第5回 地方消費者行政専門調査会 議事録

最新情報

日時

2010年8月30日(月)15:00~17:15

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【専門委員】
 片山座長、稲継座長代理、奥山委員、国府委員、斎藤委員、菅委員、田中委員、
 野口委員、馬場委員、圓山委員、矢野委員、山下委員
【担当委員】
 佐野委員、下谷内委員、山口委員
【オブザーバー】
 池本弁護士
【消費者庁】
 福嶋長官
【説明者】
 消費者庁 林地方協力課長、野村消費者安全課長、木嶋情報分析官
 国民生活センター 窪田情報部長
【消費者委員会事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.地方公務員制度における相談員の処遇改善について(稲継座長代理)
3.情報の収集・分析及び情報提供のあり方について
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:65KB)
【資料1】 地方公務員制度と消費生活相談員の位置づけ(稲継座長代理提出資料) (PDF形式:467KB)
【資料2-1】 消費者庁提出資料 (PDF形式:230KB)
【資料2-2】 PIO-NETの活用に関する懇談会(消費者庁提出資料) (PDF形式:96KB)
【資料3-1】 PIO-NET刷新について-PIO-NET2010の構築-(国民生活センター提出資料) (PDF形式:577KB)
【資料3-2】 早期警戒指標について(国民生活センター提出資料) (PDF形式:128KB)
【資料3-3】 消費生活相談情報の活用について(国民生活センター提出資料) (PDF形式:83KB)
【資料4-1】 地方の消費者行政の充実・強化のための情報の収集・分析及び情報提供のあり方(論点) (PDF形式:149KB)
【資料4-2】 地方の消費者行政の充実・強化のための情報の収集・分析及び情報提供のあり方(論点)に関連する第171回国会における議論について (PDF形式:170KB)
【資料4-3】 市町村におけるPIO-NETの設置状況(平成20年度末)(地方消費者行政の実態調査報告書 平成22年1月から) (PDF形式:107KB)
【資料5】 田中委員提出資料 (PDF形式:91KB)
【資料6】 国府委員提出資料 (PDF形式:86KB)
【資料7】 圓山委員提出資料 (PDF形式:176KB)
【資料8】 池本オブザーバー提出資料 (PDF形式:128KB)
【参考資料】 事故情報データバンクについて(消費者庁提出資料) (PDF形式:142KB)


≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、始めたいと思います。本日、皆様お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会 地方消費者行政専門調査会」の第5回の会合を開催いたします。 本日は所用により、専門委員の沼尾委員、担当委員の池田委員、櫻井委員、日和佐委員が御欠席です。
 本日は途中で、このたび新たに消費者庁長官に就任されました福嶋長官にお越しいただいてご挨拶をいただく予定にしておりますので、お見えになりましたら、また御案内をさせていただきます。
 それでは、議事に入る前に配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第の次の紙に配付資料の一覧を付けさせていただいています。資料1として、稲継座長代理に今日お話をいただく予定にしておりますが、そちらの資料。それから、資料2の関係が、消費者庁の提出資料、資料3の関係は、国民生活センターの提出の資料になっております。資料4が、消費者委員会の事務局で準備をいたしました論点、それに関連をする資料を付けております。資料5以降は各委員とオブザーバーから御提出をいただいた資料を付けております。参考資料として、最後に事故情報データバンクについてということで、消費者庁から提出した資料をお付けしております。
 資料は今の一覧のとおりですけれども、審議の途中で不足のものがございましたら、事務局までお申し出いただけたらと思います。
 それでは、片山座長、議事進行よろしくお願いいたします。

≪2.地方公務員制度における相談員の処遇改善について≫

○片山座長 それでは、議事に入りたいと思います。今回は「情報の収集・分析及び情報提供のあり方について」、議題として取り上げたいと思いますが、前回議論いたしました相談員の処遇改善について、地方公務員制度について研究されておられます稲継座長代理から、現行の地方公務員制度の中で、どのようにすれば相談員の処遇改善が可能となるのか。また限界があるとすれば、法制度上何が障害となっていて、障害を取り除くにはどのような制度改革が必要かなどについて御説明いただきたいと思います。
 それでは、稲継さん、お願いします。

○稲継座長代理 稲継でございます。よろしくお願いいたします。お手元の資料1に基づいてお話しをさせていただこうと思います。
 初めに、大もとのそもそもの「日本の地方公務員制度」ということでございますけれども、これは御存じのように「地方公務員法」で原理原則を定めています。例えば服務に関する規定ですとか、任用に関する規定ですとか、かなりの数の条文を置いております。これは基本的に国家公務員法に準じているところが多いわけでありますけれども、ただし、国家公務員の場合には労働基準法の適用がないけれども、地方公務員にはあるとか、いくつかの違いがございます。それと2007年(平成19年)の国家公務員法改正によりまして、一部の国家公務員法の規定が能力・実績主義とか、あるいはセンターの設置とか、そういったことについての規定が置かれましたけれども、同時期に提出された地方公務員法は改正されずに廃案になっております。したがって、そこが若干の部分、跛行的な状態になっている部分がございます。
 ほかの国を見渡しますと、地方公務員に関する規定については国によりさまざまであります。例えばフランスの場合は、第1部で国家公務員について定め、第2部で地方公務員について定めるというように、ほぼ同じような規定を1つの法律の中で規定しておりますけれども、例えばイギリスなどの場合には、国家公務員については、法律はつい今年までなかったのですけれども、今年国家公務員法に該当するような法律が4月に一応設立したわけですが、地方公務員に関しましては、民間の労働法制にそのまま適用されておりますので、民間の規制にそのまま従うということになります。したがいまして、例えば民間で、イギリスの場合はジョブシェアとか、そういうことがかなり普及しつつありますけれども、同様に地方公務員の場合にもフレキシブルワークがかなり発達している自治体がございます。
 私もいくつかの自治体に訪問してヒアリングをさせてもらった経験がございますけれども、例えば同じ職を2人の職員で受け持つと。曜日を変えたり、時間を変えたりすると、そういう形で、1つの席の仕事を2人でジョブシェアするようなことや、さまざまにコンプレストワークといいまして、圧縮労働週、週何時間ということを日にちを固めて、そこに集中して働くようなさまざまな工夫が各自治体若しくは地方公共団体毎にさまざまなされているところでございます。
これに対しまして、日本の場合には地方公務員法という根本規定があるために枠が決められているというところに特徴があります。したがって、自由に各自治体が定め得るという立場には全くございません。
 日本の地方公務員制度は任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営が原則です。例えば地方公務員法第3条とか第17条には、原則につながるような規定がございます。後ろの7ページあたりに関連する条文を付けておりますけれども、要するに一般職と特別職を分けて、一般職については地方公務員法の適用をする。
 任命については、基本的に採用、昇任、降任、または転任のいずれかの方法により、しかも競争試験によってやるとか、そういった原理原則があります。この任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営が原則だというのは、根拠とされているのはさまざまな報告書とか総務省の通知の中に出てくるのは、職員の長期育成、職員の身分保障をして、職員が職務に安んじて精励できるようにすることによって、公共サービスの質の確保を図ると、こういうことがベースにあるので、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営が原則だという立場は総務省の立場としてはずっと変わっていないところです。
 しかし皆さん御存じのように、実態としては一般の常勤職員、これは地方公務員全体ということになりますが、約290万人、最近はもう少し減っていますが、300万人弱の常勤職員に対して約50万人の臨時・非常勤が存在しています。具体的には12ページ、13ページに、短時間勤務の在り方に関する研究会報告から引っ張ってきている資料が多いのですが、12ページ、13ページ見ていただきますと、地方公共団体の臨時・非常勤職員数が出ております。平成20年4月1日現在ですけれども、合計の欄見ていただきますと、都道府県、政令指定都市、市町村等の計で、49万7,796人。職種としては一般事務職員からずっとありまして、最後「その他」というのがございます。消費生活相談員の場合には、基本的に「その他」のところに分類されていると聞いております。
 どのような任用根拠があるのかということで、その下の13ページ見ていただきますと、特別職の非常勤職員と一般職の非常勤職員、臨時的任用職員と分かれている。数の合計見ていただきますと、特別職の非常勤職員で20万19人。一般職の非常勤職員、これは法第17条適用になりますが、9万9,371人、約10万人。臨時的任用職員が、法の第22条になりますが、19万8,406人、約20万人になります。
 レジュメの1ページに戻っていただきまして、このように、約50万人の臨時・非常勤職員が存在しているというのが日本の自治体の実態でございます。
 先ほど申し上げた、例えばイギリスなどの場合には、非常勤・常勤という区別は全くなくて、40時間働いている人と20時間働いている人と30時間働いている人という、そういう計算しますので、FTE(full-time equivalents)ということで、常勤換算すると何人の自治体職員がいるのかという計算をするわけですが、日本の場合は基本的に一般職の常勤職員が何万人いるという計算をずっとしてきました。最近まで臨時・非常勤が何人いるのかという実態すら把握できていなかったのが現実であります。ようやくここ数年臨時・非常勤の職員の悉皆調査をやるようになりました。
 2.に「臨時・非常勤職員の位置づけ」と書いております。先ほどちょっと見てもらったように、まず特別職の非常勤職員がいます。地方公務員法第3条第3項第3号になりますが、この場合には特別職ですので、地方公務員法の適用がありません。顧問ですとか嘱託とかさまざまな名前で呼ばれていますけれども、この人たちが、先ほど見てもらったように20万人です。うち消費生活相談員の方が1,718人。これは地方消費者行政の分析の報告書にこの数字が出ておりました。
 一般職の非常勤職員が地公法適用のある方ですが、約10万人、うち消費生活相談員が257人。
 一般職の臨時的任用職員、第22条ですが、約20万人、うち消費生活相談員が97人ということになります。
 最後に書いています任期付短時間勤務職員は、新しく平成16年に法律改正がありましてできた制度でありまして、この制度は非常に使いにくいということもありまして、まだあまり普及していません。約1,500人ぐらいです。
 この辺の流れを若干見ていきますと、3ページのところを見ていただきたいのですが、「臨時・非常勤職員制度に関する検討の経緯」ということで、平成11年の地方公務員制度調査研究会(以下「地公研」という)の報告でこのような指摘がありました。それに基づく形で、地方公務員の任用制度の在り方に関する研究会というのが設置されて、そこで非常勤職員の業務の在り方とか、活用の方向性ということについての報告がございました。
 4ページへ行きまして、これを受ける形で、平成15年12月に地公研の報告の中で、基本的考え方として、「公務の中立性の確保、職員の長期育成を基礎とする公務の能率性の追求等の観点から、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営の原則は維持されるべき」。先ほど申し上げた原則は維持されるべきである。
 しかしながら、当時なかった任期付短時間勤務職員制度を創設し、1年を超える任期で、例えば住民に対し直接サービスを提供する部門におけるサービスの向上及び維持や特定のプロジェクト等における終期が明確な職について拡大するなど、こういった制度を創設してはどうかという提案をし、国家公務員法にない仕組ですけれども、平成16年の8月に任期付法を改正し、任期付フルタイム職員及び任期付短時間勤務職員制度が導入されました。
 したがって、国家公務員に比べると、働き方のフレキシブルはやや増しているので、さまざまな働き方があり得るということなのですが、実態はどうなのかということで、「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会」というのが設置されて、5ページになりますが、そこで報告書が出されました。
 そこに「背景」というのがあって、「臨時・非常勤職員」と書いていますが、「課題」というところで、実際こういうことがいろいろ指摘されているということが書かれています。例えば常勤と同様の本格的業務に従事している臨時・非常勤がたくさんいるとか、あるいは報酬水準とか、手当の支給について「常勤職員との均衡を図るべき」との指摘があるとか、そういった課題。あるいは任用が長期化しているとか、雇止めのトラブルが発生している。こういう課題があるということが指摘されています。
 同じ報告書の中で、平成16年8月に創設した「任期付短時間勤務職員」制度については、どうも課題としては、制度に関する自治体の理解が進んでいないとの指摘、あるいは要件が限定され、活用しにくいとの指摘が多くありました。私は10か所ほどの自治体の人事課長さんにヒアリングしてみたのですけれども、要件が限定されていて、この任期付短時間勤務職員というのは使いにくいと。国のようにあるプロジェクトが3年間で終わるとかということは自治体の場合少なくて、オリンピックとかあれば別ですけれども、普通の仕事は延々と続いていくので、一定期間で終了する業務は非常に少ないので、この要件が非常に厳しくて使いにくいという声をいろいろお聴きしました。
 この研究会報告は平成21年2月の報告書ですけれども、この研究会報告書のポイントとして下に書いていますが、矢印が下にあって、具体の臨時・非常勤の職について、任期付短時間勤務職員制度の活用も検討に入れるということで制度を周知し、新たな任期付短時間勤務職員制度の検討ということで、一定の資格、実務経験が必要とされる業務、各種相談員について、従来の要件に加え、「サービスの質の向上」などを図る場合にも活用拡大を検討すべき、と報告書では出しています。あるいは任期の弾力化の検討についての提言をしております。
 実はこの報告書に基づいて、臨時・非常勤職員制度については、もっとこのようにということで、通知をその年、昨年の4月に、6ページに書いてあるような通知書を出していますが、後者のほうは、つまり任期付短時間勤務職員制度の要件の緩和ということの法律改正は今のところまだされておりません。ですから報告書に書かれている2つの態様のうち、上の周知のほうはしたのですが、従来の臨時・非常勤職員制度、これについてはされていますが、任期付法の改正には至っていないというのが実態であります。
 そこで、2ページに戻っていただきまして、相談員の場合の処遇改善の方法と手法ということで、どういうのがあり得るのかということなのですが、前回のこの専門調査会でもいろいろ議論がされたところでございます。マル1で、一般職の常勤職員へという声も非常に強いわけであります。これは任期の定めのない一般職常勤職員290万の中に入るということです。先回の研究会では、圓山委員から、一般職の技術職員ということもあるのではないかという提言もございました。あるいは池本オブザーバーの発言、ペーパーの中には専門職常勤職員という提言もございました。ただ、これは自治体の現場の人たちに聞きますと、今、非常に財政難でどうやって人件費を減らすか。固定費といいますか、義務的経費を減らすかということにきゅうきゅうになっているときに、常勤化というのはどだい無理な話だと全く考慮の対象外と、そういった人事課長さんが多くいらっしゃいました。人件費といいますか、定員削減がぎりぎりなので、どうしようもなくて禁じ手である人件費の一律削減といいますか、給与のカットとか、そういうところに踏み出している自治体も多いような現状で、非常勤職員を常勤職員へ転ずることについては、自治体の人事課サイドの抵抗は非常に強いし、現実にはあまり多くない。非常に富裕な自治体は別として、かなり厳しい財政状況の自治体にとっては、現実感の乏しい提言かと、人事課の方々とお話をして感じました。
 2つ目に特別職の非常勤職員としての枠内での処遇改善でありますが、単価の引き上げ、他の非常勤、比較的単純な非常勤の職員との差異化を図るということで、消費生活相談員の専門性を評価して単価を引き上げるということが考えられるということであります。これは予算増ということで、従来、自治体がかなり後ろ向きだったのですが、最近、消費生活相談員についてだけ増やすということが自治体で増えているとお聞きしました。従来はある部分、単価の上限を上げると全非常勤職員の単価を上げなければならないと、そういうことで二の足を踏む人事課が多かったのですが、専門性を評価して、この専門委員については単価はこれだけにしますよと。一般の非常勤についてはこうしますと、そういう区別が可能なのではないか。これは比較的多くの自治体の人事課長さんがおっしゃっておりました。
 3番目に任期付短時間勤務職員、先ほど申し上げた新しい制度のものでありますが、現行法は、先ほど少しふれましたが、要件は非常に厳しいわけであります。14ページ、15ページに要件を書いてございますが、14ページに、任期付職員法の第3条、第4条、第5条でどんなことを書いているかということで、第3条は任期付のフルタイムの職員。例えば公認会計士の方を監査事務局にしばらく雇うとか、そういうイメージです。第4条は、任期付職員、業務量が一定期間ものすごく増えるとか、そういった場合に適用する。第5条は任期付の短時間勤務職員ということで、そういった場合とか、あるいは部分休業を取得する職員の業務の代替ということです。
 この要件に入っていないと、任期付短時間勤務職員が採用しにくいということで、例えば右の15ページの1.の「○」の2つ目の「・」のところに、次のような場合は困難であるという例として消費生活相談員について、任期付短時間勤務職員として任用することは、これは現行の規定では無理であるというような、そういうのが報告書の中に載っているぐらいでありまして、現行法の要件では非常に厳しいことがあります。
 現実にどういう人たちが任期付短時間勤務職員として雇われているかというと、18ページに例を載せておりますが、医療関係、福祉関係、そこに書いているような職種の人たちがこの任期付短時間勤務職員です。要件を緩和することによって、2ページに戻っていただきますが、マル3の(イ)ですが、新たな任期付短時間勤務職員制度の検討ということで、「サービスの質の向上」ということも要件に加える法改正を行えば、消費生活相談員を任期付短時間勤務職員として任用することが可能になります。ここは法律を改正する必要がありますが、既に研究会の報告書の中でも出ている方向性ですので、比較的ハードルは低いのではないかと思います。
 それから、(ウ)として任期の弾力化ということで、現行の「原則3年、特例5年」の特例規定を弾力化し、さらに法改正によってこの任期を長期化することもあり得るのではないか、これは可能性として書きました。
 最後にマル4で、法改正による新しい制度の構築ということで、これは任期の定めのない短時間勤務職員ということです。イギリスの先ほどのジョブシェアと言いましたが、あのようなイメージの任期の定めのない短時間勤務職員というものが可能性としては十分考えられるわけです。実際平成15年12月の地公研の報告書の中の制度化の具体的イメージの中の中長期的課題の中には、「任期の定めのない短時間勤務制度については、民間の状況や国家公務員制度における検討の動向なども注視しつつ、慎重に検討すべきである。」これはなかなか読みにくかったのですが、慎重に検討すべきであるというのは、役所の方が見たら、これは進めないという意味でとらえておられるのか。普通の日本人が読めば検討するという意味なのか、よくわかりませんが、一応検討の素材にはなったということであります。その証拠に地公研報告の図が19ページにカラー刷りで載せていただいておりますけれども、立体図になっていて、普通の人間が理解するのはわかりにくい図でありますが、任期の定めのないのが左側です。
 任期の定めのあるのが右側で、そこにいろいろあって、この部分を検討すべきとか、こういう話をしているわけですが、左側の任期の定めのないので、しかも手前のほうのフルタイムでなくて短時間で、しかも上のほうの本格的業務という、オレンジ色の箱の上のほうの部分、ここの部分の制度創設ということが任期の定めのない短時間勤務制度ということでありますが、現行法上はこれはできません。この法律改正ということは可能性としてはあり得るのではないか。ただ、先ほどの任期付短時間勤務職員制度の要件緩和に比べるとハードルは少し高いように思います。可能性としては、ここに掲げたようなマル1、②、マル3、マル4のいろんな可能性があるということだけ一応お示し、整理させていただきました。
 以上でございます。

