玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月10日

(平成22年12月10日(金) 11:28~11:43  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は閣議前後にたくさんの会議がございました。まず、官房長官、財務大臣、厚生労働大臣と社会保障の問題についてフリートーキングをさせていただきました。その後パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合がございました。報道にも一部ございましたけれども、JBICとJICAの問題について、民主党の成長戦略プロジェクトチームの提言がまとまっておりますので、そちらについて報告をさせていただいたということでございます。
 さらにその後、安全保障会議がございました。これはもう言うまでもないことですが、防衛計画の大綱の見直しについてでございます。
 閣議については特に報告するようなことはなかったように思います。
 その後、総合科学技術会議がございましたが、これも特に報告するようなことはなかったように思います。ただ、一言、私のほうから、科学技術の重要性は十二分過ぎるほど認識をしているが、本格的に予算を大幅に増やすということについて、この問題だけではありませんけれども、やはり税制の抜本改革なしにはなかなかできにくいので、そういったことも含めて、科学に造詣の深い先生方にもそういうことも併せて、様々な場所でおっしゃっていただきたいということをあえて申し上げました。
 安全保障会議でも、民主党の提言がまとまったということを申し上げた次第でございます。特に6つのテーマについて絞って提言をさせていただいているということを申し上げさせていただいたところでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今日午後に政府・与党の社会保障改革検討本部がセットされていますが、現下の厳しい国会情勢の中、改めてこの分野の与野党協議をどう進めていくお考えか、大臣というより政調会長としてのお考えをお尋ねします。
(答)先般、税と社会保障の抜本改革調査会のほうで、社会保障と税の議論についての中間整理がなされたところでございます。本日、恐らく藤井会長からそういった報告もあるのではないかと思います。また同時に、有識者の方々に検討していただいておりますので、それらの報告も併せてあると事前に聞いているところでございます。
 そういったことを併せて検討し、やはり政府・与党として、一体となった一定の考え方をお示しする必要があると思います。その上で、先ほども税の抜本改革の議論の話をさせていただきましたけれども、やはり政局抜きで与野党協議をしていかないと、日本の将来が危うくなると私自身は考えておりますので、まず私たちの責任として私たちの一定の考え方をお示しし、その上で野党に呼びかけをしたいと考えております。
(問)昨日の税調の会合で、大臣はデフレ脱却と格差是正というメッセージを税と予算について併せて見ていくとおっしゃっていましたけれども、現時点ではかなり財源探しにいろいろ苦慮されているように見えますが、そういった税や予算編成をできる自信がおありかどうかをお聞かせください。
(答)昨日申し上げたことをより正確に申し上げると、税制についてはデフレ脱却と格差是正、更に予算においてデフレ脱却と「国民の生活が第一」ということです。より具体的に申し上げれば、成長と雇用でそれがデフレ脱却。そして「国民の生活が第一」については、子ども手当の一部上積み、高校の授業料の無償化の継続、そして求職者支援制度の創設。これは、失業給付が切れた方々に対して職業訓練をするという前提の下で生活支援をする。さらには、これまで光がなかなか当てられてこなかった、そういった方々に対して配慮していく。例えば、補正予算でも「住民に光を注ぐ交付金」というのがございました。これはかなり浸透すれば理解していただける交付金だと思います。つまりはDVとか、あるいは消費者であるとか、児童虐待であるとか、そういった問題になかなか光が注がれないようなところがこれまでありましたが、きめ細かな対応をしていく。あるいは、民主党の提言にありますけれども、離島ですね、そういったところに対して配慮をしていく。それは1つの民主党らしさではないか。そういったデフレ脱却と格差是正、デフレ脱却と「国民の生活が第一」、これをやはり税と予算一体で見ていくことが必要なのではないかと思っております。
