第25回消費者安全専門調査会 議事録

日時

2013年7月29日(月)13:30~15:28

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松岡座長、中川座長代理、片山委員、齋藤委員、佐竹委員、佐野委員、田澤委員、
鶴岡委員、中嶋委員、中村(昌)委員、中村(均)委員
【臨時委員】
澁谷委員、戸部委員
【説明者】
農林水産省 消費・安全局 表示・規格課 西澤課長補佐(生産・流通行程規格班)
【事務局】
原事務局長、山岸参事官補佐

議事次第

1.開会
2.前回までのヒアリング内容の整理
3.食品リコールの現状について
 ・農林水産省 消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐(生産・流通行程規格班)
 ・食品事業者団体へのヒアリング結果報告
4.取りまとめ案に関する意見交換
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:82KB)
【資料1】 前回までのヒアリング内容の整理(PDF形式:135KB)
【資料2】 農林水産省 「食品リコール社告の掲載例」について(PDF形式:517KB)
【資料3】 食品リコールの現状(中間とりまとめ)骨子案(PDF形式:106KB)
【参考資料1】 第24回消費者安全専門調査会における質問事項について(PDF形式:230KB)
【参考資料2】 都道府県による自主回収報告制度の整理(PDF形式:154KB)
【参考資料3】 食品のトレーサビリティについて(H25年6月農林水産省HP掲載資料)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、始めさせていただきたいと思います。
 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会 消費者安全専門調査会(第25回)」の会合を開催いたします。
 本日は、内堀委員、横矢委員が御欠席となっております。中村委員は少しおくれるということでございます。
 先に、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第と書かれた紙の後ろに一覧を載せておりますけれども、座席表の次に資料1といたしまして、前回までのヒアリング内容を事務局で整理したものです。
 資料2といたしまして、農林水産省ホームページ掲載の「食品リコール社告の掲載例」ということで、農林水産省から御提出いただいた資料です。
 資料3といたしまして、本日後半に議論をお願いしたいと思いますけれども、「食品リコールの現状(中間取りまとめ)骨子案」、これは事務局で準備したものです。
 後ほど説明いたしますけれども、参考資料1、参考資料2は、前回、委員から宿題ということで事務局にて調査したものをつけております。
 参考資料3は、2回目のときに委員から出された御意見で、食品トレーサビリティについての話も参考になるのではないかということでしたので、農林水産省のホームページから、図解してわかりやすい形の資料を、きょうは、説明は省かせていただきますけれども、おつけしております。
 委員限りの参考資料ということで、食品事業者団体へヒアリングに行ってまいりましたので、その概要メモです。
 もう一つ、委員限りの参考資料ということで、「食品リコールの現状整理に関する委員からの意見」ということで、前回、本来ならもう少し意見交換をしたかったのですが、時間が足らなくなったものですから、皆様から文書で提出いただいたものをおまとめして席上に置いております。
 資料の不足がございましたら、途中でお申出いただければと思います。
 それでは、松岡座長、議事進行をよろしくお願いいたします。

○松岡座長 座長の松岡でございます。
 本日の会議につきましては、公開で行います。議事録についても、後日、公開することといたします。
 早速、議事に入らせていただきます。

≪2.前回までのヒアリング内容の整理≫

○松岡座長 まず、議事次第2「前回までのヒアリング内容の整理」ということで、前回、前々回で行った食品リコールのヒアリング内容を資料1にまとめてあります。資料に基づいて、簡単に事務局より御説明をお願いいたします。

○原事務局長 資料1と、委員から宿題をいただいたものについて、御説明したいと思います。
 資料1は「前回までのヒアリング内容の整理」ということで、前回もお示しいたしましたけれども、それぞれの確認事項の項目に基づいて、ヒアリングをした内容、委員からの意見ということでまとめております。前回からの追加のところだけ御紹介したいと思います。
 3ページ目をあけていただきますと、17番と18番、これは法令に基づかない自主リコールの部分についてですけれども、17番の場合は、自主回収を開始する場合、一体数量が幾つで、場所がどこにあるかなどの情報が必要なので、直ちに届けるのではなく、確認した中で届けるため若干のタイムラグが発生する。ただ、店頭においては直ちに撤去を行っていますというお話でした。
 それから、いずれも流通業者ですけれども、プライベートブランドの場合は、1ロット3コ以上の情報があれば検証に入る。経済産業省が出している「リスクアセスメントハンドブック」、R-Mapのようなものは参考の資料として使っているというお話でした。
 4ページ、22番ですが、食中毒のように命にかかわるような大きな問題が発生した場合は、自主リコールとか通常の管理のところではなく、全く違ったところで、リスクマネジメント規定の中で書いているが、直ちに組織を立ち上げて対応しているということです。
 23番と24番は、流通事業者からですけれども、ナショナルブランドに関しては、メーカーからの協力要請に基づいていろいろなお手伝いをしておられるということです。プライベートブランドについては、告知から回収、関係省庁への報告などすべてを行うということで、メーカーと同じような対応をとっておられることになります。
 5ページに入りまして、31番~35番までございますけれども、これは、消費者への情報周知をどう行っているかというところです。31番では、リコール情報サイトには「重要なお知らせ」欄に、重大事故を起こしたらトップに表示されるような形でお知らせをしているということです。
 委員からの意見ということで、32番ですが、リコール情報サイトには、今、1,800件くらいの情報が掲載されているわけですけれども、これがどんどん継続すると何万件にも増えていく。分析や検索に活用できるようなことを考えてはどうかということです。
 33番ですけれども、原材料の順番を間違えたとか、期限表示を間違えたという自主回収は多い。では、なぜそういう間違いが起きたのかということについて、消費者庁からメーカーへ再発防止ということで伝えていただきたいという御意見がありました。
 35番は、下から3行目ですが、アレルギー事故の場合は、アレルギーのNPOの協力を得て、そこのホームページに掲載させていただく対応も行っているということで、これは非常に効果的というお話でした。
 6ページ42番は、流通のルートが冷蔵や冷凍の場合は、回収されるときには必ずしもその温度帯が守られていないので、当然廃棄を行っていますというお話でした。
 7ページ、49番は、リコール基本法の話が前回出ました。これは、消費者庁からのそのときの即答での御回答ではあったので、庁としての見解ということにはならないと思いますけれども、一定の形を定めることが可能なのかどうかということと、法律事項のない法律は制定できないということになるのではないか。法制化ということを考えたときには、こういうことも考えられるという御意見が出されたところです。
 これは資料1の関連です。
 宿題でいただいておりましたものを、参考資料1と参考資料2でおつけしております。参考資料1ですけれども、流通事業者へのヒアリング時に、社告を出してからのフリーダイヤルの届出件数や、何%ぐらい回収されたのか(回収率)が知りたい。社告を出した後のお客様からのリアクションはどのくらいあったのかということで、御回答をいただいております。
 アレルゲンの関連で落花生が入っていたチョコレートケーキの話ですが、これについては、店頭での告知、社告、ホームページ、新聞報道、5月3日に一斉におやりになっています。当日は157件入電したということですが、日を追うにつれて下がってきています。黄色のマーカーをつけておりますのは、お休みの日ということです。
 下は烏龍茶のティーバッグで、残留農薬を検出したという話になりますけれども、12月22日に店頭告知をして、その日に5件入ってきておりまして、12月25日、ホームページとか社告になると、12月26日(181件)、27日(108件)と入ってきております。具体的にはこうなりましたということの御報告です。
 参考資料2は、都道府県による食品の自主回収報告制度の整理ということで、澁谷委員から、作成してもらえないかというお話がありました。これはまだ全部をつくっているわけではございませんけれども、中をあけていただきますと、かなりの県を網羅した状態にはなっています。
 最初に群馬県、東京都、愛知県と都道府県を並べて、項目としては、制度の趣旨、対象となる食品の範囲、特定事業者(誰に報告を求めるか)、報告が義務づけられる回収事由、公表場所、公表内容、掲載期間、回収終了報告書の記載項目、回収終了後の措置、出典ということで整理いたしました。
 これは詳細を見ていただければと思いますけれども、自主回収報告制度があるのは33都府県、5つの市です。そのうち、報告を義務化している自治体は26でした。制度の趣旨は、ほぼすべて、回収情報の周知、回収促進、未然防止になります。対象となる食品の範囲は、飲食物、添加物、器具、容器包装ということで、食衛法の範囲と思いますけれども、おもちゃが含まれるところとそうでないところがありました。特定事業者もほぼ同じです。
 報告が義務づけられる事由も、食衛法違反、そのおそれがあるもの。公表内容についても、ほぼ同じです。ただ、掲載期間は短いところから長いところまでさまざまでした。回収食品の措置は、保健所が立ち会うケースが多いということになります。
 2ページ目に黄色いマーカーをつけていますが、例えば宮城県は、報告が義務づけられる回収事由というのは、ほかの都府県は結構詳細に書いていますけれども、簡単に書いてありました。
 下に公表内容として各項目が並んでいます。岩手県、宮城県もありますけれども、ここには、自治体へ事業者から届けていただく報告書への記載項目を掲載しています。ほかの県は、報告書への記載項目の中から何を公表するというふうに決めておられて、その公表項目に従って公表しておられるということで、その項目を掲載しています。
 まだ全部ではないのですけれども、大体同じような傾向になるのではないかと思っております。少し時間をとりましたけれども、澁谷委員、もしも何かございましたら。

