川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年1月19日

(平成22年1月19日(火) 10:55~11:19  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

昨日の臨時閣議、今日の閣議について、御報告することは特段ございません。

2.質疑応答

(問)文部科学省として重要な政策を含む予算案や、高校無償化法案の成立を目指している通常国会が昨日始まりました。一方、民主党小沢幹事長の「政治とカネ」の問題で逮捕者が続いている件で、野党側は徹底追求をする構えです。小沢幹事長の説明責任について、どうお考えでしょうか。
(答)昨日から国会が始まりまして、鳩山政権にとって初めての本格国会、補正及び本予算の審議を通じて、鳩山内閣がこういう国づくりを目指しているということを国民に分かっていただき、実行する国会でありますので、是非とも文部科学省としても全力で取り組んで参りたい。その中で、高校無償化等のマニフェスト項目を含めて、いろんな政策課題をしっかりと議論し、予算の成立に全力を尽くして参りたいのは当然でありますが、小沢幹事長の周辺での政治団体を巡る捜査により、関係者の逮捕まで至っていることは、国民の「政治とカネ」という問題でのいろんな御疑問や御不信を与えていることは、世論調査等々を見ても私は事実だというふうに思っています。そういう中で、党大会でも幹事長が、その時点でのいろんな経過の説明をされました。前にも申し上げましたが、検察当局とのいろんなやりとりや状況は、私自身が直接的に知るものではありませんので、幹事長がその時期に応じて適切に説明責任を果たしていかれるものと思っております。その事態の推移を見守っていきたいと思っています。
(問)与党内から、あるいは前原大臣もですね、聴取については受ければいいのではないかという声が出てきていて、大臣も世論調査のことをおっしゃいましたけれども、国民もそういう気持ちを持っているということなんだと思うんですけれども、それでも大臣は推移を見守るというお立場は変わらないですか。
(答)私も報道しか分かりませんから、そういう部分では本人が言えばいいのではないかということは、これは御本人の判断だと思うんですね。その部分で、内々でどういう形でやりとりがあったのかということを含めてよく分かりませんから、世論調査の世の中の声もあれば、一部で報道が本当なのかという声も、関係者で言っている人もいますけれども、トータルとして客観的に判断できるのは幹事長ですので、その状況で、やはり基本的には捜査は捜査ですから、それにはしっかりと対応をし、御本人の判断として適切な時期に適切な判断をされると思っております。
(問)もちろん、慎重な…。
(答)どうやるべきかということは、客観的事実を把握していない立場で申し上げることは、私は控えております、ずっと。
(問)総理が、小沢幹事長の続投を求めるということで、「戦ってください」というふうに発言されたようですけれども、行政のトップでもある総理の発言ですがどんな影響があると大臣はお考えですか。
(答)これも、どういうところでどう言われたのか正確には承知していないのですが、ぶら下がりですので皆の前で言われたわけではないのですが、多分これは、私が確認をしたのではですね、小沢幹事長としては、検察のやり方には納得できないので真正面から、全面的にやっていくんだという、ある種の戦うということで、小沢幹事長がそうやられることは、「どうぞやってください」というふうに言われたのであって、何か、私が戦うという言葉ではなかったんではないかと、私は理解しています。
(問)昨日、民主党内で石川議員の逮捕についてですね、「石川代議士の逮捕を考える会」という会合が発足してですね、不当逮捕であるというような主張をされていくようなんですけれども、その中には省庁の政務官とかが入っているようなんですけれども、大臣御自身は石川議員の逮捕についてどういうふうにとらえていらっしゃいますか。不当だというお考えはありますか。
(答)ずっとこの件に関して申し上げているように、当事者でないことが一つ、その意味では細かな経緯、状況、背景が分かりませんので、検察当局は検察当局の判断、法と秩序に基づいておやりになったんだと思うし、しかし執行された側からいえば、いろんな思いがあるということは、両方あると思うんですね。だから私の立場ではコメントできない。
