川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月23日

(平成22年4月23日(金) 08:58~09:18  於:文部科学省記者会見室)

1.発言要旨

私の方から報告を2点申し上げます。文部科学大臣、経済産業大臣及び福井県知事の三者からなる、もんじゅ関連協議会に関してでありますが、先般、福井県の会議も終わりましたので、三者で調整をさせていただいて4月26日に開催することに決定をさせていただきました。この協議会では、「もんじゅ」に関する福井県の要請について議論を行うということでございます。文部科学省としては、議論をさせていただいて、それを踏まえて、できるだけ早くに地元の御了解をいただいて、「もんじゅ」が再開の試運転に至りますように期待をしております。時間や場所など詳細については、後ほど記者会等に発表させていただきます。もう一点は、文部科学省の政務三役会議について、議事概要を作成して、ホームページに掲載し公開することにいたします。今週の火曜日に行った政務三役会議の概要について、昨日の夕方からホームページに載せさせていただきました。これ以降、政務三役会議は基本的には週1回の予定ですが、行った後に、できるだけ早くに取りまとめて、ホームページ上で掲載をして公開をしたいと思っております。なお、内閣府の特命担当大臣(科学技術政策)という、もう一つの兼務しております内閣府のことに関しては、今日、政務三役会議が行われますので、ここで、この取扱いについてどうするかを、公開するという方向の中で考えていくこととなりますが、まだ、政務三役会議が今週開けていませんので、今日議論をしたいと思っています。また、それで決まったら御報告させていただきたいと思います。私の方からは、この2点でございます。