○澁谷委員 ありがとうございました。大変な作業だったかと思います。これをやっていただいたことによって、日本の現状、どれだけの自治体がこういった制度を持ってどのくらいの内容でやっているかということが、共通部分、異なる部分、最大公約数的なところで、おおむね行政としてどう対応しているのかということがわかりますので、非常にいい基礎資料になると思います。どうもありがとうございました。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 ほかにコメントはございますか。
 資料1のヒアリング内容の整理につきましても、もし修正等の御意見がありましたら、事務局のほうへお伝え願います。
 それでは、議題1については以上でよろしいでしょうか。

≪3.食品リコールの現状について≫

○松岡座長 引き続きまして、議題3に移ります。本日は、食品リコールに関しまして、農林水産省へのヒアリングを行います。また、事務局が食品事業者団体へヒアリングを行いましたので、その結果は後ほど報告していただきます。
 まず、前回の専門調査会で委員から質問のありました、食品のリコール社告の掲載内容について、農林水産省より、リコール社告の記載例の説明をいただきます。説明時間は5分程度でお願いいたします。よろしくお願いします。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 農林水産省消費・安全局表示・規格課の西澤と申します。よろしくお願いします。
 「食品のリコール社告の記載例」についてという御依頼がございましたので、お手元の資料「農林水産省ホームページに掲載している『食品のリコール社告の記載例について』」という資料に基づきまして、説明させていただきます。
 農林水産省では、消費者基本計画に基づきまして、食品のリコール社告を出す際のポイントについて、消費生活用製品のリコール社告の記載項目及び作成方法、いわゆるリコール社告JISと言われているものですが、それを参考に、平成23年度において食品事業者団体に対して周知したところでございます。その後におきまして、新聞等における食品のリコール社告の一部に、まだリコール社告JISの趣旨を十分踏まえていない社告も見受けられましたので、リコール社告を通じた情報提供の適正化を図るため、本年4月、本日配付しておりますこの資料、リコール社告JISの趣旨をわかりやすく整理した記載例を作成いたしました。農林水産省のホームページに掲載するとともに、食品事業者団体に対して、改めて周知したところでございます。
 記載例の構成として、上の枠の中に社告を出す意義を伝えまして、下の下地が赤の枠でございますけれども、リコール社告JISに基づいて記載例を示しております。特に注意してほしいところとして緑色の吹き出しを入れて、アクセントをつけております。
 例えば上から2番目は、リコール社告JISの規格では、一般の社告と区別をつけるためにリコール社告と表記するということがございますので、それに準拠して、「タイトルに『リコール社告』と入れましょう」という吹き出しを入れています。
 3番目の吹き出しも、JISの規格では、消費者にどの製造業者の何の製品についてのリコールなのかをまず気づいてもらうために、タイトルに会社名、製品名等を設けるとしておりますので、同じように、「どの食品をリコールするのかタイトルに入れましょう、括弧書きには会社名を入れましょう」というふうにしております。
 さらに、中央部分の対象商品というところでございますけれども、JISの規格では、消費者が製品を特定できるように、わかりやすくするため、できるだけイラストを用いるとしておりますので、吹き出しにあるように、「どの商品かを速やかに特定しやすくするため、イラスト等を掲載しましょう」というふうに入れております。
 また、回収すべきケースの例といたしまして、オレンジ色の点線で例文を囲っておりますけれども、4つのパターンについて記載例を紹介しております。
 なお、農林水産省のホームページには、この記載例のもととなるリコール社告JISの規格のホームページにもリンクを貼り付けていまして、さらに詳細を確認できるようにしております。
 最後でございますけれども、食品事業者が食品の回収等の事態が発生した場合、この記載例を活用していただきまして、消費者にとってわかりやすい社告を発出してもらい、円滑な回収と消費者被害の未然防止につなげ、一方で、事業者にとってその対応が消費者から評価を受け、事業者の健全な発展にもつながったらよいと考えております。
 以上、簡単でございますが、記載例の説明とさせていただきます。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、今の御説明に対して、御質問、御意見のある方はよろしくお願いします。
 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 おくれまして、申しわけございません。
 今の御説明で、先週と今週の新聞に食品リコールの掲載があったのですけれども、イラストは載っていないし、前文も冗長にすぎるのが全然消えていないのです。その辺は農林水産省から御指導とかはないのでしょうか。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 これは4月にホームページに掲載いたしまして、食品事業者団体に我が省の関係部局を通じて周知しているところでございます。団体には周知は行ったのですが、末端の企業まで届くのに時間がかかっているのではないかと思っておりまして、個別の事業者に指導するということはしておりません。

○中村(均)委員 消費者に対して、リコールの情報が早く伝わればいいというお考えは我々と同じですね。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 はい。

○中村(均)委員 そのときに、この社告がよいというふうに御判断なさっているわけですね。この形。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 はい。

○中村(均)委員 そうであれば、これは、JISがこういうものがあるよという参考例ではなくて、例えばJASにのせて徹底するという方法をとれるのではないですか。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 JASですか。

○中村(均)委員 JASかちょっと、済みません、そこはよく詳しくは知らないのですけれども、食品関係に対して徹底できる方法をおとりにならないのはなぜなのでしょうか。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 そもそも社告自体、自主性というのが大きいところがあると思いますけれども、あくまでも参考としての記載例でございまして、最終的に採用するかというのは企業の判断になってしまっているところもあるのかもしれません。

○松岡座長 中川座長代理、どうぞ。

○中川座長代理 この記載例は、自主回収のときの参考ということでお出しになっているのだと思います。だから、強制しようがないということだと思うのですが、仮に回収命令を出すときに、命令内容の一部として、このような記載で回収をしなさいということは、法制上は可能と理解してよろしいでしょうか。回収命令の権限が農林水産省にあるのかよく知りませんけれども、もし回収命令ができたとした場合、単に回収するということではなくて、このような方法で、このような記載で広告を出しなさいということも含めて命令を出すということであれば、強制的にすることはできる。しかし、こちらは自主回収だから、あくまで参考にすぎない、それ以上農林水産省は、手は出せない。こういう整理でよろしいでしょうか。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 自主回収なので、あくまでも参考ということだと思います。

○松岡座長 ほかに御意見は。
 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 私はこの記載例を見たのは初めてですけれども、この文章、先ほど、これよりも冗長だったと聞いて驚いたのですが、これも冗長だと思います。というのは、アレルギーという用語が3回出てきます。アレルギーの社告なら、当然アレルギーということはわかっているので、せいぜい1、2回出てくればいいのではないか。「本来含まれていない『××』が含まれていました」というのは、「含まれていることが判明しました」と書けば文字数は随分減ります。それから、「お召し上がりにならないようにお願い申し上げます」も、もう少し字数を少なくできそうだし、「大変お手数ですが」は要るのでしょうか。また、送付先は何処だと一瞬思うのですけれども、後ろのほうに書いている。「後記まで」とすると随分字が減るのではないか。
 シンプルに同じ内容を伝えようとしたら、半分から3分の2の文字数で伝わりそうです。同じスペースで大きな文字になれば、もっとアピールできるのではないかと思います。このような見直しが行われる機会があれば、そういう観点から一回見直してはいかがかと思います。

○松岡座長 どうでしょうか。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 文章を丁寧に書くとこうなってしまったというのは確かにあるのかもしれません。リコール社告JISをベースに書いてはいたのですが、確かに文を短く簡潔に社告を出すというのは大事だと思っております。文言を整理できるかどうかの見直し等は、また検討させていただければと思います。

○松岡座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 新聞社告の場合、表現の方法はほとんど広告代理店で行っているのではないかと思いますけれども、大手の広告代理店筋への要請といいますか、こういう形の表現をなるべく使ってほしいというふうなことは行っていますでしょうか。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 広告代理店には周知しておりません。食品事業者団体のみです。

○松岡座長 そういうルートが有効だと思いますので、御検討願えればと思います。
 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 先ほど、ことしの4月にとおっしゃいましたけれども、農水省として通知は2011年ぐらいに出しているはずです。私も最近の新聞社告をコピーして持ってきましたけれども、ここに一つ何かイラストなり写真が入っていたら本当にわかりやすいのに、残念ながら入っていない。
 もう一つ、ここで特にリコール社告ときちんと書いてほしいというのは、ここは普通の社告と違うと先ほど御説明がありましたけれども、まさにそのとおりで、お詫びとお知らせ、お詫びとお願い、これでは全くわからない。確かに自主回収ですから、それぞれ勝手でしょうと。でも、そのために農林水産省が通知を出しているのだったら、これに沿ってやってください。もう3年もたっているわけですから、その辺りはやっていただきたい。
 それから、広告代理店はどうかわかりませんけれども、新聞社によっては、きちんとリコール社告例をつくって価格表まで出しているところがあります。そういうところもあるのに、何で農林水産省ができないのかというのが非常に疑問です。先ほども、消費者に情報を伝えたい、それは同じですねと質問がありました。それにしては余りにもお粗末。やる以上はやはりきちんと消費者に伝えて、拡大事故が起きないようにするのは農林水産省の一つの役割だと思います。あくまで自主回収だから勝手にやりなさいというのは、無責任、と言うと申しわけないけれども、もう少しきちんと監督官庁としてやるべきではないかと思って、非常に残念だと思います。