○原事務局長 稲継先生、ありがとうございました。審議の途中ですけれども、ここで消費者庁の福嶋長官からご挨拶いただきたいと思います。

○福嶋長官 途中で申し訳ありません。消費者庁長官に8月11日に就任いたしました福嶋です。どうぞよろしくお願いをいたします。
 専門調査会の皆様には、今後の地方消費者行政について熱心な議論をしていただいておりますことを改めてお礼を申し上げたいと思います。消費者問題の現場はほとんど地域ですから、自治体の消費者行政と消費者庁とのネットワークをどうつくるかというのは最も勝負どころだと私も思っております。皆様には集中期間の後のあり方について中心に議論をしていただいていると思いますけれども、まず消費者庁としては基金を活用した取組をできる限り有効に実のあるものにしていきたいと思っております。ただ、基金のあり方というのは、消費者庁が定めたメニューに合えば基金を使ってもいいよという話なので、基本的には今までの補助金行政の枠組を出ているものではないと思います。これは今までそういうことでやってきたわけですから、消費者庁だけではなくて、政府全体がそうですので、それは当然といえば当然のことですけれども、この後、どうやって本当に地域主権を踏まえた自治体消費者行政と消費者庁のネットワークをつくれるか。本当に地域の中で、自治体とさらに消費者団体を始めとして、ただ、消費者団体に限らずいろんな市民の活動とそして消費者庁も入って、本当にフラットなネットワークをどれだけつくっていけるのかということが課題だというふうに思っております。
 それから、今日は特に情報の収集・分析・提供について御議論をいただくと聞いております。これも消費者庁としても最も基本的な取組の1つ、生命線の1つだと思っています。
 法律上の義務をきちんと果たしていくというだけではなくて、そういう情報の収集・分析・提供というのは、消費者あるいは生活者の利益を実現するために、安全・安心な市場をつくって国民の利益につなげていくためにやるのだということをしっかり頭に置いて、そういうマインドを持った情報の収集・分析・提供にしていかなければいけないだろうと思っております。
 そういった観点からは、特に直近の報道でもありましたけれども、重大事故にしても、厳格な重大事故の基準に合うか、合わないかというだけではなくて、誤使用による事故ですとか、あるいはヒヤリハットで重大事故につながりかねない事故ということも幅広く消費者庁としても把握をして、それをちゃんと対応していかなければいけないだろうと思っています。課題は山ほどあるわけですけど、また、担当のほうから今日御説明させていただきますので、どうぞ十分な御審議をお願いをして、消費者庁にもまたいろいろ御指導や御提言や、あるいは建議等々いただきますようにお願いして、挨拶とさせていただきます。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

○片山座長 どうもありがとうございました。
 それでは、先ほど稲継委員に御説明いただきました件に戻りまして、それに対して御意見、御質問がおありの方は御発言ください。

○池本弁護士 池本です。資料の2ページ目、処遇改善の手法という中で、マル4に任期の定めのない短時間勤務職員というところが今後の検討課題として位置付けていただいております。
 前回、私のほうで消費者団体の議論として提案した中には、専門職としての常勤型と専門職で短時間、ただし、いずれも任期の定めのないものという2種類の要望があるということを発言いたしました。その意味では、このマル4の(ア)は、相談員などが希望している中の形態の1つに位置付けられるものであろうと思います。
 お伺いしたいのは、先ほど5ページの任期付短時間勤務の右下のところ、制度運用改善が今のところ法改正のところまではいってないということですが、総務省でこのあたりについて具体的な今後の検討の予定なりスケジュールなり、何か情報をお持ちであれば、お伺いしたいところなのですが、いかがでしょうか。

○稲継座長代理 担当は公務員部公務員課になるのですが、この件については、私は比較的連絡はとらせていただきますが、この件については何も聞いておりません。

○池本弁護士 まとめて発言すればよかったのですが、そうであるとすると、この調査会としても、将来的な法改正を含めたあるべき像と、法改正が獲得されるまでの当面の対応策としてのあるべき像ということを考えていく必要があると思うのです。この任期の定めのない短時間勤務職員というのが、任期付短時間勤務職員の問題点として指摘されている業務が期間限定であるというところについて「柔軟な運用も並行して検討すべき」であるという言葉があります。この言葉だけ見ると、法改正ではなくて、運用改善の中である程度取り込めるようにも読めなくはないのですが、このあたりは運用改善で方向付ける余地がどの程度あるものなのか、そのあたり、もしお伺いできればと思います。