2.質疑応答

(問)政務三役会議の議事概要の件ですけれども、公開される以前のものを公開されるということは。
(答)今までのはありません。今回からということです。
(問)政務三役会議の議事概要のアップというのは、文科省が初めてですか。
(答)文科省としては初めてです。
(問)他省庁は。
(答)他省庁は、アップしているかどうかはちょっと承知していないんですが、公開はされていますよね、いろんなところで。枝野大臣のところとか。
(問)議事録ではなくて、概要という形にするんですか。
(答)議事概要ということにさせていただきます。
(問)「もんじゅ」の件ですが、大臣が協議の後ですね、改めて福井県入りするという予定はございますでしょうか。
(答)この前から申し上げているように、ステップ・バイ・ステップで日程等々、中身も含めてということで、今回はまず三者協議を行おうと。そこでどういうお話になるかも踏まえながら、それから後のことは、またそのとき考えて参りたいと思っています。
(問)常用漢字の見直しについて2点お伺いしたいんですが、見直しで196字増える見通しになりましたけれども、中には鬱病の「鬱」とかですね、語彙の「彙」とか、かなり難しい漢字が入っているように思います。我々が子どもの頃に学んだものよりもかなり高度なんですけれども、大臣としては、どういう印象を持っているかというのが一つと、もう一つはですね、現行の学習指導要領ですと、学年別漢字配当表をベースにして、常用漢字表の中で学習することになっていますけれども、難しい漢字が増えたことでですね、教え方も非常にまた考えなければいけないかなという指摘も予想されますけれども、学習指導要領の微修正なんかは御検討されているんですか。
(答)漢字をどのように登録するかということは、正に専門的な見地で、一定の基準ですね、よく使われるものなのかということを含めて検討されている中で、最終的には6月に向けて、今、粗々の準備をされているということは承知しております。そのことに関しては、個々の漢字を含めて、基準に基づいて見直されるということでは、特にそのことの中身に関しての感想は申し上げることはありません。それから、学習指導要領は、当然ながらそれに基づいた部分での教育がされることになりますが、修正をしていくとか、そういうつもりはありません。今のところ、具体的に考えているわけではありません。やはり、漢字というのはある種、非常に象徴的な日本語そのものでありますし、これは日本の長い歴史と文化というものに根ざしたものであって、やっぱり私自身は大変大切なものだというふうに思っております。そういう意味では、やはり専門的な御議論をいただく上ででありますけれども、漢字が、やはりその持っている歴史的な意味や、日本語の本来の文化という意味で、しっかりと子どもたちの中で、難しい易しい、易しいものだけではなく、使われていくようになっていってほしいなとは思っております。これは、世界大戦中にフランスのある街がドイツに占領され、ドイツの支配下になったときに、街の人が集まって、「権力等々は我々は今失ったけれども、我々にはフランス語が残っている」と言ったという言葉に表れるように、やはり日本語というのは、正に日本だと私は思っています。その中の漢字は、大変大事にしていきたいと思っています。
(問)今日から事業仕分け第二弾が始まりますけれども、改めまして、どういった議論の結果を期待されるか。文科省に関しては対象となっている事業が多いんですけれども、特に研究開発関係とかですね、多いと思うんですけれども、どういった議論を期待されるか、お聞かせください。
(答)今回は独法を中心にということで、独法自身、文部科学省は数が一番多いですから、対象も多いということと、その中には、研究開発法人というものが多く含まれているということがあります。それで、最近、枝野大臣が出版された「「事業仕分け」の力」という本に、いわゆる「事業仕分けとは」という、そもそもの考え方と、この間やったことのエピソードを踏まえながらのことが書いてあります。私は、正にいい本だなと思ったんですけれども、いろんな事業が、国でやるべきものなのか、地方でやる方がいいのか、あるいは民間でやるのがいいのかという、その事業の主体をどこがやるべきものであるのかということや、そもそも論として、その事業は要るのか要らないのかという選択を含めて、国か地方か民間か要らないのかという仕分けと、当然、公金の世界でありますので、そこに投ぜられるお金が有効に効率よく使われているかどうかということが、基本的な仕分けの精神だと私は思っております。そういう意味で、これは枝野大臣も本で割に何度も書いておられますが、政策判断をするものではないということだと思います。そういう意味で、先ほど「もんじゅ」の話がありましたけれども、前回の例で言いますと、原子力発電は、やるものなのか、やめるべきものなのかということを、仕分けで議論するものではないという例がありましたけれども、そういう性格だと思っています。今度の独法もですね、そういう意味で、公金を投じている部分が適切に無駄なく、有効に流れている仕組みであるのかどうか、効率を上げるために、もっと工夫の余地があるのかどうかということや、天下りうんぬんとよく言いますが、それは効率的であるかどうかということに同じようにかかわっているんだと思いますが、その機能がそもそも必要なのか、国がどうしていくか関与が要るのかどうか、地方に任せた方がいいのかどうかということを議論されるんだと思います。それは我々自身の執行している部分というのを、また別の視点で、しっかり見ていただくという部分で、最大限協力をして参りたいと思っています。ただ、もう一方でですね、そもそも研究開発法人というのはどうあるべきなのかということについては「研究開発力強化法」という法律があり、しっかりと、組織の在り方を含めて研究開発の力を増していくのが国にとって大変大事であるという法律がありますので、これに基づいて、古川副大臣と鈴木副大臣の下で、研究開発法人の在り方については議論をしていただいて、骨組み的には大分煮詰まってきた議論をしていただいていると思います。これは、正に車の両輪みたいなもので、中身的にどうあるべきかということと、その組織運営とお金の流れ方はどうあるべきかというのが両方で議論されて、あるべき姿に収れんしていかせたいなと思っております。