○松岡座長 戸部委員、どうぞ。

○戸部委員 今のお話をお伺いしていて、2011年からリコール社告JISの導入ということで、いまだに守れていないという実態を改めて認識したのですけれども、そうであれば、なぜ守れていないのかというところをきちんと議論しないと、これからどういう形のものをつくっても、また守れないものができてしまうのではないかと思いました。
 それから、確かに社告の記載例ということでの御提案ですけれども、最近増えてきているのが、店頭での回収のお知らせです。回収対象の製品が置いてあった棚のところに貼ってある。それは大抵、普通の文章で、文面や表現方法はお店によって違っていたりします。きちんと消費者に伝えようとするのであれば、社告もさることながら、いろいろなルートで伝えることが大事だと思います。それぞれのルートに合った伝え方がきっとあると思うので、その辺も含めて議論をしたほうがいいと思いました。

○松岡座長 佐竹委員、どうぞ。

○佐竹委員 これは、農林水産省のよい社告の記載例だと思いますが、下の例1、例2の中に、2つとも、「当該商品は、お飲み頂いても健康被害の恐れはございません」と、ないということを言い切られています。2番目もそうなのですが、賞味期限が間違ったからといって、実際、健康被害につながることは少ないと思います。ただ、実際にこれはないとは言いきれないと思います。
 私は実際、飲料ではないですが、先週、加工食品で、賞味期限が間違っていたためにお腹をこわして回復までに3日間かかったという御相談も受けていますので、賞味期限が間違っていたとしても、どの程度間違っていたのか。私が実際に受けた相談というのは、本来は3日と表示しなければいけないものを1か月と表示されていたわけです。10日目に食された方が健康被害を起こされたということもありますので、健康被害の恐れはございませんと言い切ることをいい事例としてお出しになるのは、いかがなものかなと思います。

○松岡座長 何かお返事はございますか。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 いろいろ御意見を賜りました。先ほど佐野委員からあった事例ですが、記載事例を周知した以降に、1件ほど、まさにリコールタイトルのところを「リコール社告(食品)○○社・○○製品」という事例が出ていまして、まさにこれはこの事例を見ていただいた企業ではないかと思っております。
 それから、いろいろなルート、ポスターとか店頭とか、いろいろあると思いますけれども、この記載例は汎用性があると思っております。こういう伝えたい事項というのは、いろいろなものにも使えるのではないかと思っております。
 記載文で、「お飲みいただいても、健康被害はございません」と言い切っていると言われますと、確かにそう書いてあるのでそうなのですが、実際のところは、社告を出すところが、被害があるのかどうかという判断をすべきと思います。工業製品に比べて特に食品というのは、食べてしまったというケースもあるので、既に食べてしまった人に冷静な対応を求めるためという意味で、こういう文の掲載もあるのではないかと考えて書いた次第でございまして、必ずしもイコールで健康被害の恐れがないということで載せているわけではございません。

○松岡座長 片山委員、どうぞ。

○片山委員 2つ教えていただきたいのですけれども、一つは、この文を事業者団体には周知したというお話でした。具体的にはどんな形で、どういう機会を用いて周知されたのかということをお教えいただけますか。
 もう一つは、私も、下に挙がっている例1、例2、例3の文案は非常に不十分であるという気がしています。農林水産省ですから、いろいろなパターンのリコール社告の事例をお持ちだと思いますし、いろいろな事業者の皆さんにきちっとしたリコール社告をしてもらうためには、3つだけではなく、もう少しパターンを分けたような文例の指導とか、あるいは、先ほど言われた賞味期限の場合でもいろいろなケースがあると思います。それを消費者の不安をあおらないように、食べても大丈夫というのを入れる。こういう文章を書かれると、みんながそれでいいのだというふうに、誤った方向へ事業者の社告への対応を引っ張り出すこともあると思いますので、その辺りももう少し慎重にできないでしょうかという質問です。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 2点ほどいただきました。周知の方法でございますけれども、ことしの4月に、農林水産省の食品事業者団体を所管している省内の関係部局を通じて周知しているところでございます。
 この4パターンということで、アレルギー、賞味期限の印字ミス、残留農薬基準値超え、異物混入ということで、食品事故等があったときにパッとすぐに見られるように1枚に収めてつくっているということがあって、おっしゃるとおり、その回収の要因にはいろいろなパターンがあると思います。回収要因の代表的なものとしてこの4つが大きいところかなと思って挙げさせていただいたところでございますけれども、他のものもできるかどうか、検討させていただければと思います。

○松岡座長 戸部委員、どうぞ。

○戸部委員 この調査会での議論の大きなテーマなのかもしれないと私は思っていますけれども、社告で一体どうしたいのかという、その目的が多分あると思うのです。すごく緊急事態で回収しなければいけないものとか、知らせることが第一の目的のものとか、レベルがいろいろあるのではないかと思っています。そのレベルによって、知らせる緊急度、内容の深さというのが変わってくると思います。一つのパターンで全部をやろうとすると、結局、例を挙げられているものについても当てはまらないものが出てくるので、その辺りの知らせる内容の重要性だとか、何を伝えるかというところを整理したほうが、パターンと言うのでしょうか、標準的なスタイルというのは決めやすいのではないかと思いました。

○松岡座長 田澤委員、どうぞ。

○田澤委員 話が戻ってしまうのですけれども、どういう事業者団体にどんな伝え方をしたのかと、先ほど片山委員から質問がありましたときに、関係部局を通してというお話でした。以前の専門調査会で、介護用ベッドのことで周知をするとき、どんなふうにしたかと具体的に検証したことがあったと。私たちの側から見ると、平成23年からやっているようなものについて、どんなふうに伝えて、それがどんなふうに具体的に動きとして出ているか。重要なことであれば検証するということ。または、業界団体からなにがしかの反応があったのかというところを見ていただけたらいいかなと思いますし、もしそのような事例がありましたら、教えていただきたいと思いました。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 関係部局を通して団体に周知いたしまして、いつやったという報告を関係部局からは聞いております。私の方で全部調べたわけではないですけれども、団体のホームページや業界紙にも掲載していただいているところもありますし、「消費生活新報」にも掲載していただいています。

○松岡座長 中川座長代理、どうぞ。

○中川座長代理 この記載例では危機感が伝わらないというのが委員の皆さんのご意見だと思います。けれども、では、それに対してどうすればいいのかということなのですが、事業者にもっと周知徹底するとか、広告代理店に言うとかによって、はたして変わるものなのでしょうか。その辺は何かイメージはありますか。こうやればもっと変わるのではないかということについて。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 リコール社告JISは、御存じだと思いますけれども、文章がいっぱい羅列されて書いてありまして、食品事故が発生したときにそれを読み込むというのは大変だと思いますので、リコール社告JISをかみ砕いた記載例があればと思ってつくっているわけです。今後、広告代理店に言ってどうなのかというのは、広告代理店がつくられているという話も今初めていただきましたので、持ち帰り検討したいと思っています。

○中川座長代理 先ほど申し上げましたように、自主回収か、回収命令かというのは随分違うと思うのです。自主回収ということは、企業活動の一部としてやっているわけですから、当然そこは日本の企業文化というのがあって、お客様に対して無下なことは言えないとか、不安を与えてはいけないとか、いろいろな配慮が働くわけですね。そうすると、回収のお願い文は簡潔に書けとどんなに言ってもそれは変わらないと思うのです。それで私は先ほど伺ったのですけれども、もし回収命令が出るような事案だった場合、もっと危機感の伝わる、これは広告ではないよということがはっきりわかるような記載をして出しなさいということも含めて、命令するというのであれば、それは命令ですから企業は従わざるを得ないと思います。
 ですから、回収命令が出せるような事案、つまり危険な事案なのか、それとも自主回収に任せてよい事案、つまり、行政としてはそんなに危険ではないと考えているが自主回収したいならどうぞというタイプでは、随分話が違うと思うのです。そして、本来は回収命令を出せるけれども、しかし、企業がやると言っているから自主回収に任せましょうというタイプもある。本来、命令できるけれども、企業のほうが自発的にやっているというこのタイプの場合は、実質的には命令できるわけですから、リコールの社告はこのようにしてくださいという指導をして、もしその指導に従わなければ命令をかけますという形で、事実上強制ができます。ところが、本当に危険な事象について、回収命令権限が農林水産省にどれだけあるのかというと、ないわけですね。そういうことがやはり根本的問題なのです。
 自主回収しかないというのであれば、いくらここでもっとやれやれと企業に言っても、多分何も変わらないのではないか。命令権限があって命令ができる場合と、そうでない場合に分けて、命令できる場合に自主回収でやれば、それは事実上、命令がかかっているのと一緒なので、指導をして、本当に危機感のあふれた回収記載にしてもらう。そうでないものは、安全に対する危険性は大きくない、それで自主回収というのであれば、それは企業文化にのっとって丁寧にやるかどうか、それはもう企業の話、行政はそれ以上言えませんということです。そこの区別をしておかないと、ただただ、回収のお願い文をこのように書けと言っても、なにも変わらないという同じことが続くのではないかというふうに思いました。

○松岡座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 今、中川座長代理は自主的な回収だったら限界があると言われたのですけれども、この社告は一種のガイドラインですね。法的な強制力がなくて、各企業にこういうことをやって欲しいとお願いする性格のものです。ガイドラインは法律ではないわけです。通達も法律ではないです。ところで、厚生労働省の労働安全の関係者はリスクアセスメントのガイドラインをつくって、キャンペーンを張って、各業界団体を集めて、こういうふうにしてくれと、行政の人たちが説明をして回っているわけです。10年前くらいから、年に最低6回ぐらいセミナーを行い、各地方部局もそれをやってきた。ガイドラインには強制力がないので、お願いして回らないと、教育して回らないと、広がりません。
 農林水産省は、そういうようなキャンペーンで実際に事業者を集めて説明をするなり、セミナーを開くなりというようなことをされましたでしょうか。もしされていないのであれば、あなた方は自分たちがここまでやったという証拠を残しているだけで、それ以上の仕事は何もしていないということになりますけれども、いかがでございますか。