○稲継座長代理 ここの運用改善のものは、先ほどの要件のところでありまして、この仕事もここに読めるのではないかという、その運用のところだと思うんですね。任期についての運用というところはここには意味していないと思います。任期はあくまで前提でというところでしょうか。

○片山座長 ほかにいかがでしょうか。なければ、私が変なことを伺いますけど、さっき御説明いただいた任期付職員などに要件がありますね。要件をかけることがどういうメリットというか、だれにとってどういう意義があるのか。逆にそういう要件をかけなかったら、どういうデメリットとか不利益、反社会性がひょっとしてあるかとか、何かお考えがありますか。

○稲継座長代理 反社会性まで、私はあるようには全然感じません。ただ、恐らく旧自治省、総務省を通じて一貫して考えてきたのが、正規勤務の常勤職員の育成ということで公務能率の改善を図るのだということが大前提にあって、あくまで任期付とか短時間は例外的なものであると。だからできるだけ絞りたいというお気持ちがおありになるのではないか。そういうところではないでしょうか。反社会性があるとは私は全然読めないですけれども。

○片山座長 何でこんなことをお尋ねしたかといいますと、稲継先生がおっしゃったように、昔は正規職員のフルタイムの公務員で仕事をするというのが大前提で、かつ実態もそうだったんですね。ところが、今はさっきありましたように、50万人近い非正規の職員が自治体の現場にいるわけで、そうしますと、建前と実態とがかなり乖離してしまっていて、今問題は、50万人の人たちの中にいろいろ問題があって、それをいかに処遇するかとか、そちらのほうの公務能率をよくするにはどういう処遇の改善が必要なのか、制度改善が必要なのかというところへ論点がかなり移っているのだろうと思うんですね。そういう視点で、むしろ現状をもっとよくするにはどんな方法がありますかという観点で考えると、こんなに事細かく国が規制をする意味はないのではないかと私は思うものですから、そういう問題意識で質問をしてみたのですけれども、私も同感なんです。稲継委員がおっしゃったように、これを解除することによって何か反社会的なことが生じますかというと、何もないんですね。
 もう一つは、これを解除することによって、労働者の労働基本権の制約につながりますかというと、多分それもないですよね。改善の方向ですね。とすれば、これを解除したり、改善したりすることは何ら悪い方向に行くものではない。強いて挙げれば、今よりも人件費がちょっと増えるとか、財政上の問題はひょっとしたらあるかもしれないけれども、それは選択の問題だから、法制上は何も問題ないのではないかというのが、さきほどの伺っていての私の感想です。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 あともう一つ、感想を申し上げますと、要件の問題は、自治体の現場にいた者の感想から言うと、こんな要件は何とでもクリアできますね。理屈と膏薬はどこにでもつくというわけではありませんが、仕立て方によって、必要性の仕立て方というか、論証の仕方はいくらでもあります。例えば弁護士とか、さっき先生がお話になった司法書士などを任期付で採用するというのは1つの典型例として挙げられているのですけれども、それだって、例えば弁護士の場合に、自治体が法律案件にコミットすることはずっとあるわけでして、5年でなくなるなんていうことはないわけですね。それから、市民の法律相談などについても、これは継続してずっとあるわけで、それもいろんな理屈を立てて、この要件に合致するようなことをしてクリアしているんですね。そうすると消費者行政についても、この要件を満たすという意味においてはいくらでも工夫の余地があるなというのが私の感想であります。
 よろしいですか、この問題についてほかにご意見などはありませんか。ありがとうございました。

≪3.情報の収集・分析及び情報提供のあり方について≫

○片山座長 それでは、次に移りたいと思います。まず消費者庁、国民生活センター、事務局から、議題に関連した説明を順次行っていただきたいと思います。その後に一括して御意見、御質問をちょうだいしたいと思います。
初めに、消費者庁の林地方協力課長さんから、情報ネットワークの現状と課題について御説明をお願いします。

○林地方協力課長 消費者庁の地方協力課長の林でございます。よろしくお願いいたします。私どものほうから2つの資料を御提出させていただいておりますので、座って順次説明をさせていただきます。
 まず資料2-1でございます。表紙をめくっていただきますと、「消費者行政における情報の主な流れ」、これは消費者庁、国民生活センター、消費者、事業者、それぞれのプレーヤーごとに俯瞰的に示させていただいたものでございます。まず消費者との関係におきましては、各地方公共団体に置かれております消費生活センター、保健所や警察といった行政機関それぞれに相談や事故情報が上がってまいります。特に消費生活センターにおきましては、ことしから消費者ホットラインという番号の一元化を行っております。
 ここに上がってまいりました情報は、右のほうに行っていただきまして、国民生活センターで運用を行っておりますPIO-NETという情報システムの中にデータとして蓄積をしております。また、消費者安全法との関係では、地方公共団体から特に重大事故などの情報については直接消費者庁に通知が来るといった関係にもございます。
 また、事業者との関係では、消費者行政を担当しております関係省庁の中で、消費者安全情報総括官会議という会議を設けておりまして、ここに相談や事故情報が上がってまいりまして消費者庁に通知が来るといったような流れ。
 それから、消費生活用製品安全法との関係では、重大事故情報については事業者から直接消費者庁に報告が上がってくると、こういう流れがございます。
 1枚めくっていただきまして、本日のコアの部分でございますけれども、先ほどちょっと御紹介をさせていただきました国民生活センターで管理をしておりますPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)についてでございますが、まず1番目に、これまでの経緯を簡単に御紹介させていただきますと、第一次オイルショックのときに、マーケットの商品に係る情報について、例えばトイレットペーパーなどが市場からなくなるのではないかといったような情報が流れたことで混乱をしたといったようなことも経験として踏まえて、まずファクシミリを中心にした全国ネットワークが構築されたのが始まりでございまして、続いて昭和59年に国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインで結ぶ現行のPIO-NETの基礎となるような運用が始まっております。そして、この4月に苦情相談情報の収集期間の短縮、分析能力の向上を図るためにPIO-NETを刷新いたしております。現在は新システムの円滑な運用に向けて手直しなども行っている状況でございます。
 PIO-NETにつきましては、2番目のところでございますけれども、消費生活センターに端末が置かれておりまして、具体に消費生活相談員の方々が苦情相談を受けたものを整理いたしまして記録として保存がされている。このシステムに蓄積された相談情報が全国のオンラインシステムを通じまして個々の相談員の方々が処理されている苦情相談にも検索ということを通じて情報として活用される。現在では年間約100万件程度の情報が蓄積をされているということでございます。
 3番目は目的でございまして、大きく3点ございます。先ほど申し上げましたように、個別の消費生活相談業務に活用するということ。それから、法執行など消費者被害の未然防止や拡大防止に活用するということ。それから、私ども消費者庁そのものもそうでございますけれども、消費者政策の企画・立案や国民・住民への情報提供、この3点を目的にいたしております。
 4点目はPIO-NETの財源的な位置付けですけれども、この平成20年度の補正予算で国民生活センターにも交付金が措置されたこともありまして、現在各自治体でのPIO-NETの増設ということも進めております。結果として871か所の消費生活センター、それから、10の府省を始めとして、NITEやFAMICといった独法なども含めて12の国の機関に配備をされているというのが現状でございます。
 次の紙は、(PIO-NETを中心)とした「消費生活相談情報の活用」、今、どんなふうに行われているのかというのを図で示したものでございます。中身について、先ほど私申し上げたものと重なりますけれども、消費者から具体に相談をいただいたものについて、消費生活センターでは助言・あっせんといったような対応を行っておるわけですが、こうして処理をした相談内容についてPIO-NETにデータとして入力をしていただく。これによってPIO-NETの中に類似の相談情報がたまってまいりますので、個々の相談業務に活用するために検索をするといったようなことで活用していただいている。
 また一方で、このPIO-NETの中にいろいろ情報がたまってまいりますので、その傾向などを分析して、国民生活センターとしても、消費者の方々に有用な情報提供をする必要があるものについては一番上に書いてございますような注意喚起ということを行っている。
 また、消費者庁ももちろんでございますが、関係省庁との関係でも現在ではPIO-NETの端末を置かさせていただいておりますので、こういった部分でも検索などで活用していただいて、それぞれ注意喚起や法の執行という場面で活用していただいているところでございます。
 次の紙が「PIO-NETの配備状況」でございます。現在、先ほど申し上げましたように、871か所の消費生活センター等で配置をしていただいております。国の機関は10の府省と2の独法ということでございます。
 次、6ページをご覧いただきますと、実際の「消費生活相談の件数推移」というものがございます。2004年がピークでございまして、この年は192万件ございました。特に架空請求に係る相談が非常にウエートが大きくて、それ以後、この部分が減っていったこともあって、現在では100万件弱ということをご覧いただけるかと思います。
 7ページ目をご覧いただきますと、各行政機関やメディアなどからの国民生活センターへの資料請求の状況というのがございます。一番左側が検索依頼の平成19、平成20、平成21年度の件数の推移でございまして、平成19年度は5,300件余りございましたけれども、19年12月から中央省庁に順次PIO-NET端末を設置いたしました結果、平成20、平成21年度と3,000件台に減っているということがご覧いただけるかと思います。
 一方で、昨年9月に消費者庁が設置をされたこともありまして、消費者庁関連の検索依頼というのが若干増えてきております。
 ざっとした説明で大変恐縮ですけれども、私からの説明は、この件については以上でございます。
 もう一つ、資料2-2としまして、縦紙の、「PIO-NETの活用に関する懇談会」という資料を配らせていただきました。これは先週8月24日からPIO-NETの端末の増設、これは範囲を含めて、それから、PIO-NETに載せております情報の閲覧範囲をどうするかといったようなことを論点といたしまして検討を開始いたしました懇談会でございます。
 主な内容は2番目のところに書いてございますとおりでして、まず第一に、PIO-NETに載っております情報の位置付けをどうするのかということ。それから、2点目として配備先、現在は消費生活センターや相談窓口、国の行政機関に配備をしておるわけですが、いわゆる4日以上の開設を要件にしています消費生活センター以外の相談窓口にも順次拡大をしていくべきなのかどうかとか、県や市のセンター以外の消費者行政本課はどうなのかといったようなこと。あるいは訴権を認められています適格消費者団体にも置いてはどうかといったような御議論もございまして、こうしたことを論点として、今後検討していきたいと思っております。
 また、配備先の拡大について。その下にございます閲覧できる情報の範囲については、各都道府県、政令指定市、消費生活センターの皆さんの御意見をアンケートの形で伺わせていただいた上で議論を今後進めさせていただきたいと思っております。
 それから、その他の論点として、これは実際には現場で入力をしていただいている相談員の方々からは、この面での負担感というのを御意見としていただいておりますけれども、PIO-NETに入力をするという作業を実際に相談員の方にしていただいております。また、配備先を増やしていくことで、一方で、一方通行の見るだけの利用ということが増える可能性もありまして、こういった面で金銭的な負担だけではなくて、作業面での負担といったことも含めて負担をどう考えるのかということ。
 それから、これも相談員の方からいろいろ御意見をいただいているところですが、実際にPIO-NETの端末の配備先を増やしたことで、その結果がどのように実際の行政に反映されているのか。そういったところがいま一つ見えにくいのではないかといったような御意見もいただいておりますので、このフィードバックをどうするかといったようなことも論点に立てさせていただいております。
 以下、今後のスケジュール、大体9月ぐらいに、先ほど申し上げたアンケートをまとめさせていただいた上で、そこで少し論点を整理させていただいて、年内の取りまとめをめどに、今後議論を進めさせていただきたいと思っております。
 3枚目、【別紙】に会員名簿を付けております。私どもの審議官・羽藤以下、消費者庁のメンバーも参加させていただいて、現場のセンターで勤務されている方や消費者団体の方たちに加わっていただいた上で議論を進めさせていただきたいと思っております。
 私からは以上でございます。

