川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月8日

(平成22年6月8日(火) 23:53~24:29  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

遅い時間に恐縮であります。この度スタートいたしました菅内閣において、改めて、文部科学大臣並びに内閣府特命担当大臣(科学技術政策)を拝命いたしました。大変厳しい国内外の情勢の中で、大きな責任のある仕事について御下命をいただいたことは、大変やりがいのある光栄なことであります。申すまでもなく、教育、文化、スポーツ、科学技術、いずれも国の将来にかかわる大変大事な政策ばかりであります。引き続き全力を挙げて取り組んで参りたいというふうに思っておりますので、引き続き、皆さん方にもよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

2.質疑応答

(問)官邸の方の会見とちょっとダブリがあるかと思うんですけれども、菅総理の方から指示を受けられた内容というんでしょうか、どのようなことを受けられたのでしょうか。
(答)文部科学大臣並びに内閣府特命担当大臣(科学技術政策)ということで指示書を頂きました。内容は、「1、公立高校の授業料無償化、高校等修学支援金制度を着実に執行するとともに、大学は奨学金を大幅に拡充するなど、教育にかかる国民の負担を軽減し、すべての意志ある人が教育を受けられる仕組みを構築する」、「2、将来の日本を支える人材を育てるため、教員の資質の向上や数を充実することなどにより、質の高い教育を実現する」、「3、大学や研究機関の教育力・研究力を強化し、科学技術の力で、世界をリードする」、以上が文部科学大臣としての指示でございます。そして、内閣府特命担当大臣(科学技術政策)として、「1、科学技術政策の基本戦略を策定・評価し、産学官の協力の下、イノベーションの創出を推進する」、なお、「知的財産戦略、IT政策、遺棄化学兵器問題、原子力政策に関する事務を担当させる」、ということが全文でございます。
(問)官邸では、総理とお二人でやりとりする場面があったと思うんですけれども、そこでもう少し具体的に何かやり取りがあったんではないかと思うんですけれども。
(答)各大臣に指示書を手交されるということでありますので、しっかりやるようにという以上の会話はございませんでした。
(問)科学技術戦略本部の構想ですけれども、当初は秋ということから、その後にもう少し延びる話があったと思うんですけれども、具体的に本部はどのぐらいのタイムスケジュールでできそうな感じなんですか。
(答)当初は、今御指摘のように何とか秋に間に合うようにと思っていたのですが、国家戦略本部の権能というところとどう整理するのか、それから、内閣府には国家戦略以外にもいろいろあるので、やはりトータルとして、正に国家戦略としての意思をどういうシステムで動かすかという中の一つに、国家戦略としての科学技術があるということを整理したいという官邸からの御意向がありまして、ちょっとスローダウンしているんですね。そういう意味では、秋に出すというのはちょっと難しかろうと。秋でなかったら常会になりますけれども、そこら辺を我々としては目途に、議論を詰めていきたいと思っておりますが、若干不透明です。
(問)官邸での仙谷大臣の会見の際に、政治主導の進め方について、閣僚懇談会のときに意思疎通と情報の共有というようなことをおっしゃられたということでしたが、鳩山内閣と菅内閣では政治主導に何か違いが生まれるということでしょうか。
(答)違いはないと思うんです。ただ、世の中的にも認識を同じように見ていただきたいという意味でも、改めて今日の閣議及び閣僚懇で、政治主導というものの基本的な考え方を総理の方からお示しされたということです。それは、政治主導というのは、政務三役だけがやるのではなくて、幅広い経験と情報は官僚の皆さんがお持ちであるから、情報を共有し、経験を生かしながらいろんな議論をする中で、最終的な判断は政務三役が責任を持ってやる、ということを改めて確認されたというふうに私は思っています。今までと何か変わったことをするわけではないと思います。
(問)副大臣、政務官人事については、これまでどおりということでしょうか。それから、今回、政調が復活ということになりましたけれども、政調の部会のようなものがあるとすれば、その辺はどういう形で運営されるのでしょうか。
(答)初めの話については、明日正式に決定されるという人事ですので、確定的なことを今申し上げる立場にありませんが、私としては、私が再任させていただいたということで、両副大臣、両政務官には引き続きやっていただきたいと思っております。それから、政調が改めて作られて、玄葉大臣が閣僚も兼ねられるということで、どういう形で部会を作られるのか、それから今の政策会議とどういうふうに整合性を持たせるのか、決定権限、権能をどう持つのかというのは、意見を求められるかもしれませんが、正に玄葉さんが責任者としてこれからお決めになる。そういうものだと思っていますので、やはり党として、有権者の皆さんのいろんな意見を聞く中での政策立案議論というのはやはり大事なことでありますし、それと内閣として決めることとの間で、より連携を深めるという仕組みで今回やられたと思いますので、玄葉新政調会長のリーダーシップにゆだねたいと思っています。
