第53回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2018年11月9日(金)9:59~12:03

場所

消費者委員会会議室

出席者

【専門委員】
古城座長、井手座長代理、小浦委員、古賀委員、白山委員、陶山委員、松村委員
【消費者委員会担当委員】
長田委員
【説明者】
株式会社ミツウロコヴェッセル 今宿取締役営業統括部長
生活協同組合コープこうべ 益尾電力タスクフォース統括
生活協同組合コープこうべ 大谷電力タスクフォース係長
北九州市消費者団体連絡会 原田事務局長
【消費者庁】
高島審議官、太田消費者調査課長
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官、消費者委員会事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 電力小売自由化後の事業環境に関するヒアリング
  3. 電力小売自由化に関する消費者団体ヒアリング
  4. 電力小売自由化に関する物価モニター調査結果
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂田参事官 多少時間が早いのですが、皆様おそろいのようですので、始めたいと思います。

本日は皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第53回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用により山内委員、消費者委員会担当委員の蟹瀬委員が御欠席との御連絡をいただいております。

まず、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

議事次第に配付資料一覧を記載しております。お手元の資料にもし不足等がございましたら、事務局まで申し付けいただきますようお願いいたします。

なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録についても後日、公開することといたします。

それでは、古城座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.電力小売自由化後の事業環境に関するヒアリング≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

本日の最初の議題は「電力小売自由化後の事業環境に関するヒアリング」です。

初めに、株式会社ミツウロコヴェッセルの今宿秀史取締役営業統括部長より、「経過措置料金撤廃に対する意見」について御説明をいただきたいと思います。

それでは、御説明をお願いします。20分程度でお願いいたします。

○今宿取締役営業統括部長 御紹介いただきましたミツウロコヴェッセルの今宿でございます。

本日は、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、資料にのっとって説明させていただきます。

お手元の資料1を御覧ください。まず、1ページ目ですが、私どもミツウロコグループの電力事業について簡単に説明させていただきます。

私どもはライセンスを2社で取らせていただいております。グループの中で2社、株式会社ミツウロコヴェッセルとミツウロコグリーンエネルギー株式会社です。2社に分かれている理由は、ミツウロコグリーンエネルギー株式会社が再生可能エネルギー電源を日本各地で持っておりまして、この電源を中心に、高圧のお客様を中心に販売している事業を展開させていただいております。

私どもの株式会社ミツウロコヴェッセルは逆に、低圧電力を中心に販売しております。

御承知の方もいらっしゃるかもしれませんが、もともとミツウロコはなりわいとして、練炭・豆炭を明治期から続けさせていただいておりまして、今は主力がLPガスの事業を営んでおります。全国で80万世帯ほどの需要家にLPガスを供給しておりまして、その需要家に対して電力も併せて供給していくという方向で事業展開をさせていただいております。

続きまして、2ページ目でございます。経過措置料金撤廃に関する意見として、3点挙げさせていただきました。経過措置料金の撤廃は、私どもも必要だと考えてはいるのですけれども、課題があると感じております。下記課題の解決がなされなければ、2020年3月末の撤廃は時期尚早ではないかと考えております。

まず、1番目としまして、市場開放率の低さがあると思います。規制なき独占に陥ることを防ぐため存続している経過措置料金を撤廃するには、まだまだ市場開放率が低く、需要家への周知も浸透し切っているとは言えないと思っております。

2番目に公正な競争環境の実現が必要だと思っております。電力自由化の目的は、様々な事業者が参入することにより競争を活性化させることにありますが、公正な競争環境がなければ、それは実現できないと思っております。現状では、イコールフッティングがなされていないのではないかと感じております。

3番目としまして、需要家保護の対策が必要だと思っております。経過措置料金撤廃により、いわゆるガイドライン、比較基準を失って、需要家が混乱する事態は避けるべきではないかと思っております。

以上3点に関して、少し細かく見させていただきます。

市場開放率の低さは、もう皆様も御承知のとおりでございますが、左下の箱に書かれておりますとおり、エリア別のスイッチング率が北海道と東京電力管内、関西電力管内を除くと、非常にばらつきがございます。特に東北、北陸、中国、四国に至っては、5%にも達していないというような開放率でございます。これは低いレベルの中で、牙城となっている電力会社がなかなか営業展開を許してくれない。それがあるのではないかと思っております。

右下の箱は、2016年12月末時点で登録のあった小売の営業地域区分の推移でございます。紫色が、例えば東電、中電、関電、東北電力というような4地域以上を供給している小売電気事業者。緑が2から3地域で、赤が1地域、青が実績なしとあります。複数地域にわたって営業展開している会社がまだまだ少ない。1地域のみ限定でやっている新電力が多い。これは何を意味しているかというと、先ほど申したとおり、北陸電力や中国電力というところが、開放してくれるような動きをなかなかしていないからではないかと考えております。

あとは、マル2の公正な競争環境の実現に関して、ここがなされていない、実現されていないのではないかと思っております。このグラフが、右の軸が負荷率です。負荷率が0%から70%まであります。縦のラインが落札価格です。見てのとおりなのですが、上のほうにある黄色のゾーンが新電力の落札した価格で、下のグリーンのポイントが旧一電の落札価格です。実に11円から8円と、3円ほどの差があるのです。そういった安い電源にアクセスできていないのが現状だと思っております。

旧一電のベースロード電源をベースとした価格では、新電力は太刀打ちできないのが現状です。また、旧一般電気事業者による競争力ある電源の市場投入がなければ、競争力ある料金メニューの開発は、新電力にとっては困難ではないかと思っております。

ちなみに、このグラフは全国の入札実績から拾っております。

マル3に進ませていただきます。需要家保護の対策ですが、比較基準となる料金体系がなければ、需要家に混乱を招く可能性がございます。特に低圧電力では、経過措置料金、主に従量電灯B・Cを基準とした場合の削減メリット、何パーセント安くなりますというような提案が今は一般的でございます。

この経過措置料金が撤廃された場合には、何パーセント安いというところが分かりづらい。何をもって基準にしていいのかというのが、消費者というか需要家からは見づらいのではないかと思っております。

皆様も御承知だとは思うのですけれども、ウエブサイト、比較サイトでは、基本的には旧一電の電力料金から何パーセントということで、新電力の順位付けがされております。そういった形でガイドラインというか基準料金的なものがなければ、何に対して安くなっているのかが分かりづらいのではないかと思っております。

■の2つ目ですが、経過措置料金撤廃によって1段階料金値上げの可能性はあると思っております。新電力の多くは高使用量ユーザーをメーンターゲットとしており、1段階料金を低廉に供給しているケースは少ないです。

矢印の2つ目ですが、生活必需的部分である1段階料金の値上げの可能性が生まれることは、高福祉社会実現の妨げとなるのではないかと思っております。

最後になりますが、私どもの要望としますと、マル1電力自由化に関する国主導でのより一層の周知をお願いしたいと思っております。もう少しローカルな地域が関東、関西レベルのスイッチング率に達するレベルまでにならないと、規制料金の撤廃をするのは時期尚早ではないかと思っております。この周知をお願いしたいと思っています。

マル2としましては、公正な電源アクセスを実現されるための監視体制の構築をお願いしたいと思っております。

マル3、経過措置料金に替わる小売電気事業者共通の比較基準の設定。諸外国の料金体系等でも構わないのですけれども、この辺がなるべく望ましい料金体系ではないかというものを国主導でガイドライン設定していただければ、それに対してどれだけ頑張るかというような新電力の料金が提案していけるのかなと考えております。

甚だ私どもの意見ばかりで恐縮ではございますが、ミツウロコヴェッセルの意見として御説明させていただきました。ありがとうございます。

○古城座長 簡潔な御報告をありがとうございました。

それでは、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。

前の名札を立てることによって、発言をお知らせください。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 非常に分かりやすい御説明をありがとうございました。

資料7ページの要望に挙げられているマル1とマル2についてお伺いしたいと思います。

マル1について、関東地域、関西地域と同様のスイッチング率に達するレベルまでという書き方がされているのですが、関東、関西についても常に動いていて、伸長していくとは思っています。これは一定の数値基準などということはイメージされていますでしょうか。それとも、全国が同等水準にということでおっしゃっているのか、まずその1点。

マル2について、監視体制としては、現在、電力・ガス取引監視等委員会があって、点検をしておられるわけですけれども、それとはまた別に違う体制あるいはもっと違う視点から、そういった監視をしていくことが必要だとお考えになっていらっしゃるのか、その2点をお伺いしたいと思います。

○今宿取締役営業統括部長 ありがとうございます。

まず、1番目に関しましては、ちょっと古い資料ですけれども、現状のレベルが13.9%、13.1%。このレベルを超えるようなイメージを持っております。15%程度は一地域でスイッチングが行われているといったレベルがあればいいのかなと思っております。

○陶山委員 現在、いろいろな消費者調査が行われていまして、様々な数値を拝見することができるわけですけれども、地域においてもスイッチング率が既に13%を超えているというような調査結果が出たりしているのも見たりするわけです。その状況は見ていらっしゃいますでしょうか。

○今宿取締役営業統括部長 この表は、件数ベースのスイッチング率なのです。委員がおっしゃるのは量や高圧といったところを含めてではないでしょうか。

もしそうであれば、私の考えはそうでなくて、いわゆる一般家庭の電灯という意味ですので、件数として15から20%というスイッチング率が求めたいなと思っている率でございます。

2番目は、5ページにありますとおり、これが実態の入札結果なのです。例えば負荷率で20から30%、多くの高圧のお客様がここにゾーンがあると思うのですけれども、それが旧一電によると、8円台とかいうビットをされているのです。我々は8円台を出せるかというと、正直言ってそんな電源はないです。よほど市場の安いときの単価だけを拾って、えいやで出すのであればいいのですけれども、そんな事業モデルであると真っ赤になる可能性もあるので、そんなことはできないというのが現状なのです。

そういう意味では、旧一電は、出せるということは、電源を持っていらっしゃるから出せるのだと思うのです。そうであれば、そういったところの電源に対して、アクセスは何でさせてくれないのだろうかというところが私どもの疑問点ではございます。

