第8回 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会 議事録

日時

2013年5月30日(木)14:03~15:07

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、小塩委員、古賀委員、白山委員、橋本委員、矢野委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理、小幡委員、細川委員
【説明者】
北海道電力  相馬理事営業部長
藤井理事人事労務部長
氏家企画部長
【事務局】
消費者委員会 原事務局長、浅田参事官
消費者庁 草桶審議官、日下部企画官

議事次第

1.開会
2.北海道電力の電気料金値上げ認可申請の内容についてのヒアリング
3.東北電力・四国電力のチェックポイントについて
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:61KB)
【資料1】 東北電力及び四国電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関するチェックポイント(PDF形式:203KB)
【資料2】 電気料金値上げ申請の概要について(北海道電力資料) 【資料3】 北海道電力の電気料金値上げ認可申請に関する質問事項(PDF形式:140KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、引き続きまして「消費者委員会 公共料金等専門調査会 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」の第8回会合を開催いたします。
 本日は、所用により、蟹瀬委員が御欠席ということで御連絡をいただいております。
 それでは、配付資料の確認をまずさせていただきたいと思います。
 配付資料一覧、「議事次第」と書かれたものの下におつけしておりますけれども、資料1といたしまして、「東北電力及び四国電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関するチェックポイント」、消費者庁から御提出いただいた資料です。
 資料2といたしまして、「電気料金値上げ申請の概要について」ということで、本日お越しいただいております北海道電力株式会社様から御提出いただいた資料です。
 それから、資料3といたしまして、「北海道電力の電気料金値上げ認可申請に関する質問事項」をおつけしております。不足がございましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、古城座長、どうぞよろしくお願いいたします。

