末松副大臣記者会見要旨 平成23年5月11日

(平成23年5月11日(水) 15:06~15:20  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 こんにちは。私のほうからは、まず消費者月間について、今度5月30日に港区の三田共用会議所におきましてシンポジウムを開催します。
 また、内閣総理大臣表彰の5件、これは5月9日に公表しています。さらに内閣府特命担当大臣表彰の20件、個人10件と団体10件、そして、ベスト消費者サポーター章の60件、これを4月28日に公表しております。
 そもそも5月は消費者月間ということで、今年のテーマが「地域で広げよう 消費者の安全・安心」ということでございまして、これは安全・安心で、消費者が主役である社会の実現に向けて、消費者団体をはじめ、福祉、子育てなどの様々な分野において地域で活動している方々が連携を深め、消費者問題に取り組む地域の輪を広げること、これが目的でございます。
 5月の月間中は、全国各地で企業や事業者団体、消費者団体、行政機関などによって講演会の開催やパネル展示など各種協賛事業が実施されることになります。
 また、今一番最初に申し上げたのが消費者庁で主催をいたしますシンポジウム、あるいは消費者支援功労者表彰の部分でございますけれども、こういうことを通じて、消費者行政の推進の輪をつくっていきたいと思っております。
 第2点目は、富山県等で発生しましたO-111等の集団食中毒についてでございますけれども、これは大臣等から詳しくお話がいっていると思いますので、それは皆さんの御質問で対応していきたいと思っております。
 それから、焼き肉チェーンのですね、これはまさしくその問題を起こした企業と思うんですけれども、「焼肉酒家えびす」が、これは肉専用種と乳用種を掛け合わせた交雑種を和牛ということで販売しているということが報道されましたので、我々として、景表法上の問題となり得るかどうかということで、今、警察庁のほうとも申入れを行いまして、今協議をし始めているところでございます。これにつきまして情報収集に努めております。
 それから、最後になりますけれども、これもベタープラクティスあるいはベストプラクティスということで何か皆さんに話題を提供したいという思いがございまして、これ野洲市の「多重債務生活再建マニュアル」、これ2010年度版ということで、実は生水裕美さんという方が、私が出ております集中検討会議、社会保障と税の一体化の会議、そこで委員になっておられまして、彼女といろいろな話をしていたときに、こういうふうなマニュアルがありまして、それで、特に多重債務で過払いという返済、これを使って、実際に被害者が負担をしなくても、結局何の負担も、あるいはむしろお金がより戻ってきたと、こういうことがこれによると、そういうことがプラクティスであったと。それを野洲市のほうで、このマニュアルを彼女が中心になってつくって、そしてワンストップサービスというんですか、それでやっていったところ、非常に大きな反響と市民からの相談の声が上がったと、それが全国に、このマニュアルをくださいということで、これたしか、報道されたかどうか知りませんけれども、非常にそこは話題になっているものですから、もし可能であれば、皆様ここ注目していただいて、こういう方がいて、非常にそこは効果があったということでございますので、是非そこは、もしよろしければインタビューなどしていただいて、こういう形で頑張っておられる方がおられるということを御紹介いただければということでございます。
 私のほうからは以上でございます。

