荒井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年9月3日

(平成22年9月3日(金) 10:32~10:45  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 どうもお待たせしました。
 本日の閣議では、消費者庁の関係で1件、総務大臣から食品表示に関する勧告がございました。具体的には、食品表示に関する監視業務の適正化や一般消費者等から提供された情報の迅速かつ適切な処理が求められております。今回の勧告を真摯に受けとめ、私からは事務方に対し必要な処置を講じていくよう指示をいたしました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)まず、消費者庁、2年目に入ったわけなんですけれども、市民団体の全国消費者行政ウォッチねっとが消費者庁のこの1年間の業績を評価しまして、コミュニケーション度、それと消費者度、消費者目線がどうか、この辺はかなりできていると。5点満点で4点がついたんですが、残念ながら、パフォーマンス度、与えられた課題についての処理、スピード、ボリューム、この辺が問題あり、できていないという2点でした。このパフォーマンス度が低かったと思われる点と、今後の対処策、その辺あたりのお考えをお聞かせください。
(答)それは私もちょっと感じていますよね。そのあたりは私自身も感じておりますけれども、その最大の原因は、消費者庁が200人という、本当に消費者行政全体を運営していくのには200人の組織というのは余りにも小さ過ぎる。そこから活動開始せざるを得なかったというところに大変最初の重荷を背負ったままスタートしたんだろうと。ですから、これを消費者庁の責任に帰すというのは少し私は酷かなというふうに思っております。
 今回、そういう点を大いに反省というか、大いに省みまして、今度の概算要求、組織要求では、全体として公務員の人件費を抑制する中で大幅な要求をしたつもりであります。それで十分かと言えば、それでも私は大変厳しい陣容で仕事をせざるを得ないという状況だというふうに思っております。
 もう一つは、地方との連携というものが少しちょっと不足していたのかなという感じは持っております。東京だけで行政を進めるのではなくて、地方自治体でありますとか、あるいは地方のさまざまなNPO、あるいは研究所がありますので、そういうところとの連携をどういうふうに今後深めていくのかということは大きな課題だというふうに思ってございまして、これは盛んに私は事務方にそういう話をしておりますし、福嶋消費者庁長官にもそういうことは伝えてございます。
(問)それともう一点、先月27日に消費者委員会が自動車のリコール制度に関する建議を行いました。消費者庁に対しても建議がありまして、具体的には、国交省と連携して、国交省の事故情報が速やかに共有され、データバンクに反映するようにということと、それから、データバンクが事故情報の公表が不十分なのでその運用の改善を図ると、この2点なんですが、この建議の受けとめと改善に向けた取り組みについて教えてください。
(答)今御指摘のように、8月27日の消費者委員会による建議においては、事故情報データバンクについて、事故の未然防止、拡大防止に資するため、できるだけ多くの情報がユーザーに提供されるように運用の改善を図る必要があると指摘をされたところでございます。具体的な建議としては、国土交通省が保有する自動車の事故でありますとか不具合の情報が反映されるというようにというようなこと、十分な事故情報の公表がなされていないのではないかというような点でございます。
 この建議を踏まえて、早急に具体的な改善策を検討するように私から事務方に先般指示をしたところでございます。
(問)先ほどお話のあった、閣議で総務省から食品表示に対する勧告があったということなんですが、具体的にどのような点が問題でそういう勧告があったのか教えていただけますか。
(答)今回の総務省の調査、勧告は、表示の偽装や賞味期限の改ざんなど、食品表示に対する信頼を揺るがす事件が頻発したことを受けて、食品表示監視業務の適正化や食品表示に対する国民の信頼回復の観点から実施されたものと認識をしております。食品表示は、消費者が商品を選択する上で基本となるものであり、私としても勧告を真摯に受けとめ、事務方に対して必要な処置を講じていくよう指示したところでございます。
 具体的な内容としては、景品表示法に基づく処置件数について、食品表示に関する件数の内容を把握、整理し、分析、公表すべきだと。それから、食品衛生法に基づき都道府県が実施する表示監視業務が適切に実施されるべき、一般消費者等から提供を受けた情報を迅速処理すべきといったような指摘がされてございます。勧告先の省庁としては、消費者庁とそれから農水省に対して指摘がされたところでございます。
(問)それに関連して、大臣は今そういう状況になっている理由がどこにあると考えられていますか。
(答)一つは、農水省との連携ということにひとつ課題があるのかもしれないなというふうに思っていますね。特に、実質この業務をやっているのが農水省の出先機関、地方農政局でありますから、消費者庁は実質的に国の出先機関、消費者庁の出先機関は持っておりませんから、そこでやはり連携が十分にいかないといったようなことがあるのかもしれませんし、そのあたりはもう少し実際にやっていかないといけないんだろうなと。もちろん、消費者庁は地方農政局に対する指示という機能はないんですけれども、そこはやはり他省庁という遠慮とか、そういうものもあるんだろうなというふうに思いますね。
(問)その表示の話なんですけれども、私、農水省を担当していたんですけれども、JAS法違反案件の摘発というのは農水省がやっていたときのほうがよっぽど多くて華々しくやっていたんですけれども、これが消費者庁に権限分譲というか、委譲というか、されてからほとんど類例を見なくなってきたんですよ。この辺は組織上の問題というのはありませんでしょうか。
(答)そういう点も含めて少し議論、検討してみたいと思います。そうですか。農水省がJASをやっていたときに案件で挙がったのはたくさんあった?
(問)かなり華々しくやっていましたね。

菅総理が、成長戦略はもちろんですけれども、この代表選でも雇用を非常に重視する姿勢を見せていらっしゃいますけれども、雇用にこだわる理由、これは何かずっと長い政治生活の中でのバックグラウンドがあったのか、こだわりの理由を、ずっと長い間のおつき合いをされている大臣から見てどうごらんになっているかお伺いします。
(答)私が雇用にずっとこだわってきました。新成長戦略をつくるときにも、中心命題というのは雇用だというのは私は随分強く主張してきましたけれども、実際は新成長戦略では、雇用だけではなくていろいろな成長分野の環境だとか、あるいは健康だとかということを、中心の成長する分野もしっかり書き込んでいくということであれは貫かれているんですけれども、しかし、あの新成長戦略の中の骨格部分というのは私は雇用だというふうに思ってございます。また、菅総理の経済的なバックボーンになっている小野善康さんという方の経済政策がやはり雇用というところにコンセントレートしておりますので、そういうものが総理に影響を与えていったんだろうというふうに思っております。
(問)民主党の代表選の政策論争についてちょっと御感想をお伺いしたいんですけれども、小沢さんのほうから財源について、例えば無利子国債ですとか、あるいは一括交付金にすれば半分でもやっていけるんだというような趣旨で、財源は何ぼでもあるというのが小沢さんの御主張だと思うんですけれども、そういった財源論についてはちょっと政府内では懐疑的な声が結構聞こえるんですけれども、大臣はそのあたりはどういうふうに受けとめていらっしゃいましょうか。
(答)財源論は1年間政府が予算編成、去年の予算編成、それから今概算要求から予算編成作業に移っておりますけれども、やはり無尽蔵に財源が出てくるわけでは決してないというのが予算編成に携っている、あるいは経済財政担当を担っている私の率直な感想であります。無駄を省いてどれだけ財源が出てくるのかということについてもやはり限界があるのではないかというふうに思います。無駄を省くということは必要不可欠な点でありますけれども、すべて必要なものが無駄を省くということだけで出てくるのかということに関しては、去年の例から見るとなかなかきついな、厳しいなというふうに思っております。

(以上)