枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月16日

(平成22年3月16日(火) 8:52~9:02  於:第4合同庁舎642会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議に関しては、私の方から特に申し上げることはございません。
 政権発足半年ということだそうでございまして、私としては、閣内に入って1カ月ちょっとでございますので、半年の間が2つに別れているので、あまり半年という実感はわきませんが、選挙から半年余りが経っているなと思うと、短いようで、そんなに経ったのかなという、こんな印象を持っております。
 色々な評価はあろうかと思いますし、現時点では、世論調査の数字その他を見てもなかなか厳しい状況にあるというふうに思っておりますが、政権交代までの道のりも決して平坦なものではございませんでした。政権交代によって、今、私達が変えなければならない状況というのは、そう簡単に壁を突き抜けることができる、そんな甘いものではないというのは当初から想定をしておりました。
 そういった意味では、半年経って想像していたとおりの壁に幾つか直面していますが、これをどうやって突き抜けるかということで、この政権が本当に国民の期待に応えることになるのかどうかということにつながっていくのだろうと思います。
 そうした意味では、むしろここからの半年ぐらいの間が政権交代の真価が問われる時期ではないかなというふうに、謙虚に、かつ、気を引き締めて向かっていきたいというふうに思っております。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)政権半年についてなんですけれども、当初に比べますと、世論調査での支持率は各社大体半減ぐらいしていますし、あと、政策を評価しないという声も5割以上になっているようなんですが、その一番の原因というのは何だとお考えでしょうか。
(答)やはり、私は、政権交代で期待をされていたことの一番大きな柱が、政治姿勢とか政治倫理とか、もっと平たく言えば政治とカネの問題というところについて、大きく変えてほしいということが私は一番大きかったと思っていますし、今もそう思っています。
 この部分のところが、その変化というものを十分に示しきれていないというところが、幾つか要因はあると思いますが、最大の要因であることは否定できないと思っています。
(問)鳩山首相ですとか小沢幹事長の政治とカネの問題というのが、この支持率にもかなり影響したということですか。
(答)個々がどうこうというよりも、全体として、利権政治、利益誘導政治と呼ばれるものをある部分では変えつつあるんですけれども、全体として大きく変わったという印象をまだ与えるほどの成果を上げていないのは間違いないというふうに思います。
(問)枝野さんは、大臣就任前に、小沢幹事長が国民の理解を得られなければ退くことも含めてけじめをつけるべきだという趣旨のようなことをおっしゃいましたけれども、世論調査で小沢幹事長は辞任すべきという声もだんだん高まってきているようですが、今のお考えはいかがでしょうか。
(答)大臣就任前に申し上げたときと基本的な考え方は変わっておりません。後は、色々な状況を総合的に判断されて、しかるべき時期にしかるべき判断をされるというふうに確信をしています。
(問)そのしかるべき時期というのは。
(答)それは、まさにいつも申し上げていますが、政治は時間の関数ですので、そのしかるべき時期、どういう時期にどういう判断をするのかという、その時期の判断というのも、それぞれの政治家のまさに力量の問われるところだというふうに思っていますので、力のある政治家の方であれば、その判断、どういう時期にどういう判断をされるかという時期の判断を間違われないというふうに期待をしています。
(問)政治とカネの問題についてなんですが、鳩山総理と小沢幹事長とあと北教組の問題についていう限りは、民主党政権は政治とカネの問題をめぐってその状況を変える、利権政治を変えられていないというよりは、民主党もそういう政治とカネをめぐる問題を抱えている、民主党自身が抱えていたのではないかということだと思うんですけれども、それについて国民の失望が広がっているのではないかということについてはどう考えられるかということと、あと、しかるべき時期ということなんですが、それは各当事者が考えている間に内閣支持率はかなり危険な水域に達していると思うんですけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。
