これは切上げで290円。いずれにしても、現金のほうの10円単位運賃については切上げ処理をすることになります。

○陶山委員 原則に沿って考えた場合には、最初のほうは189円で、これは四捨五入すればIC料金より高くなるので、そのまま切上げというか、この料金のまま行くけれども、税抜き基準の258円の場合には、四捨五入したら逆転するので、ここは切り上げた。この原則に沿っていますよという理解でよろしいでしょうか。

○上手鉄道サービス政策室長 そういうことでございます。

○陶山委員 ありがとうございます。

○古城座長 あと、いかがでしょうか。

井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 直接関係ないのですけれども、私は定期を持っていないのでICカードでやるのですけれども、5000円入れたり、1万円入れたり、チャージするときは基本的には前払いですね。それに対して、前払いしたお金は、例えばSuicaでチャージしたときはどこに収入が入るのでしょうか。地方で私鉄を使ったりするので、チャージしたお金はJRに入るのであれば、ICカードに例えば10%ぐらいプレミアムをつけてやるという方法もあると思うのですけれども、最初に収入が入っているのであれば、ICカードを使っている人は前払いで先にお金を払っているという理解だと、実質的に何らかの還元がないといけないのではないかと思うのですけれども、それはおかしいですか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 申し訳ありません。チャージをしていただいて、それは前受金額ということになりますので、例えばSuicaならSuicaで、JR東日本が発行しているカードなのですけれども、それはそのときにJR東日本の収入に上がるわけではなくて、実際に利用したときに、それがチャージの金額から落とされるのであれば、そのときに使っていますよとなりますので。

○井手座長代理 よく地方とかのバスでICカードをしたときに10%か何かのプレミアムをつけて、1000円入れたら1100円という場合もありますね。それは、そこの地方の鉄道とかバス会社に収入が全部入っているということでよろしいのですね。そこしか使えないICカードであれば。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 使えるカードが、例えばある特定のバス会社だったりすれば、バス会社の話なのであれですが、そこのところでの収入ということにはなると思います。ただ、プレミアム、結局、割引に当たるかと思いますけれども、それをやるかどうかについては、私ども、鉄道でございますが、鉄道事業者の判断としてやるかどうかということになるのかなと考えてございます。

○上手鉄道サービス政策室長 これは鉄道事業者によりますけれども、最近のサービスとして、今、ICカードだけじゃなくて、スマホのほうにICカードを乗せられるようなアプリも出ておりますけれども、そこにチャージするときにポイントをつけたり、そういう試みも始まっていますので、御指摘にあったような、あらかじめチャージすることについて、何か利用者に還元というのは、今、事業者も工夫しだしているところかと思います。

○古城座長 他にいかがでしょうか。

松村委員、どうぞ。

○松村委員 まず、回数券のことを検討していただいて、感謝します。前回、余計なことを言ったのは私だったと思います。ICカードなら1円単位も簡単に扱えるけれども、現金では1円単位を扱うことをしたくないというのはもっとも。しかし回数券だからICカード価格を10倍にしてもそういう問題はないのに、当たり前のように配慮無しに現金価格の10倍で処理されても困る。少し考えてください。すぐには当然できないだろうから、次の時までには考えてください、とお願いしたつもりでした。実際、考えていただいた。それぞれの事業者が一番効率的なやり方というか、コストが比較的かからないやり方を工夫しているという説明には納得しました。

ただ、こんなややこしいやり方をしないと、本当に対応できないほどICカードは低性能なのか。普通の回数券をICカードに格納するなんて、どうしてこんな面倒くさいことをしないとだめなのか、いま一つ分かっていないのですが、事業者が、それが一番コストエフェクティブであるというのであれば受け入れます。でもどうしてなのかは、まだ少し疑問に思っている。

それから、これはここで言うことじゃないというのも十分分かっていますが、前の時に、ICカードであれば、何時に乗ったということを把握することができるわけで、それに応じた柔軟な料金体系は本来とれるはず。だから、ある種の混雑料金のようなものが、時差回数券のような僅かな差ではなく、もっと本格的なことだって本当はできるはずなのです。いろいろな事情でできないというのは分かるのですが、どうして検討が進まないのだろうというのは、不思議に思っているし、とても残念に思っている。せっかくこんないいものができているにもかかわらず、フルに使ってサービスのクオリティーを上げることが本当に検討できないのだろうかということは疑問に思っています。ただ、消費税の改定に伴う料金改定という文脈で言うことではないと思うので、もうこれでやめます。

それから、私には、ちょっと許しがたいというか、認めがたいものがある。運賃改定の資料3のスライド4。電気代とかに比べて、こんなに厳しい環境なのに頑張っています。JRの事業者がこういうとすれば、それを国土交通省は止めなければいけないのではないかと私は思います。まして役所がこんな資料で事業者をかばうなど信じがたい。

まず、時期を恣意的にとっているのではないか。2009年からとっているわけです。2009年よりずっと前に民営化されているはずで、その間にデフレ局面はあったけれども、基本的な料金に関して値下げはしていないわけです。にもかかわらず、今厳しい環境になってきたが頑張っていますってどういうこと。環境がよくなっているときだって、価格は下げなかったことは十分考えていただきたいし、少なくとも役所であればそちらも言わなければ片手落ち。

それから、電気に関して言うと、これは恐らく賦課金も入ったものだと思いますけれども、再エネ賦課金が入ってこんなに上がっています。それに比べてJRの運賃、こんなに上がっていません。鉄道の運賃、こんなに上がっていません。何を言っているのか。

それから、2011年以降は、原発が止まってしまうとか、大きな環境変化があって、それで価格が上がっているというのと比べて上がっていないから頑張っていますというのは、一体どういうことなのか。その前をとってみれば、原油価格が急落し電気代は大きく下がっている局面だってあったわけですが、JRの運賃が下がっているわけじゃない。だから、こんなミスリーディングなというか、自分たちに都合のいいところだけとって、JRはこんなに頑張っていますなどという資料にどれぐらい説得力があるかは十分考えていただきたい。私には、こんな図は全く受け入れられない。

それから、鉄道運賃に関しては、私はまともな査定が一度たりともされたことはないと本気で思っています。基本的に言いなりというか、言い値で出てきている。ただ、それは値上げという格好になっていないので、厳しい査定をしていないのは制度上当然のこと。ほかの業界だって多くはそうなのですが、例えば電力だったら、値上げのない局面だったりとしても、電線とかのコストは欧米に比べてはるかに高過ぎるのではないかということを一つ一つ丁寧にチェックしているとか、メータとかのコストについても、海外の調達コストに比べてどれだけ高いのかということをすごく厳しくチェックしている。鉄道に関しては、例えば子会社の建設会社に発注して作っている単価が本当に適正なのかどうかなどというのは、私は一度たりとも厳密に査定されたことはないと疑っているぐらいです。

そういう点から考えて、不当なことをしているとは少しも思わないけれども、胸を張って言えるほど、他業種に比べて頑張っていますという説明はミスリーディングじゃないか。私は、この説明は受け入れかねます。

以上です。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 松村先生から最初のほうにお話がありましたICカードの回数券ですけれども、先ほど1回1回載せ替えるという説明をさせていただきました。私どもも、検討している事業者の方に、10回分載せられないのとか聞いたのですが、鉄道事業者からは、システム上の空きがなくて載せられないとのことでした。10回が無理なら、例えば半分はどうか、3回はどうかと言ったのですが、そこは難しいという話でございまして、今の段階でできるものはこの形ということでございました。この点は御理解いただきたいと思います。

○上手鉄道サービス政策室長 それから、2点目の混雑時間帯以外への柔軟な対応というお話がありましたけれども、最近、ようやくといいますか、例えばJR西日本とか東京メトロ等も、京急も始めていますけれども、各社いろいろ工夫して、混雑時間帯を避けてオフピークの時間帯に乗るとポイントを還元する形で、混雑していない時間帯へお客さんを誘導するために、これはICカードだからできるようになったことだと思いますけれども、そうした取組も大分始まっているところでございます。

それから、3点目の資料3のスライド4につきましては、委員御指摘の点を踏まえて、どういう見方をするのが誤解のないといいますか、そういった形になるのか、引き続き我々としても検討していきたいと思います。

○古城座長 あと、いかがでしょうか。

それでは、今の点につきましては、議論をこれで一応終了させていただきたいと思います。

≪3.北海道旅客鉄道株式会社の運賃の改定案について≫

○古城座長 次に、JR北海道の運賃の改定案について審議に入りたいと思います。

引き続き、国土交通省から御説明をよろしくお願いします。

○澤田JR担当室長 国土交通省鉄道局でJR担当室長をしております澤田と申します。よろしくお願いします。座って失礼いたします。

それでは、資料4の「北海道旅客鉄道株式会社の運賃・料金改定申請について」を御覧いただきたいと思います。

ページをおめくりいただきますと、右下、ページ番号1でございますけれども、JR北海道の概要を掲載してございます。御承知のとおり、旧国鉄が6つの旅客鉄道会社と1つの貨物鉄道会社に分割され、昭和62年4月1日にJR北海道が誕生いたしました。

主な経営諸元ですが、営業収益として単体で885億円、連結では1710億円で、経常損益は単体でマイナス198億円、連結でマイナス111億円、いずれも2018年度ベースでなっているところでございます。北海道は非常に広うございまして、旅客営業キロとしては2500kmを超えています。それに対して、年間の輸送人員は約1.36億人という状態で、1ページに赤字で入れておりますように、札幌の市営地下鉄、旅客営業キロ48km、年間の輸送人員2.3億人に対しても、この輸送人員の少なさが際立っているのではないかと思っているところでございます。

そういう中で、この1ページの北海道の図の中に鉄道路線を色分けして塗ってございます。これは何かと申しますと、今をさかのぼること約2年半前、平成28年、2016年11月に、JR北海道は「当社単独では維持困難な線区について」というものを発表いたしました。1日1km当たり何人のお客さんが乗っていらっしゃるのかを見たときに、赤で塗ってあるところが輸送密度200人未満、黄色で塗ってあるところが輸送密度200人以上2000人未満の路線でございます。さらに、既に持続可能な交通体系のあり方について、地域と話し合いを進めている線区につきましては、茶色で塗っているところでございます。