≪2.北海道電力の電気料金値上げ認可申請の内容についてのヒアリング≫

○古城座長 既にきょう、北海道電力の皆さんは御用意してくださっておりますので、当初の予定ですと、最初に東北電力、四国電力のチェックポイントについて報告していただく予定でしたけれども、これは後に回させていただきまして、直ちに北海道電力のほうからの御説明を受けたいと思います。
 北海道電力におかれましては、お忙しいところ、当検討会に御出席いただき、まことにありがとうございました。
 それでは、説明のほうに入りたいと思います。20分程度でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○氏家企画部長(北海道電力) 北海道電力企画部の氏家でございます。本日は、当社の電気料金値上げ申請の概要につきまして御説明させていただく時間を頂戴しまして、まことにありがとうございます。
 御承知のとおり、当社の泊発電所は停止した状態が続いておりまして、当社といたしましては、現行の電気料金を一日でも長く維持したいと考え、これまで効率化に努めてまいりました。しかしながら、原子力の停止によりまして、火力の燃料費などが大幅に増加しまして、平成24年度の収支につきましては過去最大の損失を計上することとなり、当社単独の自己資本比率につきましては10%を割り込むというような状況になってございます。
 このままでは自己資本の毀損がさらに拡大をいたしまして、電力の安定供給にも支障を来すおそれが生じます。このため、お客様には多大な御負担をおかけすることとなり、まことに申しわけございませんが、最大限の効率化の実施を前提といたしまして電気料金の値上げを申請させていただいた次第でございます。
 現在、当社におきましては、全道48か所での地域の説明会を順次開催させていただいているほか、各種団体様から御要望があれば説明会のほうに参加をさせていただき、御説明をさせていただいております。今後も丁寧な御説明を行ってまいりますので、当社の置かれた現状につきまして何とぞ御理解を賜れればと思ってございます。
 それでは、お手元にお配りしてございます資料2に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、北海道の地域特性について御紹介をいたします。北海道の電力系統は他社に比べまして規模が小さく、かつ、北海道と本州の間は連系線1点で結ばれているという特徴がございます。また、この結んでいる北本連系設備につきましては容量が60万kWと小さく、直流連系であることに加えまして、域内での電源脱落や北本連系設備停止等の影響を踏まえまして、北海道向けの空き容量を確保しておかなければならないという必要があるため、北海道の系統は本州から独立した系統ということになります。このため、基本的には供給力や調整力は北海道の中で確保することが基本となってございます。
 続きまして、3ページでございます。当社が抱える地域特性といたしまして、面積的に申しますと、北海道は九州と四国を合わせた面積よりも大きく、人口密度も全国に比べますと5分の1程度となっておりまして、お客様当たりの供給設備が多くなるという特徴がございます。
 4ページでございます。他の8社と平均を比較いたしますと、供給面積当たりの契約口数は5分の1、販売電力量は7分の1というレベルになっている一方、契約口数当たりの設備量が多くなっております。
 5ページにつきましては、積雪寒冷の状況でございますが、説明は割愛をさせていただきます。
 6ページでございます。当社におきましては、火力発電所の7割が運転を開始してから30年を経過しておりまして、経年化への対応が喫緊の課題となってございます。このため、経年化対策を進めるとともに、新規電源として当社初となりますLNG火力や純揚水式水力の建設を着実に進めることで、北海道におきます今後の電力供給体制を強固なものにしてまいりたいと考えてございます。
 7ページをごらんください。6ページまでで御説明してまいりました事業環境の中で、当社は原子力を中心とした電源多様化を進め、燃料費の低減と効率化の成果を原資といたしまして、昭和60年以降14度にわたり電気料金の引き下げを実施してまいりました。この結果、平成23年度では、昭和60年と比較いたしまして約34%の電気料金の低減を実現し、昭和60年当時、全国一高かった電灯料金につきましても、他の8社と平均で遜色のない水準となってございます。
 8ページをごらんください。今回の電気料金の値上げ申請の概要について御説明いたします。この棒グラフに記載しておりますのは、当社の19年から24年度までの収支の推移でございます。泊発電所の長期停止により火力燃料費などが大幅に増加しており、原子力が正常に動いておりました平成22年度では1,200億円程度でありました燃料費・購入電力料が、24年度には2.6倍の3,100億円にまで増加しております。このため、平成24年度につきましては、費用削減には取り組みましたが、経常損失は1,186億円と過去最大となってございます。
 続きまして、9ページでございます。原子力の停止による収支悪化によりまして純資産を取り崩してまいりました結果、平成22年度末には3,700億円近くございました純資産も、24年度末には1,552億円まで減少してございます。現行の電気料金を維持したままでは自己資本の毀損がさらに拡大をいたしまして、燃料調達や設備の保守などに必要な資金調達も困難となり、電力の安定供給に支障を来すおそれがあることから、値上げを申請させていただいてございます。
 10ページをごらんください。今回の原価につきましては、最大限の経営効率化356億円の織り込みを実施してございますが、原子力発電所停止に伴う燃料費・購入電力料などの大幅な増加は避けられず、原価の合計では6,164億円となる見込みでございます。
 一方で、当該期間におきます電気料金を継続した場合の収入は5,520億円となる見込みでございますので、この結果、収入不足額が644億円となるため、平成25年9月1日から規制部門では10.2%、自由化部門では13.46%の値上げをお願いするものでございます。
 11ページをごらんください。今回原価における主な増減要因について御説明いたします。平成21年12月に泊発電所3号機が運転を開始し、当社の原価構成は大きく変わってございます。マル1では、泊3号機関連の費用のみを一番左の上向きの矢印で、また、その右側に燃料費など低減効果を下向きの矢印で示しております。今回の申請しました原価期間におきまして、3号機が通常どおり稼働していれば、固定費の増加を上回る燃料費の低減効果によりまして300億円程度費用を低減できる見込みでございました。
 一方、真ん中の矢印でお示ししておりますけれども、発電設備などの経年化対策や原子力のさらなる安全確保への対応などで550億円程度の費用が増加してございます。
 また、泊発電所は順次発電を再開する計画としてございますが、3号機が再稼働するまでの期間における追加の燃料費負担は、3年間合計で1,800億円程度、年平均に直しますと600億円程度となります。このため、最大限の効率化350億円程度を織り込んだといたしましても吸収することはできず、前回原価に比べまして503億円の増加となる見込みでございます。
 12ページをごらんください。これは、今回原価と前回原価を費目単位で比較したものでございます。各費目の具体的な内容につきましては、15ページ以降で御説明をさせていただきます。
 13ページをごらんください。今回の原価算定における主な前提諸元について御説明します。原子力につきましては、泊発電所の発電再開時期を見通すことが難しい状況にありますが、当社は、福島第一発電所の事故を踏まえた安全対策を迅速かつ的確に進めており、需給状況の厳しくなる次の冬前には発電を再開させていただきたいと考えております。そのため、泊1号機の時期につきましてはことしの12月、2号機につきましては明けた1月、3号機は夏前の26年6月に再開をさせていただく前提で原価を算定しております。
 14ページをごらんください。こちらには、今回の原価に織り込んだ効率化の内訳を記載しております。具体的には、電力の安定供給や安全の確保を前提にこれまで取り組んでまいりました効率化をさらに推進するとともに、役員報酬や従業員の給料手当、厚生費といった人件費の削減や、普及開発関係費・諸費などの削減など356億円のコスト削減を織り込み、料金の値上げ幅を抑制してございます。
 なお、表の中、3段目になりますけれども、設備投資関連費用の30億円の下に「(167)」と書いてございます。これは、原価期間における設備投資額そのものの効率化額を参考でお示ししてございます。原価期間に平均で167億円の設備投資を効率化した結果、今回の原価におきましては減価償却費などで30億円の効率化が織り込まれているということでございます。また、合計欄の下に「[493]」とありますのは、今申し上げました設備投資のところで設備投資額の167億円と原価期間に入っている30億円の差し引き137億円を356億円に足し合わせました原価期間平均の効率化額の総額をお示ししてございます。
 15ページをごらんください。ここからは原価を構成します費目ごとの内訳について御説明します。
 まず、人件費につきましては、前回原価におきましては、退職給与金が年金資産の運用環境の好転によりマイナス計上となりましたが、今回は、そのマイナス幅が縮小したため72億円の増加となってございます。しかしながら、役員報酬の削減や社員年収の引き下げ、厚生費の削減などを織り込み、人件費全体では前回原価と比較しまして10億円の増加にとどまりました。
 16ページでございます。当社の役員給与の水準及び社員の年収水準の考え方について御説明をいたします。役員給与の水準につきましては、民間企業の平均を基本とするという審査要領が当社としても妥当であると考えておりますが、厳しい経営環境の中で値上げをお願いするに当たりまして、民間企業平均を大幅に下回る2,000万円といたしております。また、社員の年収につきましては、一般的な企業の平均値や公益3業種の平均値を参考に643万円としておりますが、これは道内民間企業平均を下回ってございます。