(答)後者については、そういったことも含めて、総合的にしかるべき時期にしかるべき判断をされるというふうに思っています。
 前者については、全体としての政権を見ていただければ、例えば議員全体として見ても、それから、特に閣僚の顔ぶれを見ても、政治資金の集まり方というか、集め方とか、それから特定業界との関連性とか、従来の政権とは圧倒的に違っているというのは、これはもうはっきりしているのだと思っています。
 ただ、残念ながら、物事というのは、社会というのは、イチかゼロか、デジタルでいっているわけではありませんので、民主党の内部においても、残念ながら古い時代のしっぽの部分を引きずっている部分が、全く従来からなかったわけではない。ただ、その部分が政権交代後、特に目立って出てきているということだというふうに思っています。
 ですから、本来の民主党の圧倒的多数の部分というか、本質的な部分というのをもっとしっかりと打ち出していかないと、国民の期待には応えられないと思います。
(問)先ほど、政権に期待されたことで政治姿勢ということが一つあったと思うんですが、その一つとして表れてきたのが去年の事業仕分けであったと思うんですけれども、今こうして支持率が低迷している中で、次に行う事業仕分けが国民の期待に応えられるものになるための条件といいますか、どういったもの、ハードル、壁を壊していけば国民の期待に応えられるとお考えでしょうか。
(答)私は、事業仕分けが一定の評価をいただけたとしたら、2つのことだと思います。1つは、徹底した透明性、公開ということと、今まで知らないところで知らないうちに決まっていたということを国民に近いところで、見えるところで物が決まっているんだというこのプロセスが1つ。
 それからもう1つは、従来の既得権益に遠慮せずメスを入れるという、この姿勢だというふうに思っています。二匹目のドジョウはいないというのはいろんな分野で言えることですから、そう簡単だとは思っていませんけれども、少なくとも今申し上げた2つの点についてはさらに徹底をするということが、事業仕分けを担当する大臣としての責任だというふうに思っています。
(問)就任半年に絡めてなんですが、総理は昨日ぶらさがりで、これから指導力を発揮していきたいというようなことをおっしゃっているんですけれども、これまで半年見ていらっしゃって、総理の指導力についてお考えになるところはありますか。
(答)僕は、野田さんはそういうのは得意だけれども、前原さんは余り得意だと思わなかったんですが、前原さんが「鳩山さんは劉邦型のリーダーだ」と言ったと。前原さんもそういうのがうまいんだなと思って改めて感心をしたんですけれども、私は、一つの指導力、リーダーシップの形として、この半年、一定の指導力というかリーダーシップを発揮してきた、鳩山さんらしいやり方だというふうには思っています。
 ただ、国民の皆さんが政権交代で期待をした政治主導という側面からすると、より積極的な意味での指導力の発揮の仕方というのを、国民の皆さんは期待をしているのかなというふうにも思います。
 そうした意味では、鳩山さんの基本的なスタイルを私は変える必要はないと思うんですが、ただ、私も大臣になって1カ月ぐらいのところで、一通りいろんなことが少し見えてきたかなと思いましたし、多分、恐らく次の節目というのは、半年後ぐらいにあるのかなと思って、そういう意味では、総理としての、あるいは政権としてのいろんな経験を一通り見てきて、踏んできて、鳩山さんらしさを変える必要はないけれども、劉邦型とはいえ、より前に出るような形でのリーダーシップを発揮されようとしているのかなと、それはいいことではないかなと思います。
(問)先ほどもお聞きしましたけれども、改めて、昨日、鳩山邦夫議員が離党したと、その後もまた民主党もまた自民党からもさまざまな声が出ているところですが、そういったものの受けとめも踏まえて、改めて今回の離党についてお考えをお願いします。
(答)民主党から声が出ているのではなくて、皆さんが聞くから答えないといけないから答えているだけじゃないかなというふうに思います。昨日も申し上げたとおり、興味も関心もありません。恐らく昨日のニュースの視聴率は低かったのではないかなと想像しています。
(問)政権半年に関係してなんですが、今日の閣僚懇ではどのような話題になったのでしょうか。
(答)今日、別にそのこと自体は、次の9時からの委員会とかも迫っていたので、特にそのことについての話はありません。

(以上)