 国債発行については約44兆円を上回らないようにするということを考えておりますし、歳出の大枠は71兆円、こういった一定の財政のルールを守りながら、今、申し上げたような税制、そして予算に仕上げていかなければいけないと思っていますし、それは必ずできると考えております。
(問)小沢議員の政治倫理審査会の問題なんですけれども、役員会で議決をして小沢議員に出席を求めるという方向で執行部は動いていて、それに対して小沢グループは非常に反発しているのですけれども、議決をしてまで政治倫理審査会に出席を求めるべきかどうかというのは、役員会のメンバーの一人としてどのように考えていますか。
(答)いつも申し上げていますけれども、私自身は今は予算と税制に集中をしたいと考えております。以上です。
(問)場合によっては党が分裂する危険性もあるのですけれども。
(答)いずれにしても、私自身は予算と税に集中しなければならない立場にあると認識をしております。
(問)それに関連しまして、執行部の一人でもあるわけで、岡田幹事長のやられていることに一任というか、同意をされているということでよろしいんでしょうか。
(答)いつも申し上げていますけれども、私自身は岡田幹事長を常に信頼をしているということだけは申し上げたいと思います。
(問)税制の話ですけれども、法人税の減税をどこまでやるかというところが一つの焦点になっていますが、この点に関して大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これについては、今、菅総理から調整を委ねられておりますので、調整役である私が結論じみたことを申し上げると、調整役を担えないという側面があろうかと思いますので、その点は御想像にお任せをしたいと思います。
(問)大連立の話が最近かまびすしいのですけれども、賛否を含めて見解をお聞かせください。
(答)大連立やら、あるいはその他様々な打開策を含めて、政権安定のために、あるいは国民の皆様にとって強い政策遂行能力を持つ政権をつくるための局面の打開はいずれにしても考えていかないといけないのではないかと考えております。
(問)小沢議員の件ですが、かねがね大臣は岡田幹事長に対応を任せているというようなことをおっしゃられていましたけれども、今回の件に関しても同じようなことでよろしいでしょうか。
(答)「任せている」というのは大変僭越でございまして、私としてはいつも岡田幹事長を信頼しているということでございます。
(問)今日は「今年の漢字」が発表されるんですけれども、大臣のお考えになる「今年の漢字」は何でしょうか。
(答)私にとっては、起動させるの「起」ですかね。6月7日に政調会長に指名をされ、その次の日に閣僚に指名をされたのですけれども、まずは政策調査会を起こす、しかも政府・与党一元化の下で政策調査会を起こすということに、2、3カ月かなり集中をした面がございます。その後の内閣改造で、国家戦略担当大臣を拝命いたしましたが、国家戦略室のあり方については様々な議論があって、途中、菅総理から「シンクタンク機能に特化する」とかいった発言もある中で、本来の国家戦略室のあり方について改めて模索をし、それを起動させる、起こすということで、この間やってきたつもりでございますので、自分にとってはそういう意味では「起」です。
 また、これから本当に私たちには、豊かさを次世代あるいはその次の世代に引き継ぐために、やらなければならない課題が山積をしています。これは国民の皆さんもすべて感じておられると思います。もどかしさを国民の皆さんは感じておられるでしょう。何とかこの日本の閉塞感、少子高齢化社会、現役世代の減少の問題をアジアに先駆けて克服し、あるいは環境の問題を世界に先駆けて克服してみせるといったことについて、起承転結の「起」ではありませんが、静かにではありますけれども、一括交付金にしろ何にしろ、少しずつ起こし始めていると思っています。この間、経済連携も半歩前進していると、あるいは一括交付金についても書いていただいた報道がありましたけれども、静かにではありますけれども、政局の影に隠れて確実にそういった議論が進み、あるいは現実に一歩一歩起き始めていると私自身は思っています。
 農業についても、先日の副大臣会合の様子などを聞きますと、大変な議論になっています。今までの議論とは全く違っています。高いレベルの経済連携をするという決意で国家戦略室の下で基本方針をつくり上げて、その結果、農業についても、今、筒井農林水産副大臣が「米を輸出する」と言っていますが、ああいうことを含めて起き始めています。ですから、どうしても政局の影に隠れるもどかしさはありますけれども、そういったことに対して起こしているという意味で「起きる」という字を、起動するの「起」を申し上げたいと思います。

(以上)