中井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月25日

(平成22年5月25日(火) 8:51~9:14  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 一般案件含めて、普通どおりに処理がなされました。
 北澤さんが昨日からアメリカへ御出張なさって、その間の留守は内閣官房長官がやるということになりました。政策評価に関する基本方針の一部変更について、原口さんから御発言。それから、子ども・子育て白書が出されて、これについて福島さんから御発言。それから財務大臣から、平成21年度末現在の対外の貸借及び国際収支についての御報告がありました。前原さんから、(JRの)四国、九州、北海道、日本貨物の会長・社長が近々取締役会で決まるが、それについての口頭了解が求められたところでございます。
 それが終わりましてから閣僚懇に入りまして、行政事業レビューについて枝野さんから。それから、この間の日中韓のサミット前の、直嶋さんの経産大臣の御報告と夏の省エネについての御報告。それから、環境大臣からもそういうことについてのお話とクールビズについてのお話がございました。
 なお、小沢さんのこの御報告の中で、初めて中国で黄砂対策の会議をやるんだと、中国みずからが提案して踏み込んできてくれたという報告がありましたので、私もこれについては大賛成で早く対応してほしい、このように考えています。
 また、官房長官と前原さんからクールビズ期間中かりゆしウエアのお願い。そして6月1日のクールビズスタートの日の閣議では、かりゆしを着てくれというお願いがございました。亀井大臣が「どうもあれは嫌いだ」と発言をいたしたところでございます。亀井さんは、「自分はそのままで来る」と言っていました。
 それから総理からは、地域主権戦略会議についての御発言がございました。これについて、前原さん、それから原口さん、川端さんからそれぞれの意見が述べられて、閣議が終了いたしました。
 赤松さんから口蹄疫の現状について御報告がございました。昨日、宮崎へ行かれて報告を聞いたようでございます。その報告は、えびののほうは、方針どおり土地をそれぞれ出されて処分した家畜を埋め立てていると。ところが、日南を中心とした地域は、なかなか処分地が出てこないと。したがって、処分が遅れていることが大きなおさまらない原因になっていると。土地もあるはずだから早く出してほしいということを、重ねて現地でもお願いをしたところだという話がございました。
 私もこれについては大賛成で、とにかく早く処分する、そして埋め立てると。これ以外に防ぎようがないわけですから、お地元には補償をどうするかとかいろんなことがあるんだと思いますが、一日も早く口蹄疫の蔓延をとめる。そこからまたいろいろな御注文をいただければいいんだと思いますから、そういった意味での協力、自衛隊と警察の協力に対しての感謝の言葉もいただいたところであります。
 以上です。

2.質疑応答

(問) 韓国の哨戒艦沈没の事案なんですけれども、昨日、その安保会議で総理から北朝鮮への独自の制裁を検討するように指示があったと思いますが、人、物、金の流れをめぐって、具体的に大臣が考えられている措置があれば教えていただきたいのと、政府の現段階での検討状況、あとは取りまとめの時期などが決まっていましたら教えていただけますか。
(答)これは各省庁それぞれ検討を開始しという御指示でございました。岡田さんからも重ねて、アメリカも含めて制裁の必要があるという発言があったところでございます。
 私はもともと賛成論者ですから、2年前にも民主党の拉致対策本部長として制裁案をまとめているところでございます。だけど今回、安保会議等に出ていますのは、拉致対策大臣としてじゃなしに警察としてでございます。そういう意味では、担当がどういうところにあるかというと微妙な、制裁案を考える担当かどうかはわかりませんが、しかし、私自身は人の交流という面で、人、物、金というなら人ということ、そして物ということ、お金ということ、この順番で考えていきたい、提案をしていきたいと思っています。
 それ以上は踏み込んでは失礼ですから、言わず。
