川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月20日

(平成22年4月20日(火) 09:16~09:36  於:文部科学省記者会見室)

1.質疑応答

(問)今日、全国学力・学習状況調査が全国で行われます。全員参加の方式から、今回抽出方式に変わりましたが、大変希望校が多くて実施率は全体で73.5パーセントに上る見通しになっています。また、公立校の100パーセントの参加率も13県に上っております。大変高い実施率だと感じるんですけれども、大臣はどのように受け止めていらっしゃるか。あと、もう一点、抽出方式になって初めてということで、どのようなことをポイントに、調査等を御覧になるおつもりなのかをお聞かせ願いたいと思います。
(答)今日学力テストということで、抽出に変えました。希望利用が多かったのは、それぞれの教育委員会にお任せをしてありますので、学校が希望されるということ、学校の希望に基づいていますので、学校が過去の経過を踏まえながら、ちょうど変わり目でありますので、結果として、皆が学力を把握したいという希望が多かったのは事実であります。理由とか背景はまだ聞き取りをしておりませんので、今回抽出に変えたことによって、少なくとも今日の時点では、つつがなく、しっかりと無事にテストが行われるようにということで準備をして参りましたし、今日はそういうことで終わるように期待をしておりますが、その後はですね、データの集計、それから希望参加の採点の問題や、今回こういうふうに希望した人の御意見や、そういうトータルとしての検証はしっかりして参りたいというふうに思っております。そういう意味で、次に向けての、今回方式を変えたことの検証を通じて、いろんなことが出てくるんだろうと。今日はとにかくしっかり終わってほしいなというふうに思っております。ですから、数字が高かったということ自体は、過渡期ということで、今までどおりとにかくやってみようかなと思われる方が多かったのかなというふうに思います。自主的な採点をしていただくことになったのと、悉皆でないという意味で、各成績のフィードバックが、一番初めは11月ですか、それから2回目は夏過ぎでしたか、等々でありましたが、今回は7月中下旬には、結果はそれぞれのところにフィードバックできるようにしたい。要するに、調査問題のねらい、学習指導のポイントを示した解説資料を、今回はこういう趣旨でこういう問題を出したんですよというのは、今日やっていますから、4月中にすぐに送ります。それによって自主採点等の参考にもしていただくと同時に、その調査した結果は7月中下旬にはお返しするということで、今回抽出にしたことによって、できるだけフィードバックを早くするというのが一つ。それから、自主採点をしていただくうえでは、採点基準を客観的に持たなければいけないという意味では、先ほど申しました解説資料を送るということで、採点も統一的に、問題のねらいを含めて、やっていただけるのではないかというふうに思っております。今回抽出にすることによる円滑な進行と有効な活用に関しては、事前に最大限努力をして、対応をして、今日に至ったと。今日の結果を踏まえての後のことは、しっかり検証して、これからに備えたいということです。
(問)今の4月中とは、今月中という趣旨でしょうか。
(答)4月中に、調査問題のねらいと学習指導のポイントを示した解説資料を各学校と教育委員会に送付する予定です。本年度調査結果については、できるだけ速やかに取りまとめて、公表、提供するということで、7月中下旬を想定しているということです。
(問)今月中に送るものの中に、採点の基準とかも入るんでしょうか。
(答)採点の基準もですね、設問毎の出題の趣旨と同時に、正答、正しい答えの条件、こう書いてあったら正しいと、これが書いていなかったら駄目という、要するに採点の条件ですね。それから、予想される解答類例、こういう答えが予想されるという。したがって、正答なのか誤答なのかという、要するに採点の判断をする資料を送るということです。
(問)それは今回初めて送るということなんですか。
(答)今までも、同じ時期に、そういう趣旨で出しておりますが、今回、自分で採点するということがあるから、それを踏まえた部分で詳しくということです。
(問)学力テストが抽出になって、検証されるということですけれども、来年度以降に関して、学力テストをどうするかというお考えは今ありますでしょうか。