(問)7月には幹部人事の季節になって参ります。今回、官房長官になった仙谷さんは、かねてから、事務次官はいらないと主張されていましたけれども、7月に坂田事務次官の交代等はあり得るのでしょうか。
(答)この幹部人事に関しても、正に時間的には通例の7月という時期があります。ただ、政治日程的には参議院の選挙もありますし、そういう意味で若干の微調整はあると思うのですが、1年の一つの節目であることは事実です。そこでどういう人事にするか、やり方をするかというのは、いわゆる法律の帰すうにもかかわってきます。そういう意味で、多分近々に大きな方向性は官房長官を中心に内閣としてお出しになるんではないかと思っています。それを踏まえてやっていきたいと思っています。
(問)ちょうど総理交代の狭間の時期になってしまったんですけれども、月曜日に文化審議会で漢字の答申があって、文化政策についても一定の方向性を出しました。漢字についてはある程度話題に出ているのであれなんですけれども、文化政策については、文化庁を文化省に格上げしてほしいというような、非常に思いきった提案を含めた非常に具体的な提案がたくさん入っています。大臣も既に御覧になっていると思うのですが、これらを今年の概算要求につなげていきたいというふうに先生方は言っていたわけなんですが、どこまで具体化できるのか、日本版の芸術団体に対する助成制度とか劇場法とかいろいろ入っていると思いますが。
(答)本当に精力的にですね、幅広く御議論いただいた立派な答申をいただいたと思っております。正直言って、御答申をいただいたときには私がどうなるかは、職務執行者でしかありませんでしたので、改めてですね、各関係部署を含めて、私も含めてしっかり精査をして、貴重な答申が生かされるように判断して参りたいと思っております。
(問)原子力政策について伺います。前内閣と今内閣で何か方向性について違いはございますでしょうか。あるいは、同じように推進の立場でいかれるんでしょうか。
(答)私の認識としては、特に何か方向転換があるというふうなことは全く想定をしておりません。
(問)国の研究開発投資の数値目標について、引き続きそういう数値目標をそれぞれに目標を掲げられるのか。それから、従来から財務省はそれに否定的な立場をとっていて、この度、財務大臣が総理大臣になられたということで見通しが厳しくなったということはないのか、閣内で理解が得られるかどうかの見通しについて聞かせてください。
(答)見通しは分かりませんが、我々が鳩山内閣のときに数値目標化してしっかりやろうという方向性は、当然ながら、引き続き堅持をして行動して参りたいと思っています。そして、いろんな仕分けとかの議論を含めますと、やはり聖域として何か枠だけ増やせばいいということではないというのも承知しております。しっかりと中身において説得力があり有効に使うという、そして意味のある予算であるということが前提ではありますが、そういう前提の中での総枠としては、やはり国際社会の中で日本が科学技術で生きるためにはどうしても必要なんだということは、これからも関係各位に対して、我々の立場で積極的に理解を深めるように努力をして参りたいと思っています。
(問)鳩山政権に続いて二代続けてのいわゆる理系内閣ということになります。特に川端大臣は菅大臣から科技政策担当を引き継いでという形になりますけれども、改めて、理系内閣で科技政策担当をやるという醍醐味のようなものをおっしゃっていただけますか。
(答)鳩山総理もそうでしたし、当時の副総理、現総理もやはり非常に関心が高いと同時に、思いも強くお持ちであるというのは心強く思っております。例えば鳩山内閣のときにも、いわゆる総理レクと言われるところへ行くとき、総合科学技術会議の本会議、あるいはIT戦略本部、知財本部の会議の前に、総理が本部長ですから概要を説明に行くというときには、御説明をする以上に想定していない質問が出てですね、関心が非常に深いということは心強く思っていました。今までも、私自身は菅総理とは民社党、社民連の時代からのお付き合いでありますので、折に触れての部分では非常に関心をお持ちということは承知しておりますので、御立場が御立場ですから、トータルとしてのバランスを見なければいけないのは当然ですけれども、非常に理解のあるということでは有り難いと思っています。
(問)新しい教職員定数改善計画に向けた意気込みを改めて、概算要求を含めてですね、大臣の決意といいますか、メッセージをいただきたい。