(問)今日で終わる事業仕分けについて、先週、警察庁所管の全日本交通安全協会が取り上げられて、その教本についてほぼ独占的だということで、その実施機関を競争的に決めることとか、教本自身のコストを削減して講習手数料を下げるべきだといった見直しも指摘がなされましたけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)賛成。大いにそれは事業仕分けの御指摘どおり努力をすべきだと思います。
(問)それからもう一問、それに関して常勤の役員が5人いまして、すべて天下り。それから理事長の報酬が2,000万円だということで、これについても指摘がなされましたけれども、これについてはどうでしょうか。
(答)僕はそういう協会が要るかどうかも含めて、前々から内部でやかましく言っております。法人の形態がいろんな形でありますし、警察庁から補助金が出ているというスタイルをとっていません、警察の関連の団体は。しかし、国民から負担をとっている。こういうことについて、警察業務を少し助けるという意味では意義があるかもしれませんが、それが実質的な天下りになっているということは、もともと賛成ではありません。
 そういう意味では、局長が来られたとき、あるいはそういう会について御報告があったとき、ありとあらゆる会に言い続けており、交通安全協会だけではありません。まして全国の交通安全協会の会長が自民党の後援会のだれだとか、そういうのばかりだということまで言っていますから、政党色をなくせということやらいろんなことを言っています。
 御努力いただいて、交通安全、各地区の安協の皆さん方が、この交通安全啓発運動等に取り組まれていることは感謝申し上げます。しかし、それに隠れてそういう天下りが存続しているというのは、やはり批判を受けると思っています。
(問)今のものに関連して、今のは各論だったんですが、総論として、今日最終日なんですが、今までの3日間で取り上げた68事業のうち49事業が廃止または縮減というふうな結果になっています。こういった全体的な動きで鳩山政権が掲げる行政の無駄をなくしていこうという動きについて、こういった動きが加速させる原因、要因になると大臣はお考えでしょうか。
(答)もっともっとやるべきことをどんどんおやりいただければいいし、それから政主導のもとで、仕分けをされなくても自分たちでやるということ。そして、その中で財源をつくるということだけではなしに、すっきりとした国家行政のあり方というものをつくり直していく、このことが大事だと思います。
 まだまだこの政権がスタートして8カ月ですから、十分なところまで行っていない。仕分けをする人たちも、本当は僕らに聞きに来てくれたらもっと知恵を出すんですが、自分たちだけでおやりになるから、僕らが官公庁の利権を守るように思っていらっしゃるのかなと思って、少し寂しい気がしていますよ。
 僕は警察業務ということに関しては幾らでも守るけれども、利権を守るというつもりはありません。これは警察官の方にも申し上げているところでございます。
(問)バンコクに在住の日本人がミャンマー人を不法に働かせていたというような容疑で身柄を拘束されているということなんですが、ひいてはそれが千葉で以前人身売買にかかわるような逮捕状が出ていた人物と、そんな報道があるんですが、これは何か報告は。
(答)これはまだ報告を受けていません。帰りましたら聞いてみます。午後からでも問い合わせてください。
(問)普天間の移設問題に関して、一昨日総理が沖縄に行かれて、辺野古への移設というのを正式に表明されました。総理は「最低でも県外」というふうに掲げて選挙を戦われたんですが、結局は辺野古に戻ってしまったと。そういった総理の判断を大臣はどう見るかというのがまず1点と、もう1点はこれに対して社民党から反発が強まっておりまして、福島党首は今日沖縄に行かれて、知事らと会談して、「協力して県外移設をしていく」ということを呼びかけるほか、昨日照屋国対委員長も「社民党の意思が受け入れられないなら、社民党は連立政権を離脱すべきだ」という発言もされているんですが、こういった動きについて大臣はどう見られていますでしょうか。
(答)福島さんは今日まで閣僚の一人として、極めて多方面に意欲的にお取り組みをいただいて、それぞれ新しい切り口でいろいろな事業がスタートしています。これをすぐ放り出してというお考えは僕はもったいないと思っています。