(問)宇宙飛行士の山崎直子さんについてですけれども、千葉市でですね、科学技術の理解啓発のために協力を求めたいという報道がございます。文部科学省としてですね、理科教育の理科離れ対策、あるいは性別を超えて科学技術者を育成するという観点から、山崎さんに何か協力を求めたいというお考えはありますでしょうか。
(答)といいますか、山崎さんに限らずですね、毛利さんをはじめとして、若田さん、向井さん等々ですね、JAXAを通じての部分がほとんどだと思いますが、いろんな形で、あらゆる部分で御要請にこたえていただいていると思います。ところが、トレーニングとか本来業務とかが元々ありますから、そういう中の可能な部分においてはということで、いろんな、我々が主催する行事も、あるいは地域の部分も含めて、今までも御協力をいただいていると思います。特段に山崎さんだけの話ではなくて、それこそ世界の宇宙開発に協力するのも含めて、日本での宇宙開発事業をやっているわけですから、そこで得られた、ある種の成果の一つが宇宙飛行士の誕生でもあるわけですから、そういう方が、国民にいろんな形で役に立っていただくということにおいては、協力していただく方向は、我々も、その部分は側面的に応援していきたいと思っています。
(問)宇宙行政についてですが、先日、前原大臣の有識者会議がですね、宇宙行政の一元化を含めた「宇宙庁」の創設を盛り込んだような提言書を出されました。宇宙行政の一元化というのは民主党の政策集の中にもそういう項目があったと思うんですけれども、宇宙行政の一元化について、大臣はどのようにお考えになりますか。
(答)その前に、宇宙開発戦略本部というのが総理の下に置かれています。基本的には、そういうことを含めて戦略本部、官房長官と前原担当大臣が副本部長になっておりますが、その下で、やはり内閣として宇宙戦略をどうしていくのかということ、政策的な方向、それからそれを実行するのにどういう仕組みがいいのかというのは、そこが中心になって議論されていくべきものだと思っています。その前提としては、今持っている宇宙開発に対する国としての基本的な方向性、戦略的な方向性をこのまま続けるのか、変えるのか、そして続けている現状で、うまくいっているのか、いっていないのか、もっと良くするのにどういう考えがあるのか、ということ、そして、そのためには組織はどうあるべきかということが、しっかりと、論理的に体系的に議論をされなければいけないと思っていますし、それをするのが、正に戦略本部だと思っています。そういうところでの議論に資するために、私的な懇談会を作られたりされるのは御自由ですけれども、やはり、オフィシャルにはきちんとした議論を我々としてはしたい。実行部署を所管している役所としては、やはりきちんとオーソライズされた形で、現状の問題の認識と目標、要するに共通な認識の下に物事は進めるべきだと思っておりますので、また折に触れて、そういうことを提案していきたいと思っています。
(問)「もんじゅ」についてなんですけれども、今、「もんじゅ」の再開に当たって地元の方からは、地域振興を含めた要望というのが出ていると思うんですが、現段階で、当然協議でも正式に話し合うと思うんですが、文科省として、どのように地元からの要望要請についてはこたえていきたいと思っていますか。
(答)正に、そのことを26日に話し合うことになると思いますが、先般、官房長官が閣僚懇談会でもですね、地元の要望も内閣全体として受け止め、協力するために、そういうことは真摯に受け止めたいという旨の発言がありました。それを踏まえて26日にお話をさせていただきたいと思いますが、文科省としての守備範囲と、そうでない守備範囲とありますので、いろんな形で、正に26日に誠意をもって、いろんな話をさせていただきたいと思っています。
(問)高速道路の料金を巡ってですね、政府と民主党で見解が異なるという問題が指摘されていますけれども、鳩山内閣は、元々政策決定は政府に一元化するというふうにしてきましたが、一連の動きが、ちょっとこういう方式に反するものなんではないかと思われるんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)政策決定をどういう形でするのか、加えて議員立法はどう取り扱うのかというのも、やはり内閣が発足して半年が過ぎましたけれども、スタート以来、これは初めてのことですから、いろいろな試行錯誤はあると思うんです。そういう意味で、政策は内閣で一元的にということでスタートしているけれども、その中身において、いろんな与党間とのやりとりなどはあり得るんだろうと、もうルールは決めたからというふうなことまでリジットに、ルールはまだ、熟度が高まっていないのではないかというのは、一般論としてはあります。とはいえ、閣議と正に省令、法律と省令、この前の無償化の話みたいですが、政省令で決める部分とのフェーズは異なりますけれども、全体としては閣議決定を行い、法案が提出してあるものですから、それは、基本的に所管の大臣の責任において、国会に出されたものを我々としては了としているという立場でありますので、あとは国会審議を見守るということ以上に申し上げることは、今のところありません。

(以上)