これら、赤、黄色、茶色で塗ってある線区に関しまして、JR北海道は単独では維持することが困難な線区として2年半前に発表し、地域との話合いに入ってきたという現状がございます。

2ページを御覧ください。JR北海道、経営が厳しいとよく言われますけれども、地域ごとの違いがございます。

2ページの右上にありますように、札幌圏の路線に関しましては、昭和62年のJR北海道発足時と比べましても、輸送人員が増えております。

それに対しまして、2ページの右下にあります札幌圏以外の路線におきましては、輸送密度が低下してきている状況がございます。特に、赤色の石勝線の新夕張・夕張間に関しましては、昭和62年を100とした場合に、平成29年の輸送密度はわずか6という状態、茶色の札沼線の北海道医療大学・新十津川間に関しましても、17という状態になっているところでございます。

なお、申し添えますと、石勝線の新夕張・夕張間に関しましては、本年4月に廃止となっており、また、札沼線の、北海道医療大学・新十津川間に関しましても、来年のゴールデンウィーク明けに廃止となる予定でございます。

このように、札幌圏では輸送人員が増えている一方、札幌圏以外で急激に輸送人員が減っている。その要因といたしましては、一つは、高規格幹線道路の供用が進んできたこと、また、自動車の保有が増えていること、更には道内人口が減少していること等、様々な構造的な要因があるのではないかと見ているところでございます。

3ページを御覧ください。JR北海道の鉄道運輸収入、経常損益等の推移を表したものでございます。

鉄道運輸収入に関しましては、赤で記載しておりますけれども、消費税改定以外で、唯一、平成8年に運賃改定を実施しておりまして、この平成8年度の鉄道運輸収入800億円をピークとして、以降、減少傾向が続いております。もともとJR北海道発足時に、非常に経営が厳しいということが予想されましたので、経営安定基金というものをJR北海道に渡しております。6822億円ございまして、これを運用することで赤字を埋めていくことといたしました。JR発足当初は、この運用益が498億円ありましたけれども、現状ではこれが236億円ということで、経済情勢の変化に伴いまして、発足当初の半分以下にまで減少している状況でございます。

一方、黒の点線の人件費に関しましては、様々な努力によりまして、人件費の削減が進んでおります。

また、修繕費及び設備投資は、国鉄時代に整備した施設の老朽化が進むため、増やすべきところを逆に削減してきまして、そのことが今から10年ほど前になりますけれども、事故が多発する一つの要因となった面もございます。そのため、現在では、修繕費や設備投資に関しましても、安全維持のためにしっかりとかけるべきところはかけるようにしているところでございます。

このような経過を踏まえまして、一番下の経常損益は、絶対に守るべき安全の基準を絶対に維持するという考え方に基づいて、安全投資や修繕費をしっかりと確保した結果として、近年では200億円近い大幅な経常赤字を計上している状態にございます。

4ページを御覧ください。JR北海道に関する最近の経緯ですけれども、平成23年に列車の脱線火災事故が発生しました。また、平成25年には、函館線の大沼駅構内での貨物列車の脱線事故が発生しましたが、その事故の究明調査に際して、軌道変位を放置していた、あるいは検査データを改ざんしていた問題が判明しまして、国土交通省より事業改善命令・監督命令を発出して、改ざんの根絶、安全管理体制の再構築を命令したところでございます。

一方、これらの責任を追及するとともに、経営の面からは、しっかり安全を維持するための設備投資を行ってもらうために、国土交通省は、JR北海道に対する追加的な支援を平成27年に公表し、平成28年度から総額1200億円の支援を実施しているところでございます。また、JR北海道では平成28年に「当社単独では維持困難な線区」を示して、会社として経営が非常に厳しい状況にあることを公表しました。そういう中で、平成30年には北海道庁、JR北海道、国土交通省、北海道市長会、北海道町村会、JR貨物がメンバーとなります六者会議を開催して、地域における路線の取扱い等についての議論を実施して参りました。

さらに、昨年7月には、国土交通省よりJR北海道に対して、経営改善に向けた取組を推進するよう監督命令を発出するとともに、関係者による支援・協力についても公表し、令和元年度、令和2年度の2年間におきまして、JR北海道に対して総額400億円台の支援を実施することを決めたところでございます。

監督命令では、また後ほど触れますけれども、JR北海道に対して、どのように経営を改善するのか、そのための長期の経営ビジョン、中期の経営計画、地域における事業計画、いわゆるアクションプランを策定するよう命じており、これらに関しては、本年4月にJR北海道が策定・公表いたしました。そして、5月に今回の運賃・料金改定の申請がなされているという状況になります。

次に、このような一連の経緯の中で、改ざんの根絶、安全管理体制の再構築というコンプライアンス強化の取組というものを、これまでJR北海道に対して求めてきたところでございます。5ページにありますように、JR北海道では安全意識向上のための、経営トップと現場職員との膝詰話をして参りました。

また、コンプライアンス教育の実施、そして、コンプライアンス相談窓口の浸透・活用の推進、さらには、線路の未補修・検査データの改ざんを受けて、記録を重視する検査ルールの見直し、線路の維持管理マニュアルの制定、さらには、機械化等というものを進めてきているところでございます。

6ページを御覧ください。昨年、7月に、国土交通省がJR北海道に対して発出した経営改善に向けた監督命令の主な内容を示したものでございますので、簡単に説明させていただきたいと思います。

まず、左側の青囲みの部分は、経営改善に向けた取組でございます。現在、北海道新幹線の札幌までの建設工事が進んでおり、2030年度末の開業が予定されております。そのため、開業翌年度の2031年度のJR北海道の経営自立を目指すという方針のもと、徹底した経営努力を求めております。

具体的には、特に人口の多い札幌圏域における、非鉄道事業も含めた収益の最大化。鉄道事業のみでは経営が厳しい中で、小売事業、ホテル事業、様々な関連事業を含めてグループとしての収益の最大化を求めております。また、新千歳空港アクセスの競争力強化、具体的には快速エアポートの増強を求めております。さらに、インバウンドの観光客を取り込むための観光列車の充実。そして、コスト削減や意識改革を求めているところでございます。

これらとともに、先ほど申し上げましたように、具体的にどのような取組を会社として実施していくのか、2030年度までの長期経営ビジョン、そして2019年度から2023年度までの5年間の中期経営計画の策定を求めまして、これらに関しては、四半期ごとにJR北海道と鉄道局とで検証して、情報を開示することとしてございます。

また、先ほど申し上げましたように、右側のところで、関係者による支援・協力として、まず、2年間で400億円台の支援を実施することとしております。

続きまして、本年4月に発表されましたJR北海道の長期経営ビジョン等につきまして御説明させていただきます。

7ページを御覧ください。

まず、この位置付けでございますが、新幹線の札幌開業後の初年度となる2031年度の経営自立を目指すこととしております。

その概要としては、大きくは三つの戦略があります。一つ目は、開発・関連事業の拡大。二つ目として、輸送サービスの変革。三つ目として、鉄道オペレーションを変革していくものでございます。

開発・関連事業に関しては、売上・利益とも、現行の1.5倍を目指すこととしております。また、輸送サービスの変革としては、北海道新幹線の高速化により、札幌~東京間で4時間半への挑戦を行うこととしております。また、新千歳空港のアクセスを強化いたします。さらに、鉄道オペレーションの変革ということでは、ICTの活用による生産性の向上等を予定しているところでございます。

7ページの右側を御覧ください。参考として、経営自立の考え方を申し上げますと、2018年度で単体の経常損益として220億円の赤字となっているところでございます。これをこのまま放置いたしますと、人口減等の傾向減等によりまして、更に210億円の減収。合計で430億円の赤字が見込まれるという非常に厳しい状況でございます。

そのような中で、自助努力等による増益として、まず190億円をJR北海道自身が捻出いたします。さらに、緑の部分で、JR北海道単独では解決が困難な課題というものがございます。一つは、青函トンネルにおける貨物列車と北海道新幹線の共用走行によって、北海道新幹線の速度が制約されているという問題。それから、青函トンネルの維持管理に関する問題。さらには、維持困難線区を維持する仕組みをどうするのかという問題。これらに関しましては、今後、国や自治体等の関係者と協議の上、検討していくこととしております。

しかしながら、これらによって費用を節減することができたとしても、まだ会社としては黒字経営が達成できない状態でございます。最終的には、グループ会社の利益を足し合わせることによって、グループ全体での2031年度の連結での黒字化を目指す。そのような方針を立てているところでございます。

8ページを御覧ください。グループの中期経営計画でございます。

具体的な主な増収施策といたしまして、北海道新幹線の利用者増、空港アクセスの強化。特に、現在、札幌と新千歳空港を結ぶ快速エアポートの利用が、インバウンドのお客様を含めて非常に好調ですので、毎時4本走っているところを、毎時5本に増やすこととしております。

さらには、観光列車に関しても、例えば、今年度であれば、JR東日本の車両を借りてきて、北海道内での運行を予定しておりますし、来年度は、8ページの真ん中に写真がございますけれども、東急電鉄が伊豆急行線で走らせている「THE ROYAL EXPRESS」という車両を借りてきて、北海道内で走らせるということを計画しております。

さらに、JR北海道自身が努力することは当然ですけれども、利用者にも負担を求める運賃改定に関して、今回、御審議いただくものでございますけれども、本年10月1日より23年ぶりとなる40億円規模の値上げというものも、経営基盤の強化策として挙げているところでございます。さらには、ホテル事業、不動産事業、小売事業を拡大していく。

そして、当然ながらコストの削減にも取り組んでいかなければならず、資材調達の見直しや、保線用機器等の導入によりまして工事を効率化することで、コストの削減を図っていくとしているところでございます。

また、管理体制を強化するため、項目ごとのKPI、部門別の収支管理を徹底するとしております。

その一方で、維持しなければならない安全性というものは維持しなければならず、過去のように事故を起こす体制に戻してはなりません。そのために、新たに「安全計画2023」を策定しまして、必要な設備投資や修繕に関しては、しっかりと対応していく方針でございます。

