仙谷大臣記者会見要旨 平成22年5月14日

(平成22年5月14日(金) 8:33~8:53  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 閣議については、御報告するようなことはなかったと思いますが、B型肝炎の本日の法廷について態度表明をするということを、各閣僚の皆さん方にも申し上げておきました。
 原口大臣のほうからは、国家公務員の新規採用方針についての折衝をこれからも各省庁とやらせていただくのでよろしくと。最終段階では4大臣と各省庁折衝をやらせていただくことになる可能性があるという話がございました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)B型肝炎の関係なんですけれども、今日、確認されたのは、和解協議に入るということなんでしょうか。
(答)そういう態度表明を裁判所で行うということです。
(問)政府としては、補償額など、具体的な救済案は出さずに協議を進めていくお考えなんでしょうか。
(答)皆さん、少々気が早いようですが、和解というのは、裁判官が片一方ずつ和解室に呼び込んで、「どういう方向で行えばよろしいでしょうか」と打診して行うものです。そこで双方の態度表明が多分あるんだと思うんですね。
(問)その中で、政府の方針を明らかにしていくという……。
(答)政府も明らかにするし、相手方も明らかにするでしょう。そのやり方について、裁判所が協議を調整させることができないと前へ進まない。そんなのは年がら年中ですから。
 僕がいつも霞ヶ関の皆さん方に申し上げているように、判決手続であろうと、和解手続であろうと、日本の場合には幸運にも司法の独立というのが、明治時代から一応国民の意識の中にある種の権威として確立しているから、裁判所で物事が解決されるというのは、それほどインチキじゃないだろう、真っ当な解決ができるだろうという国民常識がありますよね。これは、近代的な国家における制度としては非常に大事なことで、司法権のある種の文化的権威というか、げんこつの権力とか権威じゃない権威があって、それによって物事の解決がまあまあのところでおさまるというか、バランスよくおさまるということが重要です。特にこの第三者性と独立性というのは、物すごく私は重要だと思っているんですね。
 情報として開かれた形で物事の解決が図られるのであれば、判決手続であろうと、和解手続であろうと、それはいいことだ、霞ヶ関にとってもいいことだというふうに思わないと。裁判にかけられるのは恥であって、裁判にかけられたこと自体で何か被害者みたいな気分になるというのは間違いだということを僕はずっと言ってきているんですね。その代わり、この種の問題については、裁判所にもよくその立ち位置を御理解、御自覚いただいて仕事をしてほしい、役割を果たしてほしいと思います。
 だから、国民の皆さん方にも、この問題がどういう問題で、どういうふうに解決すれば、理解、納得ができるのかをよく注目してほしいし、そういう観点からこの問題を報じてほしい。いずれにしても、何らかの格好で解決が図られることが望ましい。それは単なる抽象的な意味での国がどうのこうのという話じゃなくて、具体的には国民のところに問題がおりてくるということですから。だから、我々もそのことを考えに考えて、論議を構築していかなければいけないと思っています。
(問)参院選のマニフェストの関係で、昨日の企画委員会の後の会見で、党側は消費税について、次期衆院選で引き上げるということを書き込むと発表しましたが、政府は決まっていないと言っています。説明に微妙に違いがあるんですけれども、大臣も出られていて、そこのところは一致をしたというふうに見ていらっしゃるんでしょうか。消費税を上げるということを、次期衆院選のときに上げるということを参院選のマニフェストに書くということについて、昨日の企画委員会では、そこまでの合意というか、調整がなされたんですか。
(答)いや、合意とか何とかという話じゃなくて、どういうふうに意見が収れんするかということで、やっぱり純粋財政論的な話というのは当然のことながらあって、そこは私がかねがね申し上げているように、ギリシャを他山の石として、我々がこの時点でどういうふうに考えるか。
 それともう一つは、やっぱりこの問題の取り上げ方、時期設定の問題を含めて、それがより信頼を得られる政府・与党というふうに国民の皆さん方に受け止めていただけるかどうか。これは、どうリスクをとるかの見通しの問題ですから、まだまだあれやこれやの議論があってしかるべきだと僕は思っているし、神様じゃないから、「えいやー」というわけにはなかなかいかない。しかし、どのぐらいの色の程度をつけて選挙に打って出るかというのは、どこかで決断しなければいけない。そこは、日本の将来、特に日本の財政論的な課題と、選挙でどういうアピールをするかのバランスの問題ですが、私はもっと議論を闘わせないと、生煮えでこんなことを断定すれば、皆さんが疑心暗鬼を抱えながら選挙をするようなことになってしまい、いかんとは思っています。財政論的な話は、私はもう以前から記者会見で何回もお話ししたとおり考えてはおります。
(問)では、財政再建を掲げたほうが選挙には有利に働くというふうにお考えですか。
(答)まだ僕はそこまで決断していません。私の政治家としての歴史は、1年生の時代から、そういうことを言い詰めた時期もあって、落選した時期もあったり、当選した時期もあったと。20年間の歴史はそういうことですね。
(問)関連するんですが、菅大臣が新規国債発行を44.3兆円と、来年度予算編成について、一つのボールを投げているみたいですが、これに対する受け止めと大臣の考えをお聞かせいただけますか。
