蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月17日

(平成23年5月17日(火) 8:49~9:02  於:参議院本会議場中庭側廊下ぶら下がり)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず、私から3点報告をさせていただきます。
 3月に自殺対策強化月間を行いました。統計が出たのですが、資料をお手元にお配りしていると思いますが、本年3月、自殺対策強化月間の自殺者数は前年同月に比べまして約17.3%減少した、お亡くなりになっている方はまだおられますが、数値としては減少したという結果になりました。3月までは前年同月を10%以上下回る傾向は続いていたんですけれども、4月は初めて前年同月を僅かではございますが上回ることになりました。ただ、累計で見ますと自殺者数は9,525人となっておりまして、前年同時期に比べて9.5%減少とはなっています。
 大きく減少して、そして4月は、累計では減っているんですけれども、当月だけで見ていくと人数が増えている。一体どうしてこういうことになったのかは、経済社会総合研究所に置いた分析班におきまして、その自殺された方たちの性別であるとか年齢であるとか、あるいは住んでいる地域であるとか、そういうものを警察庁からより詳細に情報をいただき分析を続けて、効果的な対策を、これまでと同じように、これからも講じていきたいと思っております。
 また、心のケアに関する相談窓口の一覧も配付をさせていただきました。公的機関、NPO等における様々な相談を行っておりますので、是非メディアの皆様方を通じて周知に御協力をいただければとお願いを申し上げます。
 次に、消費者庁で独自に行っていた暫定基準値を上回るホウレンソウが千葉県等で出荷されたことに対する調査でございますが、先週10日の会見のときにも状況報告をさせていただきましたが、その後、消費者庁の担当者が生産者にも直接ヒアリングを行いました。ホウレンソウを出荷した香取市の生産者5戸を訪問したんですが、生産者はいずれも出荷制限がかかっていたことは御存じでありました。ただ、市から詳しい説明がなされていなかったと認識しておりまして、暫定規制値の内容、出荷制限の必要性におきまして十分な認識がなされておりませんでした。
 先週13日には千葉県が新たな調査結果を公表いたしました。その主な内容は、県が県内の青果卸売業者30業者に調査をしたところ、今回問題となった八日市場青果地方卸売市場以外には、出荷制限期間中に香取市産ホウレンソウ等を入荷した卸売市場はなかったとのことです。つまり、香取市で生産されたホウレンソウが出荷をされた市場は八日市場だけということでございます。随分と範囲が狭まってきたと認識をしております。
 今、私の指示の下で、他県においてどのような生産者への説明方法が行われているのか、なぜ香取市、なぜこの特定の市場だけで残念ながらこういう事態になったのかを比較をしながら、二度とこういうことが起きないような方策をしっかりと関係省庁に要請をしていきたいと考えています。
 次に、お茶でございます。神奈川県、茨城県産のお茶-これは生葉ですね、から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されています。5月11日以降、神奈川県の6市町、茨城県の2市町で生産された生のお茶について、暫定規制値500ベクレルを超える放射性セシウムが検出されました。こうしたことを踏まえまして、今、神奈川県と茨城県では、関係市町や農協に対し、当分の間、今年度産の茶の出荷自粛の要請が県独自に行われています。自粛をされておりますので、現在市場には出回らないように県が指導を行っております。
 お茶も野菜と同様でありまして、やはり暫定規制値を超えるものを一時的に、お茶の場合は飲んだとしても身体に影響が出るものとは考えておりません。ただ、持続的にとり続ける、摂取し続けることが長期的に見て身体に影響が出る可能性があることから、国としては、この出荷制限というのは今考えさせていただいております。一義的にはリスク管理官庁であります農林水産省等において今検討が行われているんですが、お茶の場合は、例えばこれまでの葉物野菜と比べますと、葉物野菜は生でサラダ等で身体に取り入れますので、やはり国としてはすぐさま出荷制限という措置を講じておりましたが、お茶はそのままかじる、食べるものではなくて、やはりそれは、その後荒茶になって仕上げ茶になって、50倍以上希釈されて身体に入るものですから、考え方としてどこに基準軸を置くのかという、今農水省等で検討していると聞いています。消費者庁としては、消費者の不安を取り除くために、なるべく迅速に考え方を出していただきたいということは、要請をこれからもしていきたいと考えています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)テレビ東京の宇井です。よろしくお願いします。
 2次補正についてなんですが、昨日総理が編成作業は8月以降になるとの見通しを示されました。野党側は復旧予算がまだ足りないなどとして、今国会での提出を求めているんですが、この総理の示されたスケジュール感については、どのように今お考えでしょうか。