(問)関連なんですけれども、「石川代議士の逮捕を考える会」というのと同時に、昨日、民主党の方で、検察が情報をもらしていると、何かそのワーキングチームというか勉強会的なものが発足されたようなんですけれども…。
(答)そうですか。それも知りません。
(問)公権力を行使できる立場にある与党でですね、何かそういうのを設置するというのはどうなのかなという気もするんですけれども。
(答)公権力を行使できるのは政府でありまして与党ではありません、厳密に申し上げれば。
(問)ただ、鳩山内閣の方針としては、与党と内閣は一体だということですよね。大臣に聞くのは恐縮なんですけれども。
(答)いろんなことをそうしていくという部分で、100人以上の人を入れていくと、入った人は政府の人だと思いますが、法的に言えば別でしょう、党と政府は。一体的に運営するというのは、運用の運営であるのと、それから政府に対していろんな人材を公式に送り込むということは、送り込んだ瞬間からその人は政府の人であるという、やっぱり、それぞれの権限の違いは法的には明らかだと思うんですね。だから与党は政府としての権限を行使できる立場にありながらというのは、必ずしもそうではないのではないかと、私は思います。
(問)先ほど冒頭で、国民も疑念を抱いているというのは事実だと思うというふうにおっしゃいましたけれども、なぜ国民が疑念を抱いているというふうに大臣は思っていらっしゃるのかというのが一点と、二点目は、「政治とカネ」の問題が通常国会の運営にどういった影響を与えると考えていらっしゃるのかお願いいたします。
(答)なぜかは分かりませんが、要するに各社の世論調査を見ると、もっと説明してほしいという声があるということは、いわゆる疑念という言葉がいいのか、疑問に思っておられるという方が多いというのは事実だという意味で申し上げました。なぜというのは、いろいろそれぞれに受け止め方があると思いますね。国会に関しては、国会運営上の部分でありますが、今承知をしている部分では、野党の皆さんはこういうものに大きく力を入れた国会をするべきだという御主張をされているという意味では、我々が一刻も早く予算を成立させたいという部分と、日程上の部分でいろいろ協議はこれからですが、少し立場が違うのかなという意味では、影響を与えていると思います。
(問)なぜ国民が疑念を抱いているか分からないというふうなお話がありましたけれども…。
(答)いろいろあると言っているんです、分からないではなくて。
(問)大臣御自身は、例えば内情を全部御存じで、それで、それは小沢幹事長が説明すべきだという立場ではなくて、大臣御自身もどういう状況か分からないというお立場であれば、大臣も、国民の一人なのか、党員の一人なのか、どういうお立場かは別ですけれども、説明して欲しいというお気持ちはあっても当然だと思いますしね、それを、適宜適切な時期に本人がとか、推移を見守るということでよろしいんでしょうか。
(答)幹事長が事実関係というか経過を、当事者ですからその状況を踏まえて適切に対応されると思いますと、先ほど申し上げたのはそういうことです。
(問)世論調査でこれだけの数字が出ていて、現時点で適切に対応されているというふうにお考えなんですか。適切にとおっしゃっているのは。
(答)先般の党大会で報告された部分は、一定のあのタイミングでの適切な報告だったと思います。ただ、それを受けて、国民の皆さんがまだよく分からないとおっしゃっているのは、事実として出ているという意味では、そういう状況も含めて、また御判断をされるのではないかと言っているんです。
(問)国民が適切だというふうに考えていないから、こういう状況なんじゃないですか。
(答)その辺は禅問答みたいな話で、あんまり答えるつもりはありません。
(問)各種の世論調査で内閣支持率がかなり低下しています。ある意味、不支持となっている結果が出ていますけれども、ひとえにやはり、鳩山総理と小沢幹事長の「政治とカネ」の問題が、やはり大きな影響を与えていると思いますが、実際、内閣の一員、それから民主党員としてですね、トップ二人のそういう問題で国民の支持が離れていっていることについてはどう思われますか。