 17ページをごらんください。退職給与金の増加について補足をいたします。退職給与金の費用構成は、ポンチ絵左側のマル1にある勤務費用や利息費用などの通常負担する費用と、真ん中マル2にございます期待運用収益や運用結果に伴い発生する数理計算上の差異など年金資産の収益等にかかわる費用の合計となります。前回の原価はポンチ絵のグレーの棒グラフになりますけれども、マル1の通常発生する費用が91億円であったのに対しまして、マル2の年金資産の収益等にかかわる費用が、資産の運用環境が極めて好調であったことから99億円のマイナスとなったため、退職給与金の合計では8億円のマイナスとなっておりました。一方、今回の原価では、マル2の年金資産の収益等にかかわる費用が、マイナス幅が4億円と小さかったことから、退職給与金の合計はマル1の通常負担する費用とほぼ同額の65億円となっておりまして、この結果、前回の原価と比較した場合には退職給与金は72億円の増加となっているという状況でございます。
 18ページをごらんください。燃料費について御説明いたします。燃料費につきましては、泊発電所3号機が運開したことや販売電力量の減少などもあり、前回原価と比較しまして減少しております。
 一方、原子力発電所の発電停止による火力発電所の大幅な増加により、泊発電所が3基ともに平常どおり稼働した場合と比較しますと高い水準となっていることから、減少額は195億円にとどまっております。
 19ページは説明を割愛させていただきます。
 20ページをごらんください。修繕費の内訳でございます。修繕費につきましては、多様な発注方式の採用などによる資機材調達コストの低減や新技術・新工法の開発・導入などによりまして効率化を織り込んでいるところではございますけれども、泊3号機の運転開始や火力設備などの設備経年化対策費用増加によりまして、前回と比べて223億円の増加となってございます。
 右下にございます審査要領のメルクマールであります帳簿原価に占める修繕費率がございますが、今回の申請原価におきましては2.63%と、直近5か年の修繕費率の平均を下回る水準となってございます。
 21ページをごらんください。次に、減価償却でございます。減価償却につきましては、泊発電所3号機が運転を開始したことに加えまして、純揚水式水力である京極発電所が平成26年10月に1号機、27年12月に2号機の運転を開始することから、前回と比較いたしまして246億円の増加となっております。
 22ページをごらんください。事業報酬率につきましては、前回原価から0.1%減の2.9%となってございます。
 23ページでございます。設備投資額につきましては、電源開発や泊発電所の安全対策など大型工事はございますが、流通設備の27万5,000V基幹系統の整備の一巡や原子燃料の減少などもありまして、計画全般にわたる効率化に努めたこともありまして、大型工事はありましたけれども、前回原価と比較しまして63億円の増加にとどめております。
 24ページをごらんください。購入・販売電力料でございますが、購入電力料につきましては、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入による購入電力量の増加などによりまして、前回に比較しまして27億円の増加となっております。また、販売電力料につきましては、泊発電所発電再開後からは卸取引所の積極的な活用を織り込み、前回原価と比較して31億円の増加となっております。
 この後、公租公課、バックエンド費用につきましては説明を割愛させていただきます。
 27ページをごらんください。その他経費及び控除収益でございます。その他経費につきましては、広報や販売関連費用、寄附金・諸会費の削減を織り込みましたが、原子力損害賠償支援機構一般負担金や原子力発電所の安全対策委託費などにより、前回原価と比較しまして158億円の増加となってございます。
 28ページをごらんください。その他経費のうち、普及開発関係費・諸費・研究費について御説明いたします。
 まず、審査要領を踏まえまして、普及開発関係費のイメージ広告や販促関連の広告宣伝費、オール電化関連費用、販促関連のPR館運営費用、並びに諸費の寄附金につきましては、全額原価不算入としてございます。また、諸会費・事業団体費につきましては、諸会費1件、事業団体費8団体のみ原価に入れてございます。研究費につきましては、電力の安定供給の観点等を踏まえまして、電中研分担金も含め個別研究件名を精査の上、原価に算入をしてございます。この結果、3費目合計では、前回原価と比較いたしまして46億円の減少となってございます。
 29ページをごらんください。規制部門と自由化部門の原価配分について御説明します。最初に、御家庭などの規制部門についてでございますが、今回の原価は3か年の平均で3,345億円となります。一方、現行の電気料金を継続した場合に見込まれる収入は3,035億円となり、差し引き310億円の不足となってございます。このため、規制部門では平均で1kWh当たり2.12円(10.2%)の値上げをお願いするものでございます。
 30ページをごらんください。御家庭向けの代表的な料金メニューでございます従量電灯では、御使用量の増加に伴い料金単価が上昇する3段階料金制度を採用してございます。グラフでお示ししているように、毎日の生活に必要不可欠な電気の御使用量に相当する左側の第1段階料金につきましては、お客様への影響を緩和するため値上げ幅を小さくしてございます。また、右側の第3段階料金につきましては、省エネルギーを促進する観点から値上げ幅を大きくしてございます。
 31ページをごらんください。御家庭で最も多く御契約をいただいております従量電灯Bにつきまして、電気料金の推移をお示ししてございます。当社は、これまで電気料金の引き下げを実施してまいりましたが、今回の電気料金の改定によりましてモデル料金では月間で451円(6.81%)の値上げとなります。
 32ページは、御家庭向けの選択約款加入条件の廃止について、また、33ページは御家庭向けの主な選択約款についての説明資料でございますが、説明は割愛をさせていただきます。
 34ページをごらんください。自由化部門の今回原価でございますが、3か年平均で2,820億円となります。一方、現行の電気料金を継続した場合に見込まれる収入は2,485億円となり、335億円の不足となります。このため、自由化部門におきましては平均で1kWh当たり1.96円(13.46%)の値上げをお願いすることとなってございます。
 35ページをごらんください。自由化部門のお客様につきましては、現在の電気料金単価に特別高圧で電気の供給を受けている場合は、1kWh当たり2.02円、高圧の場合は1kWh当たり2.07円を一律に上乗せさせていただきます。値上げ時期につきましては、規制部門と同じく25年9月1日からの値上げをお願いすることといたしております。また、規制部門の料金が認可時に変更となった場合には、認可された原価に基づいて自由化部門の料金についても見直しをさせていただきます。
 36ページをごらんください。料金のお支払い制度の変更について御説明をいたします。お客様からお寄せいただいている御意見、御要望を踏まえまして、現行の早収料金、遅収料金の制度を廃止し、延滞利息の制度を平成27年4月分の電気料金から導入することといたしました。
 37ページをごらんください。最後に、お客様への御説明についてでございます。時間の関係上、詳細については割愛をさせていただきますが、当社は、独自の取り組みといたしまして、地域の消費者協会様、農業・漁業団体様、自治体様、経済団体様など680団体を対象に、全道48か所で料金の値上げ申請に関する説明会を行っているところであります。本日までに既に24か所で説明を実施させていただいております。
 また、このほか御要望に応じまして、各種団体様が主催される説明会に出席をさせていただき、御説明をさせていただいております。
 さらに、全道の事業所におきましては、2,268件の企業・団体様への訪問活動を実施し、説明を行っているところでございます。この際、お客様からは、1,100件程度の値上げに関する御意見、御質問を頂戴しております。当社といたしましては、今後も各種団体様、お客様に対しまして丁寧に御説明を行い、御理解いただけるよう努力してまいりたいと考えております。
 以上、駆け足になりましたけれども、料金申請の概要についての説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○古城座長 御説明、どうもありがとうございました。
 それでは、皆さんから御質問、御意見を受けたいと思います。一応切らせていただきます。まず、人件費までのところで御意見ございましたら、目の前のお札をお立てください。
 井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 最初に、北海道電力が抱える地域特性のことが、3ページ、4ページ、5ページに記述されていますが、北海道電力がこういう状況を抱えているので電気料金が高い、というのであれば、その説得力はある。ただ、7ページのところで見ると、ほとんど他電力と遜色ない水準であるということで、これは全く値上げとは関係ない。人件費のところまでで質疑ということですけれども、値上げの理由自体が原子力発電が止まっているから燃料費が増加しているといっても、燃料費・購入電力料は前回の申請のときよりも下がっていますね。要は、泊原発等をつくったので料金値上げをするということで、止まっているからではなくて、原子力をつくったことによる減価償却費、税金、修繕費等のコスト増を、料金に反映させてほしいというふうに読み取れますがいかがでしょうか。その確認だけ。