○松岡座長 どうぞ。

○農林水産省消費・安全局表示・規格課西澤課長補佐 先ほどのとおり、回収の命令というのは農林水産省に権限はなくて、これをどうやって普及していくのかという話だと思いますけれども、確かにそういうキャンペーンはやっておりません。私は、消費者団体との意見交換会とか、地方へ行って喋ることもありますけれども、そういうところには食品事業者の方も入っていまして、そのときに、記載例がありますよという紹介をやっていますが、キャンペーンでやるというのは今のところはやっていません。

○中嶋委員 実はこういう社告類というのは、当事者でない人がいくら考えてもいいものはできないと思います。企業の人が実際にこれはやらなければいけないと思ったときに、例えばセミナーの会場でディスカッションをすると、ここはどういうふうにしたらいいというふうな案が出てきて、どなたかが言われたように、数例の形にまとまっていくというのが普通なのです。それを、例えばJISのリコールのガイドラインがあるから、それに従ってやりましたというだけでは、いいものはできないだろうと思います。
 もう一つ、私は非常に気になるのは、この社告は消費者に大きな負担を強いているという問題があります。どういうことかといいますと、消費者が買った食品を郵便や宅急便でメーカーに送り返して欲しいと言うことが、消費者の負担になります。食品を郵便で送ることに慣れていません。おまけに、購入した代金は送り返した時点で返金すると言うのですが、消費者はその言葉を信じることができません。リコールになったことで、メーカーの信用はなくなっているのです。でありながら、「郵送してください」なのです。もしくは、「宅配便で送り返してください」なのです。どうして? というふうに考えるのですね。そういう不安を抱えさせて、送り返す人はどれだけいるでしょうかということが一つです。
 さらにもう一つ問題があります。それはリコールしないといけない人は一体誰なのかという問題です。ここに販売場所○○県・××県の食品スーパー」と書いてあります。本当にこの食品スーパーだけが売ったのであれば、このスーパーだけしか売っていないものであれば、このスーパーが回収したらいいのです。なぜそれを郵送しないといけないのでしょうか?
 さらに、この社告には非現実的な販売場所を書いてあるという問題があります。食品の場合、こんな1行で済む販売場所なんてあり得ないでしょう。もっと大きなネットワークで売っているはずです。そうであれば、リコールを実施する際に、どうしたらいいですかという別の問題があります。
 実は、国際規格では、ISO10393、リコールガイドラインという新しい規格を準備しました。同時に、ISO10377という製品安全のガイドラインも準備しました。この2つの規格をパッケージとして扱い、消費者を守ろうとしています。
 ISO10393では、リコールを実施する際にはサプライチェーン全部を使いましょうと書いてあります。すなわち、消費者は自分が買ったお店に商品を持って行ってください、なのです。当たり前のことでしょう。例えば、近くのコンビニで買った商品がリコールになったからといって、どうして郵送しないといけないのですか。商品を買ったコンビニに持って行けばいいのです。消費者からリコールの商品を受け取った店主がメーカーに送り返す。これが普通ではないですか。
 したがいまして、ISO10393では、リコールに責任を持つ主体はサプライチェーンとなっています。サプライヤーとなっているわけですよ。メーカーとはなっていないのです。日本人はどうしてもメーカーと思いたがるのです。
 しかし、販売した人、販売に関わった人たちも、リコールになった商品を販売したことで、儲けているのです。ということは、商品を売った人たちも応分の利益を得ているのですから、当然、それだけの負担はすべきです。
 実はこの間、私の学校の女子学生にリコールで回収の責任は誰にあるか、リコールを実施する主体は誰かと質問をしました。すると、何と全員がメーカーにマルをしました。私は驚いて「販売した人たちには責任はないのか」と問い、サプライチェーンの企業、販売したサプライヤーにも責任はあるだろうと質問して、ようやく「そうですね」と言うような反応でした。
 そういう意味では、せっかく農林水産省がこういうものをやられるのであれば、サプライチェーンの存在をどう考えるかをよく議論されてから、こういうものをお出しになった方がいいのではないかと思います。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 いろいろ議論が出まして、農水省にとっても貴重な参考資料があったと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思いますが、この辺でこの議論は終わりにしたいと思います。いろいろな意見が出ましたので、これを我々のまとめにも参考にさせていただきたいと思います。
 農林水産省の西澤課長補佐におかれましては、どうもありがとうございました。

○佐野委員 済みません。一言、つけ加えていいですか。

○松岡座長 どうぞ。

○佐野委員 中川座長代理がおっしゃった自主回収か法的回収かという話ですが、いわゆる日用品の場合もほとんど自主回収です。でも、きちんと社告はできているのです。なぜ食品だとできないのか。

○中川座長代理 業界によって違うと。

○佐野委員 そういうふうに思ったほうがいいのではないかなと思います。

○松岡座長 業界の体質ということですね。

○中川座長代理 そこまで言うと。

○松岡座長 言い過ぎですね。

(説明者退室)

○松岡座長 続きまして、事務局より、食品事業者団体のある団体へ、食品リコールの現状と課題についてヒアリングを行いましたので、その内容について御報告をいただきたいと思います。時間は10分ほどで、よろしくお願いします。

