荒井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年9月10日

(平成22年9月10日(金) 15:02~15:16  於:合同庁舎第4号館6階642号室)

1.発言要旨

 先ほど月例経済報告等に関する関係閣僚会議が開催されましたので、その概要を御報告いたします。
 景気の基調判断につきましては、「引き続き持ち直してきており、自律的回復に向けた動きも見られるが、このところ環境の厳しさは増している。また、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」と表現を変更いたしております。
 これは、企業収益の改善が続き、設備投資が持ち直すなど、内需面での前向きな動きが出てきている一方で、アジア経済の減速を反映して、このところ輸出の増勢が鈍化していること、海外景気の下振れ懸念や為替レート・株価の変動等から、景気が下押しされるリスクが強まっていることなど、我が国経済を取り巻く環境はむしろ厳しさが増している点を踏まえ、基調判断を据え置くとしたものであります。つまり、いい面と、それから下振れリスクと言われる現象と両方出てきているということで、本来は基調としては私は上向いているんだろうと思うんですけれども、そういう点で据え置いたものであります。
 先行きにつきまして、前向きな動きが続いて、景気が自律的な回復へ向かうことを期待していますが、デフレの影響や雇用情勢の悪化懸念が依然残っている中で、海外経済や円高等による景気下押しリスクが強まっていることから、慎重に見ていく必要があると考えております。
 政府といたしましては、「新成長戦略」に基づき、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるとともに、デフレを終結させるよう政策運営を行ってまいります。このところの景気の下振れリスクに機動的に対応するため、本日、午前中に記者発表させていただきましたけれども、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」を決定いたしました。政府は、デフレからの脱却を喫緊の課題と位置づけ、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な政策努力を行います。
 先ほど月例経済報告等に関する関係閣僚会議で日銀の総裁からも御発言いただきましたし、また関係閣僚の中では経産省の直嶋大臣からの御発言もいただきました。結果的には、政府と日銀とが一体となって、この円高リスクを克服していくということに尽きるのだろうというふうに思います。それに加えて、ヨーロッパやアメリカの通貨当局の関係者や、あるいは経済政策関係者との相互の情報交換といいますか、そういうものがますます重要になってきているんだろうという、そういう感想を持ちました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)「環境の厳しさは増している」ということですけれども、特に年度後半にかけて世界経済の減速などが、円高も含めて、日本の景気が下振れしたり、あるいは悪くなっているという可能性についてはどういうふうにお考えになりますか。
(答)景気が自律的回復にはまだ至っていないという現状では、さまざまなリスク要因に対して脆弱な面が残っており、為替レートや海外経済の動向とその影響いかんによっては、踊り場入りを含め、景気が下振れる可能性があるというふうに、そこは認識をしております。特にこのところ輸出の増勢に鈍化が見られることに加えて、今後環境対応車、エコカーの購入補助の終了の影響が懸念されることもあり、リスク要因については注視が必要だというふうには思います。
 しかし一方、設備投資ですとか、企業収益の改善が依然として続いております。そういう状況にありますから、自律的な回復に向けた動きというものもまた存在しているというふうに思ってございます。
 それから、アメリカ経済の話が出ました。アメリカ政府は最近下振れに予想を変更したようですけれども、むしろ私たちの予測のほうが厳しいという、アメリカの経済をそんなに楽観視できないという見方をずっとしておりまして、アメリカ側のほうがむしろこの間ずっと楽観視していたのではないかと。私たちのほうが的確な予測をしていたのでないかと。それに基づく経済対策なり、対策を打ってきたつもりでございますので、そこのところはアメリカ経済の直接的な、下振れに変更したことによる、私たちの経済対策が変更するということは考えておりません。
(問)基調判断は維持、据え置きということなんですが、表現を見ると「自律的回復の基盤が整いつつある」という表現が若干弱まっているような気もしますし、それから若干最近表現が複雑かつ長いというか、横に縦に比較できるようにもうちょっとモデレートな改定にしていただきたいなというように。