(答)予算も組んで、国の責務としての全国の学力水準、それから都道府県レベルでの水準の把握という意味では、抽出でいいというふうに基本的に思っておりますが、ニーズとして科目を他にも見てほしいとかというのがかねてありますので、そういうことを含めて、調査費は計上して、調査検討するということになっております。これは当然ながら、夏の概算要求までに、検証も含めて、他の科目も含めてどうするかということの結論を出して、概算要求に向けての作業ですから、そういう時期までにやるということです。
(問)それは、都道府県のレベルが分かるような抽出率で、科目を増やすなりということをやるということですか。
(答)基本は抽出でやるというのが前提で制度設計をしてありますので、それがベースですけれども、今回、結果も夏までに出ますので、悉皆ですとそのままの数字ですけれども、統計的な数字でいうと、ある種の幅の数字になると思いますので、そのことを含めての、我々が意図することの制度と評価ができているのかどうかということも、当然検証されることになると思います。
(問)独法と公益法人についての省内ヒアリングが始まって、まだ途中経過だと思うんですが、これまでに、既に見えてきた改善の方向性とかというのはありますか。
(答)まだ、まとまった部分では報告を受けていないです。中川副大臣や、それぞれのところでやっていると思いますけれども、私自身はまだ聞いていません。
(問)一部報道ではですね、行政刷新会議の方の仕分けの事前ヒアリングの中で、いわゆる文科省が抱えているいくつかの博物館、美術館について、展示部門を一緒にしてしまった方がいいんではないかという指摘が出ているという報道もあるんですけれども、科学博物館、歴史系の博物館、それから美術館、ナショナルミュージアムの展示部門を全部一緒にしてしまう。それは理論上は可能かもしれないんですが、例えば、昨日までピカソの展示をやっていた人がですね、今日から弥生時代の展示をやるみたいなことが起きるのですけれども、所管の大臣としてどう思われていますか。
(答)というか、まだ、そういう議論があるのかどうかよく知りません。要するに、いろんな事業がその本来の目的をしっかり達成して、それが、より効率的、機能的になるという組織とお金の流れにするために、事業仕分けをおやりになるんだと思いますので、その趣旨に沿った議論がされていくことを期待をしております。我々もそういう趣旨に沿って、問われれば意見は申し上げていくことになると思います。
(問)「もんじゅ」ですけれども、福井県が関連協議会を終えましてですね、あとはいわゆる三者協議ですけれども、知事の側からですね、大臣に地元に一度お越しいただきたい旨の要望があるという報道があるんですけれども、その辺のスケジュール感をお願いします。
(答)土曜日に原子力安全専門委員会が開催されて、報告書が取りまとめられたので、一応審議を終了したというふうに伺っています。したがいまして、次のステップとして、いわゆるもんじゅ関連協議会をできるだけ早くに開催しようということで、今、御地元と私と経産大臣の日程調整の準備に入りましたので、できるだけ早く日程を調整したいというふうに思っています。その後のことは、協議を踏まえてのことです。ステップ・バイ・ステップですので、この前までは、福井県の安全専門委員会が開かれ結論が出るのを待っていますということでしたが、終わりましたので、次は関連協議会の日程を調整して開こうということです。
(問)一部報道ですと、再開は5月という。
(答)報道にコメントはできません。
(問)学力テストですけれども、今回の抽出率を見てですね、自主採点とかが多くなると、やはり各学校の負担が重いということがあると思うんですけれども、改めて、そのことについてはどのようにお考えですか。
(答)やり終わった後での検証に、そのことも含まれるというふうに思っています。
(問)週末の世論調査で、内閣支持率が下落傾向にありますが、その原因として、政権が抱える重要課題に対して、総理が筋道をつけられていないんではないかというふうな声もあるようなんですけれども、特に普天間問題は、「もし結論が出せなかったら退陣すべき」という声がありますが、大臣はそのことに関してどう思われるのかということと、関連して、仙谷大臣がテレビの収録で、もし解決できずに退陣ということになれば、衆参同日選挙の可能性についても言及されましたけれども、それに対する受止めをお聞かせください。
(答)総理が最高責任者という普天間問題を含めて、全力で5月いっぱいの解決を命がけでやるとおっしゃっているわけですから、それは、私は直接の所管ではございませんが、内閣の一員として全力で支えて参りたいということで、それ以上に言うことはありません。仙谷大臣の発言も、どういう流れで何をおっしゃったのかよく分かりませんが、何か、いろんなシミュレーションの中で、こういうケースがあったらどうなんですかということに、理屈としてそういうこともある、みたいなことを解説されたような印象を受けましたけれども、それ以上のコメントはありません。