(答)やはり非常に大きな、そういう部分では、影響を与えているという状況が出ているということは心配しています。ただ、私たちは一方でですね、国民の大きな期待で日本の政治を変えて欲しいと、政策も国民の生活第一に変えるという、我々の主張と国民の期待で政権交代が実現した、その中身をこれから国会でやっていくわけですから、そのことはしっかりと理解していただき実行に移すことで、また評価をしていただきたいと。私たちが今の立場でできるのはそれしかありません。
(問)小沢幹事長の問題に関してですね、民主党内とか議員の方とかですね、何か意見をはっきりというようなケースが、大臣を含めて見られないんですけれども、実際、やはり小沢幹事長に対する恐怖のようなものが党内にあるのではないかという報道もありますけれども、その辺に関してどうお考えですか。大臣もそういうふうにお考えの部分があるんでしょうか。
(答)別に恐怖は持ってはおりません。やっぱり一体的に皆で結束して、国民の審判を受けた政策を実行していきたいという思いが非常に強くあります。そういう中で、やはり一致して行動していこうというときに、幹事長があのように党大会で説明をされ、総理が、信じて皆で一緒にやっていきましょうということで幹事長の続投をお認めになったという以上、リーダーがそういうふうに決められたら、私たちはその下に頑張っていくというのは基本的な組織論として、そうだと私は思います。
(問)先ほど支持率について非常に心配しているというふうにおっしゃいましたけれども、これは、政権の運営そのものへの影響を心配されているのか、何を心配されていらっしゃるんでしょうか。
(答)急に、そういう部分で非常に落ちたということですから、いよいよスタートするというときに非常に落ちたという部分では、国民に民主党政権の大切さと意義を分かっていただくということにとって、やっぱり、下がるのはあまりいいことではないですから。
(問)政権の運営そのものには影響はあるというふうにお考えですか。
(答)だからこそ、一所懸命政策の中身に関しては、国会の中での議論と実行をやることしかないのかなと。世論調査も詳しくまだ見ていないのですけれども、国会での論戦を望むという、やはり景気経済対策も含めて、しっかりと政策を議論して欲しいという声も、疑惑をしっかりしろという声ももちろんですが、一方の景気対策とかの、いわゆる政策をしっかりやってほしいという声も非常に高くあることも見られますので、やっぱりその責めは正に私たち内閣の責任として、全力でやっていきたいと思っています。
(問)明後日、中教審の総会が、政権交代をして初めての総会で大臣も出席されるということなんですけれども、改めて、新政権下での中教審の位置付けというか見方について、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)教育のいろんな政策決定に、幅広い人材の幅広い議論で、中教審に諮問をさせていただき、答申をいただいてやってきたという、大きな役割を果たしてきていただいておることは事実でございます。そういう中で、一方、マニフェストで、例えば高校の実質無償化をやりますとかという意味では、政党の責任として、国民の直接の審判を受けたという政策もあります。そういう意味で、大きく分類してみますと、要するに教育環境整備、例えば今の授業料をどうするのかとか、教員の数をもっと増やすんだとかというふうな環境整備に関しては、政党あるいは内閣の責任として国民に示す中で実行をするというのが、いわゆる期間も短くてすぐにやりたいというふうなことは、政策的な分類でもあると思うのです。一方、教育の根幹というのは中長期の問題ですから、どういう方針で、どういう仕組みで教育というのはあるべきなのかというふうな中長期の課題に関しては、幅広い大所高所の立場に立ついろんな人がじっくり議論をしていただいて、一定の答申をいただくという中教審の役割はそういう意味では大変大事だと思っておりますので、例えば先般でも高校無償化に関してはですね、中教審の御議論というよりは、マニフェストの実行項目ということで、しかし実施に当たっては関係者は一杯おられますので、実施の前には、高校無償化に関係されるであろう現場の人たちや、教育関係者、学識経験者に幅広く意見をお伺いするという形でやらせていただきました。ここには直接的に中教審の諮問は掲げておりません。しかしこれからですね、大きな形で定数は増やしましたが、定数をどういうふうに配置していくのがいいのか、あるいは学校の定数の問題をどうするのかというふうな問題に関しては、やはり中教審に御審議をいただくということもあると思っておりますので、多分、そんな趣旨で総会でも御挨拶しようかなと、まだ確定していませんが思っています。
