枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月30日

(平成22年4月30日(金) 9:22~9:39  於:第4合同庁舎642会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず、今日の閣議後の閣僚懇で、私の方から規制改革について発言をいたしました。行政刷新会議の下の規制・制度改革の分科会では、今日までワーキンググループで検討を続けてまいりましたが、本日、分科会を開催して、各ワーキンググループにおける検討結果を踏まえた対処方針を決定後、各府省庁へその検討をお願いすることといたしておりまして、これに対する各閣僚の御協力を閣僚懇で御要請申し上げました。
 各府省庁との調整後に改めて分科会を開き、その結果を行政刷新会議に報告して、最終的には政府としての対処方針として決定してまいりたいというふうに考えております。
 それから、閣議以外の話でございますが、独立行政法人役員の公募に関しても一言申し上げます。
 去る4月19日から独立行政法人の役員の公募を開始した旨、御案内したところでございますが、一昨日28日正午現在、3法人6ポストの公募に対して、3法人4ポストに7名の公募があったところでございます。この7名の応募者のうち、公務員OBは1名でございます。
 できるだけ幅広い分野の多くの方に応募していただきたいと考えておりますが、3回目となり定着しつつありますが、民間企業などの勤務経験を活かし、独法改革に内部から取り組んでいく意欲のある方には、ぜひ締切りの5月10日までふるって御応募いただきたいと、マスコミの皆さんにもぜひ周知と御協力を賜りたいと考えておるところでございます。
 それから、構造改革特区臨時受付の現在の検討状況について、中間的に御報告を申し上げます。
 昨年12月8日に閣議決定した「明日の安心と成長のための緊急経済対策」の一環として、新たな特区提案の臨時受付を本年3月末まで行ってまいりました。2月26日には私から全国自治体の首長に対して、私の名前の手紙で積極的提案を直接お呼びかけもいたしたところでございます。3月末までに167件の御提案をいただきました。
 近年、この特区に対する提案数が減少傾向にある中では、一定の積極的な御提案をいただけたものと考えております。直ちに、いただいている提案については関係省庁との折衝を開始しておりまして、各省には政治主導での迅速な処理をお願いしているところでございます。
 年度初めの多忙な中でございますが、各省政務にもよく対応していただいて、既に全提案について1次回答をちょうだいしております。本日中にネット上でこれらは全て公開いたします。これまでは、各省からの回答を踏まえてやりとりを重ね、すべての案件の結論が出たところで発表しておりましたが、今回はできるものがあれば順次発表していきたいということでございまして、本日、中間発表をさせていただくところでございます。
 中間的な発表として、本日ネットで発表いたしますものは、各省との折衝を踏まえたものでございますが、最終決定は構造改革特区推進本部、これは総理以下、全閣僚がメンバーとなっておりますが、その本部で決定をいたしますので、本日現在では地域活性化統合事務局の方針として中間発表したということで御理解をいただければというふうに思います。
 具体的には、新たな特区を創造する方向での検討を進めていただけるものが2件、特区で御提案をいただきましたが、特区ではなく全国的な規制改革として進める方向になっておりますものが11件、それから、特区にするか全国的な対応にするかということについても含めて、前向きな検討を始めているものが7件でございます。
 また、さらに、検討の結果、現行規制の枠内でも実行が可能であると考えるものが34件となっております。これらについては、提案をしてきた皆さんに丁寧にお返ししていきたいというふうに思っているところでございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)最初に発表のあった規制制度改革が今日、ワーキンググループで対処方針をとりまとめということで、これまでの方針どおり、政府としての決定を6月中にその対処方針を決定する、そういう運びで変わりはないでしょうか。
(答)基本的にはそうです。