○片山座長 ありがとうございました。
 続きまして、「国民生活センターによる情報ネットワークの機能強化に関する取組について」、国民生活センターの窪田情報部長から説明をお願いします。

○窪田情報部部長 国民生活センター情報部の窪田です。よろしくお願いします。お配りしました資料3-1から3-3に基づいて御説明させていただきます。私のほうも座らせていただいて御説明いたします。
 まず資料3-1、1ページめくっていただきまして、2ページから御説明いたします。まず昨年度までの刷新する前のシステムの現状について簡単に御説明したいと思います。
 平成17年度に入力用の端末を相談員向けに配備いたしまして、直接全国の相談員の方にデータを入力してもらうようになりました。そのシステム自体はクライアントサーバーシステムで各消費生活センターに配備。また、政令指定都市のメーンセンターには、地域版のデータベースを運用されておりまして、そちらのサーバーも設置して運用していただくことになっています。消費生活センターで入力されたデータは都道府県のメインセンターに伝送し、メインセンターから国民生活センターのホストコンピュータにデータを送っていただいたということで、非常にシステムが分散していましたので、データの登録、相談を受け付けてから国民生活センターのホストコンピュータに登録されるまでの時間が非常にかかるということが問題視されて、今回のシステム刷新では、データの登録早期化ということが一番の目的になったということです。
 ただ、現状としては、問題点に書いてありますように、現場では相談の処理に追われていてなかなか時間がとれないというところがあります。また現状では相談の記録を作成するのはどうしても相談の受付時間終了後になってしまうということで負担があったということです。また、国民生活センターは独立行政法人で、各地の消費生活センターは地方公共団体の組織ですから、外部の組織にデータを送るためにはデータのチェック、決裁等が必要だったということがありましたので、システム的にもシステムを分散していたこともありますし、手続的にも時間がかかったところがあります。
 今回は相談員が整理・作成している記録をオンラインで登録することによって、必要な情報を即時に仮登録が可能となりました。今回はサーバー等の機器類を国民生活センターが契約したデータセンターで一括で集約して、相談員がデータを入力すると即時にデータが仮登録されるというような仕組をつくらせていただきました。そのデータは関係機関や相談員がいつでも閲覧できるような仕組にしました。
 次のページを開いていただきまして、繰り返しになりますが、問題点としては一番大きいところは登録に時間を要していた。平均35日から40日かかっていたということになります。
 また、相談員が相談を受け付けながらPIO-NETの情報を検索するという状況にはなかったわけです。入力用の端末は相談員に各1台配付されていたのですけれども、PIO-NETの情報を見るためにはオンライン端末が今までは1台しかセンターになかったので、なかなかPIO-NETの情報を検索しようとしてもすぐには検索できなかったということがあります。
 また、システム自体が基本的に構築当初からあまり変わってなかったものですから、検索等に非常に時間がかかって使い勝手が悪かった。例えばインデックス化されてないキーワード等の項目でない相談の概要、文章になっている部分の任意の文字列などを検索しようとすると、非常に時間がかかり、20分、30分かかっていたということがあります。
 次の改善策として、即日仮登録を実現ということで、こちらは先ほど申し上げたように、相談員の方がデータを登録すると、国民生活センターのほうの契約しているデータセンターのサーバーのほうに即時に登録されるという仕組を実現しました。
 また、端末につきましても、今度配備された端末はオンライン端末ですので、入力端末でもあり、なおかつPIO-NETのデータも検索できる端末ということで、こちらを約3,500台全国に配備しています。
 また、検索につきましても、そういった文字列の検索等も数秒で検索できるようなシステムを今構築したところです。
 次のページ、5ページ目になりますが、今まで申し上げたようなところを図にしたものです。平成21年度以前ですと、入力端末はオフラインの端末で、PIO-NETの情報が検索できる端末ではなかったので、相談を受け付けて入力している時点では検索できないので、PIO-NETの情報を見たかった場合には一旦電話を切って、それから共有の端末に検索をしにいくという状況でしたが、今度の新しいシステムではオンライン端末で、入力端末でもあり、検索、集計もできる端末ですので、極端な話、相談を受け付けながらデータも登録することができますし、ある事業者の相談、PIO-NETに登録されている情報を検索したいというのも入力しながら、また別画面で開いて検索することもできて、相談の処理に参考にすることもできる状況になりました。
 次、6ページ目、これが接続形態ということで、ここは簡単にさせていただきますが、今、413のセンターを昨年度追加配備で配備させていただいています。ネットワークとしては、直接データセンターにつながっている状況になっていますので、各消費生活センターの端末からデータ登録するとデータセンターのサーバーに登録されて、各消費生活センター、国民生活センター、また、右上にある中央省庁も平成19年度から霞が関WANを経由して接続していますので、登録したデータが閲覧できるようになっています。
 次のページにありますように、配備個所としては、871か所で、配備台数が今のところ3,341台になっております。
 次、8ページ目を開いていただきますと、今回、そういったオンライン端末の導入ということでWebのシステムを導入させていただきましたので、以前のように各端末に専用のソフトウェアをインストールする必要はなくなったので、経費的には大幅に効率化されたのですけれども、ただWebのシステムの制約によって以前できたことができないというようなことでいろいろと全国の消費生活センターのほうからは改善の要望が出てきています。そこで平成22年6月に要望調査いたしまして、今その要望が出てきましたので、その要望を踏まえて今年度中に改善する項目を決めているところです。ただ、Webのシステムですので、どうしてもできない部分と、あと非常に工数がかかってしまうものがありますので、そこら辺を仕分けしてできるものから対応していきたいと考えています。
 最後のページが今年度中のスケジュールということで、6月2日から30日までに要望調査を実施して、全国のセンターから4,000以上の改善要望が出てきたのですけれども、ある程度重なっているところも多いものですから、そこを今集約して改善項目を今確定しているところ。そのうち、調達にかけられるものは調達にかけて、また保守の範囲で、すぐやらなくてはいけないものは順次対応していく予定になっています。
 システムの刷新については以上です。
 次に「早期警戒指標」について御説明いたします。
 1ページ目に書いてございますように、消費者トラブルに関する情報が年間100万件程度PIO-NETに登録されていまして、累積でも1,000万件以上の膨大なデータが登録されていまして、その収集した情報の有効な活用が求められているところです。
 そこで、国民生活センターは、PIO-NET情報をもとに被害の早期把握を図るために「早期警戒指標(Warning Index)」を平成20年度に開発して、平成21年6月から運用しております。
 2ページ目ですが、指標の概要ということで、指標は今2つ作っておりまして、1つが「急増指標」、2つ目が「特商法指標」と呼んでいます。指標1は、簡単に言うと、相談件数の増加・急増傾向を把握する指標ということで、問題のある事業者や商法などを発見し、消費生活センターや消費者に早期に情報を提供するもの。
 また、特商法指標は、特定商取引法違反の疑いのある事業者を判別する指標ということで、特定商取引法違反の疑いのある事業者を抽出し、迅速な法執行への参考とするものです。
 この指標につきましては、システムから出力したリストを現在は指標1(急増指標)については、消費者庁、警察庁等の中央省庁と全国の消費生活センターに配布しておりまして、特商法指標については、消費者庁、経済産業省、警察庁などの中央省庁と地方公共団体の法執行部署のほうにリストを配布しております。
 次、3ページ目です。今、早期警戒指標から「早期警戒情報システム」を構築している途中です。その目的は、消費生活センター等が、早期警戒指標等の最新情報を確認できるもの。問題となっている事業者や手口の被害規模、被害地域、事案の内容等を迅速に分析するため。また、重要な事案等を早期に把握し、悪質な事業者・商法を早期に発見するため、消費生活センター等消費者行政部門の対応をそれにより迅速化することが目的になります。
 主な機能としては、早期警戒指標に基づく最新の情報を提供いたします。
 PIO-NETデータとのリンクにより、最新の消費生活相談情報の内容を表示して、事業者別の商品・手口別に相談情報を集約し、相談の地域的分布や経済や契約当事者の属性等を表やグラフを使ってわかりやすく表示し、また、主にクリックのみによる簡単な操作環境を提供して、利用者が自由に表やグラフを作成可能にしたシステムをユーザーと共有できるシステムを構築することになっております。
 次の5ページ目、利用対象行政機関につきましては、各都道府県の消費者行政部門、今はメインの消費生活センター、法執行担当部門。また中央省庁(消費者庁、警察庁、経済産業省)等を考えています。
 システム構築のスケジュールですが、今、着々と構築を進めておりまして、今、プログラムの作成段階で9月からテストを始めまして、11月に試験運用を開始して、12月には本格運用を開始したいと考えています。その操作研修については、相模原の国民生活センターのIT講習室で研修を11月19日と12月10日に実施する予定になっております。
 最後に資料3-3で、PIO-NETからの情報提供について簡単に御説明いたします。
 1ページ目はPIO-NETの図なので、消費者から相談が寄せられて、消費生活センターから相談情報のデータが入力されてPIO-NETに蓄積されて、それを活用して情報提供しているという図になります。また、先ほど林課長からも御説明があったように、国会、中央省庁、また法令に基づく照会等や報道機関からの取材等も非常に増えているという状況になっております。
 次の2ページ目ですが、国民生活センターでは、平成21年度において、記者説明会を26回行いまして、計63件の情報提供を行っております。公表した情報につきましては、新聞に235回、テレビ・ラジオには75回取り上げられております。
 また、各種媒体を通じた情報提供ということでは、ホームページに報道発表資料を掲載、また相談事例と解決結果、各種相談の件数や傾向を載せておりまして、また消費生活相談データベースといってPIO-NETのデータの一部も検索して、国民の方が閲覧可能な状況になっております。
 次に3ページ目ですが、国民生活センターが発行しております「月刊国民生活」「くらしの豆知識」につきましても、PIO-NETに入力された情報を編集した記事も掲載しております。
 また、高齢者や障害者への情報提供として、A4サイズで作成した「見守り新鮮情報」「子どもサポート情報」というのを作成して配布しております。
 また、啓発用のリーフレットとして、PIO-NETのデータを基に高齢者向け、若者向けのリーフレットを作成し、自治体に名義差し替え等で利用されているという状況になっています。
 最後に4ページ目ですが、行政機関への要望ですが、平成21年度に行った63件の情報提供のうち45件については行政機関へも要望を行っております。
 また、地方自治体向け業務情報の発行ということで、PIO-NETのネットワークを利用した消費者行政フォーラムを運用しておりまして、その中で、消費生活相談、製品事故に関する業務情報の基礎データとして資料を掲載して利用されているという状況になっています。
 国民生活センターからは以上です。

○片山座長 ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から、「情報の収集・分析及び情報提供のあり方」に関する論点について御説明をお願いします。

