枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月16日

(平成22年4月16日(金) 8:48~9:05  於:第4合同庁舎642会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私の方から、既に張り出し等で出しておりますが、18日日曜日と19日の月曜日に、部分的には仙谷国家戦略担当大臣と連携いたしまして、医療・介護施設の現地調査を行います。ハトミミ「国民の声」「職員の声」にも関連する意見が寄せられておりまして、仙谷大臣は新成長戦略、そして新しい公共の観点から、私は規制改革と構造改革特区の観点から、利用者の目線に立った改善に向けた検討の参考とするため、現地の調査を行うことといたしました。
 主に、18日の岩手県遠野市においては、遠隔医療による医療の質の向上、利便性の向上という観点から、それから19日においては、介護についての規制改革といいますか、効率的によりよいサービスをするという観点から現地を、現場を見たいというふうに思っているところでございます。
 それから、事業仕分けに向けて、既にオープン、それからクローズ両面で現地調査を始めていただいておりますが、今日の午後、国民生活センター-相模原にございますが-にお伺いする予定にしております。
 国会の様子を見て何時ぐらいに出られるかということになりますが、今日の午後、私自身も現地まで行って見てきたいと。去年の今ごろは野党の立場で消費者庁設置法の議論をしておりまして、私の専門分野の一つではあるのですが、実は国民生活センターの相模原の商品テストのセンター、行って見てきたことがありませんので、こういったものはやっぱり現場、実態を見た上で議論をした方がいいかなというふうに思っているところでございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日の視察なんですけれども、消費者センター、どのような問題意識で行かれるんでしょうか。
(答)いわゆる商品テストのような業務を公的に行うということについては、もうこれはほとんど異論のない、議論の余地もない話だというふうに思うんですが、もっと強化できないのかという声はいろいろとあります。どういうやり方をすれば、この商品テストがより安いコストで、より大きな成果を上げることができるのかと、その前提として現状がどういう体制で、どんな感じで進めているのかと。
 それから、もう一つは、相模原は研修宿泊施設という、いつものパターンを持っておりまして、これも地方の消費生活センターの相談員の皆さんの研修が重要であるということは重々承知をしておりますし、昨年の消費者庁設置法の審議でも、与野党を超えて共有されている認識だと思いますが、そのためのシステムや施設としてどれぐらい活かされているのかというような視点で見ていきたいというふうに思っています。
(問)先日のオープンミーティングで仕分け、実際1時間ですけれども、それに向けて3倍ぐらいの時間を既に要しているというお話があったんですが、実際、来週から始まる仕分けでは、3倍かけた、ヒアリングのときの話を踏まえた展開になるのか、それともヒアリングで出てこなかった質問を新たにするのか、その点の内容をちょっと教えていただきたいんですが。
(答)間違いなく広い意味では、事前の調査、ヒアリングを踏まえた質疑になるというのは、これは間違いありません。では、具体的に事前のヒアリングのところで聞いたことのある質問だけが出てくるのかと言われれば、それはケース・バイ・ケースであるというふうに思います。
 例えば、事前のヒアリングをしながら資料要求もしておりますので、ようやく本番で資料が出てきたということになれば、それを踏まえた質疑になるということになるでしょうし、あるいは事前のヒアリングで十分な回答が得られなかったということについては、こちらの問題意識は相手も分かっているわけですから、より分かりやすく整理された形で、改めてそこでお尋ねすれば答えが出てくるんじゃないかということを期待して聞くこともあるということなので、ケース・バイ・ケースとしか言いようがないですね。
(問)来週の仕分けに向けて、対象事業の選定も今、最終的な詰めになっていると思いますが、これまでもこういう中で、例えば研究開発法人の在り方であったりとか、さまざまな類型を見ていくというようなお話だったんですけれども、今考えている重点を置きたい類型というのはどんなものがあったか、改めてお聞かせ願えますでしょうか。
(答)類型として重点を置きたいのはどこかと言われたら、あえて言えば全部、つまり、それぞれの類型ごとにどういう制度が一番機能を発揮するのかということが問題意識なので、それぞれに現状のシステムでは矛盾や無理があるのではないかという視点で事業仕分けの議論をするというのは一つの側面だと思っていますので、ある意味ではやった上で初めて、ああ、なるほど、ここは大きく現状では無理があるとか、ここは現状の手直しでいいとかというのは、まさに事業仕分け本番の話だと思っています。
(問)ちょっと今の質問で追加なんですけれども、昨日、尾立議員が視察をした際に、独法の東京事務所も一つのカテゴリーとして重視していきたいというお話をされていました。
 今の類型というところと関連すると思うんですが、そういった独法、全部が対象というのはそのとおりなんですけれども、その他であえて、例えば東京事務所であるとか、そういった重視していきたいポイントというのをもうちょっと具体的にお願いします。
(答)難しいのですけれども、今、準備の状況の中では、本部が東京にない、いろいろな独法がその他、別に東京事務所を持っているということについては、一定の形で取り上げようとは思っています。
 ただ、それをいろいろなところの東京事務所の話をとりまとめたら一コマになるわけで、一コマだけやるのを重点と呼ぶのかどうかという問題はあるのだけれども、少なくともあまり従来取り上げてこなかったところについて、新しい視点、切り口で取り上げるということの意味では、東京事務所の在り方というのはポイントの一つであることは間違いないというふうに思います。
 ただ、それだけでいろいろなところの東京事務所を何コマにわたってやるみたいな形になるかというと、ちょっと多分違うんだろうなとは想定しています。