○陶山委員 ありがとうございました。

○古城座長 この差は、御説明があったベースロード電源にアクセスできるかどうかの差だとお考えなのですね。

○今宿取締役営業統括部長 はい。

○古城座長 松村委員、どうぞ。

○松村委員 ミツウロコグループはある意味パイオニアで、いろいろなユニークなアイデアも示してくださっていて、ぜひお話を伺いたかったので、今日お話を伺う機会をいただけてとても幸せでした。

にもかかわらず大変申し訳ないのですが、私には受け入れかねる主張が何点かあった。まず、関東・関西地区と同様のスイッチング率に達するレベルまではという主張は、私は反対です。

この主張をまともに読むと、経過措置の撤廃は全国一律ではなく地域ごとにやることになっているので、そうすると、関西と関東は撤廃してもいいけれども、ほかの地域は駄目と言っているようにも見えてしまう。13%とか15%程度の新規参入者率、もちろんこれはスイッチング率なのでマーケットシェアはもうちょっと大きくなるかもしれないのですけれども、その程度で撤廃してもいいのかという点に関して、私は二つの点で心配しています。1つは、現状そうだったとしても、これが本当にサステーナブルかどうかという点。もうひとつは新規参入者のスイッチング率が15%、ボリュームが大きいところを取っているから仮にマーケットシェアが20%ぐらいだったとしても、マーケットシェアは80%を既存事業者が持っているわけですね。それで十分コンペティティブだから安心ですよと言ってもいいのかということは、私は心配に思っていて、私はこの主張は、そういう意味で怖い気がしている。

恐らくミツウロコは、関東・関西はもう安心だけれども、ほかの地域は経過措置を継続すべきというつもりで言っているのではないと思っているのですけれども、この資料からするとそう読み取られかねないので、本当に真意はそれでいいのかという点を確認させてください。

○今宿取締役営業統括部長 ありがとうございます。

2点申し上げたいのですけれども、これは私どもの誤解があって、まず、規制料金撤廃は全国一律同時期に行われるものだと思っていましたので、これは持ち帰って、もう一度意見を考え直してきます。

○委員 結果的にはそうなるかもしれないのですが、地域ごとに解除されるという可能性もある。

○今宿取締役営業統括部長 分かりました。

それと、松村先生のおっしゃったところなのですけれども、もう一つ私どもでコンフュージョンしていたのが、スイッチング率ではなく、自分たちで自由に電力会社、ガス会社を選べるのだよという認知度が高まっている地域と高まっていない地域があるというところを言いたかったのです。それをスイッチング率と掛け合わせて発言してしまいました。

そこは、むしろ考え方とすると、認知度がしっかりと高まっているというところを求めたいと思っております。

認知度をはかる尺度がなかなか難しいかもしれませんが、それを一つのスイッチング率ではないかという考え方で考えていました。

○松村委員 認知度は確かに重要だと思うのですが、仮に認知度が90%、自由化されているということ自体は知っているという人が仮に9割になったとして、それだけで経過措置をなくしてもいいかは心配しています。認知度が低いうちに撤廃するのは酷いのではないかというのは確かに御指摘のとおりだと思うので、何らかの形で組み込むべきだと思いますが、十分条件かどうかは別問題。スイッチング率と一緒に言われたことはむしろ間違っていないのではないかと私は思っています。

他の意見を言わせてください。公正な競争環境の実現というのは確かにそのとおりでして、御指摘になったことはよく理解しました。

次に、需要家保護というのも、混乱を避けるべきというのは確かにそのとおりなのですが、基準となる価格がはっきりしていないと困るというのは、新規参入者の言い分としては分かるのですけれども、例えば定価みたいなものがないと、定価から何割引かが分からないから定価をつけてもらわないと困るとかいう話とよく似ている。新規参入者の気持ちはとてもよく分かるのですが、現状でも、それが理由で経過措置があるのではない。消費者の保護は規制なき独占で価格を上げられるだとか、不当な条件が押し付けられないかということを心配しているので、これが理由だとすると、本当に消費者保護のために必要だという議論になるかは疑問。

それから、3段階料金で1段階が引き上げられるのではないかという御不安は確かにあり得ると思いますが、まともに受け取ると、新規参入者は需要の相対的に大きいところを取っているという御説明があったわけです。第1段階のところのウエートが大きいのは比較的消費量の少ないところで、そのところの料金を下げるべきだ。それは社会福祉的な意味があるというのは、文字どおり解釈すると、社会福祉的なものは既存の一般電気事業者の負担で行ってくれと言っているように聞こえる。新規参入者は、社会福祉的なものは負担しないで入りたいと言っているように聞こえてしまい、もしそうだとすると、むしろイコールフッティングという発想に反するという批判を受けかねない。

ただ、今、私が言ったことは明らかに間違いだと思うのですけれども、間違いだというのは、イコールフッティングでないというところに関して、御指摘のとおり他のところでイコールフッティングでない巨大なハンディキャップがあるので、その程度のことでアンフェアだと大騒ぎするのはおかしいというのは十分に分かってはいるのですが、この理屈がこの撤廃を議論するところで受け入れられるかどうかというのは疑問。もしこの議論があるとすると、もう少し別の理屈でないとまずいような気はしました。

余計なことでしたが、コメントでした。以上です。

○古城座長 ありがとうございます。

後はいかがですか。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明どうもありがとうございました。

御要望の一つである、3番目の「比較基準の設定」についてお尋ねしたいのですけれども、消費者としては、今の電力会社からスイッチングしたり、電気代を変えたいときに、前年同時期に比較して安くなるのかという具体的な比較をしたいということが1点あると思うのです。

もう一つは、同じような条件、使用量において、他社と比べて希望の会社がどの点で有利であるかどうかというのもスイッチングを考える基準となると思うのです。

これは松村先生もおっしゃいましたけれども、メルクマールのようなもの、今、経過措置の間は規制料金がその役割を果たしていると思うのですけれども、経過措置が撤廃された後に、比較基準というのも、非常に難しいと思うのですけれども、例えば全国調査をして、何カ月単位でどこそこの基準が高いので、大体これぐらいというように、ある意味プライスキャップのような考え方をするとか、そういうことについてお考えになっていらっしゃることはあるのでしょうか。

○今宿取締役営業統括部長 基本的に、そこを突っ込んで社内でまとめたということはないのですが、諸外国に対して、日本の電力料金が高いというのは、かなりいろいろなメディアでも言われていると思います。

なので、諸外国の料金、もちろん環境は全然違うのですけれども、そこを目指して安くしていこうというのが一つの電力自由化、エネルギー自由化の目的だったと思っております。

そういう意味では、例えば欧米はこんな価格、中国はこんな価格だというのがもう少し明示されるといったところから、日本国としてあるべき電力料金、日本国と言うとちょっと大げさですけれども、地域としてあるべき電力料金が設定されていくのがいいのではないかと思っているのです。

使い方、使われ方によって電力料金は当然変わりますし、時季でも変わっていくというところで、お客様からすると、例えば新電力のA社よりもミツウロコは安いよと言っても、それが現実にどうなのか。例えば5月は安かったかもしれないけれども、翌月は高くなるかもしれないというところが、如実に表れない、見えないというところがどうしてもあるとは思うのです。私どもとしては、そこをかなり危惧していて、そういう意味では、一定のガイドラインがあったほうが分かりやすいのではないかと思っております。

○古賀委員 そうしますと、ある程度の料金の指標のようなものがあると、消費者の保護にもなるし、事業もやりやすいというようなことでしょうか。

○今宿取締役営業統括部長 そうですね。

○古賀委員 5ページは非常に重要なところだと思うのですけれども、これは全国平均で御社が作られたグラフですか。やはり御社においても、落札平均単価というのはこのような新電力の平均と同じような形で今、やっていらっしゃるということでよろしいのでしょうか。

○今宿取締役営業統括部長 そのとおりでございます。

ある程度の単価条件でないとビットを出せないので、どうしても負けてしまうという現状がございます。

○古賀委員 託送料金なのですけれども、託送料金が事業の中で占める割合は非常に高いと思うのですが、そういったものについては今後の対策としてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

現状、高いと感じていらっしゃるとか、そんな単純なことでも結構です。

○今宿取締役営業統括部長 高いと感じています。

○古賀委員 これ以上、上がることがあると、なかなか厳しいということですね。

○今宿取締役営業統括部長 そうですね。

○古賀委員 ありがとうございます。

○古城座長 白山委員、どうぞ。

○白山委員 ありがとうございました。

少々お伺いしたいのは、消費者行政云々というよりも、株式会社ミツウロコグループホールディングスの観点でどういうことをお考えになっているのか、生の声をお伺いしたいのです。

先ほどの要望のところで、マル1でスイッチング率というよりも認知度だというお話がございました。それは、参入しようとする市場で当然認知度が必要というのは市場参入条件としてはあるのですが、実際のところ、例えばミツウロコグループがある地域に投資の意思決定をしていく場合に、やはりヒト・モノ・カネを投資していかなければいけないですから、どういう条件がそろえばマーケットに参入していくかという点が重要であると考えておりまして、認知度が高まるだけではないのではないかと思うのです。そうすると、その辺で何か弊害になっている現実的な論点というか、企業を経営されているお立場として、どういうところが実際のところ弊害になっているのかをお伺いいたしたく思います。

今般の要望の内容が、やや目線が高過ぎるような感じがして、一企業のお立場としてはどのような感じなのかというところを、せっかくの機会ですのでお伺いできればと思うのです。

○今宿取締役営業統括部長 ありがとうございます。今、実際に営業活動をさせていただいている中で、私どものグループを合わせてなのですけれども、電灯、動力合わせて8万件を超えるレベルにはなってきているのです。

ただ、思っていたほど伸びない。その原因は、認知度もあるのですけれども、やはり営業活動できるマンパワーも少ないというところがございます。

実際に今、ミツウロコのなりわいとなっているLPガスがあるのですけれども、LPガスに従事している人間が関東、東北が非常に多くて、関東・東北エリアに関しては営業活動できる。要は、対面営業しないとなかなか伝わらないしスイッチングも起きませんので、そういったところでは、しっかりと獲得はできているのですけれども、ほかのエリアとなるとなかなかできかねるのです。これが実際の現状でございます。