 それから、普天間のことは私は門外漢でありますので、閣僚会議で方向が出され、アメリカとの交渉の傍ら、地元に説明に行かれる、そして負担軽減で、言葉どおりというわけにいかなかったけれども、これぐらいの負担軽減の努力はできているということを誠心誠意自らを含めて御説明をなさるということは当然のことだと思います。また、これに対して約束は違うという形で、沖縄あるいは国民、あるいは党内外、野党を含めて反発、お叱りがあるのは当然だろうと。しかし、これは全内閣を挙げてお支え申し上げて、私どもを含めて説明をしていくということが大事だろうと。ただ、私どもにも十分まだ方針がきちっと報告されているわけではありませんから、まだまだ固まっていない状況だろうと、こう考えております。当然安保会議等で説明があったりとかいう手続きはあるんだと思いますが、まだそういう段階に至っていない。その中で苦悩されているということだろうと思います。しかし、総理は意外と元気でした。元気でした、今日朝。
 社民党の照屋さんなんかがいろいろ言われているのは、少しテレビで見ました。私も基地の米兵家族等の犯罪のたびに、いろいろと警察担当としてお叱りをいただいてきました。そういう御発言からくると、当然そういうことが言われるんだろうと思いますが、それが社民党全体の離脱につながるなんていうのは到底考えていません。
(問) 関連して、内閣の一閣僚である福島さんが行かれて、どういう発言をされるかまだわかりませんけれども、総理と違ったメッセージを沖縄の地元に発信されることで、地元の混乱につながるのではないかという指摘もありますけれども。
(答)社民党の党首として行かれるんでしょう。
(問)それは問題ないという話ですか。
(答)彼女の得なところですな。僕らがあんな好き勝手言ったら、たちまちお叱りをいただくんですけれども、彼女の得なところじゃないですか。今日、閣議前の懇談で、「宮崎の御出身だそうですね。宮崎の人というのはこの口蹄疫の対策でも頑固なところがあるから、赤松さんも苦労しているけれども、そうですか」と言っておきましたから。
(問)口蹄疫の関係で、49頭の種牛の扱いについて、国の処分、法に基づいた処分方針に対して、法のあり方自体に言及しながら知事が何とかならないかと。
(答)知事さん、そんなこと言っちゃいかんな。6頭の隔離のやり方、失敗したんじゃないか。 6頭の大事な牛の隔離をしたけれども、僕ら聞いてもちょっと信じられないような隔離の仕方じゃないか。同じトラックで運ぶとか、同じ牛舎に入れていたとか。それで失敗したから残りを何とかというのは、ちょっと僕は違うと思う。
 僕のところも伊賀牛という有名な、皆さんは食べたことないでしょうが、高級過ぎてあれですが、本当においしいところですが、4割宮崎ですよ、もっとかな。前にも記者会見で言ったけれども、2人か3人、私の郷里からあの地区で畜舎を経営している人がいるんですよ。だから、窮状すさまじいことを聞いていますよ。しかし、仕方がないですね。
 だから、とにかく処分のあり方というか、こういうのはみんな地元の問題ですから、やっぱり県が必死で国と一体となってやってくれるということじゃないといかんでしょう。だから、県、市を含めて、とにかくまず蔓延を防ぐと。ここからだと僕は思っています。つらいお気持ち、情けない気持ち、いろいろ錯綜されているんだと思います。畜産農家も本当に何とも言えない気持ちでおられるというのは、痛いほどわかります。
 この間三重県知事が参りましたときも、徹底的に対応策、初動のスピード、間違えずに万一のときはやってくれる、こういう体制をつくってくれ。そういう意味で、日本中の警察に実は協力体制を依頼しています。畜産のお持ちの県にはね。大変ですよ、警察も。北朝鮮の警戒がありますし、APECの準備もぼちぼち、6月の初めに一番最初に北海道で閣僚会議が行われますから。そういうことを含めて、しかし対応しなければなりません。全力で頑張ってもらう。そのためにはやっぱり地方の行政の長を含めて、協力してもらわなければいけません。お叱りいただくのは、後から幾らでも叱ってもらえばいいんです。僕はそう思います。山田君や小川君、現地で頑張っている人に、山田君から2回ほど電話がありましたから、とにかく頑張れと申し上げておきました。

(以上)