(問)内閣支持率が、各社の世論調査で下がっていること自体に対する受止めをお願いします。
(答)それぞれ、総理を先頭に一生懸命やっておられる部分は、しっかりやらなければいけないし、評価が厳しいことは承知をしておりますので、私は私の所管の部分を全力を挙げてやることで、責めを果たすことに努めたいと思っております。
(問)事業仕分けの関係ですけれども、官僚の方に話を伺っているとですね、政治主導という民主党政権でありながらも、事業仕分けの舞台ではなぜか、仕分け人に対して対応するのは役人の仕事になっていて、政務三役が出てきて、正に仕分け人と対じするということがあってもいいんではないのかという指摘もあるんですけれども、大臣はこういった指摘についてはどう思われますでしょうか。
(答)それは、仕分けの皆さんがそういう仕組みでやるとおっしゃっているんだから。こちらが求めて、私たちが行くんではなくて役人に行かせたいと言っているわけではありません。そういう仕組みでおやりになっているんですから、もし御疑問があれば、そちらに聞いていただきたい。我々は、行政刷新の担当の方から、そういう仕組みでやるから協力しなさいと言われているんで、協力しているということ以上にはありません。
(問)部下たちが苦しむんであれば、俺が出ていくんだということは。
(答)いや、だから仕組みとして、そういう仕組みでやられていて、政務三役が説明するという形ではない形でやりたいとおっしゃっているんだから、それはそういう要請を受けているだけですから、何かつれなく、冷たく無慈悲にしているわけではありません。淡々と御要請を受けてやっています。
(問)金曜日に日中韓の初会合がありましたが、その御感想と、今後、文科省として、どのように留学生施策、国際交流施策に取り組んでいかれるおつもりかについてお伺いしたいと思います。
(答)もともと鳩山内閣というか、鳩山総理就任直後のいわゆる日中韓の首脳会談で、東アジアの構想、その中核で日中韓の、特に大学学術協力を含めた部分を構想として打ち上げられて、それに、それぞれの首脳が賛意を示されたものを具体化する第一歩が金曜日にスタートできたということです。アジアキャンパス構想ということで、実に具体的な中身もどんどん今決まってきていますので、それぞれの質保証をどうするのか、それから組織としてどうするのか、大学はどこがするのかということを含めて、現実に動き出していますので、より着実に前に進めたい。秋には中国というところまでは決めようと言っていましたら、年明け、第一四半期までに韓国というところまで踏み込んで決まったというぐらい、それぞれが積極的です。今までに個々の大学間での交流もベースとしてありますので、人的にも、皆さん既に顔見知りという部分が非常に多くありますので、最終的には、この日中韓を核にしながら東アジア全体にこの3つがイニシアチブを取って、そういう学術連携をしたいと思っています。こうした点でもいいスタートが切れたというふうに思いますし、鳩山内閣の東アジア構想の、一つの実質的な成果が動き出したんだというふうに思っておりますから、しっかりやりたいと思っています。
(問)2年前に、福田内閣で留学生30万人計画が立てられて、その後、政権が変わってしまったので宙に浮いた状態になっていますが、計画自体は生きているそうです。その計画を、今後、民主党政権でも推し進めていかれるのか、それとも別の計画を立てられるのか、そういった見通しはありますか。
(答)一応、その計画は残っているんですけれども、実際どこまでステップが上がってきているのかというと、なかなか中身は厳しいものが現実にありますし、行くのと来るのとのバランスも含めてですね、受入れ態勢等々もありますので、逆に、こういう日中韓の交流の計画を進めることで、より現実的、具体的なことが進められるのではないかと思っています。30万人構想という全体の姿というのは前の政権で打ち上げられているんですが、中身を詰めていきますと、なかなか皆うまくいっていないというのが現実ですので、より着実にできるところをしっかり広げていくということで、我々としては進めたいと思っています。
(問)それは、新しい計画を立てるということなんですか。
(答)何て言うのか、それぞれの好みなんですけれども、私の性格としては、何かわっと風呂敷広げて、中身は軽い荷物にするということよりは、しっかりと中の荷物を積み上げていったら、大きな荷物になる方がいいのではないかと思っています。

(以上)