9ページを御覧ください。先ほど維持困難と申しました、黄色で塗ってある8線区に関しましては、各線区ごとに地域と一体となって、JR北海道が事業計画、いわゆるアクションプランというものを策定しております。

まず、2019年度、2020年度の2年間を第1期集中改革期間と位置付けまして、JR北海道と地域の関係者が一体となって、利用促進やコスト削減等に取り組むこととしてございます。

利用促進の具体例としましては、例えば、日高線では、スクールバスから列車通学へのシフトということで、スクールバスを減便する代わりに、通学定期券を学生さんに配布するという取組を、また、経費節減の例として、地域住民による駅、ホーム、敷地内の除雪等の取組も行ってございます。

JR北海道においては、禁断の聖域を設けることなく、コスト削減や利用促進への取組を求め、経営改善を図っていただきたいと考えております。

私からの説明は以上でございます。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 続きまして、JR北海道の運賃改定の概要を御説明させていただきます。

10ページをお開けください。

今回につきましては、全ての運賃・料金に関して、10%の消費税を含んだものとすること。

それから、普通旅客運賃は、100kmまでは、現在の対キロ制運賃を対キロ区間制運賃に変更するというものでございます。また、101kmから200kmにつきましては、現在の対キロ制運賃をそのまま適用するといたしますが、適用する賃率については、幹線が17.85円のところを19.7円に引き上げるといった内容のものになってございます。また、201km以上のものは、現行の対キロ制運賃を維持し、かつ賃率のほうも据え置くというものでございます。

具体的なイメージといたしましては、12ページですが、参考で下のところにイメージが描いてございます。上が現行のものでございます。100kmまでは対キロ制運賃ですが、これを一定の距離を基準として区間を定め、乗車区間に応じた運賃を適用するという対キロ区間制を導入するというものでございます。

また、101km以上については、乗車距離に応じて賃率を掛けて運賃を算出するという対キロ制運賃ですが、こちらのイメージ図にありますとおり、水色の第一地帯を賃率19.7円に改定したいということでここの部分については、その分引き上がるのですが、JRの運賃の計算としては、その後距離が延びるにつれて、第二地帯の運賃、第三地帯の運賃ということで、そこを積み上げるという形になっております。つまり、距離が長くなるにつれまして、このイメージ図に描いてございますような3階建のような運賃になるわけでございます。

一方、第一地帯の賃率については、先ほど申しましたように引き上げますので、このベースのところについては、そのまま乗りますので、遠距離部分についても同様に上がっていくということでございます。

10ページにお戻りください。定期旅客運賃については、割引率は今回据え置きますが、普通旅客運賃の改定に併せて改定するということでございます。

また、新幹線特急料金を含む特急料金の改定については、今回はそのものを引き上げることはせず、消費税転嫁分の改定ということでございます。

また、現在、南千歳~新千歳空港間に適用しております加算運賃というものがございます。この区間を利用いたしますと、普通運賃のほかに140円を加算することになっていますが、鉄道施設の設備投資資金の回収が進んだことから、今回、これを20円に減額するということでございます。

このようなことで、(6)改定率ですが、消費税を含めて全体で11.1%、普通運賃につきましては15.7%、定期旅客運賃については22.4%ということになっております。その右側に赤字で書いてございますが、改定率は、各区分の区間・券種ごとの輸送量を加味した平均の増加率ということでございます。つまり、定期券については、現在、100kmまでの設定になってございます。これは200km、300km、通勤定期で利用する人はいないことから、100kmまでということになってございます。

一方、いわゆる近距離の区間については利用者が多いので、その分、改定率については22.4%と、高くなっているということでございます。

一方、普通運賃については、100kmよりも更に遠距離の設定がありますが、遠距離は近距離に比べて利用者が少ないということですので、この近距離と遠距離の部分が合わさってくるため、全体としての改定率というのは下がってくるということです。

それから、(7)の実施時期ですが、消費税改定と併せて、今年の10月にお願いできればということでございます。

13ページでございます。JR北海道と並行する路線を持つ札幌市営地下鉄の運賃との比較でございます。改定後の運賃についても、JR北海道の方が札幌市の運賃よりも概ね低くなっているという状況でございます。

14ページです。今回、100kmまでの区間において、対キロ制から対キロ区間制に変更することに伴いまして、7~10km、11~15kmのところは、値上げ率が3割を超えていることの御説明をさせていただきます。

まず、青色の棒グラフがその前の区界との運賃の差額を示しており、具体的には、一番左にある4~6kmのところに、青の棒グラフとピンク色の棒グラフが立っています。この青色の棒グラフのところについては、その前の1~3kmまでの運賃額と4~6kmまでの運賃額の差額が幾らあるのかということを示しているものです。ピンク色の方は、改定後の区間差になります。

7~10kmのところですが、現行の運賃の区間差が10円と、その前後の区間差に比べますと、ここが非常に低額になっております。このため、JR北海道としては、利用距離に応じて相応に運賃の負担をお願いしたいということで、ここを見直すことにいたしました。この結果、当該区間については3割を超えるような値上げ率となっているということでございます。

では、なぜ10円の差額なのかということですが、参考資料2をお開けいただきたいと思います。最後のページですが、国鉄時代の運賃の設定状況と書いてございます。国鉄が昭和62年にJRになりましたので、それより5年前からの運賃を記載しています。

昭和57年の近距離の10kmまでの運賃は1~3kmまでで120円、4km~10kmまでで140円となっており、キロの区分けは3kmと7kmになっていました。その後、国鉄は、昭和59年、昭和60年と運賃を改定しましたが、このキロの区分けは変更せずに、金額だけを値上げしたということになっています。

その後、国鉄として最後の運賃改定を行いました昭和61年9月、このときには、金額の値上げと併せて、4~10kmまでの7kmの区間について3kmと4kmに区分けし、初乗り140円と次の区間は170円となり、この差額は30円となりました。一方、次の区界につきましては170円と180円になりましたので、ここの区間差は10円ということでございます。

その後、昭和62年に国鉄が分割されJRが設立されましたが、日本国有鉄道改革法に基づきまして、国鉄からJRになるときには、国鉄時代の運賃をそのまま引き継ぐように配慮するものとされた関係がございまして、昭和62年のJR北海道発足時は、国鉄の最後の運賃と同様の形になったということでございます。

その後、平成元年、9年、26年と消費税改定がございました。このとき当該区間差は、それぞれ10円ずつ引き上げるとか、それぞれ据置きになったということでして、結果として区間差10円は変わらなかった。また、平成8年1月のときについては、実質運賃改定でしたが、両方とも20円ずつの引上げだったため、10円の差は変わらなかった。その後運賃改定はございませんでしたので、今まで引き継いできてしまったということです。これを、先ほど申し上げましたとおり、距離に応じて相応に運賃を御負担いただきたいということから、今回、その部分を直させていただけないかということでございます。

なお、鉄道運賃は、例えばガス料金のように、基本料金、プラス従量料金という形にはなってございません。一括として運賃をお支払いいただくことになってございます。鉄道運賃は利用距離に応じて増えていく形になってございます。鉄道というのは、いわゆる始発駅から終端駅までの非常に単純な鉄道をイメージしていただきますと、そこには駅を作るだけではなく、線路を引き、車両を置き、電気設備を置き、線路を保守するためのいろいろな機械も必要になるということで、大きな設備投資を行うことになります。そのため多額なコストを要しますので、これを運賃で回収するというのが鉄道のモデルです。

なお、鉄道については、利用者が始点駅から終点駅まで必ず乗るわけではない。また、同じ者でも、その日によって乗車距離も違うということです。このため、鉄道を走らせるための大規模な設備投資のコストは、その者が利用した距離の分だけ、それに応じて運賃を支払う。それ以外のものについては払ってくださいと言っても、利用者の方は納得できないわけですから、それによって使用されたインフラの部分に対応するようなものにかかった費用を運賃として支払ってもらうということでございます。

一方、ガス料金には基本料金がございますが、これは自宅までガスを運んでくる供給管とかガスメーターというものの維持管理費用が、基本料金の基礎となっているようでございます。なお、これらの設備については、利用者によって、その使用する範囲が日々変わるということはありません。つまり、毎日引っ越しする方はいないわけでございますので、供給管とかガスメーターは、1回セットすれば、基本的にはその方がずっと使う限りは変わらない施設ということになります。

もちろん、鉄道についても、乗車距離に応じて変わらないコスト、例えば出改札の費用とか切符の販売費用というものは、距離に応じて変わるコストではありませんが、それらのコストは、全体のコストに比べて非常に僅少でございます。ですので、基本料金、プラス従量料金のような2本立てではなくて、距離に比例した運賃を払っていただくということでございます。電気もガスも、サービスを供給するインフラが必要であるという点では、同じですが、鉄道はその利用区間に応じて使用するインフラのボリュームが違うということ。それから、利用者によって、日々それが変わっていくということですので、このため料金の考え方は異なっていると考えております。

続きまして、15ページでございます。利用者が一番多い札幌圏の鉄道輸送サービスについて御説明させていただきます。

JR北海道の経営状況は極めて厳しいということ。それから、100kmまでの利用割合が幹線運賃でも9割という利用状況であるということから、利用距離に応じて相応な負担となるよう運賃を設定するため、今般の運賃改定申請におきまして、100km以下の営業キロ区間において対キロ区間制に変更して、キロ区間別に運賃額を定める方式とするということでございます。

なお、近距離区間であり利用者が一番多い札幌圏については、列車運転本数も多く、快速エアポートなどは120kmで運転しておりまして、このエリアでは、輸送力増強や混雑緩和策が他に比べて図られていること。

また、旅客サービス向上についても、線路の高架化に伴って駅舎を新しくしたり、自動改札機の導入、ICカードの導入といったことで旅客サービスにも努めているということ。

さらに、このように多くの収益を上げている札幌圏につきまして、JR北海道は設備投資や人件費、経費等のコストを多くかけている状況となっています。今後も、新千歳空港アクセスの強化や無料Wi-Fiの提供拡大等の設備投資を計画しており、引き続き、利用者サービス向上に取り組んでいくということでございます。