○氏家企画部長(北海道電力) 先ほども申し上げましたけれども、泊発電所を導入しまして、先ほどのパワーポイントで申し上げますと11ページになりますけれども、3号機が導入以降、平成22年は順調に稼働しておりましたけれども、稼働していれば3号機の導入によりまして、泊の3号機の関連費用を上回る燃料費の低減効果がございます。この原資を用いまして、その中段、右側にございますけれども、経年化が進んでおります火力発電設備、流通設備等の修繕費等にもそのマイナス分を充当しまして料金を維持してまいりたいということでございますので、今回の値上げというのは、この右側から2つ目の矢印にございます泊の1、2、3号機が停止をしているという影響の部分を効率化では吸収できないので値上げをさせていただいたということでございます。

○古城座長 井手さん、いいですか。

○井手座長代理 また後で。

○古城座長 燃料費、前回に比べて今回、総額は減っていますね。そこのところがちょっとよくわからないのですけれども。

○氏家企画部長(北海道電力) 泊の3号機も3年間ずっと止まっているわけではございませんし、他の1号機、2号機も一定期間稼働いたします。ですから、原子力そのものは、前回、3号機が原価の中に入っておりませんので、全体としましては原子力の発電量というのは前回よりもふえておりますので、燃料費そのものは減少しております。

○相馬理事営業部長(北海道電力) 資料の18ページ目をごらんになっていただきたいと思います。原価の内訳の燃料費のところでございます。
 ここのところで今回と前回で比較したものを、上のほうのところで燃料費計がございますけれども、195億円マイナスになっていると、まさにおっしゃるとおりでございます。その一番下の参考2の燃料費の実績が、平成22年度、泊3号機が運開した後の部分でございます。1号、2号、3号が順調に運転していますと、燃料費トータルで819億円だったというところでございます。ですから、これが今回は1,460億円ということは、もともと原子力が通常どおり稼働していれば、これぐらいまで燃料費が落ちているはずだというところが、今回、前回の差の部分をあらわしていると御理解をいただきたいと思います。

○山口委員長代理 ピンポイントでこう言われても、10年分ぐらいの推移を出していただかないとわからないですね。

○氏家企画部長(北海道電力) 3号機が導入されましたのが平成21年でございますので、それ以前と導入以降であれば電源の構成が大きく変わってございます。そこが、お手元の資料で申し上げますと8ページでございます。平成20年、ここの下の棒グラフが燃料費と購入電力料になってございます。泊運開前の平成20年におきましては、燃料費と購入電力料が2,385億円、これが21年に泊の3号機が入りまして燃料費が大幅に減っています。ただ、発電所をつくっておりますので、燃料費は減りますけれども、設備関係、設備をつくっておりますので、それにかかわる減価償却費や人件費、税金ですとか、発電所を運営するために必要となる費用は増えているという状況になっております。燃料費は減って、その他の発電にかかわるコストがかかるということで原価構造が21年から大きく変わっているということでございます。
 前回の料金といいますのが、平成20年を原価としておりますので、3号機が入っていない燃料費が高い段階で、逆に言えば、泊3号機の減価償却費等は入っていない、そういう原価だった。それが21年に運開をしたことから、泊発電所3号機の運営にかかわる固定費が入ってきて燃料費が安くなった。ですから、22年のように3号機が安定的に動いていれば、例えば24年をごらんいただければわかりますように、燃料費は22年に比べまして3,140億円と大幅にふえているということでございまして、この停止がなければ火力発電所の経年化の修繕工事等々も、この原子力の運開による燃料費の低減メリットで対応できたということでございます。