○山岸参事官補佐 事務局から御説明させていただきます。
 今まで、行政機関、消費者団体、流通事業者からヒアリングを実施しているところでありますけれども、今回、食品事業者に対して事務局で聞き取り調査を行ってまいりました。
 ヒアリング対象としましては、食品事業者団体及び会員企業8社。内容につきましては、「食品リコールの現状と課題」です。
 ただし、時間が1時間程度ということでしたので、委員の皆様からいただいた御質問についてすべて網羅できていない点がありますけれども、その点、御容赦のほどよろしくお願いいたします。
 まず、(1)、食品事業者がどのような判断でリコールを行っているかという点でヒアリングをしてきました。情報収集体制ですけれども、どのような情報をどういうツールで使っているかというと、情報は、消費者や業務用商品の場合は取引先から入る。収去検査等の場合は保健所から入ることもありますが、それは稀だそうです。
 情報収集に当たってどのような判断を下しているかということについては、健康危害を最優先に考えている。危害の有無、程度、単発か複発なのか、大量発生なのかも大きな要素となっております。基本的に不具合の発覚は、出荷後に起こるので、危害性の事実確認が一番苦労するというお答えをいただいております。
 法令違反のところは後で述べさせていただきますが、出荷後に起こるので危害性の事実確認が一番苦労するということでしたので、ここの点についてさらに深掘りして意見を聞いてまいりました。商品に何らかの問題があった場合、その原因究明は大変ではないか。これに対して事業者の回答は、製造時の問題なのか、流通時の事故か、使用時の不注意、あるいはいたずら等によるのか等々、さまざまな確認を行っているとの報告がありました。
 次に、その一次調査の結果に基づきまして、工場の中の問題なのか、工場を出た後の問題なのか。すなわち内部調査で完了しているのか、外部のサプライヤーの協力を得て調査をするのかを判断しているということですが、明確なお答えはいただけなかったのではないかという感触を持っております。
 続きまして、消費者団体から提案がありました点について、法令違反と健康危害の有無につきまして、特に健康危害がなくて法令違反があったものについて、どのように食品事業者が考えているかという点についてヒアリングをしてまいりました。
 事業者の回答としましては、法令違反は法令違反であり、軽微であろうとなかろうと、必ず同じような対応をとる。また、リコール判断に時間がかかると被害が拡大する可能性があり、また、時間がかかったところについては社会的な指摘・疑念を問われることになるため、特にマスコミを意識しているとのことです。
 さらに、企業のコンプライアンスに反することはできないということですので、健康危害がなくても必ず回収するとのことです。もう一つの回収判断要素として、外部情報があります。重大な事故が起こった企業と取引していた場合は、社会的な責任から、危害はなくとも当該企業製品を原料とした製品やOEM品は全部回収するということで、取引先も回収の対象になっているとのことです。
 次に、一番苦労されているところが表示の法令違反の場合とのことです。JAS法は選択の判断材料であって、特色ある原材料を謳っていたり、何か限定しているもので表示間違いがあると、優良誤認につながったりするために、回収となっているものが多々あるそうです。ただし、配合重量の間違いで原材料名の食塩と砂糖の表示順序が逆転していたような場合や、健康危害や優良誤認の可能性とも低いけれども、違反と言えば違反となるということだそうです。
 次に、JAS法と食品衛生法で考え方が分かれるのは食品業界全体が同じだろうという御意見がありました。例えば賞味期限を2100年と表示した場合、明らかに間違いと判断できますが、これは違反ということで回収の対象となるとのことです。また、何か大きな事故が起き、「○○事件」とされてしまうと、他の食品の安全レベルは全然変わらないのに、マスコミや社会から風当たりが強くなることによって、マスコミの対応や社会状況により、危害性や法令違反がなくとも回収することがあるということで、法令違反以外につきましても、社会的風潮という観点から事業者は自主回収を図っていることもあるそうです。
 ここで特に重要なことは、アメリカのように危害レベル1~3に分けてはっきりしてもらえればよろしいのですが、日本でははっきり判断することがまずないということですので、安全上、意味のない回収が起きているのではないかとのことです。
 次に、行政の判断基準について食品事業者がどのようにお考えになっているかということをヒアリングしてまいりました。質問事項としましては、法令違反にならない場合まで回収を行っているのかということで、企業のブランドイメージを守るためにはセンシティブにならざるを得ない点がある。また、食品衛生法の法解釈の判断基準が曖昧で、毛髪混入であっても食品衛生法第6条違反とみなすことができる。その観点から、異物混入等も含め、行政としてはそういうことでも法令違反とみなすことができるとのことです。
 自主回収を行った場合には、条例によっては自主回収報告書を記載する例がありますけれども、それについて保健所に相談すると、大体は、法令違反に該当するのではないかという御指摘を受けるとのことです。
 次に、事業者側が、回収するかどうか、また、法令違反かどうかという観点から迷った場合、どのようにところに相談に行くかということについてヒアリングをしてまいりました。基本的には、保健所のほうに一義的には御相談に行くとのことです。表示のことで明らかにJAS法関係だとわかった場合は、農林水産消費安全技術センターや、農政局に相談に行かれることもあるそうです。
 事業者が行政の判断基準についてどのように考えているかという点は、保健所から回収するように指導を受けたことがあるのかという点ですけれども、指導・命令ということはなくて、大体は自主的にやってくださいというスタンスだそうです。早急な対応を任されても答えは限られているのが現状だとのことです。
 健康危害がほぼ確実な場合でないと、保健所は指示しないのではないかということですけれども、「速やかに回収してください」といった指導があるぐらいで、保健所から明確に指示を出すことは余りないとのことです。
 このように厚生労働省が指示を出すものについては年間10件程度であって、食品リコールは自主回収がほとんどだそうです。
 繰り返しになりますが、行政の判断が事業者にとってどういうふうに考えられているのかという点です。保健所は、都道府県ごと、または東京都には何か所か保健所があるかと思いますが、対応がそれぞれ異なっているのではないかという点について質問してきました。東京都の場合については、自主回収報告制度があるので、保健所の対応は大体同じであろうということだそうです。全国で展開している大規模な食品メーカーの場合は、工場のあるところと販売しているところでそれぞれ届出を出しますけれども、本社の所轄保健所で、どうするのか方針が出たら教えてくれと言われるぐらいで、余り統一的ではないのではないかという感じだそうです。
 最終的には、保健所も、いろいろなカテゴリーの食品や事業者の相談があるため、対応が異なるのは当たり前ではないかというお答えだそうです。
 省庁間で意見が食い違った場合、どのようになっているかということでお聞きしました。保健所と農政局の表示ミスに関する意見が違った場合、どうなっているのかという御質問をしたのですけれども、輸入食品の表示などでJAS法と食品衛生法で違う記載がある部分は事実としてあるとのことです。ただし、食品表示法が今度できましたので、これが一本化されれば、今後、是正されるのではないかというお答えでした。
 流通事業者の判断基準について、食品事業者はどのようにお考えになっているかという点についてヒアリングをしてまいりました。
 まず、流通事業者から自主回収を逆にメーカーに求められることはあるのかということですけれども、消費者への説明責任やコンプライアンス上の考え方を問われているそうです。製造事業者が自分で判断して責任をとるべきだという姿勢であって、稀にではありますけれども、小売の小さいところですと、自らの判断で自社店舗の棚から商品を引き揚げてくれることがある一方で、この程度で回収するのかという声はメーカーの営業サイドでもあるとのことです。
 流通によっては温度差・対応の違いがあり、検品してリスキーな物は回収して、あとはきちんと対応してくれればいいと言ってくれる流通事業者もあるということで、流通業界全体に対して統一的なお考えはないのかなというのが、メーカーからの御意見ではないかというふうに認識しております。
 前回、流通事業者から、1ロットで3つの同じクレームが出ると検証する決まりがあるということで、メーカーはこういうことを対応されているのかということで質問してきました。業界内では統一されたルール化はされていないということで、同一ロットで複数出たら調査し、検証するというのが事業者の共通認識であるので、その上で検証結果に基づいた対応を行っているそうです。
 「その他」ということで、今まで整理した上でヒアリングをしたのですけれども、さらに深掘りして質問した部分について、個別に回答させていただきます。
 JAS法に基づく表示違反です。JAS法には回収命令などはないのですけれども、商品の撤去などをやるようにという通知が出ている。こういうことをやっているのかということなのですけれども、JAS法違反の場合、店頭から撤去するけれども、リコールまでの指示は行っていないということです。今後売ってはいけないよという程度で、農水省から明確な指示を受けたことはないとのことです。
 次に、食品ロスとの関連です。先ほど議論がありましたように、自主回収というのは返金や商品交換が大部分であって、消費者の申出がなければメーカーでは回収できないという受身的な対応をとられているということなので、実際、食品ロスの影響は大きくないのではないかという御質問をさせていただきました。
 これには、マスコミの報道が大きく取り上げられますと、返品や商品交換が多くなってくる。ただし、平穏無事なところでは余り返品は多くないとのことだそうです。
 次に、リコールの終了と再発防止ということで、回収率について食品の場合はどのように考えているか。何%になれば回収を終了するのかということを質問してまいりました。
 一応、賞味期限を目安にしている。あとは回収次第ということで、別に何%になったからOKということではないとのことで、行政もこの点はわからないということだそうです。基本的には健康危害がない回収なので、回収率が何%でやめるとかいう判断はしていないとのことです。ただし、重篤な健康被害が想定されれば、徹底した回収がされることは、消費者庁の安全調査課から出た御回答からも明らかだと思います。
 自主回収した場合、東京都の条例に回収終了の報告義務があるので、条例に規定されている要件が自主回収の終了と考えてもよいのではないかという御意見も出ていました。
 最後に、その他ということで、委員からの御質問で、過剰な回収は生産現場の意欲の低下につながるのではないかということですけれども、これは、絶対にないというお答えをいただきました。
 簡単ではありますが、報告は以上となります。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、関連して、コメント、御意見はございますか。

○中嶋委員 (14)のホンダというのは何ですか。

○山岸参事官補佐 これは例えです。ホンダ技研工業は、技術向上のためにリコールをやっている事例があるという御紹介をいただきましたので、それを踏まえて、過剰な回収をやったことで生産現場が混乱することはないという例示をいただいたということです。

○中村(晶)委員 このヒアリングについての質問ですけれども、この食品事業者団体というのは、ある種の食品の事業者団体ということですか。それとも食品業界全体ですか。どういうヒアリングだったのか、もう少し教えていただけますか。

○山岸参事官補佐 ある食品事業者団体で、お名前を出すことはできないということです。

○中村(晶)委員 できないというお約束でヒアリングをされたということですか。

○山岸参事官補佐 そうです。

○中村(晶)委員 食品事業者団体及び会員企業8社というのは、事業者団体の担当者の方と、会員の8社はどういうお立場の方が出ていらっしゃったのですか。

○山岸参事官補佐 済みません、それもちょっと。

○中嶋委員 何それ? そんなのヒアリングになるの?

○松岡座長 ほかに御意見、コメントはございますか。
 澁谷委員、どうぞ。

○澁谷委員 どういう方からのヒアリングかということもわからないということですし、お答えになっている部分も、偏っているとは言いませんけれども、一方的な話かなというところもあって、ヒアリングの信憑性というか、精度的にはどうかという印象は受けます。
 それで、最後にホンダの話が出てきますが、食品と工業製品とはちょっと違うのではないかという気がします。自分たちが工場で一生懸命つくった食品が、例えば表示のことで廃棄されてしまうことが繰り返されたりすると、やはり意欲の低下にはつながるのではないかとか、次のミスを誘うようなことにならないかとか、現場でつくっている人たちと、会社で販売、あるいはマネージメントしている上層部との乖離のようなものは本当にないのだろうか、というのはちょっと懸念するところです。
 これを見ると、どうも東京都の会社のようですけれども、制度のあるところは比較的スムーズにいくでしょうけれども、このヒアリングだけですべて言い表しているかというのは、言えないような印象を持ちました。意見です。

○松岡座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 質問ですが、(7)のマル2です。保健所の対応は個々で異なるのかという質問に対して、「保健所もいろいろなカテゴリーの食品や事業者の相談があるため、対応は異なるのではないか」ということですが、これは、同じ種類の食品について保健所の判断が異なる、そういう意味でしょうか。

○山岸参事官補佐 そういう形になります。

○鶴岡委員 わかりました。

○松岡座長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 前回以来、この問題を自分なりに考えてみたのですが、どうも理解できないところがありますので、皆様方に私の疑問をご紹介いたします。印刷の表示ミスがあった場合に廃棄するということですが、法律違反は法律違反だということで、形式的にそれが事実であるならば廃棄せよという風潮があると思います。今の説明の中にあったように、保健所も「問題がない」とは言ってくれない。行政官庁もみんな、「問題がない」とは言ってくれないと思います。ただ、法律の本来の趣旨からすると、本当に全品の回収・廃棄を求めているのだろうか、というのが私の疑問です。ちょっと分野は外れますけれども、刑法は厳格に刑事罰を決めている法律です。その中に器物損壊罪というのがありますが、これは、被害者が大目に見て「いいよ」ということであれば罪にはなりません。親告罪なのです。例えば、人の家に呼ばれて食事をしたときに茶碗を壊した。すると、器物損壊罪だ、刑事犯だとなったら、社会生活は成り立たないわけです。うまいルールです。
 表示を一文字でも間違えたらアウトだということが、だいぶ前、私の法律の記憶の中で、総会屋に関してありました。株主総会の招集通知が1文字でも間違えていると、そこを突いてきます。今度の総会で質問するぞ、お前たちそれでいいのだなと脅します。これが嫌で利益を供与する会社も出てきて、それがはびこった。これが社会の悪だということで、総会屋を排除する取り組みが社会を挙げて行われた。
 いろいろ印刷違いのレベルはあると思いますけれども、誰が見てもこれは印刷間違いだろうという件については、社会全体が総会屋になっていないか、ということを考える必要があるのではないかと思う次第です。実害がなければ許されるものもあっていいのではないか。それがもう少し取り上げられるといいと思うけれども、きょうのヒアリングの結果でも、誰もいいとは言ってくれなかった、という結論しかない。そうであれば、今はバッシングの影響が大きいですから、撤去するということになるのかと感じました。