(答)というか、今回ですね、いわゆる教員数、要するに学級編制の在り方も含めて教員について中教審で御議論をいただくということになっております。したがいまして、質の向上と同時に数の確保、そして、これは分権にもつながるんですが、それぞれの地域における裁量権をどういうふうにするのかということを含めてですね、質・量の充実ということを前提にしながら、今議論をしていただいていること、それから熟議の議論を踏まえて、正に質・量、共に充実した要求ができるような議論をしていただいて、概算要求にまとめていきたいというふうに思っていますので、当然、我々として意欲的に取り組んでいきたいと思っています。
(問)菅内閣では、社会保障の立て直しということが重点の一つに書かれていますが、文部科学省としましても、昨年医学部の定員を増加したり、国立大学の病院機能を強化したりとかあると思いますが、これは新内閣になってからも継続して引き続き進められるということでよろしいでしょうか。
(答)それは当然だと思います。社会保障で、いろいろ保険制度等々を含めた、いわゆる財政的な問題というのは非常に大きくあることは事実ですが、やはり現実に、その受けるサービスという意味での医療が、地域あるいは診療科目等々において非常に劣化しているという現実に直面しているわけです。我々の教育分野からいいますと、多分、お医者さんの定数というのは、本当にお医者さんが一人前になっていただくまでには10年かかるわけですよ。そして、もう一方では大学病院の経営ということでいいますと、小泉内閣以来の、いわゆる自助努力で経費は浮かせなさいと、その分は運営費交付金は減らしますよと、そして一方で、診療報酬も下げますということで、もう余計に、その逆方向への加速があった部分は何とか止めたいということを含めて、いわゆる医療現場が、よりひどいことになっているのに歯止めをかけて、向上させるということも含めて、我々なりにできることは一生懸命やっていきたいと思っています。
(問)指示書の左側の、各閣僚の皆さんに共通することだと思うんですけれども、国民の皆さんの信頼を回復することにまい進するというふうにあるんですけれども、鳩山総理は「政治とカネ」にクリーンであるために、クリーンな民主党にするということでお辞めになったわけですけれども、改めて、何が一番クリーンであるために必要とお考えでしょうか。
(答)政治活動に一定のお金がいるということは、いると思います。そのときに、私は、それぞれの個人や団体が政治活動をするということにおいての政治活動の自由というのは、最大限尊重されなければいけないと思っています。同時に、お金は最大限透明化されること、それと同時に、入りの制限ですね、例えば、今でも企業団体献金は政党でないと受けられないとか、あるいは額には上限があるとかですね、ですから、支出の透明化と入りの一定の制限、それと一方で、政治活動の最大限自由を保障するということのバランスを見て、いつも議論がされてきたんだと思います。とはいえ、また不祥事が起こるということで、起こらないようにまた直すということがずっと繰り返されてきて、昔から比べたら随分と改善はされたと思うのですが、やはり、今の議論としては、その一番根っこで、入りの部分で言えば企業団体献金というのをそもそも無しにすべき、すべて禁止にすべきではないかという議論があって、民主党としても、これは皆の政党、政治活動の根幹にかかわることですから、各政党間の合意の中でしっかりやるべきだという立場に立っていると思うんです。ですからやはり、自らその法律は間違いなくしっかり守るということと、法律は不断に、よりよいものに直していくこと、この2つに尽きるんではないかと私は思っています。
(問)関連するんですけれども、小沢さんとの距離の問題なんですが、菅総理が小沢さんにはしばらく静かにしていただきたいというようなこともおっしゃっていましたけれども、大臣御自身は、小沢さんとの距離について、今後どういうふうにしていくとお考えなのか、もしお考えがあればお願いします。
(答)総理がどういう趣旨で静かにとおっしゃったのかは分かりません、聞いていませんから。おっしゃったことは事実だと思いますが。私はやはり、今回、民主党が政権を持つに至った昨年の衆議院の選挙を含めてですね、民・由合併以来、民主党と行動を共にする中で、小沢前幹事長が発揮されたいろんな行動で、今日の政権獲得への最大の功労者の一人であることは、私は間違いないと思います。そういう中で、秘書等々を巡るお金の問題や党運営に関していろんな議論がありましたけれども、私もそうですが、党のために政治をしているのではなくて、やはりこの日本を良くしたいと、暮らしを守りたいというために、そのために民主党に皆結集しているわけですから、それぞれの人が、1年生の人も、大ベテランの議員も含めてですね、それぞれが持てる力を適材で発揮できる体制が一番いいんだろうというふうに思います。そういう意味で、どういう形かは別にして、小沢前幹事長なりに、党のために、またいろんな形で貢献していただけるんだと思っています。殊更、距離が近いとか遠いとかということは、ほとんど何の意味もない議論ではないかと私自身は思います。