○古城座長 あといかがでしょうか。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 13ページの前提計画に関する部分ですが、原子力発電所の再稼働ですが、きょうの新聞報道等がありましたけれども、原子力規制委員会の審査が今後必要になってきますし、新聞で見た限りでは、例えば審査にも半年ぐらいかかることや、今回、4電力会社が審査を早速予定しているということですが、しかし、実際には最大でも3件ぐらいしか審査が一度にはできないという中で、早速、ことしの12月には泊の1号機の再稼働を予定していらっしゃるのですけれども、こういった計画自体が、原子力規制委員会は既に申請のときには動いていたと思うのですけれども、そういう状況判断とこの前提計画の関連性といいますか、この時期の再開で本当に妥当だったのか、その辺の御判断を御説明いただきたいと思います。

○氏家企画部長(北海道電力) 先ほども申し上げましたとおり、再稼働の時期をなかなか見通すことができないというのはおっしゃられるとおりでございます。それから、規制委員会の審査プロセスにつきましても、具体的にどのように進めるのかということが全て明確になっている状況ではないということでございます。ただ、北海道というのは、御承知のように平均気温も非常に低く、この冬は何とかやりくりをしまして供給力を維持することができたのですけれども、本当に冬の北海道は、電気なし、トラブルがあったときには大変なことになるということから、私どもといたしましては、何としましても冬前には原子力の再稼働をお願いしたいということで考えてございまして、新基準が施行された後には速やかに申請をさせていただいて、何とか冬前には再稼働させていただきたいということで今回の再稼働の前提を置かせていただいてございます。

○古城座長 かなり希望を織り込んだ計画提出ということですね。当然ですけれども、これは、そうではなくなる可能性もあるというのは前提になっていますね。

○氏家企画部長(北海道電力) 私どもとしましては、こういった前提よりも、本来であれば一日も早く稼働させていただければと思って。

○古城座長 質問はそういうことを聞いているのではなくて、大分希望を織り込んだ計画になっていますか、それとも、かなり厳格な計画ですかという質問ですので、御社がそういう御希望を持っているのは皆さんよくわかっているし、当然だろうなと思っていますよ。

○氏家企画部長(北海道電力) 明確な根拠がないというのは、おっしゃるとおりでございます。

○古城座長 白山委員、どうぞ。

○白山委員 関連する御質問ですが、例えば8ページの収支の推移を見ましても、収入のほうもかなりどかん、すかんがあったりなど、今回の値上げの要因が一体何なのかという点については、直感的にわかるストーリーとして、消費者の方というのはどうしてもそういう目線で見ますので、そこら辺のところをもう少しわかりやすく御説明いただかないと消費者の方々にはなかなかわからないのではないかと。
 例えば12ページの原価の概要を見ましても、修繕費や減価償却費が増えていて、これは何が原因というと泊3号機の設備投資の関連ということになりますと、今回の料金値上げ要因に関連させて一体これをどのように理解すればいいのかという議論になります。もう少し、消費者の方にはわかりやすいように説明の仕方を整理していただければというところが、希望でございます。
 質問ですけれども、17ページの退職給与のところでございますが、他の電力会社では、数理計算上の差異の負担の削減という観点などがございまして、退職給付制度を確定給付型から確定拠出型へ移行されたり制度自体の変更をされて、いろいろと御努力をされているのですが、北海道電力としては、何かその辺りの過去の経緯や、あるいは今後の予定などはあるのでしょうか。

○藤井理事人事労務部長(北海道電力) 人事労務部の藤井でございます。
 当社の退職給付につきましては、平成17年に見直しをしております。大まかに退職給付の概要なのですけれども、10%が確定拠出という社員のほうで主体的に運用するもの、それから、60%がキャッシュバランス、いわゆる確定給付、そして3割が退職一時金ということで、こういう構成をしてございます。そういう中で今回の見直しでございますので、この中での今回運用ということになります。当面、この運用の中で、特にキャッシュバランスにつきましては国債金利に連動するということで、妥当な運用をしているというふうに評価しているところでございます。

○古城座長 あといかがでしょうか。
 それでは、もう少し議論の範囲を拡大いたしまして、燃料費、購入・販売電力料も含めて御質問をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ、矢野委員。

○矢野委員 先ほどの原発の再稼働とも関連しますが、非常に不確定な部分はあるけれども、北海道の本当に特殊事情、特に冬に電力を確保したい、それも値上げした段階でのそれ以上の燃料費の加算が見込まれないようにということで原発の再稼働を見込んでいらっしゃると思うのですが、万が一、予定されている稼働がおくれた場合の燃料費のさらなる増額等がありますね。その辺はどういうふうに想定していらっしゃるのでしょうか。ただ、電気料金は一たん値上げが認可されますと、それで対応されなければいけなくなると思いますから、収入が限られている中でさらに支出がふえるということもあると思うのですけれども、その辺は原発が稼働しない場合の想定はされているのでしょうか。