○齋藤審議官 事務局の齋藤でございます。資料4-1でございます。「地方の消費者行政の充実・強化のための情報の収集・分析及び情報提供のあり方」というタイトルの資料でございます。
 まず論点1でございますが、地方の消費者行政における情報ネットワークというものをどう位置付けるかということで、(1)をご覧いただきますと、これまでの御説明にもありましたように、消費者からの相談、苦情を広く集めて集約、分析、共有することで、個別相談の処理、注意喚起・啓発、法制度の運用、政策・制度の企画立案など消費者行政の各分野に役立てることができる。こういう情報ネットワークを強化することは、今後ますます重要となるのではないかという問題意識でございます。
 (2)でございますが、情報ネットワークと申しましても、いろいろなものがございますが、地方レベルでかなりインフォーマルに運用されているもの、分野別、特商法の分野で運用されているもの、いろいろございますが、全国各地をつなぐ基幹的ネットワークとして、PIO-NETは唯一無二の存在でありますので、そういうものをしっかり位置付けて、その価値を高めていく必要があるのではないか。
 (3)では、そういうPIO-NETを念頭に置いておりますけれども、そういう情報ネットワークを構築し、運用していく上で国と地方がどういう役割分担を行っていくのがいいのか。また、消費者庁と国民生活センターとの役割分担はどうあるべきかといったことも考える必要があるのではないかと思います。
 それから、論点2でございますが、情報の収集という観点でございます。
 (1)では、情報収集拠点として、消費生活センターを位置付けて、その設置を進めるべきではないかということで、現在は都道府県は必置でありますが、市町村は努力義務となっておりますけれども、そういった拠点となる消費生活センターを各地に配置することがまず第一に必要ではないか。
 (2)は、とはいってもなかなか現実難しいということで、PIO-NETが置かれてない相談窓口もあるわけですが、そこで受け付けられた相談情報をネットワークの中にどのように取り込んでいくか。県の中にはそういった窓口で受け付けた情報を集めて県が入力している例もあるとお聞きしておりますけれども、どういう取組が可能か。
 (3)でありますが、これはPIO-NETに入れる前の段階で情報をどう集約していくかという議論でありますが、地方の消費者行政担当部署に、その地方の中の情報ができる限り漏れなく集約される仕組が重要ではないか。例えば他の行政部門に入ってまいります消費者問題、税務部門や福祉部門とか、そういった部門に入ってきた消費者問題をなるだけ横の連携をとって消費者行政担当部署に流れていくような仕組が必要ではないかということです。
 それから、論点3は、情報の分析でありますが、(1)では、国民生活センターは、先ほど御説明ありましたようないろんな分析を行っておりますが、この点、さらに努力する必要はないか。
 (2)は、これも御説明ありましたが、地方でその特徴に応じた分析、ローカルな特色に応じた分析が必要になってくるのではないか。そういったものがベースにあって、初めて地方における消費者行政の政策の企画立案ということができるのだろうと思いますが、そういう分析を行っていくことを可能とするような体制といいますか、システムといいますか、そういうものをつくっていくことが必要ではないか。
 (3)は、次回の商品テストのところとも関連いたしますが、地方において、商品等の事故に関する情報を分析するための専門性を確保する必要があるのではないか。
 論点4でございますが、情報の提供、共有、活用という側面に注目した場合に、(1)で書いておりますのは、国、地方を通じた行政内部の情報共有を双方向で進めることが必要ではないか。
 マル1で国民生活センターは、これも先ほど御説明ありましたが、現場の相談員向けの情報提供、業務情報とおっしゃっておられましたが、そういうものを提供しておりますが、国の行政機関はPIO-NETの情報を閲覧できるわけですが、国の行政機関としてさらに積極的な情報提供はできないだろうか。それによって、なるだけ情報共有を双方向で進めていくことができないか。
 マル2は、地方独自にメーリングリストなどをつくって、これはまさに独自に情報共有を行っているところもあるわけですが、そういった取組をさらに進めるべきではないか。
 (2)でありますけれども、情報提供、一般向けの情報提供としては、新聞、テレビなどマスメディアを使うということがありますし、リーフレットを配ることもありますが、必要とするところに必要となる情報を届けるという観点からは、地域の消費者団体等のネットワーク、福祉部門のネットワーク、そういったものを活用する工夫が必要ではないか。
 (3)は、適格消費者団体が差止め請求等の業務を行う際の活動支援のための情報提供はいかにあるべきか。
 論点5でございますが、PIO-NETの利用価値の向上。これは消費者庁のほうの御説明にもありましたが、今懇談会で検討されているということでありますけれども、(1)にありますが、活用範囲が拡大している中で、設置基準を見直していく必要がないか。
 (2)では、迅速、的確な情報入力。新しいPIO-NETを導入する1つの動機として、なかなか登録まで時間がかかるということがあったわけですが、新しいシステムの下で、さらに的確に迅速に入力するにはどのような支援が必要か。
 (3)で、入力される情報、閲覧できる情報の内容をさらに広げて、利用価値を高めることが望ましいわけですが、それを進めていくためにはいろいろ環境整備が必要ではないか。入力の手間もかかりますし、また、入れる情報の内容について、個人情報の問題等もありますので、そういった問題がクリアできるような環境整備も併せて行っていく必要があるのではないかといった論点でございます。
 あと、参考でいろいろ資料を付けております。3ページの【参考1】というところは、内閣府の国民生活局が平成19年3月に行った報告書の中から抜き出したものですが、このとき、ちょうど国の行政機関が閲覧できるようにPIO-NETを配備すると。環境整備のための検討会だったわけですけれども、その中にも情報が単に吸い上げるだけではなくて、国からも情報提供していくということを考えるべきであるといったようなことが書いてございます。
 【参考2】は消費者契約法の中に適格団体への情報提供ということが位置付けられているということをお示ししたものでございます。
 それから、あと、ごく短くいたしますが、資料4-2は、論点に関連して、国会で行われた議論を御紹介したものでございます。1ページの中ほどにありますところで、PIO-NETの設置に係る経費は国が手当てをし、無償で貸与している。地方自治体のほうでは、端末への入力をお願いしている。入力については相談業務と一体として行われているということで、その点に関しての相談員の報酬そのものについては支援の対象とはしていないといったような考え方が示されております。
 それから、2ページ目の【論点2(情報の収集)関連】では、上のほうでございますが、北海道では赤レンガインターネットというメーリングリストがあって、これが非常に役に立っているといったようなことが記録として残されております。
 それから、3ページの上のほうは、適格消費者団体への情報提供の問題についての御発言があったということで御紹介しております。
 4ページの下のほうには、PIO-NETの古いシステムの下ではなかなか登録までに時間がかかったという事情が書いてございます。
 5ページ目のほうでは、2つ目と3つ目の箱のほうですが、PIO-NETに載っている情報の量がまだ不十分ではないかといったようなこと。
 3つ目の箱の中では、個人情報の保護という問題にも配慮が必要だといったような議論が御紹介されております。
 最後でございますが、資料4-3で、これは事務局が昨年から今年の初めにかけて行った調査の中の一部ですが、グラフにありますように、市町村におけるPIO-NETの設置状況、平成20年度末で調べたものでありますが、332市町村(18%)約2割のところでPIO-NETが設置されておりますが、残り8割はまだ未設置。そのうちピンクの部分、約4割ですが、ここは週4日以上窓口が開設されているということで、一応配備の条件は満たされているわけですが、まだ設置されていない。その事情として一番下の「※」にありますけれども、データ入力や情報管理等の追加業務やこれに係る人件費の負担を懸念している。相談件数が少ないといったことで必要性の認識が薄いといったようなことが理由として挙げられております。
 以上でございます。

○片山座長 ありがとうございました。
それでは、一連のこれまでの説明に対しまして、御質問や御意見のある方は御発言をお願いします。圓山委員。

○圓山委員 圓山です。私は2ページものの資料を持ってきておりますので、資料7に付けてあります。ご覧ください。その内容は、今お示しいただいた論点1の(3)の役割分担、論点4の(1)の情報共有にかかわるところです。
 私自身は、PIO-NETは大変重要な装置であって、今後も拡充したほうがいいと思っています。しかし、昭和59年の発足後25年間経ちまして、このままではもたない状況になっていると思いますので、3つばかりお話しをしたいと思います。
 1番目は、資料7の1ページ目に書いてあります「PIO-NETの経緯」というところで、私は昭和60年からPIO-NETをずっと業務をしてまいりましたので、その経緯を追って書いております。最初の1984年なのですけれども、PIO-NETが始まったときなのですが、その目的は、各地の消費生活センターの相談業務への支援が主目的でした。各地のセンターは入力する。国民生活センターも入力する。国も情報提供する。お互いさまで相互扶助の関係だったと思います。
 ところがだんだん状況が変わってきて、このページの真ん中辺に情報メニューの削減状況を書いています。マル1相談情報、マル2危害情報というのは、地方から国へ向けて、地方が入力するものです。これは続いているのですけれども、マル3判例情報、マル4商品テスト情報、マル5商品テスト機関情報、マル6生活問題専門家情報、これは国が入力をして自治体に情報提供する流れなのですが、これがことごとく中断または消滅になっています。それで今に至っているわけです。国から自治体への情報の流れがとまってしまって、自治体から国への情報の流れだけ、私の言うところの情報吸い上げ装置になってしまっていて、それがますます拡大・発展しているというのがPIO-NETの現状、PIO-NETの思想の変質だと思います。
 けれども、私はやめろと言っているわけではなくて、拡充したほうがいいと思いますので、どうすればいいかというのが2番目です。資料7の2ページ目です。先ほども齋藤審議官の御報告の中で、相談業務の一環としてPIO-NET業務をやっているという話がありましたが、これが大変過重になってきて、疲弊の原因の1つになっております。
 2.(1)に、相談業務の内容的な区分けをしております。相談を聴き取って相談者にアドバイスをしたり、あっせん、解決したりとか、「本来の相談業務」がもちろんあります。それと別にPIO-NETに起因するさまざまな業務が増えてます。2つ目の「入力項目を追加聴取」というのは何かというと、これはお願いして配っていただいているクリーム色のPIO-NET記載要領という分厚い資料をご覧ください。
 この記載要領に従って、現場の担当者はPIO-NETを1件1件入力しておるわけですけれども、この記載要領の14~19ページのところに入力画面が6ページにわたって載っています。相談のときに聴き取った項目はもちろん入力します。それ以外にこの入力項目をすべて聴き取って入力するというのが指導されていますので、相談に必要のない項目も追加で聴き取って打ち込んでいるという状況になります。それを聴き取り、次に画面にこれをまんべんなく入れ込むように入力をするという「データ入力」の作業があります。一人でやっていくと大変間違いますので、2人、3人の担当者で見直しをやり、訂正をします。それが「データ訂正」という作業です。所長の決裁、全部目を通して決裁します。それが「管理者決裁」という業務です。苦情1件ごとにこれをやっておるわけです。
 飛びまして(4)のところですが、作業時間、いくつかのセンターの方に聞きますと、この追加的業務としての追加聴取、画面入力、データチェック、訂正、管理者決裁、これぐらいかかるとして、平均1件当たり60分かかっている。その相談担当者が1日5件受けると5時間はPIO-NETに費やしているという計算になります。
 それに対する見返りがあればまだいいんのですけれども、(3)に戻り、自治体が約94万5,000件を受け付けて国に蓄積しています。国の受付件数は、国センの直接相談5,000件です。国から自治体にやってくるのは5,000件です。国の情報提供、支援というのは、さっきお話したように消滅しています。だから情報の流れは自治体から国に対する一方通行で、極めて片務的な状態になっていて、やっていられないという気分がかなり広がっていると思われます。
 3番目が、どうすればいいか、私からの提案なのですけれども、(4)のところです。今の「ただ働き」に対する反対給付を行う必要があると思われます。1つは経費的な面で、先ほどの1件入力するのに1時間かかっているというところから、94万5,000時間、常勤職員472.5人分の試算ですけれども、ただで働いてもらっているわけですので、何とかこの財政支援をしてほしいと思います。
 2つ目が、先ほどの消滅してしまった情報面のところで、それは論点にもありましたような、国から自治体に対する情報の支援、流れというのを復活させる必要があると思われます。それはいろいろアンケートでお調べになったらいいのですが、例えば私だったら、これがほしいというのがいくつかあります。PIO-NETの検索画面で事業者名を検索するところがあります。業者の名前を入れると相談情報が出てきます。この仕組を工夫して、ここには3つ例示をしておりますけれども、第一は、各地の警察が摘発したときに記者クラブ向けに発表文を出しています。地方版に載ったり、載らなかったりします。それを警察庁に全部集めていただいて、警察庁から消費者庁がもらって、消費者庁が入力をする。各地のセンターが見られるようにする。
 第二は、信用調査会社があります。倒産情報、企業情報、これも消費者庁が一括契約していただいて、各地のセンターで見られるようにする。
 第三は、規制行政分野における行政処分の発表文があります。食中毒もありますし、製品事故もあるし、特商法もあると思いますけれども、これらも各省庁から消費者庁が収集されてPIO-NETに入力をして提供していただく。
 あとは書いておりませんけれども、第四に、製品のリコール情報を消費者庁に入力していただいて見ることができるようにする。
 第五に、各省庁から消費者庁に消費者事故や重大事故の報告が来ると思います。それを入力していただき、センターで見ることができる。
 第六に、消費生活用製品安全法に基づく製品事故の情報も消費者庁に集まりますので入力していただき、見ることができる。
 第七に、今の未公開株や振り込め詐欺の犯罪に使われている預金口座、口座番号を消費者庁が収集しています。それを入れていただいて、事業者名を検索するとその事業者が使っている犯罪口座がわかり、差押えのきっかけになる。
これらをPIO-NETで地方のセンターに提供していただければ、それでようやく情報の流れが双方向になりまして、これらが情報共有できて現場の力がパワーアップするのではないかと思われます。
 以上、要望も含めた提案ということで申し上げました。