(問)小沢幹事長の問題についてなんですが、参議院選挙の影響について、前原大臣がワシントンで参院選の影響があると述べた上で、小沢氏の自発的辞任の期待を示したということがあるのですが、現状、枝野さんのお考えで、参院選の影響というのはどの程度あるとお考えでしょうか。
(答)影響がないわけはないというのは間違いないというふうに思います。どの程度の影響になるのかということは詳細な分析をしておりませんし、分析ができる立場でもございませんので、それ以上は申し上げにくいのですけれども、影響があるのは、それは間違いないと思います。
(問)幹事長の出処進退についてはどうお考えでしょうか。
(答)幹事長の一番の役割は、やっぱり選挙に勝つということだというふうに思いますので、そのことを踏まえていろいろお考えになっていると思います。
(問)選挙に勝つ、幹事長にとどまることが選挙にマイナスになるということが、今世論調査でも相当見えてきているわけですが、それを踏まえてどういうふうにお考えでしょうか。
(答)一義的には、まず幹事長御自身が自らの政治家としての責任に基づいて御判断をされることだというふうに思います。
(問)枝野さん、27日の会見で小沢幹事長が検察審査会に起訴相当と判断されたことを受けて、数日のうちにいろいろな動きがあろうという御発言をされたと思うんですが、今日既に何日かたったわけですけれども、今日の時点で既にいろいろな動きが出てきたのか、それともこれからまた新たに出てくると思われているのかということをお伺いしたいんですが。
(答)特に検察内部がどう動いていらっしゃるのかというのは、動いていても外にはおっしゃらないでしょうし、そういった意味では外から見えているかどうかはわかりませんが、当然、検察審査会の結論に対しては、検察庁はいろいろな動きをされていることだろうと想像しています。
(問)党内でそれを受けた動きという面ではどうでしょうか。
(答)これもいろいろな方がいろいろなことを考えておられるのではないかというふうに思います。
(問)その関連なんですけれども、枝野さん、これまで地方で講演されたり、地方の党員の方と接する機会があったと思うんですが、昨日も静岡県でかなり党員、地方政治家から厳しい意見が出ていたと思うんですが、その一つとして枝野さんたち、小沢さんと距離を置く人たちに対してですね。
(答)距離を置くと「言われている」人たち。
(問)言われている人たちに、党内の自浄能力を働かせてほしいという期待感の表れだと思うんですが、期待感なので、それが今されていないということへの厳しい意見だったと思うんですけれども、それについて、そういう党内の期待について、枝野さん、どういうふうに対応していかれるおつもりでしょうか。
(答)まず、我が党が、民主党がどういう行動をとっていくのかということについては、党所属の国会議員、それから党の役員の立場を持っている者、それから民主党に所属して政府に入っている者、それから地方で活動していただいている皆さん、それぞれがそれぞれの立場立場に応じて、民主党が党としての役割、国民からの期待にどう応えられるかということを、それぞれがそれぞれに最大限の努力をするということだというふうに思っています。
 私は、今、鳩山内閣の特に国民の期待の大きい行政刷新という役割を担わせていただいている中で、まずはその役割を最大限果たしていくということだというふうに思っておりまして、それぞれがそれぞれの役割の中でどう期待に応えていくのかということを最大限努力するということだと思います。
(問)そうすると、大臣という立場である以上は、小沢幹事長に対して入閣前のように進退についてより積極的に退陣を求めていくというようなことは余りされないというお考えでしょうか。
(答)私自身、大臣であろうとなかろうと、私自身のものの考えとそれに基づく行動は変わりません。変わっていないつもりでありますが、それぞれの発言をするべき場所、それから政治家としての行動をとるべき場所はいろいろ変わります。
 私は、現時点でまずは事業仕分けという国民の皆さんからも一定の御期待をいただいている大事な仕事をまず最優先でやってきておりますし、今日申し上げた規制改革の話やこの後、事業仕分けの後半もございますが、そのことをまずしっかりとこなした上で、自分の直接の責任者として務めている所管以外のことについても、政治家として行動できる範囲では行動するということでございます。特に今日の時点では、この半月ぐらいは事業仕分けに全力投球してまいりましたので、この間のそれ以外の政治の動きについては十分に状況の把握もできておりませんので、今の段階で何か申し上げるということはできないというふうに思っております。