もっとお客様からも、ポジティブに変えたいといった、電力は変えられるのだよというところが、まだエリア的には少ないのではないか。もちろん説明はするのですけれども、こちらから行って、言い方は悪いのですけれども、押し込まないとなかなか変わってくれないというのが現状ですので、そういった意味ではまだまだ認知度が少ないのではないかと思っております。

○白山委員 非常に生々しいお話で、大変によく分かります。

既に既存の営業所があるとか人材の投資が進んでいるとか顧客基盤があるとか、そういうところは比較的、対面販売でやりやすいけれどもということですね。

もう一点お聞きしたいのは、今、何もないというか、マーケットシェアも高くないし、例えば営業所の投資もしていないし、人材も当然そこにはいないというところにもしミツウロコグループとしてここに投資していこうというふうに意思決定するとき、何かキーになる部分というのは、現実に経営していく場合でどのようなところがございますか。

今、この点が課題なのですとか、そこへ投資の意思決定をしていく弊害を上回るメリットが感じられないので、弊害ばかりですとかなど。そこは何なのでしょうかということをお聞きしたいのです。

弊害でもいいのですけれども。

今回のヒアリングの趣旨と外れてしまうものですから、突然の質問で申し訳ございません。そこら辺が、実際のところどうなのだろうというところが非常に気にはなっているところでございまして、一企業側、供給側というか業者側のほうからして、どういう弊害があるのかというところの生の声をもし聞ければなと思いました。

○今宿取締役営業統括部長 弊害といいますか、電源に対するアクセスがなかなかないというところがありますので、実際のいわゆる自治体の入札などで負け続けているというのが現状なのです。

私どものグループ会社のミツウロコグリーンエネルギーのほうでは、それなりに高圧を増やしてきたのですが、ここ2から3年、微減が続いていまして、あるエリアでは、3分の1とか4分の1になってしまっている。

そうすると、高圧の商売があれば、それに併せて低圧も取っていくということができるのですけれども、それが今、できかねているというところも正直ございます。

○白山委員 あと一点だけいいですか。

それは今の自治体の話とかですと、契約がどうしても公平性の問題から一般競争入札にならざるを得ないとか、価格の影響ということですか。

○今宿取締役営業統括部長 自治体の入札は完全に価格だけです。

あとは、そういった自治体に対しての供給があれば、その接点をもって他を増やしていくことができるので、人的投資ができると思うのです。それがどんどん減っていってしまっているので、なかなかそのエリアにも突っ込んでいけない。むしろ、撤退しなければいけないという状況にあります。

○白山委員 ありがとうございました。

○古城座長 陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 需要家保護の対策として、比較基準の設定ということで、これは国主導のガイドラインの設定が必要ではないかという御意見だったわけですけれども、現状の比較サイトについての6ページの説明のところで、旧一電に対してどうかというような情報の提供が中心になっているということではありましたけれども、この比較サイトの限界をどう見ておられるか。あるいは、もし国主導のガイドラインができないとすれば、比較サイトに対して今後、どのようなことを要望されるかという2点について、今、どうお考えなのかを教えていただきたいと思います。

○今宿取締役営業統括部長 まず、経過措置料金は撤廃後にガイドラインも何もなくなるという状況ですね。

そういう意味では、それこそあの電力会社よりは安いというような、いわゆる数値的根拠がない中で営業活動するような新電力が現れてくるのではないかといった危惧を持っております。

どうしても電力のことなので、消費者は電力料金がどうなのと言われても、なかなか分かりづらいというところがあるとは思っております。私どもが営業活動している中では、東電に比べて幾ら安いのかとか、ずばりそれを需要家からは聞かれます。具体的に何パーセントと言うよりも、年間で幾ら安いという言い方でかなり要望が多いのは事実でございます。

そういった意味では、規制料金がなくなってしまうと、何らかの次の基準尺度が要るのではないかという思いではあります。

○陶山委員 私の質問の仕方がまずかったと思うのですが、今、スイッチングするとき、消費者は比較サイトを見て変えるというケースも多いわけですけれども、現状の比較サイトへの評価と、今後に対しての要望についてお持ちであれば教えていただきたい。

○今宿取締役営業統括部長 まず、比較サイトなのですけれども、正直、私どもも利用はさせていただいております。回答がずれてしまうかもしれないのですけれども、実際に比較サイトから私どもを選択していただける消費者の数と、対面できちんと営業して、私どもを選んでくれるお客様の数が何対何かと申しますと、1ないのです。1対9以下なのです。比較サイトから入ってくるお客様は、ほとんど今はいません。

そういった現状がありますので、正直、他の新電力が使われているから、どうしても使ってはいるのですけれども、比較サイトに対しては、そんなに私どもは期待していません。そういう現状です。

○古城座長 よろしいですか。

次に井手委員。

○井手座長代理 1点だけなのですけれども、経過措置料金を撤廃するかどうかというときに、撤廃しても、新たな指針、ガイドラインみたいなものを作る必要があるという主張なのですが、今、規制料金と自由料金の2つがあって、規制料金を基準にして自由料金が設定されているというよりも、これからもし自由化がどんどん進展してくれば、他社の自由料金に比べて、ミツウロコグループの電力料金がどうかという競争になってくるのではないかと思うのです。

常にガイドラインを天井にして、キャップにして、そこから何割引でなどと、自由化というのはそういう競争ではなくなるのではないか。そういう意味で、他社の自由料金に比べて、いかに効率化して安い料金を設定するかという競争が将来的に展開されるのではないか。その点についてはいかがでしょうか。

○今宿取締役営業統括部長 おっしゃるとおりだと本当に思っております。

私どもも、先ほど来、申していますとおり、LPガスの供給をさせていただきながら、石油事業も営んでおります。通信もやっております。その中で、セット割ということを今、一生懸命推進しています。ある一定の認知度が高まって、自由にお客様が選ぶという段階になると、引っくるめて、家計消費の何パーセントはミツウロコグループに任せるみたいな私どもの狙いもあります。

なので、決してガイドラインがマストとは思っていないのです。ただ、今を考えると、混乱を来すのではないかというのは正直思っています。家庭にいろいろな需要があると思うのです。先ほど申しましたように、いまだに灯油を使っているお客様も当然、東北や北海道では多いです。灯油と電気をセット割にして、灯油を下げるとか、そういった営業戦略もやっております。

そういったいろいろなアイテムを売れる業者が最終的には選んでいただけるのかなとは思っております。

なので、ガイドラインは未来永劫ずっと必要だということは思ってはいません。ただ、現状、それほど浸透していない中では、撤廃は早いのではないかと考えております。

回答になっていないかもしれません。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 1点だけ。電源へのアクセスが非常に厳しいという御事情を御説明いただいたのですが、グリーンエネルギーということをかなり強調されていらっしゃるので、もし差し支えなければ電源構成を教えていただきたいのと、消費者の方にもその点についてはメリットとしてアピールされているのかどうか教えてください。

○今宿取締役営業統括部長 正確な数字はもちろんホームページに出させていただいているのですが、今、私が認識している中では、再生可能エネルギー電源は15から20%を利用していると認識しております。そのほかは、火力であったりJEPX卸市場であったり、ただ卸市場は20%未満のはずでございます。

グリーンエネルギーに関しては、実は風力発電を4サイト持っていまして、全国で50MW近くの発電容量を持って運営しております。メガソーラーを2カ所、富津と潮来で持っていて、これも併せて50MWぐらい持っております。岩国にバイオマス発電所を10MW持って、これを運営しながら、自社の供給販売に使っているということでございます。

○古賀委員 ありがとうございます。

○古城座長 よろしいですか。

そろそろ予定された時間が尽きてきましたので、このヒアリングについては、これで終了したいと思います。

今宿取締役営業統括部長におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

(株式会社ミツウロコヴェッセル退席)

(生活協同組合コープこうべ着席)

○古城座長 続きまして、生活協同組合コープこうべ電力事業タスクフォースの益尾大祐統括並びに大谷常雄係長より電力小売事業の状況と経過措置料金の解除検討について御説明をお願いいたします。

20分ぐらいでお願いいたします。

○益尾電力タスクフォース統括 生活協同組合コープこうべの益尾と申します。本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。レジュメに沿って御説明させていただきたいと思います。

1ページを御覧ください。まず、生活協同組合コープこうべというのは、一般の株式会社とは違う生協でございます。

2つ目、生協がなぜ電力事業に取り組んだのか。その背景を御説明させていただきたいと思います。

3つ目、コープでんきという商品を販売しておりますが、その概要でございます。

4つ目、事業開始後1年半が経過いたしましたが、現時点の電力事業に対する我々の評価、今後の事業拡大に向けた課題を述べさせていただきます。

最後に、経過措置料金の解除検討に当たっての意見という構成で御説明をさせていただきたいと思います。

2ページでございますが、まず、生活協同組合コープこうべでございます。組合員数は169万世帯、世帯加入率が50%ということで、神戸市に至りましては90%でございます。10人おられたら9人はコープの会員に入っていただいているという形です。

本部は神戸市東灘区にございます。

事業エリアは兵庫県全域、南は淡路島から北は日本海まで、この地図で示しているとおりでございます。あと、大阪の北部です。淀川という川の以北部分でございます。

職員数は約1万名弱、店舗事業が中心的事業でございまして、県下に161店舗ございます。

その他、協同購入、個人宅配といって、トラックで商品を1週間に1回配達するという営業スタイルですが、トラックのセンターが23事業所、訪問している組合員世帯が48万世帯です。

その他事業として、保険のようなものですが共済、食品生産事業、パンとかうどんとか納豆といったものを生産する事業、福祉関連事業、サービス付き高齢者向け住宅等です。それから、今回御案内する電力小売事業、その他文化事業といった事業展開をしております。