○松岡座長 それに関連してですけれども、ヒアリングの中にラベルの貼りかえという用語が出てきています。表示ミスなり何かあったときに、その商品のラベルを貼りかえすれば店頭から撤去する必要はないのかなと思います。なおかつ、リコールまで指示せずというのは、買っていった人には対処のしようがないということで、法律的にラベル貼りかえというのは許されるのですか。

○中嶋委員 明らかに出荷のときに間違っていて、例えば砂糖とお塩が入れかわっている場合、これは許されるのではないですか。

○佐野委員 その上に貼るということですか。

○中嶋委員 そうです。もしくは、修正しましたというのがわかるように貼りかえれば、許されるのではないでしょうか。

○佐野委員 多分、私たちはここでは合意するかもしれないけれども、それをやり始めるといろいろなことが起きてくる。そこを許せるのかというところで、おっしゃるように回収する必要のないものはあるけれども、私は、間違った以上はペナルティだと思ってきちんと回収する。特に食品は口に入れるものですから、そう簡単に、間違えてごめんね、では貼りかえましょうというのは、許してはいけないのではないかなというふうに思っています。

○中嶋委員 リコールで一番大事なのは、ISO10393の中の事例ですが、サプライチェーンの中で、販売店が回収して、チェーンを逆流してメーカーに返されるのですが、リコールの対象になる全ての商品がメーカーに戻ってこないといけない。ところが、実際には、途中で市場に流れ出すわけです。これは防がないといけない問題です。ラベルを貼りかえて売ることを可能にすると、このような問題が出てきます。
 一方、ここに賞味期限2100年と書いてありますが、2100年1月1日と書いて出したら、これは法律違反でしょうか。賞味期限として、もしそれが立証できるのであれば、法律違反ではないでしょう。だって、何日と書けとは法律では決めていないのです。ですから、それはOKだというふうに強引に企業が言えば、OKなはずなのです。でも、やはり2100年1月1日は、間違っているので、2013年と書くのを印字ミスで2100年としましたと言われたときに、では、どうしますかという問題があるわけです。 
 確かに佐野委員が言われたように、不当なものをいかにも妥当なもののように書きかえることもありますけれども、もともと妥当なものを不当なもののように書いてしまうこともあります。例えば、表示でお砂糖と塩を入れかえてしまった場合に、表示を訂正することにした場合、社告で「大丈夫です」と言うのは好ましくないが「誰かの監視のもとに、回収して貼りかえるのであれば、張替は許されるのではないですか。これはサプライチェーンの中で言うとトレーサビリティです。トレーサビリティの中で大事なことは、トレーサビリティがあるからといって安全になるのではないです。それを認証している団体があって、そこで不正を働いていないかを見てくれているから安全なわけです。貼りかえのときにどこかの団体が、妥当に貼りかえましたとバリデーションの証明ができればいいのではないでしょうか。

○松岡座長 これは、次の全体の報告書の議論にも関連してきますので、一応、ヒアリングについてはここで終了させていただきます。御報告、どうもありがとうございました。

≪4.取りまとめ案に関する意見交換≫

○松岡座長 続きまして、議事次第4に入ります。取りまとめ案について、前回、時間がとれなかったので、皆さんからの御意見をいただいておりますが、それをもとに事務局で取りまとめを進めておりますので、その辺について御説明をお願いいたします。

○原事務局長 資料3をごらんください。もう少し内容を肉付けしたものでお示ししたほうがよかったのかもしれませんけれども、大体このような骨子になるのではないかということでお示ししたいと思います。
 「はじめに」から書いておりますけれども、リコールの考え方、情報収集体制ということで、時系列で整理をしてみてはどうかということです。これに加えて、例えば健康危害の程度で分類していくとか、法制度、強制的なものと自主リコールとで分けていってはどうかとか、いろいろあるかと思いますが、今までの皆様の発言も時系列で整理しておりますので、それで考えております。
 「1.はじめに」のマル1ですけれども、食品関連法令は、消費者庁、厚生労働省、農林水産省等に所管があり、所管はそれぞれ省庁ですが、法執行は地方自治体です。保健所がかなり大きな役割を果たしておられることになります。
 マル2といたしまして、相当数の食品自主リコールが存在しています。内容的には、軽微な印刷ミスから健康危害が重篤な例まで幅広い理由で回収が行われています。
 マル3といたしまして、食品リコールの特殊性と製品リコールとの共通性の整理ということで、食品に独特の特殊性もあるのではないか。一方、製品リコールは、ほかのものと比べても、同等と言うのでしょうか、共通性も十分持っておりますので、その観点からの整理を考えてはどうかと思っております。
 2番は「食品リコールの考え方」ということで、マル1が、食品関連法令に基づく(強制)リコール。これは食品関連法令の整理をいたしておりますけれども、強制リコールのジャンル。マル2といたしまして、食品関連法令に基づかない自主リコール。これらを含めて、健康危害と法制度で、消費者団体NACSさんが提案されておりましたので、参考で、こういった整理の仕方もあるということの御紹介もあるかと思います。
 3番は「食品リコールの情報収集体制」です。これについては、1回目の議論のときに判断基準のところからお示ししておりましたけれども、その前段として、情報収集はどのような体制が組まれているのか。迅速に集まるようになっているのかということで、お客様センター、こういった相談窓口、保健所、地方農政局といったことは考えられます。
 4番といたしまして、「食品リコールの判断基準」です。2と4はもう少しうまく整理しないといけないですが、健康危害に基づくリコール。これは、法令違反に基づくもの(食衛法)、それから、法令違反には基づかないものもあるのではないかということで整理をして、マル2として、健康危害に基づかないリコールというもので整理ができるのではないかと思っております。2と4は最終的にはもう少し整理をしたいと思います。
 5番が「食品リコールの実施」ということです。マル1は健康危害の度合いによる消費者への食品リコールの情報周知の在り方、マル2は行政機関におけるネットワークの状況、マル3は国、地方自治体、製造事業者、流通事業者等の協力体制、マル4は事業者におけるリコールの取組みと課題、マル5は現状でのリコールのバラツキと矛盾点をこの実施のところで整理してはどうかと思っております。
 6番が「食品リコールの終了・再発防止」ということで、マル1は回収終了の判断。食品ですから食べてしまうというところがありまして、ここをどういうふうに判断をしていくかというのがあります。マル2は再発防止に向けた取組みの現状、マル3は自主回収品の処理確認の現状。
 7番は「まとめ」ということで、マル1は、健康危害の度合いによって、リコールの判断基準、実施方法、実施主体等を明らかにしたらどうかと思います。マル2は、リコールへの自主的な取組みのためのガイドラインや、国内・国際の規格の策定などのリコールの効果を上げる方法、さらに事業者、行政のそれぞれの責務を定めた包括的なルールの検討ということです。これは、この2月に出しました消費者安全専門調査会の建議をそのまま持ってきておりますけれども、こういう形で整理しておいてはどうかと考えております。
 参考資料は詳細には紹介いたしませんけれども、委員の方々から事前に提出いただいた御意見については、参考資料2でおつけしております。この中で、御意見をできるだけ組み入れていきたいというふうに思っておりますけれども、本日、強調してこのことだけはというのがございましたら、是非、意見をお出しいただければと思っております。
 以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 大きく分けて、全体の構成の話。それから、各項目にどんなことを盛り込むかという内容。最終的には、まとめをどういう形でやるかという、こんなことになるかと思いますが、皆さん、御意見をよろしくお願いいたします。

○中川座長代理 2と4は整理がもっと必要ということをおっしゃっていました。一つここで抜けていると思うのが、リコールそのものの類型化が必要なのではないかということです。
つまり、消費者から取り戻すターゲットは何%というタイプのリコールと、先ほど、貼りかえればいいではないかというのもありましたし、場合によっては文句のある人だけ言ってきてくださいというのでホームページにだけ書いておけばいいようなものもあるかもしれません。いろいろなものをリコールと呼んでおりますので、先ほどの食品事業者団体のインタビューも、もしかすると、さまざまなタイプのリコールを使い分けているので、そんなに影響はないという趣旨の答えだったかもしれません。マスコミに騒がれると大々的にやりますが、そうでなかったら、文句のある人だけ言ってきてください、それもリコールだと言っているのかもしれません。
 それは実際さまざまあると思いますので、大変なものからそうでないものまで、リコール自体の類型化といいますか、たとえば法令に基づくのか、そうでないのか。原因、判断基準という辺りから、幾つかの観点から類型化できると思います。5番とか6番という辺りは、どういうタイプのリコールを念頭に置くかによってだいぶ議論は違ってくると思います。最初にあった社告についても、あれが重要な問題になるタイプのリコールと、社告なんかそもそもしなくていいようなリコールもあるのかもしれません。我々が同じことを念頭に置いて議論していることを明確にするためにも、リコール自体の類型化をしなければいけないのではないかと思いました。