続きまして、16ページです。札幌圏の輸送サービス改善について御説明させていただきましたが、例えば都市間とかローカルエリアにつきましても、新型特急気動車を導入したり、新しいローカル用車両を入れたりということで旅客サービスに努めていきたいということでございます。

続きまして、17ページです。

今年の5月10日、JR北海道より認可申請がございました。

その後、7月1日に運輸審議会において、札幌で公聴会が開催され、7月25日にその答申が出ております。

続いて、18ページ、今回の運賃改定の申請に関します収入原価表でございます。金額は、いずれも税抜き表示でございます。

まず、令和元年10月に運賃改定をするという前提で記載しておりますが、このときには年度途中で運賃改定を行うことになりますので、運賃改定の効果が丸々1年現れる年度、つまり翌年の令和2年度になりますが、丸々効果が1年現れる年度を平年度と呼んでおりまして、その平年度の3年間分の総収入と総括原価を比べて、総収入が総括原価を下回っているかどうかを確認して、これを認可するということでございます。この令和2年度から令和4年度の平年度3年間については、改定後の運賃、総収入に関しては、黄色のところにございますとおり、3639億円に対しまして、総括原価は4035億円、収支率は90%ということでございます。

また、今回の運賃改定に伴います増収額ですが、一番右側の数字、121億円ということでございます。なお、こちらは3年間ですので、1年度当たりは約40億円となっているところでございます。

続きまして、19ページ、今回の需要の見通しでございます。

右側に将来輸送推計のフローがあります。こちらのフローの手順に基づいて、今回、輸送需要の推計を行っているものでございます。全体的な傾向としては、JR北海道の利用実績のトレンドが減少傾向にあること。今回の推計に当たっては、社会経済指標等を用いた回帰分析でモデル式を用いて将来を推計しておりますが、この社会経済指標については、例えば人口などをとっているのですが、人口も減少傾向にあるということがあり、令和2年度から4年度までの平年度3年間は、微減の傾向を示しているということでございます。

資料の説明は以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。

以上の説明につきまして、御質問、御意見をお出しください。

単純なことですが、18ページの原価の内訳ですが、適正コストと、その他支出と分けてありますけれども、適正コストって何ですか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 まず、適正コストでございますが、21ページをお開けください。

まず、総括原価はどういう内容なのかが書いてございます。人件費、経費から始まり適正利潤までで総括原価が構成されている。そのうち、適正コストというものについては、この人件費、経費に該当するものです。適正コストについては、この下のなお書きのところですが、JR、大手民鉄、地下鉄の総括原価の算定に当たっては、事業者間で比較可能な営業費の原価をヤードスティック方式で出している。

これは各事業者のそれぞれの人件費、経費を、そのまま平年度に入れるということではなくて、例えばJRであれば、JRグループの中で、人件費、経費を比べて標準的な金額を出して、それを適正コストとして原価に組み入れるというものでございます。もちろん、同じグループで比較するということですので、何ら合理化もしなければ、そのまま人件費や経費が増えるわけですが、他の一生懸命努力している会社と比べれば、当然その分多くなっているので、これを標準的な原価ということで出しその分が査定されるということになるものです。

○古城座長 意味は分かりました。でも、私から言うとネーミングがおかしい。適正コストと適正じゃないコストという振分けになるので、適正に査定した、その中身は一体何ですかということですから、人件費とかヤードスティックで査定した経費となさったほうがいいのではないですか。でも、説明はよく分かりました。

井手さん。

○井手座長代理 今の点に関連して、ヤードスティックの対象の費用というのは、全体の費用の何割でしょうか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 全体の対象経費の半分弱でございます。

○井手座長代理 そんなにありましたか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 失礼いたしました。営業費に占める割合として、約半分ということでございます。

○古城座長 あと、いかがでしょうか。

井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 前半に説明していただいたところで、経営安定基金という、これは分割するときに経営がどうしても苦しいだろうということで、ここにある6800億円ぐらい。運用益って、現在でも3点何%ありますね。何で3点何%もあるのでしょうか。どういう運用をされて、236億円も利益を出しているのか。当初、500億円ぐらいだったものが、現在半分に減っていると。どういう運用をしているかというのは、JR3島はみんな同じ運用をしているのでしょうか。

であれば、もう一つ質問ですけれども、JR四国も同じような状況にあるのに、何で値上げを申請されてこないのかという点、簡単にお答えできればしていただきたい。

○澤田JR担当室長 まず、運用益の利回りに関しましては、それぞれ各社の中に運用を担当する専門の方々がおりまして、外部委託引用のほか、株式や債券を売り買いする自家運用を行っている状況でございます。ですので、会社によって、実際の運用利回りにも違いが生じているという状況で、JR北海道であれば3%程度の運用益が現在確保できているということでございます。

なぜ、この経営安定基金の運用利回りが当時と比べて落ちているかと申しますと、御承知のとおり、そもそもの国鉄の分割民営化当時、平均利回りが7.3%でございました。国全体の利率が非常に高かった時代から、今ではこのような低金利の時代になって、運用益の確保に苦労しているという状況がございます。

そして、JR四国においても、事情は同じではないかということですけれども、まさに、JR四国も経営安定基金の運用利回りというところでは、非常に低下している実態がございます。

ただ、会社全体で見た場合、特にJR北海道に関しましては、今まで設備投資を後回しにしてきたツケが来ているという側面もございまして、設備投資や修繕費等が大きく膨らんでいる中で、経常損益が非常に悪化して会社の経営を圧迫している状態に陥っているのに対して、JR四国は、苦しいながらも、まだそこまでの状態には陥っていないというところで、会社の財政状況に関してはJR北海道とJR四国は差があるため、その中で今回、JR北海道が運賃改定の申請に至ったという経緯でございます。

○古城座長 松村委員、どうぞ。

○松村委員 今の点だけ確認していいでしょうか。今のこういうオープンな場で、株式とか債券で運営されているという御回答があったのですが、一部は国交省の独立行政法人の貸付で、これはかなり高い利回りで支えていると思い込んでいたのですが、こういうものが記録に残ってしまうと、基本的にみんな債券や株式で運用していて、債券や株式なら配当あるいは値上がりというもので、この程度稼げるということがあり得るだろうとみんな思い込むのですけれども、これは本当に大丈夫ですか。

○澤田JR担当室長 まず、先生がおっしゃった独立行政法人の鉄道・運輸機構による高い利回りでの借入というのは、過去には行っていた実績がありますけれども、既にその運用益の下支え措置は終了しているという状況でございます。

一方、鉄道・運輸機構を通じまして、債権による実質的な積増し措置というものも実施しておりますが、それは経営安定基金の運用の外枠で行っているものですので、先ほどのような説明になるということでございます。

○松村委員 ありがとうございました。

別の点でいいでしょうか。

○古城座長 どうぞ。

○松村委員 先ほどの適正コストの言葉遣いもそうですが、念のために言うと、先ほどから何度も出てくるガスでも一部ヤードスティックで査定している。しかしヤードスティックで査定している部分はちゃんとした査定がされていないという位置付けです。つまり、ヤードスティック査定では、御指摘のとおり、全体が高ければ、高いものがそのまま認められてしまうことになり、他の会社に比べて高いところに関しての査定にはなるけれども、全ての会社が非効率的であったとすれば、基本的に査定されない。だから、それは問題である、ヤードスティックだけでは十分な査定とは言えないと認識されていて、残りの部分はヤードスティックだけでなく個別にきちんと査定している。

そういう意味で言うと、ここは逆転していて、ヤードスティックでやっているところはちゃんと査定している、適正という表になっているとすると、かなりレベルが低い。ここで査定として十分やられているという説明としては、ほかの公共料金と比べても説得力がないかもしれないことは認識しておく必要があるかと思います。ただ、今のやり方が明らかに間違っているというわけではなく、適法にやられているわけですから、おかしなことをされているとは思わないですけれども、だから、ちゃんと査定されている、適正なコストになっているという認識が本当に正しいかは、この文脈ではなく、是非一度考える必要があると思います。

今回の北海道のような特殊ケースを除けば、四国のような苦しいところですら値上げ申請していないで頑張っているところで、そういうことを言う必要はないのかもしれませんが、その認識が本当に通用するかどうかは、考える余地があると思います。

以上です。

○古城座長 どうぞ。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 先生御指摘のとおり、ヤードスティックで、みんながさぼれば、そのまま高どまりする。それはおっしゃるとおりだと思います。そういうところまでの面を全てカバーできているということではありませんが、今回、ヤードスティック方式で標準的なコストを出した後に、最終的な適正コストを算定するに当たっては、経年変化努力率というもので、前回そもそものその会社の実績によるコストと、それからヤードスティック方式で出てきた基準コストを比べて、それがどれぐらい離れているか。それが前回の改定のときと今回の改定のときで、どれぐらい離れているのか、どれぐらい改善しているのかということを加味することも今回行っております。

もちろん、JR北海道におきましては、前回の運賃改定のとき、この基準コスト方式はなかったわけでございます。基準コストを一番最初に算出した平成7年度のときは改定していないのですが、今回のJR北海道の最初の改定におきましては、それと比較して乖離度を見るということになっており、そのようなものも仕組みとして入っているということです。

○古城座長 分かりました。

この基準コストというのは、ヤードスティックから出した物差しを基準と言っているのですね。ヤードスティックで出したものを言っているのですね。松村さんが言っているのは、横並びを利用してチェックするから、横並びでみんな非効率だったら、非効率な基準で、更に非効率なものを叩くことはできるけれども、その問題点を指摘しているということですけれどもね。

あと、札幌圏の近距離、3割も上がって、とても打撃が大きいと思うのですけれども、この説明は、従来、近距離をえらく安くしていたのだから、それを是正しただけだという御説明ですね。要するに、札幌圏を上げたということは、ここだけ上げたことになるのだけれども、従来、ここは安過ぎた。平たく言うと、それを戻しただけだから、我慢してくださいねという説明ですね。それで、先ほどの札幌は随分安かったというので、沿革の旧国鉄時代からおかしかったというのですけれども、旧国鉄時代は不適切な運賃体系だったということですか。それとも理由があるのですか。