3ページでございますが、コープこうべという生協は、右に厚生労働省のホームページから引用しておりますが、生協とは、まず会員になっていただくということなのですが、相互の助け合いにより自発的に組織する非営利団体でございます。この非営利という部分が、後ほど御案内しますけれども、いろいろな社会的な取組につながっていると理解しております。

生協が行うことができる事業としましては、生活に必要な物資の供給事業でございます。それから、生活の改善と文化の向上を図る事業。組合事業に関する知識の向上。様々な学習事業等も展開しておりますけれども、そういったものもこの範囲の取組です。

丸で囲っておりますが、自ら出資をして、株主になっていただく。その元手で作ったお店、トラックを利用して、実際に商品を利用する。そしてここが生協独自ですが、自ら運営するという形で、私も組合員で、自ら出資をして、自ら利用もしながら、専従職員として運営にも携わっている。こういう構造の事業体でございます。

4ページでございますが、生協が電力事業に取り組む背景というところでございます。環境に関する憲章を策定しておりまして、阪神淡路大震災の直後に策定をいたしました。環境問題を生協運動の根源的課題として取り組んでいくということをうたっております。

行動指針としましては、くらしの見直し運動です。この後、出てまいります組合員と共に進めるいろいろな運動も、こういった行動指針をベースにしております。2つ目、事業活動から発生する直接・間接の環境負荷の低減を大きな行動指針として掲げております。

2012年、FIT制度ができた前後に、コープこうべのエネルギー政策というものを策定いたしました。エネルギーの使用量を減らす、再生可能エネルギーを作り、使う。それから、太陽光、風力、バイオマス等の地域の資源を活用して、組合員と共に進める電力事業、地域社会に貢献できる電力事業を広げるということで、この3本柱でエネルギー政策にのっとって電力小売事業にも参入をいたしました。

5ページでございますが、事業開始に向けた想いを、組合員、職員と共に読み合わせをさせていただくぐらい何度もこの話をさせていただいています。

私たち消費者にとりまして、電気は食料品と同じく、くらしに不可欠な生活必需品でございます。この電気の販売が、2016年4月から全面自由化されました。

自由化によって、多種多様な企業が電力事業に参入をします。私たち消費者は、この中から価格やサービス内容あるいは電源構成などの情報を基に、自分に合った電力会社を選べる時代になったと理解しています。

一方で、私たち消費者はこういった選択の権利を得たと同時に、選んだ結果についても責任を持たないといけません。現在世代の私たちの選択の結果が、孫・子が生きる将来世代のエネルギーの未来にどのような影響を与えるのかについても、思いをはせていきたいとも考えております。

私たち生協は、食料品の安全・安心において、過去に組合員の願いを反映した商品を提案いたしまして、選択の幅を広げてまいりました。そして、それを利用結集いただくことで、その価値を広め、安全・安心が当たり前の社会を作ってまいりました。

今、この電気についても同じことが生協として提供できるのではないかと考えております。

また、消費者へのアンケートで、太陽光や水力などの再生可能エネルギーから作った電気を選びたい、地元で作った電気を使いたいというニーズが高まってございます。アンケート調査でも、こういった選択肢の提供をコープこうべに期待する声を多数頂戴いたしました。

本日の参考資料で、コープでんきガイドブックというものがございます。こちらをざっとお読みいただくと、我々の事業のあらましが大体御理解いただけるかと思います。

こうした期待に応えるべく、電力事業を開始いたしました。

6ページでございますが、事業目的は3つございます。くらしに必要な電気を組合員に供給して、組合員の毎日の生活をしっかり支えるということ。2つ目が、再生可能エネルギーやより環境負荷の小さい電気を選びたいというニーズに応えていく。3つ目が、コンセントの向こう側にある様々な社会的課題に対して、電気という商品を通じて、組合員と一緒に考え、行動していくきっかけとしていく。

こういった3つの目的は、我々コープこうべだけではなくて、全国の生協、北海道から沖縄までございますが、新電力事業に参入している生協は、おおむねこの考え方にのっとって事業を展開してございます。

7ページ、コープでんきの特徴は3つございますが、そのうちの1つでございます。こだわりの電源構成ということで、7割が天然ガス、3割がFIT電気ということで、主にFIT電気は太陽光とバイオマスで発電した電気でございます。

天然ガスをなぜ選んだのかというところでございますが、市場に頼らず、電源構成が明確なものを選びたいと思ったからでございます。また、石炭、石油に比べてCO2排出量が低いということも決め手になってございます。

めくっていただきまして、コープでんきを利用いただく方が増えることは、日本の未来の電源構成を変えていく力になります。これは消費者を勧誘するときに必ず申し上げていることですが、水に例えますと、初めはコープでんきの割合が少ない状況ではございますが、みんなでコープでんきを選べば、この電源構成が広まっていくということで、社会全体の電源構成を変えていく力になりますよと。利用結集いただくことが、日本の電源構成を変えていく力になりますよということをうたっております。

さらに、お客さんが増えてまいりましたので、この7対3の割合の3割を維持するのも大変でございます。その不足する部分を、できるだけ今後は地域の作り手の顔が見える電気を選んでいきたいということで、9ページの下でございますが、電源の紹介の一つでございます。兵庫県宝塚市にあります宝塚すみれ発電という市民発電所から調達をする。こちらのほうは、地元の行政、自治体、大学、地域社会とも連携したまちづくりの一環として、こういった取組をされています。こういった取組による大切な電気を我々が調達させていただいて、コープでんきのプールの中に入れていくということでございます。

10ページは、行政とタイアップした形で神戸市にあります下水処理場の一つです。垂水の下水処理場があるのですが、そこで下水汚泥から発生するメタンガス、消化ガスを活用しまして、バイオマス発電を行っておられます。その都市ならではの地域資源を有効に活用した電気を我々のコープでんきの電源として活用させていただいています。社会見学等もしまして、コンセントの向こう側でどのような形で電気を作っているのかということを消費者と一緒に学び合ってございます。

3つ目が、兵庫パルプ工業様です。こちらは我々にとっては非常に重要なベースロード電源として位置付けています。バイオマス発電になりますが、地域一円の森林未利用材、一般木材、リサイクル木材をバイオマス燃料として有効に活用しております。

我々としては、PKS等ではなくて、こういった森林林業の活性につながるような電源を応援したいと思っております。

2つ目の特徴が、今日のテーマでもあります電気の料金がお得になるということですが、見ていただきましたら、ほぼ関西電力と同じ構造になっております。逓増料金でございます。最低料金プラス第1段、第2段、第3段、第4段という形で逓増料金制にしてございます。

右のグラフを見ていただきますと、黒線が関西電力、コープこうべはそれを全て下回るということで、赤線で書いていますが、当生協を含め多くの新電力は旧一電の規制料金をベンチマークとして電気料金を設定しております。消費者にとっても、スイッチングを検討する際、旧一電の規制料金と新電力や当生協の料金との比較が、非常に重要な判断基準となっておりますので、こちらをベンチマークにしております。

3つ目、コープでんきの特徴は手続が簡単ということです。解約手数料も設定せずに、今までどおりの送電線を利用しますので、停電することはありませんよとか、新たな配線工事はありませんよということをうたっておりますが、なかなかこれが伝わらないというところではございますが、こういったことを丁寧に需要家に説明した上で、勧誘してございます。

14ページは事業の概要でございます。先ほど申しましたように、去年の4月1日から事業を開始いたしました。事業スキームの全体ですが、コープこうべがマル1FIT電気や天然ガス火力により発電された電気を調達しまして、30分ごとの需給管理をいたしまして、マル3でそれを組合員や生協施設に電気を供給する。

当生協は、生活協同組合でございますので、169万世帯の顧客、それから生協の施設しか供給できないという厚労省の生協法にのっとった縛りがございますので、ミツウロコ様ほかいろいろな事業者様のように、他の需要家に電気を供給する、自治体に供給するということは生協法上できない形になっておりますので、我々のターゲットはこういった範囲の中で事業を営んでおります。

3番、販売チャネルでございます。営業拠点・営業スタッフですが、先ほど申しました宅配、玄関先まで商品を届ける業態を持っておりますので、この23拠点で1,498区域、1,812名の配達員が日夜、組合員のお宅を回って、商品をお届けする。その中で電気をお勧めして、今、私がお話ししたようなことを丁寧にお話しして、顧客拡大につなげているところでございます。

あと、店舗業態で兵庫県、大阪北部に161店舗ございますということですが、こちらの店頭での受付といったことをしております。

電気の専門チームを10名抱えておりまして、こちらは宅配と店舗と連携した営業活動をしております。あと、電話、DMによる営業、それから先ほど申しました組合員対象の学習会・見学会を開催しまして、その中で、学び合った後に、「だから生協のコープでんきを選びましょう」と呼びかけまして、勧誘につなげているというところでございます。

電気料金の決済手段は、宅配利用口座からの一括引落しということで、こちらも既にある既存のインフラを活用しております。

そのような形で、16ページが事業規模ですが、低圧組合員向けで約3万世帯、高圧、生協施設向けで90事業所を対象に事業を行っております。

事業開始1年を経た現時点での評価でございますが、当生協が保有する経営資源を背景に、事業開始後1年半で3万世帯に加入いただきました。我々の評価としては、比較的順調に拡大できていると理解しております。

一般的に利益率の低い事業構造であると言われる中、上記の経営資源を背景に、事業性の確保も何とかできている状況でございます。

また、コープでんきの訴求ポイントであります電源構成、地産地消性につきましても、共感いただける消費者が非常に多うございますので、旧一電、他電力との差別化につながっていると理解しております。

2つ目、規制料金に比べて、電気料金が安いことにつきましても、スイッチング勧誘時の非常に大きな訴求ポイントになっております。また、顧客とのコミュニケーションを通じて、コンセントの向こう側についていろいろ考えるという3つ目の目的も手応えを感じている状況でございます。

18ページ、今後の事業拡大に向けた課題ということですが、大きく営業面と電源調達面の課題を考えております。

1つ目、営業面における課題ですが、旧一電の垂直統合による原発も含めた豊富な電源保有を背景にしたオール電化メニューに対しては、新電力は当生協も含めて対抗できない状況でございます。電気・ガスとのセット割が標準化しつつある現状がありまして、当生協のように電気単体の新電力にとってはやや不利な状況でございます。