(問)鳩山政権になってですね、内閣官房の方ではいろんな会議を廃止したりとか、例えば経済財政諮問会議を廃止したりとかあるんですけれども、中教審はそのまま現状維持ということですか。
(答)これからどういうふうにあるべきかということは不断に議論はしていくべきだというふうに思います。今すぐに中教審をやめようとかという方針や、抜本的に改正しようということではありませんが、今申し上げたようなことで、それぞれの役割自体はあるんだろうと思っています。
(問)先週、鈴木副大臣が発表された学級編制の基準見直しとかも、中教審の方にかける予定だったんですか。
(答)ということを含めて、中教審が何か文部科学行政全部を決めるというものではないでしょうし、どういうものが中期長期的なものなのか、短期にどうしても早く答えを出したいものなのか、それから、かなり教育理念にかかわる問題なのか、数字的な問題なのかということを整理して、お願いするならどういうことをというのはまだ決めていません。まだ、中教審にかけるともかけないとも決めていません。課題としてそういうものが今あるということです。
(問)全国いじめ被害者の会というのが、今日、申し入れをしたということなんですけれども、文科省の対応が、要するにランク的に低い方での対応で、いじめに対する…。
(答)ちょっと承知していなくて、先般も、子どもを守り育てるネットワーク、国民会議的なもので幅広く来ていただきました。私の意識としては、そういう意味での子どものいろんな問題、特に自殺なんかは極めて深刻な問題で、いろんな手立てをうって、たとえ一人でもそういうことが防げるような施策がとりたいと思っています。今の事実関係を承知していないので、対応が万一そういうことであるならば、私の思いが現場に十分浸透していなかったらいけませんからちょっと調べさせてください。
(問)過去にも国会なんかで、子どもに限らず、自殺防止のための集まりというのがありますと、他の省庁と比べても、職位のランクですから別に高ければ一所懸命やっているというものでもないんでしょうけれども、随分、この程度のかかわりなのかなという印象を受けたものですから伺いました。
(答)先般のネットワーク会議は、私たちが提案をしてやらせていただきましたし、警察、あるいは厚労省とかいろんなところを含めて、これからももちろん、いろんな各種団体、教育関係団体、NPO、いろんな人に来ていただいて、トータルでいろんな知恵を出し合ってやろうということでありますので、決して軽んじていることはありません。
(問)大学入試センター試験が行われましたけれども、インフルエンザ対策でですね、追試の日程をずらしたり、あるいは会場数を大幅に増やすというような対策をしましたけれども、結果的に、追試人数は過去最大になりましたけれども、ただ想定していた5万人規模までにはなりませんでしたが、その辺りの受止めとですね、来年以降、インフルエンザ対策といったものをどのように強化するというふうなお考えについていかがでしょうか。
(答)51万人の参加者があったということで、トータルで見ればですね、全体として試験実施に大きな影響を及ぼすというふうな混乱は、基本的にはなかったというふうに思って胸をなで下ろしております。そういう中で、とはいえ、一つは追試は結果的に、インフルエンザ様症状509人を含む972名、2週間後という、インフルエンザを治していただく期間ということでありまして、例年よりはやっぱり多かったと。しかし、何かものすごく多かったわけではなかったというのはほっとしております。一方で、予想以上に雪による交通の混乱というのがありました。そういう部分で、試験時間をずらしたりするという対応も含めて、現場でいろんな皆さんが対応していただいたということでありますが、関係各位、各方面の御努力で、非常に大きな混乱なく終えたことであったのかなというふうに思っています。来年以降というのは、来年、インフルエンザとかがどういう状況になっているのかを見ないといけませんし、今回の検証も見てみなければいけないと思っています。

(以上)