(答)予算の組み方の問題は大変悩ましい問題だということは、多分共有できているんだろうなという気がします。ただ、総額をどういうふうに設定するのかと。これは景気とか、これからの産業構造なり就労構造なり、あるいは成長戦略などとの関係で、当然もう少し考えなきゃいかん話だとは思います。また、税収の見積もりについては今年の企業の収益構造、あるいは皆さん方がどのぐらいお金を使っていただけるのかというような話、あるいは皆さん方へのボーナスを含めた所得がどうなりそうなのか、その辺もやっぱり見極めないと何とも言えないと。
 ただ、実質、歳入が37兆円と歳出が50兆円ぐらいと差がありますよね。これはやっぱりいびつだという認識はもう私どもは持っておりまして、皆さん方にもそういう話をしてきたわけですが、財政の破綻的状況が本格的な発散をするためにどうしたらいいのか。今日も報じられていましたが、経常収支の黒字がどのぐらいとれているのかということは、とりもなおさず貯蓄がどのぐらい維持できるのかということです。
 それから、為替レートがどう動くのかということが、やっぱり日本の場合にはどうしても大きい要素ですから、この辺も見極めながらやっていかないといかんわけですが、この間から申し上げているように、ヨーロッパ、アメリカの経済、あるいはそれに連動するアジアの経済、そこにまた両方に連動する日本の輸出というか、日本にとっての外需の問題というのがありますので、もう少しそこはやらなきゃいけません。
 そんな中、ギリシャの問題が出てきて、マーケットというのは連想ゲームで動くことがあるから、今まで以上に、財政の規律については注意深く、ナーバスにならなければいかんということはもう間違いないんじゃないでしょうか。
(問)普天間の問題なんですけれども、昨日、総理が6月以降も努力していくという話をされました。これまで5月末までに日米、地元の沖縄、与野党のそれぞれの合意を得るという話をしていたんですけれども、6月以降も努力するということで、先送りではないかというふうな批判も出るかと思うんですが、改めて……。
(答)以前から申し上げているように、相手のある事柄を期限を切ってどこまでできるか、できないかという話を皆さん方がお詰めになることはいかがなものかという気持ちのほうが僕は強いんですね。目標値として5月なら5月と書いても、相手がある話ですし、今回は相手が2つもあるわけでしょう。あるいは3つなのか、4つなのかしれないけども。こちらのほうがいかに誠意を尽くして、いかに問題提起をし、提案をしようと、相手のある話では、期限設定が馴染まないという考えが私にはあるもんだから、以前から5月を超えようと、何をしようと、事はやっぱりこのアジアの中で日本がどうしていくのか、そのために、日米同盟をどのように深化させるとともに、沖縄の皆さん方の犠牲を減らす方向で考えていくのかという問題だと僕は思っていますから、時間がかかるのもやむを得ないし、かかっても、ある構想の下に努力をしていくという姿は、そのうち国民に御理解いただけると思っています。
(問)もともと5月末までというふうに期限を区切ることが問題にそぐわなかったという……。
(答)目標値として、努力目標として速やかにやるほうがいいといえばいいわけだから、僕はそういうふうに受け止めているんですけどね。
(問)小沢幹事長の問題の関連なんですが、政倫審に出席して説明するということと、あと地検の再聴取にも応じるということになっておりますけれども、どのように影響を考えていらっしゃいますか。
(答)御本人がそういう御決断をされたということですが、国民の皆さん方が世論調査に表れているような見方をしているとすれば、それを払拭するような堂々たる説明をしていただければありがたいなと思います。
 多分、次の焦点は政倫審の公開問題になるだろうと、私は個人的な経験から理解しています。山崎拓さんの問題のときに、私は政倫審の委員をやっていた記憶があって、そのときは野党の理事として公開を求めましたが、カメラを除いて人数限定でのプレス公開をしたような気がしますね。やっぱり最低限はそこまで公開をしていただいたほうが、国民の皆さん方に対する説明としてはいいと思います。
(問)もう一点、週明けの18日に国民投票法が施行されるんですけれども、憲法審査会などを動かす環境が整っていませんが、今後の対応とか今のあり方について、どういうお考えをお持ちか……。
(答)これは、今の僕のポジションからいって、あまり物を言うのはちょっと差し控えたほうがいいと思いますね。
 私自身はいろんな思い、つまり憲法調査会長をさせていただいたり、衆議院の憲法調査会を長く、中山太郎先生、枝野大臣、船田先生なんかと一緒にやってきた思いがあって、やっぱりもうここまで来ると言っても遅いと思うけども、日本という国の形の議論を、分権問題にせよ、統治機構の問題にせよ、憲法論としてやっぱり常時行うことが私は必要だと考えているんですね。だから、報道各社も公務員問題についても部分的な報道に過ぎると。昨日、衆院を通過した法案についても、批評もされる方も多いですが、本質的にこれは憲法論の話ですから、内閣諸制度というか、内閣法から、国家行政組織法から、国家公務員法から、堂々たる統治機構全体の問題としてやらないと、どうしても虫食いみたいになってしまうんですよ。だから、やっぱり憲法論議が常時、議会で行われているということが望ましいと思います。内閣の一員として憲法のことをあまり言うと、また遵守義務がどうのこうのというような形式論になりますから、議会の実質的な自由討論の下に、なるべく闊達な、活発な議論をしていただきたいとしか言えないですね。

(以上)

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