断り文句の多くに、手続が面倒くさいということ。これは恐らく背景には、旧一電からの切替えによる停電リスク、停電・漏電時の保守レベル低下の懸念という本来ないような懸念が念頭にありまして、切り替えるのが何となく不安という回答が依然として多く、新電力の説明努力だけでは超えられない壁であると理解しております。

また、検針票のウエブ化自身はいいことなのですが、ウエブ化が進んだことで、御高齢の方々を中心に、検針票も分からない、スイッチングするに当たっての元データが何も分からないということがございまして、これは非常に営業上の障害となっております。

一番下でございますが、新築案件の手続につきましては、旧一電に比べて新電力は非常に分が悪い。難易度が高いというところがございます。

あと、電源調達面の課題でございます。当生協も含めた新電力にとりまして、電源調達先の選択肢は非常に限定的でございます。当生協のように電源構成の特徴を出したいと思った場合、FIT電気の発電事業者との直接契約もしくは電源保有事業者との相対契約から調達する形になります。新電力が調達し得る数少ない電源としてのFIT電気につきましても、非常に制度変更、見直しが頻繁に発生しておりまして、調達価格に関しては現在、市場価格連動になっておりまして、市場価格の乱高下による事業予見性に我々はやや不安を感じています。

再生可能エネルギー3割ですので、要はJEPXから調達するのと全く同じ事業構造になっている。再生可能エネルギーを選ぶという選択肢をビジネスモデルで掲げると、そういったリスクを抱えているというところがございます。

FIT以外の再生可能エネルギー調達につきましては、例えば大規模水力というものは魅力的だと思っておるのですが、こういった安定的な再生可能エネルギー電源は、旧一電が保有されておりまして、新電力がアクセスできない状況でございます。自前でつくるにしても、非常に期間と投資が必要でございます。

今、イコールフッティングが議論されておりますので、そういったものは歓迎したいと思っております。

あと、住宅用太陽光の「卒FIT」電源についても、新電力にとりましては、新たな電源調達先と考えておりまして、大きなビジネスチャンスかなと思っておりますが、旧一電が独占的に情報を保有されておりますので、競争上の公平性についても懸念しております。

ここからは意見ですが、電気という商品の財としての性質がございます。品質として差別化できない、いわゆるコモディティー性が、最近非常に強調されているように感じまして、この委員会でも価格のことをメインにお話しされておりますが、自由化から2年半が経過して、いまだに価格一辺倒の話がずっと続いているという風潮に対しましては、自由化の目的の一つである消費者が電源構成を選択できる権利の形骸化を懸念しているところでございます。

20ページでございますが、電力自由化の目的の実現と公平・公正な競争環境の整備に向けてでございますが、言うまでもなく、最大の電力自由化の目的は、マル1料金の最大限の抑制、マル2需要家の選択肢の拡大、マル3新規参入者の事業機会の拡大の3つでございますが、そのためには、公平・公正な競争環境の整備が前提となります。

このことにつきましては、当生協も十分にこの趣旨は理解しておりますが、現時点の状況を見る限りでは、既に述べましたように、営業面・電源調達面の観点から見ても、旧一電と新電力の間において競争の公平性、競争圧力が十分進んでいるとは言いにくいと思っております。

営業面におきましても、新電力を支援する意味でも、国におかれましては、国民への電力自由化の意義に関する一層の周知、努力とともに、スイッチング促進に向けた各種施策の強化をお願いしたいと考えております。

電源調達面におきましても、電源アクセスにおけるイコールフッティングの促進のための施策をお願いしたいと考えております。

本日のテーマであります経過措置料金の解除に当たってでございますが、経過措置料金につきましては、現状、新電力にとっては非常に重要なベンチマーク料金として活用されており、スイッチングを検討する消費者にとりましても、規制料金との価格差が重要な判断基準となっており、一定の役割をこれまで果たしてきている。今も果たしていると考えます。

当生協を含めまして、新電力が電気料金を設定する際は、この規制料金を一定の上限価格として意識した上で、その新電力の売価を設定し、その売価を基準に限られた選択肢の中から電気を仕入れ、御周知のとおり、低い粗利益率の中、経営努力により何とか事業運営を行っており、当生協も含めて、新電力はこのような形でやっているものと想定しております。

また、当生協があります関電エリアの電気料金は、原発の全停止により、自由化当初は全国的にも非常に高い水準でございましたが、二度の原発再稼働に伴って、旧一電が値下げをされました関係で、現在では、全国的にも低い水準、既に関西地域は消耗戦の状況に突入しております。

他生協へのヒアリングで、北陸地域の生協では、低い電気料金を背景に、競争が無理だなということで、参入を見送ったという事例もございます。

また、既に参入しております東北地方の生協では、電源調達力に大きな差がございますので、価格面で苦労しているという情報交換をしております。

オール電化に対しては、全く太刀打ちができない状況もございます。

最後になりますが、こうした状況下にあって、競争環境の公平性や競争圧力が十分進んでいない中、現時点で規制料金の解除がなされた場合、旧一電の経営体力を背景に、規制料金の値下げ攻勢が一層進む可能性がある。新電力にとりましては、さらなる値下げ競争にさらされるということを危惧しております。

旧一電が料金を下げること自身は、いいことではないかと思われるかもしれません。しかし、消費者にとりましては一時的なメリットがもたらされる反面、長い目で見ると、新電力が市場撤退、寡占化が進み、競争圧力が低下し、電気料金が上昇、消費者の選択肢の縮小、新規参入者の事業機会の縮小など、当初の自由化の目的が達成できない可能性もあるのではないかと考えております。

こうした理由から、経過措置料金の解除に当たっては、こうした状況も踏まえまして、解除時期、解除内容について慎重に御判断いただきたいと思っております。

経過措置料金の解除だけではなくて、現在進めておられます各種調達市場、ベースロード市場等の創設、再生可能エネルギー関連の制度見直し、非化石価値市場の活用施策といった電力自由化に関連する各種施策、制度の見直しにおきましては、まず公平・公正な競争環境の整備は当然でございますが、今、こうした形で各地で頑張っている新電力、多様な事業者を育成する、支援するという視点もぜひ入れていただきたいと思っております。

政府が掲げておりますエネルギーの基本計画におきましても、再生可能エネルギー目標がございます。これを早期実現するためにも、こういった競争促進施策とともに、消費者による再生可能エネルギー電源の選択が、社会全体の再生可能エネルギー比率向上に連動するような施策・制度設計を是非お願いしたいということが、新電力としての意見でございます。

以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。

御質問や御意見のある方は、御発言をお願いいたします。

1つだけ。調達面でイコールフッティングでないという御指摘がありますね。ベースロード市場というのが創設されて、ベースロードの電源にアクセスできるようになると、それは一応、解消するのですね。

○益尾電力タスクフォース統括 そうですね。我々が目指す電源構成というものをうまく調整しながら、全ての電力会社が同じようにイコールフッティングで調達できれば、それは競争の中で、安い電源がいいという顧客がいれば、それを反映した電気料金を設定すればいいということで、イコールフッティングになれば、基本的には後は競争かなと思います。

○古城座長 ベースロード市場を構成する電源というのは、太宗は原発になると思うのですけれども、そのときに原発は買わずに水力だけ買いたいという意向なのですか。

○益尾電力タスクフォース統括 今、大規模水力と原発と石炭、区分けせずに一括的なベースロード市場になると聞いておりますので、それぞれの電源に価値があるから、その電気を選びたいというニーズに応える意味でも、できればそれを分けるような形で、それぞれの市場が創設されるのが我々としても望ましい。それを選びたいということがまずあるのです。

○古城座長 分かりました。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 ありがとうございました。

一つお伺いしたい点は、関西地域は既に消耗戦に突入したという状況という御報告ですけれども、貴生協においては、ここをどう乗り越えていかれるのか。また、消耗戦に突入したという状況において、他の新電力の経営活動あるいは何かもう変化が表れていると見ておられるかどうか。その点を教えてください。

○益尾電力タスクフォース統括 消耗戦に突入するということでお話しさせていただきましたが、電気とガスとその他通信と、いろいろなものがごっちゃになって、全てで総合的に戦わざるを得ない状況があるかなと思っておりまして、当生協のように電気だけの品ぞろえではしんどくなってきている。

消耗戦ということで言いますと、大阪ガスが、半ば関西電力との価格競争に対して、それ以上、次の一手を出さなかったというのが、我々は結構ショッキングな出来事だったと思っておりまして、関西電力が値下げをされた後、追随してまた下げるのかなと思いましたら、次に行かなかったということがありますので、経営体力があるはずの大阪ガスにとっても、これ以上追随しない理由があったのかなと、我々は外から見ていて思います。

我々は、比較的恵まれた参入条件で参入していると思うのですが、これであっても、収支面でいいますと結構厳しい部分がございます。我々のように顧客網や営業スタッフといったものが既存であって、決済手段や営業所等も既に保有している新電力であっても、事業性がかつかつであるということからすると、大手ガス会社が追随しなかったというトピックスは、それぞれの新電力が結構ぎりぎりのところでやっているのだなと感じておる次第です。

我々としてどう戦っていくのかというところですが、こうした調達の価格だけに焦点が行っていますけれども、そうではなくて、別の差別化のものを早く作らないといけないと思っておりまして、その一つが地産地消性であったり、再エネの電源構成というところがアピールポイントになるかなと。

こういった顧客は一定数いると理解しております。事前のアンケートでも、そういったものを生協に望むという組合員もベースにございますので、そういったところでしっかり戦っていきたい。意義について、しっかり考えながら、広げていきたいと思っております。

○大谷電力タスクフォース係長 補足させていただきますと、関西電力の場合は原発が動いたという明確な値下げの理由がありまして、原価が下がっていますので、値下げをしたという理由があるのですけれども、我々の場合は、調達原価の値下げはなしに、関西電力が値下げされたので、やむなく値下げする。我々の利益を切り崩して値下げしているということがございます。