(問)意味の無い議論とおっしゃったのに、しつこくて恐縮なんですが、今回、小沢さんとの距離の問題が散々報道されて、閣僚の皆さんの小沢さんとの距離というのは、非常にテレビなどでも図解をもってビジュアルに伝えられました。川端大臣御自身は比較的…。
(答)私は近いのか遠いのか、どういう評価なのかは、私には分かりません。
(問)比較的近いところに置かれることが多かったように思うんですけれども。
(答)それは、皆さんも、いろいろなそういう報道をされるのも自由ですけれども、私自身が近いとか遠いとか言われるということは戸惑いしかないということです。それは、いろんな意味でいろんな思いがありますから、私もね。だけど、政治家小沢一郎というのは大変な力がある人であることは間違いない。だから皆さんもそれだけ関心をお持ちなんだというふうに思いますし、誰でも、長所もあれば欠点もあるんだというふうに思いますから。ただ、いいところで党に貢献していただきたいなと思っています、今でも。
(問)菅総理は、小沢さんが幹事長を辞められて一定のけじめが付いたというふうにはおっしゃいましたけれども、大臣御自身はけじめの問題をどういうふうにお考えなのかということと、あと、国会召致を求める声が野党からありますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)けじめというのが何に対するけじめなのかというのも、いろいろあると思うんです。例えば検察が起訴しないということでいうと、法的に違法行為があったからということでけじめを付けられたというけじめではないというのは、はっきりしていると思うんです、これからの検察審査会のあれは別にしまして。そういう意味で、やはり、いろんな意味で国民から幹事長の「政治とカネ」の問題に対して批判があって、十分、御本人は一生懸命説明されたおつもりでしょうが、やはり、結果としては理解を得られなったということが、党に対してある種のダメージを与えたということについてのけじめをとられたということは、あるんではないかというふうには思っています。ですから、そういう意味でけじめという言葉一つにしても、客観的に何に対するけじめなのかというのもいろいろ受け止め方もありますから、私はそういう意味では、何か悪いことがあって、そのことのけじめを付けるというダイレクトな話ではないんだろうなというふうには思っています。それで、召致問題とか何とかというのは、これは国会がお決めになることですから、私がどうこうと論評する問題ではないですが、やはり政治家にとって、非常にフェアに物事はしなければいけないという意味では、客観的、合理的な判断がされるべき問題なんだろうなというふうに思っています。いずれにしても国会で御議論されたらいいと思っています。
(問)菅総理は、グリーン・イノベーションとライフ・イノベーションに財政を集中して成長につなげていこうというような発言をされたと思うんですが、そのときに、その他の分野についてどういうふうな目配せをするのか、そのバランスについては、科学技術政策担当大臣としてどのように考えますか。
(答)といいますか、一番基本は、科学技術を通じて、これは成長戦略の根幹にかかわる政策であることは間違いない。その中で、これは当時の菅副総理が中心となって、それで財務大臣になられても中心になって、いわゆる成長戦略の基本方針をおまとめになって、総理としてこれをいよいよ本格的に肉付けされるということになると思うんです。その中で、とりわけグリーンとライフの両イノベーションと、プラットフォームとしての科学技術、基礎ですね、ということをベースにして重点を置こうということでありますから、グリーン・イノベーションでなかったらやらないとか、そういう意味ではありません。一番ベースにやはり科学技術があるんだということをベースに考えているということで御理解いただきたい。と同時にですね、例えば、ITとか知財とかというのは、それ単体の話ではなくてすべてにかかわるという、正に基礎研究ではないけれども、イノベーションだけれども、そこに柱立てすることにないということがあります。私のベースで言えば、一番大事なのは、例えば過去の政権においては、当時でいうとエコですか、エコを重点に置くんだといったら、各省それぞれがみんなエコ、エコ、エコといって補正を組むというふうな重点化ではなくて、本当にグリーンやライフというものを位置付けるときに、各府省から共通的に上がってきたものをできるだけ事前に一本化をして、分担を決め、タイムテーブル、工程表を書き、ここの役所はここ、ここはこの期間までにしなさいということまで含めて実効を上げるということを、グリーン、ライフ、その他も含めて、全部やりたいと思っていますので、劇的に変化をさせたいと思っています。
(問)遺棄化学兵器問題について、中国のですね、最近ですと若い方が被害に遭われたり、その点での補償とか、その方法などについて、お考えをお伺いしたいんですけれども。