もう一つ、関連するのですけれども、先ほど基本料、従量料金、二部制じゃないと言うのですけれども、14ページの表を見ると1~3kmのところがいきなり170円と、初乗料金をぼんと出しているでしょう。これは基本料みたいな考え方かと思ったら、違うのですね。それで、もし本当の従量料金でやって、他のところを見ますと、旧来料金だとキロ当たり40円で、3kmだったら120円でないといけないのに、初乗料金を170円に設定している。それから、6kmのところは4、6、240円じゃなければいけないところを210円に設定しているということで、初乗料金がぼんと高いから、そのまま上げていくとちょっとまずいので、最初のところをなだらかにして、それから上げている。完全な従量料金、キロ当たりで合わせていくと。昔、低くしたのは、そういうことじゃないですか。

もう一つは、距離比例で費用がかかっても、需要が大きいところですと、1人当たりの負担額が低くなるはずですね。前の料金は、そういうことを考えたのではないですか。

はい。

○井手座長代理 今のあれですけれども、ガスとか電気は二部料金制だというときに、鉄道は基本料金で取れないので、初乗料金を非常に高くした。したがって、1km当たりにすると初乗りはめちゃくちゃ高いわけですから。それは、二部料金制をとれないということから、そういう運賃体系にしているわけですから、初乗料金を高くするというやり方をとっているわけですから、古城先生の言われることも是非考えていただきたい。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 まず、初乗りのところにつきましては、確かに先生おっしゃるとおりのものは要因として入ってございました。例えば、JRにおきましては対キロ制でございますので、賃率、掛ける乗ったキロということであれば、初乗りのところはそんなには高くならない。それが実際に高くなっているというのは、先生がおっしゃるとおりの経緯があって国鉄におきましても、同様に初乗りは高かった。それは、当初必要なコスト分みたいなものを入れて立てられていたということもあるのではないかと思っております。

ただ、国鉄の運賃につきましては、昔は衆参両院の国会の議決を経るということでしたので、当時の経済状況に応じて、国鉄の運賃が必ずしも申請どおり認められないこともありました。

○古城座長 今の説明ですと、国鉄とか運輸当局は理論的に運賃体系を考えないといけないと思いますけれども、それで最善と思えるものが政治的な受け入れやすさも考慮したため、こうなったという説明になるのです。だから、私は運輸当局としてはもうちょっと理論的に、運賃体系はこうあるべきだというものを示していただかないと、便宜的に40円の格差、比例性がここで低いから、元に戻したと言われると、そのとおりみたいに見えるのですけれども、そもそもの距離比例料金から言うと、前のほうが妥当ですね。初乗料金が高くて、最初のところは上がり方をなだらかにして、最初、距離比例から離れて高い料金を取っているのだから。というふうになっているなら、前の料金のほうが合理的だと思うのです。

理論的にちゃんと説明しないと、消費者、利用者は納得できないのではないですか。なぜこういう料金になるのか。コストを反映した料金だとおっしゃるのか。以前の運賃は政治的な受け入れやすさを考慮した。今回の運賃は、その部分を少なくしたと言っているけれども、もしかしたら前の担当者の人がよくよく考えて、合理的な料金として、かつて打ち出したのではないですか。私は、値上げ自体については他の理由もあると思いますけれども、ここだけ10円しか上げていなかったから40円に直したというのは、そこだけ見れば同じように見えるけれども、10円しか上げなかったというのは、初乗りをバンと取っているのだから、それの緩和をしているだけだという昔の説明は十分合理性があると思います。

パブリックコメントとか審議会の委員の方から、JR北海道の経営が苦しいから、取れるところから取るという値上げじゃないですかという質問があったと思いますけれども、そういうことではないのですか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 確かに、パブリックコメントで、そういう御意見をいただいて。

○古城座長 委員の方からもそういう御意見ございましたね。審議会の委員の方からも、書面でそういう質問が出ているでしょう。答えられている。お宅の審議会の資料、何回かの配付資料の中で出ています。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 そこにつきましては、先ほどの15ページで御説明させていただきましたけれども、近距離である、特に利用の多い札幌圏につきましては、こちらにあるような利用者サービスとか、それに伴うコストがかかっているということから、乗った距離に応じて、その部分のコストを御負担いただきたいということで、今回のようなものになった。

あわせまして、先ほどのような国鉄から引き継いだ運賃について、ここのところが差額がないということから、この部分につきまして直して、利用した分に応じて運賃をいただきたいという考え方で御説明させていただいております。

○古城座長 札幌圏、いろいろ設備投資していらっしゃるのは分かりますけれども、利用者もすごくたくさんいるのですから、利用者当たりのコストがほかより上回っていたら、それは上げる説明になると思います。これで、札幌圏も今まで取りっぱぐれていたけれども、コストに見合った料金になりましたという説明になるのですか。そうじゃないでしょう。全体としてJR北海道は苦しいけれども、一般に言われているのは、札幌圏は利用者が多いので、何とかうまくいっている。ほかのところの赤字をそれで多少は埋めているという状態じゃないのですか。そうすると、それはそれなりのコストもかかっているけれども、収入も上がっているということじゃないでしょうか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 札幌圏につきましても、例えば札幌圏で見て黒字だということにはなっていなくて、そこにつきましても赤字という状況でございます。

○古城座長 値上げしてもだめなのですか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 札幌圏だけで黒字になるのかということですか。

○古城座長 ええ。先ほどのお話だと、札幌にはいろいろな手厚いサービスも出しているので、コストがかかっている。コストかがかった分を回収するために値上げするのですよという説明になっていると思いますけれども、山手線でも、山手線の料金を上げようとすると、山手線はいろいろ手当てしています。便数が多いですからコストもかかっていますよ。ホームドアも作っていますよという話ができると思いますけれども、そのかわり、利用者がたくさんいるから、十分それに見合うだけの収入は上がっているでしょうという議論が当然出てきますね。要するに、消費者が理解して納得できる理由づけができていますかということが質問です。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 まず、札幌圏は当然利用者が多いわけでございます。その部分でペイしているのかどうかということについては、その部分だけで見たものの数値というのは、今、把握してはいないのですが、北海道全体として、今回、ネットワークを維持するということが、当然運賃改定としてもあるわけでございますので、そういう意味では、例えば札幌圏だけもつから、そこのところだけで、ほかは切り捨てていいのかということにもなってしまいますので、ネットワークとして維持していくということでございます。

○古城座長 そこの部分は、私、賛成ですけれどもね。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 ただ、申し上げたかったのは、札幌圏はたくさんの利用者の方がいらっしゃる。そうすると、運賃をいただくボリュームとしては、当然そこからはたくさんいただかなければいけない。札幌の御利用者の方と、違うエリアの方と、別な運賃体系で取るということになってはいないのですが、当然、札幌圏にはたくさんの方がお住まいであって、いただく運賃のボリュームとしては当然多くなってくるということがございます。

そういう点で私が先ほど15ページの資料で申し上げたとおり、そこの部分については、ただ単に運賃をいただきます、ただ単に列車を走らせますというだけではなくて、ほかの地域よりもサービスレベルを上げるような施策をとっているとか、旅客輸送サービスを向上させているということもやっておりますということを申し上げたかったということでございます。

○古城座長 それは分かっているのです。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 今の札幌圏のことに関わって言えば、13ページで先ほど御説明では、地下鉄よりも全般的に下回っている料金になるとおっしゃったかと思うのですが、普通運賃については、改定後の運賃のほうが上回っており、それについてはパブリックコメントでも、更にJR離れが進むのではないかということが幾つも書かれていたと思います。

それから、澤田室長さんがJR北海道に成りかわってビジョンを語られ、長期計画を語られたわけですが、パブリックコメントを読んで伝わってくるものとしては、日々の足である公共交通機関としてのビジョンをどう捉えるのかというところ。大きな視点の違いがあるようにも思いました。その点は、しっかり利用者とコミュニケーションをとっておられるのかどうか。

それから、公聴会の意見陳述3名と、17ページに書かれていますが、電力料金等の公聴会については、いろいろなニュース性もあったこともありますが、このような数ではありませんで、100人を超える参加者とか数十名の陳述希望者があったり、2日にわたって公聴会をやるといったことがありましたが、北海道では関心が余り持たれていないのでしょうか。パブリックコメントを見ますと、そうは思えないように感じてきますが、開かれ方の広報が十分行き届いていなくて公述人が3人ということだったのか、どのように捉えておられるのか、教えていただきたいと思います。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 まず、公聴会につきまして、御説明させていただきます。資料にありますとおり、公述人の方は3名ということで、いずれも反対の御意見を述べられたということです。もちろん、今回のJR北海道の公聴会の公募のスケジュールについても期間を短縮したということは当然ございません。実際には、ほかと同様、15名の枠がありましたが、結果として応募されてきたのは3名だったということでございます。

私どものほうとしては、それをもって、興味が持たれているかどうかすぐに判断できるものとは思っておりませんが、一方、傍聴人の方は、150人いらっしゃったということでございます。

○澤田JR担当室長 公共交通機関としてのビジョンということに関して御説明させていただきたいと思います。まさに今、陶山委員がおっしゃったとおり、公共交通機関としてのビジョンを利用者の方々としっかりコミュニケーションをとりながら作っていくというのは、非常に重要なことだと考えております。特に、それが顕著に表れているのは、今回、維持困難線区、我々、黄色線区と呼んでおりますけれども、その線区ごとに策定したアクションプランだと思っております。このアクションプランに関しましては、まさに利用促進やコスト削減等を行って、当該路線をどのように維持していくのか。JR北海道と地域の関係者が地域の協議会を作って、そこで何度も議論して策定しました。

当然ながら、今後はその地域の協議会でいろいろ議論しながら、アクションプランに盛り込んだ内容に基づいて、利用促進策やコスト削減策に取り組み、それを検証していくこととしておりますので、地域の声をきちんと反映できるような形になっていると御理解いただければと思います。

○陶山委員 その点は積極的にやっていらっしゃると思うのですが、維持困難線区のみでなくて、通常使われている、また、これからも使っていきたいというところについての公共交通機関としてのニーズみたいなところが、今のパブリックコメントの中から、その点について視点のずれを感じました。困難線区のみではなくて、これからもしっかり経営していこうというところについて、必要なのではないかなと思いました。