今後、美浜原発が稼働したときに、それについていけるかというところが、今後の状況もありますので、慎重に判断していかなければいけないということを考えております。

もう一点、低圧ではないのですけれども、高圧の状況、他社の関西圏内の高圧の状況を意見交換していますと、関西電力が原発の再稼働を背景にかなり値下げを進めておられますので、高圧の方はほとんどの電力会社は営業を諦めているということを聞いております。今回の議論とはちょっと違いますけれども、補足させていただきます。

○古城座長 松村委員、どうぞ。

○松村委員 スライドの18ページのところ、私は不勉強で全く知らなくて、知りたいことなのです。最後の点で、新築案件の契約手続は煩雑で、新電力にとって難易度が高いというのは、もし本当に不必要に煩雑だとすれば、直ちに変えられなければいけないと思うのですが、もう少し具体的に教えていただけますか。

○大谷電力タスクフォース係長 スイッチングは基本的にスイッチングシステムがありまして、それで切替えができるのですけれども、新築に関しましては、小売以外に例えば電気工事といった電気関係の知識がないとなかなか難しいということがあります。どういうことかと言いますと、基本的に、我々新電力のメニューは旧一電のメニューをそのまま参考につくっておりますので、例えば関西電力エリアですと、従量電灯Aは設備容量が6キロボルトアンペア未満といった規定があるのですが、それをそのまま受け継いでおります。

例えば、今、既築の場合は、関西電力様が新築のときに家庭の設備容量を決められて、それをそのまま我々が引き継いでいるのですけれども、新築の場合ですと、そういった契約電力などを新電力が決めなければいけないところがありまして、電気関係の知識が必要になってくるというところがございます。そういった各家庭の設備を決めるに当たっては、一般送配電のところまでが決めていただいて、それを引き継いで新電力ができるとか、そういったところがあれば、もうちょっと進むかなというところは思っております。

○松村委員 その上に書いてあること、既築でもいろいろ問題があるというのは、全くこのとおりで、そもそも電力会社は1供給地点1契約とずっと言ってきたわけなので、供給地点番号とかは電力会社が勝手に付けているだけ。住所があれば、本来は正しく切替えの契約ができるはずだから、この住所の契約を切り替えたいと言うだけで、供給地点番号を伝えなければいけないというか、新規参入者が知らなければいけないということ自体がすごく変な気はする。仮に間違って同じ住所で複数の契約があったとしても、それで人の名前まで付けてダブルチェックできるわけですから、そもそも供給地点番号などというものを分かりやすくしてくれというのももちろんそうなのですけれども、何でこんなことを知らせなければいけないのか。そちらで調べてよ、というのが筋だと私は思います。

実際に、生協のように比較的多くの顧客を獲得しているところでも障壁になっているということを改めて教えていただいたのはとても助かりました。ありがとうございました。

それから、オール電化メニューに対抗できないというのは、確かにそのとおりだと思いますが、これは具体的に、制度改革としてはどうすればいいのかが難しい。オール電化の料金が低過ぎるから、もっと高くしろと言うわけにはさすがにいかないので、どうしたらもう少しまともな競争市場になるか。もし何か知恵のようなものがあったら、ぜひ教えてください。

「卒FIT」の電源もとても重要な電源になり得る。ところが、この情報も旧一般電気事業者が大半を握っていて、そもそもどこが卒FITになるのかも分からないなどというハンディキャップがあるのは十分分かりましたが、これは既に当局も認識していて、何とかしようと具体案を考えているわけですね。そのレベルで、具体的にこうしてくれればいいのにみたいなことがもしあったら、難しいとは思うのですが、教えていただけるでしょうか。

以上です。

○益尾電力タスクフォース統括 オール電化に関しましては、我々もこのようなメニューが作れていいなと。新電力としてはそういったメニューが作れない。何で私たちが作れないのかなと思ったら、ベースになる電気を持っていない。安く仕入れる環境にない。そういったものは、既に国策であれほど原子力でいろいろなお金を突っ込んで出来上がったものを、彼らが保有している、彼らしか持っていないという事実がベースになっています。それを背景に営業されていますので、我々新規参入者としては、その魅力的な電源、本当は私たちは魅力的ではないと思っているのですが、原発なので、我々は原発ではない電気を志向したい立場でございます。ただ、仕入れ原価としてあれほどの変動費の低い電気を保有しているということにつきましては、非常に羨ましいなということになります。

それを市場で切り出すべきということで、ベースロード市場の話が議論されているのだと思うのですが、それを切り出されて、使ってください、安くなりますよという形で、我々がそれを採用してしまうと、原発を支持する形になってしまいますので、ここは痛しかゆしかなと思っております。

「卒FIT」のアイデアということですが、そんなアイデアがすぐに出ればいいのですが、にわかに何かいいアイデアがということはないのですけれども、例えば自治体などが過去に補助金を出した上で、太陽光パネルの一般家庭用の補助を出したリストがあると聞いておりますので、例えば自治体と連携する形で、その補助を出した方へのアクセスに当たって、自治体も補助金を出した手前、それが期限が切れて、どうなるのかということについて自治体のほうにも問合せがあったりする場合に、市民に対するサービスの一環として、その売先についてはこういうところがありますよということを、例えば各新電力が行政と自治体等と連携しながら、そういった顧客情報を入手するということは、アイデアとしては一つあるかなと思ってはおります。

全データがもしあれば何よりなのですが、そういったところから切り崩していかないといけないかなと思います。

○松村委員 ありがとうございました。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。いろいろ新電力の方は大変なのだろうなと思いました。

48万世帯の組合員がいらっしゃるということで、当初、6万世帯ぐらいの利用を目指していらっしゃったと思うのですが、現在3万ということで、6万に至らなかった最大のネックというのは電源の調達をこだわったからなのでしょうか。

○益尾電力タスクフォース統括 今の御質問、よく6万という数字を覚えていただいているなと思うのですが、当初、事業開始後、何の経験もない中で、何万世帯ずつ増やしていく目標を作る過程で、6万という数字も出させていただいたのですが、実際蓋を開けてみますと、なかなか進まないというところがございます。

その最大のハンディは電源調達では全然なくて、電源調達は大阪ガス様とパートナーシップを組んでおります関係で、天然ガス火力、FITの分につきましても調達は可能です。また、コープこうべに売ってくださいという電源調達の営業活動は、比較的スムーズにいきます。以前の激変緩和の対象の前は調達が結構大変だったのですが、送配電買取になった後は、どこに売っても余り変わらないという状況になりまして、その後は我々のほうに売っていただいたら、こういうストーリーの電気としてアピールさせていただきますよという営業活動をしますと売っていただけることが多く、調達の難易度はそれほど高くはございません。

むしろ、営業活動をする中で、消費者側の意識のところがなかなか進まない。「今、特に困っていないので」や「何で変えないといけないのか」といった反応が多い。自由化の中で、電力会社を変えていくという消費者側の意識醸成のところが今、全然進んでいないということで、当初、我々も、こういった電源構成で、しかもお値段が安くなるのだから、もっとたくさんの方がどんどんスイッチングするのではないかと期待をしておったのですが、一定レベルまで行きますと、後は「特に困っていないから」、「何となく面倒くさい」となる。「年間で2,000から3,000円しか安くならないのであれば、手続が煩雑なのでいい」と。手続は煩雑ではないと一生懸命言うのですけれども、なかなか伝わらないということです。

そういったところで言いますと、ハンディと言いますか障壁になっているのは、消費者の意識のところが、「変えようかしら」というレベルまで持っていくまでのプッシュ型営業をしないと、先ほどミツウロコヴェッセルにおかれましても、「勝手に比較サイトから来るのはほとんどないです」というのは、我々も同様でほとんどありません。対面での営業活動で、半ば「こういうことがあるので是非」、「どうせ変えるのならば今変えてください」ということで、プッシュ型営業を強めないと、なかなか消費者の重い腰が上がらないというのが現状です。それが一番の障壁でございます。

○古賀委員 ありがとうございます。

物流とか流通センターなどに太陽光パネルを張られたり、いろいろと努力されていらっしゃると思うのですけれども、そういうことは今後も続けていかれるのですか。

○益尾電力タスクフォース統括 もちろんでございます。自社の経営資源、例えば屋根や遊休地に設置するということにつきましては、別にFIT制度で42円でそれをもうけようなどという気はございませんので、基本的にIRRが低くなっても、そうした電気を増やしていきたい。

それから、当生協だけで今まで増やしてきましたが、これからは違う視点で、市民の方々が地域で作ろうという流れを後押しするのも我々の仕事かなと思っております。再生可能エネルギーを地域で作っていくという運動に対して、我々が、資金集めのところで顧客に対して一緒に、「地元にこういう発電所ができようとしていて、例えば、溜め池を活用した太陽光発電をしようとしていて、みんなで頑張ってそこの堤の修繕費用を賄おうとしている」とか、そういった地域課題を解決するために地元の方々がチャレンジされているものに対して、組合員という組織を通じて一緒に出資しませんかと。先行して取り組んでいる生協が幾つかございますので、そういった事例も見ながら、地域に再生可能エネルギーを増やしていく、「つくる」というほうにも力を入れていきたいと考えております。

○古城座長 小浦委員、どうぞ。

○小浦委員 御説明どうもありがとうございました。

生協はすごく頑張っていらっしゃるなと思うのですが、組合員への学習もできるということで、非常に電源に対する意識が高い方が多いので、3万世帯が「コープ電気」に切り替えられたのかなと思いました。それで、関東のほうでは、原発に対するアレルギーが強いのですが、関西のほうでは再生可能エネルギーとか地産地消を応援したいということで切り替えられているのか、その中に原発由来のものは使いたくないという方もいらっしゃるのか、そこをお聞きしたいです。

7ページの電源構成なのですが、電気を切り替えてくださる方が多くて、再生可能エネルギーを30%にするのがなかなか難しくて、いろいろなところの発電事業者を入れているということですが、この割合をもっと増やすなどというお考えがあるのかということもお聞かせください。