(問)その東京事務所の話と先ほどの相模原の宿泊施設の話と共通すると思うんですが、東京事務所を設けなければいけないゆえんも、研修施設、宿泊施設を設けないといけないゆえんも、その所在地に由来すると思うんですけれども、あまりホテルがないところにあるから宿泊施設を設けないといけないとか、そういう意味では独法の統廃合に当たって、そういった場所的な変更といいますか、そういう意味での再編というのはどのようにお考えでしょうか。
(答)今の御質問の話の流れでということよりも、むしろ、より地価、賃料の安いところで業務が行えないだろうかという視点が中心ではないかなと思っているんですけれどもね。
(問)1点だけ話題が違うんですが、普天間の関連で、5月末に決着しないと、総理の進退問題になるのではないかという見方が政府内、党内で出てきているようですが、これに対して内閣の一員としてどのように今お考えになっていますでしょうか。
(答)そういう見方を党内や政府内で聞いておりません。
(問)では、ちょっと質問を変えますが、世論調査などの答でも5月までに決着しなければ、総理は退陣すべきではないかという声が高まっているようですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)決着をつけるために、関係閣僚と関係部局が努力をされているというふうに思いますので、直接かかわっていない立場からは、その関係閣僚と関係部局の努力が実ることを期待して見守りたいと思っております。
(問)今の質問に追加なんですけれども、今の官邸、閣内の雰囲気というのはどのような感じに受けとめていらっしゃいますか。その普天間の問題がかなりうまくいっていないというところで、今のところで心配する声が立っているんですけれども、大臣の受け止めをお願いします。
(答)政権が交代して、いろいろなことを大きく変えていこうというときには、物事が順調に進まないのは当たり前だと私は思っています。ですから、常にいろいろな困難に直面しながら政権を運営していくというのは、政権交代前から覚悟していたことであります。率直に言って普天間はそういった意味で困難に直面しながら、今その壁を乗り越えようとしている状況だということであります。そういったことが起こるのは、ある意味で私などは政権交代前から想定をしていたことでありますので、粛々と受け止めて、粛々とそれに対応していくと。
 特に、この問題は私、直接・間接にも所管しておりませんので、特に関係の皆さんの努力を粛々と見守るということでございまして、閣内の雰囲気がいいとか悪いとかというレベルの問題ではないと思っています。
(問)昨日、民主党のマニフェストの検討委員会で総理の指示というのが示されて、明らかに候補に挙がったんですけれども、消費税を含めた負担の増加についてのお願いについて、枝野さんとしてはどの程度、どのように示して参院選を戦うべきだと思いますでしょうか。
(答)政治家ですから、参院選挙をどう戦うのか考えなければいけないのはわかっているんですが、ただ、私の今の所掌している仕事の立場、責任からすれば、歳入を増やすための努力をいかにしなくて済むかということのために努力すべき立場の閣僚ですので、その問題には触れない方がいいのではないかと。
 とにかく、できるだけ歳出を、無駄を削減することで歳入と歳出のギャップを小さくしていくと、そちらを所管しているので、収入を増やすことでそのギャップを縮小するということにまでコミットしてしまうと、やはり無駄削減とか歳出削減の努力が、鈍ることはないと思うんですが、鈍るのではないかという疑い、誤解を招くというふうに思っています。ですので、あくまでも私は歳出の問題に徹底して取り組むということです。
(問)枝野さんは所掌されている狭い意味での無駄削減ではマニフェストの予算、財源というのは入手できないと、その後にお願いをしないといけないと常におっしゃっていると思うんですが、参議院選のマニフェストというのは向こう6年間ないしは次の衆院選までの約束事なんですけれども、それまでの間、その狭い意味での無駄削減を続けているはずもないと思いますので、そういう意味では次のステップというのは、6年間、あるいは3年半のスパンではどのように示すべきか、そういう意味だと。
(答)だから、狭い意味での無駄削減でマニフェストの財源を全部生み出すということではないとずっと申し上げてきています。予算の組み替えによって、つまり、優先順位をつけることによって、優先順位の低い支出を、狭い意味での無駄とは言えないとしても我慢をしていただいて、そのことがマニフェスト実行のための財源を生み出すと。
 これは、いささかも変わりなく残り3年半やっていくと、私はマニフェストの実行財源だけならば十分に確保できるというふうに現時点でも思っています。問題は9兆円にも上る法人税を中心とした歳入の減少という、マニフェストを作ったときには想定していなかった事態にどう対応するかということで、いろいろな議論、検討が必要だということだと思っているので、そこは切り離して議論すべきだし、切り離して整理すべきだというふうに思っています。
 まずは、とにかく私の立場からは、マニフェスト実行のための、つまりフローで9兆円を4年目に出すということに向けて、その大前提である狭い意味での無駄削減と、それからこれは事業仕分けのテーマではありませんが、行政刷新ということでは、そのメリハリをつける、優先順位をつける、これは私の所掌事務の範囲だと、私と仙谷さんと菅さん辺りと連携して行う所掌事務の範囲だと思っていますので、その努力を行うということです。
(問)今の確認なんですけれども、今度の参院選マニフェストでは歳入を増やすという方向性を出すというのは時期尚早だという、そういうお考えでしょうか。
(答)いや、それは私の所掌・担当の立場からは、その議論にはかかわらない方がいいということを申し上げたということです。それは、繰り返しますが、無駄を削減したり、優先順位の低いものの歳出を抑えるということが私の主たる責任ですから、そのことをやっている人間が、一方で例えば歳入を増やすほうの議論に積極的にコミットしたのでは、その努力を怠っているような間違ったメッセージを与えるということですので、それにはコミットしないということです。

(以上)