○澤田JR担当室長 ありがとうございます。

○古城座長 次、松村委員、どうぞ。

○松村委員 蒸し返して申し訳ないですが、古城座長が気にしておられた点は、今回の改定は合理的だと思っています。普通の消費者のほうから見て、170円、210円、220円と上がっていたものが、その後、260円を超えると急に100円上がり、その後、100円、90円上がっていくのに、なぜここだけ幅が10円なのかは素直に不思議に思える。もちろん国鉄時代のことなので、首都圏でも同じ問題はある。どうしてここだけ急にぽんと料金が上がるのだろう、その前はこんなに刻みが小さいのにという疑問に対して、刻みが10円だったのが広がってはいるのだけれども、自然にというか、公平に見えるようなやり方になっているのではないか。

消費税の改定で料金を改定するときには、こういうところまで手をつけられないけれども、本格改定するときに、今まで不合理だったのだけれども、手をつけにくかったところを一緒に改定して、公平感を改善することはあり得るのではないか。取れるところから無理やり取るということではなく、より自然な料金体系にした。しかし、ここを大きく上げた結果として、全体の増収を確保するということだとすると、ほかのところの上げが少なくできるということであれば、そんなに変なことはしていないと思います。

こういう類いのある種の裁量は本格改定の時には認められるべきではないかと思います。国交省のほうで見て、おかしくないと確認されたのであれば、これはそれほど変なことではないと思いました。

次に、また余計なことを言って申し訳ないですが、虎の子の札幌圏で値上げした結果として、大幅な減収になると目も当てられない。減収になる程ひどいことにはならないのかもしれませんが、お客さんの数が想定以上に減って、想定したほどの増収にならないことは十分にあり得る。

私は札幌のあたりの地理にうといので、不正確なことを言うかもしれませんが、今まで新札幌から札幌まで行くときにJRを使っていた人が、これだけ価格が上がったなら地下鉄に替えてしまうかもしれない。仮に振り替わっても、それでも公共機関間の振替えだから、まだましかもしれない。しかしひょっとしたら鉄道のお客さんが大きく減るかもしれない。バスに替える、あるいは自家用車を通勤に使う人が増えることになると、ひどいことになってしまう。

大昔のことですけれども、かつて国鉄だったころの末期に、大幅に運賃を上げた結果として、想定以上にお客さんの数が減って、これ以上の値上げは難しいというところにまで追い込まれて、値上げでの赤字の解消は困難と判断して再度の大幅値上げを断念したことがあったと認識しています。同じことが起きないかどうかをこの後も注視すべき。料金をもう一回改定するのはとても難しいというのは十分分かっておりますが、値上げした後でのお客さんの動向が本当に想定したとおりになったのかどうかということは、是非検証していただければと思いました。

以上です。

○古城座長 次、長田委員、どうぞ。

○消費者委員会長田委員 今の札幌のところですけれども、松村先生がおっしゃったとおり、それが合理的な形なのかもしれないのですが、実際に3割以上の値上げになるところにジャスト乗っている方々にどう納得いただくのかというのはすごく大切だと思うのですが、この15ページの説明は、ふだん札幌に暮らして通勤や通学だけに使っているような方々にしてみれば、エアポートとかWi-Fiサービスが入りました。いや、私は関係ないと思うと思うし、自動改札、ICカードの乗車券のサービス開始。それは私たちのためでしたかと、正直申し上げたい気がします。鉄道会社のほうにとって、かなりのコストの削減になっているのではないかと。

最初に導入するときにはコストがかかるのかもしれないけれども、なぜそんなに自動改札やICカードになっていったのかというところは、そんなふうに思っていないと思います。乗車する人のためのサービスと、こんなに正面から言われたら説得力はないし、快速エアポートの指定席のグレードアップというのも、普段の生活には関係ありませんということになると思うので、ちゃんときっちり真面目に説明することというのは大切ではないかなと、この資料を送っていただいて15ページを拝見したときからずっと思っています。

もう一つ、この区間で通勤している方がいるとすると、通勤手当、どこもそうだと思いますけれども、一番安い料金でしかもらえないです。だから、御指摘があったとおり、もし地下鉄のほうが安いとなれば、会社はその料金での通勤手当ということになりますので、大きな影響があるということも、そうだろうと思います。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。

私は北海道によく行くのですけれども、札幌もよく行くのですが、旭川、道北、道東地区も毎年行きます。JRを使うことはほとんどないです。飛行機で行って、その後は自動車で2時間、3時間以上の移動ということになります。確かに、北海道の札幌以外の地域は営業距離と輸送人員からすると、鉄道事業というものが成立するのは大変難しい。むしろヨーロッパの国のように、車とバスが中心になるしかないのかなという状況だというのは非常によく分かるのです。

今回の値上げに関連してですが、経営戦略として、全体の道民の方の意識と、それから経営効率をアップさせて今後の赤字を減らしながら、新幹線等も導入して国際化に向けていくという流れの中で、今回の値上げは地元民の方の意思と合致していないように感じています。実際にパブリックコメント70件以上の中で、大方の方が反対の意見で、賛成はするけれども、札幌地域内での値上げについては不満があるという意見が大半を占めていたように思います。

その中でちょっと御質問させていただきたいのが、4ページにあるのですけれども、基本的に経営体質というか、経営の方向性について、平成27年に3年計画で1200億円の支援をしていて、これだと国が年間400億円近くの支援をしているのですけれども、この内容が経営改善にどの程度役立っているのかというのは、非常に疑問があります。今回、令和元年と2年にかけて、また400億円の追加融資をされるので、国としても北海道の方の足の質を高めるためにいろいろな苦慮をされていると思うのです。

このいろいろなアクションプランとか連携のところが、本当に住民の方の理解を得ながら進められているのかという点については非常に疑問に思っていまして、この400億円の支援がどういうふうに使われているのかというのは、一言でお答えしていただくのは非常に難しいと思いますので、具体的に6ページの関係者による支援協力というところで教えていただきたいのです。

右側に(1)(2)(3)(4)とあって、2年間で総額414億円という支援が考えられているのですが、1番目、利用者が少なくて持続的に維持する仕組みが必要な地域と、2番目の貨物列車の運行に必要。これは、具体的にどのような地域で、どれぐらいの支援の額なのかということと。

それから、4番目の経営基盤の強化に資する前向きな設備投資というのは、具体的にはどのあたりのことを想定されているのかということをお尋ねしたいと思います。

○澤田JR担当室長 ただいまの古賀委員からの御質問があった件、御説明させていただきます。

まず、平成27年当時に決定した、平成28年度から総額1200億円の支援というのは、JR北海道が安全面での事故を起こしたということを直接的な端緒としているもので、安全面を強化するための設備投資、修繕を中心として支援を行うという考え方でやっていたものでございます。

それに対しまして、今回、令和元年度、2年度で行う支援は、6ページにありますように、関係者による支援・協力の(1)から(4)を目的としているものです。

(1)に関しては、これはいわゆる黄色線区の鉄道施設、車両の設備投資と修繕を対象としており、地域の自治体と国で同水準ずつ支援していくという考え方でございます。

それに対しまして、(2)というのは、北海道というのは多くの貨物列車が走っており、本州と北海道の間は青函トンネルを使って、貨物列車で物資が運ばれています。貨物列車というのは、貨物を運ぶ重い列車ですので、線路や枕木が非常に傷んで修繕費がかさむという事情があり、それらの部分について支援するものでございます。

それから、(3)の青函トンネルに関しましては、非常に長大なトンネルであり、海底を通過している関係上、例えば、排水ポンプのような特殊な設備がありますので、通常のトンネルと比べても維持管理費の負担が大きいという観点から支援するものです。

それから、(4)の前向きな設備投資として、現時点では、例えば、新千歳空港アクセスのための車両の増備に伴う車庫や変電施設の増設。あるいは、観光列車として使用する多目的車両の製造が見込まれているところです。

(2)から(4)までで、金額としては2年間トータルで412億円を予定している状況でございます。

○古賀委員 ありがとうございました。

○古城座長 小浦委員、どうぞ。

○小浦委員 ありがとうございます。

御説明を聞きながら理解しようとしているところですが、一つ、今回の資料で、パブリックコメント、13日間という短い間の中で72件出されたというのは、北海道の方たちにとっては大切な足ということで、関心が高い表れなのだろうなと思います。特に、読んでいましたら、札幌の値上げに関するものも多くて、納得してJRを使い続けてもらうためには、ここで御説明されたように、もっと理解していただくような説明が要るのではないかということを感じました。運輸審議会の中でも、このパブリックコメントが紹介されたと思うのですけれども、これについて、更にどこか活かされているところがあったのかということと。

もう一つは、経営改善のことについて、6ページでも御説明されましたけれども、役員報酬の件に関して、ほかの企業でも役員報酬を削減しているという数字も出てくるのですけれども、今回の資料にはありませんでしたが、運輸審議会にはそういうデータは出されていらっしゃるか、教えてください。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 パブコメにつきましては、72件の非常にたくさんの御意見をいただいたということでございます。

その部分に関しましては、私どもへ運輸審議会の先生からも御指摘をいただいておりまして、御利用の方に対してはきちんと説明していかないといけない、分かっていただけるようなことはしていかないといけないということでありまして、私どもの方も、これが認可いただけるということであれば、併せてJR北海道にはそこはきちんと丁寧にお金を払っていただけるのは利用者ですので、そういう点では丁寧な説明をするよう、当然言い続けていかなければいけないと考えております。

○上手鉄道サービス政策室長 今、確認しておりますけれども、先ほど長田委員からもお話ありました利用者目線。これは今の御指摘とも非常に関係するのですけれども、実際に日々使っている方に少しでも御理解いただけるような説明をしなくてはいけないというのは、パブリックコメントを通じて明らかになりましたので、JR北海道の方にそうしたことが重要である旨を既に伝えております。

彼らも各駅において、こういう状況です、こういうことに取り組みますのでという広報活動もしているのですが、恐らくまだ十分でないところがあると思いますので、委員からの御指摘を踏まえて、より日々使われる方の目線に立って、こうした広報活動をするように指導したいと思います。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 役員報酬の件でございますが、資料4の21ページに総括原価の表が書いてございます。役員報酬については、人件費・経費という中に含まれますので、その中に入っておりますが、ここの部分については、基準コスト、適正コストということで算出いたしますので、そのままが積み上がっているということにはなっておりません。