○松岡座長 澁谷委員、どうぞ。

○澁谷委員 まとめのところにも関連するかと思いますが、これは中間取りまとめという題になっています。中間ということは、最終的にはどういう取りまとめになるのかということと、それをにらんで、中間という意味をどういう位置づけにするのかということ。例えば、最終的にほかの省庁にこういうことをやってほしいという要望を、まとめのところに入れてはどうかという意見も私は書きましたけれども、それは最終的な報告になるのか、これは中間だからそういうものは要らないのか、「中間」の位置づけについて教えていただきたい。
 それから、3番目の情報収集体制のところに幾つか窓口が書いてありますが、これはいろいろなレベルが一緒になっています。例えば国のレベルだと、農政局だけではなくて、ほかのところももちろんあるでしょうし、都道府県のレベルだと、消費者の相談センターとか窓口もあるわけです。そういうレベルで幾つかあるところについて例を出して整理する。保健所にももちろん食品のリコールはたくさん来ますけれども、消費者相談センターにも同じぐらいたくさん来ると思います。それから、農政局だけではなくて、国の窓口のレベルのところもあると思いますので、それは網羅していただいたほうがいいのではないかと思います。

○松岡座長 どうぞ。

○原事務局長 澁谷委員と戸部委員は、消費者安全専門調査会に食品関係から今回のこの議論のために加わっていただいていますので、説明が不十分だったと思います。実は、消費者委員会のもとにこの消費者安全専門調査会を設置して、ずっと審議は続けているのですが、去年の4月からことしの1月まで、リコール情報が徹底していなくて消費者の手元で重大事故が起きていて、これがかなりの件数があるということで、消費者の手元に情報を周知させて、消費者が行動を起こすと言うのでしょうか、そのためにはどういうことを考えたらいいかという議論を半年ぐらいやっていました。それで、2月に消費者庁と経済産業省に建議を出したところです。
 ただ、どうしても製品のほうに偏った話になっていて、食品がややおざなりになったようなところがありました。これは委員からも複数御発言があって、食品についてもう少し丁寧な議論が必要なのではなかったかという議論が出ました。この消費者安全専門調査会も委員の任期がことしの8月までありまして、まだ半年ぐらいあるので、この時間を使って、食品についてはどうかという実態をまず整理しておこうということで、連休明けからまたお願いして開催をしているというところです。ただ、食品の話を始めると、どういうふうに情報収集をしていて、どういう判断のもとでやっているのかという辺りもやはり大きな論点のように思いましたので、時系列として、全体を通じて皆さんの御意見を出していただいているということになります。
 これをもとにして今後どうするかですけれども、委員会限り参考資料にも書いておりますが、佐野委員からは、リコール基本法に結びつけていくことを明確にして取りまとめていただきたいという御意見も出ております。食品リコールは、今回のヒアリングをした中でも幾つも課題は感じられるところもありますので、それも課題として第三次の消費者委員会にバトンタッチをして、そこで、課題の部分については意見を出してもらうということも考えられるかなと思っておりました。中間整理というのは、今まで皆さんに御発言いただいたこと、ヒアリングしたことを整理したというところで、バトンタッチをしていきたいということでございます。

○松岡座長 そのような状況ですが、御意見は。

○戸部委員 そうすると、情報周知の徹底というところに最終的にはまとまっていくべきということなのでしょうか。

○原事務局長 最終的にはそこにということでもなくて、もしも、リコール基本法とか、リコールのための基本的なガイドラインを考えるということであれば、周知徹底のところだけではなく、もともとの情報収集とか、判断とか、法規制によるものとそうでない自主的な判断はありますから、それは全体をカバーするものになりますので、最終的にそこに行くのでしょうかということではないです。

○戸部委員 わかりました。というのは、私も、先ほど中川座長代理がおっしゃったように、食品リコールの位置づけというのでしょうか、消費者の安全性を守る手段が幾つかある中で、その一つとしてのリコールという位置づけを少し整理する必要があるのではないかと思っています。例えば、不具合があるものに対してのアクションとして、リコールという手段しか私たちはとれないのかどうかということです。もっとほかの方法があるのではないかと思っていますので、その辺りもこの取りまとめの中に入れていければというふうに思っています。

○松岡座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 中間取りまとめの段階ですけれども、参考資料1はイオンさんのデータですが、どういうふうに自主回収をやっているのか、どの程度自主回収をやっているのかという実情を見ないとだめだろうと思います。イオンさんのデータは正直に出していただいたデータだと思います。回収対象が160万個ありまして、回収できたのが38万個。23%と書いてありますが、実際に5月3日に回収を始めたときに既に半分以上は消費されてなかったはずです。通常、食品企業には「30%ルール」と言うのがあると聞いています。30%ぐらい回収できたら、これで恐らく100%回収できたことになりますと。理由は、途中で食べられてしまっていたり、在庫から消えてしまっていたりするので、30%ルールが囁かれているのですが、関係者の皆さんの感覚だけであって、実際にどの程度回収を始めたときに残っているのか。どの程度回収ができたのかが分からないのが実情ではないでしょうか。
 ターゲットを決めるのは難しいというのは、製品も食品も一緒です。だから、ここがもう少し明らかにならないと、これをまとめていっても実際に有効な取りまとめ案にはならないかもしれない。理由は、食品のリコールにおいては製品と違ってスピードが勝負になるからです。なぜかというと、消費期限、賞味期限があるので、その期間内で完了しないといけない。たとえば、長くて1か月ですと。これは企業にとってものすごく大きな重圧になります。ですから、本当にそれができるのだろうかという問題もありますし、そこを議論しておかないとだめだろうと思います。
 例えば、雪印乳業が2000年に食中毒を出して、1万4,000人ぐらいが被害を受けたということがありました。あの出発点は6月28日の福島の保健所からの通知でしたけれども、そこから回収までに15日ぐらいかかっているわけです。その15日間の間というのはものすごく大きな問題だったわけです、結果的に見て。やはりそういう問題というのはあるわけです。
 ですから、ここにいろいろうたわれていますけれども、ここで一つ我々が考えておかないといけないのは、法律か何かではなくて、実態の中で、何日間ぐらいでこれは勝負しないといけないものだろうか。そこは製品とは随分違うところなので、そこをよく議論して攻め方を考えないと、有効なツールにならないと思います。書いてみたけれども、社告は出してみたけれども、「ほとんど使えませんでした」では意味がない。澁谷委員が、法体系の整備がどの程度できているかを見てください、みたいなことを書かれておられましたけれども、私はそこが一番大事だと思います。食品の分野というのは、製品よりも法体系の整備は進んでいると私は思っています。基本法があって、食衛法があって、HACCPの推進の法律まである。その中でリコール法が法体系に馴染むものなのか、ちょっと問題のあるところだと言われていますけれども、法体系を考える中でガイドラインをどう組み入れるか、ガイドラインを有効に組み入れることができるか、そういうふうに考えていただきたいと思います。

○松岡座長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 この中に、製造事業者とか事業者という言葉が出てきます。その定義をお伺いしたいのです。というのは、作ったほうから末端までのトレーサビリティなどを考えるときに、いわゆる会社などを経由せずに直接口にするものがあります。道の駅に行くと農産物をたくさん売っています。例えば梅を買って帰ったら、それを梅干しにしたり、梅焼酎にしたり、いろいろします。いつどこで買ったのかわからない。こういうものをどうやって追いかけるのか、ということまでを対象にするのかということ。
 それから、食品の安全の基準です。水はみんな使っていると思いますけれども、水道法は基準を毎年のようにシビアにしています。そうすると、浄水場から家の蛇口まで、あるいは工場の蛇口まで、全部はけてしまうのにかなりの時間がかかっているのではないか。使っていないところは、水が通りませんから前の水が残っていて出てくる。これは基準違反になるのか、ならないのか。私もちょっと理解できないですけれども、それを使った水は違反なのか、ということにもなる。私はそういうのを全部ひっくるめて食品だと思っています。ここで取りまとめをする以上は、これらを漏らしてはいけないと思いますが、今までの検討の中では議論されていません。本当にこれで漏れがないのかということが気になります。それは、法体系全体がどうなっているのか、ということと裏腹の問題ですが。

○中嶋委員 多分、飲料水を売っておられるメーカーさんは水道水を使っておられないと思います。工業用水を使っておられる。理由は、カルキが水道水には入っていて、工業用水には入っていませんから、工業用水を原料にして自分たちで殺菌して使っておられるはずなので、上水道をそのまま使っておられるメーカーは大きなところではないと思います。

○齋藤委員 大きいところはそうですけれども、野菜などは付着したまま売っています。多分、いろいろあると思うのです。

○松岡座長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 この中間取りまとめはどういうふうに考えたらいいのかというのがあって、最初に原事務局長から御説明があったように、いかに情報を届けるかというところからスタートして、結局、製品のほうばかりに行ってしまって食品がなかった。でも、その中にサービスもなかったし、施設もなかったし、いろいろなものがなかったのです。でも、食品はみんな食べるものだし重要だということでやりました。ただ、ここが余りにも詳しすぎてしまって、その割にはきちんとヒアリングもできていないし、すごく中途半端です。これで中間取りまとめをしてしまうおうというのは、果たしてできるのか。
 先ほどの御説明のヒアリングも、対象が誰だったのかも教えてくれないし、何もわからない中で、私たちがこれを認めて書けるのかというのが私は非常に疑問に思っています。やるのでしたら、何回も申し上げているようですが、全般的なリコールをどうするかという基本法が必要。今回、例えばカネボウもありました。私はある意味ではすき間みたいに思っています。厚生労働省では、医薬品は副作用などきちんとやっているけれども、化粧品のような医薬部外品に関しては余り熱心ではない気がします。ちょっとすき間に落ち込んでいるような気もします。そういうところも全部飛ばして、食品だけ、こういうふうに余りデータのもとがわからないようなことを書いてしまっていいのかというところが、私は非常にすっきりしない今の気持ちです。