(問)すみません、話は変わるんですけれども、時節柄、改めてお伺いしたいんですが、5月3日をそろそろ迎えるということなんですけれども、憲法改正について、改めて憲法改正すべきかどうか、大臣の考えをお聞かせください。
(答)まず、すべきかどうかという質問自体がこの国の憲法議論を混乱させてきたと私は一貫して申し上げております。変えるか、変えないかで二元論で議論をすべき話ではなくて、どの部分についてどういう中身でどう変えるのかという提案があったときに初めて、それに対して賛成とか反対とかということが出てくるので、変えるか変えないかということで聞かれても、賛成とも反対とも言いようがないというのが一つ。
 それからもう一つは、憲法典、憲法というのは公権力行使を主権者が制約するための法でありますから、その憲法によって規制を受ける最も中心たる主体が内閣だというふうに思っていますので、内閣の一員としては、現在の憲法の規制に基づいて役割を果たしていくということがまず第一であって、その我々を、内閣を縛っている憲法そのものがどうあるべきかというのは、国権の最高機関である国会や、あるいはそもそも憲法制定権力である国民の皆さんが一義的に議論し、判断し、行動されることだというふうに思っています。
(問)その憲法の改正の関係では、憲法審査会がまだ始まっていないと思うんですけれども、これについては違法なんじゃないかという指摘もあると思うんですけれども、それについては大臣のお考えはありますか。
(答)動いているかいないかということについては、一義的には国会、特に議院運営委員会で議論し、御判断いただくことだというふうに思っています。法令解釈担当の大臣の立場から言うと、一義的に違法で問題があるということになるという状況ではないというふうに思っています。
(問)集団的自衛権、憲法の議論については、そういう議論が出てくる部分もあると思うんですけれども、集団的自衛権について大臣のお考えがあれば。
(答)集団的自衛権についての概念の理解が共有されていないということが大変深刻な問題だというふうに思っています。一般に集団的自衛権の問題として議論をされているテーマの大部分は、というかほとんどは、集団的自衛権の話とは全く関係のない議論であるにもかかわらず、議論が整理されていないのが大変深刻な問題だと思っております。
(問)関連しまして、憲法の話題なんですけれども、国民の代表の政治家のお一人として、憲法について国民の立場から見て変えなければいけない点とか、そういうものというのは何かあるというふうに感じていらっしゃいますか。
(答)これは、法は全てそうですけれども、どこかよりよくしようと思えば、どんな法律だって常に、365日常に変え続けなければいけない。そういう意味では、こうすれば今よりもよくなるんじゃないのという部分は、これは憲法であれどんな法であれあると。そういう意味で、そういった部分があることは全く否定はしない。
 ただ、そのことと、現在の法によって社会や国民生活に大きな影響、マイナスの影響を与えているかということであれば、私は必ずしもそれは与えてないというふうに思っております。
(問)小沢さんのことに関連することで、ちょっとずれるかもしれないんですけれども、検察審査会の見直し議連というようなものが民主党内で設置されるような動きが出ていますけれども、こうした小沢さんの検察捜査に関した動きにあわせて場当たり的にこういう対応が党内から出てくることに関してはどのようにお考えですか。
(答)私は大変大きな誤解を世の中に与えるということで、そうしたことの配慮は十分にしていただかないといけないのではないかと。裁判員制度に代表される司法全体の民主化というのは、民主党も一致して推し進めてきた話であり、その一環として検察審査会の、つまり市民から抽選で選ばれた方による判断をより重視するという制度に、我々自身も、民主党自身も加わって推し進めてきたということでありますので、その我々の従来の一貫してきている流れとの整合性をきちっと御説明されないと、場当たり的という批判を受けるのではないかと思いますので、そこは慎重な行動と発信が必要ではないかと思っています。

(以上)