12ページのところなのですけれども、今のところは関西電力の電気料金をベンチマークにして、このような電気料金の体制を考えていらっしゃいますけれども、もし規制料金が撤廃された場合には、この料金設定も変えなければいけないと考えていらっしゃるのかどうか。このままかどうかも併せてお聞きしたいと思います。

最後なのですけれども、解除の検討に当たっての御意見、どれももっともな意見だと私も読ませていただいたのですけれども、イコールフッティングの検討も、ベースロード電源のアクセスのしにくさというのは先ほどのミツウロコヴェッセルと同じように、新電力にとってはそこが非常にハードルが高いところだなと思っておりますが、時期的には、そちらの競争の環境整備をまず進めて、それからの話ではないかというような、率直なお考えを聞かせいただけましたら有り難いです。

以上です。

○益尾電力タスクフォース統括 まず、原発に対するアレルギーといったものは、関東に比べて関西が高いか低いかということですけれども、やはり関西電力管内は、ほとんどが日本海側に立地しておりますので、関東ほどではないかもしれないですが、それに対するアレルギーと言いますか、懸念している顧客は一定数いるかなと思っております。

我々も新電力で参入してから、「待っていたよ」と。やはり「ああいった電源には頼りたくないのだ」という声を、事業開始前もいただいていましたし、事業開始後もそれが一つの理由になって、切り替えていただいています。

一方で、実は、原発の問題が自分が使っている電気とつながっているという意識が消費者に全然なくて、原発は、非常に遠い世界で起こっていることであり、私が選ぶ、毎日使っているコンセントのこの電気が実は原発にすごく支えられている電気であるという認識であったり、オール電化を使っている方も、原子力をベースにした恩恵で非常に安い電気が使えているという認識をお持ちでない方が相当数おられます。それをちゃんとお伝えすることが、電気を選ぶということはそういう責任があるのですよということにつながっておりますので、私は関東のほうで事業をしていないのでどれぐらいの温度感がこちらはあるのかが分からないのですが、関西でも比較的強うございます。

ただ、関西電力管内でございますので、関電の社員さんもたくさんおられますので、我々は余りそういったものに対して強く反対ですということを声高に主張するのではなく、「皆さんの選択の結果が、そういった電気を頼らなくても済む社会になりますよ」という形で、原発に対してすごくナーバスに反応される方も多数おられますので、そこはしっかり御説明しながら、御意見として頂戴しながら進めているところでございます。

○古城座長 ありがとうございます。

時間が押していますので、短目にお答えください。

○益尾電力タスクフォース統括 30%の電気をどうするのかということですが、御存じかと思いますけれども、仕入れ原価が市場連動になりますので、この市場連動の範囲を増やすというのはちょっとリスクが高いかなと思っております。ただ、顧客が増えてくると、30%を維持するのも大変になってまいりますので、一旦はこの30%をベースに進めていきたいと思っております。

規制料金が撤廃されたときの価格をどうするのかということですが、こちらも恐らく規制料金が撤廃された後の関西電力の一般的な電気料金をベースにして、それよりも若干安いという形を戦略として取らざるを得ないかなと考えております。

最後の御質問は何でしたか。

○小浦委員 最後のページに書かれている解除検討に当たっての意見、いろいろ書いていらっしゃいますが、「(3)さいごに」に、競争していくに当たっては事業者として撤廃が先か整備と同時並行であればよいのかお考えをお聞かせください。

○益尾電力タスクフォース統括 規制料金の撤廃が先ですと、恐らく淘汰される新電力が多かろうというところは感じておりますので、まず、電源アクセスのところの公平性が保たれた上で、新電力も旧一電も同じようにアクセスできるという前提があれば撤廃してもよいと考えますが、その前提がない中で撤廃されると、先ほど申し上げたような懸念点が幾つかございます。

○古城座長 よろしいですか。

大体、予定していた時間が終わりましたので、まだ御質問されたい方はいらっしゃるかと思いますけれども、これにて質疑応答は終了したいと思います。

生活協同組合コープこうべの皆様におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

(生活協同組合コープこうべ退席)

(北九州市消費者団体連絡会着席)

≪3.電力小売自由化に関する消費者団体ヒアリング≫

○古城座長 続きまして、北九州市消費者団体連絡会の原田健二郎事務局長より、電力利用についてのアンケートについて御説明をいただきます。

御説明時間は、15分ぐらいでお願いいたします。

○原田事務局長 ありがとうございます。

事務局長の原田といいます。よろしくお願いいたします。私のほうから報告させていただきます内容は、電力利用についてのアンケートの結果報告ということで、資料の最初の調査結果のポイントの下段のほうに書いております調査概要というところを見ていただければと思います。

調査対象は、一般消費者、福岡県内にありますエフコープの生協組合員が主な対象となっております。

調査方法については、実際に生協組合員の集まっている場に赴いて、そこでアンケート用紙を配りながら、説明をしながら御回答いただいたというところで、有効回答数が89件となっております。

調査結果のポイントになります。端的に報告させていただきますが、電力小売自由化について知っているは96.6%になっております。ここは、想像していたよりもほとんどの方が自由化というものについては知っているということが改めて確認できたところです。

九州電力以外の電力販売会社、要は新電力について、1つ以上言えるというところが91%と、こちらも自由化と併せて高くなっております。

続いて、スイッチングの手続方法と検討についてというところで、手続を知っている方は60.7%、検討したことがあるが66.3%ということで、認知度に対してはぐっと下がっているというところになります。

検討したことがない方が33.7%ありますが、その中で自由化を知っていると回答したのは87%ということで、知っていても、検討していないというのが87%と高くなっているところが見えてきております。

スイッチングのところについてですが、電力会社を切り替えたというのが23.6%、全国数値、九州内の数値、全国消団連の数値を比較対象として記しております。全国平均、それから注1のところに書いてありますが、そこで提出された資料をもとにデータを拾っておりますが、その数値よりは高くなっていますけれども、全国消団連の調査よりは低くなっているというところです。

自社内の切替えについてというところで、こちらも全国の平均数値よりは高くはなっておりますが、先ほどと逆で、今度は全国消団連よりも高くなっているというところで、大手電力会社に対する見方の違いがあるのではないかと思われます。

もう一つの項目として、自宅の1カ月間の電気使用量についてという項目を作っておりました。この使用量について知っているというところが43.8%で、半分に届かないという状況でした。金額は毎月把握しているのだけれども、キロワットアワーで言うと把握していないというのが半数以上というところです。

その中で、スイッチングを検討していないという質問項目と併せて、クロスで見ていったところ、検討していないと先ほど答えた3割の方のうち、70%以上が使用量を知らない。逆に、使用量を知っている方の中の77%、7割以上がスイッチングを検討したことがあるという結果になっておりまして、新電力の新しいプランを比較する際には、我が家の電力使用量がどのくらいなのかを知っているのか知らないのかが一つのポイントになっているのかなと見ております。

それから、経過措置料金という言葉について、知らないという答えが71.9%、消費者庁の調査、全国平均ともほぼ同様の結果となっておりまして、経過措置の期間についても、更に高い状況で88.8%となっております。

電力会社あるいは電力量について不安なことに対する意見というのは、後ほど少し個別の回答内容について補足をさせていただきます。

2ページから、それぞれの項目について少しずつ補足をしておりますので、かいつまみながら報告をさせていただきたいと思います。

電力小売自由化を知っているというところでは、CMや、先ほどのコープこうべさんと同じように、エフコープのほうでもコープでんきというのを始めたばかりでありましたので、自由化のことは知っている。それから、電力会社、九電以外の会社を1つ以上言えるというところも、コープでんきを知っているという方が大半でしたので、高くなっているのかなというところです。

スイッチングの入り口となる手続方法については、数字が下がって、入り口を知らないというところが見えてきております。

Q6のほうに行きまして、電力会社は変えていないが、料金プランを切り替えたというところの下段に、Q5とQ6についてと米印に書いておりますが、なぜ変えていないのですかというところを個別にいろいろ聞いて回りました。その中で出された意見がここに書いておりますけれども、調べたけれども余り安くならなかった。それから、面倒くさいので手を付けないでいた。あとは、太陽光を九電に売っているとか、セット割にしている、あと面白いところでは、夫に反対されたというところなども、意外とこれも家庭の実情なのかなというところもございます。

Q7なのですけれども、自宅が契約している料金メニュー、大半の方は従量電灯BとかCだと思うのですけれども、アンペア数であったりというところも含めると、3割強の方が知らないというところも一つポイントかと思います。

あわせて、Q8の自宅の1カ月間の使用量についても知らないという答えが多くなっているというところです。

このときに、ネット上の比較サイトについても聞いておりますが、知っているという方はほぼいなかったです。聞いたことはあるというぐらい、見たことあるという方はいませんでした。

Q12に行きまして、電力会社あるいは電力利用について不安なことがあるかというところについては、様々な御意見が出されております。ちょうどこのアンケートを実施したのが10月上旬からということもありまして、北海道電力のブラックアウトの影響が皆さんかなりあったようで、電力会社を変えたら停電するのではないかという声は幾つか聞かれております。

5ページに、補足として少し書き足している部分は、Q4、Q5、Q6について検討したかどうか。はい、いいえで答えていただいたところの中を少し分析してみたところになります。

検討したと答えた59名のうち、他社への切替えが21人、自社の切替えが5人で、検討していないという方は30人いたのですけれども、その中でも切り替えている方がいまして、他社切替えが5人ということで、検討していないのに切り替えた方がいるというのも一つの在り方なのかなと思います。

Q10、Q11について、経過措置の認知度が全国消団連の調査と比べて低いというところについてですけれども、これはアンケート調査の対象者の違いかなと思っております。一般消費者というところと、全国消団連で行った調査、主に消費者団体、会員団体を通じての調査ということもあって、情報量の違いが出ているのかなと見ております。

アンケート調査の結果については以上になります。

資料3-2については、先月行われました電力・ガス取引監視等委員会の電気の経過措置料金に関する専門会合のほうに提出して、報告をさせていただいた資料となっておりますので、補足としてお読み取りいただければと思います。

私からの報告は以上です。

○古城座長 ありがとうございました。

御質問や御意見のある方は、御発言をお願いいたします。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 どうもありがとうございました。