(答)一応はですね、今の取決めで出てきたもので日本のものというふうに認定されたものは、日本の技術で現地で取り出して、集めて処分するということを日本がやるということでありまして、その作業の過程で起こるいろいろな問題ということと、そうでない部分と両方あるんです、今起こってることが。そういう意味では、遺棄化学兵器すべての、何かの被害に関してどうするかという取決めではなくて、遺棄化学兵器を見つけて、それを掘り出して処分するということを、こういう分担でやりましょうということが取決めされているということで、それ以外の問題は、基本的にはいわゆる友好条約あるいは共同声明を含めた形の中で、ある意味では終わっている世界なんです。ですから、これからいろんな現象が起こる、事象が起こる、あるいは起こることもあるのは、慎重に、客観的に判断をしていきたいと思っています。訴訟にもなっている部分もありますので、そういうことを含めて、司法の判断もあると思うんですけれども、冷静、客観的に、慎重に判断をしていきたいと思っています。
(問)今回、再任を機にですね、お願いと御相談が一つずつあります。一つは、総理指示の左側の4番目にある行政の透明化についてです。今回、入閣の目玉の一人に、蓮舫さんがいらっしゃいましたけれども、事業仕分けがすべて透明化といいますか、公開されて、私たちテレビメディアでも映像と音声で、非常に多くを伝えることができたことが国民の支持を得た結果だと思っています。本日の大臣の会見にも、後ろを御覧ください、テレビカメラがたくさん来ているのは、これは冒頭録りだけではなくて、大臣のお言葉を一瞬も逃さないように撮影しているからです。ところがですね、この8か月間を振り返ってみて、文部科学省の重要な審議過程を振り返ってみると、そのほとんどが、活字メディアには公開されているものが多いものの、テレビはですね、冒頭だけということが過半です、ほとんどです。これを何とか、これまでの8か月以上にですね、一つでも二つでも多く、テレビメディアに公開していただくことをお願いするのと、もう一つ御相談ですけれども、この記者クラブでの記者会見は、いつも幹事社が代表質問というのをしております。それは会見をスムースに運営するために、皆が質問するであろうということを、一番最初に代表して質問してくれるものと私は理解しています。ところがですね、文部科学省の方は、記者会見で誰も質問が出ないと困るからということを基に、事前に代表質問の内容を書面にして出すように要請しています。この8か月間でも、20日間を除いてすべての期間でそれが行われました。大臣が、これは必要だとおっしゃるんだったら、それはよろしいんだと思いますけれども、それがもし、そんなに必要なものでなければですね、この機会にお考え直しをされてはいかがかと思います。
(答)大事な御意見と御要望だと思います。一番目の部分は、いろんな審議や業務に差し障りがなければですね、スペースも含めてですね、そんなに何か、活字は良くて映像はいけないという、そういう積極的な理由はあまりないように個人的には思いますけれども、お願いをされましたので、一度よく議論をさせていただきたいと思います。それから、事前の質問の部分は、私も詳しくどういう経過でなっているのかよく分かりませんが、別に、そこで前触れしておられない質問でも、してはいけないことではなくて、いつも皆さんしておられますから、どこまでの積極的な意味があるかは分かりませんが、共通的にこういうことを聞かれるというのは、あった方が私の心構えとしてはいいのかもしれませんが、これもよくちょっと一度検討させてください。承りました。
(問)菅総理は、教育問題に関する関心の度合いは高いのか低いのか、文部科学省の教育行政にとってですね、菅総理は追い風なのかどうか、御認識をお願いします。
(答)教育に関心のない政治家はいないんではないでしょうか。教育はそこそこにしておいて、あと他をやろうという政治家は、私の出会った限りでは、今までいなかったというふうに思います。そういう部分では、非常に関心もあるし、御理解もあるというふうに思って、私自身がそんな疑問を持ったことがありません。
(問)今のとどうしても関連するのでお伺いしますが、文化政策については、やはり政治家は必ずしも関心度が高い分野ではないものですから、鳩山前総理と比べて菅総理は文化というものにおいてはあまり縁がないのではないかという見方が、文化人の間であるのですけれども、いかがでしょうか。
(答)それは本人の忙しさと、なかなか外に見えるかどうかは別ですから、私が文部科学大臣に就任した瞬間に、今度の大臣は文化に非常に関心があるというふうには、きっと思っておられなかったし、今どう思われているのか私には分かりません。関心の程度はそれぞれあるかもしれませんが、そんなに御心配されることではないというふうに思っています。また、いろんな機会にそういう、よくお触れいただくようなことは、私も一緒にまた、お付合いをしたいというふうに思います。遅くまでありがとうございました。またよろしくお願いします。

(以上)