2.質疑応答

(問)読売新聞の岡安と申します。
 国民生活センターのあり方の見直しをめぐる議論についてなんですけれども、今行われているタスクフォースのほうで、まず来年度から国センの機能を段階的に消費者庁に移管するという試案が示されております。これは、要するに、国民生活センターを廃止する案というふうに解釈してよろしいんでしょうか。
(答)今、プロ同士が話し合ってですね、実務者同士が、消費者庁幹部、ここにおられます次長、長官以下と、あと(国民生活センターの)理事長さん以下ですね、話し合っておられまして、それは皆さん注目の的で、これは公開で議論をされているわけでございますけれども、そこで消費者の立場から、よりどうやったらこのサービスが一番強化されるのかというところから話し合っているところでございます。消費者庁の試案が出てきて、そこでお互いにダブるとか、あるいはもっとこういう形に機能すれば、より消費者のためになるだろうという観点から、実務者協議を通じて、それを踏まえた形で消費者庁のほうから提案をさせていただいているということでございます。
 ですから、その中で廃止という話はもう全く元からある話ではございません。その機能として整理を仕分けていって、そこでベストな体制はどうなんだというところを今ぎりぎり実務者で詰めていって、それをもとにして消費者庁サイドのほうで今試案としてやってきたということでございます。
 だから、ちょっと何か、よく私にも聞かれるんですけれども、何か廃止して吸収しようとしているのかという話ですけども、これはもう正直言って機能強化、消費者サイドに対してどう我々はあるべきかという中のプロの視点、これがより生かされるべきだというところから出していった中間評価だと思います。これまたパブコメとかいろいろな形でかけていくでしょうし、その意味で、私たち政府のほうも、そのプロの話に対して、いかにも我々が政治的な意思どうのこうのと、最初に案というのはまずいだろうということで、その実務者の検討会議には、私も蓮舫大臣も一度も、また政務官も一度も姿を現したことはございません。そういったところをより貫徹していくというのがその趣旨でございます。
(問)ありがとうございました。
(問)読売新聞、金杉です。
 今の野洲市の「多重債務生活再建マニュアル」がかかわってくる問題なんですけれども、震災の件に絡んで、被災地で暮らしている方たちに対して、恐らくヤミ金的な業者が狙う可能性があるなと思っているんですよね。なぜかというと、彼らにとって何らかのまとまった収入が入ってくる予定がある人はいい格好のカモであって、例えば被災地であれば、東電からの仮払金はもう既に入っている方もいらっしゃるし、義援金も入ってくる可能性がある。一方で、二重ローンの問題であるとか、これからの生活のためにお金が必要な方というのはたくさんいるわけで、そういう人の手元に善意というか、あるいは生活を奪われた権利として入ってくるお金が狙われてしまう可能性があるなと、何人かの弁護士さんなんかも、私が聞いたところ、心配している方がいらっしゃるんですけれども、それに対して、例えば、消費者庁として前もって何か注意喚起なりできるんじゃないかなと思っているんですが、その辺に関しては何かお考えとかございますか。
(答)その点については、我々はとにかく、悪徳商法110番とかですね、地域消費者センターですか、それの機能強化というのもありましたけれども、そういったところ、とにかく相談してくださいという話をやって、法テラスを含め、いろんな弁護士の方を、法律家を、12日から派遣しているところです。
 それで、ずっと弁護士の方とか、我々が費用を負担して、いろんな避難所の方とか含めて、その相談を厚くするというか、そういうことを今専門家を派遣してやっていっているところです。心が不安定になって、何かそういったところにひっかかりやすいような方がいるかもしれないということで、心のケアについてもまたそういった厚労省なんかと連携して心のケアチーム、プラス我々のほうとしてもそういった専門家の方を連携したいということでやっておりますし、そういったところを全体的に見るために、消費者庁の職員も多少の短期なり長期で派遣をして全体を見ていってやっていくということを、まずはどんな実態なのかと。
 理想的なのは、こういうふうな悪徳商法にひっかかるかもしれないと、だからこういうふうなところを気をつけろと、そういうことも可能なんですけれども、ただ、やっぱりそれをやったからといってすぐに全部効果があるというほどたやすくは考えておりませんので、それは地道に回ったり、いろんな呼びかけをしていくという中で、あと地方の消費者相談センターの方々がそこで是非お役に立っていただくということ、今こそ皆さんがお役に立つときですよということを活性化していく、こういった方針を今打ち立ててやっているところでございます。
 特に記者さんのほうも、何かこういうのがひっかかるとか、こんなので困っていると、こういったものを是非教えていだたければと思いますし、私もこれから原則毎日、被災者の対策本部のほうに行って、今、内閣府の中でグループ的なものをつくっておりまして、例えば、子供とか女性とか高齢者とか障害者とかそういった、いわゆる社会的に立場が余り強くない方々がそういった被害に陥らないように、それを現地から情報を吸い上げると同時に、それがあったときにどういうふうにこれを、向こうの地域のほうもワンストップサービスでできればいいし、こちらも我々そういったところの方々の悩みとか何とかをワンストップサービスでいろんな省庁にどんどん割り振って、これはどうすべきかと、こういうことをやっていくことをしたいということで、グループとして今実働的な形でやっているところでございます。
 またPIO-NETですね、そういったのも来ていますから、それをやっぱりそういったところで非常にひっかかっている例があれば、そこを随時対応していきたいということかなと、金杉記者の問題意識に応えるには、一応我々がやってきていることはそういうことですね。
 こういったマニュアルについて、是非、本当に御紹介ください。非常にここはよくできたマニュアルで評価を得ていますので。
 よろしいですか。どうもありがとうございました。

(以上)