(答)補正に対する考え方なんですが、今まさに4兆円規模の第1次補正が施行されました。被災地においていろいろな事業が迅速に行われることにようやくなりました。今、様々な地域から使い勝手の良さであるとか、あるいはここが不足をしているとか、あるいは、実はあまりそこに需要がないというものも、もう少し時間がたてばリアルな声が上がってくると思っています。まさに第2次補正は、そうした現地での被災者の被災地の復旧・復興のための予算ですから、永田町だけで考えるのではなくて、現地から上がってきた声を踏まえて、じゃ、ここは本当に必要だったのか、あるいはここはもっと必要なのかというような各省庁の、正に予算の積み上げを行って、2次補正というのが結果として出来上がってくるものだと思いますので、どこかの時点で出口というのは作る必要はあるかと思いますが、現時点で出口を決めて作り上げることが本当に被災地のために必要な2次補正の内容になるのかどうなのかは、私はまだ拙速だと思っています。
(問)あと、東電のリストラ策についてなんですが、国会などでも清水社長は、退職金や企業年金に手をつけないという考えを再三示されています。国民に節電をお願いされる大臣の立場として、こういった東電の姿勢、十分だとお考えでしょうか。
(答)まだ不十分だと思っています。今回の節電の部分では、東電管内の皆様方には大変な御努力をいただいております。あるいは電気をつくる部分では、福島の地域の皆様方の御心痛も含めて大変大きなものがあります。その中において企業年金は、今後のいわゆる引退した方の生活、あるいは退職金も生活にかかわるという東電の社長の答弁を私も聞いておりましたが、もう少し、そのことを答弁をされる前に、今実際に我慢しておられる、御苦労されておられる方たちの声を真摯に聞くべきで、そのための行動を起こしていただきたいと、民間の企業ではございますが、私はそう思っています。
(問)すみません。時事通信の岡谷と申します。
 民主党内で、小沢一郎元代表に近い議員が菅総理を批判する文書への署名集めを進めていくことが分かりました。野党が提出を見込む内閣不信任案に同調するような動きにも見えますが、国民の目に、復旧・復興を急がなければいけない中で、どのようにこのような動きが映るとお考えになりますか。
(答)そうした動きが歓迎されるとは思いません、国民の皆様方から見て。ただ、私どもの内閣の今の復旧・復興に対する政治姿勢に対して様々な声があるのであれば、それも真摯に受けとめて、反省するところは率直に反省をし、すぐさま改善策を講じたいと思っております。それは同じ党内の仲間ですから、直接的な声を私たちに聞かせていただければいいと思っています。その上で、今、政府が、あるいは国会で全ての政治家が思いをはせなければならないのは、被災地の復旧・復興、あるいは日本の再生だと思っておりますので、そこは同じ思いで取り組んでいきたいと願っています。
(問)すみません、東京新聞の我那覇と申します。
 ちょっと細かな話で恐縮なんですけれども、先程の自殺者数の関連で、愛知が割と突出して増えているような感じで、それに対する分析というのは何かなされていますでしょうか。
(答)そうですね。確かにデータを見ると、愛知、福岡が突出しています。被災地においては微増、あるいは微減という形になっています。一体これはどういうことによるものなのか、やはり分析をしてみないと分からないので、より詳細なデータを頂いてから、中間でも分かったら報告していきたいと思っています。
(問)すみません。朝日新聞の稲垣です。
 ホウレンソウの出荷制限のことなんですけれども、先ほど生産者からの聞き取りで、市から詳しい説明がなされていなかったというようなお話が生産者の方からあったと。市のほうに何か対応のまずさがあったということなんでしょうか。
(答)市からは正式な、いわゆる紙で出荷制限についての協力要請は、まず実行組合長を通じてされていました。あるいは実行組合長を通じて生産者に対しても、ある種、その紙をつなぐ形で案内はされていましたが、やはり現地の生産者において、今作ったものを廃棄するということが精神的にも重いということに対して、紙だけで本当によかったんだろうか。ちゃんとそこは説明に伺って、質問に対して丁寧にお答えをするべきだったんではないのかなと私なんかは思いますが、他県がどのようにされているのか、そこはやはり比較してみないと分からないと思っていますので、もう少し調査を続けさせてください。
(問)共同通信の岡です。すみません。電力会社の発送電分離についてはどう思われますか。
(答)否定する考えではないと思っています。やはり新しいエネルギー政策というのを総理も掲げておられる。国民の皆様方にもそうした考え方というのは生まれてきていると思いますので。また、競争がない今の状況が望ましいとは誰も思っておらないと思いますので、そこには新たな電力供給の市場に参加していただける方たちが入りやすい仕組みというのは、当然政府としては考える選択肢の一つに入ると思っています。
(問)フジテレビの羽山です。大臣、すみません。東電に関連してなんですが、銀行の債権放棄を示唆するような発言は、この前枝野長官が発言されていましたが、それについてはどのようにお考えですか。
(答)長官の発言そのものを私は詳細に把握はしておりませんが、一義的には「民民」の関係ですから、まずは東電さんと金融機関とでよくお話し合いいただくものだと思います。
(問)日経新聞の黒沼です。大臣、送発電分離の件なんですけれども、これは行政刷新会議、規制改革の絡みで、電気事業法の改正というのは議論のそ上には上がってくるのでしょうか。
(答)否定はしません。
(問)議論も……。
(答)資すると私個人は思っています。

(以上)