○氏家企画部長(北海道電力) まずは再稼働させていただくための努力を最大限実施してまいります。おっしゃるように、稼働がおくれれば燃料費等々が増えてまいりますので、その状況を見ながら判断していくことになるのかということでございます。まずは規制基準に沿うような形で申請書のほうを出させていただいて審査を受けたいというところでございます。
 それと、先ほどの原価の説明でございますが、もう一度11ページのほうをごらんいただければと思います。先ほど申し上げましたように、マル1のところで21年に泊が入りまして、原価期間安定的に稼働していれば、泊3号機に関連する費用が左から1つ目の340億円ぐらいの費用の増加はあるのですけれども、燃料費の軽減効果が640ということで、安定的に稼働さえしていれば300億円ぐらいここで効率化の余地が生まれます。その横に550億、310億と240億ということで、それ以外の要因が書いてございます。下側に書いてありますのが、先ほども申し上げました修繕費を中心とします設備の経年化対策費用、それから、京極発電所の新設にかかわる費用、その上、240億といいますのが泊の安全対策費用でございます。さらには、先ほどもちょっと申し上げました原賠法の負担金、それと退職給与金の増加などがございまして、550億というところでございます。
 安定的に稼働していれば、左側で申し上げましたマイナス300億円、さらに、その横の550億円、これだけではまだ足りないのですけれども、右端にあります効率化を実施することによりまして、何とか現行の料金水準は維持できたというところでございます。しかしながら、右から2つ目の上矢印600にございますように、今回、泊発電所が停止したことによる燃料費等の増加影響を吸収することができなくて、今回値上げをお願いせざるを得ない状況になったということでございます。

○古城座長 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 本当は、この資料を単純に11ページを見ても、前回5,661億円で、今回6,164億というと、5,661億円に泊発電所停止による費用増600を足したら6,000何がしで同じぐらいの数字になってしまうというところで、説明の内容はわかるのですけれども、その辺、もう少しわかりやすく話していただかないと、では、原発なかったほうがよかったのではないのという話になって、それなのに原発を早く再稼働したいというお話もわかるのですが、先ほどから言っているように、希望的観測ではなくて、本当にことしの12月に再稼働できるのかという、全然根拠がない中でこういう申請書を出されるとどう考えていいのかわからないなというところがあります。希望的観測は先ほどから何回も聞いておりますのでわかるのですけれども、どうもその辺の厳格な見通しというのが、私の聞き取りが悪いのか、ちょっとわかりかねるというところがありますので、その辺、きょうは、先ほどから希望的観測のところではよくわかったのですけれども、厳格な今後の見通しというものをこれから資料として示していただければというふうに思います。これは意見ということです。

○古城座長 これ、いろいろな外部の要因がありますから保証はできないですね。

○氏家企画部長(北海道電力) 私どもとしましては、お示しをいただいている基準の内容に、必要な対策工事を全て実施していく。その実施した内容を、今度、規制委員会、規制庁のほうで審査をいただいて、それに合致すれば再稼働させていただけるということですので、事業者側が確信を持っていつまでに再稼働をということはなかなか申し上げられない状況にあるかと思います。

○古城座長 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 それであれば、そのためにこういった安全対策をしているのですとか、そういう説明のペーパーがないとなかなか理解しにくいのかというふうに思います。今、相手があることだからという、もちろん事業者さんが勝手に決めることではありませんけれども、そのためにこういうような対策等をきちんとしておりますという御説明をきちんとしていただきたいと思います。これは意見ですのでいいです。

○古城座長 また後で別途説明してください。

○氏家企画部長(北海道電力) その旨は全道での御説明も逐次させていただいておりますので、きょうは持ち合わせがございませんので、次回、資料のほうを御説明したいと思います。

○古城座長 よろしくお願いします。
 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 今の橋本委員の意見ともちょっと重なるのですが、スライドの12のところを見せていただくと、公租公課ですとかその他経費というのが営業費用として前回申請より上がっているのですけれども、今まで審査したほかの電力会社さんですと公租公課というのは下がっていたと思います。それで、こちらの公租公課の内訳25と、原価の内訳27、その他経費のところを拝見しましたら、公租公課のところで固定資産税というのが上がっているのですが、この理由がやはり原発の建設によるものであるということですね。要するに、今回の申請は、泊等の原発による経費増によるものであって、もともと再稼働は今議論になっているところなのですけれども、やはり消費者の目から見ると、原発に反対してきた人も多数いるという現実の中で、これらのものがかかることは別として、原価にこれを全部入れることについては、私は非常に疑問があると思います。
 そして、質問をさせていただきたいのは、この27のスライドのところの委託費という項目があるのですけれども、この委託費というものの内容と、固定資産の除却費の内容を教えていただければと思います。

○氏家企画部長(北海道電力) 例えば、システムの開発をお願いしたときにかかる費用ですとか、発電所の運営の関係の委託ですとか、今回であれば泊発電所の安全対策の検討にかかわる費用、ここに書いてありますけれども、そういうようなものがございます。一般的に言うと請負でお願いするようなお仕事ということになります。
 固定資産除却費と申しますのは、持っている設備を除却する際にかかってくる費用と、それから、設備を除却する際に、まだ作ったときの建設取得価格の帳簿価格が残っている場合は除却損というものも発生してまいります。その2点になります。

○白山委員 今のご質問の関連で、委託費のところの、例えば情報処理システム、「等」という語句が入っておりますが、約30億円の増加ということになっています。この情報処理システムとは一体何の情報処理システムで、今のタイミングでこの投資をしなければいけなかったものなのかどうかといったことなど、そういうことをお聞きしたいのですけれども。この情報処理システムの30億円の増加というのは、何の情報処理システムですか。