アンケートの中で、Q4で切りかえの検討はしたけれども、結局、切り替えた人の割合が少ないというふうになっているのですけれども、北九州市消費者団体連絡会の関連の生協の方々が主にこのアンケートの回答者だと思うのですが、北九州市消費者団体連絡会自体は電力小売事業をしているわけではいらっしゃらないので、具体的にはどういうところに切り替えているのかというところがわかれば教えてください。

○原田事務局長 正直、個別にどこに切り替えたというところまでは、聞き取りも含めて調査はしておりません。

感覚としては、コープでんきに切り替えた方が、私どもの対象とした方の中では多いのではないかというぐらいで、そこは明確には把握はしておりません。

○古賀委員 あと、御報告と外れてしまうのですが、九州地方は結構出力制限が行われていると思うのですけれども、そういったことに対して、消費者の方たちはどのように受けとめていらっしゃるか分かりますか。

○原田事務局長 やはり厳しい声はたくさん出ております。

ただ、消費者から不安視する声は出ているのですけれども、九州電力に対しての文句というところは、具体的には余り耳に入ってきていないです。あれはどうなのかなということ、それから先々どうなるのかなという声などはあるのですけれども、けしからんというところの声までは、私は把握できていない。

逆に、コープでんきも含めてですけれども、先行きに不安が出てくるというようなところでの、事業者から不安視する声は幾つか聞いているところはございます。

○古賀委員 不安であって、不満ではないのですね。

○原田事務局長 事業者の方は、不満というよりも不安のほうが多かったです。ニュアンスとしては、事業継続の面で不安があるという感じでした。

○古城座長 井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 Q4で切替えについて検討したことがあるという人は66%で、Q10で経過措置料金とか規制料金は知っているかというと、知らない人が70%なのですけれども、切り替えるときに、九州電力の今の料金よりもどれぐらい安くなるかを普通、比較検討しますね。そのときの料金が規制料金だというふうには理解していないのですか。

普通は、何を基準にしてというときに、それが規制料金だと一般の人は理解するのではないですか。そこのところは、言葉だけを知らないという問題ではないのですか。

○原田事務局長 正確なところはつかみかねますが、言葉というものを知らないというだけであって、実際に今、自分が加入しているメニューが規制料金という言葉で表現するというのを知らない。従量電灯Bという言葉は知っていても、それが規制料金ということとイコールになっていないというところなのではないかと感じております。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

非常に有益な結果を教えていただいて、ありがとうございました。

時間が迫っておりますので、これで終了させていただきます。

原田事務局長におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

(北九州市消費者団体連絡会退席)

≪4.電力小売自由化に関する物価モニター調査結果≫

○古城座長 続いての議題は、電力自由化に関する物価モニター調査報告についてです。

本日は、消費者庁が本年5月及び10月に実施した物価モニター調査の結果について、消費者庁から御説明をお願いいたします。5分程度でお願いします。

○太田消費者調査課長 消費者庁でございます。

資料4に基づきまして、電力小売自由化に関する物価モニター調査の結果について御報告させていただきます。時間が押しておりますので、ポイントのみ簡単に御紹介させていただきます。

おめくりいただきまして、2ページ目に、物価モニター調査の概要についてお示ししております。生活関連物資の価格や物価に関する意識等を把握するという観点で、毎月実施しているものです。

対象モニターですが、全国から2,000人のモニターを公募で募集しております。物価の動向などについて関心を持たれて応募されてきた方々ですので、一般の消費者よりは物価動向などに関心が高いとお考えいただければと思います。

調査の内容として、価格調査と意識調査を行っておりますが、(2)の米印にありますように、ことしの5月と10月に電力小売自由化に関する質問を行っており、その結果を分析して、御紹介させていただくものです。

3ページ目に、モニターの属性について簡単に御紹介しております。5月調査と10月調査と2つの調査の結果を御紹介しておりますが、基本的にモニターは同じですので、回収率に若干の差はありますが、それ以外は基本的に整合的であると御理解いただければと思います。

モニターの地域ごとの分布ですが、モニター選定の際に、おおむね日本の人口構成に整合するように選んでおりまして、それについて、マル2の注1にありますように、旧一電の供給区域に併せて再集計を行っております。

年齢構成については、右側の上のテーブルにお示ししておりますが、若干、人口構成と比べて20代、70歳以上のところで少なくなっておりますので、御留意いただければと思います。

それでは、中身の御説明ですが、4ページ目を御覧いただければと思います。まず、スイッチングの実施について、電力の小売全面自由化以降、御家庭の電気の契約を変更したかどうかを聞いております。上のボックスにありますように、電力会社を大手10社から新電力にスイッチングした方が14.4%、他の大手10社に変更した方が2.5%、同じ事業者の中で契約プランのみ変更した方が6.9%ということで、併せて見ますと、規制料金から自由料金に移行されたという方は合計で23.8%となったということであります。

これは経産省が公表されておりますスイッチングの実績よりも若干高目ということでして、物価動向への関心が高いモニターの性質を反映したものであると考えております。

その下に、供給地域別の状況もお示ししておりますが、自由料金に移行したと回答したのが最も高かったのは関西地域でして、東京、中部というふうに続いています。

関西、東京については、新電力への変更が多かったということですが、中部においては契約プランのみの変更が多いという状況であります。

5ページ目に、スイッチングを行ったモニターの方に、変更した理由を伺っておりますが、一番多いのは価格が安くなるということでして、料金以外のサービス、地産地消や再生可能エネルギーによる電力であるといった順番で続いております。

6ページ目に、スイッチングをしていないモニターの方に、その理由を聞いたものをお示ししております。全体としては、比較検討・切り替えるほどのメリットがなさそうという方が22.6%と最も多く、続いて、検討したけれども最適なプランやメリットがなかったが21.1%、変更することに不安を感じるという方が19.7%などとなっております。

縦の棒グラフでお示ししているのが地域別の動向でして、数値に地域ごとにばらつきが見られるということであります。電力自由化をめぐる状況に、地域別に若干違いがあることが示唆されていようかと思います。

7ページ目は、モニター全員の方に、電気契約への満足度を聞いたものです。全体としては、電力会社・契約プラン共に満足している方が22.9%、電力会社のみに満足している方が7%、契約プランのみに満足している方が5%でして、両方又はいずれか一方に満足していると回答されたモニターが全体で34.9%となります。この満足度についても、地域別に差が見られるということです。

8ページ目に、満足度について、スイッチングを行っているかどうかの回答別にクロス集計を行った結果をお示ししております。スイッチングの回答別に、規制料金から自由料金に変更したモニターについては、満足度が高い傾向が見られ、変更していないとお答えになったモニターについては満足度が低い傾向が見られました。

9ページ目では、居住地域において競争が進んでいると感じるかを全員の方にお伺いしております。全体としては、進んでいると思う方が4.4%、ある程度進んでいると思う方が21.7%となっており、何かしら進んでいると思う方は合計で26.1%となっております。

地域別で見ますと、かなり差がありまして、最も多かったのが関西の37.7%、次いで東京、中部と続いている状況です。

10ページ目は、居住地域において競争が進んでいるかどうかの回答について、スイッチングしているかどうかの回答別にクロス集計を行ったものであります。これを見ますと、スイッチングに際して電力会社を変更したというモニターについては、競争が進んでいるという答えが高い傾向にありますが、契約プランのみ変更した又は変更していないと回答されたモニターについては、進んでいないという回答が多かったことになります。

スイッチングの実施に際して、情報収集や比較検討を行うわけですが、電力会社を変更するに至ったモニターについては、競争が進んでいるという認識はそれなりに高い傾向があるのではないかということであります。

11ページ目では、先ほど原田様からも御紹介がありましたが、経過措置料金についての認知度をお尋ねおります。経過措置の内容について、いずれも知らないと答えたモニターが一番多く77.3%、次いで、言葉のみ知っている方が22.7%で、詳しい内容まで御存じの方は、現状としては少ないという状況であります。

最後に12ページ目ですが、電気の契約を変更しやすくするために重要だと思う施策を全員に聞いております。多い順に、シンプルで分かりやすい料金メニュー・サービスの提供という方が65.9%と最も多くなっており、次いで、料金メニュー・サービス内容の比較の容易化という方が45.8%、ライフスタイル等に合った料金メニュー・サービス内容の充実という方が45.5%と続いている結果となっております。

御説明は以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。

質問や御意見のある方は、御発言をお願いいたします。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 最後の12ページのその他というのが2.6%あるのですが、これは具体的に記述式で何かこういうことがあればということがあったのでしょうか。

○太田消費者調査課長 特になしが多かったということでございます。

○古賀委員 分かりました。

○古城座長 よろしいですか。

貴重な調査結果だと思うので、十分勉強させていただきます。

時間が押しておりますから、これで質疑は終了させていただきます。


≪5.閉会≫

○古城座長 最後に、事務局から連絡事項はありますか。

○二之宮事務局長 本日は熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡させていただきます。

○古城座長 次回の会合もそうなのですけれども、今後の他の会合も併せて、大体こうやってまとめていきますというのも説明していただけると有り難いのです。

○消費者委員会事務局担当者 事務局から御説明いたします。

今後の予定としましては、11月中にあと1回ないし2回、会議を開催する予定でして、主に比較サイトや研究者からのヒアリングを予定しております。

○古城座長 それが22日ですね。

○消費者委員会事務局担当者 予定ではそうなっております。

もう一日は、ヒアリング予備日として、状況の変化に応じてヒアリングを行いたいと考えております。

12月に入ってからは、一応、取りまとめを考えておりまして、年内には取りまとめをしたいと考えております。

○古城座長 7日に取りまとめ案を提出して、18日の会合で報告をまとめたいという予定ですね。

○消費者委員会事務局担当者 現時点での予定では、そのようになっております。

○古城座長 よろしくお願いします。

11月に予備日が入っておりますから、それはもしかしたらもう一回会合があるかもしれません。それ以上は、会合は増えないと考えていただいてよろしいと思います。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただいて、ありがとうございました。

(以上)