○片山座長 ありがとうございました。
 それでは、先ほどの3人の方の御説明と、今の圓山委員のことも含めて御意見、御質問なりございましたら、いかがでしょうか。

○斎藤委員 委員のほうの斎藤ですが、資料4-1の論点2の情報の収集の(1)と(2)に関する意見、質問ですけれども、まず(1)の消費生活センターの設置を進めるべきである。それは自治体で消費生活センターを持てば、それはネットワークの中心として機能するというのはわかるんです。ただ、前回の私の報告でも申しましたように、消費生活センターを置くまでの力はないと。しかし相談窓口なら置きましょうと。これもゼロよりは推奨すべきではないかと思うんですね。なぜ4日以上やっていることを義務付けて、そこに集中投資しなければならないのか。例えば相談業務、うちは2日はやりますと、隣の町では2日やりますと。2つ組み合わせましょうみたいな取組もゼロよりは推奨すべきではないかと考えるんですね。
 それに関連する質問なのですが、PIO-NETは現在のところ消費生活センターで入力と検索がいわば1対1対応ですね。例えば細々とではあるけれども、消費相談窓口を置きますというところが出たとして、検索だけさせてくださいと。入力はできませんけど、先ほど圓山委員がおっしゃったように、いろいろ有用なデータが蓄積されてくれば、それは一生懸命やろうというところにとっては有力なツールになりますから、検索だけさせてくださいというのが出た場合に、これは入力と1対1なのだと。あるいは汗かいてくれているところに対する支援なのだということで考えるのか、それともデータとしては共通で、消費者行政をよくするという面では消費生活センターを設置してなくても一生懸命やっているところも方向性は同じだと思うので、そういう可能性があるのかどうかというのも論点かとは思うんですね。現に中央省庁に対しては検索だけという矢印がありますが、その辺について何かお考えなりがあればお聞かせいただければありがたいと思います。

○片山座長 どなたかいかがですか。

○齋藤審議官 資料4-1ということでしたので、この論点を提出した者としてお答えできるところだけお答えしたいと思うのですが、情報収集拠点として消費生活センターの設置を進めるべきではないかということでありますが、これは当然できるところは進めてほしいという意味で申しているのでありまして、何が何でも設置しろと言っている意味ではございませんので、当然いろんな諸般の事情で相談窓口どまりで対応しようというところがあれば、もちろんそれでも結構でございます。
 それから、検索だけできるようにできないかという点は、私もそういうのがあると、それもまた1つの考え方かなとは思いましたが、あえてこの論点には書きませんでしたけれども、その点はもし消費者庁等でお考えがあればお聞きしたいところです。

○林地方協力課長 今の点について私から補足をさせていただきますと、先日御紹介させていただきましたPIO-NET懇の中で、まずは第1回目のフリートーキングをやらさせていただきました。その中では、特に現場のセンターで働いている方々からは、フリーライドではないかという意見があったことも事実です。実は今日の資料の中でもどこかに御報告させていただいていると思いますが、平成19年3月にPIO-NETの配備先を国の機関に拡大をしたときにも同じような議論がありまして、そこでは一方通行ではないかという指摘を受けている国の機関も、本来は自らのところで把握できた情報をきちんと載せるべきではないかということが検討課題として残っております。
 私も、この間、短い間ですけれども、例えば経産省さんとか、農水省さんに話を伺うと、一方で、行政機関で把握した、例えば処分につながるような情報ですと、非常に守秘義務との関係とか、気にされている部分があって、PIO-NETに載せることに対してかなり躊躇をしている部分もあって、そこは少しどういう情報を、だれが、どの範囲まで見れるのか、先ほど御紹介したようなPIO-NETの活用の仕方のルールそのものとセットで議論しないと、一律に全部載せる、載せないというふうにはならないのではないかと思います。
 それから、窓口でもいいではないかという議論については、ここも実はむしろ自治体の行政の方からは、密度の問題とか、相談員の方の熟度の問題で、開設日数が少ないところは、本当にこういうところに載せられるようなものに耐えるような情報がきちんと運用としてできるのかというような疑問も含めて懐疑的な声も実はありました。
 いずれにしましても、この点については、私どももできれば少し拡充できないかなと思っておりまして、実際に現場で働いている方々の声なども吸い上げながら、どこかで拡充をするような道が探れればなと思っておりまして、その意味で少し実態を踏まえながら今後議論をさせていただきたいと思っております。

○国府委員 まず消費生活センターを設置しているにもかかわらずPIO-NETを未設置というのが非常に多いというのに驚きました。その理由は入力作業が非常に負担になっているということが理由になっているわけですね。私も現場の相談員の人たちなどと話しする機会があって聞きますと、どうも相談業務のうち入力に関連する作業が半分ぐらいの時間を占めているということで非常に負担になっているといったことを聞きます。
 そういうことから、一方ではPIO-NETを設置して負担の大きい入力作業をやっている自治体があり、他方、閲覧だけし、入力作業はしない自治体があるということになれば、このシステムは崩壊していくのではないかと思います。ですから現在PIO-NETを導入できていない自治体についても、入力のためにかかる経費などを助成することによってPIO-NET設置に誘導していく、そういった政策が必要ではないのかと思います。
 それから、国の行政機関が平成19年度の先ほどの検討会報告を受けて、国の行政機関が閲覧できるように端末を設置するようになったということのようですが、これについて私は資料6を提出し、その第1項のところで少し書かせていただいております。
 これについても、私は基本的には国の行政機関はもちろんのこと、都道府県においても消費生活相談の多いところは入力するということを基本に考えるべきではないかと考えます。例えば都道府県においても宅建業法を所管しているところや、JAS法を所管しているところでは、かなりの相談件数があるわけですね。そういった相談がせっかくあるにもかかわらず、そういったものは入力されないということでは制度としてバランスを欠いているのではないかと思います。国の機関は閲覧だけできて入力しなくていい、地方は非常に入力作業が大変だということで不満に思っているというのでは、制度としてはバランスがとれていないと思います。
 そういったことと、先ほど圓山先生言われたように、行政機関が持っている情報で相談業務を支援できるという部分もあるわけですから、みんながこの制度を支えているのだというふうに現場の人たちが思って仕事がやれるような、そういうシステムをつくっていくべきではないかと思います。

○片山座長 いかがでしょうか。どうぞ。

○山口委員 消費者委員会の委員の山口です。2つ教えていただきたいのです。1つは、この専門調査会を設置する前にも、PIO-NETの設置の費用はいくらぐらいかかるのか。これは未設置の自治体も多いようですが、自治体に周知する場合に、端末を設置するのは国の費用でやりますよと。その後のランニングコストはいくらぐらいなのかというところの概算が必要です。自治体のほうもどのぐらいだったらできるか判断するため維持管理でどの程度という数字を教えていただきたいというのが1つです。
 もう一つは、これは国民生活センターのほうにも教えていただきたいのですが、PIO-NETの情報というのは、ちょっと言葉は悪いのかもしれませんが、処分が前提となっていないので、比較的、例えば『暮らしの手帖』的な情報という言い方をすると語弊があるかもしれませんが、処分が前提となっていない、比較的軽い乗りで、どんどん集まるし、また外に出せるのかもしれません。ところが処分が前提となってきますと、密行性その他、行政処分庁が集める情報はかなり機密性が高まってくると思うんですね。そこら辺の仕分けですね。先ほどの矢印から見ると、どうも行政処分の基にも使われてはいるようですが、しかし、これが直ちに処分の根拠になるわけではないと思うんですね。そこら辺の使い分けについては、PIO-NETの情報が重要性を持てば持つほど微妙な要素が出てくると思うのですが、そこら辺、国民生活センターとしてはあまり苦慮されるところがないのか、そこら辺、割り切っておられるのか、どうなんでしょう。

○窪田情報部部長 後のほうの話なのですけれども、基本的にPIO-NETの情報は消費者からの申し出情報なので、処分を前提にした情報ではないので、そこの情報をそのまま1件入ったから処分できるというものではもちろんないと思うんですね。ただ、取引情報については、ある程度の件数が、類似の情報が入ってきたことを基にして、それを端緒情報として多分法執行部門などはそれを活用して処分することになると思います。また、事故情報などに関しては、数が少なくとも、それはそれなりの情報になっていくのではないかと考えています。

○圓山委員 PIO-NETの情報は、相談者からの聴き取り情報なので、それを根拠に行政処分はできません。ではどうしているかというと、各省庁がPIO-NETの情報を閲覧します。そうするとどのセンターの何年度の受付番号何番で、この業者の相談を受けたかということが把握できるわけです。省庁はそのセンターに電話かけてきて、資料はないかとか、被害者(相談者)を紹介してくれとかということを頼んできます。各地のセンターの担当者が、相談者に対して何々省に話しする気はありませんかということを説得活動して、OKされた方をその省庁に紹介をして、省庁の方がヒアリングをして処分につなげていくという形です。さっきおっしゃった端緒情報ということになります。その辺の被害者紹介とか、証拠がためというのも各地のセンターが担っており、ただでやっているということになるわけです。
 さっき山口委員がおっしゃったランニングコストということは当然機器のランニングコストも出していただければいいのですが、国が考えている地方の入力経費について、どれだけ地方が負担しているかというランニングコストもできればお示ししていただければありがたいと思います。

○林地方協力課長 すみません、今のお話のような入力コストをいかに金銭的に見ているかというのは、すみません、試算が実は手元にありません。機器の増設については、もともと前提として、今は4日以上開設という消費生活センターに機器を配置するという前提になっていますけれども、これを3日以上とか、2日以上というふうに範囲を日数でもって広げていったときの試算は手元で計算をしておりまして、初年度、2年目以降のランニングというのはあります。例えば4日以上というハードルを3日以上に下げたときには、窓口数が50か所余り増えていくことになります。このときには初年度、端末の増設にかかる費用が、ざっとの数字ですけど、約3,000万ぐらい。2年目以降のランニングが1,000万余というぐらいのオーダーです。これは全体の数字としてです。