○氏家企画部長(北海道電力) 1つではないのですけれども、全社の情報関係のホスト関係の入れかえの関係の費用でございます。詳細は次回またお話しさせていただきたいと思います。

○古城座長 あと、私のほうから質問なのですが、原発をつくったので減価償却費がふえるというのはわかるのですが、新しい原発をつくったら修繕費はそんなにかからないので、普通、新しい設備をつくると減価償却費が上がって、そのかわり修繕費が減って、古くなったら修繕費が上がるのだけれども、御社の場合は減価償却費もふえて、修繕費もふえているというのはどういうことなのでしょうか。

○氏家企画部長(北海道電力) 火力発電所もそうなのですけれども、原子力発電所につきましても、13か月程度、一定期間動かした後、分解点検をいたしまして、全部問題がないかを調べています。

○古城座長 それは私もわかっていますよ。だから、原発というのは、新しい原発でも修繕費も減価償却費もふえるものだという考えでしょうか。

○氏家企画部長(北海道電力) 点検補修費用という定期検査の費用というのは、新しいプラントであってもかかってまいります。

○古城座長 では、原発というのは、古い火力を置きかえても設備費は全部修繕費も含めて高くなるという考えですか。

○氏家企画部長(北海道電力) 新しい発電所をつくった場合には、必ず定期検査というものを一定期間でやりますので。

○古城座長 それはわかっていますけれども、古いものは定期検査で壊れているところとかいろいろあるけれども、新しいものは基本的にそんなに壊れているところは少ないわけでしょう。

○氏家企画部長(北海道電力) それはおっしゃるとおり、経年化が進んだものの修繕のほうが当然高くなるのは事実でございます。

○古城座長 わかりました。
 あといかがでしょうか。
 小塩委員、どうぞ。

○小塩委員 14ページに経営効率化の内訳という数字を出していただいておりますが、ここを拝見いたしますと、需給関係費とか設備投資関連費用、修繕費もそうなのですけれども、取り組み内容を見ますと多様な発注方式とか、調達方法の多様化とか、「多様化」という言葉が出てきます。これは、例えば競争入札の比率を引き上げていくといった、具体的な取り組みがあると判断してよろしいのでしょうか。「多様化」の意味がよくわからないので、教えていただきたいということが1つです。
 それから、もう一つは、先ほどの議論に戻って恐縮なのですが、退職給付金の増加についての御説明を17ページに基づいてしていただいたのですが、前回は、要するに収益が出た、もうかったということですね。それで、今回はもうからないということになっている。もうかったことはいいのですが、予期せざる、もうかった分は脇に置いておいて、比較すべきなのは想定していたものではないのでしょうか。前回の想定と今回の想定を比べるべきであって、例えば17ページで言いますと、2番目のもうかった分は横に置いておいて、通常どれぐらいコストがかかるのかということを議論すべきではないかと思います。前回はもうかったけれども今回はもうからないから、その分はユーザーに負担していただきましょうと言われると、すぐに理解できないところがあります。私の理解が間違っていたら直していただければと思います。
 以上です。

○古城座長 今の御質問はどうでしょうか。

○氏家企画部長(北海道電力) 燃料費につきましては、主に海外炭等になりますけれども、契約時期等を分散したり、運ぶ船も大型の専用船を使うとか多様な調達方法を使うことによりまして、全日本の平均の通関の価格よりもかなり安い価格で燃料費のほうを購入させていただいております。
 あと、17ページのほうでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、17ページの左側にあるのが通常かかってまいります費用ということで、今回につきましてももうからなかったというお話ではなくて、通常かかる費用に対しまして資産の収益等は今回も少ないのですけれども、4億円ということで、これは前回が余りにもここが大きかったものですから、69億円の通常かかる費用から4億円を差し引いた65億円が今回の原価に入ってございます。ですから、前回と比べると大幅にマイナスが大きかったものですから、差し引きしますと72億円ふえてはいるのですけれども、今回の原価だけをごらんいただきますと、マル1で通常かかる費用が69億円、マル2のところで収益等にかかる費用がマイナス4億円ということで、原価には4億減った65億円で入れさせていただいているというところでございます。

○古城座長 前回原価のとき、運用環境がすごくいいという想定でつくっていたわけですか。今回は悪いという想定でつくっているわけですか。

○氏家企画部長(北海道電力) これは実績でございます。

○古城座長 実績でやっているということですか。

○氏家企画部長(北海道電力) はい。退職給付会計に係る基準というのがございまして、それに準拠しまして出てきた結果。

○古城座長 今回のは、そこに書いてある通常の運用予測を前提にしたらこうなったという御説明ですか。

○氏家企画部長(北海道電力) 2.にも書いてありますけれども、対象期間の実績と想定が余り離れていなかったということからマイナス4億円になった。前回は極端に運用環境がよかったので運用益が非常に出たというところが大きく違う点でございます。

○古城座長 これはフォワードルッキングではなくて、ここ3年の運用環境を前提にしているということですか。運用環境というのはどう想定するかというので、フォワードルッキングなのか、過去3年、前の3年というのは、その前の3年ということをおっしゃっているのでしょうか。

○氏家企画部長(北海道電力) 数理差異というのは、発生した年から向こう5年間で均等に償却をする、その年数については各社によって違うのですけれども、当社の場合は出てきた数理差異を向こう5年間で償却してまいります。ですから、1年ごとにスライドするような形で積み上がったような形になりますので、5年分のトータル金額ということになります。

