川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月6日

(平成22年8月6日(金) 17:29~17:42  於:参・本会議場 中庭側廊下)

1.質疑応答

(問)相撲協会で、武蔵川理事長の下で、今後新たな改革に向けて進めていくことになると思うんですけれども、大臣がよくおっしゃっていたスピード感を持った改革を実現するために、どのような事が必要だと思われますか。
(答)夏巡業も始まりましたので、その部分ではまた、いろいろと力士、役員含めてお仕事はあると思うんですが、できるだけ早くに、いわゆるガバナンスの独立委員会で精力的に御議論いただいて、方向性をまとめていただきたい。そして、それを受けて相撲協会へ復帰された武蔵川理事長の下で、それを最大限尊重して実行に移せるよう、秋場所までに何らかの具体的な姿が見えて、動き出すことをしてほしいと思っています。
(問)大臣は以前、代行に当面の間はというふうなことをおっしゃいましたけれども、一応今回の理事長復帰で代行が代行でなくなるということに関しては、それは良しというか、了とされたのでしょうか。
(答)本来、7月場所が終わった時点で、理事長の処分が解けて、復帰されるという時点で、健康が優れないということで出てこられないという事態が起こりましたので、その分では引き続き代行にやっていただきたいということを申し上げたわけであります。幸いにして、小康を得られて戻って来られたということでありますから、当然そういうことになるということであります。
(問)昨日公表されました学校基本調査で、大卒の就職率がまた2年連続で落ち込んだという結果が出ましたけれども、それに対する受け止めと、今後文科省としてとれる対策ということで、何かお考えがありましたらお願いいたします。
(答)非常に悪い数字であったと。こういう厳しい経済環境をそのままじかに反映しているし、これからスタートする若い人が、大変苦労したという結果が出たということは、大変厳しいし、残念なことだというふうに思っております。かねてから産業界には、人材というものはしっかり将来育てていく、確保していくというのは、厳しくてもできるだけ採ってほしいというお願い、これは大きな経済団体だけではなく中小も含めてお願いをすると同時に、今現在就職のガイダンスみたいなものを、高校まではハローワークと連携しているけれど、大学は必ずしもそうでない部分を可能な限り連携させていくとか、あるいは大学の中でそういう進路指導、就職指導に関してしっかりした体制が取れるように指導するとか、予算をつけるとかということは、個々ではやってきているんですが、大きな部分として教育的な見地から申し上げますと、いわゆる社会人として自分がこういう能力を持ってこういう事で社会で頑張っていきたいという部分の、意識と教育というのが少しマッチしていない部分があるんではないかと。例えば、工業高専なんかは非常に高い就職率で求人の方がはるかに上回る、あるいは、一部の専門学校が就職が良いというようなことがあります。社会のニーズと、大学は自由に勉強以外というか、今の力以外のものを身に付けるということも大変大事なことで、昨日の予算委員会で総理が1年間そういうことをしていて良かったというお話もあるんですけれども、同時に社会に求められる知識と技能を身につけるということにおいての職業意識というのを強化していきたいというのはひとつの方向であります。同時に、これも昨日の総理の話につながるんですが、日本は新卒という採用がいつも行われているから、いわゆる就職協定はなしにしていく方向でありながら、実は新卒者を採っているというふうなことは、経済界でも理解をいただくと同時に、やはり卒業していろいろな経験をした人もまた有為な人材であるということも、しっかりと経営側にも理解をしてほしいなというふうにも思っています。いろいろな切り口があるんですけれども、深刻な事態の当事者が一番大変な目に遭っていることだけは確かで、可能な限り改善していくことを努力して参りたいと思っております。
(問)相撲の話に戻るんですが、組織のトップという意味では、問題が起きた前の状態、名古屋場所の前の状態に戻ったということにもなるかと思うんですが、それについての不安とかそういったものはありますでしょうか。
(答)あの問題が起こった時点のいろいろな野球賭博に関連する部分の処分は一応終わったということであります。その間に調査特別委員会と同時にガバナンスの委員会ができて、これからどうしていくんだということを理事会として諮問しておられるわけですから、その部分ではそれを着実に迅速にやっていただくのが今の執行部の責任だと思っています。
(問)一部の報道ですけれども、武蔵川理事長自身は辞めるつもりでいたけれども、文科省側からの強い要望を受けたんではないかというふうに言われていますが、それについていかがでしょうか。
(答)一部の報道は承知をしておりません。どういう根拠で言ったのか私には理解できません。
(問)大臣としては、理事長の任期満了まではしっかり務めてほしいという考えですか。
(答)今、ガバナンス委員会で、これからの相撲協会は、反社会勢力との縁を断ち切り、国民に信頼されるような組織としてどうあるべきかを精力的に議論していただいているし、できるだけ加速をしていただいてる、そして、その提言を受けていただきたい。その提言に基づいて、再生を相撲協会は頑張ってほしいということを言っているわけであります。
(問)学校基本調査ですが、不登校の結果も出ておりまして、2年連続で下がったとはいえ、まだかなり多い数だと思いますけれども、その辺についてのご見解をお願いします。
(答)きめ細かく、いろいろな対策を取っている効果も、私は現れてはいると思うんです。ただ、非常に複雑で入り組んだ背景、原因があるということですので、さらに調査の精度を上げることも含めてですね、それ以外の虐待にも通じることなんですけれども、今回またネグレクトの問題が出てきています。だから、いわゆる俗に言われている虐待で怪我をしている子、それからネグレクトの場合は顕在化しにくい、いじめのこともそうなんですが、不登校の問題もやはりいろんな背景があって、友達のせいですかっていうと、必ずしもそれが一番多いわけでもない。家庭の問題、成績やあるいは先生との関係、いろいろあるんですが、これはやはりきめ細かく調べることで、カウンセラーや先生が、そういう子が来なくなったことに対してこういうことがあるのではないかという引き出しをできるだけ感度良く持つことがないと解きほぐせない。一律的に中でやってもなかなかうまくいかないということを改めて感じましたので、いろいろ調査をすると同時に、それに基づいて、それをクリアするのにこういう対策が打てるのではないか、それを打ったらこういう効果があったというふうな調査が次のアクションにつながり、そして、それが評価されるというふうなことを、今一度その視点から、これからの調査を見てほしい、やり方も考えてほしいというふうに、この結果を踏まえて原局に指示をいたしました。
 明日は、甲子園球場の開会式に行って参りますので、よろしくお願いします。
(問)始球式でしょうか。
(答)始球式は、宮崎県の農業畜産関係の高鍋農業高校のキャプテンが行います。この学校は、ほとんど畜産、農業専門の全寮制の高校でして、一回戦で負けたんですが、口てい疫の被害で一頭感染して、牛と豚で何百頭も殺処分をしたということで、教育委員会からメンタルケアの人も派遣して対応しているんです。その中のキャプテンが始球式に選ばれたというのは、私は主催者として非常に良いことをされたというふうに思いますし、一緒に開会式の先導役で旗を持つ兵庫県立佐用高校も選ばれたということで、憧れの甲子園に野球では出られないけれどそういう形で参加をして、やはり大変厳しい時に良いメッセージとして励まされるのではないかというふうに思います。高校野球、インターハイもやっておりますが、やはりスポーツは非常に大きな教育の場であるというふうに改めて思いました。

(以上)