○馬場委員 PIO-NETの利用の仕方ということでいきますと、目的として市民の消費生活の安全・安心を確保していくというのが最重点かと思うので、処分よりも予防のほうにできるだけ使っていくほうが有効性が高いのではないかと思うんです。そうすると入力作業が今60分ぐらいかかるというのはこれは非常に効率が悪いのではないかと思うんですね。この書き取り用の用紙などもそうだと思うんです。31ページですか、これで記入されるのでしょうか。書き取りのときに大体必須要件もここだけは絶対に聞かないといけないというところは普通押さえておいて、それ以外は入力で漏れてもOKとか、何か目的に合うような形で効率化をしないと、これはいつまでたっても、こんな時間かかっているとたくさんの件数も受けていけないし、負担に思うところも多くなると思います。まして他部門で受けたところもこういうものは全部入力していかないとトータルとしての役に立たないと思いますので、ほかの消費生活センター以外の部署で受けた論点2の(3)のところにあるように、そういう情報も入れる工夫をするというのが必要になるのではないかと思います。また、情報につきましては、これは申し出者の一方的な要件も多いので、内容を精査して、それに対するコメントも必要になってくるかと思います。まず第一歩は受けた情報を入力をしていくという必要性があると思います。
 トータルとしては、先ほど地方協力課長さんがおっしゃられましたように、活用のルールと効率化とか、何に使うかというところのセットできちんと整理していただけたらと思います。
 以上です。

○池本弁護士 池本でございます。資料8で配付していただいている〈論点1〉というところが今議論されているところにほぼ見合うかと思います。先ほどから議論されていましたPIO-NETの役割がもともと相談員の情報交換、相談処理を支援するための情報網であったし、それは現在も第一の目的はそこなのだろうと思います。だからこそ時間をかけて入力し、またほかの相談情報を調べながら、自分の相談処理に活かすということですから、それが第一の目的であることは間違いないのですが、そこへさらに蓄積された情報が事業者規制の法執行や、消費者行政のさまざまな企画立案、法改正も含むもの、あるいは地域の消費者への情報提供とさまざまなことで活用されている目的が広がっているということが、平成19年3月の報告書の中でも確認されていますし、その方向で進めるというのが、先ほど週4日から、さらに3日以下のところにも広げてはどうかという方針へとつながっていくのだろうと思います。
 その場合に、週3日、2日しかないところの相談員の人に話を聞くと、そういうところこそ本当に情報が限られているから、全国でどう処理しているのかを見たい、是非設置してほしいというふうにおっしゃるわけです。やはり相談員ですから、ただ乗りで見るだけではない、入力もしなければいけないことは重々わかる。ただ、そうなると限られた時間で相談処理をし、ほかの相談員がいれば、一人は入力や、処理のほうを担当できるのですが、一人体制だとなかなか時間がとれない。それどころか、職員がダブルチェック、2段階のチェックをしてアップしていく取り扱いですが、できる職員がそもそもいるのか。なかなか体制がなくて難しいのだという話が出ていました。そのことが資料4-3で紹介された現在でも要件を満たすはずの週4日以上の窓口でもまだまだ未設置のところがあるというのが、やはりそういう人的体制が予算面なども含めてバックアップをされないことには、このPIO-NETシステムの精度を高めるということにならない。という意味では、圓山委員から指摘された、特に制度の基盤を支える国の側としてはそこが必須のことだと考えます。
 それから、情報面で支えるということで言うと、私のメモの〈論点1〉の(2)のところでふれておきましたが、これも先ほどの平成19年の報告書の中で指摘されている、金融庁、総務省、経産省、農水省とか、それぞれの省庁が、それぞれ苦情相談の窓口を設けているわけです。そこへ寄せられた相談情報が、そのまま法執行に使われているのではなくて、相談者にアドバイスして、相談情報として蓄積されているものが、恐らく何千件の単位であるわけですから、それもPIO-NETの情報の中に入れて、全体でより精度の高いものを活用していく、そういう姿勢が必要なのではないか。
 もちろんさらには各行政機関の処分情報とか、圓山委員が言われたような、精度の高い情報もさらに載せていくことによって相談処理の上では非常に参考になることも間違いないと思うのですが、まずは情報ネットワーク自体を国全体でもっと広げていくということが必要ではないかと思います。
 以上です。

○菅委員 圓山先生と池本先生と重複するところがあると思いますが、今、私たちは全国の手の届くところで相談を受けてほしいということで提唱しておりますけれども、週3日以下の相談窓口でPIO-NETが配備されていないところの相談件数をどこがまとめているかというと、ほとんど反映されていないと思います。私が住んでいる県では、全体を100とすると半分が県のセンターで受け付けている。そのまた半分が市のセンターで受けて、そのほかの市町村のところで4分の1の件数があっても、その4分の1が統計にはあらわれていないと思われます。少し前までは、何件ですかという照会が来ていましたが、PIO-NETが配備されていく時点で、その件数というのは日本全体の中でもかなりの件数を占めると思います。そこのところに1台1台配備するかはまた別として、何とかフォローしていかなければいけない数字ではないかと思います。それから、今、先生もおっしゃったように、件数の1日3件ぐらいしか来ないところが、必ずしも没にしてもいいというか、重要な案件ではないかというと、件数が多くなればなるほどあまり重要な案件は比率的には少なくても、少なければ少ないほど重い、中身の濃いもので、それらが地域には蔓延している、そういうものがかなり多く含まれていると思いますので、そこら辺をやはり大切にして、これから地方消費者行政が力を入れてやっていくのであれば、1,000件とか4日以上とかの条件のほかに、補完するのも何らかの形で必要になってくるのではないかということを感じております。

○野口委員 データに出てこない話という点において共通しているかもしれない件を一つおたずねします。分権の時代ですので、国のあり方を考えるに当たっても、地方自治体の先端的なところでどういうことをやっているかということは参考にしなければならないし、そういう動きがあれば、それを推進していかなければならないと思うんですが、PIO-NETにかかわって、今日御紹介いただいた資料4-2の中に2つ、北海道の赤レンガインターネットの話と、京都の消費生活安全条例では、実はもっといろいろな情報提供ができるような仕組があるという御紹介があったのですけれども、これに類するような地方公共団体での動き、PIO-NETの代替とはいえないまでも類似の機能を果たすような先進的な例について、もしこれ以外の例があるようでしたら教えていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。

○片山座長 もし、今、なければ、また次の機会でも構いませんので。

○林地方協力課長 今すぐ手元に把握したものがないので、今ちょうど地方を回っているところでもありますので、そうした事例はまた収集させていただいて、随時提供させていただくようにしたいと思います。

○野口委員 ぜひよろしくお願いします。

○矢野委員 今、野口委員の先進的な事例ということで、論点2の情報の収集の(3)のところに入りますけど、地方の消費者行政担当部署でさまざま情報が集約される仕組ということで、既に東京都では昨年のところで、重大事故に関する部分は消費者安全法の施行に基づいて、その仕組を整えています。既に消費者庁でもその情報はつかんでいらっしゃることと思いますけど、こういった地方消費者行政の消費者行政部門の部署がさまざまな地方自治体の中の情報を積極的に収集し、返していくという形を全国的にこれから整えていく必要があるのではないかと思いますし、先進的事例については今後も情報提供していければと思っております。

○片山座長 いかがでしょうか。

○稲継座長代理 お話をお聞きしていて、PIO-NETというのは2つの役割があって、情報を作成する機能とそれを利用する側の機能と両方あって、もともとは互酬性というか、お互いさまという、そういう関係があったのだけれども、一方で国は利用するだけになってしまっているとか、あるいは新規参入の3日以下のところに対してもフリーライドだから、それはちょっとどうかという議論があったりとかというふうな面をお聞きしたのですけれども、私は最終的には顧客ということで考えると、これは消費者なので、消費者にプラスになることだったら、フリーライドでも何でもいいのではないかと思うんですね。
 作成コストがどうのこうのという話であれば、それは先ほども圓山委員がおっしゃったように、さまざまな手当ての方法があるので、どんどん配っちゃって、フリーライドでも何でもいいから、みんな利用してくださいというふうにしちゃえばいいと思うんです。先ほどおっしゃった3,000万とか1,000万だとかという額は、ここ数年で配っている活性化基金からすると微々たるものにすぎないもので、すぐにでもユーザーサイドのことを考えれば、全国的に広げていい話だし、受けたからといって必ず入力しなさいという、そういう命令まで、命令というんですか、そういう厳しいことをおっしゃることはないだろうし、この記載要領ももっと簡素化を多分できると思うんですね。民間のカスタマーサービスセンターでやっているような入力情報があれば、十分な部分もたくさんあるので、その辺もっと入力しやすいようなシステムをつくるとか、お考えいただけたらと思いました。

○田中委員 現場で相談を受けている者、PIO-NETを入力している立場として、いくつか、資料5のほうに問題点を挙げておきました。それで1ページ目の中ほどにあります〈情報の適切な分析システムどうあるべきか。〉というところで、入力時の、これは先ほどこの黄色い冊子の31ページを馬場委員が提示されましたけれども、ここまで完璧に入力できるということはなかなか難しい問題で、ここにも書いてありますように、相談を受けながら、そして入力ということはまずできません。相談が終わって入力ですし、入力している途中で相談があれば、またその入力は中断するということで、効率も非常に悪い。その中で、どうしてもこれだけは入力しなくちゃいけないというときは、先ほど圓山先生もおっしゃいましたように、残業手当がなくても、残業してでも、入力して次に継がなくちゃいけないというところで、そういう厳しい相談員の入力現状であります。
 それから、ここにも書いてありますように、個人によってすごく書き方が粗であったり密であったりということで、非常にばらつきが多い。それとちゃんと課内でチェックシステムが働いていればよろしいのですけれども、提出するのが先で、中身をちゃんとチェックしないまま決裁されていってしまうと、そういう状況もありますから、本当にこれがきちんと活用されるためには、もっと精度を高めるという意味で、相談員の研修が必要なのか、専門的に入力する人を置いたほうがいいのか、その辺を検討する必要があります。入力するときは相談員は、これは役に立ててほしいという気持ちで入力しているわけですので、それを最大限に活用していただくためには精度の高い入力が必要になってくるのではないかと思います。そのためのシステムづくりは、各自治体でとられていると思いますけれども、それがどの程度の精度なのか、その辺はちょっと気になるところではあります。
 それから、先ほど未入力の件について、現在相談受けているところで未入力の部分があるけれども、それをどうするかということで、前回、私が熊本県の例を示しましたときには、未入力部分が、県全体の相談件数の17~18%程度あったと思います。そういうものを入力するとして、一人体制のところでは、その入力もとても大変になると思います。また、何人かいれば、きちんと保守というか、管理はきちんとされると思うんですけれども、やはり一人体制のところでそれを置いておくという上では管理上またいろんなリスクも出てくるのではないかと思います。以前、直接入力でないときは、例えば私どもは直接県のセンターに尋ねて、これについて検索して、何件あるだろうかとか、そういった使い方もしておりましたので、問題があって入力できないところはいくつかの自治体がまとめて入力する。そういうところをとるか、あるいは県にすべて入力してもらうようにするか、そういった選択もあるのではないかと思っております。
 ただ、この情報自体について、私ども相談を受けるときに、消費者に対して、この情報はこう活用されるんですよというところまでははっきり伝えません。なぜそうしつこく聞くんですかと問われると、聴き取りがそこまででストップしたり、お話して理解されると、進むというようなこともありますので、消費者自体が自分の情報がどういうふうに反映されていくかということをよくわからないで、話しているというところもあるのではないかと思いますから、その辺を相談受けるときに、どこまで消費者に伝えるべきなのかというところを、ちょっと疑問に思ったりいたします。この情報自体は、自治体が受けたのであれば、自治体の財産といったらおかしいですけれども、情報なのか、それを次の機関に送るということはクリアできるのかなと。その辺も疑問に思ったりしているところもあります。
 それから、ついでですけれども、広く多くの情報をPIO-NETに入力していただくということは、必要な事と思います。例えば最近医療機器について気づいた事ですが、医療機器などは、回収レベルがあって、薬事法の下で回収されていると思いますけれども、薬事法の回収対象に該当しない誤使用などの理由で亡くなったという機器がありましたけれども、そういう情報は厚生労働省のホームページでも分かり難く、企業が自主的に公表したということで、これだけの亡くなった方がいるのだなということがわかったわけですけれども、こういうものもまだ縦割りの弊害があるのかなと思っております。
 消費生活用製品安全法、これですべての事故については連絡するということになっていますけれども、法律対象外についても、消費者の誤使用であれ、そういう情報もすべて収集できるような体制がとれると、その中で何に問題があったのか、表示に問題があったのかとか、いろんなところも見えてくると思いますから、情報というのは広くたくさん集めていただくということが望ましいのではないかと思っております。
 以上です。