○古城座長 査定しか認めていない。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 そういうことです。

○古城座長 よろしいですか。

○小浦委員 はい。

○古城座長 ほか、いかがでしょうか。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 質問ではなくて、要望になってしまうのですけれども、北海道の方に今回の値上げについて、どういうふうに感じるかというのをいろいろ平場でお聞きしたりすると、一つは、定期券がかなり上がるのが辛いということと。それから、札幌近辺の方は他のものに乗り換えたり、代替してしまうので、逆に値上げをしても改善されないのではないかという話をされています。

もう一つは、今後の経営力アップとして、新幹線に期待されて、札幌への延伸を考えていらっしゃるようですけれども、この経路が地元の方にとってみると非常に使いにくい経路で、しかも現在の新幹線というのは在来線との連絡がものすごく乗継ぎが悪くて、ほとんど使い物にならないという意見もあります。JR北海道さんの経営改善に向けた取組としては、札幌延伸の効果とか経営自立とか収益とか、外国人観光客も含めて新千歳のアクセスということをいろいろとしていらっしゃるのですけれどもね。

地元の方のそういう意見を、協議会を作って取組をされていらっしゃるということですけれども、パブリックコメントには緻密な分析まで含めた、これだけの反対意見が寄せられているということを鑑みると、国の支援も含め、もっと地元の中でのJR北海道さんと地元の方と関連の事業者の方たちとの間で、いろいろな話合いをする場を国交省さんからも積極的に呼びかけていっていただけるような方向で進めていただきたいと思います。

○古城座長 井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 先ほど小浦委員からのヤードスティックのところで、表現がよく分からないのですけれども、営業費もヤードスティックの対象品目ですか。22ページのフローを見ると、マル1、マル2、マル3、マル4とありますけれども、営業費はどこに入っているのですか。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 まず、ヤードスティック、基準コスト、適正コストの対象となりますのは、人件費・経費ということでございます。もともとは、どこからとってくるかといいますと、22ページの資料で各会社の決算のデータからそれぞれの数字を導き出すということでございます。ですので、会社の決算の数字は、人件費とか経費とか、そういう項目に分かれておりますから、費用をマル1の線路費からマル5の駅務費の5グループ化して、それぞれ以下にあるような形で導き出していくということです。

○井手座長代理 どこに人件費が入っているのでしょう。

○棚橋旅客輸送業務監理室長 線路費の中に人件費分と経費分が入っているということでございます。線路を保守するための人件費、線路を保守するための経費ということで、人件費・経費が入っている。以下、同様の形でございます。

○古城座長 いかがでしょうか。

まだ、御質問、御意見あるかと思うのですけれども、時間を超過しておりますので、ここで終了させていただきたいと思います。

国土交通省におかれましては、御説明いただき、ありがとうございました。

(国土交通省 退席)

○古城座長 次に、JR北海道を除く鉄道運賃の改定案について及びJR北海道の運賃の改定案について、それぞれ本日の議論の内容を集約した形で専門調査会の意見として取りまとめることにしたいと考えております。

事務局より素案をお配りしたいと思います。事務局は、資料の配付をお願いいたします。

(意見案 配付)

○古城座長 では、事務局より、意見案について、説明をお願いいたします。

○金子参事官 まず、追加資料1としてお配りしましたJR北海道以外のものについてから御説明したいと思います。

まず、1ポツですけれども、改定案の内容は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の観点から妥当であると認められる。消費者への分かりやすく丁寧な説明に努められたいということを述べております。

2ポツの理由のところでございますけれども、前回のバス・タクシーと同じでございまして、評価の観点としては、最初の

○にございますように、改定前の料金水準及び料金体系に著しく問題があるとは認められないかどうか。それがクリアされるということであれば、108分の110を乗じた料金の設定が行われているか、端数処理が合理的かつ明確な方法により行われているかといった検証に移っていくということでございます。

それについて、以下、二つ目の○、三つ目の○にあるように、それぞれ確認いたしましたという内容です。

2ページ目の二つ目の○以降が、前回、平成26年の消費税率を8%に引き上げたときからの宿題について、どういう回答があったかという内容でございます。

三つ書いてございますけれども、最初の(1)に書いてございます現金運賃と定期運賃等他の券種の料金バランスについては、下の○の(1)にございますように、今回、現金運賃が据置きとなるケースがあることから、前回と比べて、その差が改善していることが確認できました。

(2)の現金運賃回数券の消費税転嫁による料金引上げ幅に関しても、企画回数券とかポイント制とか、各社それぞれ努力されるということを聞き取った。

(3)のICカード運賃が現金運賃よりも高くなる場合の端数処理のあり方についても、今回、逆転するところが大きく減ったということを確認したという内容でございます。

○古城座長 まず、これにつきまして、御意見、御質問ございますか。

どうぞ。

○陶山委員 今日、全部やられますか。

○古城座長 全部やります。

○陶山委員 前回の意見案の確認も含めてありますので、もしあれだったら、予備日があるので、その日ということもあるのかなと思いましたが。

○古城座長 今のところ、全部やりたいと思ってやっています。

北海道を除いたものについては、よろしいでしょうか。それでは、これについては御承認いただいたということにします。

続いて、北海道についての意見案をお願いいたします。

○金子参事官 JR北海道については、追加資料2として配らせていただいております。

まず、結論のところから申し上げますけれども、最初の○でございますが、一部の区間においては運賃の値上げ幅が大きく、利用者の負担が大きいものであるけれども、妥当性を欠くとまでは認められない。

二つ目、三つ目の○のところで、後で述べますけれども、留意事項を幾つか付けさせていただいて、それについての対応状況について、しかるべき時期に国土交通省のヒアリングを含めた検証を行うこととしたいという結論としてございます。

2.理由のところでございますけれども、最初の(1)の経緯と書いてございますところは、冒頭説明ありました会社を取り巻く経営環境といったことを中心に述べているところでございます。

最初の○は、JR北海道のエリアは輸送密度が低い区間が多くて、更に人口減少等で輸送密度が減少していることや、経営安定基金の運用益も経済情勢の変化に伴って減少していることを述べています。

2ページ目の最初の○のところですけれども、JR北海道は、平成8年の運賃改定以降、料金改定を行っておらず、収入は引き上げた平成8年をピークに減少していること。他方で、人件費とか、本来であれば必要な修繕費、設備投資まで削減している状況にあること。

その次の○でございますけれども、そういう設備投資を削った結果、列車事故等が発生し、その後の監督命令等を経て、現在、必要な修繕費、設備投資を確保して安全の再生に取り組んでいる。その結果、大幅な経常赤字を計上することになっている。

次の○で、そういった大幅な経常赤字を踏まえて、監督命令を受け、会社としても長期経営ビジョン、中期経営計画等を立てて経営の改善に取り組んでいる中で、今回の改定案もその経営基盤の強化の取組の一つとして位置付けられていること。

その次の○では、鉄道運賃収入として、1年度当たり約40億円規模の増収を図るものである。国土交通省においても、需要の見通しについて適切に算定されていることを確認したという説明を我々が受けたという内容。

その次の○としては、パブリックコメント、運輸審議会での審議等について触れているところでございます。

(2)からが改定案について、我々がどう考えるかというところでございますけれども、考え方として、旅客運賃の上限を変更する場合には、適正な原価に適正な利潤を加えた、いわゆる総括原価を超えない範囲での改定ということを確認することになります。それを確認したということでございます。

次の○では、特に一部の区間で運賃値上率が3割超えとなるとか、定期運賃の改定率が普通旅客運賃よりも高いといったことで、一部の利用者の負担が特に大きくなるということについて述べているところで、従来の運賃では、7kmないし10kmの区間において距離比例運賃増加率を抑制していたという要因があるものを、今回是正することを確認したということでございます。

次の○で述べているのは、近距離利用者への負担が大きいという内容になっているので、その妥当性を検討する必要があるということでございますけれども、先ほど述べたように、従来、近距離が優遇されていたものを、今回、他の部分と平準化したという内容である。加えて、影響の大きい札幌圏を中心とする近距離圏では、相当な設備投資を行うこと。また、値上げ後の運賃についても、端的に言うと地下鉄でございますけれども、他の鉄道事業者の運賃と同レベルにとどまることを確認したということでございます。

加えて、次の○で述べているのは、そういう負担が大きくなる利用者への配慮は必要であるが、他方でJR北海道の収支を改善することが不可欠である。

次の4ページに移っていただきまして、先ほど述べた他の鉄道事業者との比較においても相当のレベルにとどまっているということ。加えて、るる述べておりますサービスの向上に努めるということであるので、妥当性を欠くとは認めることができないという結論にしたということでございます。

最後の○が消費税率の転嫁に係るところですけれども、これについても適切に行われていることを確認したということでございます。

留意事項として二つ付けてございますけれども、一つは、長期経営ビジョン等に基づく経営改善策についてでございますけれども、そういったものも含めて、最大限の経営努力が行われることが重要であって、それが行われているかということを国土交通省において取組を丁寧に検証し、その確実な実施のために必要な指導、助言を行うべきであるということを述べています。

二つ目の○としては、特に値上げ幅が大きい区間があるということに鑑みて、丁寧な情報提供・説明を行っていただきたいという内容としてございます。

以上でございます。

○古城座長 以上の説明につきまして、御質問、御意見ございますか。

長田委員、どうぞ。

○消費者委員会長田委員 最後の4ページの、先ほど私が申し上げたエアポートの毎時5本化やWi-Fiの提供、各種の利用者サービスに努めるとおっしゃったことまではいいのですけれども、それはそんなに納得感がないので、表現をちょっと変えていただきたいです。