○古城座長 運用環境をどう想定されるのかということを伺っているのです。

○相馬理事営業部長(北海道電力) 過去の実績でございまして、例えば平成25年の原価に入れる部分につきましては、平成20年の発生額から5年間の実績の部分を入れ込むという形の。

○古城座長 そのときの運用環境はどこに。実績というのは、過去のものはわかるのですけれども、今後のはどういうふうに運用環境を想定するのですか。

○藤井理事人事労務部長(北海道電力) 先ほどもちょっと申し上げさせていただいたのですけれども、5か年スライドして実績を見ていくのですけれども、そのときに基本的には会計士さん等に相談いたしまして、最近の実績分を見ていきます。最近の過去5年間の平均利回りというのが大体0.2%ぐらいのものですから、基本的にはこの中で制度としてやっていくということだったのですけれども。

○古城座長 そうすると、運用環境が悪いときを前提にして、あと、会計士さんと相談して、御社が将来の運用環境を決めているということですね。

○白山委員 ちょっとよろしいですか。説明の仕方の問題があるのかもしれませんけれども、会計士とではなくて、一義的には年金数理人とですね。年金数理人の方の助言のもとで過去の実績数値等をもとに今後の期待運用収益率を出してという説明、ですから、過去のデータに基づくフォワードルッキング的な発想をするわけですが、過去の実績をもとに将来を予測した期待運用収益率を想定し、そのもとに年金資産の運用利回りを出していくという説明をされたほうがよろしいのではないでしょうかということでございます。

○古城座長 そろそろ時間が押してきているのですけれども、最後にまだ御質問ある方、よろしくお願いします。
 それでは、ちょうど時間となりましたので、いろいろ貴重な御意見をいただきましてどうもありがとうございました。
 本日は時間の関係もあり、委員の皆様でさらに提起したい点があれば、事務局あて御連絡ください。本日御発言があった点や今後の委員の皆様からの質問事項を事務局で整理の上、次回の調査会で電力会社から御説明いただきたいと思います。
 本日は、お忙しいところヒアリングに御出席いただきましてありがとうございました。

(北海道電力 退席)

≪3.東北電力・四国電力のチェックポイントについて≫

○古城座長 それでは、あと5分だけいただいて、東北電力と四国電力のチェックポイントについて御説明いただきたいと思います。

○日下部企画官 では、簡単に御説明させていただきます。
 チェックポイントについては、本日の午前中に公表いたしました。前回の電気料金の調査会で皆様方に御議論いただき、貴重な御意見をいただきましてどうもありがとうございました。
 どこを変更したかということだけ簡単に御紹介させていただきますと、委員の御意見を踏まえまして、マル1の役員報酬、社員年収についてというところで、若干表現を、「従業員数や販売電力量等を勘案しつつ」ということで、「販売電力量」という言葉を委員の御意見を受けて反映させていただいたというところでございます。
 それから、マル3の四国電力の出向者のところでございますけれども、少し丁寧に書いたほうがいいということでございましたので、たしか白山委員からそんな御指摘があったかと思いましたので、「電気事業の観点並びに今後の競争入札比率の引き上げ計画及び随意契約を含む調達費用の削減に係る計画との関係等から、原価算定期間における出向者数や出向者への給与負担について、その理由を明確で合理的かつ整合的に説明しているか」。それから、雑給についても入れるべきだということで、「雑給についても、原価算入に値するものに限定されているか」というような表現を入れさせていただきました。
 マル7、調達のところでございますが、広告宣伝費だけではなくて、普及開発とかもっといろいろな費用について触れておくべきではないかということで、廃棄物、養成費、研究費等々を触れさせていただきました。
 それから、マル10番は、もともと子会社・関連会社について「本社並みの」という「本社」は何だというのがあったので、「電力会社本体」というふうに修正させていただいたところでございます。
 それから、大きなところで、マル27番、選択約款と供給約款のところでございますけれども、表現をちょっと入れまして、「供給約款料金と選択約款料金の設定において、消費者にとっての平等性が確保されているか」ということを入れています。
 それから、マル38番でございますけれども、もともとの言い方ですと消費者に理解しろよというような表現に見えたということで、ちょっと表現を変えまして、「エネルギー政策の今後の在り方は消費者の重要な関心事項であり、十分な説明と情報提供をすることにしているか」ということで、そこら辺の御指摘を踏まえて修正させていただいたものをきょう発表させていただいたというところでございます。
 以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 これは、もう既に本日公表されております。しかし、今後のために委員から何か御指摘ありますか。
 特にないようなので、以上といたします。
 それでは、議論は以上といたします。

≪4.閉会≫

○古城座長 事務局から連絡事項はございますか。

○原事務局長 どうもありがとうございました。今後は、今発表のあった東北・四国電力の査定方針案や北海道電力の認可申請に関する質問事項や意見についてまた御検討いただくことになります。
 次回の日程については調整させていただいた上で、改めて御連絡させていただきます。
 それから、追加質問がございましたら、また事務局から紹介させていただきますので、御連絡をいただければというふうに思っております。
 それから、冒頭発言し忘れたのですけれども、議事録が公開されるまでの間、今の議事内容につきましては動画で配信をしておりますので、ぜひまた地元の方はごらんになっていただければというふうに思っております。
 それから、もう一点ですが、週明け6月3日月曜日には、札幌市で阿南消費者庁長官のもとで地元の皆さんとの意見交換会が予定されております。この調査会からも井手代理が御出席をいただくということで、ほかの皆様も御参加の予定とお聞きしております。その場で出された意見につきましては、後日、またこの調査会にも御紹介をしたいと考えております。
 事務局からは以上です。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
 お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)