○片山座長 圓山委員から、簡潔に。

○圓山委員 消費者庁に質問があるのですが、多分今日は即答できないと思いますので、次回で結構なのですけれども、PIO-NETの入力人件費の地方負担問題、2年前から問題になっていまして、福田内閣のときの野田大臣や、森雅子参議院議員などは、PIO-NETの入力経費を何とか国から支給できないかということでかなり動かれたと私は存じています。なぜそれが実現できなかったのか、障害は何なのかという点をぜひ教えてほしいと思います。
 以上です。

○片山座長 今、即答できますか。

○林地方協力課長 正確にお答えすることはできませんので、次回整理をしてお答えをさせていただいたほうがいいと思うんですが、私も当時の国会での議論などは拝見をしまして、制度的な隘路というよりは、当時、基金という形で財源を補てんする。その基金の予算上のセットの問題だと、ドライに言うと。そこが10分の10で国費で負担します。それを人件費に充てられますというセットにはなってなかった。これはできる、できないというよりは、事実そうだったということだと私は思っていまして、それが今、実は制度のワーキングなどの議論では、集中育成・強化期間以降の、24年度以降の予算なり財政支援というのをどうすべきかという議論がこれからございます。そのときに、人件費をどういうふうに見れるのか、見れないのかということについては、一律にマルとかバツとかという答えが既にあるというものでは多分ないのだろうと思っています。
 いずれにしても、当時どうだったのかということについては、また改めてお答えをさせていただきたいと思います。

○片山座長 それでは、馬場委員。

○馬場委員 先ほど田中委員のお話の中で思ったのですけど、アラーム検索みたいなものはかかっていないのでしょうか。例えば事業者と危害と分類行動の3つか、どういうのがいいのかわからないのですが、検索をかけていれば、複数案件出てきたら、普通はポップアップするとか、我々の仕組だったら大体そういうのが入っているのです。そういうのがあれば、たくさん入れれば入れるほど、幅広く検索をかけて探していけるのではないかと思うのですが、今のお話では入っていないのかなというふうに感じたものですから質問したのです。

○窪田情報部部長 早期警戒情報システムは今構築しているところなんですが、それ以外にも常時検索するようなもの、アラームはないんですけれども、いつも検索するものは絞り込んで登録させておいて、自動的に検索させる定型検索のような形で登録させるようなことはできるようになっています。
 あと、圓山委員から出た意見のところ、若干訂正なんですけれども、当時の情報メニューでなくなったものがいっぱいあるということですが、判例情報は一応今までシステム刷新まで、昨年度まだずっとやっていて、今、システムが刷新されたので、今日まさに入札やっているところで、システム刷新して新しいPIO-NETの情報でWebシステムとして相談員の方が見れるような仕組をつくりたいと今思っています。
 あと商品テスト情報は消費者行政フォーラムのほうで、相談員の方が見れるようになっていますし、商品テスト機関情報はホームページに記載しております。生活問題専門家情報は更新してないので消滅してしまった、今の状況はそういう状況になっています。

○国府委員 時間がないと思いますので、今のアラーム付けの件については、私は資料6の中の情報の分析システムの今後のあり方というところで提案させていただいております。それから、これも時間ないので、書面陳述みたいな形になるのですが、資料6の3項では、相談情報の消費者への提供ということについて書いております。この中で、国セン法の第42条第2項を引用し忘れていますが、これに基づいて積極的な情報提供をやるべきであるという見解を書面上表明しておりますので、またご覧いただけたらと思っております。

○片山座長 それではよろしいですか。ほかにどうしてもという方はおられますか。時間も来ましたのでよろしいですね。
 最後に、私にも少しコメントさせていただきたいのですが、それは最後に問題になったことなんですが、稲継委員が問題提起されて、さっき圓山委員からも質問がありましたけれども、このPIO-NETというのは、システムの所有者は誰なんですか。

○林地方協力課長 国民生活センター。

○片山座長 国民生活センターですね。それに対応する自治体の入力はどうか、閲覧はともかくとして入力事務というのはどういう性格になるのかということなんですけれども、恐らく自治体の中では自治体の事務として正式にオーソライズされてないのだろうと思うんですね。菅委員、いかがですか、例えば予算などで、消費生活センターの歳出予算の中に相談業務というのは、何人役で何時間とか算定根拠として出てくるはずなんですね。それに対して入力業務として事務費とか人件費とかがちゃんと登録されていますか、登録というか、計上されていますか。

○菅委員 PIO-NETへの入力業務という形ではないです。

○片山座長 相談業務はどうですか。

○菅委員 月給いくらという話です。

○片山座長 それは相談業務の人件費ですね。

○菅委員 ええ。あとはそこの中にはないです。

○片山座長 恐らく私の印象では入力業務はヤミの業務なんですね、自治体側からすると。前回、斎藤委員からお話がありましたけれども、自治体の事務というのは大別して自治事務といって自分のために自主的にやる事務と、国から法律上受委託の関係、自治体が拒否できないんですけれど、受委託の関係にある法定受託事務という2つに分別されるわけです。それで、恐らくこの事務というのは多分どちらにも属していない。強いて分類すれば、勝手にやっているんだから、ヤミでも勝手にやっているんだから自治事務だということになるのでしょうけれど、さっきおっしゃったように、システム全体の管理、所有が国民生活センターで、それのお手伝いを勝手にやっているということになるんですね。
 恐らくこれは一般に消費生活センターの自治体での立場からするとそうなるんですね。ちょっと申し訳ないんだけれども、消費生活センターは自治体の中枢部門とはあまり密な関係、インティメートな関係にはなくて、むしろ国との縦割りのほうが強い関係にある。そこで、そちらとの関係の中でこういう事務を遂行する過程で機器が設置されることになった。本来ならば、当然それに応じて、その段階で、これを設置するのを受けますか、それにすると多少の入力とか人件費とか、もっと言えば電気代だとか、そんなものがかかりますが、それでもいいから受けますかというような、そういう吟味や査定を経ていないんですね。そういうことは結構あるんです。実態としてのヤミの業務は。例えばどんなのがあるかというと、斎藤委員からこの間あった地方分権改革の中で、例えば国が自治体に対して調査を依頼するなんていうのはきちんと書面でやりなさいとか、そういうルールができているんですが、電話で勝手に依頼してきたり、書面といってもファックスだったり、最近はメールだったりするんです。本当はそれは自治体の管理者から言うと、そういう業務を受けると当然人件費もかかるわけだから、それを受けるかどうかというのは本当はそこで決めなければいけないんですが、そんなことをいちいちやっていられないからヤミでやっちゃうんですね。だから本来の業務の範囲からすると、いわば余計なことをやって残業が増え、人が足らないなどという話になってしまう。そういう面で一番行儀が悪いのは総務省なんですね。勝手にばんばん電話してくる。
 実は入力業務もそういうたぐいなんだろうと思うんですね。だからこの際一回整理する必要があると思いますね。国民生活センターの所有物のお手伝いをするというならば、それは自分のところの役にも立つと。自分のところの相談員の業務にも資すると。だからそれは受けましょうと。自分のところのお金で。というのも1つの選択肢だし、そんなものは受けない。それはセンターの事務だからセンターでやってくださいとか、どうしても受けてくれというのなら、端末の管理費とか、人件費をよこせなどと、いろんな選択肢があるんですね。自治体がそういう一種の踏み絵をやってない分野なので、それであいまいなまま残ってしまって、さあ、これをどうする、こうするという話になっているので、一回これは整理する必要があると思いますね。事務の性格とか自治体や住民にとってどういうメリットがあるか。
 さっき稲継委員が言われた、これは誰のためですかという問いになりますが、これは誰のためなんですか、センターのためなんですか。

○林地方協力課長 最終的には消費者のためです。

○片山座長 消費者のためですよね。消費者のために、誰が管理して、それをどういうやり方で、誰の費用負担でやるかということを一回整理しなければいけないですね。そこがあいまいなまま、基金があるからとか、そういうことで済ませているんでしょうが、ある程度整理する必要があると私は思いました。どう整理するかはともかくとして、いずれにしても、今は多分ヤミの状態に置かれているのだろうと思います、ほとんどの自治体で。多分自治体で正規にこれを位置付けて、おれのところでやろうというふうに財政課が予算査定のときにきちんと整理しているところはまずないのではないかという気がしますね。
 それから、このPIO-NETでいいますと、この間、事務局の方に伺ったのは、PIOというのは何の略になるんですか、と言ったら、みんなよくわからなかったんですけれど、国民一般・消費者に関係するような物事を説明するときに隠語を使うのはよくないと思いますね。これは内輪のいわば業界用語でしょうが、業界用語で国民にはわかりません。国民に理解してもらおうと思ったら、もっとわかりやすい名前にしないといけないですね。
 菅総理が、消費税の問題を論ずるときに"プライマリーバランス"なんて言った途端にだめなんですね。国民にはわけがわからないです。あれは財務省の業界用語ですから。あんな用語を持ちだしたことでだめになったというか、ちょっとしくじった面があるのだと私なんか思うんです。このシステムも、消費者に関係しているのだから、国民に広く理解してもらわなければいけない。それに先立ち、自治体の中で、このシステムについて、自治体の中枢や財政当局にまず理解してもらわなければいけないときに、この隠語をずっと使い続けるのは得策ではないと思いますね。何か工夫されたほうがいいと思います。
 それから、齋藤審議官が説明された資料4-1の論点の問題なのですけど、論点2の(3)というのがあって、これはまさにそのとおりなんですね。さっき矢野委員から、一部例外的な話がめばえているという話がありましたが、おそらくは例外的でしょう。一般的にはこの論点の指摘が正しいと思うのですが、実はこれは消費者行政に限ったことではなくて、ほかの分野でも全部そうなんですよ。例えば児童虐待だとかDVなども、いろんなところに端緒があるんですね。例えば児童虐待だったら教育現場や警察、児童相談所だとか、ほかにもいろいろあるんですが、それがいつも分断されているんですね。口では総合化とか連携とかと言うんだけれど、言葉だけなんですね。
 だからここで指摘されている問題は、これはこれで正しいのですけれども、実は消費者行政に限らず自治体行政全体に実は問われている話としてとらえた方がいい。自治体は総合行政主体だと、総務省なんかよく言うんですよ。霞が関は縦割りだけれど、自治体は地域で横断的な総合行政主体だと言うんですけれど、実は実態は必ずしもそうでもなくて、自治体の中が縦に割れていて分断されていて横の連携がうまくいってない。最近でもいるべき老人がいないということがありましたが、それも福祉では把握していたのに、その死亡情報を、住民基本台帳の担当の住民課では訂正していなかったとか、全く基本的なことができてないんですね。
 だから、ぜひこれから論点や問題点を整理していくときに、消費者行政だけに限らずもっと全体の自治体のあり方を問うような、そういうふうな論点設定にしたほうが迫力が出るのではないかなという気がしました。
 それでは今日の議論をまた整理をしまして、今後の検討に活かしたいと思いますが、事務局から何かありますか。

≪4.閉会≫

○原事務局長 活発な議論ありがとうございました。次回の専門調査会ですけれども、9月14日(火曜日)の16時から行う予定にしております。議題としては「商品テストの位置付け及びその支援のあり方について」、御議論をいただく予定にしております。
 事務局からは以上です。

○片山座長 それでは、本日、御参席いただきましてありがとうございました。また次回もよろしくお願いいたします。

(以上)