○松岡座長 中村委員、どうぞ。

○中村(晶)委員 私も、今、佐野委員がおっしゃったことには賛成です。8月までの期間の中で一体何をするべきなのか、もう一回整理をしていただいて、取りまとめ骨子案の一つひとつの項目にそれぞれ難しい問題があって、一つずつを掘り下げるとしたら恐らく8月では間に合わないです。ですから、8月という期間に縛られてやるのだったらどこまでとか、そうではなくて、延ばせるのであればどこまでとか、そこを一度整理をお願いできないかというふうに思いました。一つひとつには申し上げるべきこともありますけれども、それはまたメールでします。

○松岡座長 皆さんの御意見がいろいろ出てきておりますけれども、8月までという限られた時間で、取りまとめるという言葉自体が非常に難しい問題で、私の考えでは、当初のスタートは、食品リコールに的を絞った場合、どういうところに問題点があるか、今後どういうところを検討していかなくてはいけないかということを整理して、提案して、次の検討に渡していきたいということだったと理解しております。ですから、どこに問題点があるかという観点で考えて、ここに挙げました1~6までの項目があるのではないかということで、なおかつ、今まで我々の間でヒアリングをして、網羅的な材料ではないにしろある程度情報は集めたということで、それに基づいて少し整理をすると、次のステップへ向けての提案というか、問題提起はできるのではないか。そこまでなのかなと思いますが。
 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 私も、まとめのところというのは、課題の提示といいますか、それが中心になるのかなというイメージで思っております。特に工業製品との違い、食品ならではの特殊性というのが今までの議論でもある程度出てきたかと思いますけれども、その特殊性を、どういう方向で今後のリコールに反映させていけばいいのか。それと同時に、前から言っている法整備の問題ですけれども、判断基準とか、実施方法とか、大枠については食品も工業製品もそんなに違いはないと私は思っております。ISOの新しい規格が発行されましたけれども、あれも結局、そういう共通性があることが前提になっているだろうと思います。
 食品の特殊性の部分についてはどういう対応が可能かと言いますと、ガイドラインなどで可能ではないか。法律的な問題に関しては、本日の社告の問題でも出てきましたけれども、自主回収という枠組みで行った場合にはやはり限界があるだろうと。自主回収まで含めた基本法的な法律の枠組みの中で位置づけると、例えば政令でJIS規格を採用するように努めてほしいとか、そういった規則を盛り込むことも可能になるのではないか。それによって、自主回収であっても、法律の枠組みである程度事業者の積極的な取組みを促せる可能性も出てくるのではないかということも考えると、やはり法制度の見直しも、今後の課題として是非盛り込んでいただきたいと思います。

○松岡座長 中川座長代理、どうぞ。

○中川座長代理 そうしますと、中間取りまとめというのではなくて、むしろ、論点整理ですね。食品について論点整理をして、それがほかにも波及するような問題があったとすれば、リコール基本法の検討とかになりますが、それは親委員会で検討されるかと思います。これまでちょうど今まで4回の検討であれば、回数的にも、論点整理という感じではないかと思います。

○松岡座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 もしそういうふうにお考えいただけるのであれば、リコールというものが、消費者の安全に対してどういう位置づけになっているのかを論点として取り上げていただきたいと思います。法体系の整理とか言われたのですけれども、まさにそこをはっきりしてほしいと思います。というのは、リコールをきちんとやったら消費者は本当に守られるのでしょうか。絶対そんなことはないですね。なぜかというと、事故が起こってから、消費者が被害をうけてから、リコールをするのですから。事故を起こさないようにするにはどうしたらいいのかとか、そういうことをちゃんとまとめた中で、ここにリコールが入っているのですということを課題として挙げていただいて、一つひとつの対策はどの程度で、できているのかというのも一緒に考えていかないとだめだろうと思います。そういう意味で、リコールの位置づけをこのレポートで、もし課題の整理であればそこをやっていただければと思います。

○松岡座長 そうしますと、本来でしたら、そのことについて委員の間でいろいろ議論をしたいところですが、時間的にもう一回増やすわけにもいかないようなので、その辺を考えて事務局で原案をつくっていただいて、ということになると思いますが。
 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 課題の整理で私もいいと思いますけれども、食品のことについてここでいろいろと議論をしていって、私が一番問題だなと思うのは、先ほど中嶋委員も言われましたように、消費者にリコール情報を早く届けなければいけない。これはまずいとわかってから実施までというのは、いくらでも努力すれば縮められるような気がしますけれども、食品に関して、リコールの判断基準がいまだに私は納得ができないのです。情報がお客様相談センターに入りました。その原因が、その食品、あるいは何かそういう物というのを見極めるまでの時間はどうやって短くするのか。そこが一番食品に関しての課題で、今後やっていかなければいけないところなのではないか。情報から判断するまで、これをいかに短くできるのか。情報の中には、全く違う情報もありましょうし、ほかの工業製品に比べて因果関係を見つけにくいという気がして、そこが大きな課題のような気がしています。

○松岡座長 お客様の健康状態が関係してしまう場合があるというのも指摘されていましたから、非常に難しいですね。その辺をこの整理で指摘していただいて、どうやったらいいかということを、次の委員会なり何なりで十分議論をしていただくことにしたいと思います。
 佐竹委員、どうぞ。

○佐竹委員 今回の報告を課題のまとめというふうにしていただくのであれば、既に文書で委員の方から出ていまして、その中で是非必要だと思いますのは、一般製品のリコールと食品のリコールというのは、共通のものもあれば、別の特徴があるものもあります。やはりきちっと食品リコールの特徴というところをまとめていただいて、食品リコールにどういう問題があるのかをまとめた上で、その問題を解決するためにどのような対策が必要か、というふうにつないでいくことがいいのではないかと思います。
 もう一点、食品リコールの考え方の中で私はずっと思っていたのですが、食品は自主リコールがほとんどであるということですが、では、自主リコールを各企業がどういう基準でしていらっしゃるのかというのが全然見えてこない。イオンさんのヒアリングの場合も、そこのところは全くおっしゃらなかったのです。自社のリコール基準について全く説明がありませんでした。
 今回、食品事業者団体のヒアリングの内容を見せていただきましたが、事業者団体名も言っていただけない。このことからも恐らく自主基準というのは企業内規であって、余りオープンにできないものかなと思います。しかし、各企業の自主基準のある程度実態がつかめないと、自主基準の在り方が消費者にとってプラスなのか、もっと自主基準を高めないといけないと言えるのか、という議論もできないのかなと思います。今回唯一、食品事業者団体のヒアリングの中で、リコールの判断・実施、リコール判断要素というのが出てきました。これによると、法令違反は法令違反であり、軽微なものであろうとなかろうと全部回収するとなっていますが、これは恐らく、食品業界の中でも大手といいますか、軽微なものまで自主回収しても体力があるような企業の回答だと思います。食品事業者は、零細事業者も多いので、これが平均的な食品事業者の自主回収の基準とはとても思えないので、食品事業者の自主基準の実態のヒアリング、聞き取り調査が、まとめるには必要だと思いました。

○松岡座長 片山委員、どうぞ。

○片山委員 課題の整理の仕方ということですが、この議論をずっとやっていて、食品のリコールというのは対象事象がものすごくいろいろありますね。重篤な健康被害があって、緊急性を要するものと、本当にリコールを出さないといけないのかというところでは、検討すべき課題も問題点も全然違ってくると思います。私はむしろ入り口の切り口として、食品のリコール問題の位置づけ、特徴もありますが、その次のところで、これだけいろいろなものがあって、それぞれの事象ごとに課題が違うというところをうまく整理していただきたいと思います。

○松岡座長 ほかに御意見は。
 問題点、本質的なところがだいぶ出てきました。これを参考に事務局のほうで、大変お手数ですが、皆様の御意見を入れて、課題の整理ということで、タイムスケジュールから言いますと、8月上旬ぐらいまでに原案をつくっていただいて、それを皆さんにメールで配布していただいて、御意見を入れまして、何とか整理していただければと思います。どうもありがとうございました。
 では、そういうことで進めさせていただくことでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○松岡座長 いろいろ御無理を言って、非常にタイトなスケジュールで今までやってきました。8月22日が最終回になってしまいますので、そこの時点でさらにブラッシュアップなり何なり、どうしても入れたいところを入れて整理するという、非常にきついスケジュールになっています。今まで難しいことをやってきましたけれども、意義あるディスカッションだったのではないかと思っております。皆さん、どうもありがとうございました。
 ということで、本日の議題は以上で終わりにさせていただきます。
 では、事務局から、よろしくお願いいたします。


≪5.閉会≫

○原事務局長 どうもありがとうございました。どういうレベル感のもの、どういう内容にするのかというのは、事務局の中でも考えて整理をして、8月上旬にお示ししたいと思います。
 次回の日程は、8月22日(木曜日)、時間は午後1時半からということで予定しております。このときは今回の専門調査会の最後ということになりまして、8月27日の委員会には、事務局から報告をしたいと考えております。
 以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございました。

(以上)