○古城座長 取れということ。

○消費者委員会長田委員 皆さん、どうでしょうか。

○陶山委員 そこは利用者が希望しているサービスではないように、パブリックコメントを読む限りでは思います。

○古城座長 分かりました。

○陶山委員 あと、よろしいでしょうか。

○古城座長 どうぞ。

○陶山委員 3ページの下から二つ目の最終の2行ですが、「他の鉄道事業者の運賃の同レベル相当にとどまる」というところですが、資料4の13ページですけれども、改定後は明らかに改定運賃のほうが上回っていますので、大丈夫でしょうかと思います。言い切ってしまっていいのでしょうか。通学定期も、一定キロ数を超えたところは上回ります。15km程度のところから上回っていますので、同程度、競合のところを非常に心配されているのはよく分かります。

○古城座長 「相当」という言葉でごまかしているのですけれどもね。

あと、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、4ページのサービス向上に努めることとしていることから、値上げが認められるというのは、今、反対意見がございましたので、これは削除するか、文章をもう少し適切にするか、座長にお任せいただいてよろしいでしょうか。

○消費者委員会長田委員 はい。

○古城座長 それから、今のところですけれども、御意見の趣旨、よく分かるのですけれども、結局、値上げしても、地下鉄より大幅に上がるわけじゃないというのを言わないといけないので、この表現を入れたのです。ちょっと割高になるというのはそうですけれども、うんと割高になると妥当性の問題があるということになるので、それを入れたくて入れたのです。確かにおっしゃるように、ちょっと高くなっている。それに対応するために「相当」という言葉で、厳密に同レベルじゃないけれども、ということです。そこは、今のところ、このままでどうかと思っております。

今の2点をお含みいただいて、私に任せていただいて。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 時間が迫っている中、すみません。

2ページ目の三つ目の○ですけれども、ここは今後のいろいろな中期計画や長期ビジョン等が盛り込まれている。「本改定案も、この経営基盤の強化の取組の一つとして位置付けられている」。ここにこういうことを入れている意味がよく分からないというか、今回の値上げについての意見なので、細かいことですけれども、「本改定案も、この経営基盤の強化の取組の一つとして位置付けられている」、この部分がよく分からないのです。この改定案は、もう少し緻密に客観的な評価を言ったほうがよいように思います。

○古城座長 そのとおりなのですけれども、料金だけで収支を償うということになっていないわけでしょう。ほかの支援も当て込んだ上で、ここではこれだけやりたいという趣旨で上がっているのですよということを言うために入っているのですが。

○古賀委員 そういう流れなのですね。

○古城座長 そういうつながりです。

○古賀委員 それと、すみません、一番上の1行目、2行目ですけれども、「自動車の保有状況の上昇等の事情の変化」。これを入れることにあまり意味を感じないのですが。

○古城座長 自動車交通へのシフトがあるという。

○古賀委員 道内ではやむを得ず自動車を使っている地域が非常に多いわけなので、自動車を保有しているので輸送密度が減少しているというのは少し違うように思います。

○古城座長 でも、一般的に自動車の保有台数が多いと、みんな車に乗るから、バスや鉄道の需要が減ってしまう。

○古賀委員 という意味になるのですか。

○古城座長 そういう意味で書いてあるのですが。もっと細かく言うと、札幌は前回の運賃改定から保有台数が1.8倍増えているのですね。確かそうでしたね。相当増えているから、なぜ需要が減っているのですかという最大の理由は、自動車へのシフトでしょう。人口減もあるのですけれども、そういう文脈で書いてあるのですが。

○古賀委員 分かりました。

○古城座長 はい。

○陶山委員 先ほどの料金のところですが、レベル相当にとどまることを理由に妥当だと説明したということですが、ただし、今後の競合状況については、慎重に対応すべき等の意見を加えることはできますか。

○消費者委員会長田委員 3ページのところは国交省の説明で、4ページにそれを加えないといけないと思います。

○陶山委員 ごめんなさい。本改定について説明。

○消費者委員会長田委員 4ページの一番上の、さっき私が申し上げたサービスの一番最初の2行目に同じことが書いてあるのですけれども、そこの表現の話になるのではないかと思われます。

○陶山委員 じゃ、そこをちょっと検討していただけるといいなというのと。

もう一つは、今後も丁寧な情報提供・説明を行うべきであるということですが、情報提供と説明を一方的にするだけじゃなくて、利用者との意見交換なりコミュニケーションをしっかりとっていかなければいけないのではないかと思いますので、そういった書き方を加えていただけるといいかなと思います。

○古城座長 今の点は、全て対応していきたいと思います。

ということで、お任せいただいてもよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○古城座長 ありがとうございます。

≪4.消費税率引上げに伴うバス運賃・タクシー運賃の改定案に関する意見の取りまとめについて≫

○古城座長 では、もう時間が押しておるのですけれども、強引に。次、前回御審議いただいた消費税率引上げに伴うバス運賃・タクシー運賃の改定案につきまして、意見の取りまとめについて、もう一度議論を行います。

初めに、前回の会議で出された国土交通省への質問事項に対する回答について、事務局から説明があります。その後で、お手元にお配りしております、これまでの議論を踏まえた意見案について、続けて説明を行います。

事務局からお願いいたします。

○金子参事官 まず、前回御指摘いただいて持ち帰って、次回回答としていた3点についての回答をさせていただきます。いずれもバスの運賃改定についてでございます。

最初に、今回の転嫁の計算の仕方として、108分の110を掛けるやり方に加えて、1回前の5%の時代に戻って、5%のときの税抜き価格から100分の110を掛けるという二通りのやり方を認めた経緯ということでお尋ねがありました。

これに対する回答ですけれども、今回、5%のときから、8%、10%と2段階に分けて消費税率を引き上げるというのがスケジュール化されて、特にそういう小刻みな税率変化であるときに、少額運賃、端的に言うと170円以下のときになるわけですけれども、単純に5%から8%に一気に上がるのであれば、10円上乗せするのが適切であるところを小刻みに計算することで、2回とも端数の切捨てという形で170円にしかならない、適切な転嫁ができないようなケースが想定された。そういうことで、代替的な計算方法を認めたということでございます。そのうち、どれぐらいの事業者さんがそれを選ばれたかということですけれども、対象15社のうち11社が、この後者の5%のときにさかのぼって計算する方法を選ばれているということでございます。

二つ目の点ですけれども、これは特にバスの経常収支率に関するものですが、タクシーの経常収支率については、適正利潤を加味した経常収支率が示されていたところ、バスについては、適正利潤を除いた経常収支率が示されていたので、適正利潤を込みにしたときにどの程度下がるかというお尋ねでございます。民営バス9社の平成29年度の平均値ということでございますけれども、102.5という回答をいただいています。ですので、おおむね100前後の水準ということでございます。

加えて、会社によってばらつきがある点についても御指摘ございましたけれども、各社、それぞれ要因があるので一概には答えられないということであったのですけれども、それぞれの輸送人員の変動とか各社の経営判断、経営努力等、それぞれに応じて差が出ているものだろうという回答でございます。

それが前回からの御指摘への回答ということでございまして、それを踏まえて、バス・タクシーにそれぞれどういう意見を述べるかということでございますが、前回、宿題になっていたのは、特に理由のところで、同じ単純転嫁のものであるにもかかわらず、説明の書き方に違いがあるのもということで、統一しようという話になったということでございます。具体的には、両方の資料の理由の二つ目のところ、国土交通省からということでございますけれども、説明がなされ、専門調査会においても、国土交通省からの説明に照らすと、著しく問題があるとは認められなかったという言い方に統一したというのが修正点の一つでございます。

もう一つは、バスの留意事項のところでございますけれども、二つほど書いたということでございます。

一つは、現金運賃の切上げを認めることについて、個々の現金運賃の利用者の負担にも配慮する必要があるという意見があったということを加えましたということでございます。

もう一つ、分かりやすい周知のところも表現ぶりを少し変えておりますので、説明いたしますと、ICカード運賃と現金運賃とで引上げ幅が異なることについて、利用者にとって理解が得られるような周知の実施を徹底していくことが重要という言い方に、表現ぶりを少し適正化しております。

以上でございます。

○古城座長 バスにつきまして、いかがでしょうか。御意見、御質問ございますか。

はい。

○陶山委員 留意点を書き加えていただいて、ありがとうございました。

今日、現金運賃と差額の不利益の部分をどうやってなくしていくかということで、鉄道のほうで出されていた回数券とか。あと、子供の現金運賃ですが、現金運賃は切り上げて、また10円単位で切上げになっていきますね。二重の切上げがなされるので、子供の現金運賃は10円単位での切下げることも検討の中に入れて配慮するということを、具体的に対策として書き加えることはできないかなと思います。御検討いただければと思います。

○古城座長 それは、細かいので分からないので、事務局と相談してくれますか。

○陶山委員 今、言っていることですか。

○古城座長 ええ。それで、バスはいいですか。

では、次、タクシーはいかがでしょうか。では、タクシーはこのままで承認していただいたということで。

すみません、皆さん、審議を急かしてしまって。もうちょっと議論したかったと思うのですけれども、ともかくこれで終わらせるという議事方針でやらせていただきました。

はい。

○陶山委員 この間、議論の効率化とか議事の進め方効率化ということで御配慮いただいているのだと思いますが、事前の資料と合わせて、ヒアリングを行う前に事務局のほうから、この調査会の意見(案)も一緒に配付されるということがずっと続いているのですけれども、こういうものがあまり極端に進んでいきますと、この調査会の在り方自体、どうなのかなとちょっと感じることもあります。今日もどちらかといえば、このJR北海道の値上げについては、事業者のヒアリング等も含めてやったほうが、よかったのではないかなと思いました。進め方として、少し御検討いただければと思います。

○古城座長 御指摘のとおりだと思います。質問して、次回にちゃんと意見を用意すべきだったと思いますし、そういうふうに本来やるべきですけれども、ともかく担当官庁とかの打合せが押して、準備が整わなくてこういうことになってしまって、申し訳ないと思います。それは、御指摘のとおりだと思います。改善に努めます。

どうぞ。

○古賀委員 今の点、陶山さんと同じ意見です。


≪5.閉会≫

○古城座長 そのほか、事務局から連絡事項ございますか。

○金子参事官 本日も長時間にわたりまして御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回については、確定次第、御連絡ということにさせていただければと思います。

以上でございます。

○古城座長 本日は、これにて閉会とさせていただきます。時間が大幅に延長いたしまして、御迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。

お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)