(答)指摘は受け止めます。さっき言いましたように、自律的な回復傾向が、強まる指標も出ているし、それから円高等による下振れリスクをサジェスチョンするような指標も出ているということで、その両方を書き込むとこうなってしまうということで、そのあたりもう少しすっきりするように。
(問)特にアジア向けの輸出をちょっと懸念しているということだったんですけれども、確かにアジアの成長はちょっと弱まってはいるんですが、まだ高いプラスが続いている中で、日本発の輸出がここまで減速しているのかというのは、どういうふうに見ていますか。
(答)それはやっぱり為替じゃないですか、為替が大きなブレーキをかけているんだろうというふうに思います。ただ、アジアの景気状況というのは、アメリカやヨーロッパから比べればやはりかなり高いですよね。そういうところに支えられた日本経済という側面は依然としてあるというふうに思います。
(問)先ほど大臣のほうから円高リスクを克服していくために、ヨーロッパやアメリカの通貨当局との情報交換もますます重要になるというお話でしたが、これは会議の中でどなたからそういう発言があったんでしょうか、それとも大臣がそういう方針を示されたんでしょうか。
(答)どなたかということではなくて、為替の変動で私たちの国の景気、経済が大きく変化していくわけですよね。ところが、ヨーロッパやアメリカではその変動リスクが日本より大きくないという、そういうことを踏まえて、各国の為替当局との連携というのは、G20とかG8とかで議論するべきではないかという、そういうもっともな意見が出たということを踏まえて、通貨や、あるいは経済政策そのものも、今回たまたまアメリカと私たちの国の経済政策とがほぼ同一になりました。これはある意味では、経済政策のあうんの呼吸が日米双方であったというふうに私は理解をしていますけれども、そういう形がこれからも必要になってくる、あるいはそういうものがあれば世界全体の景気回復に向けた大きな好循環をつくることができるのではないか、そういう意味です。
(問)経済対策と景気認識の関係についてちょっと伺いたいんですが、今回の景気認識を受けて、踊り場入りを防ぐために今回の経済対策をあげていると思うんですが、その関係を教えていただきたいということと、もう一つは今後補正等の検討について、総理が補正は検討したほうがいいと言っていますが、大臣の見解、またその規模感とかコメントがあれば。
(答)この種の景気対策というか経済対策は、大体遅れがちになるものなんですよね。1つの現象が出てきて、それに対応するために補正予算ですと2カ月ぐらいはかかってしまいますし、各省庁調整とかそういうことだけではなくて、与党との調整とか、あるいは国会での議論とかということがありますと、2カ月、3カ月というのは今まではかかってしまうのが通例でありました。今回は、とにかくそういう下振れリスクに対して未然に手を打っていこうと、スピーディーさを強調したつもりであります。この予備費9,200億円は国会の議決を経ないで使える、そういう予備費であります。もともとそういうことのためにここの予算の中に組み込まれているものでありますから、そういう下振れリスクを先取りして未然に手を打っていくという、スピーディーさというのを意識した対策であります。もちろん、この後、景気状況あるいは自律的な回復にまだまだ弱さが残っていると、あるいは雇用がなかなか回復しないというようなことがあれば補正予算。補正予算は国会の議決を必要としますので、今度のようなスピードはなかなかできないんですけれども、準備はしていこうということで、この3段構えの経済政策という、そういう構想にしているわけであります。
(問)基調判断についての御認識を再度ちょっと確認させていただきたいんですが、「環境の厳しさは増している」という表現になっておりまして、やはり基調判断に「厳しさ」ということが入るのは、それなりに重いことではないかと思っておるんですが、先ほどの大臣のお話では、設備投資などの上向きの動きもあれば、景気の海外経済の減速などで下向きの動きもあるということを踏まえた表現ということでしたが、やはりベクトルとしてはやや下向きなのではないかなと思うんですけれども、「環境の厳しさは増している」という表現が入ったと。その辺、再度ちょっと御説明いただけますか。
(答)条件というか、状況ということを「環境の厳しさ」というふうに言ったのであって、私の意識ではニュートラルなんですよ。つまりプラス面もあれば、マイナス面もある。そのマイナス面は「環境の厳しさ」ということで言ったつもりなんです。ただ、それの表現を、厳しいものもあるし、いいものもあるという、そういうことをこの表現の中で書き込んだつもりでいます。

(以上)

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